JP4524246B2 - 湿紙搬送用ベルト - Google Patents

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Description

本発明は湿紙搬送用ベルト(以下、単に「ベルト」と記す場合がある。)、特に、高速で湿紙を搬送するための湿紙搬送用ベルトに関する。
近年、抄紙機においては、更なるスピードアップを図るため、オープンドローを有さない、クローズドドロー抄紙機が開発されている。
典型的なクローズドドロー抄紙機を、図5に基づき説明する。
同図において、破線で示される湿紙WWは、プレスフェルトPF1、PF2、湿紙搬送用ベルトTB、ドライヤファブリックDFに支持され、右から左に向かって搬送される。これらのプレスフェルトPF1、PF2、湿紙搬送用ベルトTB、ドライヤファブリックDFは、周知のように無端状に構成された帯状体であり、ガイドローラGRで支持されている。シューPSは、プレスロールPRに対応した凹状となっている。このシューPSは、シュープレスベルトSBを介して、プレスロールPRとともにプレス部PPを構成している。
湿紙WWは、図示しないワイヤーパート、第一プレスパートを順次通過し、プレスフェルトPF1からプレスフェルトPF2へ受け渡される。そして、プレスフェルトPF2により、プレス部PPに搬送される。プレス部PPにおいて、湿紙WWは、プレスフェルトPF2と湿紙搬送用ベルトTBとにより挟持された状態で、シュープレスベルトSBを介したシューPSと、プレスロールPRとにより加圧される。
プレスフェルトPF2は透水性が高く、湿紙搬送用ベルトTBは透水性が非常に低く構成されている。よって、プレス部PPにおいて、湿紙WWからの水分は、プレスフェルトPF2に移行する。プレス部PPを脱した直後においては、急激に圧力から解放されるため、プレスフェルトPF2、湿紙WW、湿紙搬送用ベルトTBの体積が膨張する。この膨張と、湿紙WWを構成するパルプ繊維の毛細管現象とにより、プレスフェルトPF2内の一部の水分が、湿紙WWへと移行してしまう、いわゆる、再湿現象が生じるが、湿紙搬送用ベルトTBは透水性が非常に低く構成されているので、その内部に水分を保持することはない。よって、湿紙搬送用ベルトTBから再湿現象は殆ど発生せず、湿紙搬送用ベルトTBは湿紙の搾水効率向上に寄与する。なお、プレス部PPを脱した湿紙WWは、湿紙搬送用ベルトTBにより搬送される。そして、湿紙WWは、サクションロールSRにより吸着され、ドライヤファブリックDFによりドライヤ工程へと搬送される。
湿紙搬送用ベルトTBには、次工程へ湿紙WWを受け渡す際に、湿紙をスムーズに離脱(紙離れ)させる機能が要求される。
この機能を具えた湿紙搬送用ベルトの一例として、湿紙搬送用ベルトの湿紙側層を、高分子弾性部と繊維体とにより構成し、この高分子弾性部と繊維体のどちらか一方を疎水性の素材で構成したものが特許文献1に開示されている。この湿紙搬送用ベルトは、疎水性の素材の作用により、プレス部を脱した後に、湿紙と湿紙搬送用ベルトとの間に形成される薄い水膜を破壊することができるため、次工程への湿紙の受渡をスムーズに行うことができる。
一方、プレス部を脱出した直後の湿紙を積極的にその表面に貼付ける機能の重要性も、認識されるようになってきた。
特許文献1の湿紙搬送用ベルトは、湿紙をベルトからスムーズに離脱させる機能を有するが、プレス部を脱した直後に、湿紙とベルト間の水膜を破壊するため、プレス脱出直後の湿紙がベルト表面に良好に貼付かず、次工程へ移動される最中や、次工程への受渡の際に、湿紙が破断されることがあった。
この問題を解決するために、本発明者は、特許文献2において、湿紙搬送用ベルトの湿紙側層を、高分子弾性部と繊維体とにより構成し、繊維体の一部を表面に露出させた湿紙搬送用ベルトを提案した。特許文献2の湿紙搬送用ベルトによれば、湿紙側層の表面から露出した親水性の繊維体により、湿紙からの水が保持されるため、ベルトに湿紙を貼付けて搬送する機能と、次工程へ湿紙を受け渡す際に湿紙をスムーズに離脱させる機能を両立させることができる。
特開2001−89990号公報 特開2004−277971号公報
しかし、特許文献2の湿紙搬送用ベルトは、湿紙が有する水分の一部が、湿紙側層の親水性繊維内に包含され、これにより親水性繊維が膨脹するため、基体の寸法安定性が悪化するという問題がある。湿紙搬送用ベルトの湿紙側層には公定水分率が高いレーヨン繊維やナイロン繊維をバット層繊維として使用されるが、これらの公定水分率が高いバット層は吸水による寸法変化が大きいことが分かっている。このような寸法変化の大きいバット層で構成された湿紙搬送用ベルトは、走行方向や巾方向へ伸長したり、又は部分的に伸長して湿紙搬送用ベルトが波打ち状態で走行する場合があった。
このような寸法変化の傾向は、湿紙側のバット層繊維の公定水分率が高いほど大きく、少ないほど小さく安定していることが分かっている。しかし公定水分率が低いバット層繊維では、湿紙搬送用ベルトの機能を損なうことがあった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、湿紙をベルトに貼付けて搬送する機能と、次工程へ湿紙を受け渡す際に湿紙をスムーズに離脱させる機能を両立させるとともに、前記のような寸法変化の少ない湿紙搬送用ベルトを提供することを目的とする。
本発明は、クローズドドロー抄紙機のプレスパートで使用され、基体と湿紙側層と機械側層とを具えた湿紙搬送用ベルトにおいて、
前記湿紙側層が、公定水分率が4.0%以上の親水性繊維からなる湿紙接触側バット層と、該親水性繊維より公定水分率が4.0%以上低い繊維からなる基体側バット層からなり、
高分子弾性体が少なくとも前記湿紙接触側バット層に含浸され、
前記親水性繊維の少なくとも一部が前記湿紙接触側バット層の表面に露出していることを特徴とする湿紙搬送用ベルトによって、前記の課題を解決した。
本発明の湿紙搬送用ベルトは、湿紙側層が2層からなり、2層のうち湿紙に接触する側のバット層が公定水分率が4.0%以上の親水性繊維で構成されているのに対し、基体側のバット層は親水性繊維より公定水分率が4.0%以上低い繊維からなるため、湿紙接触側バット層に湿紙の水分がより多く留まり、基体側バット層には水分の移行が少ない。その結果、湿紙接触側バット層は膨脹するが基体側バット層は膨脹しないから、湿紙搬送用ベルトの湿紙側層の全体の膨脹は僅かであり、ベルトの寸法変化を少なくすることができる。
また、湿紙側層表面に露出した親水性繊維により、湿紙からの水分が保持されるため、ベルトに湿紙を貼付けて搬送する機能と、次工程へ湿紙を受け渡す際に湿紙がスムーズに離脱する機能を両立させることができる。
以下、本発明の湿紙搬送用ベルトについて詳しく説明する。
図1は本発明の第1実施形態の湿紙搬送用ベルトのCMD方向断面図、図2は平面図である。
図1に示すように、湿紙搬送用ベルト10は、基体30と、湿紙側層20と機械側層23とを具え、湿紙側層20は、湿紙接触側バット層21と、この湿紙接触側バット層21の内側に配された基体側バット層22の2層からなる。
湿紙接触側バット層21は公定水分率が4.0%以上の親水性繊維41で構成され、基体側バット層22は当該親水性繊維41よりも公定水分率が4.0%以上低い繊維で構成されている。すなわち、湿紙接触側バット層21は吸水性が高く、基体側バット層22は、湿紙接触側バット層21と比べて吸水性が低く構成されている。
湿紙接触側バット層21及び基体側バット層22には高分子弾性体50が含浸され、図2に示すように、親水性繊維41の一部が湿紙接触側バット層21の表面に露出している。
なお、「露出」とは、湿紙接触側バット層21の表面に現れている状態を指すものであり、親水性繊維41が湿紙接触側バット層21の表面から突出しているか否かを問わない。また、図2は、湿紙接触側バット層21の表面に親水性繊維41が露出した状態の1例を示したものであり、この状態に限定されない。
以下、便宜上、湿紙接触側バット層21を「第1バット層」、基体側バット層22を「第2バット層」、機械側層23を「第3バット層」という。
第1バット層21、第2バット層22、第3バット層23は、ステープルファイバーから構成される。これらのうち第1バット層21のステープルファイバーとして公定水分率が4.0%以上の親水性繊維41が用いられ、第2バット層22及び第3バット層23には、後述するように、当該親水性繊維41よりも公定水分率が4.0%以上低い繊維が用いられる。
第2バット層22及び第3バット層23は、ニードルパンチングにより、それぞれ基体30の湿紙側及び機械側に絡合一体化され、第1バット層21は、第2バット層22に絡合一体化されている。なお、バット層を一体化させる手段としては、ニードルパンチングの他、静電気植毛等でも行うことができる。
第1バット層21を構成する親水性繊維41における「親水性」とは、水分を引き寄せる性質及び/又は水分を保持する性質を指し、本発明では、「親水性」の特性を、JIS L0105(繊維製品の物理試験方法通則)に記載された「公定水分率」で表す。
親水性繊維41は、公定水分率が4%以上のものが好ましく用いられ、具体的には、ナイロン(公定水分率4.5%)、ビニロン(同5.0%)、アセテート(同6.5%)、レーヨン(同11.0%)、ポリノジック(同11.0%)、キュプラ(同11.0%)、綿(同8.5%)、麻(同12.0%)、絹(同12.0%)、羊毛(同15.0%)等の親水性繊維のグループから選ばれる。ここで、括弧内の数値は公定水分率である。公定水分率が4%未満の繊維を用いた場合、湿紙からの水分が十分に保持されないため、ベルトに湿紙を貼付けて搬送する機能を十分に発揮することができない。
また、親水性繊維41として、繊維の表面に化学的な親水処理を施したものも使用することができる。具体的には、当業者に周知である、マーセライズ加工、樹脂加工、電離放射線照射によるスパッタリング、グロー放電加工等を行ったものがある。なお、親水処理をする場合、この処理を施されたモノフィラメント又は紡績糸の水分が30〜50%になるように調湿した条件下で、水との接触角が30°以下であると、良好な結果を得ることができる。なお、上記モノフィラメント又は紡績糸の水分のパーセンテージは、(水/全体重量)×100の式で算出される。
第1バット層21の表面に親水性繊維41を露出させることは、第1バット層21及び第2バット層22に高分子弾性体50を含浸・硬化させた後、第1バット層21の表面を、サンドペーパーや砥石等で研磨することにより行なわれる。 この際、研磨による親水性繊維41が切断されるのを防ぐために、親水性繊維41は、0.8g/dtex以上の強度があることが望ましい。
第2バット層22は、第1バット層21の親水性繊維41に保持された水分が第2バット層22に移行しないように、親水性繊維41よりも親水性の低いもの、すなわち、公定水分率の低い繊維42で構成される。具体的には、前記公定水分率が4%以上の親水性繊維のグループから、親水性繊維41との公定水分率の差が4%以上になるものを選ぶか、或いは公定水分率の低いビニリデン(公定水分率0%)、ポリ塩化ビニル(同0%)、ポリエチレン(同0%)、ポリプロピレン(同0%)、ポリエステル(同0.4%)、芳香族ポリアミド(同0.4%)、ポリウレタン(同1.0%)、アクリル(同2.0%)等の繊維群の中から選択されるが、湿紙搬送用ベルトとして適度なクッション性(弾性持続性)と強度持続性に優れるポリエステル繊維が好ましく用いられる。
第3バット層23に用いられる繊維43は、第2バット層22の繊維42と同一でもよく、また、第2バット層22と異なる繊維としてもよい。
第3バット層23を第2バット層22と異なる繊維で構成する場合、第2バット層22の繊維42には公定水分率の低いポリエステル繊維を用い、ロールに当接する第3バット層23の繊維43には、ポリエステル繊維と耐摩耗性に優れるナイロン繊維を混綿して用いることができる。
また、湿紙側層20を構成する第1バット層21の坪量は50〜600g/m2の範囲、第2バット層22の坪量は100〜600g/m2の範囲、及び第3バット層23の坪量は0〜600g/m2の範囲で適宜設定することが好ましい。
図3は本発明の第2実施形態の湿紙搬送用ベルトのCMD方向断面図である。 第2実施形態の湿紙搬送用ベルト10では、第1バット層21のみに高分子弾性体50を含浸させている。
第1バット層を構成する親水性繊維41、第2、第3バット層を構成する繊維42、43、及び、高分子弾性体50を硬化させた後に第1バット層23表面に親水性繊維42の一部を露出させる方法については、第1実施形態と同様である。
また、図示しないが、第1、第2実施形態の他に、高分子弾性体50を、基体30及び第3バット層23まで含浸させた構成としてもよい。すなわち、湿紙搬送用ベルト10全体に高分子弾性体50を含浸させた構成とすることもできる。
高分子弾性体50としては、ウレタン、エポキシ、アクリル等の熱硬化性樹脂、又はポリアミド、ポリアリレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂を適宜使用することができる。
基体30は、図1及び図3に示すように、MD方向糸材と、CMD方向糸材を織成することにより得られた織布が好ましく用いられるが、これに限定されず、MD方向糸材とCMD方向糸材を織成せずに重ねた構成、フィルム、編物、細い帯状体をスパイラルに巻回して幅広の帯状体を得た構成等、種々の構成を適宜採用することができる。
なお、湿紙搬送用ベルト10は、基本的に通気性はゼロであるのが好ましいが、使用される抄紙機によっては、多少の通気性が要求されることも考えられる。この場合は、高分子弾性体50の含浸量を少なくしたり、研磨量を多くしたり、連続気泡入りの高分子弾性体を使用することにより、所望の構成が得られる。
しかし、この場合であっても、湿紙搬送用ベルトの目的に鑑みて、通気度は2cc/cm2/sec以下であることが好ましい。なお、この通気度は、JIS L 1096(一般織物試験方法)に規格されているA法(フラジール形試験機)によって測定されるものである。
本発明の湿紙搬送用ベルトを、以下の実施例によって具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
工程1:基体としてナイロン撚糸(500dtex単糸を3本撚ったもの)からなる平織りの織布(坪量400g/m2)を用い、この無端状の織布の外周面にナイロン6繊維(20dtexのステープルファイバー、公定水分率4.5%)、内周面にポリエステル繊維(20dtexのステープルファイバー、公定水分率0.4%)をニードルパンチングして、基体(織布)の表裏に第2バット層及び第3バット層(坪量300g/m2)を絡合一体化して設けた。
さらに、第2バット層の表面に親水性繊維のレーヨン(6dtexのステープルファイバー、公定水分率約11%、)をニードルパンチして、第1バット層(坪量200g/m2)を形成し、密度0.45g/cm3のニードルフェルトを得た。
工程2:ニードルフェルトに、ヒートプレスを行うことにより、ステープルファイバーの密度を約0.50g/cm3とした。
工程3:ニードルフェルトの外周面より、高分子弾性体のウレタン樹脂を含浸させた。この際、ウレタン樹脂は、織布の中心位置から外周面を覆うまで、すなわち、第1バット層及び第2バット層全体に含浸させた(含浸量1000g/m2)。
工程4:ウレタン樹脂を硬化させた。
工程5:ウレタン樹脂の外周面をサンドペーパーで研磨した。
以上の工程により、外周面(湿紙側層表面)に、レーヨン繊維が露出しているベルトを得た。
(実施例2)
前記実施例1の工程3において、コーターバーを用いて、ウレタン樹脂がニードルフェルトの第1バット層のみを含浸するように調整した(含浸量400g/m2)。それ以外は実施例1と同様にして、レーヨン繊維が露出しているベルトを得た。
(実施例3)
実施例1の工程1において、織布の外周面・内周面にそれぞれポリエステル繊維(20dtexのステープルファイバー、公定水分率0.4%)をニードルパンチングして、基体(織布)の表裏に第2バット層及び第3バット層(坪量300g/m2)を絡合一体化して設けた。それ以外は実施例1と同様にして、レーヨン繊維が露出しているベルトを得た。
(実施例4)
前記実施例3の工程1において、第2バット層の表面に親水性繊維のナイロン6(6dtexのステープルファイバー、公定水分率約4.5%、)をニードルパンチして、第1バット層(坪量200g/m2)を形成し、密度0.45g/cm3のニードルフェルトを得た。それ以外は実施例1と同様にして、ナイロン6繊維が露出しているベルトを得た。
(比較例1)
前記実施例1の工程1において、織布の外周面・内周面にそれぞれレーヨン(6dtexのステープルファイバー、公定水分率約11%、)を用い、第2バット層及び第3バットを設けた。それ以外は実施例1と同様にして、レーヨン繊維が露出しているベルトを得た。
(比較例2)
前記実施例1の工程1において、第2バット層の表面にポリエステル繊維(6dtexのステープルファイバー、公定水分率約0.4%、)をニードルパンチして、第1バット層(坪量200g/m2)を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、ポリエステル繊維が露出しているベルトを得た。
これらの湿紙搬送用ベルトについて、図4に示す装置を使用して、以下の実験を行った。
この装置は、プレス部を形成する一対のプレスロールPR,PRと、プレスロールPR,PRに挟持されるプレスフェルトPFと湿紙搬送用ベルト10とにより構成される。なお、このプレスフェルトPFと湿紙搬送用ベルト10は、複数のガイドローラGRにより、一定の張力を保ちつつ支持されており、プレスロールPRの回転に連れ回りすることにより、駆動される。
なお、ドライヤファブリックDFは、便宜上一部のみ図示されているが、プレスフェルトPF、湿紙搬送用ベルト10と同様に、無端状に構成され、ガイドローラGRに支持されるとともに、駆動されている。
この装置において、湿紙WWは、プレス部よりも上流側に位置する湿紙搬送用ベルト10上へ載置される。湿紙WWは、プレス部を通過し、さらに湿紙搬送用ベルト10により搬送され、サクションロールSRまで到達する。ここで、湿紙WWは、このサクションロールSRの吸引により、ドライヤファブリックDFへと移行される。
この装置を用いて実験を行い、下記の3点について、湿紙搬送用ベルトの性能の評価を行った。
1.湿紙WWの、プレス部を脱した直後における、湿紙搬送用ベルト10への移行安定性。
2.湿紙WWの、ドライヤファブリックDFへの移行安定性。
3.実験開始直後の湿紙搬送用の寸法(走行方向及び巾方向)を100とし、実験100時間後のベルト寸法を計測して、ベルトの寸法変化を評価した。
なお、実験に当たっては、1,2は、目視により評価を行った。
なお、実験は、装置の駆動速度が150m/min、プレス部の加圧圧力が40kg/cm、サクションロールSRの真空度が150mmHg、ベルトの張力が4kg/cmの一定条件のもとに行なった。
湿紙WWとして、クラフトパルプにより構成され、坪量80g/m2、ドライネス50%のものを使用した。
また、プレスフェルトPFとしては、織布と、織布にニードルパンチングにより絡合一体化されたバット層とからなる、一般的な構造のものが採用された。なお、このプレスフェルトPFの物性として、坪量1200g/m2、バット繊度5.6dtex、フェルト密度0.45g/cm3のものを使用した。
実験の結果を、表1に示す。
Figure 0004524246
表1より、実施例1〜4では、走行方向・巾方向いずれも伸長が少なく、比較例1と比べて寸法安定性が向上しているのが分かる。
また、実施例1〜4は、プレス後の湿紙貼付け、及び次工程への湿紙受渡という、湿紙搬送用ベルトに要求される機能を、十分に発揮することが確認された。
なお、比較例1では、プレス後の湿紙貼付け、及び次工程への湿紙受渡機能については実施例と同等の結果が得られたが、ベルトの寸法変化が大きく、寸法安定性が向上していない。これは、第1、第2、第3バット層すべてを親水性繊維で構成したため、親水性繊維が水分を包含して膨脹してしまい、そのため機械の走行方向と巾方向に伸長してしまい、湿紙搬送用ベルトとしての寸法安定性が悪くなるものと考えられる。
また、比較例2では、ベルトの寸法変化は実施例と同等の結果が得られたが、プレス脱出直後に湿紙がフェルト側に移行してしまい、プレス後の湿紙貼付け機能を果たさなかった。これは、第1バット層を公定水分率の低いポリエステル繊維で構成したため、プレス直後に湿紙とベルトとの間に形成される水膜が破壊されすぎるからであると考えられる。
本発明の第1実施形態の湿紙搬送用ベルトの概要を示すCMD方向断面図。 本発明の湿紙搬送用ベルトの概要を示す平面図。 本発明の第2実施形態の湿紙搬送用ベルトの概要を示すCMD方向断面図。 実施例の湿紙搬送用ベルトの性能を評価するための装置の概要図。 典型的なクローズドドロー抄紙機の概要図。
符号の説明
10:湿紙搬送用ベルト
20:湿紙側層
21:湿紙接触側バット層(第1バット層)
22:基体側バット層(第2バット層)
23:機械側層(第3バット層)
30:基体
41:親水性繊維
50:高分子弾性体

Claims (1)

  1. クローズドドロー抄紙機のプレスパートで使用され、基体と湿紙側層と機械側層とを具えた湿紙搬送用ベルトにおいて、
    前記湿紙側層が、公定水分率が4.0%以上の親水性繊維からなる湿紙接触側バット層と、該親水性繊維より公定水分率が4.0%以上低い繊維からなる基体側バット層からなり、
    高分子弾性体が少なくとも前記湿紙接触側バット層に含浸され、
    前記親水性繊維の少なくとも一部が前記湿紙接触側バット層の表面に露出していることを特徴とする、
    湿紙搬送用ベルト。
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