JP2004285511A - トランスファーフェルト - Google Patents

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豊久 設楽
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Abstract

【課題】フェルトから湿紙への再湿潤防止性、及びフェルトと湿紙との剥離性に優れ、抄造する紙の表面平滑性を向上させることができるトランスファーフェルトを提供する。
【解決手段】本発明のトランスファーフェルト1Aは、表面ウェブ層2と、中間ウェブ層3と、基布4と、裏面ウェブ層5とが順次接合されており、この中間ウェブ層3は、複数のバリア層(材質;ポリテトラフルオロエチレン等)31a、31bと、各々のバリア層の間及び最も基布側のバリア層と基布との間のうち少なくとも各々のバリア層の間に配設された中間層32a、32bとからなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトランスファーフェルトに関する。更に詳しくは、フェルトから湿紙への再湿潤防止性、及びフェルトと湿紙との剥離性に優れ、抄造する紙の表面平滑性を向上させることができるトランスファーフェルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より製紙工程においては、ワイヤーパートで脱水された湿紙を受け取ってプレスパートへ運び、プレスロールの間を通して更に水を絞り、同時に湿紙の表面を平滑にしてドライパートに移行するために各種製紙用フェルトが利用されている。特に近年、製紙効率向上の観点から、製紙工程のプレスパートにおいて、ニップ幅の広いシュープレスを備え、且つノードロータイプ(湿紙のみの移行部分がなく、常時抄紙用具と接しているタイプ。)の抄紙機による抄造が主流になりつつある。この理由は、オープンドロータイプ(抄紙用具と湿紙とが離れ、湿紙のみの移行部分があるタイプ。)の抄紙機による抄造では、湿紙のみの移行部分で紙切れが発生し易く、抄造の高速化の弊害になっているからである。
また、ノードロータイプの抄紙機を用いる場合には、抄紙用具と湿紙とが長時間接触したままになるため、脱水された水分の一部が湿紙へ戻ってしまう再湿潤が問題となる。そのため、湿紙を次のパートに搬送するための再湿潤防止性に優れるトランスファーベルト(搬送用ベルト)やトランスファーフェルト(搬送用フェルト)が必要となる。このようなトランスファーベルト等として用いられるものとしては、既に特許文献1〜5等が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−89989号公報
【特許文献2】
特開2001−89990号公報
【特許文献3】
特開平6−57678号公報
【特許文献4】
特開平7−150496号公報
【特許文献5】
特開平3−8888号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1〜3に記載されているトランスファーベルトでは、表面に樹脂がコーティングされており再湿潤はほとんど生じないが、ベルト表面が平滑すぎて、抄造される紙の表裏比が大きくなりすぎ、紙の用途が限定されてしまう。更に、ベルトと湿紙とのシート剥離性を改善するために、ベルト表面に微細な凹凸を付けるべく様々な改良がなされてはいるが、フェルトの持つ繊維ウェブ層による凹凸な表面と同等なシート剥離性はまだ得られていない。
また、上記特許文献4、5に記載されているプレスフェルトでは、再湿潤を防止するための抵抗層を1層のみ備えているが、搾水性が重要視されたフェルトであるため、湿紙とフェルトとの間の水の動きを十分に抑制できず、プレスの際に紙の地合が崩れ、その結果、抄造される紙の表面平滑性に問題が生じる。
よって、湿紙への再湿潤防止性、及び湿紙の剥離性に優れ、且つ表面平滑性に優れる紙を抄造できるトランスファーフェルトが求められていた。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するものであり、フェルトから湿紙への再湿潤防止性、及び湿紙とフェルトとの剥離性に優れ、抄造する紙の表面平滑性を向上させることができるトランスファーフェルトを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下に示す通りである。
(1)表面ウェブ層と、中間ウェブ層と、基布と、裏面ウェブ層とが順次接合されており、該中間ウェブ層は、複数のバリア層と、各々のバリア層の間及び最も基布側のバリア層と上記基布との間のうち少なくとも上記各々のバリア層の間に配設された中間層と、からなることを特徴とするトランスファーフェルト。
(2)上記中間ウェブ層は、2層のバリア層と、各々のバリア層の間に配設された中間層とからなる上記(1)記載のトランスファーフェルト。
(3)上記中間ウェブ層は、2層のバリア層と、各々のバリア層の間及び基布側のバリア層と上記基布との間のそれぞれに配設された中間層とからなる上記(1)記載のトランスファーフェルト。
(4)上記バリア層がフッ素系樹脂により形成されている上記(1)乃至(3)のうちのいずれかに記載のトランスファーフェルト。
(5)上記バリア層の目付が10〜500g/mである上記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載のトランスファーフェルト。
【0007】
【発明の効果】
本発明のトランスファーフェルトによれば、表面ウェブ層にプレスフェルトと同等の微細な凹凸を表面に有する繊維状ウェブを使用しているため、シート剥離性を向上させることができ、その結果、抄造される紙の表面平滑性を向上させることができる。更には、複数のバリア層と中間層とからなる中間ウェブ層を備える構造となっているため、優れた再湿潤防止性が得られる。
また、上記中間ウェブ層を、2層のバリア層と、各々のバリア層の間に配設された中間層とした場合には、再湿潤防止性をより向上させることができる。
更に、上記中間ウェブ層を、2層のバリア層と、各々のバリア層の間及び基布側のバリア層と上記基布との間のそれぞれに配設された中間層とした場合には、再湿潤防止性をより向上させることができる。
また、上記バリア層をポリテトラフルオロエチレンにより形成した場合には、再湿潤防止性をより向上させることができる。
更に、上記バリア層の目付を特定の値とした場合には、フェルトから湿紙への再湿潤を十分に防止することができ、湿紙とフェルト間の水の移行が極めて少なくなるので、紙の繊維の配向性を崩すことがない。従って、通常湿紙から搾水された水は基布の目に流れ込み、その流れに沿って湿紙の繊維に配向性が生じ紙肌を阻害させるが、水の移行がないので湿紙は地合が崩れず平滑となり、表面平滑性に優れる紙を抄造できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のトランスファーフェルトの一例を図1(2層のバリア層と、2層の中間層とからなる中間ウェブ層を備える例)及び図2(2層のバリア層と、1層の中間層とからなる中間ウェブ層を備える例)に示す。
図1に示す本発明のトランスファーフェルト1Aは、表面ウェブ層2と、中間ウェブ層3と、基布4と、裏面ウェブ層5とが順次接合されており、この中間ウェブ層3は、バリア層31a、31bと、各々のバリア層の間及び最も基布側のバリア層と基布との間に配設された中間層32a、32bとからなる。また、図2に示す本発明のトランスファーフェルト1Bは、表面ウェブ層2と、中間ウェブ層3と、基布4と、裏面ウェブ層5とが順次接合されており、この中間ウェブ層3は、複数のバリア層31a、31bと、各々のバリア層の間に配設された中間層32とからなる。
尚、本発明のトランスファーフェルトにおいては、表面ウェブ層側が製紙面側(湿紙が載置される側)であり、裏面ウェブ層側が走行面側(上記製紙面側の反対側)である。
【0009】
本発明のトランスファーフェルトは、上記のように複数のバリア層と中間層とからなる中間ウェブ層を備える構造とすることにより、フェルト内部の水の動きを抑えられ、その結果、湿紙への再湿潤が防止される。また、湿紙とフェルトとの間で水の動きが少なくなり、紙の地合を崩すことなくプレスすることができ、その結果、表裏差が小さくなり、抄造する紙の表面平滑性が向上する。更に、バリア層の密度を高め、フェルトを緻密な構造とすることができる結果、基布の凹凸の影響が少なくなり、抄造する紙の表面平滑性が向上する。
【0010】
上記「表面ウェブ層」は、表面に微細な凹凸を有する繊維状ウェブからなり、この微細な凹凸によりシート剥離性を向上させることができ、その結果、抄造される紙の表面平滑性を向上させることができる。
この表面ウェブ層の材質は、特に限定されず、例えば、6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン等のポリアミドなどが挙げられる。この材質の繊度は、特に限定されず、用途に応じて種々設定することができる。
また、表面ウェブ層の目付は、特に限定されず、要求性能に応じて種々のものとすることができる。この目付は、通常50〜400g/m、好ましくは100〜300g/m、更に好ましくは150〜250g/mである。かかる範囲とすることにより、フェルトから湿紙への再湿潤を十分に防止することができ、湿紙とフェルト間の水の移行が極めて少なくなるので、紙の繊維の配向性を崩すことがない。従って、通常湿紙から搾水された水は基布の目に流れ込み、その流れに沿って湿紙の繊維に配向性が生じ紙肌を阻害させるが、水の移行がないので湿紙は地合が崩れず平滑となり、表面平滑性に優れる紙を抄造できる。
【0011】
上記「中間ウェブ層」は、複数のバリア層と、各々のバリア層の間及び最も基布側のバリア層と基布との間のうち少なくとも各々のバリア層の間に配設された中間層とからなるものである。
このバリア層の材質としては、フェルトと湿紙との間の水の動きを少なくでき、湿紙への再湿潤を防止できるものであれば特に限定されず、例えば、撥水性又は疎水性の繊維、親水性の繊維が挙げられる。撥水性又は疎水性の繊維としては、例えば、フッ素系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリアラミド、ポリイミド等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、親水性の繊維としては、吸湿性のポリアミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド及びレーヨン等の合成繊維、羊毛、綿等の天然繊維などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの繊維のなかでも、フッ素系樹脂が好ましく、特にポリテトラフルオロエチレンが好ましい。尚、材質等は、各々のバリア層において、種々設定することができる。また、これらの繊維は、溶融繊維と混紡されたものであってもよい。
【0012】
また、バリア層の目付は、特に限定されず、要求性能に応じて種々のものとすることができる。この目付は、通常10〜500g/m、好ましくは50〜400g/m、更に好ましくは100〜300g/mである。かかる範囲とすることにより、フェルトから湿紙への再湿潤を十分に防止することができ、湿紙とフェルト間の水の移行が極めて少なくなるので、紙の繊維の配向性を崩すことがない。従って、通常湿紙から搾水された水は基布の目に流れ込み、その流れに沿って湿紙の繊維に配向性が生じ紙肌を阻害させるが、水の移行がないので湿紙は地合が崩れず平滑となり、表面平滑性に優れる紙を抄造できる。尚、この目付は、各々のバリア層において、種々設定することができる。
また、バリア層の層数は、複数であれば特に限定されず、通常2〜4層、好ましくは2〜3層、より好ましくは2層である。かかる範囲とすることにより、フェルトから湿紙への再湿潤を十分に防止することができ、湿紙とフェルト間の水の移行が極めて少なくなるので、紙の繊維の配向性を崩すことがない。従って、通常湿紙から搾水された水は基布の目に流れ込み、その流れに沿って湿紙の繊維に配向性が生じ紙肌を阻害させるが、水の移行がないので湿紙は地合が崩れず平滑となり、表面平滑性に優れる紙を抄造できる。一方、緻密なバリア層の数が多すぎると、フェルト自体の含水量が増えてしまい、フェルトの水分が湿紙に移行してしまうことがある。
【0013】
上記「中間層」は、各々のバリア層の間、及び最も基布側のバリア層と基布との間のうち少なくとも各々のバリア層の間に配設されている。即ち、この中間層は、(1)各々のバリア層の間のみに配設されているか、(2)各々のバリア層の間、及び最も基布側のバリア層と基布との間のそれぞれに配設されている。
この中間層の材質、材質の繊度においては、前記表面ウェブ層の説明をそのまま適用できる。
中間層の目付は、特に限定されず、要求性能に応じて種々のものとすることができる。この目付は、通常50〜400g/m、好ましくは100〜300g/m、更に好ましくは150〜250g/mである。かかる範囲とすることにより、フェルトから湿紙への再湿潤を十分に防止することができ、湿紙とフェルト間の水の移行が極めて少なくなるので、紙の繊維の配向性を崩すことがない。従って、通常湿紙から搾水された水は基布の目に流れ込み、その流れに沿って湿紙の繊維に配向性が生じ紙肌を阻害させるが、水の移行がないので湿紙は地合が崩れず平滑となり、表面平滑性に優れる紙を抄造できる。
また、中間層の層数が複数である場合は、各々の層において、材質、目付等を用途に応じて種々設定することができる。
【0014】
また、本発明のトランスファーフェルトにおいて、この中間ウェブ層は、2層のバリア層と、各々のバリア層の間に配設された中間層とからなるものとすることができる。
更に、この中間ウェブ層は、2層のバリア層と、各々のバリア層の間及び基布側のバリア層と基布との間のそれぞれに配設された中間層とからなるものとすることができる。
【0015】
上記「基布」は、製紙用織物用糸により構成されるものである。この基布は、通常、緯糸及び経糸を織り込むことにより構成されるものであるが、製紙用織物用糸により構成されている限り特に限定はない。
また、基布を構成する製紙用織物用糸の種類、材質、性質についても特に限定はなく、求められる用途における性質を具備する種々のものを使用することができる。この材質としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド(6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン等の各種ナイロン等)、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、綿、ウール、金属等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。更には、共重合体やこれらの材質に目的に応じて種々の物質をブレンド又は含有させたものであってもよい。また、これらの線径についても種々のものとすることができる。更に、単一成分からなる単糸でなく、2成分以上の素材を用いる複合糸でもよい。また、単糸と複合糸とが併用されていてもよい。このような複合糸としては、単に第一素材に対し、第二素材を被覆する芯鞘構造の複合糸の他、特開2002−105760号に示すように、2成分以上の素材をらせん状に配列し、各成分を貼り合わせて単糸形状とした複合糸を用いることもできる。このような複合糸は、特に進行方向に横断する方向糸として用いられる。かかる複合糸を用いることにより、上記基布の表面平滑性、強度等の諸性質を必要に応じて種々のものとすることができる。
【0016】
基布の厚さは、特に限定はされず、用途に応じて様々な厚さとすることができる。この厚さは、通常0.2〜6mm、好ましくは1〜4mm、更に好ましくは1.5〜3.5mmとすることができる。
基布の構造は、特に限定されず、単層構造(一重織)でも、経糸2重以上、緯糸2重以上を織り込む等の方法により、少なくとも2層以上の多層構造(多重織)であってもよい。更には、単層構造、多重構造の各基布を重ねたラミネート構造であってもよい。この組み合わせとしては、単層構造と単層構造との組み合わせ、単層構造と多重構造との組み合わせ、多重構造と多重構造との組み合わせ等が挙げられる。特に、多層構造又はラミネート構造である場合は、耐久性を向上させて寿命延長を図ることができるので好ましい。
【0017】
上記「裏面ウェブ層」の材質、材質の繊度においては、前記表面ウェブ層の説明をそのまま適用できる。
また、裏面ウェブ層の目付は、特に限定されず、要求性能に応じて種々のものとすることができる。この目付は、通常10〜500g/m、好ましくは50〜400g/m、更に好ましくは100〜300g/mである。かかる範囲とすることにより、フェルトから湿紙への再湿潤を十分に防止することができ、湿紙とフェルト間の水の移行が極めて少なくなるので、紙の繊維の配向性を崩すことがない。従って、通常湿紙から搾水された水は基布の目に流れ込み、その流れに沿って湿紙の繊維に配向性が生じ紙肌を阻害させるが、水の移行がないので湿紙は地合が崩れず平滑となり、表面平滑性に優れる紙を抄造できる。
【0018】
本発明のトランスファーフェルトの製造方法は、特に限定されず、基布に、表面ウェブ層、中間ウェブ層及び裏面ウェブ層を、公知の方法、例えば、ニードリング等により一体化して形成することができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明する。
[1]トランスファーフェルトの構成
本実施例1のトランスファーフェルトにおける縦方向断面の説明図を図1に示す。本実施例1のトランスファーフェルト1Aは、表面ウェブ層2と、中間ウェブ層3と、基布4と、裏面ウェブ層5とが順次接合されている。そして、中間ウェブ層3は、バリア層31a、31bと、各々のバリア層の間に配設された中間層32a、及び最も基布側のバリア層と基布との間に配設された中間層32bとからなる。
【0020】
上記表面ウェブ層2は、ポリアミドにより形成された目付190g/mのウェブである。
上記中間ウェブ層3を構成するバリア層31a及び31bは、共にポリテトラフルオロエチレン繊維80%と溶融繊維(材質;ポリアミド、EMS社製、商品名「グリロン140」)20%との混紡繊維により形成された目付120g/mの不織布である。また、中間層32a及び32bは、共にポリアミドにより形成された目付100g/mの不織布である。
上記基布4は、ラミネート構造であり、ポリアミドにより形成された基布(単層構造)と、ポリアミドにより形成された基布(単層構造)とが重ねられて構成された目付570g/m(290g/m+280g/m)の織布である。上記裏面ウェブ層5は、ポリアミドにより形成された目付100g/mのウェブである。
尚、上記表面ウェブ層2、中間ウェブ層3及び裏面ウェブ層5は、上記基布4に重ねられ、ニードリング等の公知の方法により結合されている。
【0021】
また、比較例1として、上記実施例1のトランスファーフェルトにおける表面ウェブ層の目付を630g/mとし、且つ中間ウェブ層3を除いたこと以外は、実施例1と同様にしてトランスファーフェルトを作製した。
【0022】
[2]トランスファーフェルトの評価
実施例1及び比較例1の各トランスファーフェルトの表面平滑性及び再湿潤防止性を下記の方法により評価した。
(1)表面平滑性
実施例1及び比較例1の各トランスファーフェルトと、坪量40g/m、70g/m及び120g/mの試験用手漉きパルプシートとを重ね、プレスロール加圧条件78.5kN/mで実験用抄紙機によりプレスし、脱水してパルプシートの表面平滑性を、KRKベック平滑度試験機(HP型)を用いてJIS P8119の方法により調べた。その結果を表1に示す。
尚、JIS P 8119の方法により調べたベック平滑度とは、真空度を水銀柱370mmに保った時に10mlの空気が試験片面と台のガラス表面の間を通過する時間を測定した値であり、この時間が長く、値が大きい程試験片の表面が平滑であることを示す。
【0023】
(2)再湿潤防止性
実施例1及び比較例1の各トランスファーフェルトの再湿潤防止性を、濾紙の水分増加率、及び搾水性により評価した。
▲1▼濾紙による水分増加率
フェルトの含水量を各々50%に調整した実施例1及び比較例1の各トランスファーフェルトと、乾燥した濾紙とを重ね、プレスロール加圧条件78.5kN/mで実験用抄紙機によりプレスし、各濾紙の水分増加率を下記式より求めた。その結果を表2に示す。尚、試行回数は、20回であり、この水分増加率が小さいほど、再湿潤防止性に優れる。
(水分増加率)=(プレス後の濾紙の重量)/(プレス前の濾紙の重量)
▲2▼搾水性
フェルトの含水率を各々30%に調整した実施例1及び比較例1の各トランスファーフェルトと、坪量30g/m、70g/m及び120g/mの試験用手漉きパルプシート(シート水分;60%)とを重ね、プレスロール加圧条件78.5kN/mで実験用抄紙機によりプレスし、脱水してパルプシートの搾水比を下記式より求めた。その結果を表3に示す。尚、この搾水比が大きい程、搾水性に優れる。
(搾水比)=(プレス前の水分比)−(プレス後の水分比)
[但し、(水分比)=(水分含有シートの重量)/(シートの絶乾重量)]
【0024】
【表1】
Figure 2004285511
【0025】
【表2】
Figure 2004285511
【0026】
【表3】
Figure 2004285511
【0027】
表1によれば、バリア層を有する実施例1のトランスファーフェルトは、バリア層を有していない比較例1のトランスファーフェルトと比較して、各シート坪量におけるベック平滑度が大きいことから、実施例1のトランスファーフェルトは表面平滑性に優れていることが判る。
【0028】
また、表2及び表3によれば、バリア層を有する実施例1のトランスファーフェルトは、バリア層を有していない比較例1のトランスファーフェルトと比較して、濾紙の水分増加率が小さく、且つ各シート坪量における搾水比が大きいことから、実施例1のトランスファーフェルトは再湿潤防止性に優れていることが判る。
【0029】
尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて種々変更した実施例とすることができる。例えば、実施例1の中間ウェブ層を、図2に示すように、バリア層31a、31bと、各バリア層の間に配設された中間層32とからなるものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のトランスファーフェルトにおける縦方向断面の説明図である。
【図2】本発明のトランスファーフェルトの一例における縦方向断面の説明図である。
【符号の説明】
1A、1B;トランスファーフェルト、2;表面ウェブ層、3;中間ウェブ層、31a、31b;バリア層、32、32a、32b;中間層、4;基布、5;裏面ウェブ層。

Claims (5)

  1. 表面ウェブ層と、中間ウェブ層と、基布と、裏面ウェブ層とが順次接合されており、該中間ウェブ層は、複数のバリア層と、各々のバリア層の間及び最も基布側のバリア層と上記基布との間のうち少なくとも上記各々のバリア層の間に配設された中間層と、からなることを特徴とするトランスファーフェルト。
  2. 上記中間ウェブ層は、2層のバリア層と、各々のバリア層の間に配設された中間層とからなる請求項1に記載のトランスファーフェルト。
  3. 上記中間ウェブ層は、2層のバリア層と、各々のバリア層の間及び基布側のバリア層と上記基布との間のそれぞれに配設された中間層とからなる請求項1に記載のトランスファーフェルト。
  4. 上記バリア層がフッ素系樹脂により形成されている請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のトランスファーフェルト。
  5. 上記バリア層の目付が10〜500g/mである請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のトランスファーフェルト。
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