JP2004306845A - ワイパ装置及びワイパ装置用フレーム - Google Patents
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Abstract
【課題】非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少させてしまうことを防止できるに止まらず、通常使用時における装置全体の強度をも確保することができ、車体の衝突エネルギー吸収特性の向上を図ることが可能なワイパ装置及びワイパ装置用フレームを提供する。
【解決手段】ワイパ装置10は、フレーム一体式の構成となって車体にフローティング支持されており、中空フレーム42には座屈部47、49が設けられている。ワイパモータ58に所定値以上の荷重が作用すると、座屈部47、49が荷重方向に座屈変形し、これに伴って、ワイパモータ58の支持固定が解除されると共に、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33がそれぞれワイパモータ58側に引っ張られ傾斜変位しながら固定孔28、30が取付ボルトから抜け出す。これにより、ワイパ装置10が車体の自由変形を妨げてしまうことを回避できる。
【選択図】 図2
【解決手段】ワイパ装置10は、フレーム一体式の構成となって車体にフローティング支持されており、中空フレーム42には座屈部47、49が設けられている。ワイパモータ58に所定値以上の荷重が作用すると、座屈部47、49が荷重方向に座屈変形し、これに伴って、ワイパモータ58の支持固定が解除されると共に、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33がそれぞれワイパモータ58側に引っ張られ傾斜変位しながら固定孔28、30が取付ボルトから抜け出す。これにより、ワイパ装置10が車体の自由変形を妨げてしまうことを回避できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モジュール型(所謂、フレーム一体式)のワイパ装置及びワイパ装置用フレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のウインドシールドガラスを払拭するワイパ装置は、ピボットシャフトに取り付けられたワイパアームが、ピボットシャフトの回転により所定範囲で往復回動することで、ウインドシールドガラス面の雨滴等を払拭する。
【0003】
ここで、このようなワイパ装置のうち、例えば一対のワイパアーム&ブレードを備えた車両においては、ピボットシャフトは車両幅方向にそれぞれ設けられており、これらを支持するピボットホルダ(ワイパブラケット)も車体の車両幅方向にそれぞれ固定されている。さらに、これら一対のピボットホルダががフレームによって連結されると共に駆動源としてのワイパモータがこのフレームに固定されて一体に構成されたモジュール型(所謂、フレーム一体式)のワイパ装置がある。この種のワイパ装置では、通常、一対のピボットホルダ及びモータ取付用ブラケットの少なくとも計3点(箇所)に取付孔を設け、各取付孔に挿通するボルト等の締結具によって車体に強固に固定している。
【0004】
このようなモジュール型のワイパ装置は、装置が全体としてモータ&リンクのアッセンブリを構成しているため、装置として停止位置や回動角度等の各種設定が高精度に設定でき、しかも比較的簡単でコンパクトな構成とすることができる。
【0005】
ところで、この種のワイパ装置は、フロントウインドシールドガラス下部のカウル部位に車両の幅方向に亘って配置されるため、車両の衝突時における車体の変形による衝撃吸収を妨げてしまう恐れがあり、これを防止する対策が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
前記特許文献1に提案されたモジュール型のワイパ装置では、ワイパモータを支持するモータブラケットがフレーム取付け部と躯体取付け部とを有しており、これら取付け部の少なくとも一方とワイパモータ支持部との間に、ワイパモータまたはモータブラケットへの過負荷で破壊する脆弱部を形成した構成となっている。これにより、ワイパモータ部位に大きな負荷が生じたような場合に、ワイパモータが下方に待避して衝撃を吸収できるようにしている。また、ピボット軸を支持するスリーブにも躯体に取り付けられる躯体取付け部が形成され、躯体取付け部とピボット軸軸承部との間に形成された脆弱部が、衝撃により破壊しスリーブが没入すると、モータブラケット側も破壊されやすく、スリーブの落ち込みが容易になるという構成のものである。
【0007】
前記モジュール型のワイパ装置では、ワイパモータやモータブラケットに上方から所定値以上の衝突荷重が作用すると、ワイパモータやスリーブが下方へ沈み込むため、これらの部位にフロントウインドシールドガラス下部のカウル部位(エンジンフード後端部)が不要に干渉することがなく、エンジンフード後端部等の下方への変形が自由に許容される。したがって、ワイパ装置が車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまう原因とならないようになっている。
【0008】
しかしながら、前記モジュール型のワイパ装置では、外部からの衝撃でモータブラケットの脆弱部及びスリーブの脆弱部を破断させて、ワイパ装置を車体から切り離す構成である。そのため、装置全体の強度が低下してしまい、例えば、通常の使用状態でもウインドシールドガラス下端部の雪溜まりなどでワイパアームが拘束されると、ワイパモータやフレームあるいはピボットホルダに大きな反力が作用してこれら脆弱部が破断されてしまい、ワイパ装置が完全に使用不能な状態となってしまう恐れがある。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−356142号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できるに止まらず、通常使用時における装置全体の強度をも確保することができ、車体の衝突エネルギー吸収特性の向上を図ることが可能なワイパ装置及びワイパ装置用フレームを提供することが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のワイパ装置は、先端にワイパアームが固定されるピボットシャフトを回動自在に支持すると共に車体に固定される固定部を有する複数のピボットホルダと、前記各ピボットホルダを互いに連結するフレームと、前記フレームの長手方向中間位置に固定された駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記ピボットシャフトに伝達するリンク機構と、を備え、前記ピボットホルダ及び前記駆動源が所定の状態で前記車体に固定されるモジュール型のワイパ装置において、前記車体側の取付孔に挿入された支持部によって前記駆動源を前記車体に対し離脱可能に支持し、かつ、前記駆動源に作用する所定値以上の荷重で所定方向へ座屈変形する座屈部を前記フレームに設けた、ことを特徴としている。
【0012】
請求項1記載のワイパ装置では、ピボットシャフトを回転可能に支持するピボットホルダがフレームによって互いに連結され、また、フレームには駆動源が固定され、全体としてアッセンブリ状態とされている。さらに、このワイパ装置は、ピボットホルダ及び駆動源が所定の状態で車体に固定される。すなわち、ピボットホルダは、固定部にてそれぞれ車体に固定されており、駆動源は、車体側の取付孔に挿入された支持部によって車体に対し離脱可能に支持されている。
【0013】
また、フレームには、駆動源に作用する所定値以上の荷重で所定方向へ座屈変形する座屈部が設けられている。
【0014】
ここで、駆動源に所定値以上の荷重が作用すると、フレームの座屈部が荷重方向に座屈変形する。すると、駆動源(支持部)はフレームの座屈変形と共に荷重方向に車体に対し離脱可能であるので、ワイパ装置が車体の自由変形を妨げてしまうことがなく、車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまう原因となることがない。
【0015】
またしかも、従来のモジュール型ワイパ装置の如く外部からの衝撃でモータブラケットの脆弱部及びスリーブの脆弱部を破断させて、ワイパ装置を車体から切り離す構成ではないため、装置全体の強度が低下する恐れがない。すなわち、所定値以上の衝突荷重が作用するとフレームの座屈部を所定方向に座屈変形させるため、例えば、座屈部をフレームの長手方向(リンク機構が往復揺動する方向)と交差する方向に座屈変形するように設定すれば、当該フレーム長手方向と交差する方向に衝撃荷重が作用した際には座屈部を座屈変形させて駆動源をフレームの変形とともに荷重方向に移動させることができる。したがって、通常使用時における装置全体の強度を確保しつつ、非常時における車体の自由変形を妨げてしまうことを防止することができ、車両の衝突エネルギー吸収特性を阻害することがない。
【0016】
このように、請求項1記載のワイパ装置では、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できるに止まらず、通常使用時における装置全体の強度をも確保することができ、車体の衝突エネルギー吸収特性の向上を図ることが可能になる。
【0017】
請求項2に係る発明のワイパ装置は、請求項1記載のワイパ装置において、前記座屈部は、前記フレームの長手方向と交差する方向に前記座屈変形する、ことを特徴としている。
【0018】
ここで、駆動源の駆動力をピボットシャフトに伝達するリンク機構はフレームの長手方向に沿って往復揺動するため、ワイパ装置の通常の使用状態では、主に当該フレームの長手方向に反力が作用する。
【0019】
この点、請求項2記載のワイパ装置では、フレームに設けられた座屈部の座屈方向は、フレームの長手方向と交差する方向、すなわち、リンク機構が往復揺動する方向以外の方向に設定されているため、リンク機構の作動反力を受け止めるためのフレームの長手方向にはより強度を確保でき(すなわち、通常使用時における装置の強度を確保することができ)、しかも、非常時には当該座屈部がフレーム長手方向と交差する方向に座屈変形することで車体の衝突エネルギー吸収特性を悪化させてしまうことを防止できる。
【0020】
請求項3に係る発明のワイパ装置は、請求項1または請求項2記載のワイパ装置において、前記ピボットホルダの前記固定部は、前記フレームの長手方向外方へ向けて開放する開放部を有する固定孔とされ、前記開放部よりも小径の固定部材を前記開放部よりも大径の弾性部材を介して前記固定孔に挿通することで前記ピボットホルダを前記車体に固定した、ことを特徴としている。
【0021】
請求項3記載のワイパ装置では、ピボットホルダは、固定部とされる固定孔に固定部材が挿通されることで車体に固定される。
【0022】
所定値以上の衝突荷重が作用してフレームの座屈部が所定方向に座屈変形すると、当該座屈変形に起因して、フレームの固定部(固定孔)がフレームの長手方向内方へ向けて引っ張られる。ここで、ピボットホルダの固定部とされる固定孔は、フレームの長手方向外方へ向けて開放する開放部を有しており、しかも固定部材は開放部よりも小径とされ、開放部よりも大径の弾性部材を介しているため、弾性部材が弾性変形して開放部から固定部材が抜け出し(固定孔の開放部が固定部材から離脱し)、ピボットホルダは車体との固定が解除されて、車体から装置が離脱された自由状態となる。
【0023】
したがって、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できる。
【0024】
請求項4に係る発明のワイパ装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のワイパ装置において、前記座屈部は、前記フレームの長手方向中央部位に設けられている、ことを特徴としている。
【0025】
請求項4記載のワイパ装置では、フレームに設けられた座屈部からピボットホルダの固定部までの距離が長くなるので(ピボットホルダの固定部から最大限に離れた部位に座屈部が設けられているため)、当該座屈部が座屈変形した際の駆動源の変位量(移動ストローク)を大きく確保することができ、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少させてしまうことを防止できる。
【0026】
請求項5に係る発明のワイパ装置は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のワイパ装置において、前記フレームは、中空のパイプ材から成り、前記座屈部は、前記パイプ材の中空部を狭窄するように潰れた潰し部とされる、ことを特徴としている。
【0027】
請求項5記載のワイパ装置では、座屈部がパイプ材の中空部を狭窄するように潰れた潰し部とされるため、比較的強度の高い中空のパイプ材を適用しつつ、この中空パイプ材に容易に狭窄部を形成することができる。
【0028】
請求項6に係る発明のワイパ装置は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のワイパ装置において、前記フレームは、前記駆動源が直接固定される取付平座面を有し、前記座屈部は、前記取付平座面に設けられている、ことを特徴としている。
【0029】
請求項6記載のワイパ装置では、座屈部は、駆動源が直接固定されるフレームの取付平座面に設けられるため、駆動源に前記所定値以上の荷重が作用した場合の座屈部の座屈方向を、当該駆動源の固定位置と関連づけて、取付平座面にて容易に設定できる。
【0030】
請求項7に係る発明のワイパ装置用フレームは、先端にワイパアームが固定されるピボットシャフトを回動自在に支持すると共に車体に固定される固定部を有する複数のピボットホルダと、前記車体側の取付孔に挿入された支持部によって前記車体に対し離脱可能に支持されると共に前記ピボットシャフトを回動させるための駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記ピボットシャフトに伝達するリンク機構と、を備え、前記ピボットホルダ及び前記駆動源が所定の状態で前記車体に固定されるモジュール型のワイパ装置に適用され、前記各ピボットホルダを互いに連結すると共に長手方向中間位置に前記駆動源が固定されたワイパ装置用フレームにおいて、前記駆動源に作用する所定値以上の荷重で所定方向へ座屈変形する座屈部を設けた、ことを特徴としている。
【0031】
請求項7記載のワイパ装置用フレームは、ピボットシャフトを回転可能に支持するピボットホルダを互いに連結しており、また、このフレームには駆動源が固定され、全体としてアッセンブリ状態とされている。さらに、このフレームが適用されるワイパ装置は、ピボットホルダ及び駆動源が所定の状態で車体に固定される。すなわち、ピボットホルダは、固定部にてそれぞれ車体に固定されており、駆動源は、車体側の取付孔に挿入された支持部によって車体に対し離脱可能に支持されている。
【0032】
また、このワイパ装置用フレームには、駆動源に作用する所定値以上の荷重で所定方向へ座屈変形する座屈部が設けられている。
【0033】
ここで、駆動源に所定値以上の荷重が作用すると、フレームの座屈部が荷重方向に座屈変形する。すると、駆動源はフレームの座屈変形と共に荷重方向に車体に対し離脱可能であるので、ワイパ装置が車体の自由変形を妨げてしまうことがなく、車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまう原因となることがない。
【0034】
またしかも、従来のモジュール型ワイパ装置の如く外部からの衝撃でモータブラケットの脆弱部及びスリーブの脆弱部を破断させて、ワイパ装置を車体から切り離す構成ではないため、装置全体の強度が低下する恐れがない。すなわち、所定値以上の衝突荷重が作用するとフレームの座屈部を所定方向に座屈変形させるため、例えば、座屈部をフレームの長手方向(リンク機構が往復揺動する方向)と交差する方向に座屈変形するように設定すれば、当該フレーム長手方向と交差する方向に衝撃荷重が作用した際には座屈部を座屈変形させて駆動源をフレームの変形とともに荷重方向に移動させることができる。したがって、通常使用時における装置全体の強度を確保しつつ、非常時における車体の自由変形を妨げてしまうことを防止することができ、車両の衝突エネルギー吸収特性を阻害することがない。
【0035】
このように、請求項7記載のワイパ装置用フレームでは、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できるに止まらず、通常使用時における装置全体の強度をも確保することができ、車体の衝突エネルギー吸収特性の向上を図ることが可能になる。
【0036】
請求項8に係る発明のワイパ装置用フレームは、請求項7記載のワイパ装置用フレームにおいて、前記座屈部は、前記フレーム長手方向と交差する方向に前記座屈変形する、ことを特徴としている。
【0037】
ここで、請求項8記載のワイパ装置用フレームが適用されたワイパ装置では、駆動源の駆動力をピボットシャフトに伝達するリンク機構は当該フレームの長手方向に沿って往復揺動するため、ワイパ装置の通常の使用状態では、主に当該フレームの長手方向に反力が作用する。
【0038】
この点、請求項8記載のワイパ装置用フレームでは、座屈部の座屈方向が、フレーム長手方向と交差する方向、すなわち、リンク機構が往復揺動する方向以外の方向に設定されているため、リンク機構の作動反力を受け止めるためのフレーム長手方向にはより強度を確保でき、すなわち、通常使用時におけるワイパ装置の強度を確保することができ、しかも、非常時には当該座屈部がフレーム長手方向と交差する方向に座屈変形することで車体の衝突エネルギー吸収特性を悪化させてしまうことを防止できる。
【0039】
請求項9に係る発明のワイパ装置用フレームは、請求項7または請求項8記載のワイパ装置用フレームにおいて、前記座屈部は、前記フレーム長手方向中央部位に設けられている、ことを特徴としている。
【0040】
請求項9記載のワイパ装置用フレームでは、座屈部からピボットホルダの固定部までの距離が長くなるので(ピボットホルダの固定部から最大限に離れた部位に座屈部が設けられているため)、当該座屈部が座屈変形した際の駆動源の変位量(移動ストローク)を大きく確保することができ、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少させてしまうことを防止できる。
【0041】
請求項10に係る発明のワイパ装置用フレームは、請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載のワイパ装置用フレームにおいて、中空のパイプ材から成り、かつ、前記座屈部は前記パイプ材の中空部を狭窄するように潰れた潰し部とされる、 ことを特徴としている。
【0042】
請求項10記載のワイパ装置用フレームでは、座屈部がパイプ材の中空部を狭窄するように潰れた潰し部とされるため、比較的強度の高い中空のパイプ材を適用しつつ、この中空パイプ材に容易に狭窄部を形成することができる。
【0043】
請求項11に係る発明のワイパ装置用フレームは、請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載のワイパ装置用フレームにおいて、前記駆動源が直接固定される取付平座面を有し、前記座屈部は前記取付平座面に設けられている、ことを特徴としている。
【0044】
請求項11記載のワイパ装置用フレームでは、座屈部は、駆動源が直接固定される取付平座面に設けられるため、駆動源に前記所定値以上の荷重が作用した場合の座屈部の座屈方向を、当該駆動源の固定位置と関連づけて、取付平座面にて容易に設定できる。
【0045】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の実施の形態に係るワイパ装置10の全体構成が平面図にて示されており、図2にはワイパ装置10の全体構成が正面図にて示されている。また、図3にはこのワイパ装置10の主要部の構成が概略的な断面図にて示されている。
【0046】
ワイパ装置10は、一対のピボットホルダ12及びピボットホルダ14を備えている。ピボットホルダ12とピボットホルダ14は左右対称形に形成されており、基本的構成は同じ構成である。これらのピボットホルダ12、14は、アルミニウム合金によるダイカスト成形によって、ピボットホルダ12には筒部16及びフランジ部29が一体に設けられ、ピボットホルダ14には筒部18及びフランジ部33が一体に設けられている。これらの筒部16、18は円筒形に形成されており、ピボットシャフト20、ピボットシャフト22がそれぞれ挿通されこれを回転可能に支持している。ピボットシャフト20、22の下端にはピボットレバー24、26がそれぞれ固定されており、ピボットレバー24、26の揺動によってピボットシャフト20、22が回動されるようになっている。
【0047】
また、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33の部材角部、具体的には、フランジ部29、33のピボットシャフト20、22に対しワイパモータ58(後に詳述する)と反対側に、固定部とされる固定孔28、30がそれぞれ形成されている。これらの固定孔28、30は、部材外方へ向けて開放する開放部28A、30Aを有している。さらに、図3に詳細に示す如く、これらの固定孔28、30には、ゴム材またはエラストマー材等の弾性材から成るグロメット35が取り付けられており、各グロメット35に挿通された固定部材としての取付ボルト31によって、ワイパ装置10が車体Bに固定される構成である。すなわち、各グロメット35は、ワイパ装置10(ピボットホルダ12、14)を車体Bに対してフローティング支持している。これにより、各グロメット35は、ピボットシャフト20、22あるいは後述する駆動源としてのワイパモータ58に荷重が作用した場合に、弾性変形することによりピボットホルダ12、14(装置全体)を車体Bに対し傾斜変位可能としている。
【0048】
またここで、固定部材としての取付ボルト31は、固定孔28、30の開放部28A、30Aの隙間寸法よりも小径とされ、開放部28A、30Aよりも大径の弾性部材としてのグロメット35を介して車体Bに固定される。したがって、開放部28A、30Aの開放方向と反対側(各ピボットホルダ12、14が互いに接近する方向)へ向けた所定値を越える荷重がピボットホルダ12、14に作用すると、グロメット35が弾性変形して開放部28A、30Aから取付ボルト31が抜け出し可能(固定孔28、30の開放部28A、30Aが取付ボルト31から離脱可能)となっている。
【0049】
さらに、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33には、固定孔28、30と反対側の側壁部分に、連結シャフト32、34が設けられている。連結シャフト32、34は、断面円形の中実シャフト(むく軸)とされており、その先端部は後述する中空フレーム42に嵌合連結する連結部36、連結部38とされている。なお、これらの連結シャフト32、34を断面円形の中実シャフトとするに限らず、断面円環状の中空シャフトに形成する構成としてもよい。
【0050】
連結部36、38には、それぞれ凹部40が形成されている。このピボットホルダ12の連結部36とピボットホルダ14の連結部38とが、中空フレーム42によって互いに連結されている。
【0051】
中空フレーム42の長手方向両端部は、前記連結シャフト32、34の連結部36、38に対応する連結部44、連結部46となっている。これらの連結部44、46は、断面円環状に形成されており、連結部44が連結部36に嵌合し連結部46が連結部38に嵌合し、さらにこの状態で、前記凹部40に対応して各連結部44、46がそれぞれカシメられてそれぞれ連結部36、38に連結固定された構成となっている。
【0052】
また、中空フレーム42の長手方向中間部には、取付部48が形成されている。図4及び図5に示す如く、この取付部48は、中空でない断面コ字形に形成されており、コ字形の開口側が真横(図5紙面右側)に向くように設定されている。また、この取付部48の側面(図5紙面左側)は、取付平座面50となっている。さらに、取付部48には、後述する駆動源を固定するための一対の取付孔52が形成されている。この取付孔52は、取付部48(取付平座面50)の表裏両側に貫通している。
【0053】
また、中空フレーム42の取付部48の長手方向両側には、徐変部54、徐変部56が設けられている。徐変部54、56は、取付部48からそれぞれ連結部44、46へ向けて前記中空でない断面コ字形から断面円環状に徐々に中空変化して形成されている。
【0054】
またさらに、中空フレーム42には、連結部44、46と徐変部54、56との間に、座屈部47、49が設けられている。座屈部47、49は、後述するワイパモータ58に作用する所定値以上の荷重Pで所定方向(本実施の形態においては、中空フレーム42の長手方向と交差する方向)へ座屈変形するように構成されている。
【0055】
なおこの場合、前記ワイパモータ58に作用する所定値以上の荷重としては、図2に示す如く、垂線(垂直)方向に対し傾斜する斜め荷重P’の前記垂線方向分力であってもよい。換言すれば、ワイパモータ58に対し傾斜する斜め荷重P’の前記垂線方向分力が、前記所定値を越えれば、座屈部47、49が座屈変形する構成である。
【0056】
以上の構成の中空フレーム42(取付部48、徐変部54、56等)は、前述の如く断面円環状の中空母材(パイプ材)をプレス加工することによって形成されており、特に、徐変部54、56は取付部48を形成するプレス加工の際にこれと同時に形成されている。さらに、前述した取付部48の一対の取付孔52は、取付部48を形成するプレス加工工程と同工程にて形成されている。また、座屈部47、49は、前記中空母材(パイプ材)の中空部を狭窄するように潰すことで形成された潰し部となっている。
【0057】
また、中空フレーム42の取付部48には、取付平座面50に駆動源としてのワイパモータ58が取り付けられている。ワイパモータ58は、モータ部58A及びギヤ部58Bが一体に設けられた構成となっており、ギヤ部58Bのハウジング60には一対の取付足62が突出形成されている。図4及び図5に示す如く、取付足62には、締結孔63が水平方向に沿って(換言すれば、中空フレーム42のコ字形に形成された取付部48の取付平座面50に対して垂直方向に)形成されている。この取付足62が、中空フレーム42の取付部48の取付平座面50上に密着して直接当接し、この状態でボルト64及びナット66によって締結固定された構成となっている。
【0058】
また、ワイパモータ58のハウジング60には、その前面側(図1において紙面上方側、図2において紙面奥側)へ向けてストッパ部84及び支持部としての支持ピン68が突出形成されている。さらに、図6に示す如く、このストッパ部84及び支持ピン68は、車体B側のパネル85に設けられた取付孔86に対応している。取付孔86には、弾性材から成るグロメット87が取り付けられている。このグロメット87は、外周が取付孔86に嵌まり込んで取り付けられる円筒部88と、円筒部88の一端に形成された受部89とから構成されており、円筒部88の内周に支持ピン68が挿通されると共に、支持ピン68が円筒部88に挿通された際に受部89にストッパ部84が当接する。すなわち、グロメット87の受部89にストッパ部84が当接する状態まで支持ピン68を挿通することによって、位置決めかつ支持が成され、かつこの状態でピボットホルダ12、14の固定孔28、30に挿通された固定ボルト31を締結することで、ワイパ装置10が車体に固定される構成である。
【0059】
しかもこの場合、ワイパモータ58に作用する所定値以上の荷重Pで座屈部47、49が所定方向(本実施の形態においては、中空フレーム42の長手方向と交差する方向)へ座屈変形した際に、グロメット87が支持ピン68と共にあるいは支持ピン68のみが取付孔86から抜け出して(離脱して)当該部位の支持固定が解除されるように構成されている。
【0060】
以上の如くワイパ装置10は、一対のピボットホルダ12、14が、ワイパモータ58の支持基台としての中空フレーム42と一体に構成された所謂フレーム一体式の構成となっている。
【0061】
ワイパモータ58の出力軸70は、ハウジング60の裏面側(図1において紙面裏面側、図2において紙面下方側)へ向けて突出しており、その先端にはクランクアーム72が取り付けられている。クランクアーム72の先端には、ボールジョイント74を介してリンクロッド76及びリンクロッド78が連結されている。一方のリンクロッド76は、ピボットホルダ12に支持されたピボットシャフト20のピボットレバー24にボールジョイント80を介して連結されており、また、他方のリンクロッド78は、ピボットホルダ14に支持されたピボットシャフト22のピボットレバー26にボールジョイント82を介して連結されている。これにより、ワイパモータ58が作動しクランクアーム72が回転することにより、リンクロッド76、78及びピボットレバー24、26を介して駆動力が伝達されて、ピボットシャフト20、22がそれぞれ回動する構成である。
【0062】
また、ピボットシャフト20、22の先端にはそれぞれワイパアーム&ブレード100(図3に図示)が取り付けられ、各ピボットシャフト20、22の回転によってワイパアーム&ブレード100が所定範囲で往復回動するようになっている。
【0063】
次に本実施の形態の作用を説明する。
【0064】
上記構成のワイパ装置10では、ピボットシャフト20、22を回転可能に支持するピボットホルダ12、14が中空フレーム42によって互いに連結され、また、中空フレーム42の取付部48(取付平座面50)にはワイパモータ58が直接固定され、全体としてアッセンブリ状態とされている。この状態で、ワイパモータ58のハウジング60に設けられた支持ピン68が車体B側のパネル85に設けられた取付孔86にグロメット87と共に挿通されて位置決めかつ支持が成され、かつこの状態でピボットホルダ12、14の固定孔28、30にに取り付けられたゴムグロメット35を介してこのゴムグロメット35に挿通された取付ボルト31によって、ウインドシールドガラス下方の車体Bに固定される(車体Bに対してフローティング支持される)。
【0065】
さらに、ワイパモータ58の作動によってピボットシャフト20、22が回転して、ワイパアーム&ブレード100が所定範囲で往復回動してウインドシールドガラスの雨滴等を払拭する。
【0066】
ここで、このワイパ装置10では、ピボットホルダ12、14はグロメット35を介して車体Bに対し傾斜変位可能に固定されているため、ワイパモータ58に荷重が作用すると、これに伴って図8に示す如くピボットホルダ12、14(装置全体)が車体Bに対し傾斜変位される。さらに、荷重が増加し所定値以上の荷重Pが作用すると、図7に示す如く、中空フレーム42の座屈部47、49が荷重方向に座屈変形すると共に、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33(固定孔28、30)がそれぞれワイパモータ58の側に引っ張られる。すると、ワイパモータ58の支持ピン68が取付孔86から抜け出して(離脱して)当該部位の支持固定が解除される。
【0067】
したがって、本ワイパ装置10が搭載された車両が衝突等に至り衝突荷重が作用した際には(ワイパモータ58に所定値以上の荷重Pが作用すると)、中空フレーム42の座屈部47、49が荷重方向に座屈変形する。すると、ワイパモータ58の支持ピン68が取付孔86から抜け出して(離脱して)当該部位の支持固定が解除されると共に、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33がそれぞれワイパモータ58の側に引っ張られ傾斜変位しながら固定孔28、30の開放部28A、30Aからグロメット35と共に取付ボルト31が抜け出す。これにより、ワイパ装置10が車体の自由変形を妨げてしまうことを回避し、車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できる。
【0068】
また、このワイパ装置10では、ワイパモータ58の駆動力をピボットシャフト20、22に伝達するリンクロッド76、78等で構成されるリンク機構は中空フレーム42の長手方向に沿って往復揺動するため、ワイパ装置10の通常の使用状態では、主に当該中空フレーム42の長手方向に反力が作用する。この点、本ワイパ装置10では、中空フレーム42に設けられた座屈部47、49は、中空フレーム42の長手方向と交差する方向、すなわち、リンク機構が往復揺動する方向以外の方向に座屈変形するため、リンク機構の作動反力を受け止めるための中空フレーム42の長手方向にはより強度を確保でき(すなわち、通常使用時における装置の強度を確保することができ)、しかも、非常時には当該座屈部47、49が中空フレーム42長手方向と交差する方向に座屈変形させて、ワイパモータ58を中空フレーム42の変形とともに荷重方向に移動させることができる。したがって、通常使用時における装置全体の強度を確保しつつ、非常時における車体の自由変形を妨げてしまうことを防止することができ、車両の衝突エネルギー吸収特性を阻害することがない。
【0069】
またしかも、従来のモジュール型ワイパ装置の如く外部からの衝撃でモータブラケットの脆弱部及びスリーブの脆弱部を破断させてワイパ装置を車体から切り離す構成ではないため、これによっても装置全体の強度が低下する恐れがない。
【0070】
さらに、ワイパ装置10では、ワイパモータ58に所定値以上の衝突荷重Pが作用して中空フレーム42の座屈部47、49が座屈変形すると、当該座屈変形に起因して、中空フレーム42の固定部とされるピボットホルダ12、14のフランジ部29、33がそれぞれワイパモータ58の側(中空フレーム42の長手方向内方側)へ向けて引っ張られる。ここで、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33の固定孔28、30は、中空フレーム42の長手方向外方へ向けて開放する開放部28A、30Aを有しており、しかも取付ボルト31はこの開放部28A、30Aよりも小径とされ、開放部28A、30Aよりも大径のグロメット35を介しているため、このグロメット35が弾性変形して開放部28A、30Aから取付ボルト31が抜け出し(固定孔28、30の開放部28A、30Aが取付ボルト31から離脱し)、ピボットホルダ12、14は車体Bとの固定が解除されて、車体Bから装置が離脱された自由状態となる。したがって、これによっても、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できる。
【0071】
また、このワイパ装置10では、中空フレーム42は中空のパイプ材から成り、座屈部47、49はパイプ材の中空部を狭窄するように潰れた潰し部とされるため、比較的強度の高い中空のパイプ材を適用しつつ、この中空パイプ材に容易に座屈部47、49(狭窄部)を形成することができる。
【0072】
またさらに、このワイパ装置10では、ピボットホルダ12、14はゴムグロメット35によって車体Bに対し傾斜変位可能にフローティング支持される構成としている。したがって、通常使用時においては防振効果を有してピボットホルダ12、14の支持状態を確保しつつ、非常時にはピボットホルダ12、14を好適に傾斜変位させることができ、しかも、部品点数が増加したり構造が複雑で大型化することもない。
【0073】
以上説明した如く、本実施の形態に係るワイパ装置10では、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できるに止まらず、通常使用時における装置全体の強度をも確保することができ、車体の衝突エネルギー吸収特性の向上を図ることが可能になる。
【0074】
なお、前記実施の形態においては、ワイパモータ58に所定値以上の荷重Pが作用すると、中空フレーム42の座屈部47、49が荷重方向に座屈変形し、これに伴って、ワイパモータ58の支持ピン68が取付孔86から抜け出して(離脱して)当該部位の支持固定が解除されると共に、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33がそれぞれワイパモータ58の側に引っ張られ傾斜変位しながら固定孔28、30の開放部28A、30Aから取付ボルト31が抜け出すとして説明したが、ワイパモータ58のみならず中空フレーム42やピボットシャフト20、22の軸線方向に加えられた衝撃による荷重が所定値以上である場合にも、前述と同様の効果を発揮することができ、当該荷重によって中空フレーム42の座屈部47、49を座屈変形させることができる。
【0075】
また、前記実施の形態においては、中空フレーム42の連結部44、46と徐変部54、56との間に座屈部47、49が設けられた構成としたが、当該座屈部の形成箇所や形成個数はこれに限るものではない。
【0076】
また、前記実施の形態においては、中空フレーム42の断面コ字形の取付部48の取付平座面50をワイパモータ58の出力軸70の軸線方向に対して略平行にセットした構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
【0077】
例えば、図9に示す如く、中空フレーム94のコ字形の開口側が真下(図9紙面下側)に向くように設定すると共に、ワイパモータ58の取付足96をそのまま中空フレーム94へ向けて延出させて取付平座面98上に密着して直接当接させて固定するように構成することができる。
【0078】
しかも、この場合であっても、取付平座面98にしかもその長手方向両端部にそれぞれ座屈部110を設ける構成とすることもできる。この場合であっても、当該座屈部110が座屈変形することによって、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少させてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るワイパ装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るワイパ装置の全体構成を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るワイパ装置のピボットホルダ周辺の構成を示す概略的な断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るワイパ装置を構成する中空フレームの取付部及びワイパモータの取付足の詳細を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るワイパ装置を構成する中空フレームの取付部及びワイパモータの取付足の詳細を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るワイパ装置を構成するワイパモータの支持ピン及びグロメットの詳細を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るワイパ装置の座屈部が座屈変形した状態を示す図2に対応した正面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るワイパ装置のピボットホルダが傾斜変位した状態を示す図3に対応した概略的な断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るワイパ装置の中空フレーム及び座屈部の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10・・ワイパ装置、12・・ピボットホルダ、14・・ピボットホルダ、20・・ピボットシャフト、22・・ピボットシャフト、28・・固定孔(固定部)、28A・・開放部、29・・フランジ部、30・・固定孔(固定部)、30A・・開放部、31・・取付ボルト(固定部材)、33・・フランジ部、35・・グロメット、42・・中空フレーム、47・・座屈部、48・・取付部、49・・座屈部、50・・取付平座面、58・・ワイパモータ(駆動源)、68・・支持ピン(支持部)、76・・リンクロッド(リンク機構)、78・・リンクロッド(リンク機構)、86・・取付孔、87・・グロメット
【発明の属する技術分野】
本発明は、モジュール型(所謂、フレーム一体式)のワイパ装置及びワイパ装置用フレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のウインドシールドガラスを払拭するワイパ装置は、ピボットシャフトに取り付けられたワイパアームが、ピボットシャフトの回転により所定範囲で往復回動することで、ウインドシールドガラス面の雨滴等を払拭する。
【0003】
ここで、このようなワイパ装置のうち、例えば一対のワイパアーム&ブレードを備えた車両においては、ピボットシャフトは車両幅方向にそれぞれ設けられており、これらを支持するピボットホルダ(ワイパブラケット)も車体の車両幅方向にそれぞれ固定されている。さらに、これら一対のピボットホルダががフレームによって連結されると共に駆動源としてのワイパモータがこのフレームに固定されて一体に構成されたモジュール型(所謂、フレーム一体式)のワイパ装置がある。この種のワイパ装置では、通常、一対のピボットホルダ及びモータ取付用ブラケットの少なくとも計3点(箇所)に取付孔を設け、各取付孔に挿通するボルト等の締結具によって車体に強固に固定している。
【0004】
このようなモジュール型のワイパ装置は、装置が全体としてモータ&リンクのアッセンブリを構成しているため、装置として停止位置や回動角度等の各種設定が高精度に設定でき、しかも比較的簡単でコンパクトな構成とすることができる。
【0005】
ところで、この種のワイパ装置は、フロントウインドシールドガラス下部のカウル部位に車両の幅方向に亘って配置されるため、車両の衝突時における車体の変形による衝撃吸収を妨げてしまう恐れがあり、これを防止する対策が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
前記特許文献1に提案されたモジュール型のワイパ装置では、ワイパモータを支持するモータブラケットがフレーム取付け部と躯体取付け部とを有しており、これら取付け部の少なくとも一方とワイパモータ支持部との間に、ワイパモータまたはモータブラケットへの過負荷で破壊する脆弱部を形成した構成となっている。これにより、ワイパモータ部位に大きな負荷が生じたような場合に、ワイパモータが下方に待避して衝撃を吸収できるようにしている。また、ピボット軸を支持するスリーブにも躯体に取り付けられる躯体取付け部が形成され、躯体取付け部とピボット軸軸承部との間に形成された脆弱部が、衝撃により破壊しスリーブが没入すると、モータブラケット側も破壊されやすく、スリーブの落ち込みが容易になるという構成のものである。
【0007】
前記モジュール型のワイパ装置では、ワイパモータやモータブラケットに上方から所定値以上の衝突荷重が作用すると、ワイパモータやスリーブが下方へ沈み込むため、これらの部位にフロントウインドシールドガラス下部のカウル部位(エンジンフード後端部)が不要に干渉することがなく、エンジンフード後端部等の下方への変形が自由に許容される。したがって、ワイパ装置が車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまう原因とならないようになっている。
【0008】
しかしながら、前記モジュール型のワイパ装置では、外部からの衝撃でモータブラケットの脆弱部及びスリーブの脆弱部を破断させて、ワイパ装置を車体から切り離す構成である。そのため、装置全体の強度が低下してしまい、例えば、通常の使用状態でもウインドシールドガラス下端部の雪溜まりなどでワイパアームが拘束されると、ワイパモータやフレームあるいはピボットホルダに大きな反力が作用してこれら脆弱部が破断されてしまい、ワイパ装置が完全に使用不能な状態となってしまう恐れがある。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−356142号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できるに止まらず、通常使用時における装置全体の強度をも確保することができ、車体の衝突エネルギー吸収特性の向上を図ることが可能なワイパ装置及びワイパ装置用フレームを提供することが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のワイパ装置は、先端にワイパアームが固定されるピボットシャフトを回動自在に支持すると共に車体に固定される固定部を有する複数のピボットホルダと、前記各ピボットホルダを互いに連結するフレームと、前記フレームの長手方向中間位置に固定された駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記ピボットシャフトに伝達するリンク機構と、を備え、前記ピボットホルダ及び前記駆動源が所定の状態で前記車体に固定されるモジュール型のワイパ装置において、前記車体側の取付孔に挿入された支持部によって前記駆動源を前記車体に対し離脱可能に支持し、かつ、前記駆動源に作用する所定値以上の荷重で所定方向へ座屈変形する座屈部を前記フレームに設けた、ことを特徴としている。
【0012】
請求項1記載のワイパ装置では、ピボットシャフトを回転可能に支持するピボットホルダがフレームによって互いに連結され、また、フレームには駆動源が固定され、全体としてアッセンブリ状態とされている。さらに、このワイパ装置は、ピボットホルダ及び駆動源が所定の状態で車体に固定される。すなわち、ピボットホルダは、固定部にてそれぞれ車体に固定されており、駆動源は、車体側の取付孔に挿入された支持部によって車体に対し離脱可能に支持されている。
【0013】
また、フレームには、駆動源に作用する所定値以上の荷重で所定方向へ座屈変形する座屈部が設けられている。
【0014】
ここで、駆動源に所定値以上の荷重が作用すると、フレームの座屈部が荷重方向に座屈変形する。すると、駆動源(支持部)はフレームの座屈変形と共に荷重方向に車体に対し離脱可能であるので、ワイパ装置が車体の自由変形を妨げてしまうことがなく、車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまう原因となることがない。
【0015】
またしかも、従来のモジュール型ワイパ装置の如く外部からの衝撃でモータブラケットの脆弱部及びスリーブの脆弱部を破断させて、ワイパ装置を車体から切り離す構成ではないため、装置全体の強度が低下する恐れがない。すなわち、所定値以上の衝突荷重が作用するとフレームの座屈部を所定方向に座屈変形させるため、例えば、座屈部をフレームの長手方向(リンク機構が往復揺動する方向)と交差する方向に座屈変形するように設定すれば、当該フレーム長手方向と交差する方向に衝撃荷重が作用した際には座屈部を座屈変形させて駆動源をフレームの変形とともに荷重方向に移動させることができる。したがって、通常使用時における装置全体の強度を確保しつつ、非常時における車体の自由変形を妨げてしまうことを防止することができ、車両の衝突エネルギー吸収特性を阻害することがない。
【0016】
このように、請求項1記載のワイパ装置では、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できるに止まらず、通常使用時における装置全体の強度をも確保することができ、車体の衝突エネルギー吸収特性の向上を図ることが可能になる。
【0017】
請求項2に係る発明のワイパ装置は、請求項1記載のワイパ装置において、前記座屈部は、前記フレームの長手方向と交差する方向に前記座屈変形する、ことを特徴としている。
【0018】
ここで、駆動源の駆動力をピボットシャフトに伝達するリンク機構はフレームの長手方向に沿って往復揺動するため、ワイパ装置の通常の使用状態では、主に当該フレームの長手方向に反力が作用する。
【0019】
この点、請求項2記載のワイパ装置では、フレームに設けられた座屈部の座屈方向は、フレームの長手方向と交差する方向、すなわち、リンク機構が往復揺動する方向以外の方向に設定されているため、リンク機構の作動反力を受け止めるためのフレームの長手方向にはより強度を確保でき(すなわち、通常使用時における装置の強度を確保することができ)、しかも、非常時には当該座屈部がフレーム長手方向と交差する方向に座屈変形することで車体の衝突エネルギー吸収特性を悪化させてしまうことを防止できる。
【0020】
請求項3に係る発明のワイパ装置は、請求項1または請求項2記載のワイパ装置において、前記ピボットホルダの前記固定部は、前記フレームの長手方向外方へ向けて開放する開放部を有する固定孔とされ、前記開放部よりも小径の固定部材を前記開放部よりも大径の弾性部材を介して前記固定孔に挿通することで前記ピボットホルダを前記車体に固定した、ことを特徴としている。
【0021】
請求項3記載のワイパ装置では、ピボットホルダは、固定部とされる固定孔に固定部材が挿通されることで車体に固定される。
【0022】
所定値以上の衝突荷重が作用してフレームの座屈部が所定方向に座屈変形すると、当該座屈変形に起因して、フレームの固定部(固定孔)がフレームの長手方向内方へ向けて引っ張られる。ここで、ピボットホルダの固定部とされる固定孔は、フレームの長手方向外方へ向けて開放する開放部を有しており、しかも固定部材は開放部よりも小径とされ、開放部よりも大径の弾性部材を介しているため、弾性部材が弾性変形して開放部から固定部材が抜け出し(固定孔の開放部が固定部材から離脱し)、ピボットホルダは車体との固定が解除されて、車体から装置が離脱された自由状態となる。
【0023】
したがって、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できる。
【0024】
請求項4に係る発明のワイパ装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のワイパ装置において、前記座屈部は、前記フレームの長手方向中央部位に設けられている、ことを特徴としている。
【0025】
請求項4記載のワイパ装置では、フレームに設けられた座屈部からピボットホルダの固定部までの距離が長くなるので(ピボットホルダの固定部から最大限に離れた部位に座屈部が設けられているため)、当該座屈部が座屈変形した際の駆動源の変位量(移動ストローク)を大きく確保することができ、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少させてしまうことを防止できる。
【0026】
請求項5に係る発明のワイパ装置は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のワイパ装置において、前記フレームは、中空のパイプ材から成り、前記座屈部は、前記パイプ材の中空部を狭窄するように潰れた潰し部とされる、ことを特徴としている。
【0027】
請求項5記載のワイパ装置では、座屈部がパイプ材の中空部を狭窄するように潰れた潰し部とされるため、比較的強度の高い中空のパイプ材を適用しつつ、この中空パイプ材に容易に狭窄部を形成することができる。
【0028】
請求項6に係る発明のワイパ装置は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のワイパ装置において、前記フレームは、前記駆動源が直接固定される取付平座面を有し、前記座屈部は、前記取付平座面に設けられている、ことを特徴としている。
【0029】
請求項6記載のワイパ装置では、座屈部は、駆動源が直接固定されるフレームの取付平座面に設けられるため、駆動源に前記所定値以上の荷重が作用した場合の座屈部の座屈方向を、当該駆動源の固定位置と関連づけて、取付平座面にて容易に設定できる。
【0030】
請求項7に係る発明のワイパ装置用フレームは、先端にワイパアームが固定されるピボットシャフトを回動自在に支持すると共に車体に固定される固定部を有する複数のピボットホルダと、前記車体側の取付孔に挿入された支持部によって前記車体に対し離脱可能に支持されると共に前記ピボットシャフトを回動させるための駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記ピボットシャフトに伝達するリンク機構と、を備え、前記ピボットホルダ及び前記駆動源が所定の状態で前記車体に固定されるモジュール型のワイパ装置に適用され、前記各ピボットホルダを互いに連結すると共に長手方向中間位置に前記駆動源が固定されたワイパ装置用フレームにおいて、前記駆動源に作用する所定値以上の荷重で所定方向へ座屈変形する座屈部を設けた、ことを特徴としている。
【0031】
請求項7記載のワイパ装置用フレームは、ピボットシャフトを回転可能に支持するピボットホルダを互いに連結しており、また、このフレームには駆動源が固定され、全体としてアッセンブリ状態とされている。さらに、このフレームが適用されるワイパ装置は、ピボットホルダ及び駆動源が所定の状態で車体に固定される。すなわち、ピボットホルダは、固定部にてそれぞれ車体に固定されており、駆動源は、車体側の取付孔に挿入された支持部によって車体に対し離脱可能に支持されている。
【0032】
また、このワイパ装置用フレームには、駆動源に作用する所定値以上の荷重で所定方向へ座屈変形する座屈部が設けられている。
【0033】
ここで、駆動源に所定値以上の荷重が作用すると、フレームの座屈部が荷重方向に座屈変形する。すると、駆動源はフレームの座屈変形と共に荷重方向に車体に対し離脱可能であるので、ワイパ装置が車体の自由変形を妨げてしまうことがなく、車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまう原因となることがない。
【0034】
またしかも、従来のモジュール型ワイパ装置の如く外部からの衝撃でモータブラケットの脆弱部及びスリーブの脆弱部を破断させて、ワイパ装置を車体から切り離す構成ではないため、装置全体の強度が低下する恐れがない。すなわち、所定値以上の衝突荷重が作用するとフレームの座屈部を所定方向に座屈変形させるため、例えば、座屈部をフレームの長手方向(リンク機構が往復揺動する方向)と交差する方向に座屈変形するように設定すれば、当該フレーム長手方向と交差する方向に衝撃荷重が作用した際には座屈部を座屈変形させて駆動源をフレームの変形とともに荷重方向に移動させることができる。したがって、通常使用時における装置全体の強度を確保しつつ、非常時における車体の自由変形を妨げてしまうことを防止することができ、車両の衝突エネルギー吸収特性を阻害することがない。
【0035】
このように、請求項7記載のワイパ装置用フレームでは、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できるに止まらず、通常使用時における装置全体の強度をも確保することができ、車体の衝突エネルギー吸収特性の向上を図ることが可能になる。
【0036】
請求項8に係る発明のワイパ装置用フレームは、請求項7記載のワイパ装置用フレームにおいて、前記座屈部は、前記フレーム長手方向と交差する方向に前記座屈変形する、ことを特徴としている。
【0037】
ここで、請求項8記載のワイパ装置用フレームが適用されたワイパ装置では、駆動源の駆動力をピボットシャフトに伝達するリンク機構は当該フレームの長手方向に沿って往復揺動するため、ワイパ装置の通常の使用状態では、主に当該フレームの長手方向に反力が作用する。
【0038】
この点、請求項8記載のワイパ装置用フレームでは、座屈部の座屈方向が、フレーム長手方向と交差する方向、すなわち、リンク機構が往復揺動する方向以外の方向に設定されているため、リンク機構の作動反力を受け止めるためのフレーム長手方向にはより強度を確保でき、すなわち、通常使用時におけるワイパ装置の強度を確保することができ、しかも、非常時には当該座屈部がフレーム長手方向と交差する方向に座屈変形することで車体の衝突エネルギー吸収特性を悪化させてしまうことを防止できる。
【0039】
請求項9に係る発明のワイパ装置用フレームは、請求項7または請求項8記載のワイパ装置用フレームにおいて、前記座屈部は、前記フレーム長手方向中央部位に設けられている、ことを特徴としている。
【0040】
請求項9記載のワイパ装置用フレームでは、座屈部からピボットホルダの固定部までの距離が長くなるので(ピボットホルダの固定部から最大限に離れた部位に座屈部が設けられているため)、当該座屈部が座屈変形した際の駆動源の変位量(移動ストローク)を大きく確保することができ、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少させてしまうことを防止できる。
【0041】
請求項10に係る発明のワイパ装置用フレームは、請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載のワイパ装置用フレームにおいて、中空のパイプ材から成り、かつ、前記座屈部は前記パイプ材の中空部を狭窄するように潰れた潰し部とされる、 ことを特徴としている。
【0042】
請求項10記載のワイパ装置用フレームでは、座屈部がパイプ材の中空部を狭窄するように潰れた潰し部とされるため、比較的強度の高い中空のパイプ材を適用しつつ、この中空パイプ材に容易に狭窄部を形成することができる。
【0043】
請求項11に係る発明のワイパ装置用フレームは、請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載のワイパ装置用フレームにおいて、前記駆動源が直接固定される取付平座面を有し、前記座屈部は前記取付平座面に設けられている、ことを特徴としている。
【0044】
請求項11記載のワイパ装置用フレームでは、座屈部は、駆動源が直接固定される取付平座面に設けられるため、駆動源に前記所定値以上の荷重が作用した場合の座屈部の座屈方向を、当該駆動源の固定位置と関連づけて、取付平座面にて容易に設定できる。
【0045】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の実施の形態に係るワイパ装置10の全体構成が平面図にて示されており、図2にはワイパ装置10の全体構成が正面図にて示されている。また、図3にはこのワイパ装置10の主要部の構成が概略的な断面図にて示されている。
【0046】
ワイパ装置10は、一対のピボットホルダ12及びピボットホルダ14を備えている。ピボットホルダ12とピボットホルダ14は左右対称形に形成されており、基本的構成は同じ構成である。これらのピボットホルダ12、14は、アルミニウム合金によるダイカスト成形によって、ピボットホルダ12には筒部16及びフランジ部29が一体に設けられ、ピボットホルダ14には筒部18及びフランジ部33が一体に設けられている。これらの筒部16、18は円筒形に形成されており、ピボットシャフト20、ピボットシャフト22がそれぞれ挿通されこれを回転可能に支持している。ピボットシャフト20、22の下端にはピボットレバー24、26がそれぞれ固定されており、ピボットレバー24、26の揺動によってピボットシャフト20、22が回動されるようになっている。
【0047】
また、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33の部材角部、具体的には、フランジ部29、33のピボットシャフト20、22に対しワイパモータ58(後に詳述する)と反対側に、固定部とされる固定孔28、30がそれぞれ形成されている。これらの固定孔28、30は、部材外方へ向けて開放する開放部28A、30Aを有している。さらに、図3に詳細に示す如く、これらの固定孔28、30には、ゴム材またはエラストマー材等の弾性材から成るグロメット35が取り付けられており、各グロメット35に挿通された固定部材としての取付ボルト31によって、ワイパ装置10が車体Bに固定される構成である。すなわち、各グロメット35は、ワイパ装置10(ピボットホルダ12、14)を車体Bに対してフローティング支持している。これにより、各グロメット35は、ピボットシャフト20、22あるいは後述する駆動源としてのワイパモータ58に荷重が作用した場合に、弾性変形することによりピボットホルダ12、14(装置全体)を車体Bに対し傾斜変位可能としている。
【0048】
またここで、固定部材としての取付ボルト31は、固定孔28、30の開放部28A、30Aの隙間寸法よりも小径とされ、開放部28A、30Aよりも大径の弾性部材としてのグロメット35を介して車体Bに固定される。したがって、開放部28A、30Aの開放方向と反対側(各ピボットホルダ12、14が互いに接近する方向)へ向けた所定値を越える荷重がピボットホルダ12、14に作用すると、グロメット35が弾性変形して開放部28A、30Aから取付ボルト31が抜け出し可能(固定孔28、30の開放部28A、30Aが取付ボルト31から離脱可能)となっている。
【0049】
さらに、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33には、固定孔28、30と反対側の側壁部分に、連結シャフト32、34が設けられている。連結シャフト32、34は、断面円形の中実シャフト(むく軸)とされており、その先端部は後述する中空フレーム42に嵌合連結する連結部36、連結部38とされている。なお、これらの連結シャフト32、34を断面円形の中実シャフトとするに限らず、断面円環状の中空シャフトに形成する構成としてもよい。
【0050】
連結部36、38には、それぞれ凹部40が形成されている。このピボットホルダ12の連結部36とピボットホルダ14の連結部38とが、中空フレーム42によって互いに連結されている。
【0051】
中空フレーム42の長手方向両端部は、前記連結シャフト32、34の連結部36、38に対応する連結部44、連結部46となっている。これらの連結部44、46は、断面円環状に形成されており、連結部44が連結部36に嵌合し連結部46が連結部38に嵌合し、さらにこの状態で、前記凹部40に対応して各連結部44、46がそれぞれカシメられてそれぞれ連結部36、38に連結固定された構成となっている。
【0052】
また、中空フレーム42の長手方向中間部には、取付部48が形成されている。図4及び図5に示す如く、この取付部48は、中空でない断面コ字形に形成されており、コ字形の開口側が真横(図5紙面右側)に向くように設定されている。また、この取付部48の側面(図5紙面左側)は、取付平座面50となっている。さらに、取付部48には、後述する駆動源を固定するための一対の取付孔52が形成されている。この取付孔52は、取付部48(取付平座面50)の表裏両側に貫通している。
【0053】
また、中空フレーム42の取付部48の長手方向両側には、徐変部54、徐変部56が設けられている。徐変部54、56は、取付部48からそれぞれ連結部44、46へ向けて前記中空でない断面コ字形から断面円環状に徐々に中空変化して形成されている。
【0054】
またさらに、中空フレーム42には、連結部44、46と徐変部54、56との間に、座屈部47、49が設けられている。座屈部47、49は、後述するワイパモータ58に作用する所定値以上の荷重Pで所定方向(本実施の形態においては、中空フレーム42の長手方向と交差する方向)へ座屈変形するように構成されている。
【0055】
なおこの場合、前記ワイパモータ58に作用する所定値以上の荷重としては、図2に示す如く、垂線(垂直)方向に対し傾斜する斜め荷重P’の前記垂線方向分力であってもよい。換言すれば、ワイパモータ58に対し傾斜する斜め荷重P’の前記垂線方向分力が、前記所定値を越えれば、座屈部47、49が座屈変形する構成である。
【0056】
以上の構成の中空フレーム42(取付部48、徐変部54、56等)は、前述の如く断面円環状の中空母材(パイプ材)をプレス加工することによって形成されており、特に、徐変部54、56は取付部48を形成するプレス加工の際にこれと同時に形成されている。さらに、前述した取付部48の一対の取付孔52は、取付部48を形成するプレス加工工程と同工程にて形成されている。また、座屈部47、49は、前記中空母材(パイプ材)の中空部を狭窄するように潰すことで形成された潰し部となっている。
【0057】
また、中空フレーム42の取付部48には、取付平座面50に駆動源としてのワイパモータ58が取り付けられている。ワイパモータ58は、モータ部58A及びギヤ部58Bが一体に設けられた構成となっており、ギヤ部58Bのハウジング60には一対の取付足62が突出形成されている。図4及び図5に示す如く、取付足62には、締結孔63が水平方向に沿って(換言すれば、中空フレーム42のコ字形に形成された取付部48の取付平座面50に対して垂直方向に)形成されている。この取付足62が、中空フレーム42の取付部48の取付平座面50上に密着して直接当接し、この状態でボルト64及びナット66によって締結固定された構成となっている。
【0058】
また、ワイパモータ58のハウジング60には、その前面側(図1において紙面上方側、図2において紙面奥側)へ向けてストッパ部84及び支持部としての支持ピン68が突出形成されている。さらに、図6に示す如く、このストッパ部84及び支持ピン68は、車体B側のパネル85に設けられた取付孔86に対応している。取付孔86には、弾性材から成るグロメット87が取り付けられている。このグロメット87は、外周が取付孔86に嵌まり込んで取り付けられる円筒部88と、円筒部88の一端に形成された受部89とから構成されており、円筒部88の内周に支持ピン68が挿通されると共に、支持ピン68が円筒部88に挿通された際に受部89にストッパ部84が当接する。すなわち、グロメット87の受部89にストッパ部84が当接する状態まで支持ピン68を挿通することによって、位置決めかつ支持が成され、かつこの状態でピボットホルダ12、14の固定孔28、30に挿通された固定ボルト31を締結することで、ワイパ装置10が車体に固定される構成である。
【0059】
しかもこの場合、ワイパモータ58に作用する所定値以上の荷重Pで座屈部47、49が所定方向(本実施の形態においては、中空フレーム42の長手方向と交差する方向)へ座屈変形した際に、グロメット87が支持ピン68と共にあるいは支持ピン68のみが取付孔86から抜け出して(離脱して)当該部位の支持固定が解除されるように構成されている。
【0060】
以上の如くワイパ装置10は、一対のピボットホルダ12、14が、ワイパモータ58の支持基台としての中空フレーム42と一体に構成された所謂フレーム一体式の構成となっている。
【0061】
ワイパモータ58の出力軸70は、ハウジング60の裏面側(図1において紙面裏面側、図2において紙面下方側)へ向けて突出しており、その先端にはクランクアーム72が取り付けられている。クランクアーム72の先端には、ボールジョイント74を介してリンクロッド76及びリンクロッド78が連結されている。一方のリンクロッド76は、ピボットホルダ12に支持されたピボットシャフト20のピボットレバー24にボールジョイント80を介して連結されており、また、他方のリンクロッド78は、ピボットホルダ14に支持されたピボットシャフト22のピボットレバー26にボールジョイント82を介して連結されている。これにより、ワイパモータ58が作動しクランクアーム72が回転することにより、リンクロッド76、78及びピボットレバー24、26を介して駆動力が伝達されて、ピボットシャフト20、22がそれぞれ回動する構成である。
【0062】
また、ピボットシャフト20、22の先端にはそれぞれワイパアーム&ブレード100(図3に図示)が取り付けられ、各ピボットシャフト20、22の回転によってワイパアーム&ブレード100が所定範囲で往復回動するようになっている。
【0063】
次に本実施の形態の作用を説明する。
【0064】
上記構成のワイパ装置10では、ピボットシャフト20、22を回転可能に支持するピボットホルダ12、14が中空フレーム42によって互いに連結され、また、中空フレーム42の取付部48(取付平座面50)にはワイパモータ58が直接固定され、全体としてアッセンブリ状態とされている。この状態で、ワイパモータ58のハウジング60に設けられた支持ピン68が車体B側のパネル85に設けられた取付孔86にグロメット87と共に挿通されて位置決めかつ支持が成され、かつこの状態でピボットホルダ12、14の固定孔28、30にに取り付けられたゴムグロメット35を介してこのゴムグロメット35に挿通された取付ボルト31によって、ウインドシールドガラス下方の車体Bに固定される(車体Bに対してフローティング支持される)。
【0065】
さらに、ワイパモータ58の作動によってピボットシャフト20、22が回転して、ワイパアーム&ブレード100が所定範囲で往復回動してウインドシールドガラスの雨滴等を払拭する。
【0066】
ここで、このワイパ装置10では、ピボットホルダ12、14はグロメット35を介して車体Bに対し傾斜変位可能に固定されているため、ワイパモータ58に荷重が作用すると、これに伴って図8に示す如くピボットホルダ12、14(装置全体)が車体Bに対し傾斜変位される。さらに、荷重が増加し所定値以上の荷重Pが作用すると、図7に示す如く、中空フレーム42の座屈部47、49が荷重方向に座屈変形すると共に、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33(固定孔28、30)がそれぞれワイパモータ58の側に引っ張られる。すると、ワイパモータ58の支持ピン68が取付孔86から抜け出して(離脱して)当該部位の支持固定が解除される。
【0067】
したがって、本ワイパ装置10が搭載された車両が衝突等に至り衝突荷重が作用した際には(ワイパモータ58に所定値以上の荷重Pが作用すると)、中空フレーム42の座屈部47、49が荷重方向に座屈変形する。すると、ワイパモータ58の支持ピン68が取付孔86から抜け出して(離脱して)当該部位の支持固定が解除されると共に、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33がそれぞれワイパモータ58の側に引っ張られ傾斜変位しながら固定孔28、30の開放部28A、30Aからグロメット35と共に取付ボルト31が抜け出す。これにより、ワイパ装置10が車体の自由変形を妨げてしまうことを回避し、車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できる。
【0068】
また、このワイパ装置10では、ワイパモータ58の駆動力をピボットシャフト20、22に伝達するリンクロッド76、78等で構成されるリンク機構は中空フレーム42の長手方向に沿って往復揺動するため、ワイパ装置10の通常の使用状態では、主に当該中空フレーム42の長手方向に反力が作用する。この点、本ワイパ装置10では、中空フレーム42に設けられた座屈部47、49は、中空フレーム42の長手方向と交差する方向、すなわち、リンク機構が往復揺動する方向以外の方向に座屈変形するため、リンク機構の作動反力を受け止めるための中空フレーム42の長手方向にはより強度を確保でき(すなわち、通常使用時における装置の強度を確保することができ)、しかも、非常時には当該座屈部47、49が中空フレーム42長手方向と交差する方向に座屈変形させて、ワイパモータ58を中空フレーム42の変形とともに荷重方向に移動させることができる。したがって、通常使用時における装置全体の強度を確保しつつ、非常時における車体の自由変形を妨げてしまうことを防止することができ、車両の衝突エネルギー吸収特性を阻害することがない。
【0069】
またしかも、従来のモジュール型ワイパ装置の如く外部からの衝撃でモータブラケットの脆弱部及びスリーブの脆弱部を破断させてワイパ装置を車体から切り離す構成ではないため、これによっても装置全体の強度が低下する恐れがない。
【0070】
さらに、ワイパ装置10では、ワイパモータ58に所定値以上の衝突荷重Pが作用して中空フレーム42の座屈部47、49が座屈変形すると、当該座屈変形に起因して、中空フレーム42の固定部とされるピボットホルダ12、14のフランジ部29、33がそれぞれワイパモータ58の側(中空フレーム42の長手方向内方側)へ向けて引っ張られる。ここで、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33の固定孔28、30は、中空フレーム42の長手方向外方へ向けて開放する開放部28A、30Aを有しており、しかも取付ボルト31はこの開放部28A、30Aよりも小径とされ、開放部28A、30Aよりも大径のグロメット35を介しているため、このグロメット35が弾性変形して開放部28A、30Aから取付ボルト31が抜け出し(固定孔28、30の開放部28A、30Aが取付ボルト31から離脱し)、ピボットホルダ12、14は車体Bとの固定が解除されて、車体Bから装置が離脱された自由状態となる。したがって、これによっても、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できる。
【0071】
また、このワイパ装置10では、中空フレーム42は中空のパイプ材から成り、座屈部47、49はパイプ材の中空部を狭窄するように潰れた潰し部とされるため、比較的強度の高い中空のパイプ材を適用しつつ、この中空パイプ材に容易に座屈部47、49(狭窄部)を形成することができる。
【0072】
またさらに、このワイパ装置10では、ピボットホルダ12、14はゴムグロメット35によって車体Bに対し傾斜変位可能にフローティング支持される構成としている。したがって、通常使用時においては防振効果を有してピボットホルダ12、14の支持状態を確保しつつ、非常時にはピボットホルダ12、14を好適に傾斜変位させることができ、しかも、部品点数が増加したり構造が複雑で大型化することもない。
【0073】
以上説明した如く、本実施の形態に係るワイパ装置10では、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させてしまうことを防止できるに止まらず、通常使用時における装置全体の強度をも確保することができ、車体の衝突エネルギー吸収特性の向上を図ることが可能になる。
【0074】
なお、前記実施の形態においては、ワイパモータ58に所定値以上の荷重Pが作用すると、中空フレーム42の座屈部47、49が荷重方向に座屈変形し、これに伴って、ワイパモータ58の支持ピン68が取付孔86から抜け出して(離脱して)当該部位の支持固定が解除されると共に、ピボットホルダ12、14のフランジ部29、33がそれぞれワイパモータ58の側に引っ張られ傾斜変位しながら固定孔28、30の開放部28A、30Aから取付ボルト31が抜け出すとして説明したが、ワイパモータ58のみならず中空フレーム42やピボットシャフト20、22の軸線方向に加えられた衝撃による荷重が所定値以上である場合にも、前述と同様の効果を発揮することができ、当該荷重によって中空フレーム42の座屈部47、49を座屈変形させることができる。
【0075】
また、前記実施の形態においては、中空フレーム42の連結部44、46と徐変部54、56との間に座屈部47、49が設けられた構成としたが、当該座屈部の形成箇所や形成個数はこれに限るものではない。
【0076】
また、前記実施の形態においては、中空フレーム42の断面コ字形の取付部48の取付平座面50をワイパモータ58の出力軸70の軸線方向に対して略平行にセットした構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
【0077】
例えば、図9に示す如く、中空フレーム94のコ字形の開口側が真下(図9紙面下側)に向くように設定すると共に、ワイパモータ58の取付足96をそのまま中空フレーム94へ向けて延出させて取付平座面98上に密着して直接当接させて固定するように構成することができる。
【0078】
しかも、この場合であっても、取付平座面98にしかもその長手方向両端部にそれぞれ座屈部110を設ける構成とすることもできる。この場合であっても、当該座屈部110が座屈変形することによって、非常時における車両の衝突エネルギー吸収量を減少させてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るワイパ装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るワイパ装置の全体構成を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るワイパ装置のピボットホルダ周辺の構成を示す概略的な断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るワイパ装置を構成する中空フレームの取付部及びワイパモータの取付足の詳細を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るワイパ装置を構成する中空フレームの取付部及びワイパモータの取付足の詳細を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るワイパ装置を構成するワイパモータの支持ピン及びグロメットの詳細を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るワイパ装置の座屈部が座屈変形した状態を示す図2に対応した正面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るワイパ装置のピボットホルダが傾斜変位した状態を示す図3に対応した概略的な断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るワイパ装置の中空フレーム及び座屈部の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10・・ワイパ装置、12・・ピボットホルダ、14・・ピボットホルダ、20・・ピボットシャフト、22・・ピボットシャフト、28・・固定孔(固定部)、28A・・開放部、29・・フランジ部、30・・固定孔(固定部)、30A・・開放部、31・・取付ボルト(固定部材)、33・・フランジ部、35・・グロメット、42・・中空フレーム、47・・座屈部、48・・取付部、49・・座屈部、50・・取付平座面、58・・ワイパモータ(駆動源)、68・・支持ピン(支持部)、76・・リンクロッド(リンク機構)、78・・リンクロッド(リンク機構)、86・・取付孔、87・・グロメット
Claims (11)
- 先端にワイパアームが固定されるピボットシャフトを回動自在に支持すると共に車体に固定される固定部を有する複数のピボットホルダと、前記各ピボットホルダを互いに連結するフレームと、前記フレームの長手方向中間位置に固定された駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記ピボットシャフトに伝達するリンク機構と、を備え、前記ピボットホルダ及び前記駆動源が所定の状態で前記車体に固定されるモジュール型のワイパ装置において、
前記車体側の取付孔に挿入された支持部によって前記駆動源を前記車体に対し離脱可能に支持し、かつ、前記駆動源に作用する所定値以上の荷重で所定方向へ座屈変形する座屈部を前記フレームに設けた、
ことを特徴とするワイパ装置。 - 前記座屈部は、前記フレームの長手方向と交差する方向に前記座屈変形する、
ことを特徴とする請求項1記載のワイパ装置。 - 前記ピボットホルダの前記固定部は、前記フレームの長手方向外方へ向けて開放する開放部を有する固定孔とされ、
前記開放部よりも小径の固定部材を前記開放部よりも大径の弾性部材を介して前記固定孔に挿通することで前記ピボットホルダを前記車体に固定した、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のワイパ装置。 - 前記座屈部は、前記フレームの長手方向中央部位に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のワイパ装置。 - 前記フレームは、中空のパイプ材から成り、
前記座屈部は、前記パイプ材の中空部を狭窄するように潰れた潰し部とされる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のワイパ装置。 - 前記フレームは、前記駆動源が直接固定される取付平座面を有し、
前記座屈部は、前記取付平座面に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のワイパ装置。 - 先端にワイパアームが固定されるピボットシャフトを回動自在に支持すると共に車体に固定される固定部を有する複数のピボットホルダと、前記車体側の取付孔に挿入された支持部によって前記車体に対し離脱可能に支持されると共に前記ピボットシャフトを回動させるための駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記ピボットシャフトに伝達するリンク機構と、を備え、前記ピボットホルダ及び前記駆動源が所定の状態で前記車体に固定されるモジュール型のワイパ装置に適用され、前記各ピボットホルダを互いに連結すると共に長手方向中間位置に前記駆動源が固定されたワイパ装置用フレームにおいて、
前記駆動源に作用する所定値以上の荷重で所定方向へ座屈変形する座屈部を設けた、
ことを特徴とするワイパ装置用フレーム。 - 前記座屈部は、前記フレーム長手方向と交差する方向に前記座屈変形する、
ことを特徴とする請求項7記載のワイパ装置用フレーム。 - 前記座屈部は、前記フレーム長手方向中央部位に設けられている、
ことを特徴とする請求項7または請求項8記載のワイパ装置用フレーム。 - 中空のパイプ材から成り、かつ、前記座屈部は前記パイプ材の中空部を狭窄するように潰れた潰し部とされる、
ことを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載のワイパ装置用フレーム。 - 前記駆動源が直接固定される取付平座面を有し、前記座屈部は前記取付平座面に設けられている、
ことを特徴とする請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載のワイパ装置用フレーム。
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JP (1) | JP2004306845A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017043324A1 (ja) * | 2015-09-08 | 2017-03-16 | アスモ 株式会社 | ワイパ装置 |
CN108909676A (zh) * | 2017-04-10 | 2018-11-30 | 福特全球技术公司 | 用于机动车辆的雨刷器子组件 |
-
2003
- 2003-04-09 JP JP2003105138A patent/JP2004306845A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017043324A1 (ja) * | 2015-09-08 | 2017-03-16 | アスモ 株式会社 | ワイパ装置 |
CN108909676A (zh) * | 2017-04-10 | 2018-11-30 | 福特全球技术公司 | 用于机动车辆的雨刷器子组件 |
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