JP4096488B2 - 限流器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は限流器に関し、特に超電導コイルを用いた限流器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電力回路において短絡等の故障や事故により発生した過大な電流を瞬時に制限するために限流器が用いられる。近年、超電導体を用いた限流器が開発されてきている。この超電導体を用いた限流器は、短絡等の事故のときに超電導体を超電導状態から常電導状態へ転移させる機構を利用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
発明者は、上記のような超電導体を用いた限流器として、たとえば特願平11−237736号に記載されている限流器を提案している。特願平11−237736号に記載された限流器は、本発明の基礎となる限流器であって、超電導線の巻線からなる第1と第2の超電導コイルを備える。第2の超電導コイル(2次コイル)は短絡されている。第2の超電導コイルは、第1の超電導コイル(1次コイル)に発生する磁界の方向とは逆方向の磁界を発生させるように配置されている。具体的には、第1の超電導コイルと第2の超電導コイルとが互い違いに配置され、かつ、第1および第2の超電導コイルのコイル軸が直線を形成するように配置されている。第1および第2の超電導コイルとしては、絶縁基板表面に渦巻き状に超電導体を配置したコイルを用いる。この限流器の動作を簡単に説明する。
【0004】
1次コイルとしての第1の超電導コイルは電源ラインに接続されている。そして、超電導状態に保持されている第1の超電導コイルに電源電流が流れる場合、この第1の超電導コイルが磁界を発生させる。この第1の超電導コイルが発生させた磁界を打消すような方向に磁界を形成するように、超電導状態に保持されている第2の超電導コイルに電流が誘起される。ここで、漏れ磁束などの影響により第1および第2の超電導コイルにおけるアンペアターンは完全に同一とはならない。この第1および第2の超電導コイルでは、わずかに自己磁界が形成される。この自己磁界は、第1および第2の超電導コイルにおける超電導体の表面に対して平行であり、かつ第1および第2の超電導コイルのいずれの部分においてもほぼ同じ強度となっている。このように、強度が小さくかつ超電導体の表面に対して平行な自己磁界が形成されている場合、第1および第2の超電導体の臨界電流値は大きくなることが知られている。
【0005】
事故時に電源ラインにおいて過大な電流が発生する場合、第1の超電導コイルに流れる電流の増加に伴って、第2の超電導コイルに誘起される電流値が増大する。この第2の超電導コイルの臨界電流値を第1の超電導コイルの臨界電流値より小さくしておけば、先に第2の超電導コイルがクエンチして、この第2の超電導コイルの抵抗値が増加する。すると、第1の超電導コイルと第2の超電導コイルとに流れる電流値が異なることになり、磁界のキャンセル条件が崩れる。このため、第1および第2の超電導コイルのコイル軸方向に通常運転時より強い磁界が分布することになる。この結果、第1および第2の超電導コイルにおける超電導体の表面に垂直な磁界が分布する。
【0006】
そして、第1の超電導コイルにおける超電導体の表面に対して垂直かつ十分な強度の磁界が分布することになるので、第1の超電導コイルにおいて臨界電流値が急激に低下する。なお、超電導体の表面に対して垂直な磁界が分布する場合、超電導体の臨界電流値が低下することが知られている。このように臨界電流値が低下することで、第1の超電導コイルにおける超電導体も一気にクエンチし、第1の超電導コイルにおいて抵抗が発生する。第1の超電導コイルは電源ラインに接続されているため、第2の超電導コイルのように電流値が急激に低下せず、一定の電流が流れ続ける。このため、第1および第2の超電導コイルにおける超電導体の表面に垂直な磁界が継続して発生することになる。このようにして、第1の超電導コイルのクエンチ(常電導転移)による抵抗(クエンチ抵抗)によって、電源ラインからの過大な電流を制限する限流動作を行うことができる。
【0007】
しかしながら、上記のような超電導コイルを利用した限流器には、以下のように限流動作時に超電導体の抵抗が十分ではなくなるという問題があった。簡単に説明するため、第1の超電導コイルである1次コイルと、第2の超電導コイルである2次コイルとを互い違いに配置して、コイル軸が直線を形成するように、すなわちソレノイド型にコイルを配置した場合を考える。この場合、ソレノイド型に配置された1次コイルと2次コイルとは、図8に示すような厚肉ソレノイドコイル114とみなすことができる。図8は、厚肉ソレノイドコイルを示す模式図である。
【0008】
限流器の限流動作時には、1次コイルに流れる電流により上述のように2次コイルの超電導体の表面に垂直な磁界が形成される。この磁界は図8の厚肉ソレノイドコイルによる磁界と等価な分布を示す。そしてこの磁界の強度は、図8に示す厚肉ソレノイドコイル114の中心から、図9に示すように、半径方向(X軸)の外周側になるにしたがって小さくなる。図9は、厚肉ソレノイドコイルの半径方向での位置と磁界の強さ(強度)との関係を示すグラフである。図9のX軸は図8に示したX軸に対応する。図8および9を参照して、限流動作時に発生する2次コイルの超電導体の表面に垂直な磁界の強度は、2次コイルの周辺部で小さくなる。この結果、2次コイルの周辺部においては超電導体の表面に対して垂直方向の磁界の強度が十分ではなくなるため、限流動作時に発生する超電導体の抵抗値が十分な大きさにならない場合があった。すなわち、上述のように超電導体に垂直方向の磁界が印加されることによって、超電導体の臨界電流値は低下する。この臨界電流値の低下によって超電導体全体でのクエンチを確実に発生させることができる。しかし、この垂直方向の磁場の強度が不充分な場合、上記のようなクエンチを確実に起こすことができず、限流動作を確実に起こすことができない場合があった。
【0009】
そこで、この発明の目的は、確実に限流動作を実施することが可能な限流器の構成を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の1の局面における限流器は、超電導体を含む導電線を平面に沿って渦巻き形状に配置した第1および第2のコイルを備える。第2のコイルは、第1のコイルに発生する磁界の方向とは逆方向の磁界を発生させるように配置され、第1および第2のコイルの導電線は、導電線が配置された領域において、中央部に位置する超電導体と、この超電導体より外周側に位置する常電導体とを含む。第2のコイルは短絡されている。
【0012】
このように、限流動作時に磁界の強度が大きくなる第1および第2のコイルの中央部に超電導体を配置するので、限流動作時、超電導体の表面に対して垂直でかつ十分な強度の磁界を超電導体に印加することができる。また、限流動作時、磁界の強度が相対的に小さくなる第1および第2コイルの外周側の領域には、限流動作に関与しない常電導体を配置するので、コイルの外周部における磁界の強度は限流動作になんら影響をあたえない。
【0013】
また、導電線が渦巻き状に配置された領域の中央部にのみ高価な超電導体を用いることになるので、従来より超電導体の使用量を削減できる。このため、限流器の製造コストを低減できる。
【0014】
また、本発明による限流器は、通常運転時、第1のコイルに電源電流が流れる場合、この第1のコイルが磁界を発生させる。この第1のコイルが発生させた磁界を打消すような方向(逆方向)の磁界を第2のコイルが発生させる。このため、通常運転時には磁界のキャンセル条件がほぼ成立する。そして、第2のコイルにおける超電導体の臨界電流値を第1のコイルにおける超電導体の臨界電流値よりも小さくしておけば、事故時に過大な電流が発生するときに、第2のコイルが先にクエンチし、その抵抗値が増加する。これにより、第1と第2のコイルに流れる電流値が異なることになり、磁界のキャンセル条件が崩れる。このため、第1および第2のコイルのコイル軸方向に磁界が分布することになる。この結果、超電導体の表面に垂直な磁界が分布することになるので、クエンチした第2のコイルの抵抗値がさらに増加する。そして、超電導体の表面に垂直に分布する磁界によって、第1のコイルにおいて臨界電流値が急激に低下する。このため、第1のコイルの超電導体も常電導状態に転移する。このようにして、第1のコイルは、コイルに流れる電流とその磁界とにより大きなクエンチ抵抗を有することになる。この結果、鉄芯を用いないで、事故時の過大な電流を制限するための全体インピーダンスを第1のコイルの超電導体のクエンチ抵抗値によって決定することができる。
【0015】
この発明のもう一つの局面における限流器は、超電導体を含む導電線を平面に沿って渦巻き形状に配置した第1および第2のコイルを備える。第2のコイルは、第1のコイルに発生する磁界の方向とは逆方向の磁界を発生させるように配置され、第1および第2のコイルの導電線は、導電線が配置された領域において、中央部に位置する第1の超電導体と、この第1の超電導体より外周側に位置し、第1の超電導体とは材質の異なる第2の超電導体とを含む。第2のコイルは短絡されている。
【0016】
このように、限流動作時に磁界の強度が大きくなる第1および第2のコイルの中央部に超電導体を配置するので、限流動作時、超電導体の表面に対して垂直でかつ十分な強度の磁界を超電導体に印加することができる。そして、このコイルの中央部の第1の超電導体によって限流動作に必要なクエンチ抵抗値を得られるようにしておけば、コイルの外周側に位置する上記他の超電導体において限流動作時必ずしもクエンチを起こす必要はない。このため、コイルの中央部に配置された第1の超電導体より低コストの超電導体を上記第2の超電導体として使用できる。
【0017】
また、通常運転時には、第1および第2のコイルの導電線が中央部およびその外周側においても超電導体により構成されていることから、実質的に導電線の抵抗値をほぼゼロにすることができる。この結果、通常運転時でのコイルにおける通電ロスや通電に伴う発熱を低減できる。
【0018】
また、第2のコイルにおける第1の超電導体の臨界電流値を第1のコイルにおける第1の超電導体の臨界電流値よりも小さくしておけば、事故時に過大な電流が発生するときに、第2のコイルが先にクエンチし、その抵抗値が増加する。これにより、第1と第2のコイルに流れる電流値が異なることになり、磁界のキャンセル条件が崩れる。この結果、第1の超電導体の表面に垂直な磁界が分布することになるので、クエンチした第2のコイルの抵抗値がさらに増加する。そして、第1の超電導体の表面に垂直に分布する磁界によって、第1のコイルにおいて第1の超電導体の臨界電流値が急激に低下する。このため、第1のコイルにおける第1の超電導体も常電導状態に転移する。このようにして、第1のコイルは、コイルに流れる電流とその磁界とにより大きなクエンチ抵抗を有することになる。この結果、鉄芯を用いないで、事故時の過大な電流を制限するための全体インピーダンスをコイルの超電導体のクエンチ抵抗値によって決定することができる。
【0019】
上記1の局面またはもう一つの局面における限流器では、第1のコイルは、第2のコイルに直列に電気的に接続されていてもよい。第1および第2のコイルは、電流が流れることにより、互いに逆方向の磁界を発生させるものであることが好ましい。また、上記1のまたはもう一つの局面における限流器は、第2のコイルに電気的に並列に接続された、抵抗体およびインダクタからなる群から選択される少なくとも一つの要素を備えることが好ましい。
【0020】
この場合、この発明による限流器においては、通常運転時、第1のコイルと第2のコイルとが互いに逆方向の磁界を発生させるので、コイル軸方向の磁界はキャンセルされる。事故時に過大な電流が発生するときには、第1と第2のコイルのうち、一方のコイルの超電導体がクエンチし、その抵抗値が増加する。このとき、一方のコイルに電気的に並列に接続された抵抗体またはインダクタに電流が分かれて流れる。これにより、第1と第2のコイルに流れる電流値が異なり、磁界のキャンセル条件が崩れる。この結果、コイル軸方向に磁界が分布する。この結果、第1および第2のコイルの超電導体の表面に垂直な磁界が分布することになり、クエンチした一方のコイルにおける超電導体の抵抗値がさらに増加する。そして、超電導体の表面に垂直に分布する磁界により、他方のコイルの超電導体の臨界電流値が急激に低下するため、この他方のコイルも常電導状態に転移する。このため、コイルに流れる電流とその磁界とにより、大きなクエンチ抵抗を実現できる。したがって、上記のように、鉄芯を用いないで、事故時の過大な電流を制限するための全体インピーダンスを超電導コイルのクエンチ抵抗値によって決定することができる。さらに、この発明の限流器では、第1のコイルは、第2のコイルに直列に電気的に接続されているため、通常運転時では、正確に同量の磁界をコイル軸方向に発生することができ、厳密に磁界のキャンセル条件を完全にすることができる。なお、超電導体は磁界がゼロの状態で最も大きな臨界電流値を示すことはよく知られた事実である。さらに、第1および第2のコイルが電気的に直列に接続されているため、直流通電時でも磁界のキャンセル条件を実現することができる。
【0022】
また、上記1のまたはもう一つの局面に従った限流器では、電源に接続されるのは基本的に第1のコイルのみであり、またさらに抵抗体またはインダクタなどは備えていないことから、事故時の高電圧が発生する部位も限られることになる。このため、事故時に発生する過大な電圧を確実に絶縁するための厳重な絶縁設計を行なう必要のある部位が減少するので、限流器の設計の自由度が向上する。また、限流器の装置構成自体も単純化することが可能となる。
【0048】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に従った限流器の実施の形態を示す模式図である。図1を参照して、限流器を説明する。
【0049】
図1を参照して、限流器は超電導体を含む導電線の巻線からなる第1および第2のコイルとしての平板状の第1の超電導コイル1a〜1dと第2の超電導コイル2a〜2cとを備える。第1の超電導コイル1a〜1dは電源ライン3と電気的に接続されている。第2の超電導コイル2a〜2cはそれぞれが独立に短絡された回路5a〜5cを構成している。この第2の超電導コイル2a〜2cは、第1の超電導コイル1a〜1dに発生する磁界の方向とは逆方向の磁界を発生させるように第1の超電導コイル1a〜1dと対向して配置されている。また、第2の超電導コイル2a〜2cは、第1の超電導コイル1a〜1dと並列に接続された並列回路4とそれぞれ1ヶ所で接続されている。この並列回路4には、第2の超電導コイル2a〜2cの電位を固定するための抵抗体R1〜R4が配置されている。
【0050】
第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cとしては、図2および3に示したような平板状の超電導コイルを用いる。ここで、図2は、限流器において用いられる超電導コイルの平面模式図であり、図3は、図2に示した線分100−100における超電導コイルの断面模式図である。
【0051】
図2および3を参照して、超電導コイルはディスクとしての絶縁基板7と導電線とを備える。絶縁基板7の表面上および裏面上においては、導電線が渦巻き形状に配置されている。導電線は主限流動作部である超電導体としての超電導体膜10と副限流動作部である常電導体としての常電導体膜8とを含む。この絶縁基板7の表面上および裏面上に形成された表面導電線および裏面導電線としてのそれぞれの導電線では、超電導体膜10間が接続部としての表裏面回路接続部材9を介して電気的に接続されている。そして、この導電線の端部には端子6a、6bが形成されている。
【0052】
ここで、図1に示した限流器の作用について説明する。電源ライン3に電流が流れる場合、第1の超電導コイル1a〜1dに磁界が発生する。そして、この第1の超電導コイル1a〜1dに発生した磁界を打消すような方向に磁界を形成するように、第2の超電導コイル2a〜2cに電流が誘起される。ここで、漏れ磁束などの影響により第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cにおけるアンペアターンは完全に同一とはならない。しかし、第1および第2の超電導コイル間の距離、例えば第1の超電導コイル1aと第2の超電導コイル2aとの間隔をできるだけ小さくするなどの対応により、両者のアンペアターンを同一に近づけることは可能である。そして、第1の超電導コイル1a〜1dに流れる電流による磁界を完全にはキャンセルできなくても、上記のようにアンペアターンをほぼ同一と見なせる程度にまですることができれば、第2の超電導コイル2a〜2cによって第1の超電導コイル1a〜1dの磁界をほぼキャンセルすることができる。この結果、通常運転時においては、限流器の磁界は最小となる。そして、このとき第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cには、それぞれのコイルの超電導体の表面に平行な自己磁界がわずかだが発生している。このように、強度が小さくかつ超電導体膜10の表面に対して平行な自己磁界が形成されている場合、第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cの超電導体膜10の臨界電流値は大きくなる。なお、上記のような通常運転時では、第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cはともに超電導状態であり、インピーダンスも最小となっている。
【0053】
一方、事故時に過大な電流が第1の超電導コイル1a〜1dに流れると、それに伴って第2の超電導コイル2a〜2cに大電流が誘起される。そして、第1の超電導コイル1a〜1dよりも第2の超電導コイル2a〜2cの臨界電流値を若干小さくしておくことによって、第2の超電導コイル2a〜2cが先にクエンチし、常電導状態へと転移する。この場合、第2の超電導コイル2a〜2cの抵抗値は超電導状態における抵抗値よりも大変高くなり、第1の超電導コイル1a〜1dにより形成される磁界をキャンセルするために必要な電流を流すことができない。このため、磁界のキャンセル条件が崩れることになる。この結果、第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cのコイル軸方向、すなわち超電導体膜10(図2および3参照)の表面に垂直な方向に磁界が発生する。
【0054】
超電導体の表面に対して垂直な磁界が分布する場合、超電導体の臨界電流値が低下するため、この磁界により第1の超電導コイル1a〜1dの超電導体膜10の臨界電流値は急激に低下する。この結果、第1の超電導コイル1a〜1dも一気にクエンチすることにより、第1の超電導コイル1a〜1dにおいて抵抗が発生する。このようにして、一気に限流動作が行なわれる。磁界は局部的な熱発生とは異なり広い面積に瞬間的に印加され得る。この磁界の印加により、超電導体を全体的に一気に常電導状態に転移させることができるので、超電導体の不均一性は問題とはならない。このようにして、第1の超電導コイル1a〜1dのクエンチ抵抗値により事故時の過大な電流を制限するための限流器のインピーダンスを確保することができる。このため、従来の限流器とは異なり、インピーダンスを確保するための鉄芯を用いる必要がないので、限流器の重量を小さくし、コンパクトにすることができる。
【0055】
また、第1の超電導コイル1a〜1dは、コイルに流れる電流とその磁界とにより大きなクエンチ抵抗を有することになる。このため、鉄芯を用いないで、事故時の過大な電流を制限するための全体インピーダンスを第1の超電導コイル1a〜1dのクエンチ抵抗値によって決定することができる。
【0056】
また、図1に示した限流器において、限流器が動作して第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cの超電導体膜10がクエンチした場合、限流器は単純なソレノイドコイルと等価になる。この場合、磁界強度はコイルの導電線の巻数に比例する。そして、図2および3に示したように渦巻き形状に導電線が配置されている場合、コイルの中央部が導電線の巻数の最も多い領域となる。このため、第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cの中央部において最も磁界強度が大きくなる。図2および3に示すように、限流動作時に磁界の強度が大きくなるコイルの中央部に超電導体膜10を配置して、この超電導体膜10を主限流動作部としているので、限流動作時、超電導体膜10の表面に対して垂直でかつ十分な強度の磁界を印加することができる。この結果、限流動作を確実に起こすことが出来る。また、限流動作時、磁界の強度が相対的に小さくなる第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cの外周側には、副限流動作部としての常電導体膜8を配置している。このため、第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cの外周部における磁界の強度がコイル中央部より相対的に小さいことは限流動作に悪影響を及ぼさない。
【0057】
また、超電導体膜10と常電導体膜8とからなる導電線が渦巻き状に配置された領域において、中央部の主限流動作部にのみ高価な超電導体を用いることになるので、従来より超電導体の使用量を削減できるとともに、コイルの外周側には安価な常電導体膜8を使用できる。このため、コイルおよび限流器の製造コストを低減できる。
【0058】
また、図2および3を参照して、上述のように一つのディスクとしての絶縁基板7の表面と裏面とに超電導体膜10と常電導体膜8とからなる表面導電線および裏面導電線としての導電線を配置するので、絶縁基板7の表面のみに上記導電線を形成した場合より、少ない絶縁基板を用いて限流動作に必要な量の導電線を確保できる。この結果、限流器のサイズを小さくできる。
【0059】
なお、このような常電導体膜8からなる副限流動作部と超電導体膜10からなる主限流動作部とを備えるコイルを限流器に用いても、通常運転時の磁場強度は従来の超電導コイルを用いた限流器での通常運転時の磁場強度とほとんど変わらない。図4を参照してこの理由を説明する。
【0060】
図4は、限流器の通常運転時におけるコイルの磁界を示す断面模式図であり、幅がaの薄膜超電導体である超電導体膜11aと、幅が2×a(幅aの2倍)の薄膜超電導体である超電導体膜11bとが、それぞれ同じ内径を有する円板状に配置されたコイルの断面を示している。超電導体膜11aからなるコイルを図1に示した限流器の超電導コイルとして用いた場合を考える。限流器の通常運転時、図1のコイル軸方向の磁界は上述のようにキャンセルされ、発生する磁界は図4に示すように自己磁界12aだけである。この自己磁界12aは超電導体膜11aの表面に対して平行となる。また、同様に超電導体膜11bからなるコイルを図1に示した限流器の超電導コイルとして用いた場合にも、限流器の通常運転時、発生する磁界は図4に示すように自己磁界12bだけである。そして、自己磁界12bは超電導体膜11bの表面に対して平行となる。
【0061】
この自己磁界12a、12bの強度を考える。超電導体膜11aに流せる電流量をI1とする。薄膜超電導体では通電可能な電流量は薄膜の幅に比例する。そして、超電導体膜11bの幅は超電導体膜11aの幅の2倍であるので、超電導体膜11bに流せる電流量は2×I1となる。一方、磁界強度は近似的に(コイルに流れる電流量)/(超電導体膜の周囲長)で表すことができる。超電導体膜11aの幅aが上記内径より充分大きい場合、超電導体膜11bの周囲長は超電導体膜11aの周囲長の約2倍となる。つまり、超電導体膜11bでは、超電導体膜11aと比べて流せる電流量は2倍となっている一方で、その周囲長も約2倍となる。この結果、限流器の通常運転時における超電導体膜11aと超電導体膜11bとの磁界強度はほぼ等しくなる。上述のように常電導体膜8からなる副限流動作部と超電導体膜10からなる主限流動作部とを備える本発明によるコイルを限流器に用いる場合、超電導体膜8が配置された領域の大きさは、同じ外径サイズの従来の超電導コイルでの超電導体膜が配置された領域の大きさより小さくなる。しかし、このように本発明によるコイルを用いる場合でも、通常運転時の磁界強度は従来の超電導コイルを用いた限流器での通常運転時の磁界強度とほとんど変わらないことになる。
【0062】
また、図1を参照して、電源ライン3から供給される電流は限流用コイルである第1の超電導コイル1a〜1dのみを流れ、磁界キャンセル用コイルである第2の超電導コイル2a〜2cには流れない。第2の超電導コイル2a〜2cは短絡された回路5a〜5cを形成しているので、第1の超電導コイル1a〜1dに電源ライン3から供給される電流が流れることにより発生する誘導電流は第2の超電導コイル2a〜2cのそれぞれについてこの短絡した回路5a〜5c内を流れる。第1の超電導コイル1a〜1dと第2の超電導コイル2a〜2cとは誘導的に結合されているが、上述のように励磁電流や漏れ磁束の存在によりアンペアターンが両者間で完全に一致する状態にはなっていない。しかし、第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cの配置を調整することにより、実用上ほぼ問題のないレベルにまで磁界のキャンセル状態を実現することができる。
【0063】
また、第2の超電導コイル2a〜2cには、上述のように電源ラインからの電流は直接流れていない。このため、事故発生時に限流器に高電圧が印加される場合、第2の超電導コイル2a〜2bに電源ラインからの電流が流れる場合より、高電圧が印加される箇所の数を削減することができる。この結果、限流器の絶縁設計が容易になる、また限流器の設計の自由度が向上するというメリットがある。また、限流器の構造も単純化することができる。
【0064】
また、第2の超電導コイル2a〜2cは、電位固定用の高抵抗体である抵抗体R1〜R4を介して電源ライン3と接続されているので、限流器に印加される電圧に対して第2の超電導コイル2a〜2cはそれぞれこの抵抗体R1〜R4によって決定される電位へと固定される。このため、事故発生時などの高電圧が印加されるような場合に第2の超電導コイル2a〜2cに浮遊電荷が集積して電界が集中することを防止できる。この結果、第2の超電導コイル2a〜2cが電圧破壊などを起こすといった問題の発生を防止できる。
【0065】
また、この電位固定用の抵抗体R1〜R4の抵抗を変更することにより、第2の超電導コイル2a〜2cの固定電位を任意に調整することができる。
【0066】
なお、この電位固定用の抵抗体R1〜R4は、単に第2の超電導コイル2a〜2cの電位を固定するためのものであるため大電流を流す必要はない。このため、これらの抵抗体R1〜R4については高い抵抗値を有する抵抗体を用いることができる。
【0067】
図5は、図2および3に示した超電導コイルの第1の変形例を示す断面模式図である。図5は図3に対応する。図5を参照して、超電導コイルは基本的に図2および3に示した超電導コイルと同様の構造を備えるが、表裏面回路接続部材9に隣接する第1の部分としての超電導体部分13は、表裏面の両方において、第2の部分および第4の部分としてのその他の主限流動作部である超電導体膜10より膜厚が厚くなっている。
【0068】
ここで、絶縁基板7の表面に形成された上記超電導体部分13と裏面に形成された第3の部分としての超電導体部分13とは表裏面回路接続部材9によって接続されている。この超電導体部分13と接続部材9との接続部では、材質が不連続となるため完全な超電導接続は困難である。そのため、限流器の通常運転時においても、この接続部近傍は局所的に常電導状態となり、通電に伴って発熱する。そのため、限流動作時に接続部近傍の超電導体膜がクエンチし、常電導状態となってさらに発熱すると、接続部の温度が必要以上に上昇することになる。しかし、上記のように接続部に隣接する超電導体部分13および裏面の超電導体部分13の膜厚を厚くしておけば、この部分の臨界電流値を大きくできる。この結果、限流動作時にこの超電導体部分13および裏面の超電導体部分13がクエンチすることを防止できる。すなわち、この超電導体部分13を非限流動作部分とすることができるので、上記のような過加熱による限流器の損傷を防止できる。
【0069】
図6は、図2および3に示した超電導コイルの第2の変形例を示す断面模式図である。図5は図3に対応する。図5を参照して、超電導コイルは基本的に図2および3に示した超電導コイルと同様の構造を備えるが、副限流動作部の導電線である常電導体膜8の線幅および線間のピッチが、主限流動作部の導電線である超電導体膜10の線幅および線間のピッチと異なっている。また、常電導体膜8の膜厚を超電導体膜10の膜厚とは異なる膜厚としてもよい。
【0070】
このように、使用する超電導体膜10や副限流動作部を構成する常電導体膜8の特性を考慮して、超電導体膜10および常電導体膜8の幅などを変更することにより、限流器の設計の自由度を高めることができる。
【0071】
図1〜3、4および5において示した限流器では、第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cにおける副限流動作部に常電導体膜8を用いているが、この常電導体膜8に代えて主限流動作部を構成する第1の超電導体としての超電導体膜10とは材質の異なる、より安価な第2の超電導体としての超電導体膜を用いてもよい。この結果、主限流動作部に用いる超電導体膜10を構成する材料で全導電線を形成する場合より、第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cの製造コストを低減できる。これにより、限流器の製造コストも結果的に低減できる。
【0072】
また、この場合、限流器の通常運転時には、第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cの導電線が、コイルの中央部としての主限流動作部およびその外周側である副限流動作部の両方において超電導体により構成される。このため、実質的に導電線の抵抗値をほぼゼロにすることができる。この結果、図1〜3、5および6に示した限流器および超電導コイルによって得られる効果に加えて、通常運転時の第1および第2の超電導コイル1a〜1d、2a〜2cにおける通電ロスや通電に伴う発熱を低減できる。
【0073】
図7は、図1に示した本発明による限流器の変形例を示す模式図である。図7を参照して、限流器は基本的には図1に示した限流器と同様の構造を備えるが、第2の超電導コイル2a〜2cは、電源ライン3とは電気的に接続されていない。限流器が低電圧用の限流器などである場合には、このような構成の限流器を適用できる。
【0074】
また、ここでは、第1および第2の超電導コイル1a〜1e、2a〜2dをそのコイル軸が直線を形成するように円筒状に配置しているが、第1および第2の超電導コイル1a〜1e、2a〜2dのコイル軸が曲線を形成するように配置してもよく、このコイル軸が円を形成するように配置してもよい。
【0075】
以上の開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従った超電導限流器の実施の形態を示す模式図である。
【図2】 限流器において用いられる超電導コイルの平面模式図である。
【図3】 図2に示した線分100−100における超電導コイルの断面模式図である。
【図4】 限流器の通常運転時におけるコイルの磁界を示す断面模式図である。
【図5】 図2および3に示した超電導コイルの第1の変形例を示す断面模式図である。
【図6】 図2および3に示した超電導コイルの第2の変形例を示す断面模式図である。
【図7】 図1に示した本発明による限流器の変形例を示す模式図である。
【図8】 厚肉ソレノイドコイルを示す模式図である。
【図9】 厚肉ソレノイドコイルの半径方向での位置と磁界の強さ(強度)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1a〜1d 第1の超電導コイル、2a〜2c 第2の超電導コイル、3 電源ライン、4 並列回路、5a〜5c 回路、6a,6b 端子、7 絶縁基板、8 常電導体膜、9 表裏面回路の接続部材、10 超電導体膜、11a,11b 超電導体膜、12a,12b 磁界、13 超電導体部分、R1〜R4 抵抗体。
Claims (2)
- 超電導体を含む導電線を平面に沿って渦巻き形状に配置した第1および第2のコイルを備え、
前記第2のコイルは、前記第1のコイルに発生する磁界の方向とは逆方向の磁界を発生させるように配置され、
前記第1および第2のコイルの導電線は、前記導電線が配置された領域において、中央部に位置する超電導体と、この超電導体より外周側に位置する常電導体とを含み、
前記第2のコイルは短絡されている、限流器。 - 超電導体を含む導電線を平面に沿って渦巻き形状に配置した第1および第2のコイルを備え、
前記第2のコイルは、前記第1のコイルに発生する磁界の方向とは逆方向の磁界を発生させるように配置され、
前記第1および第2のコイルの導電線は、前記導電線が配置された領域において、中央部に位置する第1の超電導体と、前記第1の超電導体より外周側に位置し、前記第1の超電導体とは材質の異なる第2の超電導体とを含み、
前記第2のコイルは短絡されている、限流器。
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