JP2004284500A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】リブの端部が部分的に摩耗する偏摩耗を効果的に改善することが可能な重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ子午線断面形状を曲率半径Rの円弧から構成したトレッド面1にタイヤ周方向Tに延在する主溝2を設け、この主溝2によりリブ3を形成した重荷重用空気入りラジアルタイヤであり、主溝2に面するリブ3の端部3Aをトレッド面1より窪ませ、その窪ませたリブ3の端部表面3A1と、タイヤセンターラインCLと円弧との交点Oとの間のタイヤ径方向差hを特定の範囲にする。
【選択図】図2
【解決手段】タイヤ子午線断面形状を曲率半径Rの円弧から構成したトレッド面1にタイヤ周方向Tに延在する主溝2を設け、この主溝2によりリブ3を形成した重荷重用空気入りラジアルタイヤであり、主溝2に面するリブ3の端部3Aをトレッド面1より窪ませ、その窪ませたリブ3の端部表面3A1と、タイヤセンターラインCLと円弧との交点Oとの間のタイヤ径方向差hを特定の範囲にする。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、リブの端部が部分的に摩耗する偏摩耗を改善するようにした重荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
トレッド面にタイヤ周方向に延びる主溝によりリブを区分形成した、トラックやバスなどの重荷重車両に使用される重荷重用空気入りラジアルタイヤは、主溝に面するリブの端部が部分的に摩耗する、所謂リバーウェアと呼ばれる偏摩耗が発生し易い。この偏摩耗は、リブの端部がリブの中央部側より接地圧が高く、接地時に路面に対して滑りが発生するために生じる。
【0003】
従来、上記偏摩耗を改善するため、主溝の溝底に主溝に沿って環状の凸部を設け、この凸部をタイヤ接地時に路面と滑り接触させて摩耗を集中させることにより、リブの端部での偏摩耗を抑制するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−6715号公報(1頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した対策では、以前としてリブ端部の接地圧は高い状態であり、根本的な解決策には至っていない。
【0006】
本発明は、リブの端部が部分的に摩耗する偏摩耗を効果的に改善することが可能な重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、タイヤ子午線断面形状を曲率半径Rの円弧から構成したトレッド面にタイヤ周方向に延在する主溝を設け、該主溝によりリブを形成した重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記主溝に面する前記リブの端部を前記トレッド面より窪ませ、タイヤセンターラインと前記円弧との交点Oと前記リブの端部表面とのタイヤ径方向差hが下記の式を満足することを特徴とする。
h1+0.7α≦h≦h1+1.3α
α=2/3×(Gd×sin Φ)
Φ=360×(D/2πR)
h1=R(1−cos Φ)
但し、Gd:主溝の溝深さ
D:タイヤ子午線断面における交点Oと主溝のリブ側の壁面の延長線と曲率半径Rの円弧との交点P間のタイヤ幅方向長さ
【0008】
上述した本発明によれば、内圧充填時に外側に突出して接地圧が高くなるリブの端部を窪ませ、その量を上記のように規定することにより、内圧を充填した際のタイヤ膨径時におけるリブ端部の突出量を効果的に抑制し、リブ全体の接地圧を均一的にすることが可能になる。そのため、リブ端部が部分的に摩耗する偏摩耗を効果的に改善することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1,2は、本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの一例を示し、タイヤ子午線断面形状をショルダー部1Aまで単一の曲率半径Rの円弧から構成したトレッド面1には、タイヤ周方向Tにストレート状に延びる複数(図では4本)の主溝2がタイヤ幅方向に沿って所定の間隔で設けられており、最外側の主溝2Aからタイヤ外側の両ショルダー部1Aには、タイヤ周方向Tに延在するリブ3が区分形成されている。また、タイヤセンターラインCLの両側に配置した主溝2B間にもタイヤ周方向Tに延在するリブ4が形成してある。
【0011】
主溝2A,2B間にはタイヤ幅方向に傾斜して延びるラグ溝5がタイヤ周方向Tに所定のピッチで配置され、主溝2A,2Bとラグ溝5によりブロック6が区分形成されている。主溝2Aに面するリブ3の端部3Aの表面3A1には、主溝2Aに沿って平行にストレート状に延在する1本の細溝7が設けられている。タイヤ幅方向に延在するサイプ8が端部表面3A1にタイヤ周方向Tに沿って所定の間隔で配置されている。各サイプ8は細溝7と交差して延在し、一端が主溝2Aに連通している。
【0012】
タイヤ内には、左右のビード部(不図示)間に装架されたカーカス層9が配設され、トレッド部10のカーカス層9外周側には、複数のベルト層11が設けられている。12はカーカス層9内周側に配置したインナーライナー層である。
【0013】
上記リブ3の端部3Aは、図2に示すように、曲率半径Rの円弧から構成したトレッド面1より窪んでおり、タイヤセンターラインCLと円弧との交点O(タイヤセンターラインCL上に主溝がない図示する例では、トレッド面1上のタイヤセンターラインCLの位置)とリブ3の端部表面3A1とのタイヤ径方向差hが下記の式を満足するように窪ませている。
h1+0.7α≦h≦h1+1.3α
α=2/3×(Gd×sin Φ)
Φ=360×(D/2πR)
h1=R(1−cos Φ)
【0014】
但し、Gdは主溝2Aの溝深さ、Dはタイヤ子午線断面において、交点Oと、主溝2Aのリブ3側の壁面2A1の延長線Mと曲率半径Rの円弧(窪ませる前のトレッド面1)との交点Pとの間のタイヤ幅方向長さ、h1は上記式で求められる交点O,P間のタイヤ径方向長さ(近似値)である。定数の2/3は実験的に得られた値である。
【0015】
なお、上記タイヤ径方向差hは、JATMA(2003年)において、規定される標準リムに装着し、単輪最大負荷能力に対応する最高空気圧の20%を充填した状態で測定した値である。また、後述する細溝の溝幅などの各値の測定も、特に記載がない場合はこの条件で行うものとする。
【0016】
本発明者は、主溝に面するリブ端部の偏摩耗について、鋭意検討し、実験を重ねた結果、以下のことがわかった。
【0017】
即ち、リム組みしたタイヤに内圧を充填した際にタイヤは膨張して外径が大きくなる。その際、トレッド剛性の低い主溝部分がより膨径して主溝が開くため、主溝に面するリブ端部がリブ中央側より外側に突出し、それによって路面との接地圧がリブ中央側より大幅に高くなり、摩耗し易くなる。リブ端部の突出量は、主溝の溝深さが深い程多くなり、それに伴って接地圧が上昇し、主溝の溝深さに比例するのである。
【0018】
また、トレッド面は、一般に曲率半径を有する断面円弧状に形成されているため、タイヤセンターラインからより離れた位置にある主溝に面したリブの端部程、リブ中央側との接地圧差が大きくなり、摩耗し易くなる。
【0019】
従って、リブ端部は突出を抑制するためにタイヤ内径側に窪ませた形状にするのがよく、またタイヤセンターラインからより離れた位置にある主溝に面したリブの端部程、窪み量を多くするのがよい。このような知見に基づいて更に実験を重ね、得られたデータを分析し検討した結果、上述した関係式に至ったのである。
【0020】
このように内圧充填時に外側に突出して接地圧が高くなるリブ3の端部3Aを予め上記のように特定した範囲で窪ませておくことにより、内圧を充填した際のタイヤ膨径時に、リブ端部3Aの突出量が抑制され、リブ3における接地圧を均一的にすることができる。従って、リブ端部3Aが部分的に摩耗する、所謂リバーウェアを効果的に改善することができる。
【0021】
また、リブ3の端部表面3A1に主溝2Aに沿って延在する細溝7を設けたり、主溝2Aに連通するサイプ8をタイヤ周方向Tに所定の間隔で配置することにより、リブ3の端部3Aでの剛性を低下させてリブ3における接地圧をより均一化することができるので、リバーウェアをより効果的に改善することができる。
【0022】
上記タイヤ径方向差hが上述した下限より小さくても、上限より大きくても、リバーウェアを効果的に改善することが難しくなる。
【0023】
本発明において、上記のように細溝7を設ける場合、その溝深さda (リブ端部3Aを窪ませる前の状態における深さ)としては、主溝2Aの溝深さGdの80%以上にするのが、リバーウェアをより効果的に改善する上でよい(図3参照)。上限値としては、主溝2Aの溝深さGdの100%以下にするのが細溝底からのクラック発生防止の点から好ましい。
【0024】
細溝7の溝幅wa としては、主溝2Aの溝幅Gwの10%未満、即ち0.5〜1.5mmの範囲にするのがよい。溝幅wa が0.5mmより狭いとリバーウェア改善効果の点から好ましくない。逆に1.5mmを越えると、細溝7のエッジからリバーウェアが発生し易くなる。
【0025】
細溝7の位置としては、主溝2Aから主溝2Aの溝深さGdの30〜70%の距離(タイヤ幅方向に沿って測定したタイヤ幅方向長さ)zだけ離間して設けるのがよい。距離zが溝深さGdの30%未満であると、この部分の剛性低下によるもげやクラックの発生を招き易くなる。逆に70%を越えると、リバーウェア改善効果の点から好ましくない。
【0026】
上記サイプ8は、タイヤ周方向Tの間隔SがタイヤセンターラインCL上でのトレッド面1の接地長さの1/40〜1/100となるように配置するのが好ましい。間隔Sが接地長さの1/40より長いと、リバーウェア改善効果の点から好ましくない。逆に1/100より短いと、剛性低下により、サイプ間でのもげやクラックが発生し易くなる。なお、ここで言う接地長さは、JATMA(2003年)において、規定される標準リムに装着し、単輪最大負荷能力に対応する最高空気圧を充填し、単輪最大負荷能力の荷重を加えた状態における接地長さである。
【0027】
本発明は、特にリブ端部に大きな偏摩耗が発生し易いトレッド面1のショルダー部1Aに設けたリブ3の端部3Aにおいて、上記のような構成にするのが好ましいが、それに限定されず、主溝に面したリブの端部であれば、何れにも採用することができる。
【0028】
【実施例】
タイヤサイズを11R22.5で共通にし、ショルダー部の主溝に面するリブの端部を窪ませ、そのタイヤ径方向差hを表1のようにした、図1に示すトレッドパターンにおいて細溝とサイプが設けられていない本発明タイヤ1〜3と比較タイヤ1,2、及び細溝とサイプを設けた図1のトレッドパターンの本発明タイヤ4と、本発明タイヤ1において、ショルダー部の主溝に面するリブの端部を窪ませていない従来タイヤ1と、従来例1において、主溝の溝底に主溝に沿って環状の凸部を設けた従来タイヤ2をそれぞれ作製した。
【0029】
各試験タイヤにおける主溝の溝深さは16.5mm、トレッド面の曲率半径Rは600mm、タイヤ幅方向長さDは60mmで共通である。
【0030】
これら各試験タイヤをリムサイズ22.5×8.25のリムに装着し、空気圧を700kPa にして25tのトラックに取り付け、以下に示す測定方法により、耐偏摩耗性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
耐偏摩耗性
一般舗装路を10万km走行した後、ショルダー部の主溝に面するリブの端部に発生した摩耗量と中央部で発生した摩耗量をタイヤ周上8箇所で測定し、端部の摩耗量と中央部の摩耗量との差の最大値を偏摩耗量とし、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、耐偏摩耗性が優れている。
【0031】
【表1】
【0032】
表1から、本発明タイヤは、耐偏摩耗性を従来タイヤ2より更に向上することができ、耐偏摩耗性を効果的に改善できることがわかる。また、細溝とサイプを設けることにより、耐偏摩耗性を一層改善できることがわかる。
【0033】
【発明の効果】
上述したように本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤは、主溝に面するリブの端部をトレッド面より窪ませ、そのタイヤ径方向差hを上記のように特定することにより、リブ端部が部分的に摩耗する偏摩耗を効果的に改善することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの一例を示すトレッド面の要部展開図である。
【図2】図1のタイヤ子午線要部拡大断面である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 トレッド面 1A ショルダー部
2,2A,2B 主溝 2A1 壁面
3 リブ 3A 端部
3A1 表面 4 リブ
5 ラグ溝 6 ブロック
7 細溝 8 サイプ
CL タイヤセンターライン D 交点O,P間のタイヤ幅方向長さ
Gd 主溝の溝深さ Gw 主溝の溝幅
M 延長線 O,P 交点
R 曲率半径 S サイプの間隔
T タイヤ周方向 da 細溝の溝深さ
h タイヤ径方向差 wa 細溝の溝幅
z 距離
【発明の属する技術分野】
本発明は、重荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、リブの端部が部分的に摩耗する偏摩耗を改善するようにした重荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
トレッド面にタイヤ周方向に延びる主溝によりリブを区分形成した、トラックやバスなどの重荷重車両に使用される重荷重用空気入りラジアルタイヤは、主溝に面するリブの端部が部分的に摩耗する、所謂リバーウェアと呼ばれる偏摩耗が発生し易い。この偏摩耗は、リブの端部がリブの中央部側より接地圧が高く、接地時に路面に対して滑りが発生するために生じる。
【0003】
従来、上記偏摩耗を改善するため、主溝の溝底に主溝に沿って環状の凸部を設け、この凸部をタイヤ接地時に路面と滑り接触させて摩耗を集中させることにより、リブの端部での偏摩耗を抑制するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−6715号公報(1頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した対策では、以前としてリブ端部の接地圧は高い状態であり、根本的な解決策には至っていない。
【0006】
本発明は、リブの端部が部分的に摩耗する偏摩耗を効果的に改善することが可能な重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、タイヤ子午線断面形状を曲率半径Rの円弧から構成したトレッド面にタイヤ周方向に延在する主溝を設け、該主溝によりリブを形成した重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記主溝に面する前記リブの端部を前記トレッド面より窪ませ、タイヤセンターラインと前記円弧との交点Oと前記リブの端部表面とのタイヤ径方向差hが下記の式を満足することを特徴とする。
h1+0.7α≦h≦h1+1.3α
α=2/3×(Gd×sin Φ)
Φ=360×(D/2πR)
h1=R(1−cos Φ)
但し、Gd:主溝の溝深さ
D:タイヤ子午線断面における交点Oと主溝のリブ側の壁面の延長線と曲率半径Rの円弧との交点P間のタイヤ幅方向長さ
【0008】
上述した本発明によれば、内圧充填時に外側に突出して接地圧が高くなるリブの端部を窪ませ、その量を上記のように規定することにより、内圧を充填した際のタイヤ膨径時におけるリブ端部の突出量を効果的に抑制し、リブ全体の接地圧を均一的にすることが可能になる。そのため、リブ端部が部分的に摩耗する偏摩耗を効果的に改善することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1,2は、本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの一例を示し、タイヤ子午線断面形状をショルダー部1Aまで単一の曲率半径Rの円弧から構成したトレッド面1には、タイヤ周方向Tにストレート状に延びる複数(図では4本)の主溝2がタイヤ幅方向に沿って所定の間隔で設けられており、最外側の主溝2Aからタイヤ外側の両ショルダー部1Aには、タイヤ周方向Tに延在するリブ3が区分形成されている。また、タイヤセンターラインCLの両側に配置した主溝2B間にもタイヤ周方向Tに延在するリブ4が形成してある。
【0011】
主溝2A,2B間にはタイヤ幅方向に傾斜して延びるラグ溝5がタイヤ周方向Tに所定のピッチで配置され、主溝2A,2Bとラグ溝5によりブロック6が区分形成されている。主溝2Aに面するリブ3の端部3Aの表面3A1には、主溝2Aに沿って平行にストレート状に延在する1本の細溝7が設けられている。タイヤ幅方向に延在するサイプ8が端部表面3A1にタイヤ周方向Tに沿って所定の間隔で配置されている。各サイプ8は細溝7と交差して延在し、一端が主溝2Aに連通している。
【0012】
タイヤ内には、左右のビード部(不図示)間に装架されたカーカス層9が配設され、トレッド部10のカーカス層9外周側には、複数のベルト層11が設けられている。12はカーカス層9内周側に配置したインナーライナー層である。
【0013】
上記リブ3の端部3Aは、図2に示すように、曲率半径Rの円弧から構成したトレッド面1より窪んでおり、タイヤセンターラインCLと円弧との交点O(タイヤセンターラインCL上に主溝がない図示する例では、トレッド面1上のタイヤセンターラインCLの位置)とリブ3の端部表面3A1とのタイヤ径方向差hが下記の式を満足するように窪ませている。
h1+0.7α≦h≦h1+1.3α
α=2/3×(Gd×sin Φ)
Φ=360×(D/2πR)
h1=R(1−cos Φ)
【0014】
但し、Gdは主溝2Aの溝深さ、Dはタイヤ子午線断面において、交点Oと、主溝2Aのリブ3側の壁面2A1の延長線Mと曲率半径Rの円弧(窪ませる前のトレッド面1)との交点Pとの間のタイヤ幅方向長さ、h1は上記式で求められる交点O,P間のタイヤ径方向長さ(近似値)である。定数の2/3は実験的に得られた値である。
【0015】
なお、上記タイヤ径方向差hは、JATMA(2003年)において、規定される標準リムに装着し、単輪最大負荷能力に対応する最高空気圧の20%を充填した状態で測定した値である。また、後述する細溝の溝幅などの各値の測定も、特に記載がない場合はこの条件で行うものとする。
【0016】
本発明者は、主溝に面するリブ端部の偏摩耗について、鋭意検討し、実験を重ねた結果、以下のことがわかった。
【0017】
即ち、リム組みしたタイヤに内圧を充填した際にタイヤは膨張して外径が大きくなる。その際、トレッド剛性の低い主溝部分がより膨径して主溝が開くため、主溝に面するリブ端部がリブ中央側より外側に突出し、それによって路面との接地圧がリブ中央側より大幅に高くなり、摩耗し易くなる。リブ端部の突出量は、主溝の溝深さが深い程多くなり、それに伴って接地圧が上昇し、主溝の溝深さに比例するのである。
【0018】
また、トレッド面は、一般に曲率半径を有する断面円弧状に形成されているため、タイヤセンターラインからより離れた位置にある主溝に面したリブの端部程、リブ中央側との接地圧差が大きくなり、摩耗し易くなる。
【0019】
従って、リブ端部は突出を抑制するためにタイヤ内径側に窪ませた形状にするのがよく、またタイヤセンターラインからより離れた位置にある主溝に面したリブの端部程、窪み量を多くするのがよい。このような知見に基づいて更に実験を重ね、得られたデータを分析し検討した結果、上述した関係式に至ったのである。
【0020】
このように内圧充填時に外側に突出して接地圧が高くなるリブ3の端部3Aを予め上記のように特定した範囲で窪ませておくことにより、内圧を充填した際のタイヤ膨径時に、リブ端部3Aの突出量が抑制され、リブ3における接地圧を均一的にすることができる。従って、リブ端部3Aが部分的に摩耗する、所謂リバーウェアを効果的に改善することができる。
【0021】
また、リブ3の端部表面3A1に主溝2Aに沿って延在する細溝7を設けたり、主溝2Aに連通するサイプ8をタイヤ周方向Tに所定の間隔で配置することにより、リブ3の端部3Aでの剛性を低下させてリブ3における接地圧をより均一化することができるので、リバーウェアをより効果的に改善することができる。
【0022】
上記タイヤ径方向差hが上述した下限より小さくても、上限より大きくても、リバーウェアを効果的に改善することが難しくなる。
【0023】
本発明において、上記のように細溝7を設ける場合、その溝深さda (リブ端部3Aを窪ませる前の状態における深さ)としては、主溝2Aの溝深さGdの80%以上にするのが、リバーウェアをより効果的に改善する上でよい(図3参照)。上限値としては、主溝2Aの溝深さGdの100%以下にするのが細溝底からのクラック発生防止の点から好ましい。
【0024】
細溝7の溝幅wa としては、主溝2Aの溝幅Gwの10%未満、即ち0.5〜1.5mmの範囲にするのがよい。溝幅wa が0.5mmより狭いとリバーウェア改善効果の点から好ましくない。逆に1.5mmを越えると、細溝7のエッジからリバーウェアが発生し易くなる。
【0025】
細溝7の位置としては、主溝2Aから主溝2Aの溝深さGdの30〜70%の距離(タイヤ幅方向に沿って測定したタイヤ幅方向長さ)zだけ離間して設けるのがよい。距離zが溝深さGdの30%未満であると、この部分の剛性低下によるもげやクラックの発生を招き易くなる。逆に70%を越えると、リバーウェア改善効果の点から好ましくない。
【0026】
上記サイプ8は、タイヤ周方向Tの間隔SがタイヤセンターラインCL上でのトレッド面1の接地長さの1/40〜1/100となるように配置するのが好ましい。間隔Sが接地長さの1/40より長いと、リバーウェア改善効果の点から好ましくない。逆に1/100より短いと、剛性低下により、サイプ間でのもげやクラックが発生し易くなる。なお、ここで言う接地長さは、JATMA(2003年)において、規定される標準リムに装着し、単輪最大負荷能力に対応する最高空気圧を充填し、単輪最大負荷能力の荷重を加えた状態における接地長さである。
【0027】
本発明は、特にリブ端部に大きな偏摩耗が発生し易いトレッド面1のショルダー部1Aに設けたリブ3の端部3Aにおいて、上記のような構成にするのが好ましいが、それに限定されず、主溝に面したリブの端部であれば、何れにも採用することができる。
【0028】
【実施例】
タイヤサイズを11R22.5で共通にし、ショルダー部の主溝に面するリブの端部を窪ませ、そのタイヤ径方向差hを表1のようにした、図1に示すトレッドパターンにおいて細溝とサイプが設けられていない本発明タイヤ1〜3と比較タイヤ1,2、及び細溝とサイプを設けた図1のトレッドパターンの本発明タイヤ4と、本発明タイヤ1において、ショルダー部の主溝に面するリブの端部を窪ませていない従来タイヤ1と、従来例1において、主溝の溝底に主溝に沿って環状の凸部を設けた従来タイヤ2をそれぞれ作製した。
【0029】
各試験タイヤにおける主溝の溝深さは16.5mm、トレッド面の曲率半径Rは600mm、タイヤ幅方向長さDは60mmで共通である。
【0030】
これら各試験タイヤをリムサイズ22.5×8.25のリムに装着し、空気圧を700kPa にして25tのトラックに取り付け、以下に示す測定方法により、耐偏摩耗性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
耐偏摩耗性
一般舗装路を10万km走行した後、ショルダー部の主溝に面するリブの端部に発生した摩耗量と中央部で発生した摩耗量をタイヤ周上8箇所で測定し、端部の摩耗量と中央部の摩耗量との差の最大値を偏摩耗量とし、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、耐偏摩耗性が優れている。
【0031】
【表1】
【0032】
表1から、本発明タイヤは、耐偏摩耗性を従来タイヤ2より更に向上することができ、耐偏摩耗性を効果的に改善できることがわかる。また、細溝とサイプを設けることにより、耐偏摩耗性を一層改善できることがわかる。
【0033】
【発明の効果】
上述したように本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤは、主溝に面するリブの端部をトレッド面より窪ませ、そのタイヤ径方向差hを上記のように特定することにより、リブ端部が部分的に摩耗する偏摩耗を効果的に改善することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの一例を示すトレッド面の要部展開図である。
【図2】図1のタイヤ子午線要部拡大断面である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 トレッド面 1A ショルダー部
2,2A,2B 主溝 2A1 壁面
3 リブ 3A 端部
3A1 表面 4 リブ
5 ラグ溝 6 ブロック
7 細溝 8 サイプ
CL タイヤセンターライン D 交点O,P間のタイヤ幅方向長さ
Gd 主溝の溝深さ Gw 主溝の溝幅
M 延長線 O,P 交点
R 曲率半径 S サイプの間隔
T タイヤ周方向 da 細溝の溝深さ
h タイヤ径方向差 wa 細溝の溝幅
z 距離
Claims (6)
- タイヤ子午線断面形状を曲率半径Rの円弧から構成したトレッド面にタイヤ周方向に延在する主溝を設け、該主溝によりリブを形成した重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記主溝に面する前記リブの端部を前記トレッド面より窪ませ、タイヤセンターラインと前記円弧との交点Oと前記リブの端部表面とのタイヤ径方向差hが下記の式を満足する重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
h1+0.7α≦h≦h1+1.3α
α=2/3×(Gd×sin Φ)
Φ=360×(D/2πR)
h1=R(1−cos Φ)
但し、Gd:主溝の溝深さ
D:タイヤ子午線断面における交点Oと主溝のリブ側の壁面の延長線と曲率半径Rの円弧との交点P間のタイヤ幅方向長さ - 前記リブが前記トレッド面のショルダー部に設けたリブである請求項1に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
- 前記リブの端部表面に前記主溝に沿って延在する細溝を設けた請求項1または2に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
- 前記細溝の溝深さが前記主溝の溝深さの80%以上であり、前記細溝の溝幅が前記主溝の溝幅の10%未満である請求項3に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
- 前記細溝を前記主溝から該主溝の溝深さの30〜70%離間して設けた請求項3または4に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
- 前記リブの端部表面に前記主溝に連通するサイプをタイヤ周方向に所定の間隔で配置した請求項1,2,3,4または5に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
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- 2003-03-24 JP JP2003079741A patent/JP2004284500A/ja active Pending
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