JP2004268308A - 液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置及び液体吐出方法 Download PDF

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Manabu Tomita
学 冨田
Soichi Kuwabara
宗市 桑原
Takaaki Murakami
隆昭 村上
Kazuyasu Takenaka
一康 竹中
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Abstract

【課題】濃度ムラや白スジによる画質の劣化を防止する。
【解決手段】記録紙の走行方向と略同方向に並設された一対の発熱抵抗体102a,102bと対向して記録紙の走行方向にインク液滴を吐出させるノズル104aと、記録紙の幅方向に並設された一対の発熱抵抗体102c,102dと対向して記録紙の幅方向とインク液滴を吐出させるノズル104aとが交互に記録紙Pの幅方向に並んだ状態で、それぞれのノズル104aから同時に記録紙Pに対するインク液滴の吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴を吐出することから、記録紙にインク液滴が着弾したときの着弾点における隣接するもの同士が、これらの境界を補い合うことになり白スジや、色の濃度ムラを防止できる。
【選択図】 図13

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体内で圧力発生素子により発生した気泡が液体を押圧することで対象物と対向する吐出孔より液体を吐出させる液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体を吐出する装置として、液体の吐出対象となる記録紙に対してヘッドチップよりインクを吐出させて、画像や文字を記録するプリンタ装置がある。プリンタ装置には、インクジェット方式があり、このインクジェット方式を用いたプリンタ装置は、低ランニングコスト、装置の小型化、印刷画像のカラー化が容易という利点がある。
【0003】
インクジェット方式を用いたプリンタ装置では、例えばイエロー、マゼンダ、シアン、ブラック等のように複数の色のインクがそれぞれ充填されたインクカートリッジからヘッドチップのインク液室等に供給される。そして、このプリンタ装置では、インク液室等に供給されたインクを、インク液室内に配置された発熱抵抗体等で加熱し、発熱抵抗体上のインクに気泡を発生させ、この気泡が割れて消えるときのエネルギーによりインクがヘッドチップに設けられた微小なインク吐出孔から吐出されて対象物となる記録紙等に対して画像や文字を印刷される。
【0004】
インクジェット方式のプリンタ装置の中には、インクカートリッジがインクヘッド部に装着され、インクカートリッジが装着されたインクヘッド部が記録紙の幅方向、すなわち記録紙の走行方向と略直交する方向に移動することによって所定の色のインクを記録紙に着弾させるシリアル型のプリンタ装置がある。また、記録紙の用紙幅とほぼ同じ範囲をインクの吐出範囲とした、すなわちライン状にインクを吐出するインク吐出孔が設けられたライン型のプリンタ装置がある。
【0005】
シリアル型のプリンタ装置は、インクヘッド部が記録紙の走行方向と略直交する方向に移動するときに記録紙の走行を停止させ、停止している記録紙にインクヘッド部が移動しながらインクを吐出、着弾させ、これを繰り返すことで印刷する。一方、ライン型のプリンタ装置は、インクヘッド部が固定、若しくは印刷ムラを避けるための僅かな微動できる程度に固定されており、連続的に走行している記録紙にインクヘッド部がライン状にインクを吐出、着弾させることで印刷する。
【0006】
このため、このライン型のプリンタ装置は、シリアル型と異なりインクヘッド部を移動させないものであるから、シリアル型のプリンタ装置に比べて高速印刷を行うことが可能となる。また、ライン型のプリンタ装置は、インクヘッド部を移動させる必要がないことから、各インクカートリッジを大型化することができ、インクカートリッジのインク容量を増やすことができる。このようなライン型のプリンタ装置では、インクヘッド部が移動するものではないため構成の簡素化を図ることができ、各インクカートリッジにインクヘッド部を一体的に設けるようにしている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−301199号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したライン型のプリンタ装置では、走行している記録紙にインクが着弾するタイミングの精度により画像や文字等の印刷精度が左右されてしまう。具体的に、例えば記録紙の走行速度が速いときは、記録された画像や文字等が記録紙の走行方向に伸びて印刷されてしまい、記録紙の走行速度が遅いときは、記録された画像や文字等が記録紙の走行方向に縮んで印刷されるといった問題が起こる。
【0009】
このような問題を解決するために、ライン型のプリンタ装置では、例えば記録紙を走行させるためのモータ等の制御にサーボモータ等を使用し、記録紙が送稿する走行速度にムラが出ないように走行速度を一定にすることで、記録紙にインクが着弾するタイミングを制御している。
【0010】
しかしながら、以上のようなサーボモータ等を用いた場合でも、図28に示すように、画像等の伸びや縮みは解消されるものの、記録紙にインクが着弾するタイミングに僅か数ミクロンの誤差があると、図28中矢印Xで示す記録紙の走行方向に色の濃度にムラが生じることがある。具体的には、サーボモータによる記録紙の走行速度の制御が僅か数ミクロン遅れると、この部分の色の濃度が濃くなってしまう。一方、サーボモータによる記録紙の走行速度の制御が僅か数ミクロン速まると、この部分の色の濃度が薄くなり、さらに記録紙の走行速度の制御が数十ミクロン、数百ミクロンのレベルで速まると、記録紙の走行方向と略直交方向、すなわち記録紙の幅方向に亘ってインクが着弾してない部分、いわゆる白スジが生じてしまう。そして、このような記録紙の走行方向に起きる色の濃度ムラや白スジは、例えば色調の階調が変化しないような印刷を行うときに顕著に現れてしまう。なお、図28中200はインクの着弾点を示している。
【0011】
また、ライン型のプリント装置においては、例えばインク吐出孔にゴミ等で目詰まりしたとき、目詰まりしたインク吐出孔からインクを吐出することが困難になり、目詰まりしたインク吐出孔より吐出されたインクの着弾位置が欠落して記録紙の走行方向に沿った白スジが生じて画質が劣化してしまう虞がある。さらに、例えばゴミ等がインク吐出孔を目詰まりさせないまでもインク吐出孔の近傍に付着すると、インク吐出孔からのインクの吐出方向が変わってしまうことがある。この場合も、インクの着弾位置がずれてインクが着弾しない部分が発生して白スジが生じる虞がある。
【0012】
一方、シリアル型のプリンタ装置では、記録紙の走行を停止させて印刷する際に、前回の印刷箇所と今回の印刷箇所との境界を所定の範囲で重なるような、いわゆるオーバーラップ部を設けた印刷を行うことで記録紙の走行方向に起きる色の濃度ムラ等を防止している。
【0013】
しかしながら、シリアル型のプリンタ装置では、オーバーラップ部を設けていることにより、印刷に係る時間が長くなったり、印刷に使用するインクの量が多くなったりして印刷に係るコストが高くなるといった問題がある。
【0014】
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、印刷に係る時間を短時間にし、且つ高画質な印刷が得られる優れた液体吐出装置及び液体吐出方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明に係る液体吐出装置は、液体を収容する液室と、液室に2つ以上設けられ、エネルギーが供給されることで液室に収容された液体内に圧力を発生させる圧力発生素子と、圧力発生素子が発生した圧力により液体を吐出させるための吐出孔とを有する吐出手段と、吐出孔と対向する位置に配置された対象物を所定の方向に走行させる走行手段と、吐出手段に設けられた各圧力発生素子に、異なるエネルギーを供給し、若しくはタイミングをずらしてエネルギーを供給することで吐出手段の吐出孔より吐出される液体の吐出方向を制御する吐出方向制御手段とを備え、吐出手段が、対象物と吐出孔との相対移動方向に略垂直な方向に複数並設され、各吐出手段に設けられた各圧力発生素子は、対象物と対向する面内で互いに略平行に並ぶように配置され、並設された圧力発生素子を有する各吐出手段が、並設された圧力発生素子が相対移動方向に対して2種類以上の角度になるように並び、吐出方向制御手段が、エネルギーを制御することで、各吐出手段が吐出する液体の吐出方向を圧力発生素子の並設されている方向と略同方向に変化させることを特徴としている。
【0016】
この液体吐出装置では、互いに略平行に並設された圧力発生素子を有する各吐出手段が、並設された圧力発生素子を相対移動方向に対して2種類以上の角度で配置させるように並び、並設された圧力発生素子に異なるエネルギーを供給若しくはタイミングをずらしてエネルギーを供給することで、複数の吐出孔より吐出される液体の吐出方向を並設された圧力発生素子の並んでいる方向と略同方向している。
【0017】
これにより、この液体吐出装置では、吐出方向を相対移動方向に対して2種類以上の角度で互いに略平行に並設された圧力発生素子の並んでいる方向と略同方向にして液体が複数の吐出孔より吐出されることから、少なくとも対象物の走行方向に対して2つ以上の吐出方向を以て液体が吐出されることになる。
【0018】
したがって、この液体吐出装置では、2つ以上の吐出方向を以て複数の吐出孔より吐出された液体が対象物に着弾したときに、対象物に着弾した液体における隣接するもの同士の境界が補い合われて拡散することから、着弾した液体同士の境界を目立たなくできる。
【0019】
本発明に係る液体吐出方法は、複数の液室にそれぞれ2つ以上設けられた圧力発生素子にエネルギーを供給し、複数の液室に収容された液体内に圧力をそれぞれ発生させ、この発生した圧力により液体を、2つ以上設けられた圧力発生素子に対応して設けられた各吐出孔より、各吐出孔と対向し、且つ所定の方向に走行する対象物に向かって吐出させる液体吐出方法であって、対象物と対向する面内で互いに略平行に並設され、この並設される角度が対象物と吐出孔との相対移動方向に対して2種類以上になるようにされた2つ以上の圧力発生素子に、異なるエネルギーを供給し、若しくはタイミングをずらしてエネルギーを供給することで、各吐出孔より吐出される液体の吐出方向を、2つ以上設けられた圧力発生素子の並んでいる方向と略同方向に変化させることを特徴としている。
【0020】
この液体吐出方法では、複数の液室に設けられ、且つ相対移動方向に対して2種類以上の角度で互いに略平行に並設された圧力発生素子に、異なるエネルギーを供給若しくはタイミングをずらしてエネルギーを供給することで、複数の吐出孔より吐出される液体の吐出方向を並設された圧力発生素子の並んでいる方向と略同方向にして液体を複数の吐出孔より吐出させる。
【0021】
このため、この方法では、吐出方向を、相対移動方向に対して2種類以上の角度で互いに略平行に並設された圧力発生素子の並んでいる方向と略同方向にして液体が複数の吐出孔より吐出されることから、少なくとも対象物の走行方向に対して2つ以上の吐出方向を以て液体を吐出できる。
【0022】
したがって、この方法では、2つ以上の吐出方向を以て複数の吐出孔より吐出された液体が対象物に着弾したときに、対象物に着弾した液体における隣接するもの同士の境界が補い合われて拡散することから、着弾した液体同士の境界を目立たなくできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用されたインクジェットプリンタ装置について、図面を参照して説明する。
【0024】
第1の実施の形態として図1に示すインクジェットプリンタ装置(以下、プリンタ装置と記す。)1は、吐出対象となる記録紙に対してインク等を吐出して画像や文字を印刷するものである。このプリンタ装置1は、記録紙Pの印刷幅に合わせてインク吐出孔を設けた、いわゆるライン型のプリンタ装置である。
【0025】
このプリンタ装置1は、インク4を吐出するインクジェットプリントヘッドカートリッジ(以下、ヘッドカートリッジと記す。)2と、このヘッドカートリッジ2を装着するプリンタ本体3とを備える。プリンタ装置1は、ヘッドカートリッジ2がプリンタ本体3に対して着脱可能であり、更に、ヘッドカートリッジ2に対してインク供給源となるインクカートリッジ11y,11m,11c,11kが着脱可能である。このプリンタ装置1では、イエローのインクカートリッジ11y、マゼンタのインクカートリッジ11m、シアンのインクカートリッジ11c、ブラックのインクカートリッジ11kが使用可能となっており、また、プリンタ本体3に対して着脱可能なヘッドカートリッジ2と、ヘッドカートリッジに対して着脱可能なインクカートリッジ11y,11m,11c,11kとを消耗品として交換可能になっている。
【0026】
このようなプリンタ装置1は、記録紙Pを積層して収納するトレイ85aをプリンタ本体3の前面底面側に設けられたトレイ装着口に装着することにより、トレイ85aに収納されている記録紙Pをプリンタ本体3内に給紙できる。トレイ85aは、プリンタ本体3の前面のトレイ装着口に装着されると、給排紙機構84により記録紙Pが給紙口85からプリンタ本体3の背面側に給紙される。プリンタ本体3の背面側に送られた記録紙Pは、反転ローラにより走行方向が反転され、往路の上側をプリンタ本体3の背面側から前面側に送られる。プリンタ本体3の背面側から前面側に送られる記録紙Pは、プリンタ本体3の前面に設けられた排紙口86より排紙されるまでに、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置より入力された文字データや画像データに応じた文字や画像が印刷される。
【0027】
記録紙Pに印刷を行うヘッドカートリッジ2は、図1中矢印Aに示すように、プリンタ本体3の上面側から装着され、給排紙機構85により走行する記録紙Pに対してインク4を吐出して印刷を行う。そこで、先ず、上述したプリンタ装置1を構成するプリンタ本体2に対して着脱可能なヘッドカートリッジ2と、このヘッドカートリッジ2に着脱されるインクカートリッジ11y,11m,11c,11kについて図面を参照して説明する。
【0028】
このヘッドカートリッジ2は、導電性の液体であるインク4を、例えば電気熱変換式又は電気機械変換式などで微細に粒子化して吐出し、記録紙P等の対象物上にインク4を液滴状態にして吹き付ける。具体的に、ヘッドカートリッジ2は、図2及び図3に示すように、カートリッジ本体31を有し、このカートリッジ本体31には、インク4が充填された容器であるインクカートリッジ11y,11m,11c,11kが装着される。なお、以下、インクカートリッジ11y,11m,11c,11kを単にインクカートリッジ11ともいう。
【0029】
ヘッドカートリッジ2に着脱可能なインクカートリッジ11は、図3に示すように、強度や耐インク性を有するポリプロピレン等の樹脂材料等を射出成形することにより成形されるカートリッジ本体11aを有し、このカートリッジ本体11aは、長手方向を使用する記録紙Pの幅方向の寸法と略同じ寸法となす略矩形状に形成され、内部に貯留するインク容量を最大限に増やす構成となっている。
【0030】
具体的に、インクカートリッジ11を構成するカートリッジ本体11aには、インク4を収容するインク収容部12と、インク収容部12からヘッドカートリッジ2のカートリッジ本体31にインク4を供給するインク供給部13と、外部よりインク収容部12内に空気を取り込む外部連通孔14と、外部連通孔14より取り込まれた空気をインク収容部12内に導入する空気導入路15と、外部連通孔14と空気導入路15との間でインク4を一時的に貯留する貯留部16と、外部連通孔14から外部へのインク漏れを防ぐシール17と、インクカートリッジ11をカートリッジ本体31に係止するための係止突部18及び係合段部19と、インク収容部12内のインク4の残量を検出するための残量検出部20と、インクカートリッジ11を識別するための複数の突起部23を有する係合突部21とが設けられている。
【0031】
インク収容部12は、気密性の高い材料によりインク4を収容するための空間を形成している。インク収容部12は、略矩形に形成され、長手方向の寸法が使用する記録紙Pの幅方向、すなわち記録紙Pの走行方向に対して略直交する方向すなわち記録紙Pの幅方向の寸法と略同じ寸法となるように形成されている。
【0032】
インク供給部13は、インク収容部12の下側略中央部に設けられている。このインク供給部13は、インク収容部12と連通した略突形状のノズルであり、このノズルの先端が後述するヘッドカートリッジ2の接続部37に嵌合されることにより、インクカートリッジ2のカートリッジ本体11aとヘッドカートリッジ2のカートリッジ本体31を接続する。
【0033】
インク供給部13は、図4及び図5に示すように、インクカートリッジ11の底面13aにインク4を供給する供給口13bが設けられ、この底面13aに、供給口13bを開閉する弁13cと、弁13cを供給口13bの閉塞する方向に付勢するコイルバネ13dと、弁13cを開閉する開閉ピン13eとを備えている。ヘッドカートリッジ2の接続部37に接続されるインク4を供給する供給口13dは、図4に示すように、インクカートリッジ11がヘッドカートリッジ2のカートリッジ本体31に装着される前の段階において、付勢部材であるコイルバネ13dの付勢力により弁13cが供給口13dを閉じる方向に付勢され閉塞されている。そして、インクカートリッジ11がカートリッジ本体31に装着されると、図5に示すように、開閉ピン13eがヘッドカートリッジ2を構成するカートリッジ本体31の接続部37の上部により図5中矢印Bで示すコイルばね13dの付勢方向とは反対の方向に押し上げられる。これにより、押し上げられた開閉ピン13eは、コイルバネ13dの付勢力に抗して弁13cを押し上げて供給口13bを開放する。このようにして、インクカートリッジ11のインク供給部13は、ヘッドカートリッジ2の接続部37に接続され、インク収容部12とインク溜め部51とを連通し、インク溜め部51へのインク4の供給が可能な状態となる。
【0034】
また、インクカートリッジ11をヘッドカートリッジ2側の接続部37から引き抜くとき、すなわちインクカートリッジ11をヘッドカートリッジ2の装着部32より取り外すとき、弁13cの開閉ピン13eによる押し上げ状態が解除され、弁13cは、コイルバネ13dの付勢方向に移動し、供給口13bを閉塞する。これにより、インクカートリッジ11をカートリッジ本体31に装着する直前にインク供給部13の先端部が下方を向いている状態であってもインク収容部12内のインク4が漏れることを防止することができる。また、インクカートリッジ11をカートリッジ本体31から引き抜いたときには、直ちに弁13cが供給口13bを閉塞するので、インク供給部13の先端からインク4が漏れることを防止することができる。
【0035】
外部連通孔14は、図3に示すように、インクカートリッジ11外部からインク収容部12に空気を取り込む通気口であり、ヘッドカートリッジ2の装着部32に装着されたときも、外部に臨み外気を取り込むことができるように、装着部32への装着時に外部に臨む位置であるカートリッジ本体11aの上面、ここでは上面略中央に設けられている。外部連通孔14は、インクカートリッジ11がカートリッジ本体31に装着されてインク収容部12からカートリッジ本体31側にインク4が流下した際に、インク収容部12内のインク4が減少した分に相当する分の空気を外部よりインクカートリッジ11内に取り込む。
【0036】
空気導入路15は、インク収容部12と外部連通孔14とを連通し、外部連通孔14より取り込まれた空気をインク収容部12内に導入する。これにより、このインクカートリッジ11がカートリッジ本体31に装着された際に、ヘッドカートリッジ2のカートリッジ本体31にインク4が供給されてインク収容部12内のインク4が減少し内部が減圧状態となっても、インク収容部12には、空気導入路15によりインク収容部12に空気が導入されることから、内部の圧力が平衡状態に保たれてインク4をカートリッジ本体31に適切に供給することができる。
【0037】
貯留部16は、外部連通孔14と空気導入路15との間に設けられ、インク収容部12に連通する空気導入路15よりインク4が漏れ出た際に、いきなり外部に流出することがないようにインク4を一時的に貯留する。
【0038】
この貯留部16は、長い方の対角線をインク収容部12の長手方向とした略菱形に形成され、インク収容部12の最も下側に位置する頂部に、すなわち短い方の対角線上の下側に空気導入路15を設けるようにし、インク収容部12より進入したインク4を再度インク収容部12に戻すことができるようにしている。また、貯留部16は、短い方の対角線上の最も下側の頂部に外部連通孔14を設けるようにし、インク収容部12より進入したインク4が外部連通孔14より外部に漏れにくくする。
【0039】
シール17は、外部連通孔14を閉塞する部材であり、外部連通孔14までインク4が逆流してしまったインク4がインクカートリッジ11の外部に漏れてしまうことを防止する。このため、シール17は、少なくともインク4を透過しないような撥水性を有する材料で形成されている。そして、このシール17は、使用時において、剥離され、インク使用量に応じて、外気連通孔14からは、インク収容部12内に外気を随時補充できるようにする。
【0040】
係止突部18は、インクカートリッジ11の短辺の一方の側面に設けられた突部であり、ヘッドカートリッジ2のカートリッジ本体31のラッチレバー34に形成された係合孔34aと係合する。この係止突部18は、上面がインク収容部12の側面に対して略直交するような平面で形成されると共に、下面は側面から上面に向かって傾斜するように形成されている。係合段部19は、インクカートリッジ11の係止突部18が設けられた側面の反対側の側面の上部に設けられている。係合段部19は、カートリッジ本体11aの上面と一端を接する傾斜面19aと、この傾斜面19aの他端と他方の側面と連続し、上面と略平行な平面19bとからなる。インクカートリッジ11は、係合段部19が設けられていることで、平面19bが設けられた側面の高さがカートリッジ本体11aの上面より1段低くなるように形成され、この段部でカートリッジ本体31の係合片33と係合する。係合段部19は、ヘッドカートリッジ2の装着部32に挿入されるとき、挿入端側の側面に設けられ、ヘッドカートリッジ2の装着部32側の係合片33に係合することで、インクカートリッジ11を装着部32に装着する際の回動支点部となる。
【0041】
残量検出部20は、インクカートリッジ11の係合段部19が設けられた側面に設けられている。残量検出部20は、インク収容部12内に臨まされる一対の検出ピンと、インクカートリッジ11がヘッドカートリッジ2の装着部32に装着されたとき、ヘッドカートリッジ2のインク残量検出部36と電気的に接続される接点とを備える接点部材を有し、この接点部材は、カートリッジ本体11aの側面の高さ方向に複数、ここでは3段並設されている。インク4は、導電性を有するものであるから、インク収容部12内に臨まされている一対の検出ピンがインク4に浸漬しているとき電気抵抗値が小さくなり、インク4に浸漬していないとき、電気抵抗が高くなる。すなわち、インク収容部12内にインク4が満杯のとき、全ての検出ピンは、インク4に浸漬されており、全て電気抵抗値が低い状態となる。そして、インク4が使用されるに連れて、検出ピンの電気抵抗値は上の段から順に高くなる。これによって、残量検出部20は、インク収容部12内のインク残量を検出することができる。なお、インク収容部20の高さ方向に設ける端子板の数は、3段に限定されるものではなく、2段でもよく、また、より正確な残量検出を行う場合には、この段数を更に増やすようにすればよい。
【0042】
ところで、インクカートリッジ11を構成するカートリッジ本体11aは、インク供給部13が設けられた底面側がヘッドカートリッジ2に設けられた装着部32に係合する係合領域22となる。そして、係合領域22の一部、すなわちカートリッジ本体11aの係合領域22には、インクカートリッジ11の種類を識別するための複数の突起部を有する係合突部21が設けられている。この係合突部21は、複数の突起部の配置パターンによってインクカートリッジ11の種類を識別できるようになっており、インクカートリッジ11y,11m,11cがヘッドカートリッジ2の正規の装着部32y,32m,32cに装着されたときに限って、その装着部32y,32m,32cに設けられた係合凹部24に係合するように設けられている。
【0043】
次に、以上のように構成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインク4を収納したインクカートリッジ11y,11m,11c,11kが装着されるヘッドカートリッジ2について説明する。
【0044】
ヘッドカートリッジ2は、図2及び図3に示すように、カートリッジ本体31を有し、このカートリッジ本体31には、インクカートリッジ11が装着される装着部32y,32m,32c,32k(以下、全体を示すときには単に装着部32ともいう。)と、インクカートリッジ11を固定する係合片33及びラッチレバー34と、インクカートリッジ11を取り出し方向に付勢する付勢部材35と、インクカートリッジ11内におけるインク残量を検出するインク残量検出部36と、インク供給部13と接続されてインク4が供給される接続部37と、接続部37内におけるインク4の有無を検出するインク検出部38,39と、カートリッジ本体31をプリンタ本体3から取り外すための取手部40と、インク4を吐出するヘッドチップ41と、ヘッドチップ41を保護するヘッドキャップ42とを有している。
【0045】
インクカートリッジ11が装着される装着部32は、インクカートリッジ11が装着されるように上面をインクカートリッジ11の挿脱口として略凹形状に形成され、ここでは4本のインクカートリッジ11が記録紙Pの走行方向に並んで収納される。装着部32は、インクカートリッジ11が収納されることから、インクカートリッジ11と同様に印刷幅の方向に長く設けられている。カートリッジ本体31には、インクカートリッジ11が収納装着される。
【0046】
装着部32は、図6に示すように、インクカートリッジ11が装着される部分であり、イエロー用のインクカートリッジ11yが装着される部分を装着部32yとし、マゼンタ用のインクカートリッジ11mが装着される部分を装着部32mとし、シアン用のインクカートリッジ11cが装着される部分を装着部32cとし、ブラック用のインクカートリッジ11kが装着される部分を装着部32kとし、各装着部32y,32m,32c,32kは、隔壁32aによりそれぞれ隣接するように区画されている。
【0047】
なお、上述したようにブラックのインクカートリッジ11kは、インク4の内容量が大きくなるように厚く形成されているため、幅が他のインクカートリッジ11y,11m,11cよりも広く設けられており、これに合わせて装着部32kの幅も他の装着部32y,32m,32cよりも広く設けられている。
【0048】
以上のようにインクカートリッジ11が装着される装着部32の開口端には、図3に示すように、係合片33が設けられている。この係合片33は、装着部32の長手方向の一端縁に設けられており、インクカートリッジ11の係合段部19と係合する。インクカートリッジ11は、インクカートリッジ11の係合段部19側を挿入端として斜めに装着部32内に挿入し、係合段部19と係合片33との係合位置を回動支点として、インクカートリッジ11の係合段部19が設けられていない側を装着部32側に回動させるようにして装着部32に装着することができる。これによって、インクカートリッジ11は、装着部32に容易に装着することができ、また、挿入端となる側面に設けられている残量検出部20がカートリッジ本体31の側面とこすれることをなくし、残量検出部20の保護を図っている。
【0049】
ラッチレバー34は、図3に示すように、板バネを折曲して形成されるものであり、装着部32の係合片33に対して反対側の側面、すなわち長手方向の他端の側面に設けられている。ラッチレバー34は、基端部が装着部32を構成する長手方向の他端の側面の底面側に一体的に設けられ、先端側がこの側面に対して近接離間する方向に弾性変位するように形成され、先端側に係合孔34aが形成されている。ラッチレバー34は、インクカートリッジ11が装着部32に装着されると同時に、弾性変位し、係合孔34aがインクカートリッジ11の係止突部18と係合し、装着部32に装着されたインクカートリッジ11が装着部32より脱落しないようにする。
【0050】
付勢部材35は、インクカートリッジ11の係合段部19に対応する側面側の底面上にインクカートリッジ11を取り外す方向に付勢する板バネを折曲して設けられる。付勢部材35は、折曲することにより形成された頂部を有し、底面に対して近接離間する方向に弾性変位し、頂部でインクカートリッジ11の底面を押圧し、装着部32に装着されているインクカートリッジ11を装着部32より取り外す方向に付勢するイジェクト部材である。付勢部材35は、ラッチレバー34の係合孔34aと係止突部18との係合状態が解除されたとき、装着部23よりインクカートリッジ11を排出する。
【0051】
インク残量検出部36は、図6に示すように、インクカートリッジ11内のインク4の残量を段階的に検出するものであり、各色のインクカートリッジ11y,11m,11c,11kの装着部32y,32m,32c,32kに設けられている。インク残量検出部36は、インクカートリッジ11がヘッドカートリッジ2に装着されたとき、インクカートリッジ11内の側面の高さ方向に並設された残量検出部20に接触し電気的に接続される。インク残量検出部36は、インクカートリッジ11側へ付勢する図示しない付勢部材により押圧されており、インクカートリッジ11が装着されたとき、インクカートリッジ11の残量検出部20に密着され確実に残量検出部20と電気的に接続される。
【0052】
各装着部32y,32m,32c,32kの長手方向略中央には、インクカートリッジ11y,11m,11c,11kが装着部32y,32m,32c,32kに装着されたとき、インクカートリッジ11y,11m,11c,11kのインク供給部13が接続される接続部37が設けられている。この接続部37は、装着部32に装着されたインクカートリッジ11のインク供給部13からカートリッジ本体31の底面に設けられたインク4を吐出するヘッドチップ41にインク4を供給するインク供給路となる。
【0053】
具体的に、接続部37は、図7に示すように、インクカートリッジ11から供給されるインク4を溜めるインク溜め部51と、接続部37に連結されるインク供給部13をシールするシール部材52と、インク4内の不純物を除去するフィルタ53と、ヘッドチップ41側への供給路を開閉する弁機構54とを有している。
【0054】
インク溜め部51は、インク供給部13と接続されインクカートリッジ11から供給されるインク4を溜める空間部である。シール部材52は、インク溜め部51の上端に設けられた部材であり、インクカートリッジ11のインク供給部13が接続部37のインク溜め部51に接続されるとき、インク4が外部に漏れないようインク溜め部51とインク供給部13との間を密閉する。フィルタ53は、インクカートリッジ11の着脱時等にインク4に混入してしまった塵や埃等のごみを取り除くものであり、インク検出部38,39よりも下部に設けられている。
【0055】
弁機構54は、図8及び図9に示すように、インク溜め部51からインク4が供給されるインク流入路61と、インク流入路61からインク4が流入するインク室62と、インク室62からインク4を流出するインク流出路63と、インク室62をインク流入路61側とインク流出路63側との間に設けられた開口部64と、開口部64を開閉する弁65と、弁65を開口部64の閉塞する方向に付勢する付勢部材66と、付勢部材66の強さを調節する負圧調整ネジ67と、弁65と接続される弁シャフト68と、弁シャフト68と接続されるダイアフラム69とを有する。
【0056】
インク流入路61は、インク溜め部51を介してインクカートリッジ11のインク収容部12内のインク4をヘッドチップ41に供給可能にインク収容部12と連結する供給路である。インク流入路61は、インク溜め部51の底面側からインク室62まで設けられている。インク室62は、インク流入路61、インク流出路63及び開口部64と一体となって形成された略直方体をなす空間部であり、インク流入路61からインク4が流入し、開口部64を介してインク流出路63からインク4を流出する。インク流出路63は、インク室62から開口部64を介してインク4が供給されて、更にヘッドチップ41と連結された供給路である。インク流出路63は、インク室62の底面側からヘッドチップ41まで延在されている。
【0057】
弁65は、開口部64を閉塞してインク流入路61側とインク流出路63側とを分割する弁であり、インク室62内に配設される。弁65は、付勢部材66の付勢力と、弁シャフト68を介して接続されたダイアフラム69の復元力と、インク流出路63側のインク4の負圧によって上下に移動する。弁65は、下端に位置するとき、インク室62をインク流入路61側とインク流出路63側とを分離するように開口部64を閉塞し、インク流出路63へのインク4の供給を遮断する。弁65は、付勢部材66の付勢力に抗して上端に位置するとき、インク室62をインク流入路61側とインク流出路63側とを遮断せずに、ヘッドチップ41へインク4の供給を可能とする。なお、弁65を構成する材質は、その種類を問わないが、高い閉塞性を確保するため例えばゴム弾性体、いわゆるエラストマーにより形成される。
【0058】
付勢部材66は、例えば圧縮コイルバネ等であり、弁65の上面とインク室62の上面との間で負圧調整ネジ67と弁65とを接続し、付勢力により弁65を開口部64の閉塞する方向に付勢する。負圧調整ネジ67は、付勢部材66の付勢力を調整するネジであり、負圧調整ネジ67を調整することで付勢部材66の付勢力を調整することができるようにしている。これにより、負圧調整ネジ67は、詳細は後述するが開口部64を開閉する弁65を動作させるインク4の負圧を調整することができる。
【0059】
弁シャフト68は、一端に接続された弁65と、他端に接続されたダイアフラム69とを連結して運動するように設けられたシャフトである。ダイアフラム69は、弁シャフト68の他端に接続された薄い弾性板である。このダイアフラム69は、インク室62のインク流出路63側の一主面と、外気と接する他主面とからなり、大気圧とインク4の負圧により外気側とインク流出路63側に弾性変位する。
【0060】
以上のような弁機構54では、図8に示すように、弁65が付勢部材66の付勢力とダイアフラム69の付勢力とによってインク室62の開口部64を閉塞するように押圧されている。そして、ヘッドチップ41からインク4が吐出された際に、開口部64分割されたインク流出路63側のインク室62のインク4の負圧が高まると、図9に示すように、インク4の負圧によりダイアフラム69が大気圧により押し上げられて、弁シャフト68と共に弁65を付勢部材66の付勢力に抗して押し上げる。このとき、インク室62のインク流入路61側とインク流出路63側と間の開口部64が開放され、インク4がインク流入路61側からインク流出路63側に供給される。そして、インク4の負圧が低下してダイアフラム69が復元力により元の形状に戻り、付勢部材66の付勢力により弁シャフト68と共に弁65をインク室62が閉塞するように引き下げる。以上のようにして弁機構54では、インク4を吐出する度にインク4の負圧が高まると、上述の動作を繰り返す。
【0061】
また、この接続部37では、インク収容部12内のインク4がインク室62に供給されると、インク収容部12内のインク4が減少するが、このとき、空気導入路15から外気がインクカートリッジ11内に入り込む。インクカートリッジ11内に入り込んだ空気は、インクカートリッジ11の上方に送られる。これにより、インク液滴iが後述するノズル104aから吐出される前の状態に戻り、平衡状態となる。このとき、空気導入路15内にインク4がほとんどない状態で平衡状態となる。
【0062】
インク検出部38,39は、図7に示すように、それぞれインクカートリッジ11のインク供給部13に接続される接続部37内のインク4の有無を検出する一対の導電性を有する線状部材からなり、先端部が接続部37内に臨ませるように配設されている。インク検出部38,39は、接続部37のインク溜め部51の側面に接続部37の内部から外部に貫通するように設けられ、それぞれヘッドチップ41に接続されている。
【0063】
インク検出部38,39の先端部は、接続部37内におけるフィルタ53よりも上部に設けられている。これは、インク4がフィルタ53以下となる場合に、ヘッドチップ41側におけるインク4の負圧が高まり、装置の故障の原因となることを防止するためである。インク検出部38,39は、インク4をフィルタ53よりもインクカートリッジ11側で検出することで、インク4がフィルタ53からヘッドチップ41側においてなくなってしまうことを防止することができる。
【0064】
取手部40は、カートリッジ本体31が消耗する等して交換の必要がある場合や、インクジェットプリンタ装置1を修理する際等に、カートリッジ本体31の取り外しを容易にする。
【0065】
ヘッドチップ41は、カートリッジ本体31の底面に沿って配設されており、接続部37から供給されるインク液滴iを吐出するインク吐出孔である後述するノズル104aが各色毎に略ライン状をなすように設けられている。
【0066】
ヘッドキャップ42は、図2に示すように、ヘッドチップ41を保護するために設けられたカバーであり、インク4を吐出する際には、プリンタ本体3の後述するカバー開閉機構により開閉される。ヘッドキャップ42は、開閉方向に設けられた溝部71と、長手方向に設けられヘッドチップ41の吐出面41aに付着した余分なインク4を吸い取る清掃ローラ72とを有している。ヘッドキャップ42は、開閉動作時にこの溝部71に沿って図2中矢印Cで示すインクカートリッジ11の短手方向に開閉するようにされており、このとき清掃ローラ72がヘッドチップ41の吐出面41aに当接しながら回転することで、余分なインク4を吸い取り、ヘッドチップ41の吐出面41aを清掃する。この清掃ローラ72は、例えば吸水性の高い部材が用いられる。また、ヘッドキャップ42は、ヘッドチップ41内のインク4が乾燥しないようにする。
【0067】
上述したヘッドチップ41は、各色のインク4に対応して、図10、図11及び図12に示すように、ベースとなる回路基板101と、記録紙Pの走行方向と略同方向に並設された一対の発熱抵抗体102a,102b及び記録紙Pの走行方向と略直交方向、すなわち記録紙Pの幅方向に並設された一対の発熱抵抗体102c,102dと、インク4の漏れを防ぐフィルム103と、インク4が液滴の状態で吐出されるノズル104aが多数設けられたノズルシート104と、これらに囲まれてインク4が供給される空間であるインク液室105と、インク液室105にインク4を供給するインク流路106とを有する。
【0068】
回路基板101は、シリコン等の半導体基板であり、その一主面101aに、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dが形成されており、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dが回路基板101上の図示しない制御回路とそれぞれ接続されている。この制御回路は、ロジックIC(Integrated Circuit)やドライバートランジスタ等で構成されている。
【0069】
一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dは、制御回路から供給される電力により発熱し、インク液室105内のインク4を加熱して内圧を高める。これにより加熱されたインク4は、後述するノズルシート104に設けられたノズル104aから液滴の状態で吐出する。
【0070】
フィルム103は、回路基板101の一主面101aに積層されている。フィルム103は、例えば露光硬化型のドライフィルムレジストからなるものであり、回路基板101の一主面101aの略全体に積層された後、フォトリソグラフプロセスによって不要部分が除去され、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dそれぞれを略凹状に囲むように形成されている。フィルム103においては、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dそれぞれを囲む部分がインク液室105の一部を形成する。
【0071】
ノズルシート104は、インク液滴iを吐出させるためのノズル104aが形成されたシート状部材であり、フィルム103の回路基板101と反対側に積層されている。ノズル104aは、ノズルシート104に円形状に開口された微小孔であり、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dと対向するように配置されている。なお、ノズルシート104はインク液室105の一部を構成する。
【0072】
インク液室105は、回路基板101、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102d、フィルム103及びノズルシート104に囲まれた空間部であり、インク流路106からのインク4が供給される。インク液室105のインク4は、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dにより加熱され、内圧が上昇される。インク流路106は、接続部37のインク流出路63と接続されており、接続部37に接続されたインクカートリッジ11からインク4が供給され、このインク流路106に連通する各インク液室105にインク4を送り込む流路を形成する。すなわち、インク流路106と接続部34とが連通されている。これにより、インクカートリッジ11から供給されるインク4がインク流路106に流れ込み、インク液室105内に充填される。
【0073】
上述した1個のヘッドチップ41には、インク液室105毎に一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dの何れかが設けられ、このような一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dが設けられたインク液室105を100個程度備えている。そして、ヘッドチップ41においては、プリンタ装置1の制御部からの指令によってこれら一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dそれぞれを適宜選択して一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dに対応するインク液室105内のインク4を、インク液室105に対応するノズル104aから液滴の状態で吐出させることができる。
【0074】
すなわち、ヘッドチップ41において、ヘッドチップ41と結合されたインク流路106から、インク液室105にインク4が満たされる。そして、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dに短時間、例えば、1〜3μsecの間パルス電流を流すことにより、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dがそれぞれ急速に発熱し、その結果、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dと接する部分のインク4が加熱されて気相のインク気泡が発生し、そのインク気泡の膨張によってある体積のインク4が押圧される(インク4が沸騰する)。これによって、ノズル104aに接する部分でインク気泡に押圧されたインク4と同等の体積のインク4がインク液滴iとしてノズル104aから吐出され、記録紙P上に着弾される。
【0075】
このヘッドチップ41では、図13に示すように、1つのインク液室105内に、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dが互いに略平行に並設されている。すなわち、1つのインク液室105内に、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dを備えるものである。そして、ヘッドチップ41においては、図13中矢印Dで示す記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102a,102bと、図13中矢印Eで示す記録紙Pの走行方向と略直交方向、すなわち記録紙Pの幅方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102c,102dとが交互に規則的に並ぶようにされている。なお、図13では、ノズル104aの位置を1点鎖線で示している。
【0076】
このように、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dでは、1つの抵抗体を2つに分割したような形状となり長さが同じで幅が半分になることから、それぞれの抵抗体の抵抗値がほぼ倍の値になる。これら一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dにおける抵抗体を直列に接続した場合、2倍程度の抵抗値を有する抵抗体が直列に接続されることとなり、抵抗値は分割する前の4倍程度になる。
【0077】
ここで、インク液室105内のインク4を沸騰させるためには、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dに一定の電力を加えて一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dを発熱させる必要がある。この沸騰時のエネルギーにより、インク液滴iを吐出させるためである。そして、抵抗値が小さいと、流す電流を大きくする必要があるが、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dの抵抗値が高くなっていることから、少ない電流で沸騰させることができるようになる。
【0078】
これにより、ヘッドチップ41では、電流を流すためのトランジスタ等を小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。なお、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dの厚みを薄く形成すれば抵抗値をさらに高くすることができるが、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dとして選定される材料や強度(耐久性)等の観点から、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dの厚みを薄くするには一定の限界がある。このため、厚みを薄くすることなく、分割することで、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dの抵抗値を高くしている。
【0079】
ところで、インク液室105内のインクをノズル104aより吐出させるときにおいて、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102bによってインク液室105内のインクが沸騰するまでの時間、すなわち気泡発生時間が同じになるように発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dを駆動制御すると、インク液滴iは、ノズル104aより真下に吐出される。また、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102bの気泡発生時間に時間差が発生した場合には、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102b上で略同時にインク4が沸騰し気泡が発生しなくなり、発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dが並んでいる方向の何れか一方にずれてインク液滴iが吐出される。
【0080】
これを図14(A)及び図14(B)に示す一対の発熱抵抗体102a,102bがインク気泡を発生する際の気泡発生時間の差と、インク液滴iの吐出角度との関係を参照にして説明する。図14(A)は、一対の発熱抵抗体102a,102bが並設されている方向の吐出角度θxを示し、図14(B)は、一対の発熱抵抗体102a,102bの並設方向と略直交方向の吐出角度θyを示している。図14(A)及び図14(B)は、横軸に気泡発生時間の差をとっており、一対の発熱抵抗体102a,102bにおける抵抗差は、時間差0.04μsecで3%、時間差0.08μsecで6%程度のばらつきに相当する。なお、図14(A)及び図14(B)はコンピュータによるシミュレーション結果である。ここでは、一対の発熱抵抗体102a,102bの特性について説明しているが、一対の発熱抵抗体102c,102dについては、一対の発熱抵抗体102a,102bと同様の特性を備えているので説明は省略する。
【0081】
図14(A)及び図14(B)に示すように、気泡発生時間に差が生じると、インク液滴iの吐出角度が略垂直でなくなるので、インク液滴iの着弾位置が本来の位置からずれる。そこで、チップヘッド41は、この特性を利用し、一対の発熱抵抗体102a,102bの気泡発生時間をそれぞれ制御し、インク液滴iのノズル104aからの吐出角度、すなわち吐出方向を制御する。
【0082】
以上のようなヘッドチップ41では、各インク液室105内の一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dに電力等を供給することで、ノズル104aからインク液滴iを吐出させる。そして、このヘッドチップ41では、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dに対し、略同時に同一量のエネルギーを供給することで、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dそれそれの抵抗体の気泡発生時間を理論上、同じにすることができる。したがって、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dは、インク4を同時に沸騰させることができ、インク液滴iの吐出角度がインク液滴iの着弾面に対して略垂直になるようにノズル104aからインク液滴iを吐出させることができる。
【0083】
さらに、ヘッドチップ41は、各インク液室105内の一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dそれそれの抵抗体の気泡発生時間を異ならせるように一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dに供給される電力を制御する。この場合、ヘッドチップ41は、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dにおけるそれぞれの抵抗体のうちの一方と他方とにエネルギーを供給するときのエネルギーの与え方に差異を与えることで一対の発熱抵抗対102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dそれぞれの抵抗体の気泡発生時間に差が生じるようになり、ノズル104aから吐出されるインク液滴iを、着弾面に対し定略垂直にインク液滴iが吐出されたときのインク液滴iの着弾位置と異なる位置に着弾される。すなわち、ヘッドチップ41は、インク液滴iの吐出角度がインク4の着弾面に対して斜めになるようにノズル104aからインク液滴iを吐出させる。
【0084】
すなわち、ヘッドチップ41では、図13中矢印Dで示す記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102a,102bに対向するノズル104aから吐出するインク液滴iの吐出方向を記録紙Pの走行方向と略同方向にずらすことが可能となり、図13中矢印Eで示す記録紙Pの幅方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102c,102dに対向するノズル104aから吐出するインク液滴iの吐出方向を記録紙Pの幅方向にずらすことが可能となる。
【0085】
以上のように、ヘッドチップ41は、インクの着弾位置を分散させることができる。これにより、例えば抵抗体の製造誤差に伴い抵抗値がばらつき、このばらつきによって気泡発生時間に時間差が発生して、インクの吐出方向が斜めになり、インクの塗布むらが発生し、記録紙に白すじが現れてしまうことを防止することができる。
【0086】
なお、ここでは、各抵抗体に異なる大きさの電力を供給することで一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dにおける気泡発生時間をずらすようにしたが、このことに限定されることはなく、例えば各抵抗体に電力が供給されるタイミングをずらすことで一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dにおける気泡発生時間をずらすことも可能である。
【0087】
次に、以上のように構成されたヘッドカートリッジ2が装着されるプリンタ装置1を構成するプリンタ本体3について図面を参照して説明する。
【0088】
プリンタ本体3は、上記図1及び図15に示すように、ヘッドカートリッジ2が装着されるヘッドカートリッジ装着部81と、ヘッドカートリッジ2をヘッドカートリッジ装着部81に保持、固定するためのヘッドカートリッジ保持機構82と、ヘッドキャップを開閉するヘッドキャップ開閉機構83と、記録紙Pを給排紙する給排紙機構84と、給排紙機構84に記録紙Pを供給する給紙口85と、給排紙機構84から記録紙Pが出力される排紙口86とを有する。
【0089】
ヘッドカートリッジ装着部81は、ヘッドカートリッジ2が装着される凹部であり、走行する記録紙にデータ通り印刷を行うため、ヘッドチップ41の吐出面41aと走行する記録紙Pの紙面とが互いに略平行となるようにヘッドカートリッジ2が装着される。ヘッドカートリッジ2は、ヘッドチップ41内のインク詰まり等で交換する必要が生じる場合等があり、インクカートリッジ11程の頻度はないが消耗品であるため、ヘッドカートリッジ装着部81に対して着脱可能にヘッドカートリッジ保持機構82によって保持される。ヘッドカートリッジ保持機構82は、ヘッドカートリッジ装着部81にヘッドカートリッジ2を着脱可能に保持するための機構であり、ヘッドカートリッジ2に設けられたつまみ82aをプリンタ本体3の係止孔82b内に設けられた図示しないバネ等の付勢部材に係止することによってプリンタ本体3に設けられた基準面3aに圧着するようにしてヘッドカートリッジ2を位置決めして保持、固定できるようにしている。
【0090】
ヘッドキャップ開閉機構83は、ヘッドカートリッジ2のヘッドキャップ42を開閉する駆動部を有しており、印刷を行うときにヘッドキャップ42を開放してチップヘッド41が記録紙Pに対して露出するようにし、印刷が終了したときにヘッドキャップ42を閉塞してチップヘッド41を保護する。給排紙機構84は、記録紙Pを搬送する駆動部を有しており、供給口85から供給される記録紙Pをヘッドカートリッジ2のチップヘッド41まで搬送し、インク4が吐出された記録紙Pを排紙部85に搬送して装置外部へ出力する。給紙口85は、給排紙機構84に記録紙Pを供給する開口部であり、トレイ85a等に複数枚の記録紙Pを積層してストックすることができる。排紙口86は、インク液滴iが吐出された記録紙Pが給排紙機構84により搬送されて排出される。
【0091】
ここで、以上のように構成されたプリンタ装置1による印刷を制御する制御回路について図面を参照して説明する。
【0092】
制御回路110は、図16に示すように、プリンタ本体3の各駆動部を駆動するプリンタ駆動部111と、各色のインク4に対応するヘッドチップ41に供給される電流等を制御する吐出制御部112と、各色のインク4の残量を警告する警告部113と、外部装置と信号の入出力を行う入出力端子114と、制御プログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)115と、読み出された制御プログラム等が読み出されるRAM(Random Access Memory)116と、各部の制御を行う制御部117とを有している。
【0093】
プリンタ駆動部111は、制御部117からの制御信号に基づき、ヘッドキャップ開閉機構83を構成する駆動モータを駆動させてヘッドキャップ42を開閉する。また、プリンタ駆動部111は、制御部117からの制御信号に基づき、給排紙機構84を構成する駆動モータを駆動させてプリンタ本体3の給紙口85から記録紙Pを給紙し、記録後に排紙口86から排紙する。
【0094】
吐出制御部112は、図17に示すように、それぞれが抵抗体である一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dに電流を流すための電源120a,120bと、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dと電源120a,120bとの電気的な接続をオン/オフさせるスイッチング素子121a,121b,121cと、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dに供給される電流を制御するための抵抗122a,122b,122c、及び可変抵抗123と、スイッチング素子121b,121cの切り換えを制御する切換制御回路124a,124bとを備える電気回路である。なお、吐出制御部112は、一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dを同じように制御することから、ここでは一対の発熱抵抗体102a,102bを例に挙げて説明する。
【0095】
電源120aは、発熱抵抗体102bに接続され、電源120bはスイッチング素子123c、可変抵抗122を介して抵抗121a,121b,121cに選択的に接続され、それぞれ電気回路に電力を供給する。なお、電気回路に供給される電力は、電源120a,120bを電力源としてもよいが、例えば制御部117等から直接供給されるようにすることも可能である。
【0096】
スイッチング素子121aは、発熱抵抗体102aとグランドとの間に配置され、吐出制御部112全体のオン/オフを制御する。スイッチング素子121bは、一対の発熱抵抗体102a,102bと抵抗122a,122b,122cとの間に配置され、一対の発熱抵抗体102a,102bに供給する電力を制御する。スイッチング素子121cは、可変抵抗123と電源120bとの間に配置され、インク液滴iの吐出方向を制御する。そして、これらスイッチング素子121a,121b,121cは、それぞれオン/オフが切り換えられることで電気回路に供給される電力を制御する。
【0097】
抵抗122a,122b,122cは、それぞれ異なる抵抗値を有し、スイッチング素子121bが切り換えられることにより一対の発熱抵抗体102a,102bに供給される電力を制御する。具体的に、抵抗122aが最も抵抗値が大きく、次いで抵抗122bが大きく、抵抗122cの抵抗値が最も小さくなっており、一対の発熱抵抗体102a,102bに供給される電力は抵抗122a,122b,122cの何れに接続されるかによって決まる。
【0098】
可変抵抗123は、抵抗122a,122b,122cと組み合わされることで一対の発熱抵抗体102a,102bそれぞれに供給される電力の更に調節することができる。
【0099】
切換制御回路124aは、スイッチング素子121bのオン/オフをランダムに切り換えて、ランダムに抵抗122a,122b,122cのうちの何れかを接続させるか、若しくはスイッチング素子121dをオフの状態にする。切換制御回路124bは、スイッチング素子121cのオン/オフをランダムに切り換えて、電源120bと電気回路との接続のオン/オフをランダムに切り換える。そして、切換制御回路124a,124bは、乱数回路等により発生した乱数データに基づいてランダムにスイッチング素子121b,121cを切り換える。
【0100】
以上のような構成の吐出制御部112では、スイッチング素子121bをオフにして抵抗122a,122b,122cと一対の発熱抵抗体102a,102bとが接続されていないとき、スイッチング素子121aをオンにすると、電源120aから電力が直列に接続された一対の発熱抵抗体102a,102bに供給される(抵抗122a,122b,122cには電流が流れない)。このとき、一対の発熱抵抗体102a,102bの抵抗値が略同一である場合には、電力が供給されたときは一対の発熱抵抗体102a,102bが発生する熱量が略同一になる。
【0101】
この場合、ヘッドチップ41は、図18(A)に示すように、一対の発熱抵抗体102a,102bで発生する熱量が略同一となることから、気泡発生時間が略同一になりインク4の吐出角度がインク4の着弾面に対して略垂直になるようにインク液滴iをノズル104aから吐出する。これにより、吐出されたインク液滴iは、図18(A)中130で示す着弾点に着弾する。
【0102】
また、図17に示す吐出制御部112では、スイッチング素子121bと抵抗122a,122b,122cのうちの何れかとの接続をオンにし、スイッチング素子121aをオンにし、スイッチング素子121cをグランドと接続したときに、インク液滴iの吐出方向が図18(A)中矢印Dで示す記録紙Pの走行方向にインク液滴iの吐出方向を可変できる。すなわち、スイッチング素子121bが抵抗122a,122b,122cの何れかに接続されることで、発熱抵抗体102aに供給される電力が少なくなり、記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102a,102bに供給される電力に差異が生じることから、両者に発生する熱量にも差異が生じる。
【0103】
この場合、抵抗122a,122b,122cはそれぞれ異なる抵抗値を有することから、スイッチング素子121bの切り換えで一対の発熱抵抗体102a,102bに供給される電力を三段階に異ならせることができる。
【0104】
これにより、ヘッドチップ41は、一対の発熱抵抗体102a,102bで発生する熱量に差異が生じ、スイッチング素子121bの切り換えで一対の発熱抵抗体102a,102bそれぞれの気泡発生時間に三段階の時間差を持たせることができ、インク液滴iの吐出角度を一対の発熱抵抗体102a,102bが互いに略平行に並設された方向、すなわち記録紙Pの走行方向に三段階に変化させることができる。
【0105】
具体的に、吐出制御部112は、図18(A)に示すように、ノズル104aから略垂直にインク液滴iが吐出されて着弾した着弾点130から、図18(A)中矢印Dで示す一対の発熱抵抗体102a,102bが互いに略平行に並設された方向、すなわち記録紙Pの走行方向に三段階に分かれた着弾点131,132,133の何れかにインク液滴iを着弾させるようにヘッドチップ41を制御する。更に詳しくは、例えばスイッチング素子121bが抵抗値の最も小さい抵抗122cに接続されると、発熱抵抗体102aに供給される電力が最も小さくなり、一対の発熱抵抗体102a,102bに供給される電力の差異が最も大きくなることから、インク液滴iは着弾点130から最も遠い位置の着弾点133に着弾される。一方、例えばスイッチング素子121bが抵抗値の最も大きい抵抗122aに接続されると、発熱抵抗体102aに供給される電力が最も大きくなり、一対の発熱抵抗体102a,102bに供給される電力の差異が最も小さくなることから、インク液滴iは着弾点130から最も近い位置の着弾点131に着弾される。
【0106】
また、吐出制御部112では、図17に示すように、スイッチング素子121cを切り換えて電源120bと接続すると、インク液滴iの吐出方向を図18(A)に示す着弾点130を境にしてスイッチング素子121cをグランドに接続したときとは逆の方向にすることができる。この場合、発熱抵抗体102aには、電源120aから供給される電力の他に、電源120bからの電力も供給されることになる。すなわち、一対の発熱抵抗体102a,102bの発熱状態がスイッチング素子121cをグランドに接続したときとは逆になる。これにより、インク液滴iは、ノズル104aから略垂直に吐出されて着弾した着弾点130を境に、スイッチング素子121cをグランドに接続したときとは反対側の着弾位置に吐出方向を三段階に変化させて吐出されることになる。
【0107】
具体的に、例えばスイッチング素子121cが抵抗値の最も小さい抵抗122cに接続されると、電源120aからの電力と電源120bからの電力とが加算されて発熱抵抗体102aに供給される電力が最も大きくなり、一対の発熱抵抗体102a,102bに供給される電力の差異が、スイッチング素子121cを電源120bに接続した場合に最も大きくなることから、インク液滴iは着弾点130から最も遠い位置の着弾点136に着弾される。一方、例えばスイッチング素子121cが抵抗値の最も大きい抵抗122aに接続されると、電源120aからの電力と電源120bからの電力とが加算されて発熱抵抗体102aに供給される電力が最も小さくなり、一対の発熱抵抗体102a,102bに供給される電力の差異が、スイッチング素子121cを電源120bに接続した場合に最も小さくなることから、インク液滴iは着弾点130から最も近い位置の着弾点134に着弾される。
【0108】
なお、吐出制御部112では、可変抵抗123で、抵抗値を更に調節することで、一対の発熱抵抗体102a,102bに供給される電力を微調節することができ、着弾点130,131,132,133,134,135,136それぞれの間に着弾するようにインク液滴iの吐出角度を調節することができる。
【0109】
このように、吐出制御部112では、スイッチング素子121a,121b,121cを切り換えることで、インク液滴iのノズル104aからの吐出方向を、一対の発熱抵抗体102a,102bが互いに略平行に並設されている方向、すなわち記録紙Pの走行方向に7段階に変化させることができ、さらに抵抗122a,122b,122cと可変抵抗123とを組み合わせることでインク液滴iの吐出方向を7段階以上に変化させることができる。
【0110】
このとき、吐出制御部112では、スイッチング素子121bが切換制御回路124aによってランダムに切り換えら、スイッチング素子121cが切換制御回路124bによってランダムに切り換えられることから、インク液滴iのノズル104aからの吐出方向を記録紙Pの走行方向にランダムに変化させるようにヘッドチップ41を制御する。
【0111】
具体的に、記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102a,102bに対向するノズル104aから吐出されたインク液滴iは、略垂直に吐出されて着弾した着弾点130を中心に、記録紙Pの走行方向に前後50μm程度の範囲でランダムに着弾されることになる。
【0112】
次に、吐出制御部112が記録紙Pの幅方向と略同方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体102c,102dに供給する電力を制御したときについて説明する。
【0113】
吐出制御部112では、一対の発熱抵抗体102c,102dに供給する電力を制御する場合、スイッチング素子121bをオフにして抵抗122a,122b,122cと一対の発熱抵抗体102a,102bとが接続されていないとき、スイッチング素子121aをオンにすると、電源120aから電力が直列に接続された一対の発熱抵抗体102c,102dに供給される(抵抗122a,122b,122cには電流が流れない)。このとき、一対の発熱抵抗体102c,102dの抵抗値が略同一である場合には、電力が供給されたときは一対の発熱抵抗体102c,102dが発生する熱量が略同一になる。
【0114】
この場合、ヘッドチップ41は、図18(B)に示すように、一対の発熱抵抗体102c,102dで発生する熱量が略同一となることから、気泡発生時間が略同一になりインク4の吐出角度がインク4の着弾面に対して略垂直になるようにインク液滴iをノズル104aから吐出する。これにより、吐出されたインク液滴iは、図18(B)中140で示す着弾点に着弾する。
【0115】
また、図17に示す吐出制御部112では、スイッチング素子121bと抵抗122a,122b,122cのうちの何れかとの接続をオンにし、スイッチング素子121aをオンにし、スイッチング素子121cをグランドと接続したときに、インク液滴iの吐出方向が図18(B)中矢印Eで示す記録紙Pの走行方向と略直交方向、すなわち記録紙Pの幅方向にインク液滴iの吐出方向を可変できる。すなわち、スイッチング素子121bが抵抗122a,122b,122cの何れかに接続されることで、発熱抵抗体102cに供給される電力が少なくなり、記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102c,102dに供給される電力に差異が生じることから、両者に発生する熱量にも差異が生じる。
【0116】
この場合、抵抗122a,122b,122cはそれぞれ異なる抵抗値を有することから、スイッチング素子121bの切り換えで一対の発熱抵抗体102c,102dに供給される電力を三段階に異ならせることができる。
【0117】
これにより、ヘッドチップ41は、一対の発熱抵抗体102c,102dで発生する熱量に差異が生じ、スイッチング素子121bの切り換えで一対の発熱抵抗体102c,102dそれぞれの気泡発生時間に三段階の時間差を持たせることができ、インク液滴iの吐出角度を一対の発熱抵抗体102c,102dが互いに略平行に並設された方向、すなわち記録紙Pの幅方向に三段階に変化させることができる。
【0118】
具体的に、吐出制御部112は、図18(B)に示すように、ノズル104aから略垂直にインク液滴iが吐出されて着弾した着弾点140から、図18(B)中矢印Eで示す一対の発熱抵抗体102c,102dが互いに略平行に並設された方向、すなわち記録紙Pの幅方向に三段階に分かれた着弾点141,142,143の何れかにインク液滴iを着弾させるようにヘッドチップ41を制御する。更に詳しくは、例えばスイッチング素子121bが抵抗値の最も小さい抵抗122cに接続されると、発熱抵抗体102cに供給される電力が最も小さくなり、一対の発熱抵抗体102c,102dに供給される電力の差異が最も大きくなることから、インク液滴iは着弾点140から最も遠い位置の着弾点143に着弾される。一方、例えばスイッチング素子121bが抵抗値の最も大きい抵抗122aに接続されると、発熱抵抗体102cに供給される電力が最も大きくなり、一対の発熱抵抗体102c,102dに供給される電力の差異が最も小さくなることから、インク液滴iは着弾点140から最も近い位置の着弾点141に着弾される。
【0119】
また、吐出制御部112では、図17に示すように、スイッチング素子121cを切り換えて電源120bと接続すると、インク液滴iの吐出方向を図18(B)に示す着弾点140を境にしてスイッチング素子121cをグランドに接続したときとは逆の方向にすることができる。この場合、発熱抵抗体102cには、電源120aから供給される電力の他に、電源120bからの電力も供給されることになる。すなわち、一対の発熱抵抗体102c,102dの発熱状態がスイッチング素子121cをグランドに接続したときとは逆になる。これにより、インク液滴iは、ノズル104aから略垂直に吐出されて着弾した着弾点140を境に、スイッチング素子121cをグランドに接続したときとは反対側の着弾位置に吐出方向を三段階に変化させて吐出されることになる。
【0120】
具体的に、例えばスイッチング素子121cが抵抗値の最も小さい抵抗122cに接続されると、電源120aからの電力と電源120bからの電力とが加算されて発熱抵抗体102cに供給される電力が最も大きくなり、一対の発熱抵抗体102c,102dに供給される電力の差異が、スイッチング素子121cを電源120bに接続した場合に最も大きくなることから、インク液滴iは着弾点140から最も遠い位置の着弾点146に着弾される。一方、例えばスイッチング素子121cが抵抗値の最も大きい抵抗122aに接続されると、電源120aからの電力と電源120bからの電力とが加算されて発熱抵抗体102cに供給される電力が最も小さくなり、一対の発熱抵抗体102c,102dに供給される電力の差異が、スイッチング素子121cを電源120bに接続した場合に最も小さくなることから、インク液滴iは着弾点140から最も近い位置の着弾点144に着弾される。
【0121】
なお、吐出制御部112では、可変抵抗123で、抵抗値を更に調節することで、一対の発熱抵抗体102c,102dに供給される電力を微調節することができ、着弾点140,141,142,143,144,145,146それぞれの間に着弾するようにインク液滴iの吐出角度を調節することができる。
【0122】
このように、吐出制御部112では、一対の発熱抵抗体102c,102dに供給する電力を制御する場合、スイッチング素子121a,121b,121cを切り換えることで、インク液滴iのノズル104aからの吐出方向を、一対の発熱抵抗体102c,102dが互いに略平行に並設されている方向、すなわち記録紙Pの幅方向に7段階に変化させることができる。さらに、吐出制御部112では、抵抗122a,122b,122cと可変抵抗123とを組み合わせることでインク液滴iの吐出方向を、一対の発熱抵抗体102c、102dが並設されている方向に7段階以上に変化させることができる。
【0123】
このとき、吐出制御部112では、一対の発熱抵抗体102a,102bに供給される電力を制御する場合と同様、スイッチング素子121bが切換制御回路124aによってランダムに切り換えら、スイッチング素子121cが切換制御回路124bによってランダムに切り換えられる。これにより、インク液滴iのノズル104aからの吐出方向は、記録紙Pの幅方向にランダムに変化されることになる。
【0124】
具体的に、記録紙Pの幅方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102c,102dに対向するノズル104aから吐出されたインク液滴iは、略垂直に吐出されて着弾した着弾点140を中心に、記録紙Pの幅方向に前後50μm程度の範囲でランダムに着弾されることになる。
【0125】
なお、吐出制御部112では、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dに対する電力の供給をスイッチング素子121a,121b,121cをオン/オフすることでインク液滴iの吐出方向を制御しているが、このことに限定されることはなく、例えばデジタル回路等を使用してインク液滴iが離散的に記録紙Pに着弾するように制御することも可能である。
【0126】
図16に示す警告部113は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示手段であり、印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を表示する。また、警告部113は、例えばスピーカ等の音声出力手段であってもよく、この場合は、印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を音声で出力する。なお、警告部113は、表示手段及び音声出力手段をともに有するように構成してもよい。また、この警告は、情報処理装置118のモニタやスピーカ等で行うようにしてもよい。
【0127】
入出力端子114は、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報をインタフェースを介して外部の情報処理装置118等に送信する。また、入出力端子114は、外部の情報処理装置118等から、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を出力する制御信号や、印刷データ等が入力される。ここで、上述した情報処理装置118は、例えば、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器である。
【0128】
情報処理装置118等と接続される入出力端子114は、インタフェースとして、例えばシリアルインタフェースやパラレルインタフェース等を用いることができ、具体的にUSB(Universal Serial Bus)、RS(Recommended Standard)232C、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等の規格に準拠したものである。また、入出力端子114は、情報処理装置118との間で有線通信又は無線通信の何れ形式でデータ通信を行うようにしてもよい。なお、この無線通信規格としては、IEEE802.11a,802.11b,802.11g等がある。
【0129】
ROM115は、例えばEP−ROM(Erasable Programmable Read−Only Memory)等のメモリであり、制御部117が行う各処理のプログラムが格納されている。この格納されているプログラムは、制御部117によりRAM116にロードされる。RAM116は、制御部117によりROM115から読み出されたプログラムや、プリンタ装置1の各種状態を記憶する。
【0130】
入出力端子114と情報処理装置118との間には、例えばインターネット等のネットワークが介在していてもよく、この場合、入出力端子114は、例えばLAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、xDSL(Digital Subscriber Line)、FTHP(Fiber To The Home)、CATV(Community Antenna TeleVision)、BS(Broadcasting Satellite)等のネットワーク網に接続され、データ通信は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の各種プロトコルにより行われる。
【0131】
制御部117は、入出力端子114から入力された印刷データ及び制御信号や、インク検出部38,39による電気抵抗値の変化や、インク残量検出手部36による電気抵抗値の変化等に基づき、各部を制御する。制御部117、このような処理プログラムとしてROM115から読み出してRAM116に記憶し、このプログラムに基づき各処理を行う。
【0132】
この制御部117は、吐出制御を行う処理プログラムをROM115から読み出してRAM116に記憶し、このプログラムに基づき、吐出制御部112の切換制御回路124a,124bがスイッチング素子121a,121b,121cの接続状態をランダムに切り換えて記録紙Pに対するインク液滴iの吐出角度を一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dが互いに略平行に並設された方向でランダムに変化するように制御する。
【0133】
なお、以上のように構成された制御回路110においてROM115にプログラムを格納するようにしたが、プログラムを格納する媒体としては、ROMに限定されるものでなく、例えばプログラムが記録された光ディスクや、磁気ディスク、光磁気ディスク、ICカード等の各種記録媒体を用いることができる。この場合に制御回路110は、各種記録媒体を駆動するドライブと直接又は情報処理装置118を介して接続されてこれら記録媒体からプログラムを読み出すように構成する。
【0134】
次に、以上のように構成されるプリンタ装置1の全体の動作について図19に示すフローチャートを参照にして説明する。なお、本動作はROM115等の記憶手段に格納された処理プログラムに基づいて制御部117内の図示しないCPU(Central Processing Unit)の処理に基づいて実行されるものである。
【0135】
先ず、ユーザが情報処理装置118で印刷する文字データ、印刷データ等を選択し、印刷実行操作をすると、情報処理装置118は、選択されたデータより印刷データを生成し、プリンタ装置1の入出力端子114に生成した印刷データを出力する。
【0136】
次に、制御部117は、ステップS1において、各装着部32y,32m,32c,32kに所定のインクカートリッジ11y,11m,11c,11kが装着されているかどうかを、係合突部21の突起部23と係合凹部24との係合の具合により判断する。そして、制御部117は、全ての装着部32にインクカートリッジ11が適切に装着されているときはステップS2に進み、少なくとも1の装着部32においてインクカートリッジ11が適切に装着されていないときはステップS3に進む。ステップS3においては、装着されていない色のインクカートリッジ11をユーザに知らせる警告表示を警告部113が行う。
【0137】
制御部117は、ステップS2において、インク残量検出部36の電気抵抗値の変化を検出し、電気抵抗値が変化したことが検出された場合、この電気抵抗値が変化に応じてインク残量の表示変更を行う。すなわち、ここでは、インク残量検出部36がインクカートリッジ11の高さ方向に3段設けられていることから、警告部113に3段階で残量表示を行うことができる。制御部117は、インクカートリッジ11のインクが満杯のとき、全ての段のインク残量検出部36の電気抵抗値が閾値より小さくなっており、これに基づいて、警告部113に、インク4が満杯である旨を表示する。そして、インク4が使用され、最上段のインク残量検出部36の電気抵抗値が変化し、閾値以下になると、警告部113に、インク4が1レベル減ったことを表示する。更にインク4が使用され、中段のインク残量検出部36の電気抵抗値が変化し、閾値以下になると、警告部113に、インク4が更に1レベル減ったことを表示する。更にインク4が使用され、最下段のインク残量検出部36の電気抵抗値が変化し、閾値以下になると、警告部113に、インク残量が残り僅かであることを表示する。
【0138】
制御部117は、ステップS4において、接続部37内のインク4が所定量以下、すなわちインク無し状態であるか否かを判断し、インク無し状態であると判断されたときはステップS5において、警告部113にその旨を表示、すなわち警告表示を行い、ステップS6において、印刷動作を禁止する。
【0139】
また、制御部117は、接続部37内のインク4が所定量以下でないとき、すなわちインク4が満たされているとき、ステップS7において、印刷動作を許可する。
【0140】
印刷動作を行う場合、制御部117は、図20に示すように、ヘッドキャップ開閉機構83を構成する駆動モータを駆動させてヘッドキャップ42をヘッドカートリッジ2に対してトレイ85a側に移動させ、ヘッドチップ41のノズル104aを露出させる。
【0141】
そして、制御部117は、給排紙機構84を構成する駆動モータを駆動させて記録紙Pを走行させる。具体的に、制御部117は、トレイ85aから給紙ローラ150によって記録紙Pを引き出し、互いに反対方向に回転する一対の分離ローラ151a,151bによって引き出された記録紙Pの一枚を反転ローラ152に搬送して搬送方向を反転させた後に搬送ベルト153に記録紙Pを搬送し、搬送ベルト153に搬送された記録紙Pを押さえ手段154が所定の位置に停止させることでインク4が着弾される位置が位置決めされるように給排紙機構84を制御する。
【0142】
これと共に、制御部117は、吐出制御部112がヘッドチップ41よりインク液滴iを記録紙Pに吐出する制御を行うようにする。具体的には、図21及び図22に示すように、インク流路106内の一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dに接する部分には、インク気泡F,Gが発生し、図23及び図24に示すように、そのインク気泡F,Gの膨張によってインク気泡F,Gの膨張分の体積と等しい体積のインク4が押しのけられる。これによって、ノズル104aに接する部分の押しのけられたインク4と同等の体積のインク液滴iがノズル104aから吐出されて記録紙P等に着弾し、記録紙Pには、印刷データに応じた文字、画像等が印刷される。
【0143】
このとき、ヘッドチップ41は、インク気泡F,Gそれぞれの膨張の具合によりインク液滴iのノズル104aから吐出方向を決定する。すなわち、ヘッドチップ41では、インク気泡F,Gのうちの膨張する速度が早い方がインク4をより押圧することからノズル104aを中心に気泡の膨張が遅い側に押し出すようにインク液滴iを吐出させる。なお、インク気泡F,Gは、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dにおいて、より多くの電力が供給される等して発熱する速度が早い抵抗体に接している方の膨張が早くなる。
【0144】
そして、ヘッドチップ41では、切換制御回路124a,124bがスイッチング素子121b,121cのオン/オフをランダムに制御することで、インク液滴iの吐出方向を一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dが並設されている方向にし、インク液滴iのノズル104aからの吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを吐出する。具体的に、ヘッドチップ41においては、図23に示すような記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102a,102bと対向するノズル104aからは記録紙Pの走行方向と略同方向に、ノズル104aからの吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを吐出する。これと同時に、図24に示すような記録紙Pの幅方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102c,102dと対向するノズル104aからは記録紙Pの幅方向と略同方向に、ノズル104aからの吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを吐出する。
【0145】
したがって、ヘッドチップ41では、図25に示すように、インク液滴iの着弾点160における隣接するもの同士の境界が補い合われて拡散するようにインク液滴iを着弾させることができる。
【0146】
そして、このヘッドチップ41では、インク液滴iの着弾点160の境界が補い合われて拡散するようにインク液滴iが着弾されることから、隣接する着弾点160の境界が目立たなくなり、従来のような給排紙機構の誤動作等により記録紙の走行速度が速まったときに、記録紙の走行方向で隣り合うインクの着弾点の間に隙間ができて生じる記録紙の走行方向と略直行方向の白スジ等を防止できる。具体的には、記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102a,102bと対向するノズル104aから吐出角度をランダムに変化させながら吐出されたインク液滴iが、記録紙Pの幅方向に白スジが発生することを防止し、記録紙Pの幅方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102c,102dと対向するノズル104aから吐出角度をランダムに変化させながら吐出されたインク液滴iが、記録紙Pの走行方向に白スジが発生することを防止する。
【0147】
また、従来のような給排紙機構の誤動作等により記録紙の走行速度が遅くなったときに、記録紙の走行方向で隣り合うインクの着弾点が所定の範囲に過剰に重なって生じる色の濃度ムラ等を防止できる。
【0148】
以上ように、インク液滴iが吐出されると、インク液滴iを吐出したインク液室105内に吐出された量と同量のインク4がインク流路106から直ちに補充され、図10に示すように、元の状態に戻る。ヘッドチップ41からインク液滴iが吐出されると、付勢部材66の付勢力とダイアフラム69の付勢力とによってインク室62の開口部64を閉塞している弁65は、図9に示すように、ヘッドチップ41からインク液滴iが吐出された際に、開口部64分割されたインク流出路63側のインク室62のインク4の負圧が高まると、インク4の負圧によりダイアフラム69が大気圧により押し上げられて、弁シャフト68と共に弁65を付勢部材66の付勢力に抗して押し上げる。このとき、インク室62のインク流入路61側とインク流出路63側と間の開口部64が開放され、インク4がインク流入路61側からインク流出路63側に供給され、インク流路106にインクが補充される。そして、インク4の負圧が低下してダイアフラム69が復元力により元の形状に戻り、付勢部材66の付勢力により弁シャフト68と共に弁65をインク室62が閉塞するように引き下げる。以上のようにして弁機構54では、インク液滴iを吐出する度にインク4の負圧が高まると、上述の動作を繰り返す。
【0149】
このようにして、給排紙機構84によって走行している記録紙Pには、順に印刷データに応じた文字や画像が印刷されることになる。そして、印刷が終了して記録紙Pは、排紙口86より排出される。
【0150】
以上のように構成されたプリンタ装置1では、記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体102a,102bと、記録紙Pの幅方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体102c,102dとが交互に並び、これら一対の発熱抵抗体102a,102b及び一対の発熱抵抗体102c,102dにおけるそれぞれの抵抗体に異なる大きさの電力を供給若しくはタイミングをずらして電力を供給し、且つ供給される電力をランダムに変化させる。
【0151】
これにより、このプリンタ装置1では、記録紙Pの走行方向と略同方向にインク液滴iを吐出させるノズル104aと、記録紙Pの幅方向と略同方向にインク液滴iを吐出させるノズル104aとが、記録紙Pの幅方向に交互に並んだ状態で、記録紙Pに対するインク液滴iの吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを同時に吐出することになる。
【0152】
すなわち、このプリンタ装置1では、記録紙Pの走行方向と略同方向に吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを吐出することと、記録紙Pの幅方向と略同方向に吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを吐出することが、同時に行われることから、図25に示すように、インク液滴iの着弾点160における隣接するもの同士の境界が補い合うようにインク液滴iを着弾させることができる。
【0153】
したがって、このプリンタ装置1では、インク液滴iの着弾点160の境界が補い合われるようにインク液滴iが着弾されることから、記録紙Pに着弾したインク液滴iの着弾点160同士の境界が拡散されて目立たなくなり、従来のような記録紙の走行速度のムラにより生じていた白スジや、色の濃度ムラ等を防止することができる。
【0154】
具体的に、このプリンタ装置1では、記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102a,102bと対向するノズル104aから吐出角度をランダムに変化させながら吐出されたインク液滴iが記録紙Pの幅方向に白スジが発生することを防止し、記録紙Pの幅方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体102c,102dと対向するノズル104aから吐出角度をランダムに変化させながら吐出されたインク液滴iが記録紙Pの走行方向に白スジが発生することを防止する。
【0155】
また、このプリンタ装置1では、記録紙Pの幅方向に並んだノズル104aから走行している記録紙Pにインク液滴iを適切に吐出していくことから、従来のような印刷時にオーバーラップ部を設けることなく白スジや色の濃度ムラ等を防止でき、印刷に係る時間を大幅に短縮して高品質な画像を印刷できる。
【0156】
以上のように、このプリンタ装置1では、例えば給排紙機構84の誤動作で記録紙Pの走行速度にムラが生じたり、ノズル104aの形成精度が悪くインク液滴iの着弾位置がずれたりしても、一対の発熱抵抗体102a,102bと対向するノズル104aが記録紙Pの走行方向でインク液滴iの吐出方向や吐出角度をランダムに変化させ、且つ一対の発熱抵抗体102c,102dと対向するノズル104aが記録紙Pの幅方向でインク液滴iの吐出方向や吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを同時に吐出していくことから、色の濃度ムラや白スジにより画質が劣化してしまうことを防止できる。
【0157】
また、以上の例では、記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体102a,102bと、記録紙Pの幅方向を略同方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体102a,102bとが交互に規則的に並んだヘッドチップ41を例に挙げて説明したが、このことに限定されることはなく、例えば記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体102a,102bと、記録紙Pの幅方向を略同方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体102a,102bとが2つ以上づつ記録紙Pの幅方向に交互に規則的に並べたり、ランダムに並べたりしても上述した作用効果が得られ、印刷時の白スジや濃度ムラを防止できる。
【0158】
次に、第2の実施の形態として、図26に示すヘッドチップ170を備えるプリンタ装置1について説明する。なお、以下で説明するヘッドチップ170,180においては、上述したプリンタ装置1のヘッドチップ41の代わりとなるものなので、プリンタ装置1及びヘッドチップ41と同様の材質、形状、部位となるものについては説明を省略すると共に同一の符号を用いるものとする。
【0159】
ヘッドチップ170は、例えば記録紙Pの幅方向に並んだインク液室105それぞれに設けられている一対の発熱抵抗体171a,171bが、図26中矢印Dで示す記録紙Pの走行方向に対して略同一の略斜め方向に互いに略平行に並設されたものである。具体的には、一対の発熱抵抗体171a,171bが、記録紙Pの走行方向に対して35°〜55°程度の角度を以て略斜めに並設されている。
【0160】
このヘッドチップ170を備えるプリンタ装置1では、記録紙Pの走行方向に対して略同一の略斜め方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体171a,171bに、異なる大きさの電力を供給若しくはタイミングをずらして電力を供給し、且つ供給される電力をランダムに変化させることで、記録紙Pの走行方向に対して略同一の略斜め方向に記録紙Pに対するインク液滴iの吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを吐出させる。具体的には、上述したヘッドチップ41における記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体102a,102bと対向するノズル104aが記録紙Pの走行方向と略同方向に吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを吐出する成分と、記録紙Pの幅方向と略同方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体102c,102dと対向するノズル104aが記録紙Pの幅方向と略同方向に吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iが吐出する成分とを合成させた状態でノズル172よりインク液滴iが吐出される。
【0161】
このため、ヘッドチップ170を備えるプリンタ装置1では、上述したヘッドチップ41を備えた場合と同様に、インク液滴iの着弾点における隣接するもの同士の境界が補い合うようにインク液滴iを着弾させることができる。すなわち、記録紙Pの走行方向に対して略同一の略斜め方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体171a,171bと対向するノズル172から吐出されたインク液滴iが、記録紙Pの幅方向及び走行方向、両方向に白スジが発生することを防止する。
【0162】
さらにまた、第3の実施の形態として、図27に示すヘッドチップ180を備えるプリンタ装置1について説明する。
【0163】
ヘッドチップ180は、例えば記録紙Pの幅方向に並んだインク液室105それぞれに、一対の発熱抵抗体181a,181bが図27中矢印Dで示す記録紙Pの走行方向と略同方向、一対の発熱抵抗体181c,181dが図27中矢印Eで示す記録紙Pの幅方向と略同方向、一対の発熱抵抗体181e,181fが記録紙Pの走行方向に対して略斜め方向に互いに略平行に並設され、これら3種類の一対の発熱抵抗体181a,181b、一対の発熱抵抗体181c,181d、一対の発熱抵抗体181e,181fをそれぞれ有するインク液室105を記録紙Pの幅方向に順番に規則的に並べたものである。なお、一対の発熱抵抗体181e,181fにおいては、記録紙Pの走行方向に対して35°〜55°程度の角度を以て略斜めに並設されている。また、ヘッドチップ180においては、記録紙Pの走行方向に対して略斜め方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体181e,181fが略同一の斜め方向であれば、3種類の一対の発熱抵抗体を記録紙Pの幅方向にランダムに並べることができる。
【0164】
このヘッドチップ180を備えるプリンタ装置1では、記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体181a,181b、記録紙Pの幅方向と略同方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体181c,181d、記録紙Pの走行方向に対して略斜め方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体181e,181fそれそれの抵抗体に、異なる大きさの電力を供給若しくはタイミングをずらして電力を供給し、且つ供給される電力をランダムに変化させることで、記録紙Pの走行方向に対して略同方向、略直交方向、略斜め方向に記録紙Pに対するインク液滴iの吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを吐出させることができる。
【0165】
具体的には、記録紙Pの走行方向にインク液滴iを吐出させるノズル182aと、記録紙Pの幅方向にインク液滴iを吐出させるノズル182bと、記録紙Pの走行方向に対して略斜め方向にインク液滴iを吐出させるノズル182cとが順番に規則的に記録紙Pの幅方向に並んだ状態で、それぞれのノズル182a,182b,182cが、記録紙Pに対するインク液滴iの吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを同時に吐出させる。すなわち、記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体181a,181bと対向するノズル182aが記録紙Pの走行方向と略同方向に吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを吐出させることと、記録紙Pの幅方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体181c,181dと対向するノズル182bが記録紙Pの幅方向と略同方向に吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを吐出させることと、記録紙Pの走行方向に対して略斜め方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体181e,181fと対向するノズル182cが記録紙Pの走行方向に対して略斜め方向に吐出角度をランダムに変化させながらインク液滴iを吐出させることとを同時に行われる。
【0166】
したがって、ヘッドチップ180を備えるプリンタ装置1では、上述したヘッドチップ41のときと同様に、インク液滴iの着弾点における隣接するもの同士の境界が補い合わるようにインク液滴iを着弾させることができる。具体的には、記録紙Pの走行方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体181a,181bと対向するノズル182aから吐出されたインク液滴iが記録紙Pの幅方向に白スジが発生することを防止し、記録紙Pの幅方向と略同方向に互いに略平行に並設されている一対の発熱抵抗体181c,181dと対向するノズル182cから吐出されたインク液滴iが記録紙Pの走行方向に白スジが発生することを防止し、記録紙Pの走行方向に対して略斜め方向に互いに略平行に並設された一対の発熱抵抗体181e,181fと対向するノズル182cから吐出されたインク液滴iが記録紙Pの幅方向及び走行方向、両方向に白スジが発生することを防止する。
【0167】
以上のことより、ヘッドチップ170若しくはヘッドチップ180を備えるプリンタ装置1でも、インク液滴iの着弾点の境界が補い合うようにインク液滴iが着弾されることから、記録紙Pに着弾したインク液滴iの着弾点同士の境界が拡散されて目立たなくなり、従来のような記録紙の走行速度のムラにより生じていた白スジや、色の濃度ムラ等を防止することができる。
【0168】
なお、以上の例では、プリンタ本体3に対してヘッドカートリッジ2が着脱可能であり、更に、ヘッドカートリッジ2に対してインクカートリッジ11が着脱可能なプリンタ装置1を例に取り説明したが、インク液滴iの吐出方向を制御できるヘッドチップ41については、プリンタ本体3とヘッドカートリッジ2とが一体のプリンタ装置に適用することもできる。
【0169】
また、以上の例では、記録紙に文字や画像を印刷するプリンタ装置を例に取り説明したが、本発明は、微少量の液体を吐出する他の装置に広く適用することができる。例えば、本発明は、液体中のDNAチップ用吐出装置(特開2002−34560号公報)やプリント配線基板の微細な配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体を吐出したりする液体吐出装置に適用することもできる。
【0170】
さらに、以上の例では、一対の発熱抵抗体102a,102b若しくは一対の発熱抵抗体102c,102dによってインク4を加熱しながらノズル104aから吐出させる電気熱変換方式を採用しているが、このような方式に限定されず、例えばピエゾ素子等の電気機械変換素子等によってインク液滴iを電気機械的にノズル104aより吐出させる電気機械変換方式を採用したものであってもよい。
【0171】
さらに、以上の例では、ライン型のプリンタ装置1を例に挙げて説明したが、このことに限定されることはなく、本発明は、例えばヘッドチップが記録紙の走行方向と略直交する方向に移動するシリアル型のインクジェットプリンタ装置にも適用可能である。この場合、シリアル型のインクジェットプリンタ装置のヘッドチップには、互いに略平行に並ぶ一対の発熱抵抗体が複数備えられ、これら一対の発熱抵抗体が、記録紙の走行方向に対して2種類以上の角度になるように、記録紙の走行方向と略直交方向、すなわち記録紙の幅方向に並設されることになる。
【0172】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、対象物の走行速度にムラがあったり、吐出孔の形成精度が悪く液体の着弾位置がずれたりしても、液体の吐出孔からの吐出方向を2種類以上の方向で制御して液体を吐出できることから、色の濃度ムラや白スジによる画質の劣化を防止できる。
【0173】
また、本発明によれば、印刷時にオーバーラップ部を設けることなく色の濃度ムラや白スジを防止できることから、印刷に係る時間を大幅に短縮して優れた画質の印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタ装置を示す斜視図である。
【図2】同インクジェットプリンタ装置に備わるインクジェットプリントヘッドカートリッジを示す斜視図である。
【図3】同インクジェットプリントヘッドカートリッジにインクカートリッジが装着された状態を示す断面図である。
【図4】同インクジェットプリントヘッドカートリッジにインクカートリッジが装着された際にインク供給部の供給口が弁により閉塞された状態を示す模式図である。
【図5】同インクジェットプリントヘッドカートリッジにインクカートリッジが装着された際にインク供給部の供給口が開放された状態を示す模式図である。
【図6】同インクジェットプリントヘッドカートリッジの装着部を示す平面図である。
【図7】同インクジェットプリントヘッドカートリッジとヘッドチップの関係を示す断面図である。
【図8】同インクジェットプリントヘッドカートリッジの接続部における弁機構の弁が閉じた状態を示す断面図である。
【図9】同インクジェットプリントヘッドカートリッジの接続部における弁機構の弁が開いた状態を示す断面図である。
【図10】同インクジェットプリントヘッドカートリッジのヘッドチップであって、一対の発熱抵抗体が記録紙の走行方向と略同方向に並んでいる状態を示す断面図である。
【図11】同インクジェットプリントヘッドカートリッジのヘッドチップであって、一対の発熱抵抗体が記録紙の幅方向に並んでいる状態を示す断面図である。
【図12】同インクジェットプリントヘッドカートリッジのヘッドチップを示す分解斜視図である。
【図13】同インクジェットプリントヘッドカートリッジのヘッドチップを示す平面図である。
【図14】気泡発生時間の差と吐出角度との関係を示す特性図であり、同図(A)は一対の発熱抵抗体の並んでいる方向のインク液滴の吐出角度を示し、同図(B)は一対の発熱抵抗体の並んでいる方向と略直交する方向のインク液滴の吐出角度を示している。
【図15】同インクジェットプリンタ装置の一部を透視して示す側面図である。
【図16】同インクジェットプリンタ装置の制御回路を説明するブロック図である。
【図17】同インクジェットプリンタ装置に備わる吐出制御部を説明する模式図である。
【図18】同ヘッドチップより吐出したインク液滴の着弾点を模式的に示していおり、同図(A)は記録紙の走行方向と略同方向に並設された一対の発熱抵抗体と対向するノズルより吐出されたインク液滴が着弾した着弾点を示す平面図であり、同図(B)は記録紙の幅方向と略同方向に並設された一対の発熱抵抗体と対向するノズルより吐出されたインク液滴が着弾した着弾点を示す平面図である。
【図19】同インクジェットプリンタ装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図20】同インクジェットプリンタ装置において、ヘッドキャップ開閉機構が開いている状態を一部透視して示す側面図である。
【図21】同インクジェットプリントヘッドカートリッジの記録紙の走行方向と略同方向に並設された一対の発熱抵抗体を備えるヘッドチップにおいて、インク気泡が発生した状態を示す断面図である。
【図22】同インクジェットプリントヘッドカートリッジの記録紙の幅方向に並設された一対の発熱抵抗体を備えるヘッドチップにおいて、インク気泡が発生した状態を示す断面図である。
【図23】同インクジェットプリントヘッドカートリッジの記録紙の走行方向と略同方向に並設された一対の発熱抵抗体を備えるヘッドチップにおいて、発生したインク気泡によりインク液滴がノズルより吐出される状態を示す断面図である。
【図24】同インクジェットプリントヘッドカートリッジの記録紙の幅方向に並設された一対の発熱抵抗体を備えるヘッドチップにおいて、発生したインク気泡によりインク液滴がノズルより吐出される状態を示す断面図である。
【図25】同ヘッドチップより吐出したインク液滴が記録紙に着弾していく状態を模式的に示す平面図である。
【図26】同インクジェットプリントヘッドカートリッジの他のヘッドチップを示す平面図である。
【図27】同インクジェットプリントヘッドカートリッジの他のヘッドチップを示す平面図である。
【図28】従来のプリンタ装置で印刷を行ったときの色の濃度ムラや記録紙の幅方向に生じた白スジを模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ装置、2 インクジェットプリントヘッドカートリッジ、3 プリンタ本体、4 インク、11 インクカートリッジ、12 インク収容部、13 インク供給部、31 カートリッジ本体、32 装着部、41、170,180 ヘッドチップ、42 ヘッドキャップ、81 ヘッドカートリッジ装着部、82 ヘッドカートリッジ保持機構、83 ヘッドキャップ開閉機構、84 給排紙機構、85 給紙口、86 排紙口、101 回路基板、102a,102b,102c,102d,171a,171b,181a,181b,181c,181d,181e,181f 発熱抵抗体、103 フィルム、104 ノズルシート、104a,172,182a,182b,182c ノズル、105 インク液室、106 インク供給路、112 吐出制御部、117 制御部、120a,120b 電源、121a,121b,121cスイッチング素子、122a,122b,122c 抵抗、123 可変抵抗、124a,124b 切換制御回路、130,131,132,133,134,135,136,140,141,142,143,144,145,146,160 着弾点

Claims (16)

  1. 液体を収容する液室と、上記液室に2つ以上設けられ、エネルギーが供給されることで上記液室に収容された上記液体内に圧力を発生させる圧力発生素子と、上記圧力発生素子が発生した圧力により上記液体を吐出させるための吐出孔とを有する吐出手段と、
    上記吐出孔と対向する位置に配置された対象物を所定の方向に走行させる走行手段と、
    上記吐出手段に設けられた各圧力発生素子に、異なる上記エネルギーを供給し、若しくはタイミングをずらして上記エネルギーを供給することで上記吐出手段の吐出孔より吐出される上記液体の吐出方向を制御する吐出方向制御手段とを備え、
    上記吐出手段は、上記対象物と上記吐出孔との相対移動方向に略垂直な方向に複数並設され、
    上記各吐出手段に設けられた各圧力発生素子は、上記対象物と対向する面内で互いに略平行に並ぶように配置され、
    上記並設された圧力発生素子を有する上記各吐出手段は、上記並設された圧力発生素子が上記相対移動方向に対して2種類以上の角度になるように並び、
    上記吐出方向制御手段は、上記エネルギーを制御することで、上記各吐出手段が吐出する上記液体の吐出方向を上記圧力発生素子の並設されている方向と略同方向に変化させる液体吐出装置。
  2. 上記各吐出手段に設けられた各圧力発生素子は、上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向と略同方向若しくは略直交方向に互いに略平行に並び、
    上記対象物の走行方向と略同方向に並設された圧力発生素子を有する上記吐出手段と、上記対象物の走行方向と略直交方向に並設された圧力発生素子を有する上記吐出手段とがランダムに並んでいる請求項1記載の液体吐出装置。
  3. 上記各吐出手段に設けられた各圧力発生素子は、上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向と略同方向若しくは略直交方向に互いに略平行に並び、
    上記対象物の走行方向と略同方向に並設された圧力発生素子を有する上記吐出手段と、上記対象物の走行方向と略直交方向に並設された圧力発生素子を有する上記吐出手段とが規則的に並んでいる請求項1記載の液体吐出装置。
  4. 上記各吐出手段に設けられた各圧力発生素子は、上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向に対して略同一の略斜め方向に互いに略平行に並び、
    上記対象物の走行方向に対して略同一の略斜め方向に並設された圧力発生素子を有する上記複数の吐出手段が並んでいる請求項1記載の液体吐出装置。
  5. 上記各吐出手段に設けられた各圧力発生素子は、上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向に対し、略同方向、略直交方向、略斜め方向に互いに略平行に並び、
    上記対象物の走行方向と略同方向に並設された圧力発生素子を有する上記吐出手段と、上記対象物の走行方向と略直交方向に並設された圧力発生素子を有する上記吐出手段と、上記対象物の走行方向に対して略斜め方向に並設された圧力発生素子を有する上記吐出手段とがランダムに並んでいる請求項1記載の液体吐出装置。
  6. 上記各吐出手段に設けられた各圧力発生素子は、上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向に対し、略同方向、略直交方向、略斜め方向に互いに略平行に並び、
    上記対象物の走行方向と略同方向に並設された圧力発生素子を有する上記吐出手段と、上記対象物の走行方向と略直交方向に並設された圧力発生素子を有する上記吐出手段と、上記対象物の走行方向に対して略斜め方向に並設された圧力発生素子を有する上記吐出手段とが規則的に並んでいる請求項1記載の液体吐出装置。
  7. 上記各吐出手段は、上記対象物の走行する方向に対して略直交方向に略ライン状に並設されている請求項1記載の液体吐出装置。
  8. 上記吐出方向制御手段は、上記並設された圧力発生素子に供給されるエネルギーをランダムに変化させることで、上記各吐出孔より吐出される上記液体の吐出方向を、ランダムに変化させる請求項1記載の液体吐出装置。
  9. 複数の液室にそれぞれ2つ以上設けられた圧力発生素子にエネルギーを供給し、上記複数の液室に収容された液体内に圧力をそれぞれ発生させ、この発生した圧力により上記液体を、上記2つ以上設けられた圧力発生素子に対応して設けられた各吐出孔より、上記各吐出孔と対向し、且つ所定の方向に走行する対象物に向かって吐出させる液体吐出方法において、
    上記対象物と対向する面内で互いに略平行に並設され、この並設される角度が上記対象物と上記吐出孔との相対移動方向に対して2種類以上になるようにされた上記2つ以上の圧力発生素子に、異なる上記エネルギーを供給し、若しくはタイミングをずらして上記エネルギーを供給することで、上記各吐出孔より吐出される液体の吐出方向を、上記2つ以上設けられた圧力発生素子の並んでいる方向と略同方向に変化させることを特徴とする液体吐出方法。
  10. 上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向と略同方向に互いに略平行に並ぶ上記2つ以上設けられた圧力発生素子を有する液室と、上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向と略直交方向に互いに略平行に並ぶ上記2つ以上設けられた圧力発生素子を有する液室とがランダムに並び、これら2つ以上設けられた圧力発生素子に、異なる上記エネルギーを供給し、若しくはタイミングをずらして上記エネルギーを供給することで、上記各吐出孔より吐出される液体の吐出方向を、上記2つ以上設けられた圧力発生素子の並んでいる方向と略同方向に変化させることを特徴とする請求項9記載の液体吐出方法。
  11. 上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向と略同方向に互いに略平行に並ぶ上記2つ以上設けられた圧力発生素子を有する液室と、上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向と略直交方向に互いに略平行に並ぶ上記2つ以上設けられた圧力発生素子を有する液室とが規則的に並び、これら2つ以上設けられた圧力発生素子に、異なる上記エネルギーを供給し、若しくはタイミングをずらして上記エネルギーを供給することで、上記各吐出孔より吐出される液体の吐出方向を、上記2つ以上設けられた圧力発生素子の並んでいる方向と略同方向に変化させることを特徴とする請求項9記載の液体吐出方法。
  12. 上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向に対して略同一の略斜め方向に互いに略平行に並んでいる上記2つ以上設けられた圧力発生素子に、異なる上記エネルギーを供給し、若しくはタイミングをずらして上記エネルギーを供給することで、上記吐出孔より吐出される液体の吐出方向を、上記2つ以上設けられた圧力発生素子の並んでいる方向と略同方向に変化させることを特徴とする請求項9記載の液体吐出方法。
  13. 上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向と略同方向に互いに略平行に並ぶ上記2つ以上設けられた圧力発生素子を有する液室と、上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向と略直交方向に互いに略平行に上記2つ以上設けられた圧力発生素子を有する液室と、上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向に対して略斜め方向に互いに略平行に並ぶ上記2つ以上設けられた圧力発生素子を有する液室とがランダムに並び、これら2つ以上設けられた圧力発生素子に、異なる上記エネルギーを供給し、若しくはタイミングをずらして上記エネルギーを供給することで、上記各吐出孔より吐出される液体の吐出方向を、上記2つ以上設けられた圧力発生素子の並んでいる方向と略同方向に変化させることを特徴とする請求項9記載の液体吐出方法。
  14. 上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向と略同方向に互いに略平行に並ぶ上記2つ以上設けられた圧力発生素子を有する液室と、上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向と略直交方向に互いに略平行に並ぶ上記2つ以上設けられた圧力発生素子を有する液室と、上記対象物と対向する面内で上記対象物の走行方向に対して略斜め方向に互いに略平行に並ぶ上記2つ以上設けられた圧力発生素子を有する液室とが規則的に並び、これら2つ以上設けられた圧力発生素子に、異なる上記エネルギーを供給し、若しくはタイミングをずらして上記エネルギーを供給することで、上記各吐出孔より吐出される液体の吐出方向を、上記2つ以上設けられた圧力発生素子の並んでいる方向と略同方向に変化させることを特徴とする請求項9記載の液体吐出方法。
  15. 上記対象物が走行する方向に対して略直交方向に並んで略ライン状に設けられた上記各吐出孔より、上記液体をそれぞれ吐出させることを特徴とする請求項9記載の液体吐出方法。
  16. 上記2つ以上設けられた圧力発生素子に供給されるエネルギーをランダムに変化させることで、上記各吐出孔より吐出される上記液体の吐出方向を、ランダムに変化させる請求項9記載の液体吐出方法。
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