JP2004266957A - プレーナー型電磁アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】可動部に敷設する駆動コイルの引出線路が駆動コイルと交差することがなく、且つ駆動コイルの一部が断線しても機能が維持されるようにしたプレーナー型電磁アクチュエータを提供する。
【解決手段】固定部4に一対のトーションバー5で揺動可能に軸支された可動部1に、駆動電流を供給する駆動コイル2A,2Bを敷設し、トーションバー5の軸方向に平行な可動部1対辺部の前記駆動コイル2A,2B部分に対して静磁界を作用して前記可動部1を揺動するプレーナー型電磁アクチュエータであって、駆動コイル2A,2Bを、一対の引出線路6A,6Bと、可動部1の対辺部の少なくとも一方に該対辺部と平行に敷設され引出線路6A,6Bに対して互いに並列接続する複数の分岐線路7A〜7A,7B〜7Bと、により構成し、トーションバー5を介して引出線路6A,6Bを固定部4側に引出すようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動部を電磁駆動するプレーナー型電磁アクチュエータに関し、特に、可動部に敷設する駆動コイルの引出線路が駆動コイルと交差することがなく、且つ駆動コイルの一部が断線しても機能が維持(fail soft:フェールソフト)されるようにしたプレーナー型電磁アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプレーナー型電磁アクチュエータには、固定部にトーションバーで揺動可能に軸支された可動部に駆動コイルを敷設し、トーションバーの軸方向に平行な可動部の対辺部の駆動コイル部分に静磁界を作用し、通電により駆動コイルを流れる駆動電流と静磁界との相互作用により可動部を揺動するようにしたものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2722314号公報
【特許文献2】
WO96/39643号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のプレーナー型電磁アクチュエータにおいて、例えば特許文献1の場合は、駆動コイルをスパイラル状に巻回して設けているので、駆動コイルの巻回中心側端部を外部に引出すためには、引出配線を上記駆動コイルの上部または下部を跨いで形成する必要がある。そのため、駆動コイルの形成工程が少なくとも駆動コイルの巻回形成工程、絶縁膜の形成工程、引出配線形成工程の3工程を必要とし、工数が多くなりコストアップとなること、引出配線を駆動コイルの上部を跨いで形成する場合は、段差部のステップカバレージにより引出線が断線し易く製造歩留まりが悪化する等の問題がある。
【0005】
また、上記特許文献2の二次元動作のプレーナー型電磁アクチュエータの場合は、内側及び外側可動部にそれぞれ1ターンの駆動コイルを形成し、互いに直列接続しているので駆動コイルが1層配線となり、駆動コイルの形成が容易となる特徴がある。しかし、この場合、例えば内側または外側可動部のいずれか一方を所定の揺動角の位置に停止させるような個別制御は困難である。また、特許文献2の配線構造を一次元動作のプレーナー型電磁アクチュエータに適用すれば、引出配線を駆動コイルの上部または下部を跨いで形成する必要はなくなるが、大きな駆動力が得難い。
【0006】
さらに、上記特許文献1及び2のいずれの場合も、駆動コイルが連続する1本の配線路により構成したものであるため、製造時または駆動時に該駆動コイルの一部が断線したとき、駆動電流が遮断され駆動コイルの機能を果たさなくなる問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に着目してなされたもので、可動部に敷設する駆動コイルの引出線路が駆動コイルと交差することがなく、且つ駆動コイルの一部が断線しても機能が維持されるようにしたプレーナー型電磁アクチュエータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このために、請求項1の発明は、固定部に一対のトーションバーで揺動可能に軸支された可動部に、駆動電流を供給する駆動コイルを敷設し、前記トーションバーの軸方向に平行な可動部対辺部の前記駆動コイル部分に対して静磁界を作用して前記可動部を揺動するプレーナー型電磁アクチュエータであって、前記駆動コイルを、一対の引出線路と、前記可動部の前記対辺部の少なくとも一方に該対辺部と平行に敷設され前記引出線路に対して互いに並列接続する複数の分岐線路と、により構成し、前記トーションバーを介して前記引出線路を固定部側に引出すようにした。
【0009】
このような構成により、トーションバーを介して固定部側に引出した一対の引出線路を通して前記トーションバーの軸方向に平行な可動部対辺部の少なくとも一方に敷設した複数の分岐線路のそれぞれに駆動電流を供給し、該電流に静磁界を作用させてトーションバーを中心に可動部を揺動する。これにより、駆動コイルを一層配線とし、駆動コイルの製造歩留まりを向上する。また、分岐線路の一部が断線しても駆動コイルの機能が維持されるようにする。
【0010】
この場合、請求項2のように、前記トーションバーの軸方向に平行な可動部の対辺近傍部に近いほど前記分岐線路の間隔を密に形成するとよい。
【0011】
そして、請求項3のように、前記一対の引出線路を、前記一対のトーションバーを介してそれぞれ固定部側に引出すようにするとよい。または、請求項4のように、前記駆動コイルを、前記トーションバーの軸線に対して略線対称に形成し、互いに反対方向の駆動電流を供給するようにしてもよい。さらに、請求項5のように前記トーションバーの軸線に対して略線対称に形成した駆動コイルの一方の端部を互いに接続してもよい。
【0012】
また、請求項6の場合は、前記一対の引出線路の幅を前記分岐線路幅よりも広く形成した。または、請求項7のように前記引出線路のそれぞれを梯子形状に形成してもよい。
【0013】
請求項8の構成の場合においては、前記可動部が、固定部に外側トーションバーで揺動可能に軸支された枠状の外側可動部と、該外側可動部に前記外側トーションバーの軸線と直交する内側トーションバーで揺動可能に軸支された内側可動部とからなり、前記内側可動部及び外側可動部にそれぞれ前記駆動コイルを敷設する構成とした。
【0014】
また、請求項9のように前記複数の分岐線路に代えて分岐線路より幅の広い1本の帯状線路を設けてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明に係るプレーナー型電磁アクチュエータの第1実施形態の概略構成図を示す。
図1において、本第1実施形態のプレーナー型電磁アクチュエータは、駆動コイルに流れる電流と静磁界との相互作用により可動部を揺動するものであり、可動部1と、駆動コイル2A,2Bと、静磁界発生手段3A,3Bとを備えて構成する。
【0016】
上記可動部1は、固定部4にトーションバー5で揺動可能に軸支されており、半導体基板を厚み方向に異方性エッチングして固定部4とトーションバー5と共に一体的に形成される。
【0017】
また、上記可動部1の少なくとも一面には、駆動コイル2A,2Bが設けられている。この駆動コイル2A,2Bは、そこを流れる電流と後述の静磁界発生手段3A,3Bによる静磁界との相互作用によりローレンツ力を得て可動部1を揺動させるものであり、可動部1からトーションバー5を介して固定部4側に引出された一対の引出線路6A,6Bと、トーションバー5の軸方向に平行する可動部1の対辺部と平行に敷設され上記引出線路6A,6Bに対して互いに並列接続する長さがLのn本の分岐線路7A〜7A,7B〜7Bと、により構成している。そして、引出線路6A,6Bの端部は、それぞれ固定部4上に形成した一対の電極端子部8A,8B及び9A,9Bに接続している。また、駆動コイル2Aと2Bとは、トーションバー5の軸線に対して略線対称に形成し、個別に設けた図示省略の二つの駆動装置により互いに反対方向の駆動電流を供給するようにしている。なお、上記駆動コイル2A,2Bの一方の端部を互いに接続してもよい。この場合、駆動装置は一つ備えるだけでよい。
【0018】
また、トーションバー5の軸方向に平方な可動部1の対辺側方で、例えば固定部4の上面部位には静磁界発生手段3A,3Bが設けられている。この静磁界発生手段3A,3Bは、上記可動部1の対辺近傍部の駆動コイル2A,2Bの分岐線路7A〜7A,7B〜7Bに静磁界を付与し、該分岐線路7A〜7A,7B〜7Bを流れる駆動電流との相互作用により発生するローレンツ力により可動部1を揺動するものであり、反対磁極を上記可動部1を間にして互いに対向して配置した、例えば永久磁石である。なお、静磁界発生手段3A,3Bは、可動部1の面内で上記分岐線路7A〜7A,7B〜7Bに直交する静磁界成分を付与することができれば上記固定部4の上面部位に限定されず、可動部1の外方のいずれの部位に配置してもよい。
【0019】
次に、本第1実施形態の動作について説明する。
本第1実施形態において、駆動コイル2A,2Bの長さがLでn本の分岐線路7A〜7A,7B〜7Bのそれぞれに図1中矢印方向の駆動電流Iを流し、該各駆動電流Iに静磁界発生手段3A,3Bにより磁場Bを作用すると、上記駆動電流Iと磁場Bとの相互作用により上記各分岐線路7A〜7A,7B〜7Bには、それぞれローレンツ力fとして
f=L(I×B) (1)
が発生する。したがって、トーションバー5の軸方向に平行な可動部1の対辺部分には、総ローレンツ力Fとして
Figure 2004266957
が発生し、可動部1を揺動する。
【0020】
この場合、駆動コイル2A,2Bにおいて発生する発熱量は、駆動コイル2A,2Bにおける消費電力で表すことができる。ここで、各分岐線路7A〜7A,7B〜7Bの各抵抗値をそれぞれrとすると、駆動コイル2A,2Bの各並列抵抗値Ra,Rbは、その対称性により、
Ra=Rb=r/n (3)
と表される。
【0021】
また、上述のように各分岐線路7A〜7A,7B〜7Bには、駆動電流Iが流れているので、駆動コイル2A,2Bを流れる総駆動電流Ia,Ibは、
Ia=Ib=nI (4)
となる。したがって、駆動コイル2A,2Bにおける消費電力Pa,Pbは、それぞれ
Figure 2004266957
となり、トータル消費電力Pは、
Figure 2004266957
となる。
【0022】
一方、一般に矩形状の可動部1の周縁部に沿って巻回数nのスパイラル状の駆動コイルを敷設した従来のプレーナー型電磁アクチュエータにおいて発生する総ローレンツ力Fgは、駆動電流をI、駆動コイルに作用する磁場をB、トーションバーの軸方向に平行な可動部1の対辺部の駆動コイル部分の長さをLとすると、
Fg=2nL(I×B)
と表すことができ、これは、(2)式と同じとなる。この場合、駆動コイルに発生する発熱量、即ち、駆動コイルの消費電力Pgは、駆動コイルの全抵抗値をRとすると、
Pg=RI (8)
と表すことができる。このとき、トーションバーの軸方向に平行な可動部の対辺近傍部における駆動コイルの当該部分の抵抗値は、大略R/(2n)と表すことができ、これは、線幅や厚み等について同一条件で形成した上記各分岐線路7A〜7A,7B〜7Bの抵抗値rと略等しい。したがって、
r=R/(2n) (9)
となり、(9)式を(8)式に代入して、
Pg=2nrI
を得る。そして、これは、(7)式の本第1実施形態におけるトータル消費電力Pに等しい。
【0023】
以上により、本第1実施形態においては、巻回数nの駆動コイルを有する従来のプレーナー型電磁アクチュエータに比べn倍の駆動電流を駆動コイル2A,2Bに対して供給することにより、駆動コイル2A,2Bの発熱量を従来のプレーナー型電磁アクチュエータと同等に抑えながら同等のローレンツ力を得ることができる。
【0024】
なお、駆動コイル2A,2Bの一端部を互いに接続して1本の駆動コイルとして構成した場合も上述と同様である。
【0025】
このように、本第1実施形態によれば、駆動コイル2A,2Bを跨いで引出線路を設ける必要がないので、1層配線とすることができ、駆動コイル2A,2Bの形成工程数が減ってコストダウンを図ることができる。また、駆動コイル2A,2Bの形成工程における断線不良が低減し、製造歩留まりが向上する。
【0026】
また、駆動コイル2A,2Bが複数の分岐線路7A〜7A,7B〜7Bを並列接続した構成としているので分岐線路の一部が断線しても駆動コイル2A,2Bの機能を維持(フェールソフト)することができる。したがって、この場合、駆動コイル2A,2Bの抵抗値の増大を検出することにより断線を検知して、プレーナー型電磁アクチュエータの稼動率の低い適当な時期に交換するようにすれば、駆動コイルの断線事故に伴うシステム障害(損失)を最小限に抑えることができる。
【0027】
さらに、トーションバー5上の引出線路6A,6Bを流れる電流の向きが逆向きであるため、トーションバー5上で引出線路6A,6Bに発生するローレンツ力の向きが逆となり、互いにキャンセルしてプレーナー型電磁アクチュエータの正常動作を妨げるような不必要な動作がトーションバー6に発生するのを防止することができる。
【0028】
そして、駆動コイル2A,2Bに互いに同方向の駆動電流を供給すると、可動部1を上下方向に動作させることができる。したがって、駆動コイル2A,2Bに互いに逆向きの交流の駆動電流を供給すると共に、同方向の直流電流を重畳して供給すれば可動部1の揺動時における上下方向のずれ(オフセット)を補正することができる。
【0029】
なお、本第1実施形態において、駆動電流Ia,Ibは、(4)式に示すように、巻回数nの駆動コイルを有する従来のプレーナー型電磁アクチュエータのn倍となるが、駆動電圧は、(4)式と(9)式とにより(R×I)/nと表されて、従来のプレーナー型電磁アクチュエータの1/n倍となる。したがって、本第1実施形態は、電源電圧に上限がある場合に有効である。
【0030】
次に、本発明に係るプレーナー型電磁アクチュエータの第2実施形態について図2を参照して説明する。ここでは、第1実施形態と同一の要素については、同一符号で示し、異なる部分について説明する。
【0031】
図2に示す第2実施形態は、駆動コイル2A,2Bの各分岐線路7A〜7A,7B〜7Bについて、トーションバー5の軸方向に平行な可動部1の対辺近傍部に近いほど分岐線路7A〜7A,7B〜7Bの間隔を密に形成する構成とした。
【0032】
本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、各分岐線路7A〜7A,7B〜7Bに発生するローレンツ力が、トーションバー5の軸方向に平行な可動部1の対辺近傍部に集中することになり、大きな駆動トルクを得ることができる。
【0033】
また、可動部1の対辺近傍部の分岐線路の線路幅を広くして抵抗値を他の分岐線路に比較して低くなるように形成してもよい。この場合、トーションバー5の軸方向に平行な可動部1の対辺近傍部の分岐線路を流れる駆動電流を多くすることができ、大きな駆動トルクを得ることができる。
【0034】
次に、本発明に係るプレーナー型電磁アクチュエータの第3実施形態について図3を参照して説明する。ここでは、第1実施形態と同一の要素については、同一符号で示し、異なる部分について説明する。
図3に示す第3実施形態は、前述の分岐線路7A〜7A,7B〜7Bに代えて該分岐線路7A〜7A,7B〜7Bの幅よりも広い1本の帯状線路10A,10Bを設けて構成した。
【0035】
本第3実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、トーションバー5の軸方向に平行な可動部1の対辺近傍部に幅の広い帯状線路10A,10Bを配置したので、駆動コイル2A,2Bの形成工程で線路の一部に塵埃等による欠陥部が発生しても、駆動コイル2A,2Bに断線不良が発生することがなく、製造歩留まりを向上することができる。
【0036】
なお、第1〜第3実施形態のいずれにおいても、引出線路6A,6Bは、図4に示すように線路幅を分岐線路7A〜7A,7B〜7Bの幅よりも広く形成してもよいし、図5に示すように梯子形状に形成してもよい。この場合、図4のように線路幅を広くしたときには、引出線路における電力損失を抑えることができると共に、駆動時または駆動コイル形成時における断線不良の発生を抑制することができる。また、図5のように梯子形状としたときには、例えば、図5中×印で示す箇所に製造時または駆動時に断線が発生した場合にも、駆動電流は同図中矢印A,B,Cの方向に流れ、駆動コイル2A,2Bとしての機能を維持することができる。
【0037】
次に、本発明に係るプレーナー型電磁アクチュエータの第4実施形態について図6を参照して説明する。ここでは、第1実施形態と同一の要素については、同一符号で示し、異なる部分について説明する。
【0038】
図6に示す第4実施形態は、可動部1が、固定部4に外側トーションバー11で揺動可能に軸支された枠状の外側可動部12と、該外側可動部12に上記外側トーションバー11の軸線と直交する内側トーションバー13で揺動可能に軸支された内側可動部14とからなり、該内側可動部14に駆動コイル2A,2Bを敷設し、外側可動部12に別の駆動コイルとしての外側駆動コイル15A,15Bを敷設して二次元動作のプレーナー型電磁アクチュエータを構成した。
【0039】
上記外側駆動コイル15A,15Bは、外側可動部12から外側トーションバー11を介して固定部4側に引出された1対の引出線路16A,16Bと、外側トーションバー11の軸方向に平行する外側可動部12の対辺部と平行に敷設され上記引出線路16A,16Bに対して互いに並列接続するn本の分岐線路17A〜17A,17B〜17Bと、により構成しており、引出線路16A,16Bの端部は、それぞれ固定部4上に形成した一対の電極端子部18A,18B及び19A,19Bに接続している。そして、外側駆動コイル15A,15Bを外側トーションバー11の軸線に対して線対称に形成し、互いに反対方向の電流を供給するようにしている。また、駆動コイル2A,2Bの引出線路6A,6Bは内側可動部14から内側トーションバー13及び外側可動部12並びに外側トーションバー11を介して固定部4側に引出され固定部4上に形成した一対の電極端子部8A,8B及び9A,9Bに接続している。
【0040】
さらに、内側トーションバー13の軸方向に平方な内側可動部14の対辺側方で、例えば固定部4の外側部位には静磁界発生手段3A,3Bが、また、外側トーションバー11の軸方向に平方な外側可動部12の対辺側方で、例えば固定部4の外側部位には静磁界発生手段20A,20Bがそれぞれ反対磁極を対向して設けられている。
【0041】
このように構成した上記第4実施形態は、駆動コイル2A,2Bの各分岐線路7A〜7A,7B〜7Bを流れる電流に静磁界発生手段3A,3Bにより静磁界を作用させてローレンツ力を発生させ、内側可動部14を揺動し、外側駆動コイル15A,15Bの各分岐線路17A〜17A,17B〜17Bを流れる電流に静磁界発生手段20A,20Bにより静磁界を作用させてローレンツ力を発生させ、外側可動部12を揺動する。
【0042】
本第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、駆動コイル2A,2Bと外側駆動コイル15A,15Bをそれぞれ個別に設けているので、内側可動部14または外側可動部12のいずれか一方を所定の揺動角の位置に停止させるような個別制御が可能である。
【0043】
なお、本第4実施形態においても、図2に示すように、外側トーションバー11の軸方向に平行な外側可動部12の対辺近傍部に近いほど分岐線路17A〜17A,17B〜17Bの間隔を密に、また、内側トーションバー13の軸方向に平行な内側可動部14の対辺近傍部に近いほど分岐線路7A〜7A,7B〜7Bの間隔を密に形成してもよい。また、図3に示すように、各トーションバーの軸方向に平行な各可動部の対辺近傍部の各駆動コイルの部分を帯状線路に形成してもよい。さらに、各引出線路を図4のように帯状に、または図5のように梯子形状に形成してもよい。
【0044】
また、第1〜第4実施形態において、駆動コイル2Aと2Bまたは外側駆動コイル15Aと15Bについては、常に一対設ける必要はなく、それぞれ片方だけ設けてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のプレーナー型電磁アクチュエータによれば、駆動コイルをトーションバー上に形成された1本の引出線路と、該引出線路に接続し可動部の周縁部に沿って敷設した並列する複数の分岐線路と、により構成したことにより駆動コイルを1層配線とすることができ、駆動コイルの形成工程における断線不良を低減し、製造歩留まりを向上することができる。
【0046】
また、トーションバーの軸方向に平行な可動部の対辺近傍部の駆動コイル部分を複数の分岐線路に形成したことにより、分岐線路の一部が断線してもフェールソフト機能を発揮してシステム停止の損失を最小限に抑えることができる。
【0047】
さらに、トーションバーの軸方向に平行な可動部の対辺近傍部に近いほど分岐線路の間隔を密に形成したことにより大きな駆動トルクを得ることができる。
【0048】
さらにまた、トーションバーの軸方向に平行な可動部の対辺近傍部に幅の広い帯状線路を配置したので、駆動コイルの形成工程で線路の一部に塵埃等による欠陥部が発生しても、駆動コイルに断線不良が発生することがなく、製造歩留まりを向上することができる。
【0049】
そして、本発明の二次元動作のプレーナー型電磁アクチュエータにおいては、内側可動部及び外側可動部のそれぞれに個別の駆動コイルを敷設しているので、内側可動部または外側可動部のいずれか一方を所定の揺動角の位置に停止させるような個別制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプレーナー型電磁アクチュエータの第1実施形態の概略構成図である。
【図2】本発明によるプレーナー型電磁アクチュエータの第2実施形態の要部拡大平面図である。
【図3】本発明によるプレーナー型電磁アクチュエータの第3実施形態の要部拡大平面図である。
【図4】駆動コイルにおける引出線路の他の構成例を示す平面図である。
【図5】駆動コイルにおける引出線路の更に他の構成例を示す平面図である。
【図6】本発明によるプレーナー型電磁アクチュエータの第4実施形態の概略構成図である。
【符号の説明】
1…可動部
2A,2B…駆動コイル
4…固定部
5…トーションバー
6A,6B,16A,16B…引出線路
7A〜7B,17A〜17B…分岐線路
10A,10B…帯状線路
11…外側トーションバー
12…外側可動部
13…内側トーションバー
14…内側可動部
15…外側駆動コイル

Claims (9)

  1. 固定部に一対のトーションバーで揺動可能に軸支された可動部に、駆動電流を供給する駆動コイルを敷設し、前記トーションバーの軸方向に平行な可動部対辺部の前記駆動コイル部分に対して静磁界を作用して前記可動部を揺動するプレーナー型電磁アクチュエータであって、
    前記駆動コイルを、一対の引出線路と、前記可動部の前記対辺部の少なくとも一方に該対辺部と平行に敷設され前記引出線路に対して互いに並列接続する複数の分岐線路と、により構成し、前記トーションバーを介して前記引出線路を固定部側に引出したことを特徴とするプレーナー型電磁アクチュエータ。
  2. 前記トーションバーの軸方向に平行な可動部の対辺近傍部に近いほど前記分岐線路の間隔を密に形成したことを特徴とする請求項1に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
  3. 前記一対の引出線路を、前記一対のトーションバーを介してそれぞれ固定部側に引出すようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
  4. 前記駆動コイルを、前記トーションバーの軸線に対して略線対称に形成し、互いに反対方向の駆動電流を供給するようにしたことを特徴とする請求項1〜3に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
  5. 前記トーションバーの軸線に対して略線対称に形成した駆動コイルの一方の端部を互いに接続したことを特徴とする請求項4に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
  6. 前記一対の引出線路の幅を前記分岐線路幅よりも広く形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のプレーナー型アクチュエータ。
  7. 前記引出線路のそれぞれを梯子形状に形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
  8. 前記可動部が、固定部に外側トーションバーで揺動可能に軸支された枠状の外側可動部と、該外側可動部に前記外側トーションバーの軸線と直交する内側トーションバーで揺動可能に軸支された内側可動部とからなり、前記内側可動部及び外側可動部にそれぞれ前記駆動コイルを敷設する構成としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
  9. 前記複数の分岐線路に代えて分岐線路より幅の広い1本の帯状線路を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
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