JP2004260484A - 車両内通信システム及びゲートウェイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゲートウェイ装置で接続された複数のネットワークに備える各車載機器間における通信の通信ログを記憶する車両内通信システム及びゲートウェイ装置を提供する。
【解決手段】制御系LAN102を構成する各車載機器がネットワークケーブル102aに送出した通信情報をゲートウェイ装置1が取得し、ゲートウェイ装置1の制御部が、取得した通信情報がNACK信号であるか否かを判断し、NACK信号である場合に、このNACK信号に係る通信ログを、ネットワークケーブル102aを介して情報系LAN102のナビゲーション装置2へ送信し、ナビゲーション装置2において前記通信ログが記憶される。
【選択図】 図1
【解決手段】制御系LAN102を構成する各車載機器がネットワークケーブル102aに送出した通信情報をゲートウェイ装置1が取得し、ゲートウェイ装置1の制御部が、取得した通信情報がNACK信号であるか否かを判断し、NACK信号である場合に、このNACK信号に係る通信ログを、ネットワークケーブル102aを介して情報系LAN102のナビゲーション装置2へ送信し、ナビゲーション装置2において前記通信ログが記憶される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の車載機器を有する複数のネットワークをゲートウェイ装置で接続してあり、前記車載機器間で通信を行なう車両内通信システム及び前記ゲートウェイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載される複数の機器を、相互に関連の強い機器毎にネットワーク化することで、車載ネットワークシステムを構築した車両が増加しており、このようなシステムにおいて、各ネットワークにおける機器間の通信処理の効率化を図ることができる。
このようなシステムにおいては、各機器が、自身において生じた故障(異常)を検出し、検出した故障の種類及び故障の発生時刻等を故障ログとして記憶しておく構成を備えている場合が多く、このような構成により、修理工場等で各機器に記憶された故障ログに基づき、故障の発生原因を解析することができる。
尚、車両に搭載される複数の機器により構成される車載ネットワークシステムには、以下の特許文献1で示すものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−32886号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したシステムにおいては、各ネットワークにおける通信処理に基づき、各機器単体では生じ得なかった想定外の種類の故障が発生するおそれがあり、このような故障が発生した場合には、各機器は、自身に発生した故障を検出することができず、また、故障ログとして記憶することができない場合がある。
このような場合には、故障の発生原因を解析できないだけでなく、故障の症状等も把握できないおそれがあり、また、複数の機器の動作が原因となる故障においては、故障を解析するために長時間が必要となるという問題があった。
【0005】
また、ネットワークの種類によっては、記憶容量が大きなメモリを接続させることが困難なものもあり、このようなネットワークにおいては、上述したような故障ログを記憶する構成を備えることができないという問題があった。
【0006】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、ゲートウェイ装置で接続されるネットワークのうちの1つのネットワークに記憶装置を備え、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを前記記憶装置へ送信し、この記憶装置が、受信した通信ログを記憶することにより、各ネットワークにおける各車載機器間での通信処理に基づく故障や、各機器単体では発生しなかった想定外の故障が発生した場合における通信ログも記憶しておくことができる車両内通信システムを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、ネットワークを構成する複数の車載機器間における通信に係る情報及び前記通信が行なわれた時刻を示す時刻情報からなる通信ログを記憶することにより、各車載機器間での通信処理に基づく故障や、各機器単体では発生しなかった想定外の故障が発生した場合であっても、通信ログに基づき故障の発生原因を解析することができる車両内通信システムを提供することにある。
【0008】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、故障を示す通信異常情報を検出し、検出した通信異常情報に係る通信ログを記憶装置へ送信することにより、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶させることができる車両内通信システムを提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、各情報の再送を示す再送情報を検出し、検出した再送情報に係る通信ログを記憶装置へ送信することにより、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶させることができる車両内通信システムを提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを記憶し、記憶してある通信ログを記憶装置へ送信する構成を備えることにより、ゲートウェイ装置の通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができる車両内通信システムを提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、故障を示す通信異常情報を検出し、検出した通信異常情報に係る通信ログを記憶しておくことにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量を削減でき、通信ログの記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができる車両内通信システムを提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、各情報の再送を示す再送情報を検出し、検出した再送情報に係る通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量を削減でき、通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができる車両内通信システムを提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを予め設定された数だけ記憶した場合に、記憶手段に記憶してある各通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量をより削減できる車両内通信システムを提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、一のネットワークの通信周期にて、記憶手段に記憶してある各通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置が通信ログを前記記憶装置へ送信する送信処理のために複雑な構成を必要とせず、効率よく通信情報の送信処理を行なう車両内通信システムを提供することにある。
【0015】
本発明の更に他の目的は、通信ログを記憶する記憶装置が、一のネットワークの少なくとも1つの車載機器に内蔵されていることにより、記憶装置を各車載機器とは別にネットワークに接続する必要がなく、より簡便な構成で、各機器間における通信ログを記憶することができる車両内通信システムを提供することにある。
【0016】
本発明の更に他の目的は、複数のネットワークを接続するゲートウェイ装置が、前記ネットワークにおける通信の通信ログを記憶することにより、各ネットワークにおける通信処理内容を把握することができるゲートウェイ装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る車両内通信システムは、複数の車載機器を有する複数のネットワークをゲートウェイ装置で接続してあり、前記車載機器間で通信を行なう車両内通信システムにおいて、一のネットワークに記憶装置を備え、前記ゲートウェイ装置は、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを前記記憶装置へ送信する送信手段を備え、前記記憶装置は、前記ゲートウェイ装置から受信した通信ログを記憶するように構成してあることを特徴とする。
【0018】
第1発明による場合は、ゲートウェイ装置で接続されるネットワークのうちの1つのネットワークに記憶装置を備え、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを送信手段にて前記記憶装置へ送信し、この記憶装置が、受信した通信ログを記憶することにより、各ネットワークにおける各車載機器間での通信処理に基づく故障や、各機器単体では発生しなかった想定外の故障が発生した場合における通信ログも記憶しておくことができ、このような通信ログに基づき各車載機器に故障が発生した旨だけでなく、発生した故障の症状等も把握することができる。
【0019】
これにより、このような通信ログに基づき故障の発生原因となった車載機器の絞込みが可能となり、絞り込まれた車載機器の動作に基づき、故障の発生原因を解析することができる。
また、記憶容量の大きなメモリを接続することができないネットワークにおける通信ログについても、ゲートウェイ装置が、他のネットワークに備えた記憶装置へ送信することにより、前記記憶装置にて記憶しておくことができる。
【0020】
第2発明に係る車両内通信システムは、前記通信ログは、前記通信に係る情報及び前記通信が行なわれた時刻を示す時刻情報であることを特徴とする。
【0021】
第2発明による場合は、ネットワークを構成する複数の車載機器間における通信に係る情報及び前記通信が行なわれた時刻を示す時刻情報からなる通信ログを記憶することにより、各車載機器間での通信処理に基づく故障や、各機器単体では発生しなかった想定外の故障が発生した場合に、通信ログに基づき、故障の発生原因となった機器の絞込みがより容易に可能となり、絞り込まれた機器の動作に基づき、故障の発生原因を解析することができる。
【0022】
第3発明に係る車両内通信システムは、前記通信に係る情報は、故障を示す通信異常情報であり、前記ゲートウェイ装置は、前記通信異常情報を検出する異常検出手段を備え、前記送信手段は、前記異常検出手段が検出した通信異常情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することを特徴とする。
【0023】
第3発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、故障を示す通信異常情報があり、ゲートウェイ装置が、前記通信異常情報を異常検出手段にて検出し、検出した通信異常情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶させることができ、記憶してある通信ログに基づき、各車載機器に発生した故障の原因を解析できるだけでなく、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量を削減することができる。
【0024】
第4発明に係る車両内通信システムは、前記通信に係る情報は、該情報の再送を示す再送情報であり、前記ゲートウェイ装置は、前記再送情報を検出する再送検出手段を備え、前記送信手段は、前記再送検出手段が検出した再送情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することを特徴とする。
【0025】
第4発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、各情報の再送を示す再送情報があり、ゲートウェイ装置が、前記再送情報を再送検出手段にて検出し、検出した再送情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶させることができ、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量を削減することができる。
【0026】
第5発明に係る車両内通信システムは、前記ゲートウェイ装置は、前記他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを記憶する記憶手段を備え、前記送信手段は、前記記憶手段に記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信することを特徴とする。
【0027】
第5発明による場合は、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを記憶する記憶手段を備え、記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置の通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができ、効率よく通信ログ送信することができる。
【0028】
第6発明に係る車両内通信システムは、前記通信に係る情報は、故障を示す通信異常情報であり、前記ゲートウェイ装置は、前記通信異常情報を検出する異常検出手段を備え、前記記憶手段は、前記異常検出手段が検出した通信異常情報に係る通信ログを記憶することを特徴とする。
【0029】
第6発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、故障を示す通信異常情報があり、ゲートウェイ装置が、前記通信異常情報を異常検出手段にて検出し、検出した通信異常情報に係る通信ログを記憶しておくことにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量を削減でき、通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができるとともに、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶するため、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量も削減することができる。
【0030】
第7発明に係る車両内通信システムは、前記通信に係る情報は、該情報の再送を示す再送情報であり、前記ゲートウェイ装置は、前記再送情報を検出する再送検出手段を備え、前記記憶手段は、前記再送検出手段が検出した再送情報に係る通信ログを記憶することを特徴とする。
【0031】
第7発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、各情報の再送を示す再送情報があり、ゲートウェイ装置が、前記再送情報を再送検出手段にて検出し、検出した再送情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量を削減でき、通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができるとともに、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶するため、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量も削減することができる。
【0032】
第8発明に係る車両内通信システムは、前記送信手段は、予め設定された数の通信ログが前記記憶手段に記憶された場合に、記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信することを特徴とする。
【0033】
第8発明による場合は、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを予め設定された数だけ記憶した場合に、記憶手段に記憶してある各通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量をより削減でき、ゲートウェイ装置が通信情報を前記記憶装置へ送信する送信処理によるネットワークへの負荷をより軽減することができ、効率よく通信情報の送信処理を実現することができる。
【0034】
第9発明に係る車両内通信システムは、前記送信手段は、前記一のネットワークの通信周期にて、前記記憶手段に記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信することを特徴とする。
【0035】
第9発明による場合は、ゲートウェイ装置が、前記一のネットワークの通信周期にて、記憶手段に記憶してある各通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置が通信ログを前記記憶装置へ送信する送信処理のために複雑な構成を必要とせず、ゲートウェイ装置が通信情報を前記記憶装置へ送信する送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができ、効率よく通信情報の送信処理を実現することができる。
【0036】
第10発明に係る車両内通信システムは、前記記憶装置は、前記一のネットワークの少なくとも1つの車載機器に内蔵されていることを特徴とする。
【0037】
第10発明による場合は、通信ログを記憶する記憶装置が、前記一のネットワークの少なくとも1つの車載機器に内蔵されていることにより、記憶装置を各車載機器とは別にネットワークに接続する必要がなく、より簡便な構成で、各車載機器間における通信ログを記憶することができる。
【0038】
第11発明に係るゲートウェイ装置は、複数のネットワークを接続するゲートウェイ装置において、前記ネットワークにおける通信の通信ログを記憶する記憶手段を備えることを特徴とする。
【0039】
第11発明による場合は、複数のネットワークを接続するゲートウェイ装置が、前記ネットワークにおける通信の通信ログを記憶することにより、各ネットワークにおける通信処理の内容を把握することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る車両内通信システムを、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
本実施の形態では、車両に搭載される各機器を相互に関連の強い機器毎にLANを構成し、例えば、車両の搭乗者に対するインタフェースに係る機器については、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394に準拠した情報系LANを構成する。尚、情報系LANは、IEEE1394規格だけでなく、MOST(Media Oriented System Transport)規格によるシステムとして構成することもできる。
【0041】
また、車両の走行に係る制御系の機器については、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、TTP(Time−Triggered Protocol)、又はFlexRay等に準拠した制御系LANを構成しており、これらの情報系LAN及び制御系LANはゲートウェイ装置で接続されている。
【0042】
(実施の形態1)
図1は本発明に係る車両内通信システムの構成例を示すブロック図であり、図中100は本発明に係る車両内通信システムを示している。
本発明の車両内通信システム100は、車両の搭乗者に対するインタフェースに係る機器をネットワークケーブル101aで接続した情報系LAN101と、車両の走行に係る制御系の機器をネットワークケーブル102aで接続した制御系LAN102とをゲートウェイ装置1を介して接続することにより構成されている。
【0043】
本実施の形態では、情報系LAN101には、ナビゲーション装置2、CDプレイヤ41、MDプレイヤ42、カセットテーププレイヤ43、テレビ44、ディスプレイ装置45、ラジオ46、外部のネットワークと接続するための通信端末装置47等の機器が含まれており、制御系LAN102には、車両の走行に係る機器を制御するボディECU(Electronic Control Unit)31、エンジンに係る機器を制御するエンジンECU32、車両に設けられたドアの開閉を他の機器へ通知するためのドアECU33、インストゥルメントパネル(以下、インパネという)ECU34等の機器が含まれている。
【0044】
図2は本発明に係る車両内通信システムにおけるゲートウェイ装置1及びナビゲーション装置2の構成例を示すブロック図である。
ゲートウェイ装置1は、CPU(Central Processing Unit )又はMPU(Micro Processor Unit)等により構成された制御部10を制御中枢としてバス16を介して接続される以下のハードウェア各部の動作を制御する。
【0045】
バス16には、制御部10の制御手順を示すコンピュータプログラム等を記憶したROM11と、制御部10による制御動作中に発生する種々のデータを一時的に記憶するRAM12と、情報系LAN101のネットワークケーブル101aに接続するための情報系LANインタフェース13と、制御系LAN102のネットワークケーブル102aに接続するための制御系LANインタフェース14と、RAM等により構成され、制御系LAN102の各機器間における通信の通信ログを記憶する通信ログ記憶部15等とが接続されている。尚、通信ログ記憶部15は、RAMに限られず、ハードディスク等により構成してもよい。
制御部10は、時計手段(図示せず)を備えており、タイミングを計時しながら、ROM11に記憶してある通信制御処理プログラムをRAM12に読み出して順次実行することにより、情報系LAN101及び制御系LAN102が夫々用いる通信プロトコルを相互に変換する。
【0046】
ナビゲーション装置2は、制御中枢としての制御部20と、制御部20の制御手順を示すコンピュータプログラム等を記憶したHD21と、制御部20による制御動作中に発生する種々のデータを一時的に記憶するRAM22と、ユーザからの種々の指示を受け付けるためのキーを備えた操作部23と、情報系LAN101のネットワークケーブル101aに接続するための通信インタフェース24等とが接続されている。
【0047】
制御部20は、時計手段(図示せず)を備えており、タイミングを計時しながら、HD21に記憶してあるナビゲーション処理プログラムをRAM22に読み出して順次実行することにより、ナビゲーション装置2の動作を実現する。
また、HD21には、制御系LAN102における通信の通信ログを記憶する通信ログ記憶領域21aが設けてある。尚、この通信ログは、ゲートウェイ装置1から取得されるものである。
【0048】
上述したCDプレイヤ41、MDプレイヤ42、カセットテーププレイヤ43、テレビ44、ディスプレイ装置45、ラジオ46、通信端末装置47、ボディECU31、エンジンECU32、ドアECU33、インパネECU34等の機器においては、HDの代わりに、各機器の動作を実現するためのコンピュータプログラムを記憶したROM(図示せず)を備えている。
またその他の構成は、ナビゲーション装置2と同様の構成を有しており、夫々が備える制御部(図示せず)が、ROM(図示せず)に記憶してあるコンピュータプログラムを順次実行することにより、各機器としての動作を行なっている。
【0049】
本実施の形態において、制御系LAN102の各機器は夫々通信機能を備えており、通信を行なう相手先である他の機器宛の通信情報(通信に係る情報に相当)をネットワークケーブル102aへ送出する。
また、各機器は、ネットワークケーブル102aに送出された通信情報を順次取得し、取得した通信情報が自身宛の通信情報である場合には、対応する返信情報をネットワークケーブル102aへ送出することにより、相互の通信処理を行なっている。
【0050】
ここで、ゲートウェイ装置1の通信ログ記憶部15は、上述のようにネットワークケーブル102aへ送出された通信情報を受信し、受信した通信情報を、該通信情報を受信した時刻を示す時刻情報とともに通信ログとして記憶する記憶手段として動作する。また、ゲートウェイ装置1は、この通信ログ記憶部15に予め設定された数の通信ログが蓄積された場合、ネットワークケーブル101aを介して情報系LAN102のナビゲーション装置2に前記通信ログを送信し、この通信ログは、ナビゲーション装置2のHD21の通信ログ記憶領域21aに記憶される。
【0051】
尚、制御系LAN102の各機器は、所望の相手先への通信情報に対応する返信情報を受信し、相手先の機器との間における通信処理が正しく終了できた場合には、通信情報として、当該通信処理が正しく終了したことを示すACK(ACKnowledgement)信号をネットワークケーブル102aへ送出し、また、正しい返信情報を受信できない場合には、当該通信処理が正しく終了できず、故障等が発生したことを示すNACK(Negative ACKnowledgement)信号(通信異常情報に相当)を通信情報としてネットワークケーブル102aへ送出する。
【0052】
ここで、ゲートウェイ装置1において、制御部10は、ネットワークケーブル102aを介して順次受信する通信情報がNACK信号であるか否かを検出する異常検出手段として動作しており、NACK信号であると検出した場合に、検出したNACK信号に係る通信ログを通信ログ記憶部15に蓄積する。
また、通信ログ記憶部15に所定数の通信ログが蓄積された場合、制御部10は、これらの通信ログをネットワークケーブル101aを介して情報系LAN101のナビゲーション装置2へ送信し、ナビゲーション装置2において、受信した前記通信ログは、HD21の通信ログ記憶領域21aに記憶される。
【0053】
尚、ナビゲーション装置2の通信ログ記憶領域21aは、順次記憶される通信ログにより満たされた場合、通信ログ記憶領域21aの最初のアドレス位置から新たな通信ログが上書きされる。
【0054】
以下に、上述した構成の車両内通信システム100におけるナビゲーション装置2による通信ログ記憶処理について説明する。図3は実施の形態1に係る車両内通信システム100における通信ログ記憶処理手順を示すフローチャートである。
本実施の形態における車両内通信システム100を搭載した車両において、運転者が車両のイグニッションスイッチをオンすることによりエンジンを動作させた場合、情報系LAN101及び制御系LAN102夫々の各機器に電流が投入され、起動した各機器間において通信処理が順次行なわれ、各通信処理における通信情報が夫々のネットワークケーブル101a及び102aに送出される。
【0055】
ゲートウェイ装置1において、制御部10は、制御系LAN102のネットワークケーブル102aを介して通信情報を受信したか否かを判断しており(S1)、通信情報を受信した場合(S1:YES)、受信した通信情報を、受信した時刻を示す時刻情報とともに通信ログとして一旦RAM12に記憶する(S2)。
また、制御部10は、RAM12に記憶した通信ログに基づき、ACK信号を受信したか否かを判断しており(S3)、ACK信号を受信した場合(S3:YES)、当該通信ログに係る通信処理が正しく終了したとして、RAM12に記憶してある通信ログを削除する(S4)。
【0056】
一方、ACK信号を受信していない場合(S3:NO)、制御部10は、RAM12に記憶した通信ログに基づき、NACK信号を受信したか否かを判断しており(S5)、NACK信号を受信していない場合(S5:NO)、受信した通信情報が、自身のゲートウェイ装置1への通信情報であるか否かを判断し(S6)、自身への通信情報である場合(S6:YES)、受信した通信情報に対応する処理を実行する(S7)。
受信した通信情報に対応する処理を実行した制御部10は、対応する返信情報をネットワークケーブル102aへ送出して、ステップS1の処理に戻り、次の通信情報を受信し、順次受信する通信情報に上述した各処理を繰り返す。
【0057】
尚、受信した通信情報が自身への通信情報でない場合(S6:NO)、ステップS7の処理を行なわず、ステップS1の処理に戻る。
一方、受信した通信情報がNACK信号である場合(S5:YES)、制御部10は、当該通信ログに係る通信処理が正しく終了していないと判断し、RAM12に記憶してある通信ログを通信ログ記憶部15に蓄積し(S8)、通信ログ記憶部15に所定数の通信ログが蓄積されたか否かを判断する(S9)。
【0058】
ここで、制御部10は、通信ログ記憶部15に所定数の通信ログが蓄積されていない場合(S9:NO)、ステップS1の処理に戻り、所定数の通信ログが蓄積されるまで、上述した各処理を繰り返し、所定数の通信ログが蓄積された場合(S9:YES)、通信ログ記憶部15に蓄積した通信ログを情報系LAN101のナビゲーション装置2へ送信する(S10)。
またナビゲーション装置2は、受信した各通信ログをHD21の通信ログ記憶領域21aに記憶する(S11)。
【0059】
このように、制御系LAN102のネットワークケーブル102aに送出されたNACK信号が示す車載機器における故障に関する通信情報に係る通信ログのみを、ナビゲーション装置2の通信ログ記憶領域21aに記憶させることにより、通信ログを記憶するメモリ容量を削減することができる。
また、通信ログ記憶領域21aに記憶された通信ログに基づき、各車載機器に発生した故障の原因を解析することができる。
【0060】
上述した実施の形態では、ゲートウェイ装置1が、NACK信号に係る通信ログのみを、情報系LAN101のナビゲーション装置2のHD21に記憶させる構成としているが、制御系LAN102における全ての通信情報を通信ログとして記憶する構成としてもよい。尚、全ての通信情報を記憶する場合には、ゲートウェイ装置1が、受信した通信情報がNACK信号であるか否かを検出する手段を備える必要がない。
また、ナビゲーション装置2にHD21を備え、このHD21に制御系LAN102における通信ログを記憶する構成としているが、ナビゲーション装置2以外の各機器にHDを設け、このHDに前記通信ログを記憶させる構成としてもよい。
【0061】
上述した実施の形態では、制御系LAN102における通信ログを記憶するためにナビゲーション装置2がHD21を備える構成としているが、HDを使用する以外に、半導体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、光ディスク等を用いてもよい。
また、制御系LAN102のネットワークケーブル102aに独立した記憶装置を接続し、この記憶装置に通信ログを記憶させる構成としてもよく、この場合には、記憶装置が、ネットワークケーブル102aに送出されたNACK信号を検出する構成を備える必要がある。尚、制御系LAN102の全ての通信ログを前記記憶装置に記憶させる場合には、NACK信号を検出する手段を備える必要はない。また、独立した記憶装置についても、HDだけでなく、半導体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、光ディスク等を用いることができる。
【0062】
上述した実施の形態では、ナビゲーション装置2のみがHD21を備え、このHD21に通信ログ記憶領域21aを設けているが、情報系LAN101の複数の機器にHDを備え、各機器のHDにおいて通信ログを記憶する構成としてもよく、この場合には、制御系LAN102の各機器を、HDの数に分割してグループ化し、グループ毎に1つのHDに通信ログを記憶する構成とすることができ、また、制御系LAN102の各機器間の通信ログを1つのHDに順次記憶し、このHDが満たされた場合に、次のHDに記憶する構成とすることもできる。
尚、情報系LAN101に複数の記憶装置を接続することによっても、同様の構成とすることができる。
【0063】
また、ゲートウェイ装置1は、通信ログ記憶部15に所定数の通信ログが蓄積された時点で、情報系LAN101のナビゲーション装置2へ蓄積した通信ログを送信する構成としているが、所定の時間間隔で、蓄積した通信ログをナビゲーション装置2へ送信する構成としてもよく、通信ログ記憶部15を備えず、制御系LAN102における通信ログを受信した時点で、逐次ナビゲーション装置2へ送信する構成としてもよい。
【0064】
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2における車両内通信システム100について説明する。尚、本実施の形態における車両内通信システム100の構成は、上述した実施の形態1の車両内通信システム100と同様であるため説明を省略する。
【0065】
本実施の形態では、制御系LAN102の各機器は、所望の相手先へ送信した通信情報に対応する返信情報を受信できず、相手先の機器からの応答がない場合、同一の通信情報を再送することを示す再送情報をネットワークケーブル102aへ送出する。
また、ゲートウェイ装置1の制御部10は、ネットワークケーブル102aを介して順次受信する通信情報が再送情報であるか否かを検出する再送検出手段として動作しており、再送情報であると検出した場合に、検出した再送情報に係る通信ログを通信ログ記憶部15に記憶する。
【0066】
更に、制御部10は、時計手段により情報系LAN101の各機器との通信処理における通信周期に対応する所定時間を計測しており、この所定時間間隔で通信ログ記憶部15に記憶してある通信ログをナビゲーション装置2へ送信し、ナビゲーション装置2において、前記通信ログは、HD21の通信ログ記憶領域21aに記憶される。
尚、ナビゲーション装置2の通信ログ記憶領域21aは、順次記憶される通信ログにより満たされた場合、通信ログ記憶領域21aの最初のアドレス位置から新たな通信ログが上書きされる。
【0067】
以下に、上述した構成の車両内通信システム100におけるナビゲーション装置2による通信ログ記憶処理について説明する。図4は実施の形態2に係る車両内通信システム100における通信ログ記憶処理手順を示すフローチャートである。
本実施の形態における車両内通信システム100を搭載した車両において、運転者が車両のイグニッションスイッチをオンすることによりエンジンを動作させた場合、情報系LAN101及び制御系LAN102夫々の各機器に電流が投入され、起動した各機器間において通信処理が順次行なわれ、各通信処理における通信情報が夫々のネットワークケーブル101a及び102aに送出される。
【0068】
ゲートウェイ装置1において、制御部10は、制御系LAN102のネットワークケーブル102aを介して通信情報を受信したか否かを判断しており(S21)、通信情報を受信した場合(S21:YES)、受信した通信情報を、受信した時刻を示す時刻情報とともに通信ログとして一旦RAM12に記憶する(S22)。
また、制御部10は、RAM12に記憶した通信ログに基づき、再送情報を受信したか否かを判断しており(S23)、再送情報を受信していない場合(S23:NO)、受信した通信情報が正しいものであるとし、受信した通信情報が自身のゲートウェイ装置1への通信情報であるか否かを判断する(S24)。
【0069】
ここで、受信した通信情報が自身への通信情報である場合(S24:YES)、制御部10は、受信した通信情報に対応する処理を実行し(S25)、対応する返信情報をネットワークケーブル102aへ送出する。
一方、ステップS23において、受信した通信情報が再送情報である場合(S23:YES)、制御部10は、受信した通信情報が正しくないと判断し、RAM12に記憶してある通信ログを通信ログ記憶部15に蓄積し(S26)、時計手段により、情報系LAN101の所定周期に基づく所定時間が経過したか否かを判断する(S27)。
【0070】
また、ステップS24において、受信した通信情報が自身への通信情報でない場合(S24:NO)、制御部10は、ステップS25の処理を行なわず、時計手段により前記所定時間が経過したか否かを判断する(S27)。
ここで、所定時間が経過していない場合(S27:NO)、制御部10は、所定時間が経過するまで上述したステップS21からS26までの各処理を繰り返し、所定時間が経過した場合(S27:YES)、その時点で通信ログ記憶部15に蓄積された通信ログを情報系LAN101のナビゲーション装置2へ送信し(S28)、ナビゲーション装置2は、受信した通信ログをHD21の通信ログ記憶領域21aに記憶する(S29)。
【0071】
上述したように、制御系LAN102のネットワークケーブル102aに送出された再送情報に係る通信ログのみを、ナビゲーション装置2の通信ログ記憶領域21aに記憶させることにより、通信ログを記憶するメモリ容量を削減することができる。
また、通信ログ記憶領域21aに記憶された通信ログに基づき、各車載機器に発生した故障の原因を解析することができる。
【0072】
尚、上述した実施の形態2における車両内通信システム100においても、上述の実施の形態1で説明した変形例と同様の変形例の適用が可能である。
また、上述した実施の形態1の車両内通信システム100では、ゲートウェイ装置1が、NACK信号に係る通信ログを記憶し、所定数の通信ログが通信ログ記憶部15に蓄積された場合に、ナビゲーション装置2へ送信する構成をなしており、実施の形態2の車両内通信システム100では、ゲートウェイ装置1が、再送情報に係る通信ログを記憶し、情報系LAN101の通信タイミングに従って、通信ログ記憶部15に蓄積された場合に、ナビゲーション装置2へ送信する構成をなしているが、これらを組み合わせた構成とすることもできる。
【0073】
また、ゲートウェイ装置1は、情報系LAN102における所定周期に基づき、通信ログ記憶部15に蓄積された通信ログをナビゲーション装置2へ送信する構成としているが、通信ログ記憶部15に所定数の通信ログが蓄積された時点でナビゲーション装置2へ送信する構成としてもよく、通信ログ記憶部15を備えず、制御系LAN102における通信ログを受信した時点で、逐次ナビゲーション装置2へ送信する構成としてもよい。
【0074】
【発明の効果】
第1発明による場合は、ゲートウェイ装置で接続されるネットワークのうちの1つのネットワークに記憶装置を備え、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを送信手段にて前記記憶装置へ送信し、この記憶装置が、受信した通信ログを記憶することにより、各ネットワークにおける各車載機器間での通信処理に基づく故障や、各機器単体では発生しなかった想定外の故障が発生した場合における通信ログも記憶しておくことができ、このような通信ログに基づき各車載機器に故障が発生した旨だけでなく、発生した故障の症状等も把握することができる。
【0075】
第2発明による場合は、ネットワークを構成する複数の車載機器間における通信に係る情報及び前記通信が行なわれた時刻を示す時刻情報からなる通信ログを記憶することにより、各車載機器間での通信処理に基づく故障や、各機器単体では発生しなかった想定外の故障が発生した場合に、通信ログに基づき、故障の発生原因となった機器の絞込みがより容易に可能となり、絞り込まれた機器の動作に基づき、故障の発生原因を解析することができる。
【0076】
第3発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、故障を示す通信異常情報があり、ゲートウェイ装置が、前記通信異常情報を異常検出手段にて検出し、検出した通信異常情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶させることができ、記憶してある通信ログに基づき、各車載機器に発生した故障の原因を解析できるだけでなく、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量を削減することができる。
【0077】
第4発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、各情報の再送を示す再送情報があり、ゲートウェイ装置が、前記再送情報を再送検出手段にて検出し、検出した再送情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶させることができ、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量を削減することができる。
【0078】
第5発明による場合は、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを記憶する記憶手段を備え、記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置の通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができ、効率よく通信ログ送信することができる。
【0079】
第6発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、故障を示す通信異常情報があり、ゲートウェイ装置が、前記通信異常情報を異常検出手段にて検出し、検出した通信異常情報に係る通信ログを記憶しておくことにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量を削減でき、通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができるとともに、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶するため、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量も削減することができる。
【0080】
第7発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、各情報の再送を示す再送情報があり、ゲートウェイ装置が、前記再送情報を再送検出手段にて検出し、検出した再送情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量を削減でき、通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができるとともに、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶するため、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量も削減することができる。
【0081】
第8発明による場合は、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを予め設定された数だけ記憶した場合に、記憶手段に記憶してある各通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量をより削減でき、ゲートウェイ装置が通信情報を前記記憶装置へ送信する送信処理によるネットワークへの負荷をより軽減することができ、効率よく通信情報の送信処理を実現することができる。
【0082】
第9発明による場合は、ゲートウェイ装置が、前記一のネットワークの通信周期にて、記憶手段に記憶してある各通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置が通信ログを前記記憶装置へ送信する送信処理のために複雑な構成を必要とせず、ゲートウェイ装置が通信情報を前記記憶装置へ送信する送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができ、効率よく通信情報の送信処理を実現することができる。
【0083】
第10発明による場合は、通信ログを記憶する記憶装置が、前記一のネットワークの少なくとも1つの車載機器に内蔵されていることにより、記憶装置を各車載機器とは別にネットワークに接続する必要がなく、より簡便な構成で、各車載機器間における通信ログを記憶することができる。
【0084】
第11発明による場合は、複数のネットワークを接続するゲートウェイ装置が、前記ネットワークにおける通信の通信ログを記憶することにより、各ネットワークにおける通信処理の内容を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両内通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る車両内通信システムにおけるゲートウェイ装置及びナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る車両内通信システムにおける通信ログ記憶処理手順を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態2に係る車両内通信システムにおける通信ログ記憶処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 車両内通信システム
101 情報系LAN
102 制御系LAN
1 ゲートウェイ装置
10 制御部
11 ROM
15 通信ログ記憶部
2 ナビゲーション装置
21 HD
21a 通信ログ記憶領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の車載機器を有する複数のネットワークをゲートウェイ装置で接続してあり、前記車載機器間で通信を行なう車両内通信システム及び前記ゲートウェイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載される複数の機器を、相互に関連の強い機器毎にネットワーク化することで、車載ネットワークシステムを構築した車両が増加しており、このようなシステムにおいて、各ネットワークにおける機器間の通信処理の効率化を図ることができる。
このようなシステムにおいては、各機器が、自身において生じた故障(異常)を検出し、検出した故障の種類及び故障の発生時刻等を故障ログとして記憶しておく構成を備えている場合が多く、このような構成により、修理工場等で各機器に記憶された故障ログに基づき、故障の発生原因を解析することができる。
尚、車両に搭載される複数の機器により構成される車載ネットワークシステムには、以下の特許文献1で示すものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−32886号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したシステムにおいては、各ネットワークにおける通信処理に基づき、各機器単体では生じ得なかった想定外の種類の故障が発生するおそれがあり、このような故障が発生した場合には、各機器は、自身に発生した故障を検出することができず、また、故障ログとして記憶することができない場合がある。
このような場合には、故障の発生原因を解析できないだけでなく、故障の症状等も把握できないおそれがあり、また、複数の機器の動作が原因となる故障においては、故障を解析するために長時間が必要となるという問題があった。
【0005】
また、ネットワークの種類によっては、記憶容量が大きなメモリを接続させることが困難なものもあり、このようなネットワークにおいては、上述したような故障ログを記憶する構成を備えることができないという問題があった。
【0006】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、ゲートウェイ装置で接続されるネットワークのうちの1つのネットワークに記憶装置を備え、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを前記記憶装置へ送信し、この記憶装置が、受信した通信ログを記憶することにより、各ネットワークにおける各車載機器間での通信処理に基づく故障や、各機器単体では発生しなかった想定外の故障が発生した場合における通信ログも記憶しておくことができる車両内通信システムを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、ネットワークを構成する複数の車載機器間における通信に係る情報及び前記通信が行なわれた時刻を示す時刻情報からなる通信ログを記憶することにより、各車載機器間での通信処理に基づく故障や、各機器単体では発生しなかった想定外の故障が発生した場合であっても、通信ログに基づき故障の発生原因を解析することができる車両内通信システムを提供することにある。
【0008】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、故障を示す通信異常情報を検出し、検出した通信異常情報に係る通信ログを記憶装置へ送信することにより、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶させることができる車両内通信システムを提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、各情報の再送を示す再送情報を検出し、検出した再送情報に係る通信ログを記憶装置へ送信することにより、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶させることができる車両内通信システムを提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを記憶し、記憶してある通信ログを記憶装置へ送信する構成を備えることにより、ゲートウェイ装置の通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができる車両内通信システムを提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、故障を示す通信異常情報を検出し、検出した通信異常情報に係る通信ログを記憶しておくことにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量を削減でき、通信ログの記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができる車両内通信システムを提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、各情報の再送を示す再送情報を検出し、検出した再送情報に係る通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量を削減でき、通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができる車両内通信システムを提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを予め設定された数だけ記憶した場合に、記憶手段に記憶してある各通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量をより削減できる車両内通信システムを提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、ゲートウェイ装置が、一のネットワークの通信周期にて、記憶手段に記憶してある各通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置が通信ログを前記記憶装置へ送信する送信処理のために複雑な構成を必要とせず、効率よく通信情報の送信処理を行なう車両内通信システムを提供することにある。
【0015】
本発明の更に他の目的は、通信ログを記憶する記憶装置が、一のネットワークの少なくとも1つの車載機器に内蔵されていることにより、記憶装置を各車載機器とは別にネットワークに接続する必要がなく、より簡便な構成で、各機器間における通信ログを記憶することができる車両内通信システムを提供することにある。
【0016】
本発明の更に他の目的は、複数のネットワークを接続するゲートウェイ装置が、前記ネットワークにおける通信の通信ログを記憶することにより、各ネットワークにおける通信処理内容を把握することができるゲートウェイ装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る車両内通信システムは、複数の車載機器を有する複数のネットワークをゲートウェイ装置で接続してあり、前記車載機器間で通信を行なう車両内通信システムにおいて、一のネットワークに記憶装置を備え、前記ゲートウェイ装置は、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを前記記憶装置へ送信する送信手段を備え、前記記憶装置は、前記ゲートウェイ装置から受信した通信ログを記憶するように構成してあることを特徴とする。
【0018】
第1発明による場合は、ゲートウェイ装置で接続されるネットワークのうちの1つのネットワークに記憶装置を備え、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを送信手段にて前記記憶装置へ送信し、この記憶装置が、受信した通信ログを記憶することにより、各ネットワークにおける各車載機器間での通信処理に基づく故障や、各機器単体では発生しなかった想定外の故障が発生した場合における通信ログも記憶しておくことができ、このような通信ログに基づき各車載機器に故障が発生した旨だけでなく、発生した故障の症状等も把握することができる。
【0019】
これにより、このような通信ログに基づき故障の発生原因となった車載機器の絞込みが可能となり、絞り込まれた車載機器の動作に基づき、故障の発生原因を解析することができる。
また、記憶容量の大きなメモリを接続することができないネットワークにおける通信ログについても、ゲートウェイ装置が、他のネットワークに備えた記憶装置へ送信することにより、前記記憶装置にて記憶しておくことができる。
【0020】
第2発明に係る車両内通信システムは、前記通信ログは、前記通信に係る情報及び前記通信が行なわれた時刻を示す時刻情報であることを特徴とする。
【0021】
第2発明による場合は、ネットワークを構成する複数の車載機器間における通信に係る情報及び前記通信が行なわれた時刻を示す時刻情報からなる通信ログを記憶することにより、各車載機器間での通信処理に基づく故障や、各機器単体では発生しなかった想定外の故障が発生した場合に、通信ログに基づき、故障の発生原因となった機器の絞込みがより容易に可能となり、絞り込まれた機器の動作に基づき、故障の発生原因を解析することができる。
【0022】
第3発明に係る車両内通信システムは、前記通信に係る情報は、故障を示す通信異常情報であり、前記ゲートウェイ装置は、前記通信異常情報を検出する異常検出手段を備え、前記送信手段は、前記異常検出手段が検出した通信異常情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することを特徴とする。
【0023】
第3発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、故障を示す通信異常情報があり、ゲートウェイ装置が、前記通信異常情報を異常検出手段にて検出し、検出した通信異常情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶させることができ、記憶してある通信ログに基づき、各車載機器に発生した故障の原因を解析できるだけでなく、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量を削減することができる。
【0024】
第4発明に係る車両内通信システムは、前記通信に係る情報は、該情報の再送を示す再送情報であり、前記ゲートウェイ装置は、前記再送情報を検出する再送検出手段を備え、前記送信手段は、前記再送検出手段が検出した再送情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することを特徴とする。
【0025】
第4発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、各情報の再送を示す再送情報があり、ゲートウェイ装置が、前記再送情報を再送検出手段にて検出し、検出した再送情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶させることができ、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量を削減することができる。
【0026】
第5発明に係る車両内通信システムは、前記ゲートウェイ装置は、前記他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを記憶する記憶手段を備え、前記送信手段は、前記記憶手段に記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信することを特徴とする。
【0027】
第5発明による場合は、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを記憶する記憶手段を備え、記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置の通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができ、効率よく通信ログ送信することができる。
【0028】
第6発明に係る車両内通信システムは、前記通信に係る情報は、故障を示す通信異常情報であり、前記ゲートウェイ装置は、前記通信異常情報を検出する異常検出手段を備え、前記記憶手段は、前記異常検出手段が検出した通信異常情報に係る通信ログを記憶することを特徴とする。
【0029】
第6発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、故障を示す通信異常情報があり、ゲートウェイ装置が、前記通信異常情報を異常検出手段にて検出し、検出した通信異常情報に係る通信ログを記憶しておくことにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量を削減でき、通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができるとともに、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶するため、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量も削減することができる。
【0030】
第7発明に係る車両内通信システムは、前記通信に係る情報は、該情報の再送を示す再送情報であり、前記ゲートウェイ装置は、前記再送情報を検出する再送検出手段を備え、前記記憶手段は、前記再送検出手段が検出した再送情報に係る通信ログを記憶することを特徴とする。
【0031】
第7発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、各情報の再送を示す再送情報があり、ゲートウェイ装置が、前記再送情報を再送検出手段にて検出し、検出した再送情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量を削減でき、通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができるとともに、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶するため、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量も削減することができる。
【0032】
第8発明に係る車両内通信システムは、前記送信手段は、予め設定された数の通信ログが前記記憶手段に記憶された場合に、記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信することを特徴とする。
【0033】
第8発明による場合は、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを予め設定された数だけ記憶した場合に、記憶手段に記憶してある各通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量をより削減でき、ゲートウェイ装置が通信情報を前記記憶装置へ送信する送信処理によるネットワークへの負荷をより軽減することができ、効率よく通信情報の送信処理を実現することができる。
【0034】
第9発明に係る車両内通信システムは、前記送信手段は、前記一のネットワークの通信周期にて、前記記憶手段に記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信することを特徴とする。
【0035】
第9発明による場合は、ゲートウェイ装置が、前記一のネットワークの通信周期にて、記憶手段に記憶してある各通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置が通信ログを前記記憶装置へ送信する送信処理のために複雑な構成を必要とせず、ゲートウェイ装置が通信情報を前記記憶装置へ送信する送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができ、効率よく通信情報の送信処理を実現することができる。
【0036】
第10発明に係る車両内通信システムは、前記記憶装置は、前記一のネットワークの少なくとも1つの車載機器に内蔵されていることを特徴とする。
【0037】
第10発明による場合は、通信ログを記憶する記憶装置が、前記一のネットワークの少なくとも1つの車載機器に内蔵されていることにより、記憶装置を各車載機器とは別にネットワークに接続する必要がなく、より簡便な構成で、各車載機器間における通信ログを記憶することができる。
【0038】
第11発明に係るゲートウェイ装置は、複数のネットワークを接続するゲートウェイ装置において、前記ネットワークにおける通信の通信ログを記憶する記憶手段を備えることを特徴とする。
【0039】
第11発明による場合は、複数のネットワークを接続するゲートウェイ装置が、前記ネットワークにおける通信の通信ログを記憶することにより、各ネットワークにおける通信処理の内容を把握することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る車両内通信システムを、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
本実施の形態では、車両に搭載される各機器を相互に関連の強い機器毎にLANを構成し、例えば、車両の搭乗者に対するインタフェースに係る機器については、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394に準拠した情報系LANを構成する。尚、情報系LANは、IEEE1394規格だけでなく、MOST(Media Oriented System Transport)規格によるシステムとして構成することもできる。
【0041】
また、車両の走行に係る制御系の機器については、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、TTP(Time−Triggered Protocol)、又はFlexRay等に準拠した制御系LANを構成しており、これらの情報系LAN及び制御系LANはゲートウェイ装置で接続されている。
【0042】
(実施の形態1)
図1は本発明に係る車両内通信システムの構成例を示すブロック図であり、図中100は本発明に係る車両内通信システムを示している。
本発明の車両内通信システム100は、車両の搭乗者に対するインタフェースに係る機器をネットワークケーブル101aで接続した情報系LAN101と、車両の走行に係る制御系の機器をネットワークケーブル102aで接続した制御系LAN102とをゲートウェイ装置1を介して接続することにより構成されている。
【0043】
本実施の形態では、情報系LAN101には、ナビゲーション装置2、CDプレイヤ41、MDプレイヤ42、カセットテーププレイヤ43、テレビ44、ディスプレイ装置45、ラジオ46、外部のネットワークと接続するための通信端末装置47等の機器が含まれており、制御系LAN102には、車両の走行に係る機器を制御するボディECU(Electronic Control Unit)31、エンジンに係る機器を制御するエンジンECU32、車両に設けられたドアの開閉を他の機器へ通知するためのドアECU33、インストゥルメントパネル(以下、インパネという)ECU34等の機器が含まれている。
【0044】
図2は本発明に係る車両内通信システムにおけるゲートウェイ装置1及びナビゲーション装置2の構成例を示すブロック図である。
ゲートウェイ装置1は、CPU(Central Processing Unit )又はMPU(Micro Processor Unit)等により構成された制御部10を制御中枢としてバス16を介して接続される以下のハードウェア各部の動作を制御する。
【0045】
バス16には、制御部10の制御手順を示すコンピュータプログラム等を記憶したROM11と、制御部10による制御動作中に発生する種々のデータを一時的に記憶するRAM12と、情報系LAN101のネットワークケーブル101aに接続するための情報系LANインタフェース13と、制御系LAN102のネットワークケーブル102aに接続するための制御系LANインタフェース14と、RAM等により構成され、制御系LAN102の各機器間における通信の通信ログを記憶する通信ログ記憶部15等とが接続されている。尚、通信ログ記憶部15は、RAMに限られず、ハードディスク等により構成してもよい。
制御部10は、時計手段(図示せず)を備えており、タイミングを計時しながら、ROM11に記憶してある通信制御処理プログラムをRAM12に読み出して順次実行することにより、情報系LAN101及び制御系LAN102が夫々用いる通信プロトコルを相互に変換する。
【0046】
ナビゲーション装置2は、制御中枢としての制御部20と、制御部20の制御手順を示すコンピュータプログラム等を記憶したHD21と、制御部20による制御動作中に発生する種々のデータを一時的に記憶するRAM22と、ユーザからの種々の指示を受け付けるためのキーを備えた操作部23と、情報系LAN101のネットワークケーブル101aに接続するための通信インタフェース24等とが接続されている。
【0047】
制御部20は、時計手段(図示せず)を備えており、タイミングを計時しながら、HD21に記憶してあるナビゲーション処理プログラムをRAM22に読み出して順次実行することにより、ナビゲーション装置2の動作を実現する。
また、HD21には、制御系LAN102における通信の通信ログを記憶する通信ログ記憶領域21aが設けてある。尚、この通信ログは、ゲートウェイ装置1から取得されるものである。
【0048】
上述したCDプレイヤ41、MDプレイヤ42、カセットテーププレイヤ43、テレビ44、ディスプレイ装置45、ラジオ46、通信端末装置47、ボディECU31、エンジンECU32、ドアECU33、インパネECU34等の機器においては、HDの代わりに、各機器の動作を実現するためのコンピュータプログラムを記憶したROM(図示せず)を備えている。
またその他の構成は、ナビゲーション装置2と同様の構成を有しており、夫々が備える制御部(図示せず)が、ROM(図示せず)に記憶してあるコンピュータプログラムを順次実行することにより、各機器としての動作を行なっている。
【0049】
本実施の形態において、制御系LAN102の各機器は夫々通信機能を備えており、通信を行なう相手先である他の機器宛の通信情報(通信に係る情報に相当)をネットワークケーブル102aへ送出する。
また、各機器は、ネットワークケーブル102aに送出された通信情報を順次取得し、取得した通信情報が自身宛の通信情報である場合には、対応する返信情報をネットワークケーブル102aへ送出することにより、相互の通信処理を行なっている。
【0050】
ここで、ゲートウェイ装置1の通信ログ記憶部15は、上述のようにネットワークケーブル102aへ送出された通信情報を受信し、受信した通信情報を、該通信情報を受信した時刻を示す時刻情報とともに通信ログとして記憶する記憶手段として動作する。また、ゲートウェイ装置1は、この通信ログ記憶部15に予め設定された数の通信ログが蓄積された場合、ネットワークケーブル101aを介して情報系LAN102のナビゲーション装置2に前記通信ログを送信し、この通信ログは、ナビゲーション装置2のHD21の通信ログ記憶領域21aに記憶される。
【0051】
尚、制御系LAN102の各機器は、所望の相手先への通信情報に対応する返信情報を受信し、相手先の機器との間における通信処理が正しく終了できた場合には、通信情報として、当該通信処理が正しく終了したことを示すACK(ACKnowledgement)信号をネットワークケーブル102aへ送出し、また、正しい返信情報を受信できない場合には、当該通信処理が正しく終了できず、故障等が発生したことを示すNACK(Negative ACKnowledgement)信号(通信異常情報に相当)を通信情報としてネットワークケーブル102aへ送出する。
【0052】
ここで、ゲートウェイ装置1において、制御部10は、ネットワークケーブル102aを介して順次受信する通信情報がNACK信号であるか否かを検出する異常検出手段として動作しており、NACK信号であると検出した場合に、検出したNACK信号に係る通信ログを通信ログ記憶部15に蓄積する。
また、通信ログ記憶部15に所定数の通信ログが蓄積された場合、制御部10は、これらの通信ログをネットワークケーブル101aを介して情報系LAN101のナビゲーション装置2へ送信し、ナビゲーション装置2において、受信した前記通信ログは、HD21の通信ログ記憶領域21aに記憶される。
【0053】
尚、ナビゲーション装置2の通信ログ記憶領域21aは、順次記憶される通信ログにより満たされた場合、通信ログ記憶領域21aの最初のアドレス位置から新たな通信ログが上書きされる。
【0054】
以下に、上述した構成の車両内通信システム100におけるナビゲーション装置2による通信ログ記憶処理について説明する。図3は実施の形態1に係る車両内通信システム100における通信ログ記憶処理手順を示すフローチャートである。
本実施の形態における車両内通信システム100を搭載した車両において、運転者が車両のイグニッションスイッチをオンすることによりエンジンを動作させた場合、情報系LAN101及び制御系LAN102夫々の各機器に電流が投入され、起動した各機器間において通信処理が順次行なわれ、各通信処理における通信情報が夫々のネットワークケーブル101a及び102aに送出される。
【0055】
ゲートウェイ装置1において、制御部10は、制御系LAN102のネットワークケーブル102aを介して通信情報を受信したか否かを判断しており(S1)、通信情報を受信した場合(S1:YES)、受信した通信情報を、受信した時刻を示す時刻情報とともに通信ログとして一旦RAM12に記憶する(S2)。
また、制御部10は、RAM12に記憶した通信ログに基づき、ACK信号を受信したか否かを判断しており(S3)、ACK信号を受信した場合(S3:YES)、当該通信ログに係る通信処理が正しく終了したとして、RAM12に記憶してある通信ログを削除する(S4)。
【0056】
一方、ACK信号を受信していない場合(S3:NO)、制御部10は、RAM12に記憶した通信ログに基づき、NACK信号を受信したか否かを判断しており(S5)、NACK信号を受信していない場合(S5:NO)、受信した通信情報が、自身のゲートウェイ装置1への通信情報であるか否かを判断し(S6)、自身への通信情報である場合(S6:YES)、受信した通信情報に対応する処理を実行する(S7)。
受信した通信情報に対応する処理を実行した制御部10は、対応する返信情報をネットワークケーブル102aへ送出して、ステップS1の処理に戻り、次の通信情報を受信し、順次受信する通信情報に上述した各処理を繰り返す。
【0057】
尚、受信した通信情報が自身への通信情報でない場合(S6:NO)、ステップS7の処理を行なわず、ステップS1の処理に戻る。
一方、受信した通信情報がNACK信号である場合(S5:YES)、制御部10は、当該通信ログに係る通信処理が正しく終了していないと判断し、RAM12に記憶してある通信ログを通信ログ記憶部15に蓄積し(S8)、通信ログ記憶部15に所定数の通信ログが蓄積されたか否かを判断する(S9)。
【0058】
ここで、制御部10は、通信ログ記憶部15に所定数の通信ログが蓄積されていない場合(S9:NO)、ステップS1の処理に戻り、所定数の通信ログが蓄積されるまで、上述した各処理を繰り返し、所定数の通信ログが蓄積された場合(S9:YES)、通信ログ記憶部15に蓄積した通信ログを情報系LAN101のナビゲーション装置2へ送信する(S10)。
またナビゲーション装置2は、受信した各通信ログをHD21の通信ログ記憶領域21aに記憶する(S11)。
【0059】
このように、制御系LAN102のネットワークケーブル102aに送出されたNACK信号が示す車載機器における故障に関する通信情報に係る通信ログのみを、ナビゲーション装置2の通信ログ記憶領域21aに記憶させることにより、通信ログを記憶するメモリ容量を削減することができる。
また、通信ログ記憶領域21aに記憶された通信ログに基づき、各車載機器に発生した故障の原因を解析することができる。
【0060】
上述した実施の形態では、ゲートウェイ装置1が、NACK信号に係る通信ログのみを、情報系LAN101のナビゲーション装置2のHD21に記憶させる構成としているが、制御系LAN102における全ての通信情報を通信ログとして記憶する構成としてもよい。尚、全ての通信情報を記憶する場合には、ゲートウェイ装置1が、受信した通信情報がNACK信号であるか否かを検出する手段を備える必要がない。
また、ナビゲーション装置2にHD21を備え、このHD21に制御系LAN102における通信ログを記憶する構成としているが、ナビゲーション装置2以外の各機器にHDを設け、このHDに前記通信ログを記憶させる構成としてもよい。
【0061】
上述した実施の形態では、制御系LAN102における通信ログを記憶するためにナビゲーション装置2がHD21を備える構成としているが、HDを使用する以外に、半導体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、光ディスク等を用いてもよい。
また、制御系LAN102のネットワークケーブル102aに独立した記憶装置を接続し、この記憶装置に通信ログを記憶させる構成としてもよく、この場合には、記憶装置が、ネットワークケーブル102aに送出されたNACK信号を検出する構成を備える必要がある。尚、制御系LAN102の全ての通信ログを前記記憶装置に記憶させる場合には、NACK信号を検出する手段を備える必要はない。また、独立した記憶装置についても、HDだけでなく、半導体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、光ディスク等を用いることができる。
【0062】
上述した実施の形態では、ナビゲーション装置2のみがHD21を備え、このHD21に通信ログ記憶領域21aを設けているが、情報系LAN101の複数の機器にHDを備え、各機器のHDにおいて通信ログを記憶する構成としてもよく、この場合には、制御系LAN102の各機器を、HDの数に分割してグループ化し、グループ毎に1つのHDに通信ログを記憶する構成とすることができ、また、制御系LAN102の各機器間の通信ログを1つのHDに順次記憶し、このHDが満たされた場合に、次のHDに記憶する構成とすることもできる。
尚、情報系LAN101に複数の記憶装置を接続することによっても、同様の構成とすることができる。
【0063】
また、ゲートウェイ装置1は、通信ログ記憶部15に所定数の通信ログが蓄積された時点で、情報系LAN101のナビゲーション装置2へ蓄積した通信ログを送信する構成としているが、所定の時間間隔で、蓄積した通信ログをナビゲーション装置2へ送信する構成としてもよく、通信ログ記憶部15を備えず、制御系LAN102における通信ログを受信した時点で、逐次ナビゲーション装置2へ送信する構成としてもよい。
【0064】
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2における車両内通信システム100について説明する。尚、本実施の形態における車両内通信システム100の構成は、上述した実施の形態1の車両内通信システム100と同様であるため説明を省略する。
【0065】
本実施の形態では、制御系LAN102の各機器は、所望の相手先へ送信した通信情報に対応する返信情報を受信できず、相手先の機器からの応答がない場合、同一の通信情報を再送することを示す再送情報をネットワークケーブル102aへ送出する。
また、ゲートウェイ装置1の制御部10は、ネットワークケーブル102aを介して順次受信する通信情報が再送情報であるか否かを検出する再送検出手段として動作しており、再送情報であると検出した場合に、検出した再送情報に係る通信ログを通信ログ記憶部15に記憶する。
【0066】
更に、制御部10は、時計手段により情報系LAN101の各機器との通信処理における通信周期に対応する所定時間を計測しており、この所定時間間隔で通信ログ記憶部15に記憶してある通信ログをナビゲーション装置2へ送信し、ナビゲーション装置2において、前記通信ログは、HD21の通信ログ記憶領域21aに記憶される。
尚、ナビゲーション装置2の通信ログ記憶領域21aは、順次記憶される通信ログにより満たされた場合、通信ログ記憶領域21aの最初のアドレス位置から新たな通信ログが上書きされる。
【0067】
以下に、上述した構成の車両内通信システム100におけるナビゲーション装置2による通信ログ記憶処理について説明する。図4は実施の形態2に係る車両内通信システム100における通信ログ記憶処理手順を示すフローチャートである。
本実施の形態における車両内通信システム100を搭載した車両において、運転者が車両のイグニッションスイッチをオンすることによりエンジンを動作させた場合、情報系LAN101及び制御系LAN102夫々の各機器に電流が投入され、起動した各機器間において通信処理が順次行なわれ、各通信処理における通信情報が夫々のネットワークケーブル101a及び102aに送出される。
【0068】
ゲートウェイ装置1において、制御部10は、制御系LAN102のネットワークケーブル102aを介して通信情報を受信したか否かを判断しており(S21)、通信情報を受信した場合(S21:YES)、受信した通信情報を、受信した時刻を示す時刻情報とともに通信ログとして一旦RAM12に記憶する(S22)。
また、制御部10は、RAM12に記憶した通信ログに基づき、再送情報を受信したか否かを判断しており(S23)、再送情報を受信していない場合(S23:NO)、受信した通信情報が正しいものであるとし、受信した通信情報が自身のゲートウェイ装置1への通信情報であるか否かを判断する(S24)。
【0069】
ここで、受信した通信情報が自身への通信情報である場合(S24:YES)、制御部10は、受信した通信情報に対応する処理を実行し(S25)、対応する返信情報をネットワークケーブル102aへ送出する。
一方、ステップS23において、受信した通信情報が再送情報である場合(S23:YES)、制御部10は、受信した通信情報が正しくないと判断し、RAM12に記憶してある通信ログを通信ログ記憶部15に蓄積し(S26)、時計手段により、情報系LAN101の所定周期に基づく所定時間が経過したか否かを判断する(S27)。
【0070】
また、ステップS24において、受信した通信情報が自身への通信情報でない場合(S24:NO)、制御部10は、ステップS25の処理を行なわず、時計手段により前記所定時間が経過したか否かを判断する(S27)。
ここで、所定時間が経過していない場合(S27:NO)、制御部10は、所定時間が経過するまで上述したステップS21からS26までの各処理を繰り返し、所定時間が経過した場合(S27:YES)、その時点で通信ログ記憶部15に蓄積された通信ログを情報系LAN101のナビゲーション装置2へ送信し(S28)、ナビゲーション装置2は、受信した通信ログをHD21の通信ログ記憶領域21aに記憶する(S29)。
【0071】
上述したように、制御系LAN102のネットワークケーブル102aに送出された再送情報に係る通信ログのみを、ナビゲーション装置2の通信ログ記憶領域21aに記憶させることにより、通信ログを記憶するメモリ容量を削減することができる。
また、通信ログ記憶領域21aに記憶された通信ログに基づき、各車載機器に発生した故障の原因を解析することができる。
【0072】
尚、上述した実施の形態2における車両内通信システム100においても、上述の実施の形態1で説明した変形例と同様の変形例の適用が可能である。
また、上述した実施の形態1の車両内通信システム100では、ゲートウェイ装置1が、NACK信号に係る通信ログを記憶し、所定数の通信ログが通信ログ記憶部15に蓄積された場合に、ナビゲーション装置2へ送信する構成をなしており、実施の形態2の車両内通信システム100では、ゲートウェイ装置1が、再送情報に係る通信ログを記憶し、情報系LAN101の通信タイミングに従って、通信ログ記憶部15に蓄積された場合に、ナビゲーション装置2へ送信する構成をなしているが、これらを組み合わせた構成とすることもできる。
【0073】
また、ゲートウェイ装置1は、情報系LAN102における所定周期に基づき、通信ログ記憶部15に蓄積された通信ログをナビゲーション装置2へ送信する構成としているが、通信ログ記憶部15に所定数の通信ログが蓄積された時点でナビゲーション装置2へ送信する構成としてもよく、通信ログ記憶部15を備えず、制御系LAN102における通信ログを受信した時点で、逐次ナビゲーション装置2へ送信する構成としてもよい。
【0074】
【発明の効果】
第1発明による場合は、ゲートウェイ装置で接続されるネットワークのうちの1つのネットワークに記憶装置を備え、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを送信手段にて前記記憶装置へ送信し、この記憶装置が、受信した通信ログを記憶することにより、各ネットワークにおける各車載機器間での通信処理に基づく故障や、各機器単体では発生しなかった想定外の故障が発生した場合における通信ログも記憶しておくことができ、このような通信ログに基づき各車載機器に故障が発生した旨だけでなく、発生した故障の症状等も把握することができる。
【0075】
第2発明による場合は、ネットワークを構成する複数の車載機器間における通信に係る情報及び前記通信が行なわれた時刻を示す時刻情報からなる通信ログを記憶することにより、各車載機器間での通信処理に基づく故障や、各機器単体では発生しなかった想定外の故障が発生した場合に、通信ログに基づき、故障の発生原因となった機器の絞込みがより容易に可能となり、絞り込まれた機器の動作に基づき、故障の発生原因を解析することができる。
【0076】
第3発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、故障を示す通信異常情報があり、ゲートウェイ装置が、前記通信異常情報を異常検出手段にて検出し、検出した通信異常情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶させることができ、記憶してある通信ログに基づき、各車載機器に発生した故障の原因を解析できるだけでなく、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量を削減することができる。
【0077】
第4発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、各情報の再送を示す再送情報があり、ゲートウェイ装置が、前記再送情報を再送検出手段にて検出し、検出した再送情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶させることができ、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量を削減することができる。
【0078】
第5発明による場合は、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを記憶する記憶手段を備え、記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置の通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができ、効率よく通信ログ送信することができる。
【0079】
第6発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、故障を示す通信異常情報があり、ゲートウェイ装置が、前記通信異常情報を異常検出手段にて検出し、検出した通信異常情報に係る通信ログを記憶しておくことにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量を削減でき、通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができるとともに、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶するため、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量も削減することができる。
【0080】
第7発明による場合は、通信ログの通信に係る情報の中には、各情報の再送を示す再送情報があり、ゲートウェイ装置が、前記再送情報を再送検出手段にて検出し、検出した再送情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量を削減でき、通信ログの前記記憶装置への送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができるとともに、各ネットワークの車載機器間での通信処理における故障に関する通信ログのみを効率よく記憶装置に記憶するため、通信ログを記憶させる記憶装置のメモリ容量も削減することができる。
【0081】
第8発明による場合は、ゲートウェイ装置が、他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを予め設定された数だけ記憶した場合に、記憶手段に記憶してある各通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置における通信ログのメモリ容量をより削減でき、ゲートウェイ装置が通信情報を前記記憶装置へ送信する送信処理によるネットワークへの負荷をより軽減することができ、効率よく通信情報の送信処理を実現することができる。
【0082】
第9発明による場合は、ゲートウェイ装置が、前記一のネットワークの通信周期にて、記憶手段に記憶してある各通信ログを記憶装置へ送信することにより、ゲートウェイ装置が通信ログを前記記憶装置へ送信する送信処理のために複雑な構成を必要とせず、ゲートウェイ装置が通信情報を前記記憶装置へ送信する送信処理によるネットワークへの負荷を軽減することができ、効率よく通信情報の送信処理を実現することができる。
【0083】
第10発明による場合は、通信ログを記憶する記憶装置が、前記一のネットワークの少なくとも1つの車載機器に内蔵されていることにより、記憶装置を各車載機器とは別にネットワークに接続する必要がなく、より簡便な構成で、各車載機器間における通信ログを記憶することができる。
【0084】
第11発明による場合は、複数のネットワークを接続するゲートウェイ装置が、前記ネットワークにおける通信の通信ログを記憶することにより、各ネットワークにおける通信処理の内容を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両内通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る車両内通信システムにおけるゲートウェイ装置及びナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る車両内通信システムにおける通信ログ記憶処理手順を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態2に係る車両内通信システムにおける通信ログ記憶処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 車両内通信システム
101 情報系LAN
102 制御系LAN
1 ゲートウェイ装置
10 制御部
11 ROM
15 通信ログ記憶部
2 ナビゲーション装置
21 HD
21a 通信ログ記憶領域
Claims (11)
- 複数の車載機器を有する複数のネットワークをゲートウェイ装置で接続してあり、前記車載機器間で通信を行なう車両内通信システムにおいて、
一のネットワークに記憶装置を備え、
前記ゲートウェイ装置は、
他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを前記記憶装置へ送信する送信手段を備え、
前記記憶装置は、前記ゲートウェイ装置から受信した通信ログを記憶するように構成してあることを特徴とする車両内通信システム。 - 前記通信ログは、前記通信に係る情報及び前記通信が行なわれた時刻を示す時刻情報である請求項1に記載の車両内通信システム。
- 前記通信に係る情報は、故障を示す通信異常情報であり、
前記ゲートウェイ装置は、
前記通信異常情報を検出する異常検出手段を備え、
前記送信手段は、前記異常検出手段が検出した通信異常情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信する請求項2に記載の車両内通信システム。 - 前記通信に係る情報は、該情報の再送を示す再送情報であり、
前記ゲートウェイ装置は、
前記再送情報を検出する再送検出手段を備え、
前記送信手段は、前記再送検出手段が検出した再送情報に係る通信ログを前記記憶装置へ送信する請求項2又は3に記載の車両内通信システム。 - 前記ゲートウェイ装置は、
前記他のネットワークの各車載機器間における通信の通信ログを記憶する記憶手段を備え、
前記送信手段は、前記記憶手段に記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信する請求項2に記載の車両内通信システム。 - 前記通信に係る情報は、故障を示す通信異常情報であり、
前記ゲートウェイ装置は、
前記通信異常情報を検出する異常検出手段を備え、
前記記憶手段は、前記異常検出手段が検出した通信異常情報に係る通信ログを記憶する請求項5に記載の車両内通信システム。 - 前記通信に係る情報は、該情報の再送を示す再送情報であり、
前記ゲートウェイ装置は、
前記再送情報を検出する再送検出手段を備え、
前記記憶手段は、前記再送検出手段が検出した再送情報に係る通信ログを記憶する請求項5又は6に記載の車両内通信システム。 - 前記送信手段は、予め設定された数の通信ログが前記記憶手段に記憶された場合に、記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信する請求項5乃至7のいずれかに記載の車両内通信システム。
- 前記送信手段は、前記一のネットワークの通信周期にて、前記記憶手段に記憶してある通信ログを前記記憶装置へ送信する請求項5乃至7のいずれかに記載の車両内通信システム。
- 前記記憶装置は、前記一のネットワークの少なくとも1つの車載機器に内蔵されている請求項1乃至9のいずれかに記載の車両内通信システム。
- 複数のネットワークを接続するゲートウェイ装置において、
前記ネットワークにおける通信の通信ログを記憶する記憶手段を備えることを特徴とするゲートウェイ装置。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070904 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080108 |