JP2004305589A - 超音波処置装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造でジョーからの把持荷重が操作力伝達部材に加わらないため操作性の良い超音波処置装置を実現する。
【解決手段】超音波処置装置を構成する超音波処置具2は、振動伝達部材9の超音波振動の第1の節の位置近傍となる保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部に支持部材71を固定して設けている。このことにより、超音波処置具2は、生体組織を把持した際に、超音波振動の第1の節の位置近傍で、処置部41f(超音波プローブ)で受けた把持荷重に対して振動伝達部材9が支持部材71により支持されるので、管状の操作ロッド50に振動伝達部材9が接触しない。従って、超音波処置具2は、この処置部41fで受けた把持荷重によって振動伝達部材9と管状の操作ロッド50との間及びこの管状の操作ロッド50と挿入部外套管4との間のいずれにおいても摩擦が発生することがない。
【選択図】 図5
【解決手段】超音波処置装置を構成する超音波処置具2は、振動伝達部材9の超音波振動の第1の節の位置近傍となる保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部に支持部材71を固定して設けている。このことにより、超音波処置具2は、生体組織を把持した際に、超音波振動の第1の節の位置近傍で、処置部41f(超音波プローブ)で受けた把持荷重に対して振動伝達部材9が支持部材71により支持されるので、管状の操作ロッド50に振動伝達部材9が接触しない。従って、超音波処置具2は、この処置部41fで受けた把持荷重によって振動伝達部材9と管状の操作ロッド50との間及びこの管状の操作ロッド50と挿入部外套管4との間のいずれにおいても摩擦が発生することがない。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体組織を把持して生体組織の切開、切除、或いは凝固等の超音波処置を施す超音波処置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、超音波処置装置は、生体組織に対して切開、切除、或いは凝固等の超音波処置を施すものである。
このような超音波処置装置は、挿入部外套管の基端部に手元側の操作部が連結され、この操作部に超音波振動を発生する超音波振動子が配設されると共に、挿入部外套管の先端部に生体組織を処置するための超音波プローブが配設されている。
【0003】
また、超音波処置装置は、挿入部外套管の内部に超音波振動子からの超音波振動を超音波プローブに伝達する振動伝達部材が挿通されている。この振動伝達部材の基端部は、超音波振動子に接続されている。更に、超音波処置装置は、超音波プローブに対峙して回動自在に支持されるジョーが配設されている。
また、超音波処置装置は、超音波プローブに対してジョーを開閉操作する可動ハンドルが操作部に配設されている。更に、挿入部外套管の内部は、ジョーに可動ハンドルからの操作力を伝達するための操作力伝達部材が軸方向に進退可能に挿入されている。
【0004】
そして、超音波処置装置は、可動ハンドルの操作に伴い、操作力伝達部材が軸方向に進退され、この操作力伝達部材の進退動作に連動してジョーを超音波プローブに対して閉動作するのに伴い超音波プローブとジョーとの間で生体組織を把持するようになっている。
続いて、この状態で、超音波処置装置は、超音波振動子からの超音波振動を振動伝達部材を介して超音波プローブに伝達することにより、把持された生体組織に対して切開、切除、或いは凝固等の超音波処置を施すようになっている。
【0005】
このような従来の超音波処置装置は、例えば、米国特許US6,214,023号公報に記載されているように、管状の操作力伝達部材に振動伝達部材を進退可能に挿入部外套管に挿通配設したものが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
米国特許US6,214,023号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記米国特許US6,214,023号公報に記載の超音波処置装置は、ハンドルを握ってジョーを閉じると、ジョーから超音波プローブへ横方向からの把持荷重を受けることで、管状の操作力伝達部材に振動伝達部材が強く接触してこれらの間に摩擦が発生してしまう。
すると、管状の操作力伝達部材は、振動伝達部材及び挿入部外套管との摩擦が大きくなってその部分で力が吸収されてジョーに操作力を伝達するのが困難となる。
従って、超音波処置装置は、ジョーからの把持荷重が管状の操作力伝達部材に加わらないようにする必要がある。
【0008】
このため、従来の超音波処置装置は、管状の操作力伝達部材の、これに挿通配設される振動伝達部材の超音波振動の節の位置に相当する位置に、低摩擦材料で形成された支持部材を設けることが考えられる。しかしながら、上記方法は、第2番目以降の節の位置が先端側から離れているため、管状の操作力伝達部材の薄い部分に支持部材を取り付けなければならず、この固定が困難である。
【0009】
一方、これに対して、従来の超音波処置装置は、管状の操作力伝達部材に挿通配設される振動伝達部材の超音波振動の節の位置に樹脂製の支持部材を溶着して設けることが考えられる。しかしながら、上記方法は、溶着した樹脂製の支持部材が脱落し易く、耐久性に劣る。また、溶着できる樹脂製材料の種類に限りがあり、摩擦が大きくなり勝ちである。
【0010】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で耐久性が高く、ジョーからの把持荷重が操作力伝達部材に加わることがなく操作性の良い超音波処置装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の超音波処置装置は、超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、管状に形成して前記振動伝達部材を挿通配設し、前記ジョーと前記操作手段との間を連結して前記ジョーに前記操作手段からの操作力を伝達する操作力伝達部材と、前記操作力伝達部材を覆い、前記ジョーを先端側に設けた挿入部外套管と、を具備し、生体組織を把持した際に前記ジョーから前記超音波プローブが把持荷重を受けることで荷重を受ける前記振動伝達部材に対し、この振動伝達部材を支持するための支持部材を、少なくとも超音波振動の第1の節の位置近傍の前記挿入部外套管に設けたことを特徴としている。
また、本発明の請求項2に記載の超音波処置装置は、超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、管状に形成して前記振動伝達部材を挿通配設し、前記ジョーと前記操作手段との間を連結して前記ジョーに前記操作手段からの操作力を伝達する操作力伝達部材と、前記操作力伝達部材を覆い、前記ジョーを先端側に設けた挿入部外套管と、前記超音波振動子を制御駆動するための駆動回路と、を具備し、生体組織を把持した際に前記ジョーから前記超音波プローブが把持荷重を受けることで荷重を受ける前記振動伝達部材に対し、この振動伝達部材を支持するための支持部材を、少なくとも超音波振動の第1の節の位置近傍の前記挿入部外套管に設けたことを特徴している。
この構成により、簡単な構造でジョーからの把持荷重が操作力伝達部材に加わることがなく操作性の良い超音波処置装置を実現する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図6は、本発明の第1の実施の形態に係り、図1は第1の実施の形態の超音波処置装置を示す全体構成図、図2は図1の装置本体の構成を示す回路ブロック図、図3は図1の超音波処置具の分解状態を示す側面図、図4は図1の超音波処置具全体の組立状態を示す側面図、図5は処置部の内部構成を示す側面断面図、図6は図5の処置部のA−A断面図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態の超音波処置装置1は、装置本体1Aに超音波処置具2及びフットスイッチ3がそれぞれ接続されている。
また、超音波処置具2は、細長いシース状の挿入部外套管4の先端部に処置部5、基端部に手元側の操作部6がそれぞれ配設されている。ここで、操作部6は、超音波振動を発生する図示しない超音波振動子が内蔵され、処置部5を操作する操作ハンドル8とが設けられている。
更に、挿入部外套管4は、この内部に超音波振動子からの超音波振動を処置部5に伝達する振動伝達部材9が配設されている。この振動伝達部材9の先端部は、挿入部外套管4の先端から外部側に露出される。
【0014】
また、装置本体1Aは、この前面に操作盤12が設けられている。この操作盤12は、電源スイッチ13と、操作表示パネル14と、超音波処置具接続部15とが設けられている。ここで、超音波処置具2の操作部6は、ハンドピースコード16の一端が連結されている。そして、このハンドピースコード16の他端部に配設されたハンドピースプラグ17は、装置本体1Aの超音波処置具接続部15に着脱可能に接続されるようになっている。
【0015】
また、装置本体1Aの操作表示パネル14は、超音波処置を行う際の通常運転時の超音波出力の大きさを設定する設定スイッチ18と、この設定スイッチ18で設定される超音波出力の大きさをデジタル表示する表示部19とが設けられている。この設定スイッチ18は、超音波出力の大きさを変更(増減)する出力増加スイッチ18aと、出力低減スイッチ18bとが設けられている。
【0016】
更に、装置本体1Aは、図2に示すように超音波処置具2内の超音波振動子に電気エネルギを供給するための駆動回路20が内蔵されている。
この駆動回路20は、超音波周波数の交流信号を発生する発振回路21と、超音波出力の大きさを指示する信号を生成するD/Aコンバータ22と、このD/Aコンバータ22からの信号に基づいて発振回路21の交流信号の大きさを制御するVCA回路23と、VCA回路23の出力を増幅して超音波処置具2内の超音波振動子を駆動する電力を生成するパワーアンプ24と、駆動回路20の出力ラインを入切するリレー25と、超音波処置装置1の動作を制御する制御回路26と、フットスイッチ3からの操作信号を制御回路26及びリレー25に伝達するインターフェース(I/F)回路27とが設けられている。
【0017】
また、制御回路26は、フットスイッチ3の操作による超音波処置の開始時に超音波処置具2内の超音波振動子からの超音波出力を設定スイッチ18による設定出力値よりも大きくし、超音波処置開始後、予め設定された所定の設定時間が経過した時点で、超音波振動子からの超音波出力が設定出力値になるように制御する運転状態切換え手段が内蔵されている。尚、駆動回路20のリレー25は、超音波処置具接続部15とパワーアンプ24との間に介設されている。
【0018】
超音波処置具2は、図3及び図4に示すように、3つのユニットに分解可能である。即ち、ハンドルユニット31と、プローブユニット32と、振動子ユニット33とから構成されている。これらの3つのユニット31〜33は、図4で示す状態に組み立てられる。
【0019】
振動子ユニット33は、ハンドルユニット31に着脱可能に連結されるハンドピース34が設けられている。このハンドピース34は、円筒状カバー34a内に超音波振動を発生するための超音波振動子(不図示)が内蔵されている。
この超音波振動子は、先端側に振幅拡大を行なうホーン(不図示)が連結され、このホーンの先端側にプローブユニット32の基端が取り付けられる。
【0020】
また、円筒状カバー34aは、この先端部にハンドルユニット31の後述する操作部本体6aの振動子接続部6bに着脱可能に連結されるユニット連結部34bが設けられている。このユニット連結部34bの外周面は、リングの一部を切り離したC字型の形状をしている係合リング39(所謂Cリング)が装着されている。尚、係合リング39は、この断面形状が外周を円弧とする略半月状の断面形状に形成されている。
また、円筒状カバー34aの後端部は、端部にハンドピースプラグ17を設けたハンドピースコード16が接続されている。
【0021】
また、プローブユニット32は、振動子ユニット33における図示しないホーンの先端側に着脱可能に連結される細長い略棒状の振動伝達部材9が設けられている。
【0022】
この振動伝達部材9の基端部は、ホーンのプローブ取付部に連結される取付けねじ41aが形成されている。そして、この取付けねじ41aは、振動子ユニット33におけるプローブ取付部のねじ穴部にねじ込み固定されている。これにより、プローブユニット32と、振動子ユニット33とは、一体的に組み付けられている。
更に、振動伝達部材9は、基端から伝達される超音波振動の定在波の節の位置(複数個所)に突設してフランジ状突設部41bを形成されている。
【0023】
また、本実施の形態の振動伝達部材9は、基端部から2つ目の節の前方に第2段階の振幅拡大を行なう基端側ホーン41cが配設されている。更に、この基端側ホーン41cの先端側は、超音波振動の伝達を行う中間部41d、最終的な振幅拡大を行う先端側ホーン41e、処置部41f(超音波プローブ)が順次配設されている。ここで、振動伝達部材9の最先端部に配置された処置部41fは、例えば、略円柱形状に形成されている。
【0024】
また、ハンドルユニット31は、細長い挿入シース部31aと、この挿入シース部31aの先端部に配設された先端作用部31bと、挿入シース部31aの基端部に配設された操作部6とから構成される。ここで、ハンドルユニット31の操作部6は、略円筒状の操作部本体6aが設けられている。そして、この操作部本体6aの基端部は、振動子接続部6bが形成されている。
【0025】
また、操作部本体6aは、この外周面に固定ハンドル42と、操作手段を構成する回動可能な可動ハンドル43とが設けられ、固定ハンドル42及び可動ハンドル43によって操作ハンドル8(図1参照)が構成される。
また、操作部本体6aは、図示しない高周波電源装置が接続される高周波接続用の電極ピン44が設けられている。
【0026】
また、固定ハンドル42の上側部分は、円筒状の操作部本体6aと一体に形成されている。更に、固定ハンドル42の操作端部は、親指以外の指を選択的に複数差し込める指掛け孔42aが設けられ、可動ハンドル43の操作端部は、同じ手の親指を掛ける指掛け孔43aが設けられている。
【0027】
また、可動ハンドル43の上端部には、二股状の連結部43bが形成されている。これらの二股状の連結部43bは、操作部本体6aの両側に配置されている。更に、各連結部43bの上端部には、ハンドル枢支軸45が内方向に向けて突設されている。これらのハンドル枢支軸45は、挿入部外套管4の軸線より上側で操作部本体6aに連結されている。可動ハンドル43は、ハンドル枢支軸45によって回動可能に枢支されている。尚、ハンドル枢支軸45は、高周波絶縁用の絶縁キャップが取り付けられている。
【0028】
更に、可動ハンドル43の各連結部43bは、ハンドル枢支軸45の下側に作動軸47が設けられている。この作動軸47は、挿入部外套管4内を挿通する操作ロッド50(図5参照:操作力伝達部材)に操作力を伝達するためのものである。尚、本実施の形態では、操作ロッド50は、後述するように管状に形成されている。
【0029】
そして、操作ロッド50は、軸方向に進退する動作によって、処置部41fに対して後述のジョー51に開閉動作を行わせる。即ち、可動ハンドル43と作動軸47とは、操作手段を構成している。尚、作動軸47は、挿入部外套管4の略軸線上に配置されている。
本実施の形態では、超音波処置具2は、ハンドルを握って可動ハンドル43を閉操作すると、作動軸47が前側に移動することで、操作ロッド50を前側に押し出し、処置部41fに対してジョー51が閉じるように構成されている。
【0030】
また、挿入シース部31aには、前述したように、挿入部外套管4が設けられ、この挿入部外套管4の基端部は、回転ノブ48とともに、操作部本体6aの先端部にこの操作部本体6aの中心線の回りに回転可能に取付けられている。ここで、挿入部外套管4は、図示しない金属管の外周に絶縁チューブ49が装着されて形成されている。この絶縁チューブ49は、挿入部外套管4の外周面全体を基端部までの大部分被覆する状態に設けられる。
【0031】
また、ハンドルユニット31は、先端作用部31bに生体組織を把持するための片開き型のジョー51が回動自在に取り付けられている。このジョー51には、後述するように操作ロッド50を連結する。
ジョー51には、先端側に把持部材54が配置されている。具体的には、ジョー51は、把持部材54を挟み込むようにして一体的に連結して取り付けている。
【0032】
この把持部材54は、生体組織に当接する当接面の両側縁に略鋸歯状の歯55が形成されている。尚、把持部材54は、例えばPTFE(テフロン:デュポン社商標名)等の低摩擦材料で形成されている。また、把持部材54は揺動可能に取り付けても良い。その場合、単体では剛性に乏しいので、図示しない金属製の強度部材を取り付けて剛性を確保しても良い。
【0033】
挿入部外套管4は、その先端部にジョー51を保持するジョー保持部52が設けられている。このジョー保持部52は、略管状の保持部本体52aの先端部が絶縁カバー53で被覆され、高周波電流に対する絶縁が行われている。更に、ジョー51には、上述した生体組織(臓器)を把持する把持部材54が取り付けられている。
【0034】
次に、図5及び図6を用いて処置部5の詳細構成を説明する。
図5は処置部5の内部構成を示す側面断面図であり、図6は図5の処置部5のA−A断面図である。尚、図5及び図6では、絶縁カバー53が取り外されている状態を示している。
【0035】
図5及び図6に示すように、操作ロッド50は管状に形成されており、挿入部外套管4内に進退自在に挿通されている。また、操作ロッド50には、プローブユニット32の振動伝達部材9が挿通されている。尚、操作ロッド50は、挿入部外套管4内面に対して隙間を形成して配置されている。
【0036】
ジョー51は、挿入部外套管4の保持部本体52aの先端に枢支軸60を介して回動可能に取り付けられている。この枢支軸60はジョー51の両側面から突出して形成され、保持部本体52aの枢支孔60aに挿嵌されている。尚、枢支軸60は、ジョー51に枢支孔を形成して保持部本体52aの枢支孔60aから図示しない枢支ピンを挿嵌して構成しても良い。
【0037】
また、ジョー51は、操作ロッド50の先端連結部50aに係合軸61により、枢支軸60の上側で回動可能に連結される。尚、本実施の形態では、係合軸61は、ジョー51の係合孔61a及び保持部本体52aの係合孔61bに係合ピン61cを挿嵌して構成されている。
従って、操作ロッド50が進退すると、この操作ロッド50に係合軸61で連結されたジョー51は、枢支軸60を中心に回動(開閉)する。
【0038】
ジョー51の閉動作時は、プローブユニット32の処置部41fに対してジョー51の把持部材54を押し付けることにより、処置部41fと把持部材54との間で生体組織を把持する。このとき、把持部材54は、把持した生体組織に全面に亘って当接する。そして、把持された生体組織は、高速で振動する処置部41fとの摩擦熱によって凝固或いは切開等の超音波処置を施される。尚、ジョー51は、生体組織の剥離にも使用される。
【0039】
ここで、処置部5で生体組織を把持した際に、ジョー51から処置部41f(超音波プローブ)へ上からの把持荷重が加わる。
この結果、振動伝達部材9は、超音波振動の第1の節の位置の支持部材から上方向の反力を受け、第2の節の位置の支持部材から下方向の反力を受ける。
【0040】
そこで、本実施の形態では、最も大きい反力が発生する超音波振動の第1の節の位置近傍に振動伝達部材9を支持するための支持部材を挿入部外套管4に設けている。
即ち、超音波処置具2は、振動伝達部材9の超音波振動の第1の節の位置近傍となる保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部に、PTFE等の低摩擦材料で形成した支持部材71を接着固定して設けている。尚、この支持部材71は、保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部から側部までU字型に延出して形成されており、振動伝達部材9の超音波振動の第1の節の位置近傍を支持するとともに、ジョー51の枢支軸60の軸受けの機能も併せ持っている。
【0041】
このことにより、超音波処置具2の先端処置部で生体組織を把持した際に、振動伝達部材9は超音波振動の第1の節位置近傍で支持部材71により支持され、処置部41f(超音波プローブ)に加わった把持荷重に対する反力を、支持部材71を介して挿入部外套管4から受けるので、管状の操作ロッド50には何らの荷重もかからない。
また、超音波処置具2は、保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部に支持部材71をジョー51の枢支軸60に係合させて設けているので、構造が簡単である。
【0042】
このように構成される超音波処置装置1は、生体組織に対して切開、切除、或いは凝固等の超音波処置を効果的に行うことができる。
術者は、ハンドルユニット31の固定ハンドル42を握り、可動ハンドル43を操作する。すると、この可動ハンドル43のハンドル操作により、挿入シース部31a内で操作ロッド50が進退し、先端作用部31bのジョー51を開閉する。
【0043】
ここで、術者は、ハンドルを握って可動ハンドル43を閉操作する。この場合、作動軸47は、先端方向に移動する。そして、この作動軸47の動きは、操作ロッド50に伝達されて先端作用部31bのジョー51を閉じる方向に作用する。
この結果、ジョー51は、プローブユニット32の処置部41fに対して把持部材54を押し付けることで、処置部41fとの間で生体組織を把持する。
【0044】
ここで、超音波処置具2は、上述したように生体組織を把持した際に、ジョー51から処置部41f(超音波プローブ)へ上からの把持荷重を受けるが、超音波振動の第1の節の位置近傍で、処置部41f(超音波プローブ)で受けた把持荷重に対して挿入部外套管4に取り付けられた支持部材71が反力を発生する。
【0045】
このため、超音波処置具2は、管状の操作ロッド50に振動伝達部材9が接触しないので、この処置部41f(超音波プローブ)で受けた把持荷重が管状の操作ロッド50に加わることがない。
そして、術者は、フットスイッチを踏み込み、把持した生体組織に対して超音波処置を行う。そして、把持された生体組織は、高速で振動する処置部41fとの摩擦熱によって超音波処置を施される。
【0046】
このとき、超音波処置具2は、支持部材71がPTFE等の低摩擦材料で形成されているので、振動伝達部材9の超音波振動を妨げることなく、良好に処置部41f(超音波プローブ)に超音波振動を伝達できる。
この結果、本実施の形態の超音波処置装置1は、簡単な構造でジョー51からの把持荷重が管状の操作ロッド50に加わることのない超音波処置具2を構成できる。
【0047】
(第2の実施の形態)
図7ないし図10は、本発明の第2の実施の形態に係り、図7は第2の実施の形態の超音波処置装置を構成する超音波処置具の要部説明図、図8は図7の第2の支持部材の第1の変形例を示す要部拡大図、図9は第2の支持部材の第2の変形例を示す要部拡大図、図10は更なる変形例を示す説明図であり、図10(a)は第2の支持部材の第3の変形例を示す説明図、図10(b)は第2の支持部材の第4の変形例を示す説明図、図10(c)は第2の支持部材の第5の変形例を示す説明図である。
【0048】
本第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態の構成に加え、超音波振動の第2の節の位置に第2の支持部材を設けて構成する。それ以外の構成は、上記第1の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同じ構成は、同じ符号を付して説明する。
【0049】
図7に示すように本第2の実施の形態の超音波処置装置は、上記第1の実施の形態の構成に加え、超音波振動の第2の節の位置に第2の支持部材を設けて超音波処置具を構成する。
更に、具体的に説明すると、超音波処置具は、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部に支持部材71を設けたことに加え、超音波振動の第2の節の位置に第2の支持部材72を挿入部外套管4の外装シース4aに設けて構成される。
【0050】
この第2の支持部材72は、支持部材71と同様にPTFE等の低摩擦材料で形成されており、管状の操作ロッド50に形成した貫通部73を貫通して突設するように挿入部外套管4の外装シース4aの内周面上部に接着固定して設けられている。これは、上記第1の実施の形態で説明したように、生体組織を把持した際に、振動伝達部材9が超音波振動の第2の節の位置で上向きに荷重を発生させるので、この荷重に対抗させるためである。
【0051】
このことにより、生体組織を把持した際に、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に超音波振動の第1の節の位置近傍で振動伝達部材9を支持部材71で支持することに加え、第1の支持部材71を支点としてシーソーの作用(てこの原理)で発生した荷重に対抗させるために、超音波振動の第2の節の位置で振動伝達部材9を第2の支持部材72で支持することが可能となる。
【0052】
また、本実施の形態では、超音波処置具は、第3番目以降の節の位置(複数個所)にフランジ状突設部41bを形成しており、これらフランジ状突設部41bに対し、管状の操作ロッド50の内面に例えばPTFE等の低摩擦材料等で形成される被覆部材74で被覆して当接させている。
【0053】
生体組織を把持した際に、振動伝達部材9の支持は、支持部材71と第2の支持部材72とで主として行っているので、第3番目以降の節の位置(複数個所)において発生する荷重は小さい。このため、超音波処置具は、被覆部材74を設けることで、振動伝達部材9を支持しながら摺動する部分の摩擦抵抗を小さくできる。
【0054】
本実施の形態では、被覆部材74は、第2の支持部材72が貫通するために、貫通部75が形成されている。
尚、製造方法は、例えば、以下に記載する通りである。
先ず、管状の操作ロッド50は、超音波振動の第2の節の位置となる部分に貫通部73を形成される。同様に、被覆部材74も、超音波振動の第2の節の位置となる部分に貫通部75を形成される。
【0055】
そして、被覆部材74は、一端を引っ張って操作ロッド50へ挿入され、位置合わせして操作ロッド50に内設するように挿通配設される。
次に、管状の操作ロッド50は、挿入部外套管4の外装シース4aに挿入され、位置合わせして挿通配設される。
【0056】
そして、接着剤を塗布した第2の支持部材72は、図示しない治具により操作ロッド50の開口側から挿入されて貫通部73から超音波振動の第2の節の位置となる挿入部外套管4の外装シース4aの所定の位置へ導かれ、この位置で接着固定される。
これにより、超音波処置具は、振動伝達部材9の超音波振動の第2の節の位置となる挿入部外套管4の外装シース4aの所定位置に第2の支持部材72を設けることができる。
【0057】
従って、超音波処置具は、処置部41fにかかる荷重によって発生する荷重を支持する超音波振動の第2の節の位置で振動伝達部材9を挿入部外套管4に取り付けられた第2の支持部材72で支持することが可能となる。
この結果、本第2の実施の形態の超音波処置装置は、前記第1の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、更にジョー51からの把持荷重に由来する荷重により管状の操作ロッド50に発生する摩擦を低減することが可能となる。
【0058】
尚、超音波処置具は、図8に示すように超音波振動の第2の節の位置にフランジ状膨大部41bを形成し、この第2の節の位置のフランジ状膨大部41bに第2の支持部材72が当接するように構成しても良い。
【0059】
また、超音波処置具は、図9に示すように第2の支持部材72が管状の操作ロッド50の被覆部材74を貫通せず、この被覆部材74を介して第2の節の位置のフランジ状膨大部41bに当接するように構成しても良い。
尚、この第2の支持部材72は、接着剤を用いることなく、挿入部外套管4の外装シース4aの内側から固定部72bを嵌合して固定する。
【0060】
更に、第2の支持部材は、例えば、図10に示すように多数の変形例がある。
図10(a)に示すように、第3の変形例である第2の支持部材81は、挿入部外套管4の外装シース4aの外周面に形成した凹部4bの外側から固定部81aを嵌合して固定する。
【0061】
一方、図10(b)及び10(c)に示すように挿入部外套管4の外装シース4aは、この外周面に凹部を形成することなく、第4及び第5の変形例である第2の支持部材83,84を取り付けている。
図10(b)に示すように第4の変形例である第2の支持部材83は、挿入部外套管4の外装シース4aの外周面から固定部83aを嵌合して固定するようになっている。更に、図10(c)に示すように第5の変形例である第2の支持部材84は、挿入部外套管4の外装シース4aの外周面から小径の固定部84aを嵌合して接着固定する。
尚、上記以外の構成で第2の支持部材を取り付けるように構成しても構わない。
【0062】
ところで、従来の超音波処置装置は、処置部の先端側において、ジョーの支点が超音波振動の第1の節よりかなり先端よりに位置している超音波処置具を有している。
このような従来の超音波処置具は、ジョーを閉操作して超音波プローブとの間で生体組織を把持した際、超音波プローブの撓みの始点とジョーの支点とが離れている。この場合、超音波処置具は、ジョーの回転角度に対して超音波プローブの撓みが追従しないので、把持した生体組織に対するジョーと超音波プローブとの当接面が平行にならない。
【0063】
このため、従来の超音波処置具は、超音波プローブに対するジョーの追従構造として把持部材を揺動自在に構成したものがある。しかしながら、上記把持部材を揺動自在に構成した超音波処置具は、その分、構造が複雑になり、コストがかかる。
そこで、超音波プローブが撓んだ際、ジョーの回転角度を超音波プローブの傾斜に接近させて追従機構を不要とするような超音波処置装置の提供が望まれていた。
【0064】
図11ないし図14を参照して超音波処置装置の構成例を説明する。
図11ないし図14は超音波処置装置の構成例に係わり、図11は超音波処置装置を構成する超音波処置具の処置部を示す側面断面図、図12は図11の処置部のB−B断面図、図13は棒状の操作ロッドを用いる構造の超音波処置具の処置部を示す側面断面図、図14は別体として保持部本体を設けた挿入部外套管の先端側を示す概略断面図である。
【0065】
図11に示すように超音波処置装置は、ジョー51の基端側を延長して振動伝達部材9における超音波振動の第1の節の位置近傍にジョー51の枢支軸60を位置させた超音波処置具2Bを設けて構成される。尚、2点鎖線(想像線)は、従来の超音波処置具を表している。
また、超音波処置具2Bは、前記第1の実施の形態で説明したのとほぼ同様な支持部材71Bを保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部に設けている。
【0066】
この支持部材71Bは、図12に示すように振動伝達部材9における超音波振動の第1の節の位置近傍のみ支持するように保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部にのみ形成されている。これは、簡略化のためである。
これにより、超音波処置具2Bは、処置部41f(超音波プローブ)が撓んだ際、ジョー51の回転角度を処置部41f(超音波プローブ)の傾斜に接近させて平行な位置関係を維持することができる。
【0067】
尚、超音波処置具は、棒状の操作ロッドを用いる構造において、図13に示すように振動伝達部材9における超音波振動の第1の節の位置近傍にジョー51の枢支軸60を位置させるように構成しても良い。
図13に示すように超音波処置具2Cは、保持部本体52aに設けた主チャンネル管90aに振動伝達部材9が挿通配設され、挿入部外套管4の保持部本体52aにおいて主チャンネル管90aと挿入部外套管4との間に形成された副チャンネル90bに棒状の操作ロッド50Bが挿通配設されて構成されている。
【0068】
そして、超音波処置具2Cは、保持部本体52a(挿入部外套管4)を延長することで、振動伝達部材9の下側を保護している。
【0069】
尚、図13では、超音波処置具2Cは、保持部本体52aを挿入部外套管4の先端側として一体的に形成しているが、図14に示すように挿入部外套管4の先端側に別体として保持部本体91を設けて構成しても良い。
【0070】
これにより、超音波処置具2Cは、棒状の操作ロッド50Bを用いる構造においても、振動伝達部材9における超音波振動の第1の節の位置近傍にジョー51の枢支軸60を位置させることで、処置部41f(超音波プローブ)が撓んだ際、ジョー51の回転角度を処置部41f(超音波プローブ)の傾斜に接近させて平行な位置関係を維持することができる。
【0071】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0072】
[付記]
(付記項1) 超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、
前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、
管状に形成して前記振動伝達部材を挿通配設し、前記ジョーと前記操作手段との間を連結して前記ジョーに前記操作手段からの操作力を伝達する操作力伝達部材と、
前記操作力伝達部材を覆い、前記ジョーを先端側に設けた挿入部外套管と、
を具備し、
生体組織を把持した際に前記ジョーから前記超音波プローブが把持荷重を受けることで荷重を受ける前記振動伝達部材に対し、この振動伝達部材を支持するための支持部材を、少なくとも超音波振動の第1の節の位置近傍の前記挿入部外套管に設けたことを特徴とする超音波処置装置。
【0073】
(付記項2) 超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、
前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、
管状に形成して前記振動伝達部材を挿通配設し、前記ジョーと前記操作手段との間を連結して前記ジョーに前記操作手段からの操作力を伝達する操作力伝達部材と、
前記操作力伝達部材を覆い、前記ジョーを先端側に設けた挿入部外套管と、
前記超音波振動子を制御駆動するための駆動回路と、
を具備し、
生体組織を把持した際に前記ジョーから前記超音波プローブが把持荷重を受けることで荷重を受ける前記振動伝達部材に対し、この振動伝達部材を支持するための支持部材を、少なくとも超音波振動の第1の節の位置近傍の前記挿入部外套管に設けたことを特徴とする超音波処置装置。
【0074】
(付記項3) 前記振動伝達部材における超音波振動の第1の節の位置近傍に前記ジョーの枢支軸を位置させて構成したことを特徴とする付記項1又は2に記載の超音波処置装置。
【0075】
(付記項4) 超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、
前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、
前記ジョーと前記操作手段との間を連結して前記ジョーに前記操作手段からの操作力を伝達する操作力伝達部材と、
前記操作力伝達部材を覆い、前記ジョーを先端側に設けた挿入部外套管と、
を具備し、
前記振動伝達部材における超音波振動の第1の節の位置近傍に前記ジョーの枢支軸を位置させて構成したことを特徴とする超音波処置装置。
【0076】
(付記項5) 前記操作力伝達部材は、管状に形成して前記振動伝達部材を挿通配設し、
前記ジョーは、基端側を延長することで、前記振動伝達部材における超音波振動の第1の節の位置近傍に枢支軸を位置させることを特徴とする付記項4に記載の超音波処置装置。
【0077】
(付記項6) 前記操作力伝達部材は、棒状に形成され、
前記挿入部外套管は、枢支軸より先端側を延長し、前記振動伝達部材における超音波振動の第1の節の位置近傍に枢支軸を位置させることを特徴とする付記項4に記載の超音波処置装置。
【0078】
(付記項7) 前記振動伝達部材が内部に配置され、その先端側開口部に第1の支持部材を取り付けたプローブチャンネル管を有し、
前記プローブチャンネル管の先端側開口部の下側を舌状に延長して、
前記ジョーの前記枢支軸の下側近傍に位置させたことを特徴とする付記項6に記載の超音波処置装置。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡単な構造で耐久性が良く、超音波プローブの撓みを低減してジョーからの把持荷重が操作力伝達部材に加わることのない超音波処置装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の超音波処置装置を示す全体構成図
【図2】図1の装置本体の構成を示す回路ブロック図
【図3】図1の超音波処置具の分解状態を示す側面図
【図4】図1の超音波処置具全体の組立状態を示す側面図
【図5】処置部の内部構成を示す側面断面図
【図6】図5の処置部のA−A断面図
【図7】第2の実施の形態の超音波処置装置を構成する超音波処置具の要部説明図
【図8】図7の変形例を示す要部拡大図
【図9】他の変形例を示す要部拡大図
【図10】更なる変形例を示す説明図
【図11】超音波処置装置を構成する超音波処置具の処置部を示す側面断面図
【図12】図11の処置部のB−B断面図
【図13】棒状の操作ロッドを用いる構造の超音波処置具の処置部を示す側面断面図
【図14】別体として保持部本体を設けた挿入部外套管の先端側を示す概略断面図
【符号の説明】
1…超音波処置装置
1A…装置本体
2…超音波処置具
4…挿入部外套管
5…処置部
6…操作部
9…振動伝達部材
31…ハンドルユニット
32…プローブユニット
33…振動子ユニット
41f…処置部(超音波プローブ)
50…操作ロッド
50a…先端連結部
51…ジョー
52…ジョー保持部
52a…保持部本体
60…枢支軸
61…係合軸
71…支持部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体組織を把持して生体組織の切開、切除、或いは凝固等の超音波処置を施す超音波処置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、超音波処置装置は、生体組織に対して切開、切除、或いは凝固等の超音波処置を施すものである。
このような超音波処置装置は、挿入部外套管の基端部に手元側の操作部が連結され、この操作部に超音波振動を発生する超音波振動子が配設されると共に、挿入部外套管の先端部に生体組織を処置するための超音波プローブが配設されている。
【0003】
また、超音波処置装置は、挿入部外套管の内部に超音波振動子からの超音波振動を超音波プローブに伝達する振動伝達部材が挿通されている。この振動伝達部材の基端部は、超音波振動子に接続されている。更に、超音波処置装置は、超音波プローブに対峙して回動自在に支持されるジョーが配設されている。
また、超音波処置装置は、超音波プローブに対してジョーを開閉操作する可動ハンドルが操作部に配設されている。更に、挿入部外套管の内部は、ジョーに可動ハンドルからの操作力を伝達するための操作力伝達部材が軸方向に進退可能に挿入されている。
【0004】
そして、超音波処置装置は、可動ハンドルの操作に伴い、操作力伝達部材が軸方向に進退され、この操作力伝達部材の進退動作に連動してジョーを超音波プローブに対して閉動作するのに伴い超音波プローブとジョーとの間で生体組織を把持するようになっている。
続いて、この状態で、超音波処置装置は、超音波振動子からの超音波振動を振動伝達部材を介して超音波プローブに伝達することにより、把持された生体組織に対して切開、切除、或いは凝固等の超音波処置を施すようになっている。
【0005】
このような従来の超音波処置装置は、例えば、米国特許US6,214,023号公報に記載されているように、管状の操作力伝達部材に振動伝達部材を進退可能に挿入部外套管に挿通配設したものが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
米国特許US6,214,023号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記米国特許US6,214,023号公報に記載の超音波処置装置は、ハンドルを握ってジョーを閉じると、ジョーから超音波プローブへ横方向からの把持荷重を受けることで、管状の操作力伝達部材に振動伝達部材が強く接触してこれらの間に摩擦が発生してしまう。
すると、管状の操作力伝達部材は、振動伝達部材及び挿入部外套管との摩擦が大きくなってその部分で力が吸収されてジョーに操作力を伝達するのが困難となる。
従って、超音波処置装置は、ジョーからの把持荷重が管状の操作力伝達部材に加わらないようにする必要がある。
【0008】
このため、従来の超音波処置装置は、管状の操作力伝達部材の、これに挿通配設される振動伝達部材の超音波振動の節の位置に相当する位置に、低摩擦材料で形成された支持部材を設けることが考えられる。しかしながら、上記方法は、第2番目以降の節の位置が先端側から離れているため、管状の操作力伝達部材の薄い部分に支持部材を取り付けなければならず、この固定が困難である。
【0009】
一方、これに対して、従来の超音波処置装置は、管状の操作力伝達部材に挿通配設される振動伝達部材の超音波振動の節の位置に樹脂製の支持部材を溶着して設けることが考えられる。しかしながら、上記方法は、溶着した樹脂製の支持部材が脱落し易く、耐久性に劣る。また、溶着できる樹脂製材料の種類に限りがあり、摩擦が大きくなり勝ちである。
【0010】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で耐久性が高く、ジョーからの把持荷重が操作力伝達部材に加わることがなく操作性の良い超音波処置装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の超音波処置装置は、超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、管状に形成して前記振動伝達部材を挿通配設し、前記ジョーと前記操作手段との間を連結して前記ジョーに前記操作手段からの操作力を伝達する操作力伝達部材と、前記操作力伝達部材を覆い、前記ジョーを先端側に設けた挿入部外套管と、を具備し、生体組織を把持した際に前記ジョーから前記超音波プローブが把持荷重を受けることで荷重を受ける前記振動伝達部材に対し、この振動伝達部材を支持するための支持部材を、少なくとも超音波振動の第1の節の位置近傍の前記挿入部外套管に設けたことを特徴としている。
また、本発明の請求項2に記載の超音波処置装置は、超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、管状に形成して前記振動伝達部材を挿通配設し、前記ジョーと前記操作手段との間を連結して前記ジョーに前記操作手段からの操作力を伝達する操作力伝達部材と、前記操作力伝達部材を覆い、前記ジョーを先端側に設けた挿入部外套管と、前記超音波振動子を制御駆動するための駆動回路と、を具備し、生体組織を把持した際に前記ジョーから前記超音波プローブが把持荷重を受けることで荷重を受ける前記振動伝達部材に対し、この振動伝達部材を支持するための支持部材を、少なくとも超音波振動の第1の節の位置近傍の前記挿入部外套管に設けたことを特徴している。
この構成により、簡単な構造でジョーからの把持荷重が操作力伝達部材に加わることがなく操作性の良い超音波処置装置を実現する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図6は、本発明の第1の実施の形態に係り、図1は第1の実施の形態の超音波処置装置を示す全体構成図、図2は図1の装置本体の構成を示す回路ブロック図、図3は図1の超音波処置具の分解状態を示す側面図、図4は図1の超音波処置具全体の組立状態を示す側面図、図5は処置部の内部構成を示す側面断面図、図6は図5の処置部のA−A断面図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態の超音波処置装置1は、装置本体1Aに超音波処置具2及びフットスイッチ3がそれぞれ接続されている。
また、超音波処置具2は、細長いシース状の挿入部外套管4の先端部に処置部5、基端部に手元側の操作部6がそれぞれ配設されている。ここで、操作部6は、超音波振動を発生する図示しない超音波振動子が内蔵され、処置部5を操作する操作ハンドル8とが設けられている。
更に、挿入部外套管4は、この内部に超音波振動子からの超音波振動を処置部5に伝達する振動伝達部材9が配設されている。この振動伝達部材9の先端部は、挿入部外套管4の先端から外部側に露出される。
【0014】
また、装置本体1Aは、この前面に操作盤12が設けられている。この操作盤12は、電源スイッチ13と、操作表示パネル14と、超音波処置具接続部15とが設けられている。ここで、超音波処置具2の操作部6は、ハンドピースコード16の一端が連結されている。そして、このハンドピースコード16の他端部に配設されたハンドピースプラグ17は、装置本体1Aの超音波処置具接続部15に着脱可能に接続されるようになっている。
【0015】
また、装置本体1Aの操作表示パネル14は、超音波処置を行う際の通常運転時の超音波出力の大きさを設定する設定スイッチ18と、この設定スイッチ18で設定される超音波出力の大きさをデジタル表示する表示部19とが設けられている。この設定スイッチ18は、超音波出力の大きさを変更(増減)する出力増加スイッチ18aと、出力低減スイッチ18bとが設けられている。
【0016】
更に、装置本体1Aは、図2に示すように超音波処置具2内の超音波振動子に電気エネルギを供給するための駆動回路20が内蔵されている。
この駆動回路20は、超音波周波数の交流信号を発生する発振回路21と、超音波出力の大きさを指示する信号を生成するD/Aコンバータ22と、このD/Aコンバータ22からの信号に基づいて発振回路21の交流信号の大きさを制御するVCA回路23と、VCA回路23の出力を増幅して超音波処置具2内の超音波振動子を駆動する電力を生成するパワーアンプ24と、駆動回路20の出力ラインを入切するリレー25と、超音波処置装置1の動作を制御する制御回路26と、フットスイッチ3からの操作信号を制御回路26及びリレー25に伝達するインターフェース(I/F)回路27とが設けられている。
【0017】
また、制御回路26は、フットスイッチ3の操作による超音波処置の開始時に超音波処置具2内の超音波振動子からの超音波出力を設定スイッチ18による設定出力値よりも大きくし、超音波処置開始後、予め設定された所定の設定時間が経過した時点で、超音波振動子からの超音波出力が設定出力値になるように制御する運転状態切換え手段が内蔵されている。尚、駆動回路20のリレー25は、超音波処置具接続部15とパワーアンプ24との間に介設されている。
【0018】
超音波処置具2は、図3及び図4に示すように、3つのユニットに分解可能である。即ち、ハンドルユニット31と、プローブユニット32と、振動子ユニット33とから構成されている。これらの3つのユニット31〜33は、図4で示す状態に組み立てられる。
【0019】
振動子ユニット33は、ハンドルユニット31に着脱可能に連結されるハンドピース34が設けられている。このハンドピース34は、円筒状カバー34a内に超音波振動を発生するための超音波振動子(不図示)が内蔵されている。
この超音波振動子は、先端側に振幅拡大を行なうホーン(不図示)が連結され、このホーンの先端側にプローブユニット32の基端が取り付けられる。
【0020】
また、円筒状カバー34aは、この先端部にハンドルユニット31の後述する操作部本体6aの振動子接続部6bに着脱可能に連結されるユニット連結部34bが設けられている。このユニット連結部34bの外周面は、リングの一部を切り離したC字型の形状をしている係合リング39(所謂Cリング)が装着されている。尚、係合リング39は、この断面形状が外周を円弧とする略半月状の断面形状に形成されている。
また、円筒状カバー34aの後端部は、端部にハンドピースプラグ17を設けたハンドピースコード16が接続されている。
【0021】
また、プローブユニット32は、振動子ユニット33における図示しないホーンの先端側に着脱可能に連結される細長い略棒状の振動伝達部材9が設けられている。
【0022】
この振動伝達部材9の基端部は、ホーンのプローブ取付部に連結される取付けねじ41aが形成されている。そして、この取付けねじ41aは、振動子ユニット33におけるプローブ取付部のねじ穴部にねじ込み固定されている。これにより、プローブユニット32と、振動子ユニット33とは、一体的に組み付けられている。
更に、振動伝達部材9は、基端から伝達される超音波振動の定在波の節の位置(複数個所)に突設してフランジ状突設部41bを形成されている。
【0023】
また、本実施の形態の振動伝達部材9は、基端部から2つ目の節の前方に第2段階の振幅拡大を行なう基端側ホーン41cが配設されている。更に、この基端側ホーン41cの先端側は、超音波振動の伝達を行う中間部41d、最終的な振幅拡大を行う先端側ホーン41e、処置部41f(超音波プローブ)が順次配設されている。ここで、振動伝達部材9の最先端部に配置された処置部41fは、例えば、略円柱形状に形成されている。
【0024】
また、ハンドルユニット31は、細長い挿入シース部31aと、この挿入シース部31aの先端部に配設された先端作用部31bと、挿入シース部31aの基端部に配設された操作部6とから構成される。ここで、ハンドルユニット31の操作部6は、略円筒状の操作部本体6aが設けられている。そして、この操作部本体6aの基端部は、振動子接続部6bが形成されている。
【0025】
また、操作部本体6aは、この外周面に固定ハンドル42と、操作手段を構成する回動可能な可動ハンドル43とが設けられ、固定ハンドル42及び可動ハンドル43によって操作ハンドル8(図1参照)が構成される。
また、操作部本体6aは、図示しない高周波電源装置が接続される高周波接続用の電極ピン44が設けられている。
【0026】
また、固定ハンドル42の上側部分は、円筒状の操作部本体6aと一体に形成されている。更に、固定ハンドル42の操作端部は、親指以外の指を選択的に複数差し込める指掛け孔42aが設けられ、可動ハンドル43の操作端部は、同じ手の親指を掛ける指掛け孔43aが設けられている。
【0027】
また、可動ハンドル43の上端部には、二股状の連結部43bが形成されている。これらの二股状の連結部43bは、操作部本体6aの両側に配置されている。更に、各連結部43bの上端部には、ハンドル枢支軸45が内方向に向けて突設されている。これらのハンドル枢支軸45は、挿入部外套管4の軸線より上側で操作部本体6aに連結されている。可動ハンドル43は、ハンドル枢支軸45によって回動可能に枢支されている。尚、ハンドル枢支軸45は、高周波絶縁用の絶縁キャップが取り付けられている。
【0028】
更に、可動ハンドル43の各連結部43bは、ハンドル枢支軸45の下側に作動軸47が設けられている。この作動軸47は、挿入部外套管4内を挿通する操作ロッド50(図5参照:操作力伝達部材)に操作力を伝達するためのものである。尚、本実施の形態では、操作ロッド50は、後述するように管状に形成されている。
【0029】
そして、操作ロッド50は、軸方向に進退する動作によって、処置部41fに対して後述のジョー51に開閉動作を行わせる。即ち、可動ハンドル43と作動軸47とは、操作手段を構成している。尚、作動軸47は、挿入部外套管4の略軸線上に配置されている。
本実施の形態では、超音波処置具2は、ハンドルを握って可動ハンドル43を閉操作すると、作動軸47が前側に移動することで、操作ロッド50を前側に押し出し、処置部41fに対してジョー51が閉じるように構成されている。
【0030】
また、挿入シース部31aには、前述したように、挿入部外套管4が設けられ、この挿入部外套管4の基端部は、回転ノブ48とともに、操作部本体6aの先端部にこの操作部本体6aの中心線の回りに回転可能に取付けられている。ここで、挿入部外套管4は、図示しない金属管の外周に絶縁チューブ49が装着されて形成されている。この絶縁チューブ49は、挿入部外套管4の外周面全体を基端部までの大部分被覆する状態に設けられる。
【0031】
また、ハンドルユニット31は、先端作用部31bに生体組織を把持するための片開き型のジョー51が回動自在に取り付けられている。このジョー51には、後述するように操作ロッド50を連結する。
ジョー51には、先端側に把持部材54が配置されている。具体的には、ジョー51は、把持部材54を挟み込むようにして一体的に連結して取り付けている。
【0032】
この把持部材54は、生体組織に当接する当接面の両側縁に略鋸歯状の歯55が形成されている。尚、把持部材54は、例えばPTFE(テフロン:デュポン社商標名)等の低摩擦材料で形成されている。また、把持部材54は揺動可能に取り付けても良い。その場合、単体では剛性に乏しいので、図示しない金属製の強度部材を取り付けて剛性を確保しても良い。
【0033】
挿入部外套管4は、その先端部にジョー51を保持するジョー保持部52が設けられている。このジョー保持部52は、略管状の保持部本体52aの先端部が絶縁カバー53で被覆され、高周波電流に対する絶縁が行われている。更に、ジョー51には、上述した生体組織(臓器)を把持する把持部材54が取り付けられている。
【0034】
次に、図5及び図6を用いて処置部5の詳細構成を説明する。
図5は処置部5の内部構成を示す側面断面図であり、図6は図5の処置部5のA−A断面図である。尚、図5及び図6では、絶縁カバー53が取り外されている状態を示している。
【0035】
図5及び図6に示すように、操作ロッド50は管状に形成されており、挿入部外套管4内に進退自在に挿通されている。また、操作ロッド50には、プローブユニット32の振動伝達部材9が挿通されている。尚、操作ロッド50は、挿入部外套管4内面に対して隙間を形成して配置されている。
【0036】
ジョー51は、挿入部外套管4の保持部本体52aの先端に枢支軸60を介して回動可能に取り付けられている。この枢支軸60はジョー51の両側面から突出して形成され、保持部本体52aの枢支孔60aに挿嵌されている。尚、枢支軸60は、ジョー51に枢支孔を形成して保持部本体52aの枢支孔60aから図示しない枢支ピンを挿嵌して構成しても良い。
【0037】
また、ジョー51は、操作ロッド50の先端連結部50aに係合軸61により、枢支軸60の上側で回動可能に連結される。尚、本実施の形態では、係合軸61は、ジョー51の係合孔61a及び保持部本体52aの係合孔61bに係合ピン61cを挿嵌して構成されている。
従って、操作ロッド50が進退すると、この操作ロッド50に係合軸61で連結されたジョー51は、枢支軸60を中心に回動(開閉)する。
【0038】
ジョー51の閉動作時は、プローブユニット32の処置部41fに対してジョー51の把持部材54を押し付けることにより、処置部41fと把持部材54との間で生体組織を把持する。このとき、把持部材54は、把持した生体組織に全面に亘って当接する。そして、把持された生体組織は、高速で振動する処置部41fとの摩擦熱によって凝固或いは切開等の超音波処置を施される。尚、ジョー51は、生体組織の剥離にも使用される。
【0039】
ここで、処置部5で生体組織を把持した際に、ジョー51から処置部41f(超音波プローブ)へ上からの把持荷重が加わる。
この結果、振動伝達部材9は、超音波振動の第1の節の位置の支持部材から上方向の反力を受け、第2の節の位置の支持部材から下方向の反力を受ける。
【0040】
そこで、本実施の形態では、最も大きい反力が発生する超音波振動の第1の節の位置近傍に振動伝達部材9を支持するための支持部材を挿入部外套管4に設けている。
即ち、超音波処置具2は、振動伝達部材9の超音波振動の第1の節の位置近傍となる保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部に、PTFE等の低摩擦材料で形成した支持部材71を接着固定して設けている。尚、この支持部材71は、保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部から側部までU字型に延出して形成されており、振動伝達部材9の超音波振動の第1の節の位置近傍を支持するとともに、ジョー51の枢支軸60の軸受けの機能も併せ持っている。
【0041】
このことにより、超音波処置具2の先端処置部で生体組織を把持した際に、振動伝達部材9は超音波振動の第1の節位置近傍で支持部材71により支持され、処置部41f(超音波プローブ)に加わった把持荷重に対する反力を、支持部材71を介して挿入部外套管4から受けるので、管状の操作ロッド50には何らの荷重もかからない。
また、超音波処置具2は、保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部に支持部材71をジョー51の枢支軸60に係合させて設けているので、構造が簡単である。
【0042】
このように構成される超音波処置装置1は、生体組織に対して切開、切除、或いは凝固等の超音波処置を効果的に行うことができる。
術者は、ハンドルユニット31の固定ハンドル42を握り、可動ハンドル43を操作する。すると、この可動ハンドル43のハンドル操作により、挿入シース部31a内で操作ロッド50が進退し、先端作用部31bのジョー51を開閉する。
【0043】
ここで、術者は、ハンドルを握って可動ハンドル43を閉操作する。この場合、作動軸47は、先端方向に移動する。そして、この作動軸47の動きは、操作ロッド50に伝達されて先端作用部31bのジョー51を閉じる方向に作用する。
この結果、ジョー51は、プローブユニット32の処置部41fに対して把持部材54を押し付けることで、処置部41fとの間で生体組織を把持する。
【0044】
ここで、超音波処置具2は、上述したように生体組織を把持した際に、ジョー51から処置部41f(超音波プローブ)へ上からの把持荷重を受けるが、超音波振動の第1の節の位置近傍で、処置部41f(超音波プローブ)で受けた把持荷重に対して挿入部外套管4に取り付けられた支持部材71が反力を発生する。
【0045】
このため、超音波処置具2は、管状の操作ロッド50に振動伝達部材9が接触しないので、この処置部41f(超音波プローブ)で受けた把持荷重が管状の操作ロッド50に加わることがない。
そして、術者は、フットスイッチを踏み込み、把持した生体組織に対して超音波処置を行う。そして、把持された生体組織は、高速で振動する処置部41fとの摩擦熱によって超音波処置を施される。
【0046】
このとき、超音波処置具2は、支持部材71がPTFE等の低摩擦材料で形成されているので、振動伝達部材9の超音波振動を妨げることなく、良好に処置部41f(超音波プローブ)に超音波振動を伝達できる。
この結果、本実施の形態の超音波処置装置1は、簡単な構造でジョー51からの把持荷重が管状の操作ロッド50に加わることのない超音波処置具2を構成できる。
【0047】
(第2の実施の形態)
図7ないし図10は、本発明の第2の実施の形態に係り、図7は第2の実施の形態の超音波処置装置を構成する超音波処置具の要部説明図、図8は図7の第2の支持部材の第1の変形例を示す要部拡大図、図9は第2の支持部材の第2の変形例を示す要部拡大図、図10は更なる変形例を示す説明図であり、図10(a)は第2の支持部材の第3の変形例を示す説明図、図10(b)は第2の支持部材の第4の変形例を示す説明図、図10(c)は第2の支持部材の第5の変形例を示す説明図である。
【0048】
本第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態の構成に加え、超音波振動の第2の節の位置に第2の支持部材を設けて構成する。それ以外の構成は、上記第1の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同じ構成は、同じ符号を付して説明する。
【0049】
図7に示すように本第2の実施の形態の超音波処置装置は、上記第1の実施の形態の構成に加え、超音波振動の第2の節の位置に第2の支持部材を設けて超音波処置具を構成する。
更に、具体的に説明すると、超音波処置具は、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部に支持部材71を設けたことに加え、超音波振動の第2の節の位置に第2の支持部材72を挿入部外套管4の外装シース4aに設けて構成される。
【0050】
この第2の支持部材72は、支持部材71と同様にPTFE等の低摩擦材料で形成されており、管状の操作ロッド50に形成した貫通部73を貫通して突設するように挿入部外套管4の外装シース4aの内周面上部に接着固定して設けられている。これは、上記第1の実施の形態で説明したように、生体組織を把持した際に、振動伝達部材9が超音波振動の第2の節の位置で上向きに荷重を発生させるので、この荷重に対抗させるためである。
【0051】
このことにより、生体組織を把持した際に、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に超音波振動の第1の節の位置近傍で振動伝達部材9を支持部材71で支持することに加え、第1の支持部材71を支点としてシーソーの作用(てこの原理)で発生した荷重に対抗させるために、超音波振動の第2の節の位置で振動伝達部材9を第2の支持部材72で支持することが可能となる。
【0052】
また、本実施の形態では、超音波処置具は、第3番目以降の節の位置(複数個所)にフランジ状突設部41bを形成しており、これらフランジ状突設部41bに対し、管状の操作ロッド50の内面に例えばPTFE等の低摩擦材料等で形成される被覆部材74で被覆して当接させている。
【0053】
生体組織を把持した際に、振動伝達部材9の支持は、支持部材71と第2の支持部材72とで主として行っているので、第3番目以降の節の位置(複数個所)において発生する荷重は小さい。このため、超音波処置具は、被覆部材74を設けることで、振動伝達部材9を支持しながら摺動する部分の摩擦抵抗を小さくできる。
【0054】
本実施の形態では、被覆部材74は、第2の支持部材72が貫通するために、貫通部75が形成されている。
尚、製造方法は、例えば、以下に記載する通りである。
先ず、管状の操作ロッド50は、超音波振動の第2の節の位置となる部分に貫通部73を形成される。同様に、被覆部材74も、超音波振動の第2の節の位置となる部分に貫通部75を形成される。
【0055】
そして、被覆部材74は、一端を引っ張って操作ロッド50へ挿入され、位置合わせして操作ロッド50に内設するように挿通配設される。
次に、管状の操作ロッド50は、挿入部外套管4の外装シース4aに挿入され、位置合わせして挿通配設される。
【0056】
そして、接着剤を塗布した第2の支持部材72は、図示しない治具により操作ロッド50の開口側から挿入されて貫通部73から超音波振動の第2の節の位置となる挿入部外套管4の外装シース4aの所定の位置へ導かれ、この位置で接着固定される。
これにより、超音波処置具は、振動伝達部材9の超音波振動の第2の節の位置となる挿入部外套管4の外装シース4aの所定位置に第2の支持部材72を設けることができる。
【0057】
従って、超音波処置具は、処置部41fにかかる荷重によって発生する荷重を支持する超音波振動の第2の節の位置で振動伝達部材9を挿入部外套管4に取り付けられた第2の支持部材72で支持することが可能となる。
この結果、本第2の実施の形態の超音波処置装置は、前記第1の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、更にジョー51からの把持荷重に由来する荷重により管状の操作ロッド50に発生する摩擦を低減することが可能となる。
【0058】
尚、超音波処置具は、図8に示すように超音波振動の第2の節の位置にフランジ状膨大部41bを形成し、この第2の節の位置のフランジ状膨大部41bに第2の支持部材72が当接するように構成しても良い。
【0059】
また、超音波処置具は、図9に示すように第2の支持部材72が管状の操作ロッド50の被覆部材74を貫通せず、この被覆部材74を介して第2の節の位置のフランジ状膨大部41bに当接するように構成しても良い。
尚、この第2の支持部材72は、接着剤を用いることなく、挿入部外套管4の外装シース4aの内側から固定部72bを嵌合して固定する。
【0060】
更に、第2の支持部材は、例えば、図10に示すように多数の変形例がある。
図10(a)に示すように、第3の変形例である第2の支持部材81は、挿入部外套管4の外装シース4aの外周面に形成した凹部4bの外側から固定部81aを嵌合して固定する。
【0061】
一方、図10(b)及び10(c)に示すように挿入部外套管4の外装シース4aは、この外周面に凹部を形成することなく、第4及び第5の変形例である第2の支持部材83,84を取り付けている。
図10(b)に示すように第4の変形例である第2の支持部材83は、挿入部外套管4の外装シース4aの外周面から固定部83aを嵌合して固定するようになっている。更に、図10(c)に示すように第5の変形例である第2の支持部材84は、挿入部外套管4の外装シース4aの外周面から小径の固定部84aを嵌合して接着固定する。
尚、上記以外の構成で第2の支持部材を取り付けるように構成しても構わない。
【0062】
ところで、従来の超音波処置装置は、処置部の先端側において、ジョーの支点が超音波振動の第1の節よりかなり先端よりに位置している超音波処置具を有している。
このような従来の超音波処置具は、ジョーを閉操作して超音波プローブとの間で生体組織を把持した際、超音波プローブの撓みの始点とジョーの支点とが離れている。この場合、超音波処置具は、ジョーの回転角度に対して超音波プローブの撓みが追従しないので、把持した生体組織に対するジョーと超音波プローブとの当接面が平行にならない。
【0063】
このため、従来の超音波処置具は、超音波プローブに対するジョーの追従構造として把持部材を揺動自在に構成したものがある。しかしながら、上記把持部材を揺動自在に構成した超音波処置具は、その分、構造が複雑になり、コストがかかる。
そこで、超音波プローブが撓んだ際、ジョーの回転角度を超音波プローブの傾斜に接近させて追従機構を不要とするような超音波処置装置の提供が望まれていた。
【0064】
図11ないし図14を参照して超音波処置装置の構成例を説明する。
図11ないし図14は超音波処置装置の構成例に係わり、図11は超音波処置装置を構成する超音波処置具の処置部を示す側面断面図、図12は図11の処置部のB−B断面図、図13は棒状の操作ロッドを用いる構造の超音波処置具の処置部を示す側面断面図、図14は別体として保持部本体を設けた挿入部外套管の先端側を示す概略断面図である。
【0065】
図11に示すように超音波処置装置は、ジョー51の基端側を延長して振動伝達部材9における超音波振動の第1の節の位置近傍にジョー51の枢支軸60を位置させた超音波処置具2Bを設けて構成される。尚、2点鎖線(想像線)は、従来の超音波処置具を表している。
また、超音波処置具2Bは、前記第1の実施の形態で説明したのとほぼ同様な支持部材71Bを保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部に設けている。
【0066】
この支持部材71Bは、図12に示すように振動伝達部材9における超音波振動の第1の節の位置近傍のみ支持するように保持部本体52a(挿入部外套管4)の開口部の先端側底部にのみ形成されている。これは、簡略化のためである。
これにより、超音波処置具2Bは、処置部41f(超音波プローブ)が撓んだ際、ジョー51の回転角度を処置部41f(超音波プローブ)の傾斜に接近させて平行な位置関係を維持することができる。
【0067】
尚、超音波処置具は、棒状の操作ロッドを用いる構造において、図13に示すように振動伝達部材9における超音波振動の第1の節の位置近傍にジョー51の枢支軸60を位置させるように構成しても良い。
図13に示すように超音波処置具2Cは、保持部本体52aに設けた主チャンネル管90aに振動伝達部材9が挿通配設され、挿入部外套管4の保持部本体52aにおいて主チャンネル管90aと挿入部外套管4との間に形成された副チャンネル90bに棒状の操作ロッド50Bが挿通配設されて構成されている。
【0068】
そして、超音波処置具2Cは、保持部本体52a(挿入部外套管4)を延長することで、振動伝達部材9の下側を保護している。
【0069】
尚、図13では、超音波処置具2Cは、保持部本体52aを挿入部外套管4の先端側として一体的に形成しているが、図14に示すように挿入部外套管4の先端側に別体として保持部本体91を設けて構成しても良い。
【0070】
これにより、超音波処置具2Cは、棒状の操作ロッド50Bを用いる構造においても、振動伝達部材9における超音波振動の第1の節の位置近傍にジョー51の枢支軸60を位置させることで、処置部41f(超音波プローブ)が撓んだ際、ジョー51の回転角度を処置部41f(超音波プローブ)の傾斜に接近させて平行な位置関係を維持することができる。
【0071】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0072】
[付記]
(付記項1) 超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、
前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、
管状に形成して前記振動伝達部材を挿通配設し、前記ジョーと前記操作手段との間を連結して前記ジョーに前記操作手段からの操作力を伝達する操作力伝達部材と、
前記操作力伝達部材を覆い、前記ジョーを先端側に設けた挿入部外套管と、
を具備し、
生体組織を把持した際に前記ジョーから前記超音波プローブが把持荷重を受けることで荷重を受ける前記振動伝達部材に対し、この振動伝達部材を支持するための支持部材を、少なくとも超音波振動の第1の節の位置近傍の前記挿入部外套管に設けたことを特徴とする超音波処置装置。
【0073】
(付記項2) 超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、
前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、
管状に形成して前記振動伝達部材を挿通配設し、前記ジョーと前記操作手段との間を連結して前記ジョーに前記操作手段からの操作力を伝達する操作力伝達部材と、
前記操作力伝達部材を覆い、前記ジョーを先端側に設けた挿入部外套管と、
前記超音波振動子を制御駆動するための駆動回路と、
を具備し、
生体組織を把持した際に前記ジョーから前記超音波プローブが把持荷重を受けることで荷重を受ける前記振動伝達部材に対し、この振動伝達部材を支持するための支持部材を、少なくとも超音波振動の第1の節の位置近傍の前記挿入部外套管に設けたことを特徴とする超音波処置装置。
【0074】
(付記項3) 前記振動伝達部材における超音波振動の第1の節の位置近傍に前記ジョーの枢支軸を位置させて構成したことを特徴とする付記項1又は2に記載の超音波処置装置。
【0075】
(付記項4) 超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、
前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、
前記ジョーと前記操作手段との間を連結して前記ジョーに前記操作手段からの操作力を伝達する操作力伝達部材と、
前記操作力伝達部材を覆い、前記ジョーを先端側に設けた挿入部外套管と、
を具備し、
前記振動伝達部材における超音波振動の第1の節の位置近傍に前記ジョーの枢支軸を位置させて構成したことを特徴とする超音波処置装置。
【0076】
(付記項5) 前記操作力伝達部材は、管状に形成して前記振動伝達部材を挿通配設し、
前記ジョーは、基端側を延長することで、前記振動伝達部材における超音波振動の第1の節の位置近傍に枢支軸を位置させることを特徴とする付記項4に記載の超音波処置装置。
【0077】
(付記項6) 前記操作力伝達部材は、棒状に形成され、
前記挿入部外套管は、枢支軸より先端側を延長し、前記振動伝達部材における超音波振動の第1の節の位置近傍に枢支軸を位置させることを特徴とする付記項4に記載の超音波処置装置。
【0078】
(付記項7) 前記振動伝達部材が内部に配置され、その先端側開口部に第1の支持部材を取り付けたプローブチャンネル管を有し、
前記プローブチャンネル管の先端側開口部の下側を舌状に延長して、
前記ジョーの前記枢支軸の下側近傍に位置させたことを特徴とする付記項6に記載の超音波処置装置。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡単な構造で耐久性が良く、超音波プローブの撓みを低減してジョーからの把持荷重が操作力伝達部材に加わることのない超音波処置装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の超音波処置装置を示す全体構成図
【図2】図1の装置本体の構成を示す回路ブロック図
【図3】図1の超音波処置具の分解状態を示す側面図
【図4】図1の超音波処置具全体の組立状態を示す側面図
【図5】処置部の内部構成を示す側面断面図
【図6】図5の処置部のA−A断面図
【図7】第2の実施の形態の超音波処置装置を構成する超音波処置具の要部説明図
【図8】図7の変形例を示す要部拡大図
【図9】他の変形例を示す要部拡大図
【図10】更なる変形例を示す説明図
【図11】超音波処置装置を構成する超音波処置具の処置部を示す側面断面図
【図12】図11の処置部のB−B断面図
【図13】棒状の操作ロッドを用いる構造の超音波処置具の処置部を示す側面断面図
【図14】別体として保持部本体を設けた挿入部外套管の先端側を示す概略断面図
【符号の説明】
1…超音波処置装置
1A…装置本体
2…超音波処置具
4…挿入部外套管
5…処置部
6…操作部
9…振動伝達部材
31…ハンドルユニット
32…プローブユニット
33…振動子ユニット
41f…処置部(超音波プローブ)
50…操作ロッド
50a…先端連結部
51…ジョー
52…ジョー保持部
52a…保持部本体
60…枢支軸
61…係合軸
71…支持部材
Claims (2)
- 超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、
前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、
管状に形成して前記振動伝達部材を挿通配設し、前記ジョーと前記操作手段との間を連結して前記ジョーに前記操作手段からの操作力を伝達する操作力伝達部材と、
前記操作力伝達部材を覆い、前記ジョーを先端側に設けた挿入部外套管と、
を具備し、
生体組織を把持した際に前記ジョーから前記超音波プローブが把持荷重を受けることで荷重を受ける前記振動伝達部材に対し、この振動伝達部材を支持するための支持部材を、少なくとも超音波振動の第1の節の位置近傍の前記挿入部外套管に設けたことを特徴とする超音波処置装置。 - 超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、
前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、
管状に形成して前記振動伝達部材を挿通配設し、前記ジョーと前記操作手段との間を連結して前記ジョーに前記操作手段からの操作力を伝達する操作力伝達部材と、
前記操作力伝達部材を覆い、前記ジョーを先端側に設けた挿入部外套管と、
前記超音波振動子を制御駆動するための駆動回路と、
を具備し、
生体組織を把持した際に前記ジョーから前記超音波プローブが把持荷重を受けることで荷重を受ける前記振動伝達部材に対し、この振動伝達部材を支持するための支持部材を、少なくとも超音波振動の第1の節の位置近傍の前記挿入部外套管に設けたことを特徴とする超音波処置装置。
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JP2003105736A JP2004305589A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | 超音波処置装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003105736A JP2004305589A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | 超音波処置装置 |
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ID=33468156
Family Applications (1)
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JP2003105736A Withdrawn JP2004305589A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | 超音波処置装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004305589A (ja) |
-
2003
- 2003-04-09 JP JP2003105736A patent/JP2004305589A/ja not_active Withdrawn
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