JP2004282227A - 光モジュール及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】光モジュールの小型化・高信頼性化を図るとともに、設計自由度を高めることにある。
【解決手段】光モジュールは、基板40及び基板40に形成された配線パターン50を含む配線基板30と、光学的部分12を有し、配線パターン50に電気的に接続された光学チップ10と、を含む。配線基板30は、透光部60を含む第1の部分32が、第1の部分32の外側の第2の部分34よりも窪むように屈曲している。光学チップ10は、光学的部分12が透光部60を向くように、配線基板30の窪み36内に設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】光モジュールは、基板40及び基板40に形成された配線パターン50を含む配線基板30と、光学的部分12を有し、配線パターン50に電気的に接続された光学チップ10と、を含む。配線基板30は、透光部60を含む第1の部分32が、第1の部分32の外側の第2の部分34よりも窪むように屈曲している。光学チップ10は、光学的部分12が透光部60を向くように、配線基板30の窪み36内に設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光モジュール及びその製造方法並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開平8−172142号公報
【0004】
【発明の背景】
CCDやCMOSセンサなどの撮像系の光モジュールでは、光学的部分を有する光学チップと、光学的部分に対応する位置にレンズを保持する筐体とが基板に搭載されている。ここで、基板には、信号処理チップなどの他の電子部品も搭載されることが多く、これによって光モジュールの高集積化を図っている。
【0005】
従来の形態によれば、電子部品は、基板上に光学チップとともに並べて配置されていたので、光モジュールの平面面積が拡大し、小型化が図れなかった。一方、基板の両面に光学チップ及び電子部品を搭載することが知られているが、その場合、光モジュールの平面面積を縮小することはできるが、光モジュールが厚くなるので小型化に限界がある。
【0006】
さらに、光モジュールは、携帯電話などの様々な電子機器に応用されており、その設計自由度を高めることが重要である。また、光モジュールでは、光学的部分への不要な光の入射をカットして、光学チップの誤動作を防止することも重要である。
【0007】
本発明の目的は、光モジュールの小型化・高信頼性化を図るとともに、設計自由度を高めることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る光モジュールは、基板及び前記基板に形成された配線パターンを含む配線基板と、
光学的部分を有し、前記配線パターンに電気的に接続された光学チップと、
を含み、
前記配線基板は、透光部を含む第1の部分が、前記第1の部分の外側の第2の部分よりも窪むように屈曲してなり、
前記光学チップは、前記光学的部分が前記透光部を向くように、前記配線基板の前記窪み内に設けられてなる。本発明によれば、配線基板に窪みが形成され、光学チップは、窪み内に設けられている。これによれば、配線基板が光学チップを囲むように配置されているので、光学的部分への不要な光の入射をカットして、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、窪みに光学チップなどの各種の電子部品を収容することができるので、設計自由度の高い光モジュールを提供することができる。
(2)この光モジュールにおいて、
前記配線パターンに電気的に接続されるとともに、前記窪み内に設けられた他の電子部品をさらに含んでもよい。
(3)この光モジュールにおいて、
前記電子部品は、集積回路チップを含み、
前記集積回路チップは、前記光学チップに積層されていてもよい。これによれば、光学チップ及び集積回路チップの一体化が図れるので、平面形状の拡大を防止することができ、光モジュールの小型化が図れる。
(4)この光モジュールにおいて、
前記光学チップ及び前記電子部品は、封止材で封止されていてもよい。こうすることで、光学チップや電子部品などの電気的な接続部を封止することができ、電気的な接続部が腐食するのを防止することができる。また、光学チップ又は電子部品への不要な光の入射をカットすることができ、それらの誤動作を防止することができる。
(5)この光モジュールにおいて、
前記封止材は、前記第2の部分の面と面一になるように前記窪み内に充填されていてもよい。こうすることで、光モジュールにおける光の入射側(又は出射側)とは反対側を平面にすることができるので、例えば、光モジュールを平面の回路基板にそのまま搭載できるなど、光モジュールの設計自由度が極めて高くなる。
(6)この光モジュールにおいて、
前記第2の部分に外部端子が設けられていてもよい。
(7)この光モジュールにおいて、
前記基板は、金属層と、前記金属層の表面に形成された絶縁層と、を含み、
前記配線パターンは、前記絶縁層上に形成されていてもよい。これによれば、配線基板の屈曲を容易に形成及び維持することができる。また、光モジュールの放熱性を向上させて、高信頼性化を図ることができる。
(8)この光モジュールにおいて、
前記透光部は、前記基板の開口部を含んでもよい。
(9)この光モジュールにおいて、
前記透光部は、前記開口部を覆うように取り付けられた透光基板をさらに含んでもよい。
(10)この光モジュールにおいて、
前記光学的部分に対応する位置にレンズを保持し、前記配線基板における窪む側とは反対の突出する側に設けられた基材をさらに含んでもよい。
(11)この光モジュールにおいて、
前記基材は、前記配線基板の前記突出する部分を囲むように、前記第2の部分に取り付けられていてもよい。こうすることで、例えば、基板を平行な向きに配置することができ、光学的部分及びレンズの両者の光軸を容易に一致させることができる。
(12)本発明に係る電子機器は、上記光モジュールを含む。
(13)本発明に係る光モジュールの製造方法は、基板及び前記基板に形成された配線パターンを含む配線基板に、光学的部分を有する光学チップを、前記配線パターンに電気的に接続するように搭載することを含み、
前記配線基板は、透光部を含む第1の部分が、前記第1の部分の外側の第2の部分よりも窪むように屈曲してなり、
前記光学チップを、前記光学的部分が前記透光部を向くように、前記配線基板の前記窪み内に設ける。本発明によれば、配線基板に窪みが形成され、光学チップを、窪み内に設ける。これによれば、配線基板が光学チップを囲むように配置されているので、光学的部分への不要な光の入射をカットして、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、窪みに光学チップなどの各種の電子部品を収容することができるので、設計自由度の高い光モジュールを製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1〜図3は、本発明の実施の形態に係る光モジュールを説明する図である。図1は光モジュールの断面図であり、図2は光学チップの断面図である。図3は、図1に示す光モジュールにレンズが取り付けられたものである。本実施の形態に係る光モジュールは、光学チップ10と、配線基板30と、を含む。
【0011】
光学チップ10の形状は、直方体であることが多い。光学チップ10は、半導体チップであってもよい。図2に示すように、光学チップ10は、光学的部分12を有する。光学的部分12は、光が入射又は出射する部分である。また、光学的部分12は、光エネルギーと他のエネルギー(例えば電気)を変換する。すなわち、光学的部分12は、複数のエネルギー変換素子(受光素子・発光素子)14を有する。本実施の形態では、光学的部分12は受光部である。この場合、光学チップ10は、受光チップ(例えば撮像チップ)である。複数のエネルギー変換素子(受光素子又はイメージセンサ素子)14は、二次元的に並べられて、画像センシングを行えるようになっている。すなわち、本実施の形態では、光モジュールは、イメージセンサ(例えばCCD、CMOSセンサ)である。エネルギー変換素子14は、パッシベーション膜16で覆われている。パッシベーション膜16は、光透過性を有する。光学チップ10を、半導体基板(例えば半導体ウエハ)から製造する場合、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜などでパッシベーション膜16が形成されてもよい。
【0012】
光学的部分12は、カラーフィルタ18を有していてもよい。カラーフィルタ18は、パッシベーション膜16上に形成されている。また、カラーフィルタ18上に平坦化層20が設けられ、その上にマイクロレンズアレイ22が設けられていてもよい。
【0013】
光学チップ10には、複数の電極24が形成されている。電極24は、光学的部分12に電気的に接続されている。電極24は、パッド上に形成されたバンプを有するが、パッドのみであってもよい。電極24は、光学的部分12の外側に形成されている。光学チップ10の複数辺(例えば対向する2辺又は4辺)又は1辺に沿って電極24を配置してもよい。
【0014】
配線基板30は、第1の部分32とそれよりも外側の第2の部分34とを含み、図1に示すように、第1の部分32が第2の部分34よりも窪むように屈曲している。すなわち、配線基板30には、窪み36が形成されている。窪み36は、例えば、角形又は円形などの平面形状を有する。窪み36の底面(図1では上面となる)は、平らな面であることが好ましい。こうすることで、図1に示すように、光学チップ10を平行な向きに搭載することができる。また、窪み36の壁面は、底面に垂直な面であってもよいし、あるいは図1に示すように斜面(開口方向に広がる斜面)であってもよい。図1に示す例とは別に、窪み36の壁面に複数の段差部が形成されていてもよい。なお、配線基板30には、窪み36とは反対側に突出する部分が設けられている。
【0015】
第2の部分34は、配線基板30のうち、第1の部分32の周囲を囲む部分であってもよいし、あるいは、第1の部分32の両隣の部分であってもよい。第1及び第2の部分32,34の境界は明確に存在する必要はなく、例えば、窪み36の内側(図1では斜面を含む)の部分を第1の部分32とし、窪み36の外側の平らな部分を第2の部分34としてもよい。
【0016】
配線基板30は、基板40と、基板40上に形成された配線パターン50と、を含む。基板40は、有機系、無機系又はそれらの複合系のいずれの材料で形成してもよい。基板40の材料は限定されないが、配線基板30の屈曲を形成及び維持しやすい材料で形成することが好ましい。例えば、基板40は、銅系又は鉄系などの金属で形成してもよい。詳しくは、図1の部分拡大図に示すように、基板40は、コアとなる金属層42と、金属層42の表面(例えば両方の表面)に形成された絶縁層44を含む。その場合、配線基板30の屈曲構造は、例えば、型を使用して絞り加工を行うことによって形成してもよい。これによれば、配線基板30の屈曲を容易に形成及び維持することができる。また、金属の基板40を使用することによって、光モジュールの放熱性を高めることができる。特に、光学チップ10は、一般の電子部品に比べて動作保証温度が低く、本実施の形態を適用すると効果的である。なお、配線パターン50は、絶縁層44上に形成されている。
【0017】
配線パターン50は、基板40の一方の面に形成してもよいし、両方の面に形成してもよく、メッキ技術、露光技術などの周知技術を適用して形成することができる。図1に示す例では、配線パターン50は、配線基板30の窪み36側の面に形成されている。配線パターン50は、図1に示すように、基板40の屈曲工程後に形成してもよいし、基板40に配線パターン50を形成した後に、配線基板30の屈曲工程を行ってもよい。配線パターン50は、複数の配線から構成され、第1の部分32から第2の部分34に至るように形成されている。配線パターン50は、電気的な接続部となる複数の端子(第1〜第3の端子52,54,56)を含む。各端子52,54,56は、配線の端部であってもよく、ランドであってもよい。いずれかの端子同士は、相互に電気的に接続されている。図1に示す例では、第1及び第2の端子52,54が、第1の部分32に形成され、第2の部分34に第3の端子56が形成されている。第3の端子56は、光モジュールの外部端子であってもよい。第3の端子56には、ろう材が設けられてもよい。
【0018】
第1の部分32は、透光部60を含む。図1に示す例では、透光部60は、基板40に形成された開口部62と、開口部62を覆うように基板40に取り付けられた透光基板64と、を含む。透光基板64は接着固定してもよい。開口部62は、基板40の貫通穴である。開口部62の外形は、光学的部分12の外形よりも大きい。こうすることで、光学的部分12に対する光路を確保することができる。透光基板64は、光透過性を有し、例えば、ガラス基板などの透明基板であってもよい。透光基板64は、光学的部分12の上方に配置され、開口部62の周囲にオーバーラップする形状を有する。透光基板64には、光学機能膜が形成されてもよい。光学機能膜は、光学的部分12の上方に形成され、例えば、透光基板64のいずれかの表面に形成される。光学機能膜は、反射防止膜(ARコート)、赤外線遮蔽膜(IRコート)などであってもよい。光学機能膜を透光基板64に形成することで、このような光学機能を有する装置を設けなくて済むので、光モジュールの小型化を図ることができる。
【0019】
変形例として、透光部60は、開口部62のみであってもよい。あるいは、配線基板30の一部が透光部60であってもよい。詳しくは、基板40の少なくとも光学的部分12に対応する部分が、光透過性を有していてもよい。基板40の全体が透光基板であってもよい。
【0020】
図1に示すように、光学チップ10は、光学的部分12が透光部60を向くように、第1の部分32に搭載されてもよい。光学チップ10は、窪み36内に設けられている。光学チップ10は、電極24を介して、配線パターン50(詳しくは第1の端子52)に電気的に接続されている。図1に示す例では、透光基板64によって、光学的部分12が覆われている。これによって、光学的部分12にゴミが付着するのを防止でき、光モジュールの信頼性を高めることができる。電極24と第1の端子52との電気的な接続として、異方性導電膜(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)等の異方性導電材料26を使用して、導電粒子を電極24と第1の端子52の間に介在させてもよい。その場合、異方性導電材料26によって、光学的部分12を覆わないようにする。あるいは、両者間の電気的接続を、Au−Au、Au−Sn、ハンダなどによる金属接合によって達成してもよい。
【0021】
図1に示すように、光モジュールは、配線基板30の窪み36内に設けられた他の電子部品70,72を含む。電子部品70,72は、配線パターン50に電気的に接続されている。電子部品70,72は、電気信号を処理する部品であり、能動部品(集積回路チップ等)又は受動部品(抵抗器、コンデンサ等)などであってもよい。
【0022】
図1に示す例では、電子部品70は、チップ(例えば半導体チップ)に集積回路が形成された集積回路チップである。集積回路チップは、マイクロプロセッサであってもよく、光学チップ10からの電気信号を処理する。集積回路チップは、光学チップ10に積層され、ワイヤ76によって、電極74及び配線パターン50(詳しくは第2の端子54)が電気的に接続されている。これによれば、光学チップ10及び電子部品(集積回路チップ)70の一体化が図れるので、平面形状の拡大を防止することができ、光モジュールの高集積化及び小型化が図れる。なお、他の電子部品72は、光学チップ10とは異なる平面位置に並べられてもよい。
【0023】
図1に示すように、窪み36の深さは、光学チップ10及び電子部品70のスタック構造の高さ(詳しくはワイヤ76の高さ)よりも深くてもよい。すなわち、窪み36は、第1の部分32に設けられる全ての電子部品(光学チップ10を含む)を内部に収容できる深さを有してもよい。
【0024】
図1に示すように、光学チップ10及び電子部品70,72は、封止材(例えば樹脂)78で封止(樹脂封止)されている。封止材78は、ディスペンサで窪み36の開口部から塗布してもよいし、型を使用して窪み36内に充填してもよい。こうすることで、光学チップ10や電子部品70,72などの電気的な接続部を封止することができ、電気的な接続部が腐食するのを防止することができる。また、光学チップ10又は電子部品70,72への不要な光の入射をカットすることができ、それらの誤動作を防止することができる。
【0025】
図1に示すように、封止材78は、第2の部分34の面と面一になるように窪み36内に充填されてもよい。こうすることで、光モジュールにおける光の入射側(又は出射側)とは反対側を平面にすることができるので、例えば、光モジュールを平面の回路基板にそのまま搭載できるなど、光モジュールの設計自由度が極めて高くなる。変形例として、封止材78は、第2の部分34の面とは異なる高さになっていてもよい。例えば、第2の部分34が封止材78の面よりも突出していてもよい。この場合でも、光モジュールを回路基板にそのまま搭載できるので、設計自由度は高い。
【0026】
図3に示す例では、光モジュールは、基材80をさらに含む。基材80は、配線基板30における窪み36とは反対の突出する部分の側に設けられている。基材80は、光学チップ10の外装(ケース)であり、筐体と呼ぶこともできる。基材80は、レンズ82を保持しており、レンズ82は、光学的部分12に対応する位置に設けられている。基材80及びレンズ82が撮像のために使用される場合、それらを撮像光学系と呼ぶことができる。基材80は、相互に分離できる複数の部材で構成してもよいし、1つの部材で一体的に構成してもよい。
【0027】
図3に示す例では、基材80は、第1及び第2の基材84,86を含む。第1の基材84には、レンズ82が取り付けられている。すなわち、第1の基材84は、レンズフォルダである。詳しくは、第1の基材84は、第1の穴88を有し、第1の穴88内にレンズ82を保持している。レンズ82は、第1の基材84の内側に形成されたねじ(図示せず)を用いて第1の穴88の軸方向に移動させることができる押さえ具を含む押え構造(図示せず)により、第1の穴88内に固定されてもよい。レンズ82は、光学チップ10の光学的部分12から間隔をあけて保持されている。
【0028】
図3に示すように、第2の基材86は、第2の穴90を有し、第2の穴90内に第1の基材84を保持している。第1及び第2の穴88,90は、相互に連通して1つの貫通穴を構成している。第1の基材84の外側と第2の基材86の第2の穴90の内側には、第1及び第2のネジ92,94が形成され、これらによって、第1及び第2の基材84,86が連結されている。そして、第1及び第2のネジ92,94によって、第1の基材84は、第2の基材86における第2の穴90の軸方向に沿って位置調整可能になっている。こうして、レンズ82の焦点を調整することができる。図3に示す例では、第2の穴90は、部分的に幅が異なっており、幅の大きい部分に配線基板30の第1の部分32が収容されている。詳しくは、基材80は、配線基板30の窪み36とは反対側の突出する部分を囲むように、第2の部分34に取り付けられている。第2の部分34は、屈曲していないので、基材80を平行な向きに配置することができ、光学的部分12及びレンズ82の両者の光軸を容易に一致させることができる。また、図3に示すように、突出する部分の壁面に基材80を接触させてもよい。これによれば、突出する部分を基材80の位置決めの基準にすることができるので、基材80のセットが容易になる。
【0029】
本実施の形態に係る光モジュールによれば、配線基板30に窪み36が形成され、光学チップ10は、窪み36内に設けられている。これによれば、配線基板30が光学チップ10を囲むように配置されているので、光学的部分12への不要な光の入射をカットして、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、窪み36に光学チップ10などの各種の電子部品を収容することができるので、設計自由度の高い光モジュールを提供することができる。
【0030】
本発明に係る光モジュールの製造方法は、光学チップ10及び配線基板30を用意し、光学チップ10を配線基板30の窪み36内に設ける。配線基板30の形成方法(屈曲方法を含む)は、すでに説明した通りである。光学チップ10の実装方法も説明した通りである。光学チップ10とともに、他の電子部品70,72も実装する。そして、光学チップ10及び電子部品70,72を封止材78で封止する。封止工程後に、基材80を配線基板30に取り付けてもよい。光モジュールにおける光の入射側(又は出射側)とは反対側が封止材78によって平面になっていれば、基材80(詳しくはレンズ82)及び光学チップ10の両者の位置合わせが容易かつ正確になる。なお、その他の事項及び効果は、上述の光モジュールにおいて説明した内容から導くことができるので省略する。
【0031】
本発明の実施の形態に係る電子機器として、図4に示すノート型パーソナルコンピュータ1000は、光モジュールが組み込まれたカメラ1100を有する。また、図5に示すデジタルカメラ2000は光モジュールを有する。さらに、図6(A)及び図6(B)に示す携帯電話3000は、光モジュールが組み込まれたカメラ3100を有する。
【0032】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る光モジュール及びその製造方法を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る光モジュールの光学チップを示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る光モジュール及びその製造方法を説明する図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【符号の説明】
10…光学チップ 12…光学的部分 30…配線基板 32…第1の部分
34…第2の部分 36…窪み 40…基板 42…金属層 44…絶縁層
50…配線パターン 60…透光部 62…開口部 64…透光基板
70…電子部品 72…電子部品 78…封止材 80…基材 82…レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光モジュール及びその製造方法並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開平8−172142号公報
【0004】
【発明の背景】
CCDやCMOSセンサなどの撮像系の光モジュールでは、光学的部分を有する光学チップと、光学的部分に対応する位置にレンズを保持する筐体とが基板に搭載されている。ここで、基板には、信号処理チップなどの他の電子部品も搭載されることが多く、これによって光モジュールの高集積化を図っている。
【0005】
従来の形態によれば、電子部品は、基板上に光学チップとともに並べて配置されていたので、光モジュールの平面面積が拡大し、小型化が図れなかった。一方、基板の両面に光学チップ及び電子部品を搭載することが知られているが、その場合、光モジュールの平面面積を縮小することはできるが、光モジュールが厚くなるので小型化に限界がある。
【0006】
さらに、光モジュールは、携帯電話などの様々な電子機器に応用されており、その設計自由度を高めることが重要である。また、光モジュールでは、光学的部分への不要な光の入射をカットして、光学チップの誤動作を防止することも重要である。
【0007】
本発明の目的は、光モジュールの小型化・高信頼性化を図るとともに、設計自由度を高めることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る光モジュールは、基板及び前記基板に形成された配線パターンを含む配線基板と、
光学的部分を有し、前記配線パターンに電気的に接続された光学チップと、
を含み、
前記配線基板は、透光部を含む第1の部分が、前記第1の部分の外側の第2の部分よりも窪むように屈曲してなり、
前記光学チップは、前記光学的部分が前記透光部を向くように、前記配線基板の前記窪み内に設けられてなる。本発明によれば、配線基板に窪みが形成され、光学チップは、窪み内に設けられている。これによれば、配線基板が光学チップを囲むように配置されているので、光学的部分への不要な光の入射をカットして、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、窪みに光学チップなどの各種の電子部品を収容することができるので、設計自由度の高い光モジュールを提供することができる。
(2)この光モジュールにおいて、
前記配線パターンに電気的に接続されるとともに、前記窪み内に設けられた他の電子部品をさらに含んでもよい。
(3)この光モジュールにおいて、
前記電子部品は、集積回路チップを含み、
前記集積回路チップは、前記光学チップに積層されていてもよい。これによれば、光学チップ及び集積回路チップの一体化が図れるので、平面形状の拡大を防止することができ、光モジュールの小型化が図れる。
(4)この光モジュールにおいて、
前記光学チップ及び前記電子部品は、封止材で封止されていてもよい。こうすることで、光学チップや電子部品などの電気的な接続部を封止することができ、電気的な接続部が腐食するのを防止することができる。また、光学チップ又は電子部品への不要な光の入射をカットすることができ、それらの誤動作を防止することができる。
(5)この光モジュールにおいて、
前記封止材は、前記第2の部分の面と面一になるように前記窪み内に充填されていてもよい。こうすることで、光モジュールにおける光の入射側(又は出射側)とは反対側を平面にすることができるので、例えば、光モジュールを平面の回路基板にそのまま搭載できるなど、光モジュールの設計自由度が極めて高くなる。
(6)この光モジュールにおいて、
前記第2の部分に外部端子が設けられていてもよい。
(7)この光モジュールにおいて、
前記基板は、金属層と、前記金属層の表面に形成された絶縁層と、を含み、
前記配線パターンは、前記絶縁層上に形成されていてもよい。これによれば、配線基板の屈曲を容易に形成及び維持することができる。また、光モジュールの放熱性を向上させて、高信頼性化を図ることができる。
(8)この光モジュールにおいて、
前記透光部は、前記基板の開口部を含んでもよい。
(9)この光モジュールにおいて、
前記透光部は、前記開口部を覆うように取り付けられた透光基板をさらに含んでもよい。
(10)この光モジュールにおいて、
前記光学的部分に対応する位置にレンズを保持し、前記配線基板における窪む側とは反対の突出する側に設けられた基材をさらに含んでもよい。
(11)この光モジュールにおいて、
前記基材は、前記配線基板の前記突出する部分を囲むように、前記第2の部分に取り付けられていてもよい。こうすることで、例えば、基板を平行な向きに配置することができ、光学的部分及びレンズの両者の光軸を容易に一致させることができる。
(12)本発明に係る電子機器は、上記光モジュールを含む。
(13)本発明に係る光モジュールの製造方法は、基板及び前記基板に形成された配線パターンを含む配線基板に、光学的部分を有する光学チップを、前記配線パターンに電気的に接続するように搭載することを含み、
前記配線基板は、透光部を含む第1の部分が、前記第1の部分の外側の第2の部分よりも窪むように屈曲してなり、
前記光学チップを、前記光学的部分が前記透光部を向くように、前記配線基板の前記窪み内に設ける。本発明によれば、配線基板に窪みが形成され、光学チップを、窪み内に設ける。これによれば、配線基板が光学チップを囲むように配置されているので、光学的部分への不要な光の入射をカットして、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、窪みに光学チップなどの各種の電子部品を収容することができるので、設計自由度の高い光モジュールを製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1〜図3は、本発明の実施の形態に係る光モジュールを説明する図である。図1は光モジュールの断面図であり、図2は光学チップの断面図である。図3は、図1に示す光モジュールにレンズが取り付けられたものである。本実施の形態に係る光モジュールは、光学チップ10と、配線基板30と、を含む。
【0011】
光学チップ10の形状は、直方体であることが多い。光学チップ10は、半導体チップであってもよい。図2に示すように、光学チップ10は、光学的部分12を有する。光学的部分12は、光が入射又は出射する部分である。また、光学的部分12は、光エネルギーと他のエネルギー(例えば電気)を変換する。すなわち、光学的部分12は、複数のエネルギー変換素子(受光素子・発光素子)14を有する。本実施の形態では、光学的部分12は受光部である。この場合、光学チップ10は、受光チップ(例えば撮像チップ)である。複数のエネルギー変換素子(受光素子又はイメージセンサ素子)14は、二次元的に並べられて、画像センシングを行えるようになっている。すなわち、本実施の形態では、光モジュールは、イメージセンサ(例えばCCD、CMOSセンサ)である。エネルギー変換素子14は、パッシベーション膜16で覆われている。パッシベーション膜16は、光透過性を有する。光学チップ10を、半導体基板(例えば半導体ウエハ)から製造する場合、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜などでパッシベーション膜16が形成されてもよい。
【0012】
光学的部分12は、カラーフィルタ18を有していてもよい。カラーフィルタ18は、パッシベーション膜16上に形成されている。また、カラーフィルタ18上に平坦化層20が設けられ、その上にマイクロレンズアレイ22が設けられていてもよい。
【0013】
光学チップ10には、複数の電極24が形成されている。電極24は、光学的部分12に電気的に接続されている。電極24は、パッド上に形成されたバンプを有するが、パッドのみであってもよい。電極24は、光学的部分12の外側に形成されている。光学チップ10の複数辺(例えば対向する2辺又は4辺)又は1辺に沿って電極24を配置してもよい。
【0014】
配線基板30は、第1の部分32とそれよりも外側の第2の部分34とを含み、図1に示すように、第1の部分32が第2の部分34よりも窪むように屈曲している。すなわち、配線基板30には、窪み36が形成されている。窪み36は、例えば、角形又は円形などの平面形状を有する。窪み36の底面(図1では上面となる)は、平らな面であることが好ましい。こうすることで、図1に示すように、光学チップ10を平行な向きに搭載することができる。また、窪み36の壁面は、底面に垂直な面であってもよいし、あるいは図1に示すように斜面(開口方向に広がる斜面)であってもよい。図1に示す例とは別に、窪み36の壁面に複数の段差部が形成されていてもよい。なお、配線基板30には、窪み36とは反対側に突出する部分が設けられている。
【0015】
第2の部分34は、配線基板30のうち、第1の部分32の周囲を囲む部分であってもよいし、あるいは、第1の部分32の両隣の部分であってもよい。第1及び第2の部分32,34の境界は明確に存在する必要はなく、例えば、窪み36の内側(図1では斜面を含む)の部分を第1の部分32とし、窪み36の外側の平らな部分を第2の部分34としてもよい。
【0016】
配線基板30は、基板40と、基板40上に形成された配線パターン50と、を含む。基板40は、有機系、無機系又はそれらの複合系のいずれの材料で形成してもよい。基板40の材料は限定されないが、配線基板30の屈曲を形成及び維持しやすい材料で形成することが好ましい。例えば、基板40は、銅系又は鉄系などの金属で形成してもよい。詳しくは、図1の部分拡大図に示すように、基板40は、コアとなる金属層42と、金属層42の表面(例えば両方の表面)に形成された絶縁層44を含む。その場合、配線基板30の屈曲構造は、例えば、型を使用して絞り加工を行うことによって形成してもよい。これによれば、配線基板30の屈曲を容易に形成及び維持することができる。また、金属の基板40を使用することによって、光モジュールの放熱性を高めることができる。特に、光学チップ10は、一般の電子部品に比べて動作保証温度が低く、本実施の形態を適用すると効果的である。なお、配線パターン50は、絶縁層44上に形成されている。
【0017】
配線パターン50は、基板40の一方の面に形成してもよいし、両方の面に形成してもよく、メッキ技術、露光技術などの周知技術を適用して形成することができる。図1に示す例では、配線パターン50は、配線基板30の窪み36側の面に形成されている。配線パターン50は、図1に示すように、基板40の屈曲工程後に形成してもよいし、基板40に配線パターン50を形成した後に、配線基板30の屈曲工程を行ってもよい。配線パターン50は、複数の配線から構成され、第1の部分32から第2の部分34に至るように形成されている。配線パターン50は、電気的な接続部となる複数の端子(第1〜第3の端子52,54,56)を含む。各端子52,54,56は、配線の端部であってもよく、ランドであってもよい。いずれかの端子同士は、相互に電気的に接続されている。図1に示す例では、第1及び第2の端子52,54が、第1の部分32に形成され、第2の部分34に第3の端子56が形成されている。第3の端子56は、光モジュールの外部端子であってもよい。第3の端子56には、ろう材が設けられてもよい。
【0018】
第1の部分32は、透光部60を含む。図1に示す例では、透光部60は、基板40に形成された開口部62と、開口部62を覆うように基板40に取り付けられた透光基板64と、を含む。透光基板64は接着固定してもよい。開口部62は、基板40の貫通穴である。開口部62の外形は、光学的部分12の外形よりも大きい。こうすることで、光学的部分12に対する光路を確保することができる。透光基板64は、光透過性を有し、例えば、ガラス基板などの透明基板であってもよい。透光基板64は、光学的部分12の上方に配置され、開口部62の周囲にオーバーラップする形状を有する。透光基板64には、光学機能膜が形成されてもよい。光学機能膜は、光学的部分12の上方に形成され、例えば、透光基板64のいずれかの表面に形成される。光学機能膜は、反射防止膜(ARコート)、赤外線遮蔽膜(IRコート)などであってもよい。光学機能膜を透光基板64に形成することで、このような光学機能を有する装置を設けなくて済むので、光モジュールの小型化を図ることができる。
【0019】
変形例として、透光部60は、開口部62のみであってもよい。あるいは、配線基板30の一部が透光部60であってもよい。詳しくは、基板40の少なくとも光学的部分12に対応する部分が、光透過性を有していてもよい。基板40の全体が透光基板であってもよい。
【0020】
図1に示すように、光学チップ10は、光学的部分12が透光部60を向くように、第1の部分32に搭載されてもよい。光学チップ10は、窪み36内に設けられている。光学チップ10は、電極24を介して、配線パターン50(詳しくは第1の端子52)に電気的に接続されている。図1に示す例では、透光基板64によって、光学的部分12が覆われている。これによって、光学的部分12にゴミが付着するのを防止でき、光モジュールの信頼性を高めることができる。電極24と第1の端子52との電気的な接続として、異方性導電膜(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)等の異方性導電材料26を使用して、導電粒子を電極24と第1の端子52の間に介在させてもよい。その場合、異方性導電材料26によって、光学的部分12を覆わないようにする。あるいは、両者間の電気的接続を、Au−Au、Au−Sn、ハンダなどによる金属接合によって達成してもよい。
【0021】
図1に示すように、光モジュールは、配線基板30の窪み36内に設けられた他の電子部品70,72を含む。電子部品70,72は、配線パターン50に電気的に接続されている。電子部品70,72は、電気信号を処理する部品であり、能動部品(集積回路チップ等)又は受動部品(抵抗器、コンデンサ等)などであってもよい。
【0022】
図1に示す例では、電子部品70は、チップ(例えば半導体チップ)に集積回路が形成された集積回路チップである。集積回路チップは、マイクロプロセッサであってもよく、光学チップ10からの電気信号を処理する。集積回路チップは、光学チップ10に積層され、ワイヤ76によって、電極74及び配線パターン50(詳しくは第2の端子54)が電気的に接続されている。これによれば、光学チップ10及び電子部品(集積回路チップ)70の一体化が図れるので、平面形状の拡大を防止することができ、光モジュールの高集積化及び小型化が図れる。なお、他の電子部品72は、光学チップ10とは異なる平面位置に並べられてもよい。
【0023】
図1に示すように、窪み36の深さは、光学チップ10及び電子部品70のスタック構造の高さ(詳しくはワイヤ76の高さ)よりも深くてもよい。すなわち、窪み36は、第1の部分32に設けられる全ての電子部品(光学チップ10を含む)を内部に収容できる深さを有してもよい。
【0024】
図1に示すように、光学チップ10及び電子部品70,72は、封止材(例えば樹脂)78で封止(樹脂封止)されている。封止材78は、ディスペンサで窪み36の開口部から塗布してもよいし、型を使用して窪み36内に充填してもよい。こうすることで、光学チップ10や電子部品70,72などの電気的な接続部を封止することができ、電気的な接続部が腐食するのを防止することができる。また、光学チップ10又は電子部品70,72への不要な光の入射をカットすることができ、それらの誤動作を防止することができる。
【0025】
図1に示すように、封止材78は、第2の部分34の面と面一になるように窪み36内に充填されてもよい。こうすることで、光モジュールにおける光の入射側(又は出射側)とは反対側を平面にすることができるので、例えば、光モジュールを平面の回路基板にそのまま搭載できるなど、光モジュールの設計自由度が極めて高くなる。変形例として、封止材78は、第2の部分34の面とは異なる高さになっていてもよい。例えば、第2の部分34が封止材78の面よりも突出していてもよい。この場合でも、光モジュールを回路基板にそのまま搭載できるので、設計自由度は高い。
【0026】
図3に示す例では、光モジュールは、基材80をさらに含む。基材80は、配線基板30における窪み36とは反対の突出する部分の側に設けられている。基材80は、光学チップ10の外装(ケース)であり、筐体と呼ぶこともできる。基材80は、レンズ82を保持しており、レンズ82は、光学的部分12に対応する位置に設けられている。基材80及びレンズ82が撮像のために使用される場合、それらを撮像光学系と呼ぶことができる。基材80は、相互に分離できる複数の部材で構成してもよいし、1つの部材で一体的に構成してもよい。
【0027】
図3に示す例では、基材80は、第1及び第2の基材84,86を含む。第1の基材84には、レンズ82が取り付けられている。すなわち、第1の基材84は、レンズフォルダである。詳しくは、第1の基材84は、第1の穴88を有し、第1の穴88内にレンズ82を保持している。レンズ82は、第1の基材84の内側に形成されたねじ(図示せず)を用いて第1の穴88の軸方向に移動させることができる押さえ具を含む押え構造(図示せず)により、第1の穴88内に固定されてもよい。レンズ82は、光学チップ10の光学的部分12から間隔をあけて保持されている。
【0028】
図3に示すように、第2の基材86は、第2の穴90を有し、第2の穴90内に第1の基材84を保持している。第1及び第2の穴88,90は、相互に連通して1つの貫通穴を構成している。第1の基材84の外側と第2の基材86の第2の穴90の内側には、第1及び第2のネジ92,94が形成され、これらによって、第1及び第2の基材84,86が連結されている。そして、第1及び第2のネジ92,94によって、第1の基材84は、第2の基材86における第2の穴90の軸方向に沿って位置調整可能になっている。こうして、レンズ82の焦点を調整することができる。図3に示す例では、第2の穴90は、部分的に幅が異なっており、幅の大きい部分に配線基板30の第1の部分32が収容されている。詳しくは、基材80は、配線基板30の窪み36とは反対側の突出する部分を囲むように、第2の部分34に取り付けられている。第2の部分34は、屈曲していないので、基材80を平行な向きに配置することができ、光学的部分12及びレンズ82の両者の光軸を容易に一致させることができる。また、図3に示すように、突出する部分の壁面に基材80を接触させてもよい。これによれば、突出する部分を基材80の位置決めの基準にすることができるので、基材80のセットが容易になる。
【0029】
本実施の形態に係る光モジュールによれば、配線基板30に窪み36が形成され、光学チップ10は、窪み36内に設けられている。これによれば、配線基板30が光学チップ10を囲むように配置されているので、光学的部分12への不要な光の入射をカットして、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、窪み36に光学チップ10などの各種の電子部品を収容することができるので、設計自由度の高い光モジュールを提供することができる。
【0030】
本発明に係る光モジュールの製造方法は、光学チップ10及び配線基板30を用意し、光学チップ10を配線基板30の窪み36内に設ける。配線基板30の形成方法(屈曲方法を含む)は、すでに説明した通りである。光学チップ10の実装方法も説明した通りである。光学チップ10とともに、他の電子部品70,72も実装する。そして、光学チップ10及び電子部品70,72を封止材78で封止する。封止工程後に、基材80を配線基板30に取り付けてもよい。光モジュールにおける光の入射側(又は出射側)とは反対側が封止材78によって平面になっていれば、基材80(詳しくはレンズ82)及び光学チップ10の両者の位置合わせが容易かつ正確になる。なお、その他の事項及び効果は、上述の光モジュールにおいて説明した内容から導くことができるので省略する。
【0031】
本発明の実施の形態に係る電子機器として、図4に示すノート型パーソナルコンピュータ1000は、光モジュールが組み込まれたカメラ1100を有する。また、図5に示すデジタルカメラ2000は光モジュールを有する。さらに、図6(A)及び図6(B)に示す携帯電話3000は、光モジュールが組み込まれたカメラ3100を有する。
【0032】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る光モジュール及びその製造方法を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る光モジュールの光学チップを示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る光モジュール及びその製造方法を説明する図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【符号の説明】
10…光学チップ 12…光学的部分 30…配線基板 32…第1の部分
34…第2の部分 36…窪み 40…基板 42…金属層 44…絶縁層
50…配線パターン 60…透光部 62…開口部 64…透光基板
70…電子部品 72…電子部品 78…封止材 80…基材 82…レンズ
Claims (13)
- 基板及び前記基板に形成された配線パターンを含む配線基板と、
光学的部分を有し、前記配線パターンに電気的に接続された光学チップと、
を含み、
前記配線基板は、透光部を含む第1の部分が、前記第1の部分の外側の第2の部分よりも窪むように屈曲してなり、
前記光学チップは、前記光学的部分が前記透光部を向くように、前記配線基板の前記窪み内に設けられてなる光モジュール。 - 請求項1記載の光モジュールにおいて、
前記配線パターンに電気的に接続されるとともに、前記窪み内に設けられた他の電子部品をさらに含む光モジュール。 - 請求項2記載の光モジュールにおいて、
前記電子部品は、集積回路チップを含み、
前記集積回路チップは、前記光学チップに積層されてなる光モジュール。 - 請求項2又は請求項3記載の光モジュールにおいて、
前記光学チップ及び前記電子部品は、封止材で封止されてなる光モジュール。 - 請求項4記載の光モジュールにおいて、
前記封止材は、前記第2の部分の面と面一になるように前記窪み内に充填されてなる光モジュール。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光モジュールにおいて、
前記第2の部分に外部端子が設けられてなる光モジュール。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の光モジュールにおいて、
前記基板は、金属層と、前記金属層の表面に形成された絶縁層と、を含み、
前記配線パターンは、前記絶縁層上に形成されてなる光モジュール。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の光モジュールにおいて、
前記透光部は、前記基板の開口部を含む光モジュール。 - 請求項8記載の光モジュールにおいて、
前記透光部は、前記開口部を覆うように取り付けられた透光基板をさらに含む光モジュール。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の光モジュールにおいて、
前記光学的部分に対応する位置にレンズを保持し、前記配線基板における窪む側とは反対の突出する側に設けられた基材をさらに含む光モジュール。 - 請求項10記載の光モジュールにおいて、
前記基材は、前記配線基板の前記突出する部分を囲むように、前記第2の部分に取り付けられてなる光モジュール。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載の光モジュールを含む電子機器。
- 基板及び前記基板に形成された配線パターンを含む配線基板に、光学的部分を有する光学チップを、前記配線パターンに電気的に接続するように搭載することを含み、
前記配線基板は、透光部を含む第1の部分が、前記第1の部分の外側の第2の部分よりも窪むように屈曲してなり、
前記光学チップを、前記光学的部分が前記透光部を向くように、前記配線基板の前記窪み内に設ける光モジュールの製造方法。
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