JP2008126099A - 脱気装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波振動子の発振から停止までの1回の脱気時間内で液体中の気泡を良好に浮上させて、効率良い脱気を促進できる脱気装置及び方法を提供する。
【解決手段】洗浄槽1内の液体2に超音波発振器10及び超音波振動子4により超音波を照射する脱気装置であって、超音波発振器10は、超音波振動子4の発振周波数に変調をかけた周波数を形成できる0/1信号Aとともに超音波振動子4が発振/停止を複数繰り返して超音波を照射させるON/OFF信号Bとを各々出力するマイコン11と、このマイコン11の0/1信号Aを入力して超音波振動子4を駆動させる信号波形Cを生成するDDS12と、当該信号波形CをON/OFF信号Bに従って処理する駆動信号Dを出力するドライブIC13と、このドライブIC13の駆動信号Dを入力して超音波振動子4に停止と発振とを繰り返させるスイッチング電力Eを印加する出力段14とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】洗浄槽1内の液体2に超音波発振器10及び超音波振動子4により超音波を照射する脱気装置であって、超音波発振器10は、超音波振動子4の発振周波数に変調をかけた周波数を形成できる0/1信号Aとともに超音波振動子4が発振/停止を複数繰り返して超音波を照射させるON/OFF信号Bとを各々出力するマイコン11と、このマイコン11の0/1信号Aを入力して超音波振動子4を駆動させる信号波形Cを生成するDDS12と、当該信号波形CをON/OFF信号Bに従って処理する駆動信号Dを出力するドライブIC13と、このドライブIC13の駆動信号Dを入力して超音波振動子4に停止と発振とを繰り返させるスイッチング電力Eを印加する出力段14とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、脱気装置及び方法に係り、より詳細には、被洗浄物に対する洗浄力を向上させるために超音波振動子により超音波を照射して液体中に存在する気体を脱気する脱気装置及び方法に関する。
従来、脱気装置は、一般に、脱気された液体を用いて超音波洗浄を行うと被洗浄物(半導体ウェハ基板やLCD用ガラス基板などの電子デバイス用基板)に対する洗浄力が向上するということが知られており、このような洗浄技術としてよく採用されていた。そして、従来の脱気装置としては、洗浄槽内の液体に超音波振動子から照射する超音波を、所定の周波数帯域幅に連続して変調させることで、液体に照射する超音波の音圧分布の周期を連続的に変化させ、超音波定在波を緩和、消滅させる構造がよく知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−290611号公報 前述した構造による実施の形態を、図6および図7を参照して説明する。図6は、従来の脱気装置の一実施形態による液体2中の時間経過に伴う超音波の音圧分布2aと脱泡2b作用とをモデル的に示す図である。また、図7は、図6に示した液体2中で周期が連続的に変化する音圧分布2aを示す図である。
図6に示すように、従来の脱気装置は、洗浄槽1の底部に装着した超音波振動子4から内部の液体2に超音波を伝播するように形成されている。この超音波振動子4には、液体に照射する周波数を、所定の周波数帯域幅に連続的に変調させることのできる超音波発振器20が連結されている。そして、このような装置を用いた従来の脱気方法では、液体2中で周期的に変調された連続的な超音波の照射により疎密波が形成されて音圧分布2aが発生し、所定の時間経過と共に最大音圧帯点cと最小音圧帯点dとからなる音圧分布2aが、液体2中を小刻みに移動する。また、この時間経過と共に移動する音圧分布2aは、図7に示すように、液体2中に伝播する疎密波により波長λの基準周波数、波長λ1の高周波数帯、及び波長λ2の低周波数帯のように各波長λ、λ1、λ2...λnの間隔ごとに各々連続した音圧分布2aによる定在波が生じ、液体2が満遍なく気層と触れる全体的なキャビテーションを発生させる。従って、液体2中を満遍なく移動するように発生したキャビテーションにより、液体2中の気泡2b同士が頻繁に群集、融合し合い、一つの気泡に大きく成長し、速やかに浮上して分離でき、効率的な脱気を実現できる。
このように、従来の脱気装置及び方法では、超音波振動子4から照射する超音波を変調して液体2中で音圧分布2aの周期を連続的に変化させることで、液体2中に満遍なく移動するキャビテーションが発生し、このキャビテーションによって気泡2bを押上げて頻繁に群集及び成長させながら速やかに浮上させて除去していた。
しかしながら、従来の脱気装置及び方法では、液体2を脱気する場合、図6に示したように、超音波振動子4の発振から停止までの1回の脱気時間内において、基準周波数、低周波数帯、及び高周波数帯を停止せずに連続して伝播させ、液体2中で常にキャビテーションを移動させるため、超音波振動子4の発振を停止しない限り、液体2中で細かい気泡2bが群集せず拡散してしまい全ての気泡2bを短時間で浮上させることは困難であった。この場合、液体2に基準周波数、低周波数帯、及び高周波数帯による連続した照射を完了した後、超音波振動子4の発振を停止して液体2中を安定させることで初めて細かい気泡2bが群集して浮上するため、浮上までの時間がかかり、例えば、浮上し切れない場合に再び発振を再開させて新たなキャビテーションを発生させるという発振及び停止を複数繰り返して脱気する必要があった。従って、従来の脱気装置及び方法では、気泡2bの除去状態に応じて超音波振動子4から連続的な超音波照射による長い脱気時間を複数回繰り返して脱気するため、脱気効率が悪く、洗浄工程に移行するまでの脱気工程に時間がかかり、全体的に生産が遅れるという不具合があった。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的は、超音波振動子の発振から停止までの1回の脱気時間内で液体中の気泡を良好に浮上させて、効率良い脱気を促進できる脱気装置及び方法を提供することにある。
本発明は上述した課題を解決するためになされたもので、洗浄槽内の液体に超音波発振器及び超音波振動子により超音波を照射して脱気する脱気装置であって、超音波発振器は、超音波振動子から照射する超音波の発振周波数に基づいてプログラムにより所定の周波数帯域幅に連続して変調をかけた周波数を形成できる0/1信号とともに超音波振動子から超音波の発振/停止を複数繰り返して照射させるON/OFF信号とを各々出力するマイコンと、このマイコンの0/1信号を入力して超音波振動子を駆動させる信号波形を生成するDDSと、マイコンのON/OFF信号及びDDSの信号波形を各々入力して当該信号波形をON/OFF信号に従って処理させる駆動信号を出力するドライブICと、ドライブICの駆動信号を入力して超音波振動子にスイッチング電力を印加してON/OFF信号に従った信号波形による信号ON時の停止と信号OFF時の発振とを1回の脱気時間内で複数繰り返すことで超音波を断続的に照射させる出力段とを備える。
また、本発明による脱気方法は、洗浄槽内の液体に超音波発振器及び超音波振動子により超音波を照射して脱気する脱気方法であって、超音波発振器のマイコンが超音波振動子から照射する超音波の発振周波数に基づいてプログラムにより所定の周波数帯域幅に連続して変調をかけた周波数を形成できる0/1信号とともに超音波振動子から超音波の発振/停止を複数繰り返して照射させるON/OFF信号とを各々出力する第1ステップと、超音波発振器のDDSがマイコンの0/1信号を入力して超音波振動子を駆動させる信号波形を生成する第2ステップと、超音波発振器のドライブICがマイコンのON/OFF信号及びDDSの信号波形を各々入力して当該信号波形をON/OFF信号に従って処理させる駆動信号を出力する第3ステップと、超音波発振器の出力段がドライブICの駆動信号を入力して超音波振動子にスイッチング電力を印加してON/OFF信号に従った信号波形による信号ON時の停止と信号OFF時の発振とを1回の脱気時間内で複数繰り返すことで超音波を断続的に照射させる第4ステップとを備える。
以上のように、本発明による脱気装置及び方法によれば、超音波振動子4から超音波を1回照射して脱気する時間内に、変調された信号波形CがON/OFF信号Bにより発振と停止とを複数繰り返して超音波を断続的に照射するため、この段階的に複数繰り返される停止時間毎に液体2中の浮上し切れない気泡2bを群集して容易に浮上及び消滅させることが可能となり、超音波振動子4による1回の脱気時間内で液体2を効率良く脱気できることで、洗浄工程に移行するまでの脱気時間を短縮し、全体的な生産性を向上することができる。
次に、添付図面を参照して本発明による脱気装置及び方法の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明による脱気装置の実施形態を示す構成図である。また、図2は、図1に示したマイコン11からドライブIC13に入力されるON/OFF信号Bを示す図である。また、図3は、図1に示したDDS12から出力される周波数変調のかかった信号波形Cを示す図である。また、図4は、図1に示した信号波形CとON/OFF信号Bとを入力してドライブIC13から出力される駆動信号Dを示す図である。また、図5は、図1に示した超音波振動子4の発振及び停止による液体2中の超音波音圧分布と脱泡作用とを示す図である。ここで、図1に示した洗浄槽1(液体2を含む)と超音波振動子4とは、図6に示した従来技術と同一の構成要素であり、同じ構成要素には同一符号を記載する。
図1に示すように、本発明による脱気装置の実施形態は、図6に示した従来技術と同様に、洗浄槽1の底部に装着した超音波振動子4から内部の液体2に超音波を伝播するように形成されている。また、超音波振動子4には、液体2に照射する周波数を、所定の周波数帯域幅に連続的に変調できる超音波発振器10が連結されている。ここで、本発明による脱気装置の実施形態は、図6に示した従来技術とは異なり、超音波発振器10の変調した信号波形Cにより超音波振動子4を発振から停止まで連続的に動作させるのではなく、その変調した信号波形Cを、複数回オン・オフしながら繰り返し出力することで、超音波を断続的に照射して脱気できるように形成されている。
ここで、超音波発振器10は、図1に示したように、超音波振動子4から照射する超音波の発振周波数に基づいてプログラムにより所定の周波数帯域幅に連続して変調をかけた周波数を形成できる0/1信号Aとともに超音波振動子4から超音波の発振/停止を複数繰り返して照射させるON/OFF信号Bとを各々出力するマイコン11と、このマイコン11の0/1信号Aを入力して超音波振動子4を駆動させる信号波形Cを生成するDDS12と、マイコン11のON/OFF信号B及びDDS12の信号波形Cを各々入力して当該信号波形CをON/OFF信号Bに従って処理させる駆動信号Dを出力するドライブIC13と、このドライブIC13の駆動信号Dを入力して超音波振動子4にスイッチング電力Eを印加してON/OFF信号Bに従った信号波形Cによる信号ON時の停止と信号OFF時の発振とを1回の脱気時間内で複数繰り返すことで超音波を断続的に照射させる出力段14とを備えている。
即ち、本実施の形態は、マイコン11からDDS12を介してドライブIC13に接続された信号波形ラインと、このマイコン11から直接ドライブIC13に接続されたON/OFF信号ラインとの2つの接続ラインを備えている点で、従来技術のように連続的に駆動させる信号波形ラインに加えて、その信号波形をON/OFFして断続的に出力させるON/OFF信号ラインを別途設けたことを特徴としている。
即ち、本実施の形態は、マイコン11からDDS12を介してドライブIC13に接続された信号波形ラインと、このマイコン11から直接ドライブIC13に接続されたON/OFF信号ラインとの2つの接続ラインを備えている点で、従来技術のように連続的に駆動させる信号波形ラインに加えて、その信号波形をON/OFFして断続的に出力させるON/OFF信号ラインを別途設けたことを特徴としている。
具体的に、マイコン11は、超音波振動子4から照射する超音波の発振周波数を、プログラムにより所定の周波数帯域幅に連続して変調をかけた周波数に形成できる0/1信号Aとして生成し、DDS12側に渡すように形成されている。ここで、超音波振動子4から照射する超音波の発振周波数は、超音波振動子4から液体2中に所定の周波数帯域幅に連続的に変調させながら照射する発振周波数の中心となる周波数であって、20KHz〜150KHzを用いている。そして、これに対して1%〜50%の範囲(例えば、±2KHz以内)でスイープ動作させて周波数変調する。また、マイコン11は、超音波振動子4の個々の特性、洗浄槽1の固有振動数、液体2特性、或いは気泡および溶存空気量等の情報を予め取り込めるように形成されている。そして、マイコン11は、所定のプログラムによって、上述した種々のデータに基づいて、変調した周波数の制御データとして数値で与えられる0/1信号Aを、DDS12側に出力するように形成されている。
また、マイコン11は、上述した0/1信号Aの出力とともに、超音波振動子4を発振/停止させて複数繰り返して超音波を照射させるON/OFF信号B(図2参照)を出力するように形成されている。このON/OFF信号Bは、図2に示すように、超音波振動子4が超音波を照射する1回の脱気時間内において、信号OFF時の発振と、信号ON時の停止とを、同一の間隔で複数繰り返す矩形波(Hi/Lo信号)として設定されてドライブIC13に出力される。また、ON/OFF信号Bは、超音波を発振させる信号OFF時に、後述するDDS12にて変調された0/1信号Aに基づき生成される信号波形Cを対応させ、超音波振動子4を断続的に発振及び停止させる信号として設定される。
また、DDS(ダイレクト・デジタル・シンセサイザ)12は、前述した制御中枢となるマイコン11から変調して数値で与えられる0/1信号Aに基づいて、図3に示すように、超音波振動子4を発振させる波形としての信号波形Cを生成する。即ち、DDS12は、マイコン11からのクロック信号(図示せず)に応じて動作し、数値で与えられる0/1信号Aに従って変化する周波数の信号波形Cを出力する。従って、DDS12は、マイコン11の数値制御に応じ、精密且つ自在に信号波形Cの周波数を調整できる。
また、ドライブIC13は、図1に示したマイコン11からのON/OFF信号B及びDDS12の信号波形Cを各々入力して増幅し、当該信号波形CをON/OFF信号Bに従って処理して、図4に示すように、超音波振動子4を発振/停止を繰り返す駆動信号Dを出力するように形成されている。ここで、駆動信号Dは、ドライブIC13に信号波形C及びON/OFF信号Bを各々入力して、信号OFF時の発振と信号ON時の停止とを1回の脱気時間内で交互に複数繰り返す超音波振動子4の駆動信号として、出力段14に出力される。
また、出力段14は、図1に示したドライブIC13から出力された駆動信号Dに基づいて超音波振動子4にスイッチング電力Eを増幅して印加するとともに、この印加時にスイッチング用FETとして作用して、ON/OFF信号Bに従った信号波形Cによる信号OFF時の発振と信号ON時の停止とを交互にオン・オフして与えるように形成されている。即ち、出力段14は、スイッチング回路であり、後述する電源17及び整流回路18から供給される電力を増幅し、駆動信号Dに従ってオン・オフしながらスイッチング電力E(高周波電圧及び高周波電流)を超音波振動子4に印加するものであって、超音波振動子4が1回の脱気時間内に停止と発振とを複数繰り返して超音波を断続的に照射するように作用させる役割をする。
そして、超音波発振器10には、図1に示したように、出力段14に交流電圧を供給する電源17と、この電源17からの交流電圧を直流に整流する整流回路18と、出力段14から出力されるオン・オフするスイッチング電力E(高周波電圧及び高周波電流)の電圧を昇圧又は降圧する出力トランス15と、この出力トランス15を介したスイッチング電力を力率補正して超音波振動子4に印加する力率補正部16とを備えている。ここで、出力トランス15は、出力段14からのスイッチング電力Eを入力し、巻線比に応じてトランス1次側電圧を昇圧又は降圧して、トランス2次側電圧より力率補正部16を介すことで超音波振動子4に高周波電力を印加するように形成されている。また、洗浄槽1に使われている超音波振動子4は、圧電素子なので容量性負荷である。故に、共振周波数で駆動させた時に、高周波電圧と高周波電流との位相差が無くなるように力率補正部16を超音波振動子4に対して接続する必要がある。
このような構成からなる脱気装置を用いて脱気する本発明による脱気方法を、図1〜5を参照して詳細に説明する。本発明による脱気方法は、図1に示したように、まず、超音波発振器10のマイコン11により、超音波振動子4から照射する超音波の発振周波数に基づいてプログラムにより所定の周波数帯域幅に連続して変調をかけた周波数を形成できる0/1信号Aとともに、超音波振動子4から超音波を発振/停止を複数繰り返して照射させるON/OFF信号Bとを、各々出力する第1ステップを実行する。
この際、0/1信号Aを出力するマイコン11での周波数変調は、前述した従来技術の特許文献1にも記載されているように、一例として、40KHzの基準周波数に対して5%の周波数変調帯域幅を設定した場合に、39KHzの低周波数側と41KHzの高周波数側とが連続交互に変調され、所定の変調周期、例えば毎秒60回連続して変調させることによって、液体2中の音圧分布を連続的に小刻みに移動させて、脱気(脱泡)効率を高めることができる。また、変調させる周波数の帯域幅は、基準周波数値に対し0.1%から100%の範囲を用いることが好ましく、特に基準周波数値に対し1%から50%の範囲を用いることが好ましい。また、超音波照射の変調周期は、毎秒1回から2000回の範囲で用いることが好ましい。これらの周波数帯域幅と変調周期は、洗浄槽1の形状および大きさ、液体2の粘度および組成等の液体特性、液体2中に含有する気泡および溶存空気量等に応じて適宜決定することができる。
また、マイコン11では、ON/OFF信号Bを出力する場合、前述した0/1信号Aの変調データや、予め入力した超音波振動子4の個々の特性、洗浄槽1の固有振動数、液体2特性、或いは気泡および溶存空気量等の種々の情報に基づいて、ON/OFF信号Bを設定する。具体的に、マイコン11は、例えば、超音波振動子4から前述した変調された超音波で連続して照射する場合の1回の脱気時間(60秒〜600秒)を算出し、この時間内に超音波の発振と停止とを少なくとも2回以上(複数)繰り返すようにON/OFF信号Bを設定する。即ち、図6に示した従来技術の連続した発振から停止までの1回の脱気時間と、図1に示した発振及び停止を複数繰り返して完全に停止するまでの1回の脱気時間とは、ほぼ同一であり一致させる。
この際、0/1信号Aを出力するマイコン11での周波数変調は、前述した従来技術の特許文献1にも記載されているように、一例として、40KHzの基準周波数に対して5%の周波数変調帯域幅を設定した場合に、39KHzの低周波数側と41KHzの高周波数側とが連続交互に変調され、所定の変調周期、例えば毎秒60回連続して変調させることによって、液体2中の音圧分布を連続的に小刻みに移動させて、脱気(脱泡)効率を高めることができる。また、変調させる周波数の帯域幅は、基準周波数値に対し0.1%から100%の範囲を用いることが好ましく、特に基準周波数値に対し1%から50%の範囲を用いることが好ましい。また、超音波照射の変調周期は、毎秒1回から2000回の範囲で用いることが好ましい。これらの周波数帯域幅と変調周期は、洗浄槽1の形状および大きさ、液体2の粘度および組成等の液体特性、液体2中に含有する気泡および溶存空気量等に応じて適宜決定することができる。
また、マイコン11では、ON/OFF信号Bを出力する場合、前述した0/1信号Aの変調データや、予め入力した超音波振動子4の個々の特性、洗浄槽1の固有振動数、液体2特性、或いは気泡および溶存空気量等の種々の情報に基づいて、ON/OFF信号Bを設定する。具体的に、マイコン11は、例えば、超音波振動子4から前述した変調された超音波で連続して照射する場合の1回の脱気時間(60秒〜600秒)を算出し、この時間内に超音波の発振と停止とを少なくとも2回以上(複数)繰り返すようにON/OFF信号Bを設定する。即ち、図6に示した従来技術の連続した発振から停止までの1回の脱気時間と、図1に示した発振及び停止を複数繰り返して完全に停止するまでの1回の脱気時間とは、ほぼ同一であり一致させる。
次に、第1ステップによりマイコン11から0/1信号Aが出力されると、この0/1信号Aを超音波発振器10のDDS12に入力し、図2に示した超音波振動子4を駆動させる周波数変調がかかった信号波形Cを生成する第2ステップを実行する。このDDS12は、マイコン11のクロック信号(図示せず)により駆動し、数値で与えられた0/1信号Aに従って変化する変調した周波数の信号波形CをドライブIC13に出力する。ここで、信号波形Cは、例えば、図2に示したような矩形波、または図6に示した正弦波などの波形に生成される。
次に、第1及び第2ステップによりマイコン11からのON/OFF信号BとDDS12からの信号波形Cとが各々出力されると、この両方の情報が超音波発振器10のドライブIC13に各々入力され、当該信号波形CをON/OFF信号Bに従って処理する駆動信号Dを出力する第3ステップを実行する。即ち、ドライブIC13を介して初めて変調した信号波形Cと、発振/停止させるON/OFF信号Bとの二つの周波数成分が一つに併合され、図4に示した停止/発振を複数繰り返す駆動信号Dとして出力される。
そして、第3ステップによるドライブIC13から駆動信号Dが出力されると、超音波発振器10のスイッチング用FETである出力段14に入力して、超音波振動子4にスイッチング電力(高周波電圧及び高周波電流)を印加するとともに、この印加時に前述したON/OFF信号Bに従った信号波形Cによる信号ON時の停止と信号OFF時の発振とを1回の脱気時間内で複数繰り返すスイッチング動作により、超音波振動子4が超音波を断続的に照射させる第4ステップを実行する。
ここで、第4ステップでは、出力段14から超音波振動子4にスイッチング電力を印加する場合、図1に示したように、まず電源17からの交流電圧を整流回路18に供給して直流に整流してやり、出力段14で増幅することで、出力トランス15にスイッチング電力Eとして伝送される。そして、出力トランス15では、伝送されたスイッチング電力Eの電圧を、巻線比に応じてトランス1次側電圧として昇圧又は降圧し、トランス2次側電圧を力率補正部16を介して、供給する。その後、このスイッチング電力を超音波振動子4に高周波電力として印加する。
ここで、第4ステップでは、出力段14から超音波振動子4にスイッチング電力を印加する場合、図1に示したように、まず電源17からの交流電圧を整流回路18に供給して直流に整流してやり、出力段14で増幅することで、出力トランス15にスイッチング電力Eとして伝送される。そして、出力トランス15では、伝送されたスイッチング電力Eの電圧を、巻線比に応じてトランス1次側電圧として昇圧又は降圧し、トランス2次側電圧を力率補正部16を介して、供給する。その後、このスイッチング電力を超音波振動子4に高周波電力として印加する。
このように、ドライブIC13から出力段14に図4に示した駆動信号Dが入力され、最終的に超音波振動子4による1回の脱気時間内に発振及び停止を複数回繰り返して液体2中に超音波を断続的に照射することができるため、図5に示すように、1回の脱気時間内に発振及び停止を複数繰り返して、この停止時に洗浄槽1の液体2中から気泡2bを浮上させて効率よく段階的に除去することができる。
以上、本発明による脱気装置及び方法の実施の形態を詳細に説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、超音波振動子が変調した超音波を連続的して照射する場合の1回の脱気時間を算出して、この時間内に超音波の発振と停止とを少なくとも2回以上(複数)繰り返すようにON/OFF信号を設定した実施の形態を詳しく説明したが、これに限定されるものではなく、連続的して照射する1回の脱気時間を算出せず、変調した超音波の発振と停止とを自由な時間内で複数繰り返すようにON/OFF信号を設定することもできる。具体的には、マイコンで時間が設置できるのは、図2に示した発振時間(Lo時間)と、発振及び停止を対に実行する併合時間(Hi+Lo時間)とであり、故に、停止時間(Hi時間)は勝手に決まるように設定される。ここで通常、発振時間は0.3秒〜1秒に設定し、併合時間は1.3〜5秒に設定しており、この条件下で発振及び停止する併合時間を複数繰り返すことで、前述した1回の脱気時間60〜600秒や、その他任意の時間に自由に合わせて設定することができる。
例えば、超音波振動子が変調した超音波を連続的して照射する場合の1回の脱気時間を算出して、この時間内に超音波の発振と停止とを少なくとも2回以上(複数)繰り返すようにON/OFF信号を設定した実施の形態を詳しく説明したが、これに限定されるものではなく、連続的して照射する1回の脱気時間を算出せず、変調した超音波の発振と停止とを自由な時間内で複数繰り返すようにON/OFF信号を設定することもできる。具体的には、マイコンで時間が設置できるのは、図2に示した発振時間(Lo時間)と、発振及び停止を対に実行する併合時間(Hi+Lo時間)とであり、故に、停止時間(Hi時間)は勝手に決まるように設定される。ここで通常、発振時間は0.3秒〜1秒に設定し、併合時間は1.3〜5秒に設定しており、この条件下で発振及び停止する併合時間を複数繰り返すことで、前述した1回の脱気時間60〜600秒や、その他任意の時間に自由に合わせて設定することができる。
1 洗浄槽
2 液体
4 超音波振動子
10 超音波発振器
11 マイコン
12 DDS
13 ドライブIC
14 出力段
15 出力トランス
16 力率補正部
17 電源
18 整流回路
2 液体
4 超音波振動子
10 超音波発振器
11 マイコン
12 DDS
13 ドライブIC
14 出力段
15 出力トランス
16 力率補正部
17 電源
18 整流回路
Claims (2)
- 洗浄槽(1)内の液体(2)に超音波発振器(10)及び超音波振動子(4)により超音波を照射して脱気する脱気装置において、
前記超音波発振器(10)は、
前記超音波振動子(4)から照射する超音波の発振周波数に基づいてプログラムにより所定の周波数帯域幅に連続して変調をかけた周波数を形成できる0/1信号(A)とともに、前記超音波振動子(4)から前記超音波の発振/停止を複数繰り返して照射させるON/OFF信号(B)とを各々出力するマイコン(11)と、
前記マイコン(11)の0/1信号(A)を入力して前記超音波振動子(4)を駆動させる信号波形(C)を生成するDDS(12:ダイレクト・デジタル・シンセサイザ)と、
前記マイコン(11)のON/OFF信号(B)及び前記DDS(12)の信号波形(C)を各々入力して当該信号波形(C)を前記ON/OFF信号(B)に従って処理させる駆動信号(D)を出力するドライブIC(13)と、
前記ドライブIC(13)の駆動信号(D)を入力して前記超音波振動子(4)にスイッチング電力(E)を印加して前記ON/OFF信号(B)に従った前記信号波形(C)による信号ON時の停止と信号OFF時の発振とを1回の脱気時間内で複数繰り返すことで超音波を断続的に照射させる出力段(14)と、
を備えたことを特徴とする脱気装置。 - 洗浄槽(1)内の液体(2)に超音波発振器(10)及び超音波振動子(4)により超音波を照射して脱気する脱気方法において、
前記超音波発振器(10)のマイコン(11)が前記超音波振動子(4)から照射する超音波の発振周波数に基づいてプログラムにより所定の周波数帯域幅に連続して変調をかけた周波数を形成できる0/1信号(A)とともに、前記超音波振動子(4)から前記超音波を発振/停止を複数繰り返して照射させるON/OFF信号(B)とを各々出力する第1ステップと、
前記超音波発振器(10)のDDS(12)が前記マイコン(11)の前記0/1信号(A)を入力して前記超音波振動子(4)を駆動させる信号波形(C)を生成する第2ステップと、
前記超音波発振器(10)のドライブIC(13)が前記マイコン(11)のON/OFF信号(B)及び前記DDS(12)の信号波形(C)を各々入力して当該信号波形(C)を前記ON/OFF信号(B)に従って処理させる駆動信号(D)を出力する第3ステップと、
前記超音波発振器(10)の出力段(14)が前記ドライブIC(13)の駆動信号(D)を入力して前記超音波振動子(4)にスイッチング電力(E)を印加して前記ON/OFF信号(B)に従った前記信号波形(C)による信号ON時の停止と信号OFF時の発振とを1回の脱気時間内で複数繰り返すことで超音波を断続的に照射させる第4ステップと、
を備えたことを特徴とする脱気方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006310481A JP2008126099A (ja) | 2006-11-16 | 2006-11-16 | 脱気装置及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006310481A JP2008126099A (ja) | 2006-11-16 | 2006-11-16 | 脱気装置及び方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=39552476
Family Applications (1)
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JP2006310481A Pending JP2008126099A (ja) | 2006-11-16 | 2006-11-16 | 脱気装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008126099A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012223730A (ja) * | 2011-04-21 | 2012-11-15 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 二酸化炭素回収システム |
JP2013084667A (ja) * | 2011-10-06 | 2013-05-09 | Hitachi Kokusai Denki Engineering:Kk | 超音波処理装置および超音波処理方法 |
RU2556937C2 (ru) * | 2013-11-19 | 2015-07-20 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Самарский государственный аэрокосмический университет имени академика С.П. Королева (национальный исследовательский университет)" (СГАУ) | Способ дегазации жидкости и устройство для его осуществления |
-
2006
- 2006-11-16 JP JP2006310481A patent/JP2008126099A/ja active Pending
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