JP2004316736A - 車両の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速時に生じる変速前後のトルク段差をなくし、変速ショックを低減する車両の変速制御装置を提供する。
【解決手段】車両の変速制御装置において、変速に先だってエンジン回転数を低下させて変速時のトルク段差を低減するとともに、エンジン回転数の低下により不足するトルクを電動機により補う。これにより、変速ショックを防止することができ、運転者は変速ショックに起因して生じる違和感を殆ど感ずることがない。また、変速に先だってエンジン回転数を所定回転数に維持させ、高電圧バッテリーの使用量を少なくしつつ、発電機が発電した電力によって電動機を動作させる。これにより、シフトアップ動作時に不足する駆動トルクを補充する。よって、消費される燃料を少なくしつつ、高電圧バッテリーの容量の大幅な低減を図ることができる。よって、上記同様にシフトアップ動作時に発生する変速ショックを効果的に低減し、運転者に与える違和感を限りなく除去することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速時に生じる変速ショックを低減する車両の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子制御式自動変速機(Electronic Control Transmission;ECT)を備えた車両では、低速段から高速段へのシフトアップ動作時などにおいて、変速に伴って一時的に駆動トルクが急激に変化することが知られている(これを「トルク段差」とも呼ぶ)。このため、ECTを備えた車両では、シフトアップ動作時などに、そのトルク段差に起因して変速ショックが発生し、運転者に対して違和感を与えるという問題がある。
【0003】
かかる問題を解消する方法として、変速終了の判断に基づいて、変速終了後にモータジェネレータからのアシストトルクを車両の駆動トルクに付与して、変速時に生じる変速ショックを低減する車両用駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、変速前に電動機等による回生動作を行うことにより変速機の入力回転数を低下させて、変速時に生じる変速ショックを防止するハイブリット車の変速制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
なお、エンジンにより前輪を駆動し、モータにより後輪を駆動する四輪駆動装置が知られている(例えば特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−243502号公報
【特許文献2】
特開2000−2327号公報
【特許文献3】
特開平7−231508号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、変速終了後にモータジェネレータからのアシストトルクを付与することにより、変速時に生じる変速ショックを低減したとしても、変速時点の変速ショックは低減することができない。このため、運転者に違和感を与えることなく変速操作を行うためには、変速時点に生じる変速ショックも効果的に低減させる必要がある。
【0008】
また、変速前に変速機への入力回転数を低下することにより、変速ショックを防止するとしても、変速指示が出されてから電動機等による回生動作を行い、その入力回転数を低下させて変速後の同期回転数に近似させるまでに相当の時間を要した場合には、変速実行の時期が遅延するという問題が生じる。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、変速時に生じる変速前後のトルク段差をなくし、変速ショックを低減する車両の変速制御装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、車両の変速制御装置は、所定の変速条件が成立したか否かを判定する判定手段と、前記変速条件が成立した場合に、内燃機関の回転数を低下させると共に、前記内燃機関の出力軸に駆動力を付与して前記内燃機関の駆動力を調整する駆動力調整手段と、前記駆動力を調整した後に変速を実行する変速手段と、を備える。
【0011】
上記の車両の変速制御装置によれば、所定の変速条件が成立した場合に変速を実行する。ここで、変速条件は、例えば、アクセルペダルの踏み込み量に連動するアクセル開度、及び車速などの状態に基づいて判断することができる。また、変速には、シフトアップ及びシフトダウンの双方を含む。
【0012】
変速条件が成立したと判定された場合には、車両の変速制御装置は、まず内燃機関(エンジン)の回転数を低下させ、変速時のトルク段差を小さくし、変速ショックを低減する。また、エンジンの回転数を低下させることに伴い、エンジンの出力軸に駆動力を付与する。エンジン回転数を低下させたことによりエンジンの出力軸に作用する駆動力(駆動トルク)は減少する。このため、エンジンの出力軸に駆動力を付与することで、その減少分の不足する駆動トルクを補充する。これにより、変速時(変速前後を含む)に駆動トルクの減少に起因して生ずる変速ショックを効果的に低減することができる。よって、円滑な変速操作を実行することができる。
【0013】
上記車両の変速制御装置の一態様では、前記駆動力調整手段は、前記変速後に前記内燃機関の回転数を上昇させると共に、前記内燃機関の出力軸に付与する前記駆動力を減少させる。
【0014】
この態様によれば、変速後にエンジンの回転数を上昇させつつ、エンジンの出力軸に付与する駆動トルクを減少させることができる。これにより、円滑にエンジンから付与される駆動トルクのみによる車両の走行状態に移行することができる。このため、変速後においても変速ショックの発生を阻止することができ、運転者は違和感を感ずることなく快適な車両走行をすることができる。
【0015】
上記車両の変速制御装置の他の一態様では、前記車両は発電機をさらに備え、前記駆動力調整手段は、前記内燃機関を所定の回転数に制御して前記発電機により発電を行う。
【0016】
この態様によれば、変速制御装置の内部に有するロックアップクラッチなどをデューティ制御することにより、エンジン回転数を所定の回転数に制御することができる。エンジン回転数を所定の回転数、例えば、800〜900(rpm)に制御することにより、エンジン効率の良い点で、発電機の有する最大電力量まで発電を行うことができる。
【0017】
上記車両の変速制御装置の他の一態様では、前記駆動力調整手段は、前記内燃機関の出力軸に電動機により駆動力を付与すると共に、前記発電機により得られる電力により前記電動機を駆動させる。
【0018】
この態様によれば、電動機への電力供給は発電機を通じて行うことができる。このため、電動機への電力供給のために電源装置などを要することなく、発電機からの電力供給のみによって電動機を駆動させることができる。また、電動機を駆動することにより得られる駆動トルクは、エンジンの出力軸に付与することができる。このため、変速時(変速前後を含む)に生じる駆動トルクの減少分を、電動機からの駆動トルクによって補充することができる。よって、変速時に生ずる変速ショックを効果的に低減することができ、運転者は違和感を感ずることなく快適な車両走行をすることができる。
【0019】
上記車両の変速制御装置の他の一態様では、前記所定の回転数は、前記発電機による発電効率が最大となり、かつ、前記内燃機関の燃料消費率が最小となる回転数とすることができる。これにより、発電機により効率よく発電した電力を利用して電動機を駆動することが可能となり、電動機の駆動のためにバッテリーなどに蓄積されていた電力を使用する必要がなくなる。
【0020】
上記車両の変速制御装置の他の一態様では、前記変速手段は、アクセルペダル踏み込み量と車両加速度に基づいて推定される所定時間後に開始される。この態様によれば、車両加速度及びアクセルペダル操作量の値に基づいて、変速開始の時間を推定することができる。これにより、変速手段は、その算出された変速開始時間の推定値となる所定時間後に変速の開始をすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0022】
[車両の構成]
まず、本発明に係る変速制御装置を備える車両の概略構成を説明する。尚、以下に説明する車両100は、本発明に係る変速制御装置を4WD(四輪駆動)仕様のFR車両(エンジン前置き後輪駆動方式)に適用したものである。但し、本発明の適用はこれに限られるものではなく、一般的なFR車両やFF車両(エンジン前置き前輪駆動方式)にも適用可能である。また、本車両は既知の4WD仕様のFR車両を前提とするため、4WDについての説明は省略する。
【0023】
図1に、本発明に係る変速制御装置を備える車両100のシステム構成を示す。
【0024】
車両100は、図1に示すように、エンジン1と、発電機2と、ベルト3と、インバータ4と、高電圧バッテリー5と、12Vバッテリー16と、DC/DCコンバータ17と、前輪駆動部6と、自動変速機7と、油圧制御装置8と、プロペラシャフト9と、後輪駆動部10と、ECU15と、から構成される。以下、各構成要素について図1を参照して説明する。
【0025】
エンジン1は、燃焼室内の混合気を爆発させて、動力を発生する内燃機関である。燃焼室内での混合気の燃焼によるピストンの往復運動は、コンロッド(図示略)を介してクランクシャフト(図示略)の回転運動に変換される。クランクシャフトは自動変速機7を介して後輪駆動部10に動力を伝達する。
【0026】
また、このような動力伝達系とは別に、クランクシャフトの一端はクランクシャフトプーリ(図示略)に接続される。このクランクシャフトプーリは、ベルト3により、発電機2に設けられたプーリとの間で動力の伝達が可能とされている。
【0027】
発電機2は、永久磁石型同期式モータなどから成り、エンジンルーム内に設けられる。発電機2は、エンジン1が発生する動力に基づいて発電を行う。また、発電機2は、電源ケーブル(図示略)を通じてインバータ4と接続される。このため、発電機2によって発生された電力は、電源ケーブルを通じてインバータ4へ供給される。
【0028】
インバータ4は、主として発電電力量を制御する装置であり、電源ケーブル(図示略)を通じて発電機2、電動機6a、6b、高電圧バッテリー5、及び12Vバッテリー16と夫々接続される。インバータ4は、発電機2からの電力供給を受けると、ECU15からの指令信号に基づき、その電力を所定の電圧に変換する。そして、インバータ4は、前輪の左右に各々設けられた電動機6a、6bに対して電力供給(破線矢印30)を行うと共に、それらの駆動或いは停止の制御を行う。よって、インバータ4は、ECU15からの指令信号に基づき、それらの電動機6a、6bを制御することにより、前輪駆動部6に対する動力の伝達、或いは遮断を行うことができる。尚、電動機6a、6bを動作させて前輪駆動部6を駆動させることを、電動機6a、6bによる「アシスト」と称する。また、インバータ4は、発電機2によって発生された電力の供給を受けると、その電力を高電圧バッテリー5及び12Vバッテリー16の充電を行うのに適した直流電圧に変換し、高電圧バッテリー5及び12Vバッテリー16の充電を行うことができる(以下、「回生」とも呼ぶ。)。尚、電動機6a、6bは、電磁クラッチを有するものであっても良い。この場合は、ECU15によってクラッチ制御が行われ、加速時に電動機6a、6bによるアシストを行わない場合の負荷低減を行うことができる。
【0029】
また、インバータ4は、電動機6a、6bを制御することにより、左右の前輪を夫々独立して駆動させることが可能である。例えば、インバータ4は、車両100の走行状態に応じて電動機6a、6bを制御することにより、左右の前輪のうち片輪のみに回転駆動力を付与し、他方の片輪に対しては回転駆動力を阻止することが可能である。これにより、本車両100は、走行状態(例えば、凹凸路面走行、登坂走行など)に応じた動力性能を得ることが可能である。
【0030】
高電圧バッテリー5は、鉛蓄電池、ニッケル水素電池などの2次電池である。また、高電圧バッテリー5は、後述する電動機6a、6bなどに対して電力供給を行い、それらを動作させる。高電圧バッテリー5は、例えば、後述する2つの電動機6a、6b等を円滑に動作させるため、高電圧(42V以上)を定格電圧とすることができる。一方、12Vバッテリー16は、エアコンなどの補機類を作動させたり、後述する電動機6a、6bなどに対して電力供給を行い、それを動作させることも可能である。
【0031】
DC/DCコンバータ17は、インバータ4と12Vバッテリー16との間に配置され、インバータ4からの電圧を変圧して12Vバッテリー16を充電する。
【0032】
前輪駆動部6は、図示しない減速機、ドライブシャフト、左右の前輪、及び電動機6a、6b等から構成される。減速機は、主として左右の前輪の回転速度を調整する機構である。具体的には、車両100が直線道路を走行するときは、減速機は、左右の前輪を同一の速度で回転させる。一方、車両100が旋回運動を行うときは左右の前輪の回転速度差が生じるため、減速機はそれらの回転速度を調整して、スムーズな旋回運動を可能とする。
【0033】
電動機6a、6bは、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する永久磁石型同期式モータなどが好適であり、左右の前輪を駆動させる位置に夫々設けられる。電動機6a、6bは、回転シャフトとなるロータ(図示略)と、磁界の変化によってロータを回転させるステータ(図示略)とを有する。電動機6a、6bは、インバータ4からの電力供給(破線矢印30)を受けると、その内部においてステータの磁界が刻々と変化し、これによりロータが回転する。このため、電動機6a、6bは、回転動作を行なうことができる。
【0034】
また、電動機6a、6bの各ロータの一端に設けられたピニオンギアは、減速機の外歯歯車と噛合っている。そのため、電動機6a、6bが回転駆動することにより、ドライブシャフトを左右独立に回転させ、左右の前輪を夫々駆動させることができる。また、減速機は、電磁クラッチを有している。このため、電動機6a、6bからの回転駆動力が不要である場合には、ECU15は電磁クラッチを作動させて、電動機6a、6bから前輪駆動部6への動力伝達を遮断することができる。よって、車両100の状態に応じて、適宜電動機6a、6bによるアシストを行うことができる。
【0035】
自動変速機7は、トルクコンバータ72と、複数個のプラネタリーギヤを有する多段変速機構71とから構成され、これらトルクコンバータ72、及び多段変速機構71が直列的に配置される。
【0036】
トルクコンバータ72は、エンジン1と多段変速機構71との間に設けられる。トルクコンバータ72は、油などの流体を利用することにより、エンジン1から出力される回転トルクを断続的に多段変速機構71へ伝達するクラッチとしての機能と、その回転トルクを増大させて多段変速機構71へ伝達する機能とを有する。
【0037】
本例に係るトルクコンバータ72は、既知のものであり、エンジン1のクランクシャフトに連結されたポンプ羽根車と、多段変速機構71の入力軸に連結されたタービン羽根車と、ワンウェイクラッチを介して支持されるステータと、を有しており、ポンプ羽根車側とタービン羽根車側とを機械的に連結するロックアップクラッチ72aを備えている。このように構成されるトルクコンバータ72においては、エンジン1の駆動力によって作動油が、ポンプ羽根車→タービン羽根車→ステータ→ポンプ羽根車の順に循環して流れる。これにより、タービン羽根車の回転を促進させ、多段変速機構71の入力軸の回転トルクを増大させることができる。
【0038】
ロックアップクラッチ72aは、トルクコンバータ72の内部に設けられる。ロックアップクラッチ72aは、ECU15からの指令信号に基づき、油圧制御装置8によって、ポンプ羽根車側と多段変速機構71の入力軸との機械的な係合又は解放を行うクラッチである。よって、ロックアップクラッチ72aの係合、つまりポンプ羽根車と多段変速機構71の入力軸との機械的な係合を行うことにより、エンジン1から得られる回転トルクをそのまま多段変速機構71の入力軸に伝達することができる。
【0039】
即ち、上述したトルクコンバータ72が流体クラッチとして作用しても、油などの流体を通じて動力の伝達が行われるため、その流体摩擦によってエネルギーロスが生じる。このため、そのエネルギーロスを減少させるべく、ポンプ羽根車とタービン羽根車の回転速度が略同等の回転速度になったとき、ECU15は、油圧制御装置8を制御して、トルクコンバータ72を介さずにポンプ羽根車と多段変速機構71の入力軸との機械的な係合を行う。これにより、そのエネルギーロスを減少させることができる。一方、ロックアップクラッチ72aの解放をした場合には、エンジン1から得られる回転トルクを多段変速機構71の入力軸に伝達するのを遮断することができる。
【0040】
よって、ロックアップクラッチ72aの係合又は解放を必要に応じて行うことにより、エンジン1の回転トルクを多段変速機構71の入力軸に伝達又は遮断することができる。
【0041】
多段変速機構71は、トルクコンバータ72とプロペラシャフト9との間に設けられ、前進5段(第1速〜第5速)、後進1段の各変速段に対応する複数のギア(プラネタリーギア)などを有する。多段変速機構71は、ECU15からの指令信号に基づき、油圧制御装置8を作動させることにより、低速段から高速段への変速操作(シフトアップ)、或いは高速段から低速段への変速操作(シフトダウン)を行う。
【0042】
油圧制御装置8は、多段変速機構71の近傍に設けられ、主としてソレノイドバルブなどから構成される。油圧制御装置8は、ECU15からの指令信号に基づいて、ソレノイドバルブなどを制御して多段変速機構71の制御を行う。油圧制御装置8は、制御を行う場合、例えば、ECU15からの指令信号に基づき、油圧により作動するソレノイドバルブなどを制御して、ロックアップクラッチ72aの係合又は解放を行う。また、油圧制御装置8は、多段変速機構71の制御を行う場合、例えば、ECU15からの指令信号に基づき、油圧により作動するソレノイドバルブなどを制御して、シフトチェンジなどの変速操作を行う。
【0043】
プロペラシャフト9は、自動変速機7と、後輪駆動部10及びディファレンシャルとの間に設けられ、エンジン1などから得られる駆動トルクを後輪駆動部10へ伝達する推進軸である。
【0044】
後輪駆動部10は、図示しない減速機、ドライブシャフト、左右の後輪等から構成される。減速機は、車両100の走行状態に応じて、左右の後輪の回転速度を調整する機構である。
【0045】
ECU15(Engine Control Unit)は、入出力装置、記憶装置、中央処理演算装置などのマイクロコンピュータを中心として構成され、車両100のシステムを統括制御する。ECU15は、車両100に搭載された各センサなどからの入力情報などに基づいて、車両100を最適な状態に制御する。具体的には、ECU15は、エンジン回転数センサからクランクシャフトの回転数(エンジン回転数20)、車速センサから車速21、アクセル開度センサからアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度22)、加速度センサから加速度23、その他各センサからの信号24を、それぞれ検出している。
【0046】
特に、本実施形態では、ECU15は、車両100の走行状態(車速21とアクセル開度22)に応じて、自動変速機7の変速操作を制御すると共に、自動変速機7のシフトアップ動作時に発生する変速ショックの防止のために、エンジン回転数20の制御、電動機6a、6bによるアシスト、ロックアップクラッチ72aの係合又は解放などの制御を行う。ここで、詳細は後述するが、ECU15はロックアップクラッチ72aの係合又は解放を行うときは、適宜、ON期間とOFF期間との比率を変えて制御(以下、「デューティ(Duty)制御」と呼ぶ。)することが可能である。
【0047】
[変速制御]
次に、本実施形態に係る変速制御について述べる。概要を説明すると、先に述べたように、低速段から高速段への変速操作(シフトアップ動作)等においては、駆動トルクの段差により変速ショックが生じることが知られている。これにより、運転者に違和感を与えることになる。このため、本実施形態では、その変速ショックを防止する方法として、2つの実施例を順に説明する。
【0048】
なお、シフトアップ動作とは、自動変速機7がECU15からの指令信号に基づいて、自動的に低速段から高速段への切り換えを行う変速操作のことをいう。具体的には、自動変速機7がアクセル開度22や車速21などに基づいて、第1速(1st)→第2速(2nd)へ、第2速→第3速(3rd)へ、第3速→第4速(4th)へ、第4速→第5速(5th)への変速を行うことをいう。
【0049】
なお、シフトアップ動作時の駆動トルクの段差は、基本的には変速段(第1速、第2速など)毎に駆動トルクが異なることに起因する。例えば第1速から第2速へのシフトアップ動作の場合、エンジン回転数はほぼ同程度であっても、第1速より第2速の方が駆動トルクは小さいため、シフトアップ動作によって駆動トルクが急激に落ち込むことになる。これにより、駆動トルクに段差が生じ、変速ショックが生じる。
【0050】
(第1実施例)
第1実施例は、変速ショックを緩和するために変速前の時点からエンジン回転数を所定回転数(NE3)まで低下させるとともに、自動変速機7の出力軸トルク(以下、単に「駆動トルク」とも呼ぶ。)に電動機6a、6bからのアシストトルクを付与し、回転数を下げたことにより不足する駆動トルクを補充する。
【0051】
先ず、第1実施例について、図2(a)、(b)、(c)、(e)、及び図3を参照して説明する。尚、図2(c)及び(e)は、説明の便宜上、図2(a)及び(b)において、第1速から第3速までのシフトアップ動作を行うときのグラフのみ示す。なお、図2(d)は、第2実施例におけるロックアップクラッチ72aのデューティ(DUTY)制御を示すグラフであり、第1実施例では使用しない。第1実施例においては、常時、ロックアップクラッチ72aは係合(信号がON)状態にあるものとする。
【0052】
図2(a)は、自動変速機7のシフトアップ動作時の駆動トルクと時間との関係を示すグラフである。図2(b)は、図2(a)に対応する、アクセル開度22と時間との関係、及び車両100の加速度23と時間との関係を夫々示すグラフである。図2(c)は、図2(a)及び(b)に夫々対応する、エンジン回転数20と時間との関係を示すグラフである。図2(e)は、図2(a)、(b)及び(c)に夫々対応する、電動機6a、6bの駆動トルク(以下、「アシストトルク」と呼ぶ。)と時間との関係を示すグラフである。
【0053】
図2(a)においては、縦軸には駆動トルクが、横軸には車速21及び時間が夫々示されている。ここで、駆動トルクは、上述したように自動変速機7の出力軸トルクであ。また、図2(b)においては、縦軸はアクセル開度22及び加速度23を示し、横軸は時間を示す。図2(b)には、3種類の波形W102、W103、W104が夫々示されている。W102は、アクセル開度22と時間との関係を示す波形であり、W103は、本発明の第1及び第2実施例に共通する加速度23と時間との関係を示す波形であり、W104は電動機によりアシストを行わなかった場合の加速度23と時間との関係を示す波形である。
【0054】
以下、本発明による変速制御について説明する。図2(b)の波形W102は、運転者によりアクセルペダルが継続して踏み込まれた結果、時間の経過に伴ってアクセル開度22が増加している様子を示している。運転者がアクセルペダルを踏み込むと、アクセル開度22、車速21などが上昇し、予め決められた変速条件が具備されたときに変速(シフトアップ)操作が行われる。
【0055】
第1速から第2速へのシフトアップが行われる場合、まず、図2(c)の波形W106に示すように、ECU15は、所定の条件が整うと、エンジン回転数20を所定のエンジン回転数NE3まで下げる。このようにシフトアップ動作に先だってエンジン回転数を下げることにより、シフトアップ動作時の駆動トルクの段差を減少させ、変速ショックを小さくすることができる。しかし、エンジン回転数20を下げることは、駆動トルクが低下することを意味する。よって、エンジン回転数20がNE1より低下するのに連動して、図2(a)に示すように駆動トルクの落ち込みが生じる(各斜線部分E1〜E4参照)。さらに、駆動トルクの落ち込みに起因して、図2(b)の波形W104に示すように、車両の加速度にも落ち込みを生じる。
【0056】
そこで、ECU15は、シフトアップ動作時に、電動機6a、6bを作動させて、駆動トルクに電動機6a、6bからのアシストトルクを付与する。これにより、エンジン回転数20を下げることに起因して不足する駆動トルクを補充する。
【0057】
その状態を図2(e)のグラフに示す。図2(e)のグラフでは、縦軸に電動機6a、6bによるアシストトルクが波形W108で示され、横軸に時間が示されている。このグラフからわかるように、電動機6a、6bによるアシストが行われている時刻は、およそ時刻t1直前からt3直後、及び時刻t4直前からt6直後までである。即ち、ECU15は、変速操作が予想される場合に、変速操作に先だってエンジン回転数を所定の回転数NE3まで低下させるとともに、電動機によるアシストを行う。こうして、不足する駆動トルクを電動機により補償する。
【0058】
上述のような変速制御を行った場合の駆動トルクの変化が図2(a)の波形W100に示されている。波形W100では、電動機によるアシストを行わない場合の波形W101と比較して、第1速から第2速、第2速から第3速、などのシフトアップ動作時に駆動トルクの落ち込みが緩やかなものとなっている。また、加速度についても、図2(b)の波形W103に示すように、シフトアップ動作時には駆動トルクの落ち込みが生じないため、加速度23は一貫して滑らかに推移している。よって、運転者は、シフトアップ動作時に変速ショックを感じることがない。
【0059】
次に、第1実施例のフローチャートについて図3を参照して説明する。尚、このフローチャートは、ECU15が、各種のセンサからの信号に基づいて実行するものである。先ず、ECU15は、アクセル開度22及び車速21などを検出する各センサからの出力信号に基づいて、変速条件が具備されたか否か判定する(ステップS1)。変速条件が具備されたときには、ステップS2へ移行する(ステップS1;Yes)。ここで、変速条件の具備とは、アクセル開度22や車速21が所定の条件を具備した状態を意味する。
【0060】
ステップS2では、変速動作に先だって、ECU15は、エンジン回転数20を所定回転数まで低下させる。即ち、ECU15は、エンジン回転数20をNE1からNE3まで低下させる(図2(c)に示す波形W106を参照)。こうして変速操作前にエンジン回転数を下げることにより、変速操作時における駆動トルクの段差を小さくし、変速ショックを緩和することができる。
【0061】
また、ECU15は、エンジン回転数20を低下させると同時に電動機6a、6bによるアシストを開始する。これにより、不足する駆動トルク(図2(a)のE1〜E4参照)を補充することができる。よって、駆動トルクと時間との関係は、図2(a)に示すW100となる。波形W100は、シフトアップ動作直前から駆動トルクの落ち込みを殆ど発生させることなく緩やかに推移する波形となる。
【0062】
次に、ECU15は、シフトアップ動作を実行する(ステップS3)。このとき、ステップS2においてシフトアップ動作の直前からエンジン回転数を低下させているので、シフトアップ動作時に変速ショックが殆ど生じることはない。
【0063】
次に、シフトアップ動作が完了すると、ECU15は、エンジン回転数20をNE1まで徐々に上昇させると共に、その分だけ徐々に電動機6a、6bによるアシストトルクを減少させる(ステップS4)。これにより、最終的には、エンジン1の駆動トルクのみによって車両100を走行させる。ここで、電動機6a、6bによるアシストトルクを減少させているのは、エンジン回転数20の上昇に伴って駆動トルクが増加するため、このときに未だ電動機6a、6bによるアシストが行われると、駆動トルクが過剰となり、却って変速ショックを発生させるからである。
【0064】
(第2実施例)
次に、第2実施例について説明する。第2実施例は、第1実施例の主要部分を基本としつつ、ロックアップクラッチ72aの係合又は解放(デューティ制御)を行って変速動作前後のエンジン回転数20を所定回転数に維持すると共に、変速操作時に不足する駆動トルクを電動機6a、6bからのアシストトルクによって補充する。
【0065】
第1実施例では、シフトアップ動作時に高電圧バッテリー5からの電力供給によって電動機6a、6bを作動させて不足する駆動トルクを補充している。一方、第2実施例は、第1実施例を基本とするが、シフトアップ動作時に高電圧バッテリー5内の電力の使用量を少なくしつつ、発電機2側からの電力供給によって電動機6a、6bを作動させて不足する駆動トルクを補充する。この点が、第1実施例と異なる。よって、第2実施例の場合には、高電圧バッテリー5からの電力の使用量を少なくすることにより、第1実施例と比較すると高電圧バッテリー5の容量の大幅な低減を図ることができるという利点がある。
【0066】
第2実施例について図2(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、図4、及び図5を参照して説明する。図2(a)、(b)、(c)、(e)に示すグラフの基本的な内容は、第1実施例で説明した通りである。図2(d)は、ロックアップクラッチ72aに対するデューティ制御による波形W107を示すグラフである。図4(a)は、発電機2の発電特性を示すグラフである。図4(b)は、エンジントルクとエンジン回転数20との関係を示すグラフである。
図4(c)は、第1速→第2速のシフトアップ動作が開始する変速開始時間taを推定するグラフである。図5は、第2実施例に係る変速制御のフローチャートである。なお、図2(c)において、第2実施例に係るエンジン回転数の変化は波形W105で示される。
【0067】
先ず、変速条件が具備されると、図2(c)に示すように、時刻t1直前の時刻ta(変速開始時間)において、ECU15は第1速→第2速のシフトアップ動作を行うためにエンジン回転数20を所定のエンジン回転数NE2に維持させる。
【0068】
ここで、図4(c)を参照して、変速時間推定値taを算出する方法について説明する。図4(c)は3次元グラフであり、X軸には車両加速度が、Y軸にはアクセルペダル操作量が、Z軸には変速時間推定値taが夫々示される。X軸上の車両加速度(加速度23)については、加速度センサによってECU15内に取得することができる。また、Y軸上のアクセルペダル操作量(アクセル開度22)については、アクセル開度センサによってECU15内に取得することができる。そして、ECU15は、加速度センサ及びアクセル開度センサにより取得した車両加速度及びアクセルペダル操作量の値に基づいて、第1速→第2速のシフトアップ動作が開始する変速時間taを推定する。
【0069】
尚、本実施例においては、車両加速度及びアクセルペダル操作量の値に基づいて、第1速→第2速のシフトアップ動作が開始する変速時間taを推定することとしているが、これに加えて、第1速→第2速以外の変速操作時にも変速開始時間taの推定方法を利用するようにしてもよい。
【0070】
具体例について図4(c)を参照して説明すると、図4(c)には車両加速度及びアクセルペダル操作量に基づいて算出された変速時間推定値ta1〜ta4が示される。車両加速度がG1で、且つアクセルペダル操作量がAc1のときは、変速時間推定値は時刻ta1と算出される。車両加速度G1より大なる加速度となる車両加速度G2で、且つアクセルペダル操作量がAc1のときは、変速時間推定値は時刻ta2と算出される。車両加速度がG1で、且つアクセルペダル操作量Ac1より大なる操作量となるアクセルペダル操作量Ac2のときは、変速時間推定値は時刻ta3と算出される。車両加速度がG2で、且つアクセルペダル操作量がAc2のときは、変速時間推定値は時刻ta4と算出される。
【0071】
以上、このグラフからわかるように、第1速→第2速のシフトアップ動作が開始するまでの変速時間推定値の大きさは、ta3>ta1>ta4>ta2となる。つまり、車両加速度が大きくなるにしたがい、第1速→第2速のシフトアップ動作開始までの時間が短くなる傾向にある。これは、車両加速度が大きくなるにしたがいエンジン回転数20も大きくなるため、シフトアップ開始までの時間が短くなることに起因している。
【0072】
次に、ECU15は、時刻ta以降、ロックアップクラッチ72aのON/OFFをデューティ制御する。また、時刻taに到達すると、図2(e)に示すように、電動機6a、6bによるアシストを開始する。これにより、エンジン回転数をNE2に維持させたことにより不足する駆動トルクを補充する。こうして、不足する駆動トルクE1を電動機6a、6bからのアシストトルクTR10によって補充することができるため、シフトアップ動作(第1速→第2速)に伴って発生する変速ショックを低減することができる。これにより、運転者に対して与える違和感を除去することができる。
【0073】
変速動作の完了後は、図2(c)に示すように、時刻tcから時刻t3にかけて、エンジン回転数20を再びNE1まで上昇させる。また、時刻tc直後から、図2(e)に示すように、電動機6a、6bからのアシストトルクを低下させる。
【0074】
その後は、時刻t3から時刻t4にかけて、図2(c)に示すように、エンジン回転数20はNE1に維持される。尚、時刻t3から時刻t4においては、図2(a)に示すように、車両100はシフトアップ動作後の状態、つまり第2速で走行している状態である。また、時刻t3から時刻t4においては、図2(d)に示すように、ロックアップクラッチ72aの出力信号はON、つまり係合状態が維持される。
【0075】
その後は、変速条件を具備する毎に、図2(a)に示すように、同様の変速制御が行われる。かかる場合も、電動機6a、6bからのアシストトルクが付与されるため、シフトアップ動作に伴って発生する不足する駆動トルクの補充をすることができ、駆動トルクの落ち込みに起因する変速ショックの発生を防止することができる。よって、運転者に与える違和感を除去することができる。
【0076】
次に、エンジン回転数20を従来例のNE3まで低下させることなく、それより高回転のNE2に維持させる理由について、図4(a)及び(b)を参照して説明する。
【0077】
先ず、図4(a)では、縦軸に発電機2の発電電力量が示され、横軸にエンジン回転数20が示される。図中には、エンジン回転数20の増加に伴って変化する発電機2の発電電力量が波形W200として示される。発電機2は、上述したように、エンジン1のクランクシャフトプーリとベルト3を介して回動自在に連結されているため、エンジン1が回転駆動することにより発電を行うことができる。このときの、エンジン回転数20と発電機2の発電電力量との関係を波形W200として示したのが、図4(a)のグラフである。
【0078】
波形W200では、エンジン回転数20が0〜NE2まで上昇するにしたがい、発電機2の発電電力量も増加する傾向にある。ここで、エンジン回転数20がNE0〜NE2までの領域は、アイドリング回転数領域(符号200)である。つまり、この領域は、アイドリング回転数の大きさに応じて、発電機2の発電電力量の大きさが異なることがわかる。
【0079】
また、波形W200では、エンジン回転数20がNE2に到達すると、発電機2はほぼ最大の発電電力量Pmaxとなる。つまり、エンジン回転数20をNE2以上に維持すれば、発電機2が最大発電電力量Pmaxとなり、最も効率よく発電が行われる状態となる。
【0080】
一方、エンジン回転数20をNE2に設定することは、最適な燃料消費量によって発電機2を最大発電電力量Pmaxまで発電させることができるという利点がある。これについて、図4(b)を参照して説明する。
【0081】
図4(b)は、エンジン回転数20とエンジントルクとの関係を示すグラフである。図4(b)に示すように、縦軸にはエンジントルクが示され、横軸にはエンジン回転数20が示される。図中には、複数の最適燃費線E100〜E103が示される。本例では、エンジン回転数20を制御することにより、E103→E102→E101→E100に推移させる。即ち、本例では特にエンジン回転数20をNE2に維持させることにより、最小の燃料消費によって発電機2を最大発電電力量Pmaxまで発電させることができる。
【0082】
以上、第2実施例では、図2(c)に示すように、シフトアップ動作時には、エンジン回転数20を第1実施例のエンジン回転数NE3まで低下させることなく、それより高いエンジン回転数NE2に維持させる。これにより、最小の燃料消費によって発電機2を最大発電電力量Pmaxまで発電させることができる。即ち、発電機2により最も効率よく発電を行うことができる。これにより、第2実施例では、高電圧バッテリー5内の電力の使用量を少なくしつつ、発電機2が発電した電力によって電動機6a、6bを動作させて、シフトアップ動作時に不足する駆動トルクを補充することができる。これにより、第1実施例と同様にシフトアップ動作時に発生する変速ショックを効果的に低減し、運転者に与える違和感を限りなく除去することができることに加え、さらに高電圧バッテリー5の電力の使用量を少なくすることができ、高電圧バッテリー5の容量の低減をも図ることができる。
【0083】
次に、第2実施例のフローチャートについて図5を参照して説明する。尚、このフローチャートは、ECU15が、各種のセンサからの信号に基づいて実行するものである。先ず、ECU15は、アクセル開度22及び車速21などを検出する各センサからの出力信号に基づいて、変速条件が具備されたか否か判定する(ステップS11)。変速条件が具備されたときには、処理はステップS12へ移行する(ステップS11;Yes)。
【0084】
ステップS12では、シフトアップ動作に先立ち、ECU15は、エンジン回転数20を所定回転数に維持させる。即ち、ECU15は、エンジン回転数20をNE1からNE2まで下げて、所定回転数NE2に維持させる(図2(c)に示す波形W105を参照)。また、ECU15は、エンジン回転数20を所定回転数に維持させると同時に電動機6a、6bによるアシストを開始する。また、ECU15は、ロックアップクラッチ72aのデューティ制御を開始する。
【0085】
次に、ECU15は、ロックアップクラッチ72aのデューティ制御によりエンジン回転数20がNE2になったか否か判定する(ステップS13)。ここで、エンジン回転数20(NE2)は、上述したように、エンジン1の燃料消費量を最小とすることができ、尚且つ発電機2を最大発電電力量Pmaxまで発電することができる回転数である。
【0086】
エンジン回転数がNE2になると、発電機2の発電電力量は最大発電電力量Pmaxとなり、発電機2は、その電力を電動機6a、6bに供給する(ステップS14)。これにより、シフトアップ動作時に不足する駆動トルクを補充することができる。なお、電動機6a、6bの駆動時には、高電圧バッテリー5の電力の使用量を少なくすることができるので、、高電圧バッテリー5の容量の低減を図ることができる。
【0087】
また、このときの駆動トルクと時間との関係は、図2(a)に示すように、W100となる。波形W100は、図2(a)に示すように、シフトアップ動作直前から直後にかけて駆動トルクの落ち込みが殆ど発生せず緩やかに推移する波形となる。また、このときの車両100の加速度と、時間との関係は、図2(b)に示すように、波形W103となる。波形W103は、図2(b)に示すように、シフトアップ動作直前から直後にかけて加速度の落ち込みが殆ど発生せず緩やかに推移する波形となる。よって、シフトアップ動作に伴って発生する変速ショックは殆ど発生しなくなるため、運転者に与える違和感を除去することができる。
【0088】
次に、ECU15はシフトアップ動作を実行する(ステップS15)。このとき、ステップS12においてシフトアップ動作の直前からロックアップクラッチをデューティ制御しエンジン回転数を所定回転数に維持させ、かつ、電動機6a、6bによるアシストを行って不足トルクの補充をするようにしているので、シフトアップ動作後に変速ショックが殆ど生じることはない。よって、運転者は、変速ショックを殆ど感ずることなく、快適な運転を行うことができる。
【0089】
次に、ECU15は、エンジン回転数20を徐々に上昇させると共に、電動機6a、6bによるアシストトルクを徐々に減少させる(ステップS16)。これにより、シフトアップ動作後はエンジン1からの駆動トルクのみによって車両100を走行させる。
【0090】
以上の実施例においては、変速操作としてシフトアップを挙げて説明しているが、これに限らず、本発明の変速制御はシフトダウンに対しても適用可能である。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る車両の変速制御装置によれば、変速に先だってエンジン回転数を低下させて変速時のトルク段差を低減するとともに、エンジン回転数の低下により不足するトルクを電動機により補う。これにより、変速ショックを防止することができ、運転者は変速ショックに起因して生じる違和感を殆ど感ずることがない。
【0092】
また、変速に先だってエンジン回転数を所定の回転数に維持させ、高電圧バッテリーの使用量を少なくしつつ、発電機が発電した電力によって電動機を動作させる。これにより、シフトアップ動作時に不足する駆動トルクを補充する。よって、消費される燃料を少なくしつつ、高電圧バッテリーの容量の大幅な低減を図ることができる。よって、上記同様にシフトアップ動作時に発生する変速ショックを効果的に低減し、運転者に与える違和感を限りなく除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る変速制御を行う車両のシステム構成を示す。
【図2】本発明による変速制御における各特性の波形を示すグラフである。
【図3】第1実施例による変速制御のフローチャートを示す。
【図4】発電機の発電特性、燃料消費量特性、及び変速開始時間の推定値を示すグラフである。エンジン回転数と、発電機特性及び燃料消費量特性との関係を示す。
【図5】第2実施例による変速制御のフローチャートを示す。
【符号の説明】
1 エンジン
2 発電機
3 ベルト
4 インバータ
5 高電圧バッテリー
6 前輪駆動部
7 自動変速機
8 油圧制御装置
9 プロペラシャフト
10 後輪駆動部
15 ECU
16 12Vバッテリー
17 DC/DCコンバータ
100 車両

Claims (6)

  1. 所定の変速条件が成立したか否かを判定する判定手段と、
    前記変速条件が成立した場合に、内燃機関の回転数を低下させると共に、前記内燃機関の出力軸に駆動力を付与して前記内燃機関の駆動力を調整する駆動力調整手段と、
    前記駆動力を調整した後に変速を実行する変速手段と、を備えることを特徴とする車両の変速制御装置。
  2. 前記駆動力調整手段は、前記変速後に前記内燃機関の回転数を上昇させると共に、前記内燃機関の出力軸に付与する前記駆動力を減少させることを特徴とする請求項1に記載の車両の変速制御装置。
  3. 前記車両は発電機を備え、前記駆動力調整手段は、前記内燃機関を所定の回転数に制御して前記発電機により発電を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の変速制御装置。
  4. 前記駆動力調整手段は、前記内燃機関の出力軸に電動機により駆動力を付与すると共に、前記発電機により得られる電力により前記電動機を駆動させることを特徴とする請求項3に記載の車両の変速制御装置。
  5. 前記所定の回転数は、前記発電機による発電効率が最大となり、かつ、前記内燃機関の燃料消費率が最小となる回転数であることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両の変速制御装置。
  6. 前記変速手段は、アクセルペダル踏み込み量と車両加速度に基づいて推定される所定時間後に開始されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両の変速制御装置。
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