JP2004290940A - 超音波用電源装置及び超音波洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は高周波電力の出力を精度よく制御することができるようにした高周波用電源装置を提供することにある。
【解決手段】高周波電力を出力する超音波用電源装置において、
直流電圧の電圧値を制御するパワーコントロール部5と、このパワーコントロール部によって電圧値が制御された直流電圧を交流電圧に変換するインバータ8を有する波形成形部7と、この波形成形部によって変換された交流電圧を超音波帯域の周波数に発振させて上記波形成形部から出力させる発振制御部9と、上記波形成形部からの出力値と予め設定された設定値とを比較しその比較に基づいて上記パワーコントローラから出力される直流電圧の電圧値を制御するフィードバック制御部6とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】高周波電力を出力する超音波用電源装置において、
直流電圧の電圧値を制御するパワーコントロール部5と、このパワーコントロール部によって電圧値が制御された直流電圧を交流電圧に変換するインバータ8を有する波形成形部7と、この波形成形部によって変換された交流電圧を超音波帯域の周波数に発振させて上記波形成形部から出力させる発振制御部9と、上記波形成形部からの出力値と予め設定された設定値とを比較しその比較に基づいて上記パワーコントローラから出力される直流電圧の電圧値を制御するフィードバック制御部6とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は超音波帯域の周波数で発振する電力を出力するための超音波用電源装置及びこの超音波用電源装置から出力される電力を利用して被洗浄物を洗浄する処理液に超音波振動を与える超音波用洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば液晶製造装置や半導体製造装置には、被洗浄物としての液晶用ガラス基板や半導体ウエハを高い清浄度で洗浄する工程がある。このような被洗浄物を洗浄する方式としては、洗浄液中に複数枚の被洗浄物を浸漬するデイップ方式や被洗浄物に向けて洗浄液を噴射して一枚づつ洗浄する枚葉方式がある。
【0003】
いずれの方式においても、洗浄効果を高めるためには、洗浄液に超音波振動を付与し、その振動作用によって上記被洗浄物から微粒子を効率よく除去するということが行なわれている。
【0004】
超音波振動を利用して被洗浄物を洗浄するためには超音波洗浄装置が用いられる。超音波洗浄装置は超音波帯域の周波数で発振された高周波電力を出力する超音波用電源装置を有する。この電源装置から出力された高周波電力は圧電セラミックスによって形成された振動子に印加される。
【0005】
上記振動子は振動板に貼着されているため、振動子とともに振動板が超音波振動する。振動板は、洗浄液が貯えられた洗浄槽の底部に設けられたり、洗浄液を被洗浄物に向けて噴射する洗浄ノズル体の内部の洗浄液が流通する通路に面して設けられている。
【0006】
したがって、振動板の超音波振動は洗浄液に付与され、この洗浄液を通じて被洗浄物に伝播されるから、その超音波振動の作用によって被洗浄物に付着した微粒子を効率よく除去することができる。洗浄液に与える高周波電力の出力は、被洗浄物の種類や洗浄の度合いなどに応じて設定され、その出力が設定値に対して異なると、被洗浄物に形成された回路パターンを損傷したり、洗浄不良を招くなどのことがある。
【0007】
従来、高周波電力の出力は、交流電圧をコンバータによって直流電圧に変換した後、任意のパルス幅を作る制御部からの制御信号に基づいてパワーコントロール部で制御する、いわゆるPWM方式で行われていた。図4(a)はパルス幅がAの制御信号を示し、図4(b)はパルス幅Aの制御信号をパルス幅Bに変換された制御信号を示している。
【0008】
上記パワーコントロール部で所定のパルス幅Bに制御された制御信号は、インバータで交流電圧に変換されるとともに、発振制御部からの発振信号によって超音波帯域の周波数に発振されて上記振動子に印加される。それによって、上記振動子が制御信号のパルス幅に応じた出力、つまり強度で超音波振動する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
振動子に印加される高周波電力の出力を、上述したように制御信号のパルス幅によって制御するPWM方式によると、直流電圧をインバータで交流電圧に変換された後、発振されて出力する高周波電力の波形は、制御信号のパルス幅が図4(a)にAで示す通常の幅の場合には、図4(c)にXで示すように正弦波形の出力となる。
【0010】
しかしながら、出力を小さくするために制御信号のパルス幅を図4(b)にBで示すように小さく制御すると、そのときの高周波電力の波形は図4(b)にYで示すように正弦波形にならず、高調波成分を含んで歪が生じた波形となってしまう。
【0011】
そのため、所定の出力の高周波電力を得るために、制御信号のパルス幅で制御したのでは、その高周波電力が高調波成分を含んで歪みが発生するため、高周波電力の出力を精度よく制御することができないということがあった。
【0012】
この発明は、高周波電力の出力を精度よく制御することができるようにした超音波用電源装置及びその電源装置を用いた超音波洗浄装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、高周波電力を出力する超音波用電源装置において、
直流電圧の電圧値を制御するパワーコントロール部と、
このパワーコントロール部によって電圧値が制御された直流電圧を交流電圧に変換するインバータを有する波形成形部と、
この波形成形部によって変換された交流電圧を超音波帯域の周波数に発振させて上記波形成形部から出力させる発振制御部と、
上記波形成形部からの出力値と予め設定された設定値とを比較しその比較に基づいて上記パワーコントローラから出力される直流電圧の電圧値を制御するフィードバック制御部と
を具備したことを特徴とする超音波用電源装置にある。
【0014】
この発明は、超音波振動が与えられた処理液によって被洗浄物を洗浄処理する洗浄処理装置において、
超音波帯域の周波数に発振された電力を出力する超音波用電源装置と、
この超音波用電源装置から出力された電力が印加されて超音波振動する振動子と、
この振動子が取着され上記処理液に超音波振動を与える振動板とを具備し、
上記超音波用電源装置は請求項1に記載された構成であることを特徴とする洗浄処理装置にある。
【0015】
この発明によれば、パワーコントロール部で直流電圧の電圧値を制御して高周波電力の出力を制御するため、制御信号のパルス幅を同じにして高周波電力の出力を変えることができるから、高周波電力の出力を精度よく制御することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図1乃至図3を参照しながら説明する。
【0017】
図1はこの発明の超音波用電源装置1を用いた超音波洗浄装置2を示す。超音波用電源装置1は交流電源3からの交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCコンバータ4を有する。このAC−DCコンバータ4によって変換された直流電圧はパワーコントロール部5に入力される。このパワーコントロール部5にはフィードバック制御部6からの制御信号Sが入力され、その制御信号Sによって直流電圧の電圧値が後述するように所定の大きさに制御されるようになっている。
【0018】
上記パワーコントロール部5で電圧値が所定の強度に制御された直流電圧は波形成形部7に設けられたインバータ8によって交流電圧に変換される。インバータ8によって変換された交流電圧は、発振制御部9からの発振信号Hによって数千kHz〜2MHzの超音波帯域の周波数に発振される。
【0019】
上記発振制御部9は周波数発振器11と、パターンジェネレータ12を有し、インバータ8によって変換された交流電圧波形の周波数やデューティ比を設定し、所定の発振周波数の上記発振信号Hとして上記インバータ8に出力するようになっている。
【0020】
上記インバータ8で所定の周波数に発振された交流電圧はバンドパスフィルタ13によって波形整形される。波形成形部9からの出力である、高周波電力Pは振動子16に入力される。この振動子16は振動板17取着されており、この振動板17は洗浄ノズル体18内に設けられている。この洗浄ノズル体18には洗浄液の流路19が形成されている。この流路19は一端が洗浄液の供給口19aとなっており、他端がノズル体18の下端に開口したノズル孔19bとなっている。
【0021】
洗浄ノズル体18には上面に開口する凹部20が形成されており、この凹部20の底部に上記流路19の中途部が開放している。凹部20の底部には上記流路19の開放部分を閉塞するよう、上記振動板17が設けられている。この振動板17は下面を上記流路19に臨ませ、超音波発振体6が設けられた上面を上記凹部20に露出させている。この凹部20には、振動板17を上記流路19に対して液密に押圧保持する押え部材21が螺着されている。
【0022】
したがって、上記供給口19aから流路19に供給された純水などの洗浄液には、上記超音波発振体6とともに超音波振動する振動板17によって超音波振動が与えられ、上記ノズル孔19bから被洗浄物22に向かって噴出し、この被洗浄物22を洗浄することができる。
【0023】
上記波形成形部7から出力される高周波電力Pの出力の一部は電力測定部24に入力され、ここで測定される。電力測定部24での測定値Mは上記フィードバック制御部6に入力される。このフィードバック制御部6には電力設定部25によって設定された設定値Nが入力される。
【0024】
上記フィードバック制御部6では上記測定値Mと設定値Nとが比較され、その差に応じて出力される上記制御信号Sが上記パワーコントロール部5に入力される。それによって、パワーコントロール部5ではインバータ8に出力される直流電圧値が昇降調整される。
【0025】
図2は上記パワーコントロール部5とフィードバック制御部6とを示している。フィードバック制御部6からパワーコントロール部5に出力された制御信号Sは、パワーコントロール部5を構成するトランジスタ27をオン−オフさせる。
【0026】
上記トランジスタ27をオン−オフ動作させる時間は、上記制御部6での測定値Mと設定値Nとの差に応じて出力される上記制御信号Sのパルス幅の長短によって決定される。そして、トランジスタ27のオン−オフ動作時間によってパワーコントロール部5からインバータに8にLC回路部28を介して出力される直流電圧値が決定される。
【0027】
このような構成の超音波用電源装置1によれば、交流電源3からの交流電圧がAC−DCコンバータ4によって直流電圧に変換されてパワーコントロール部5に入力されると、このパワーコントロール部5ではフィードバック制御部6からの制御信号Sによって上記直流電圧の電圧値を所定の値に制御する。
【0028】
上記制御信号Sは、波形成形部7から出力される高周波電力Pの測定値Mと、電力設定部25に設定された設定値25との比較に基く時間で出力され、その時間に応じてパワーコントロール部5のトランジスタ27をオンさせる。
【0029】
上記電力測定部24で測定される高周波電力の測定値Mが電力設定部25で設定される設定値Nよりも大きければ、パワーコントロール部5から出力される直流電圧の電圧値が低減させられ、逆に小さければ電圧値が増加させられる。
【0030】
図3(a)は、上記フィードバック制御部6からの制御信号Sに基いて上記パワーコントロール部5からインバータ8に出力される電圧値V1 の直流電圧で、図3(b)は出力を小さくしたい入力の制御信号Sに基いて出力される電圧値V2 の直流電圧とを示している。
【0031】
パワーコントロール部5からインバータ8に出力される直流電圧は、フィードバック制御部6からの制御信号Sの大きさによって電圧値が増減される。つまり、パワーコントロール部5とフィードバック制御部6とは、AC−DCコンバータ4によって変換されたPAM制御を行なう。
【0032】
そのため、図3(c)に示すように、電圧値V1 の直流電圧をインバータ8で交流電圧に変換して発振出力させた波形X1 と、電圧値V2 の直流電圧をインバータ8で交流電圧に変換して発振出力させた波形Y1 とは、振幅が電圧値に応じて異なるものの、ともに周波数が同じ正弦波となるから、高周波電力の出力を制御しても、その出力に高調波成分を含んで歪みが生じることがない。
【0033】
したがって、波形成形部7からの高周波電力Pの出力を、電力設定部25の設定値Nと電力測定部24での測定値Mとの比較に基いて精度よく制御することができる。
【0034】
上記電力設定部25で設定される設定値Nを、被洗浄物22の種類や洗浄の度合になどに応じて設定すれば、洗浄ノズル体18の流路19を流れる洗浄液に対して所望する強度の超音波振動を付与することができる。そのため、振動子16に印加される高周波電力Pの強度が強過ぎて被洗浄物22の形成された回路パターンを損傷したり、逆に弱過ぎて被洗浄物22の汚れを確実に除去できないなどの洗浄不良を招くのを防止することができる。
【0035】
上記一実施の形態では超音波用電源装置からの高周波電力を超音波洗浄装置としての枚葉洗浄を行なうノズル体に供給する場合について説明したが、超音波洗浄装置としてはバッチ式であってもよく、その場合には複数枚の被洗浄物が収容される洗浄槽に設けられた振動子に高周波電力を供給するようにすればよい。
【0036】
【発明の効果】
以上のようにこの発明は、パワーコントロール部で直流電圧の電圧値を制御して高周波電力の出力を制御するようにした。
そのため、制御信号のパルス幅を同じにして高周波電力の出力を変えるため、その高周波電力に高調波成分が含まれて歪みが生じるということがないから、高周波電力の強度を精度よく制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態の超音波用電源装置が用いられた超音波洗浄装置のブロック図。
【図2】パワーコントロール部とフィードバック制御部とを示す回路図。
【図3】(a)は異なる電圧値の2つの直流電圧を示す説明図、(b)は(a)に示す2つの直流電圧を高調波の交流電圧に変換した説明図。
【図4】従来の制御方法の説明図で、(a)は異なるパルス幅の2つの制御信号を示す説明図、(b)は(a)に示す2つの制御信号を高調波の交流電圧に変換した説明図。
【符号の説明】
3…交流電源、4…AC−DCコンバータ、5…パワーコントロール部、6…フィードバック制御部、7…波形成形部、8…インバータ、9…発振制御部、11…周波数発振器、16…振動子、17…振動板、18…洗浄ノズル体、22…被洗浄物、24…電力測定部、25…電力設定部。
【発明の属する技術分野】
この発明は超音波帯域の周波数で発振する電力を出力するための超音波用電源装置及びこの超音波用電源装置から出力される電力を利用して被洗浄物を洗浄する処理液に超音波振動を与える超音波用洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば液晶製造装置や半導体製造装置には、被洗浄物としての液晶用ガラス基板や半導体ウエハを高い清浄度で洗浄する工程がある。このような被洗浄物を洗浄する方式としては、洗浄液中に複数枚の被洗浄物を浸漬するデイップ方式や被洗浄物に向けて洗浄液を噴射して一枚づつ洗浄する枚葉方式がある。
【0003】
いずれの方式においても、洗浄効果を高めるためには、洗浄液に超音波振動を付与し、その振動作用によって上記被洗浄物から微粒子を効率よく除去するということが行なわれている。
【0004】
超音波振動を利用して被洗浄物を洗浄するためには超音波洗浄装置が用いられる。超音波洗浄装置は超音波帯域の周波数で発振された高周波電力を出力する超音波用電源装置を有する。この電源装置から出力された高周波電力は圧電セラミックスによって形成された振動子に印加される。
【0005】
上記振動子は振動板に貼着されているため、振動子とともに振動板が超音波振動する。振動板は、洗浄液が貯えられた洗浄槽の底部に設けられたり、洗浄液を被洗浄物に向けて噴射する洗浄ノズル体の内部の洗浄液が流通する通路に面して設けられている。
【0006】
したがって、振動板の超音波振動は洗浄液に付与され、この洗浄液を通じて被洗浄物に伝播されるから、その超音波振動の作用によって被洗浄物に付着した微粒子を効率よく除去することができる。洗浄液に与える高周波電力の出力は、被洗浄物の種類や洗浄の度合いなどに応じて設定され、その出力が設定値に対して異なると、被洗浄物に形成された回路パターンを損傷したり、洗浄不良を招くなどのことがある。
【0007】
従来、高周波電力の出力は、交流電圧をコンバータによって直流電圧に変換した後、任意のパルス幅を作る制御部からの制御信号に基づいてパワーコントロール部で制御する、いわゆるPWM方式で行われていた。図4(a)はパルス幅がAの制御信号を示し、図4(b)はパルス幅Aの制御信号をパルス幅Bに変換された制御信号を示している。
【0008】
上記パワーコントロール部で所定のパルス幅Bに制御された制御信号は、インバータで交流電圧に変換されるとともに、発振制御部からの発振信号によって超音波帯域の周波数に発振されて上記振動子に印加される。それによって、上記振動子が制御信号のパルス幅に応じた出力、つまり強度で超音波振動する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
振動子に印加される高周波電力の出力を、上述したように制御信号のパルス幅によって制御するPWM方式によると、直流電圧をインバータで交流電圧に変換された後、発振されて出力する高周波電力の波形は、制御信号のパルス幅が図4(a)にAで示す通常の幅の場合には、図4(c)にXで示すように正弦波形の出力となる。
【0010】
しかしながら、出力を小さくするために制御信号のパルス幅を図4(b)にBで示すように小さく制御すると、そのときの高周波電力の波形は図4(b)にYで示すように正弦波形にならず、高調波成分を含んで歪が生じた波形となってしまう。
【0011】
そのため、所定の出力の高周波電力を得るために、制御信号のパルス幅で制御したのでは、その高周波電力が高調波成分を含んで歪みが発生するため、高周波電力の出力を精度よく制御することができないということがあった。
【0012】
この発明は、高周波電力の出力を精度よく制御することができるようにした超音波用電源装置及びその電源装置を用いた超音波洗浄装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、高周波電力を出力する超音波用電源装置において、
直流電圧の電圧値を制御するパワーコントロール部と、
このパワーコントロール部によって電圧値が制御された直流電圧を交流電圧に変換するインバータを有する波形成形部と、
この波形成形部によって変換された交流電圧を超音波帯域の周波数に発振させて上記波形成形部から出力させる発振制御部と、
上記波形成形部からの出力値と予め設定された設定値とを比較しその比較に基づいて上記パワーコントローラから出力される直流電圧の電圧値を制御するフィードバック制御部と
を具備したことを特徴とする超音波用電源装置にある。
【0014】
この発明は、超音波振動が与えられた処理液によって被洗浄物を洗浄処理する洗浄処理装置において、
超音波帯域の周波数に発振された電力を出力する超音波用電源装置と、
この超音波用電源装置から出力された電力が印加されて超音波振動する振動子と、
この振動子が取着され上記処理液に超音波振動を与える振動板とを具備し、
上記超音波用電源装置は請求項1に記載された構成であることを特徴とする洗浄処理装置にある。
【0015】
この発明によれば、パワーコントロール部で直流電圧の電圧値を制御して高周波電力の出力を制御するため、制御信号のパルス幅を同じにして高周波電力の出力を変えることができるから、高周波電力の出力を精度よく制御することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図1乃至図3を参照しながら説明する。
【0017】
図1はこの発明の超音波用電源装置1を用いた超音波洗浄装置2を示す。超音波用電源装置1は交流電源3からの交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCコンバータ4を有する。このAC−DCコンバータ4によって変換された直流電圧はパワーコントロール部5に入力される。このパワーコントロール部5にはフィードバック制御部6からの制御信号Sが入力され、その制御信号Sによって直流電圧の電圧値が後述するように所定の大きさに制御されるようになっている。
【0018】
上記パワーコントロール部5で電圧値が所定の強度に制御された直流電圧は波形成形部7に設けられたインバータ8によって交流電圧に変換される。インバータ8によって変換された交流電圧は、発振制御部9からの発振信号Hによって数千kHz〜2MHzの超音波帯域の周波数に発振される。
【0019】
上記発振制御部9は周波数発振器11と、パターンジェネレータ12を有し、インバータ8によって変換された交流電圧波形の周波数やデューティ比を設定し、所定の発振周波数の上記発振信号Hとして上記インバータ8に出力するようになっている。
【0020】
上記インバータ8で所定の周波数に発振された交流電圧はバンドパスフィルタ13によって波形整形される。波形成形部9からの出力である、高周波電力Pは振動子16に入力される。この振動子16は振動板17取着されており、この振動板17は洗浄ノズル体18内に設けられている。この洗浄ノズル体18には洗浄液の流路19が形成されている。この流路19は一端が洗浄液の供給口19aとなっており、他端がノズル体18の下端に開口したノズル孔19bとなっている。
【0021】
洗浄ノズル体18には上面に開口する凹部20が形成されており、この凹部20の底部に上記流路19の中途部が開放している。凹部20の底部には上記流路19の開放部分を閉塞するよう、上記振動板17が設けられている。この振動板17は下面を上記流路19に臨ませ、超音波発振体6が設けられた上面を上記凹部20に露出させている。この凹部20には、振動板17を上記流路19に対して液密に押圧保持する押え部材21が螺着されている。
【0022】
したがって、上記供給口19aから流路19に供給された純水などの洗浄液には、上記超音波発振体6とともに超音波振動する振動板17によって超音波振動が与えられ、上記ノズル孔19bから被洗浄物22に向かって噴出し、この被洗浄物22を洗浄することができる。
【0023】
上記波形成形部7から出力される高周波電力Pの出力の一部は電力測定部24に入力され、ここで測定される。電力測定部24での測定値Mは上記フィードバック制御部6に入力される。このフィードバック制御部6には電力設定部25によって設定された設定値Nが入力される。
【0024】
上記フィードバック制御部6では上記測定値Mと設定値Nとが比較され、その差に応じて出力される上記制御信号Sが上記パワーコントロール部5に入力される。それによって、パワーコントロール部5ではインバータ8に出力される直流電圧値が昇降調整される。
【0025】
図2は上記パワーコントロール部5とフィードバック制御部6とを示している。フィードバック制御部6からパワーコントロール部5に出力された制御信号Sは、パワーコントロール部5を構成するトランジスタ27をオン−オフさせる。
【0026】
上記トランジスタ27をオン−オフ動作させる時間は、上記制御部6での測定値Mと設定値Nとの差に応じて出力される上記制御信号Sのパルス幅の長短によって決定される。そして、トランジスタ27のオン−オフ動作時間によってパワーコントロール部5からインバータに8にLC回路部28を介して出力される直流電圧値が決定される。
【0027】
このような構成の超音波用電源装置1によれば、交流電源3からの交流電圧がAC−DCコンバータ4によって直流電圧に変換されてパワーコントロール部5に入力されると、このパワーコントロール部5ではフィードバック制御部6からの制御信号Sによって上記直流電圧の電圧値を所定の値に制御する。
【0028】
上記制御信号Sは、波形成形部7から出力される高周波電力Pの測定値Mと、電力設定部25に設定された設定値25との比較に基く時間で出力され、その時間に応じてパワーコントロール部5のトランジスタ27をオンさせる。
【0029】
上記電力測定部24で測定される高周波電力の測定値Mが電力設定部25で設定される設定値Nよりも大きければ、パワーコントロール部5から出力される直流電圧の電圧値が低減させられ、逆に小さければ電圧値が増加させられる。
【0030】
図3(a)は、上記フィードバック制御部6からの制御信号Sに基いて上記パワーコントロール部5からインバータ8に出力される電圧値V1 の直流電圧で、図3(b)は出力を小さくしたい入力の制御信号Sに基いて出力される電圧値V2 の直流電圧とを示している。
【0031】
パワーコントロール部5からインバータ8に出力される直流電圧は、フィードバック制御部6からの制御信号Sの大きさによって電圧値が増減される。つまり、パワーコントロール部5とフィードバック制御部6とは、AC−DCコンバータ4によって変換されたPAM制御を行なう。
【0032】
そのため、図3(c)に示すように、電圧値V1 の直流電圧をインバータ8で交流電圧に変換して発振出力させた波形X1 と、電圧値V2 の直流電圧をインバータ8で交流電圧に変換して発振出力させた波形Y1 とは、振幅が電圧値に応じて異なるものの、ともに周波数が同じ正弦波となるから、高周波電力の出力を制御しても、その出力に高調波成分を含んで歪みが生じることがない。
【0033】
したがって、波形成形部7からの高周波電力Pの出力を、電力設定部25の設定値Nと電力測定部24での測定値Mとの比較に基いて精度よく制御することができる。
【0034】
上記電力設定部25で設定される設定値Nを、被洗浄物22の種類や洗浄の度合になどに応じて設定すれば、洗浄ノズル体18の流路19を流れる洗浄液に対して所望する強度の超音波振動を付与することができる。そのため、振動子16に印加される高周波電力Pの強度が強過ぎて被洗浄物22の形成された回路パターンを損傷したり、逆に弱過ぎて被洗浄物22の汚れを確実に除去できないなどの洗浄不良を招くのを防止することができる。
【0035】
上記一実施の形態では超音波用電源装置からの高周波電力を超音波洗浄装置としての枚葉洗浄を行なうノズル体に供給する場合について説明したが、超音波洗浄装置としてはバッチ式であってもよく、その場合には複数枚の被洗浄物が収容される洗浄槽に設けられた振動子に高周波電力を供給するようにすればよい。
【0036】
【発明の効果】
以上のようにこの発明は、パワーコントロール部で直流電圧の電圧値を制御して高周波電力の出力を制御するようにした。
そのため、制御信号のパルス幅を同じにして高周波電力の出力を変えるため、その高周波電力に高調波成分が含まれて歪みが生じるということがないから、高周波電力の強度を精度よく制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態の超音波用電源装置が用いられた超音波洗浄装置のブロック図。
【図2】パワーコントロール部とフィードバック制御部とを示す回路図。
【図3】(a)は異なる電圧値の2つの直流電圧を示す説明図、(b)は(a)に示す2つの直流電圧を高調波の交流電圧に変換した説明図。
【図4】従来の制御方法の説明図で、(a)は異なるパルス幅の2つの制御信号を示す説明図、(b)は(a)に示す2つの制御信号を高調波の交流電圧に変換した説明図。
【符号の説明】
3…交流電源、4…AC−DCコンバータ、5…パワーコントロール部、6…フィードバック制御部、7…波形成形部、8…インバータ、9…発振制御部、11…周波数発振器、16…振動子、17…振動板、18…洗浄ノズル体、22…被洗浄物、24…電力測定部、25…電力設定部。
Claims (2)
- 高周波電力を出力する超音波用電源装置において、
直流電圧の電圧値を制御するパワーコントロール部と、
このパワーコントロール部によって電圧値が制御された直流電圧を交流電圧に変換するインバータを有する波形成形部と、
この波形成形部によって変換された交流電圧を超音波帯域の周波数に発振させて上記波形成形部から出力させる発振制御部と、
上記波形成形部からの出力値と予め設定された設定値とを比較しその比較に基づいて上記パワーコントローラから出力される直流電圧の電圧値を制御するフィードバック制御部と
を具備したことを特徴とする超音波用電源装置。 - 超音波振動が与えられた処理液によって被洗浄物を洗浄処理する洗浄処理装置において、
超音波帯域の周波数に発振された電力を出力する超音波用電源装置と、
この超音波用電源装置から出力された電力が印加されて超音波振動する振動子と、
この振動子が取着され上記処理液に超音波振動を与える振動板とを具備し、
上記超音波用電源装置は請求項1に記載された構成であることを特徴とする洗浄処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003090899A JP2004290940A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 超音波用電源装置及び超音波洗浄装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003090899A JP2004290940A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 超音波用電源装置及び超音波洗浄装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004290940A true JP2004290940A (ja) | 2004-10-21 |
Family
ID=33404403
Family Applications (1)
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JP2003090899A Pending JP2004290940A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 超音波用電源装置及び超音波洗浄装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004290940A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8973601B2 (en) | 2010-02-01 | 2015-03-10 | Ultrasonic Power Corporation | Liquid condition sensing circuit and method |
-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003090899A patent/JP2004290940A/ja active Pending
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US8973601B2 (en) | 2010-02-01 | 2015-03-10 | Ultrasonic Power Corporation | Liquid condition sensing circuit and method |
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