JP2004256741A - フェノール樹脂成形材料および制振材 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の無機基材配合フェノール樹脂成形材料の持つ寸法精度、寸法安定性を維持しつつ、制振性に優れた制振材用フェノール樹脂成形材料およびこれを用いてなる制振材を提供する。
【解決手段】本発明は、成形材料全体に対して、フェノール樹脂30〜50重量%、無機充填材30〜60重量%及びアクリロニトリルブタジエンゴム5〜20重量%を含有することを特徴とする制振材用フェノール樹脂成形材料であり、成形材料全体に対して、アクリロニトリルブタジエンゴムの含有量は10〜20重量%であることが好ましい。また、本発明は、かかるフェノール樹脂成形材料を用いてなる制振材である。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明は、成形材料全体に対して、フェノール樹脂30〜50重量%、無機充填材30〜60重量%及びアクリロニトリルブタジエンゴム5〜20重量%を含有することを特徴とする制振材用フェノール樹脂成形材料であり、成形材料全体に対して、アクリロニトリルブタジエンゴムの含有量は10〜20重量%であることが好ましい。また、本発明は、かかるフェノール樹脂成形材料を用いてなる制振材である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制振材用フェノール樹脂成形材料、およびこれを用いてなる制振材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車や産業機械或いは家電製品などに使用されるモーター部品や、それらの周辺部品において振動や騒音を低減或いは防止するために、制振性や防音性を付与する方法として制振鋼板を用いたり、或いはゴムやエラストマーを貼り付けたり、金属部品を樹脂部品に置き換えたりする方法が主であった。制振鋼板を用いる場合、それ自身コストが高く、また加工性の面からも微細な部分への適用などは難しく、適用できる範囲が限定されてしまうという欠点があった。また、ゴムやエラストマーを貼り付ける方法では、加工工数や部品点数が増えるためやはりコスト増加の要因となる。樹脂部品に置き換える場合は、金属に比べ大幅に制振効果が増す。実際にフェノール樹脂製或いはPPSなどの熱可塑エンプラ製のギヤケースやブラシホルダー、エンドブラケットがある。しかしながら現状では、こうした樹脂製部品でもより一層の制振性或いは防音性を付与するためには、樹脂製部品に更にゴムやエラストマーを貼り付けた設計をせざるを得ないのが実状である。
【0003】
樹脂成形材料自身の制振性に関しては、弾性率の低い材料ほど制振効果がある。このため、有機基材を配合した成形材料は優れた制振効果を有するが、耐熱性や寸法安定性、寸法制度の面で無機基材を配合した成形材料に比べ大幅に劣ることから実際にはモーター部品やその周辺部品への適用は難しい。現状では、このような樹脂製の部品には耐熱性、寸法精度、寸法安定性に優れる無機基材配合の成形材料が使用されている。このような材料を低弾性率化させるには、エラストマーやゴムを配合させることにより弾性率を下げることができる(例えば、特許文献1参照)。このような材料でもまだ十分な制振効果が得られず成形物にエラストマーを貼り付けている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3034886号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記の点について鋭意検討を行った結果、制振性、防音性に優れたフェノール樹脂成形材料を見出した。
即ち、本発明は、基材として無機充填材を配合したフェノール樹脂成形材料において、アクリロニトリルブタジエンゴムを高配合することで耐熱性、寸法精度及び寸法安定性が良好であり、且つ制振性、防音性に優れたフェノール樹脂成形材料を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記(1)〜(3)に記載の本発明により達成される。
(1) 成形材料全体に対して、フェノール樹脂30〜50重量%、無機充填材30〜60重量%及びアクリロニトリルブタジエンゴム5〜20重量%を含有することを特徴とする制振材用フェノール樹脂成形材料。
(2) 成形材料全体に対して、アクリロニトリルブタジエンゴムの含有量が10〜20重量%である前記(1)に記載のフェノール樹脂成形材料。
(3) 前記(1)または(2)に記載のフェノール樹脂成形材料を用いてなる制振材。
【0007】
本発明の制振材用フェノール樹脂成形材料は、成形材料全体に対して、フェノール樹脂30〜50重量%、無機充填材30〜60重量%及びアクリロニトリルブタジエンゴム(以下、NBRという)5〜20重量%を含有することを特徴とする。また、本発明の制振材は、フェノール樹脂成形材料を用いてなるものである。
まず、本発明の制振材用フェノール樹脂成形材料について説明する。
【0008】
本発明で用いるフェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などがあるが、特に限定されるものではなく、単独或いは併用して用いることができる。ノボラック型フェノール樹脂の場合、通常硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを使用する。ヘキサメチレンテトラミンの配合量は、ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対し、10〜20重量部が好ましい。一方、レゾール型フェノール樹脂は、自硬化性の樹脂であるため、ノボラック樹脂と異なりヘキサメチレンテトラミンを用いることなく硬化させることができる。
【0009】
フェノール樹脂(ヘキサメチレンテトラミンを用いる場合、これを含む)は、成形材料全体に対して、通常30〜50重量%である。好ましくは、30〜40重量%である。フェノール樹脂が上記下限値未満であると、成形材料の生産が困難となる、材料の流動性が低下するため成形が困難になるといった問題が生じることがある。上記上限値を越えると成形収縮や後収縮による寸法変化が大きくなるため所定の成形品寸法を維持することが難しい場合がある。
【0010】
本発明には基材として無機充填材を用いる。無機充填材としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ウォラストナイト、シリカ、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラス粉末等の無機粉末、或いはガラス繊維等の無機繊維を単独、或いは2種類以上配合して用いる。
【0011】
本発明においては、無機充填材を、成形材料全体に対して、通常30〜60重量%配合する。好ましくは、40〜60重量%である。前記下限値を下回ると、成形収縮率が大きくなり成形時の寸法精度が低くなるとともに、後収縮も大きくなることから寸法安定性にも乏しく寸法要求の厳しい部品への適用が困難となることがある。また、樹脂量が多くなるため成形時、ヒケやボイドなど成形品中に欠陥を生じやすくなるため好ましくない。また、前記上限値を上回ると、成形材料の流動性が低下することから成形品の充填不良を生じやすくなるといった問題がある。
【0012】
また本発明においては、制振性を付与するためにNBRを用いる。制振効果を得るためには、NBRと樹脂が海島構造をとることが望ましい。振動の減衰(振動エネルギーの減少)は、成形品の弾性率に依存する。即ち弾性率の低い成形品ほど振動減衰が早いため、エラストマーやNBRが架橋骨格中に反応して取り込まれた構造であったり、IPNのような分子レベルでの絡みつき構造をとる場合、海島構造に比べ、成形品の弾性率が高く伝播してきた振動は減衰し難く、制振効果が小さい。海島構造では、樹脂とNBRの界面剥離も発生することから振動の伝播が抑えられ十分な制振効果を得ることができる。
【0013】
使用されるNBRは成形材料全体に対し5〜20重量%である。好ましくは、10〜20重量%である。前記下限値を下回ると十分な制振効果が得られないことがある。また前記上限値を超えた場合、硬化性が著しく低下することから成形サイクルが長くなったり、成形品の剛性が十分でなく変形を生じることがある。また、NBRがフェノール樹脂中に分散された場合、それ自身のもつ弾性回復により成形品としての収縮を抑える効果が作用し、寸法精度、寸法安定性の面でも優れた特性を有するが、前記上限値を超えるとNBR自身の持つ収縮の影響から寸法精度、寸法変化が低下するようになる。
【0014】
本発明のフェノール樹脂成形材料を製造する方法は、通常の方法が採用される。例えば、上記配合物を所定の配合割合で混合し、更に着色剤、硬化触媒等を加え加熱ロールにより混練し、シート状にしたものを顆粒状に粉砕して得られる。
【0015】
本発明の制振材は、これまで説明したフェノール樹脂成形材料を、圧縮成形、トランスファ成形、射出成形などの通常の成形方法により成形して得られ、優れた制振性、防音性を有していることから、自動車用、汎用機械用、家庭電化製品用及びその周辺機器用等の部品として好適である。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
表1に各実施例及び比較例の成形材料組成について示す。また、表2に各実施例及び比較例で得られた成形材料の特性評価結果を示す。
【0017】
実施例及び比較例に用いた各配合物は以下の通りである。
フェノール樹脂:ノボラック型フェノール樹脂、住友ベークライト(株)製PR−50716
NBR:JSR(株)製PNC−38
ガラス繊維:日本板硝子(株)製チョップドストランドRES(繊維長1〜4mm、繊維径10〜13μm)
無機粉末:水澤化学(株)製インシュライト(珪酸アルミニウム)
着色剤:カーボンブラック
硬化触媒:酸化マグネシウム
離型剤:ステアリン酸
【0018】
これらを表1に示す割合で配合し、加熱ロール間で混練し、次いで、シート状にし冷却したものを粉砕して顆粒状の成形材料とした。
【表1】
【0019】
表2の特性を測定するための試験片は、得られた成形材料を用いてトランスファー成形により作製した。成形条件は、金型温度175℃、硬化時間3分とした。 表2における各成形材料の特性は、機械的強度として引張り強さ及び常温時及び熱時(120℃中)の曲げ強さをJIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」により測定した。振動減衰特性は、成形した成形体(10×125×1mm)に、重さ0.45gの鉄球を高さ65mmから落下させこの時の振幅の半減値(ms)を測定した。
【0020】
【表2】
【0021】
実施例1および実施例2は、比較例2あるいは比較例3に比べ、振動減衰特性、機械的強度、寸法安定性がバランスして良好な成形材料であった。実施例2は、他のエラストマーであるポリビニルブチラールを配合して得られた比較例1の成形材料に比べ、振動減衰特性に優れた成形材料であった。実施例3は、無機粉末を多く配合し且つNBRも多く配合した場合であるが、振動減衰特性に優れ寸法安定性も良好な材料であった。
【0022】
【発明の効果】
以上の実施例及び比較例により得られた結果から明らかなように、本発明の制振材用フェノール樹脂成形材料は、従来の無機基材配合フェノール樹脂成形材料に比べ寸法精度、寸法安定性が同等で、制振性、防音性に優れた効果を発揮する。このため、この制振材用フェノール樹脂成形材料を用いて得られた制振材は、自動車用部品、汎用機械用部品、家庭電化製品用部品等のモーター周辺部分へ好適に適用されるものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、制振材用フェノール樹脂成形材料、およびこれを用いてなる制振材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車や産業機械或いは家電製品などに使用されるモーター部品や、それらの周辺部品において振動や騒音を低減或いは防止するために、制振性や防音性を付与する方法として制振鋼板を用いたり、或いはゴムやエラストマーを貼り付けたり、金属部品を樹脂部品に置き換えたりする方法が主であった。制振鋼板を用いる場合、それ自身コストが高く、また加工性の面からも微細な部分への適用などは難しく、適用できる範囲が限定されてしまうという欠点があった。また、ゴムやエラストマーを貼り付ける方法では、加工工数や部品点数が増えるためやはりコスト増加の要因となる。樹脂部品に置き換える場合は、金属に比べ大幅に制振効果が増す。実際にフェノール樹脂製或いはPPSなどの熱可塑エンプラ製のギヤケースやブラシホルダー、エンドブラケットがある。しかしながら現状では、こうした樹脂製部品でもより一層の制振性或いは防音性を付与するためには、樹脂製部品に更にゴムやエラストマーを貼り付けた設計をせざるを得ないのが実状である。
【0003】
樹脂成形材料自身の制振性に関しては、弾性率の低い材料ほど制振効果がある。このため、有機基材を配合した成形材料は優れた制振効果を有するが、耐熱性や寸法安定性、寸法制度の面で無機基材を配合した成形材料に比べ大幅に劣ることから実際にはモーター部品やその周辺部品への適用は難しい。現状では、このような樹脂製の部品には耐熱性、寸法精度、寸法安定性に優れる無機基材配合の成形材料が使用されている。このような材料を低弾性率化させるには、エラストマーやゴムを配合させることにより弾性率を下げることができる(例えば、特許文献1参照)。このような材料でもまだ十分な制振効果が得られず成形物にエラストマーを貼り付けている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3034886号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記の点について鋭意検討を行った結果、制振性、防音性に優れたフェノール樹脂成形材料を見出した。
即ち、本発明は、基材として無機充填材を配合したフェノール樹脂成形材料において、アクリロニトリルブタジエンゴムを高配合することで耐熱性、寸法精度及び寸法安定性が良好であり、且つ制振性、防音性に優れたフェノール樹脂成形材料を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記(1)〜(3)に記載の本発明により達成される。
(1) 成形材料全体に対して、フェノール樹脂30〜50重量%、無機充填材30〜60重量%及びアクリロニトリルブタジエンゴム5〜20重量%を含有することを特徴とする制振材用フェノール樹脂成形材料。
(2) 成形材料全体に対して、アクリロニトリルブタジエンゴムの含有量が10〜20重量%である前記(1)に記載のフェノール樹脂成形材料。
(3) 前記(1)または(2)に記載のフェノール樹脂成形材料を用いてなる制振材。
【0007】
本発明の制振材用フェノール樹脂成形材料は、成形材料全体に対して、フェノール樹脂30〜50重量%、無機充填材30〜60重量%及びアクリロニトリルブタジエンゴム(以下、NBRという)5〜20重量%を含有することを特徴とする。また、本発明の制振材は、フェノール樹脂成形材料を用いてなるものである。
まず、本発明の制振材用フェノール樹脂成形材料について説明する。
【0008】
本発明で用いるフェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などがあるが、特に限定されるものではなく、単独或いは併用して用いることができる。ノボラック型フェノール樹脂の場合、通常硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを使用する。ヘキサメチレンテトラミンの配合量は、ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対し、10〜20重量部が好ましい。一方、レゾール型フェノール樹脂は、自硬化性の樹脂であるため、ノボラック樹脂と異なりヘキサメチレンテトラミンを用いることなく硬化させることができる。
【0009】
フェノール樹脂(ヘキサメチレンテトラミンを用いる場合、これを含む)は、成形材料全体に対して、通常30〜50重量%である。好ましくは、30〜40重量%である。フェノール樹脂が上記下限値未満であると、成形材料の生産が困難となる、材料の流動性が低下するため成形が困難になるといった問題が生じることがある。上記上限値を越えると成形収縮や後収縮による寸法変化が大きくなるため所定の成形品寸法を維持することが難しい場合がある。
【0010】
本発明には基材として無機充填材を用いる。無機充填材としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ウォラストナイト、シリカ、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラス粉末等の無機粉末、或いはガラス繊維等の無機繊維を単独、或いは2種類以上配合して用いる。
【0011】
本発明においては、無機充填材を、成形材料全体に対して、通常30〜60重量%配合する。好ましくは、40〜60重量%である。前記下限値を下回ると、成形収縮率が大きくなり成形時の寸法精度が低くなるとともに、後収縮も大きくなることから寸法安定性にも乏しく寸法要求の厳しい部品への適用が困難となることがある。また、樹脂量が多くなるため成形時、ヒケやボイドなど成形品中に欠陥を生じやすくなるため好ましくない。また、前記上限値を上回ると、成形材料の流動性が低下することから成形品の充填不良を生じやすくなるといった問題がある。
【0012】
また本発明においては、制振性を付与するためにNBRを用いる。制振効果を得るためには、NBRと樹脂が海島構造をとることが望ましい。振動の減衰(振動エネルギーの減少)は、成形品の弾性率に依存する。即ち弾性率の低い成形品ほど振動減衰が早いため、エラストマーやNBRが架橋骨格中に反応して取り込まれた構造であったり、IPNのような分子レベルでの絡みつき構造をとる場合、海島構造に比べ、成形品の弾性率が高く伝播してきた振動は減衰し難く、制振効果が小さい。海島構造では、樹脂とNBRの界面剥離も発生することから振動の伝播が抑えられ十分な制振効果を得ることができる。
【0013】
使用されるNBRは成形材料全体に対し5〜20重量%である。好ましくは、10〜20重量%である。前記下限値を下回ると十分な制振効果が得られないことがある。また前記上限値を超えた場合、硬化性が著しく低下することから成形サイクルが長くなったり、成形品の剛性が十分でなく変形を生じることがある。また、NBRがフェノール樹脂中に分散された場合、それ自身のもつ弾性回復により成形品としての収縮を抑える効果が作用し、寸法精度、寸法安定性の面でも優れた特性を有するが、前記上限値を超えるとNBR自身の持つ収縮の影響から寸法精度、寸法変化が低下するようになる。
【0014】
本発明のフェノール樹脂成形材料を製造する方法は、通常の方法が採用される。例えば、上記配合物を所定の配合割合で混合し、更に着色剤、硬化触媒等を加え加熱ロールにより混練し、シート状にしたものを顆粒状に粉砕して得られる。
【0015】
本発明の制振材は、これまで説明したフェノール樹脂成形材料を、圧縮成形、トランスファ成形、射出成形などの通常の成形方法により成形して得られ、優れた制振性、防音性を有していることから、自動車用、汎用機械用、家庭電化製品用及びその周辺機器用等の部品として好適である。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
表1に各実施例及び比較例の成形材料組成について示す。また、表2に各実施例及び比較例で得られた成形材料の特性評価結果を示す。
【0017】
実施例及び比較例に用いた各配合物は以下の通りである。
フェノール樹脂:ノボラック型フェノール樹脂、住友ベークライト(株)製PR−50716
NBR:JSR(株)製PNC−38
ガラス繊維:日本板硝子(株)製チョップドストランドRES(繊維長1〜4mm、繊維径10〜13μm)
無機粉末:水澤化学(株)製インシュライト(珪酸アルミニウム)
着色剤:カーボンブラック
硬化触媒:酸化マグネシウム
離型剤:ステアリン酸
【0018】
これらを表1に示す割合で配合し、加熱ロール間で混練し、次いで、シート状にし冷却したものを粉砕して顆粒状の成形材料とした。
【表1】
【0019】
表2の特性を測定するための試験片は、得られた成形材料を用いてトランスファー成形により作製した。成形条件は、金型温度175℃、硬化時間3分とした。 表2における各成形材料の特性は、機械的強度として引張り強さ及び常温時及び熱時(120℃中)の曲げ強さをJIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」により測定した。振動減衰特性は、成形した成形体(10×125×1mm)に、重さ0.45gの鉄球を高さ65mmから落下させこの時の振幅の半減値(ms)を測定した。
【0020】
【表2】
【0021】
実施例1および実施例2は、比較例2あるいは比較例3に比べ、振動減衰特性、機械的強度、寸法安定性がバランスして良好な成形材料であった。実施例2は、他のエラストマーであるポリビニルブチラールを配合して得られた比較例1の成形材料に比べ、振動減衰特性に優れた成形材料であった。実施例3は、無機粉末を多く配合し且つNBRも多く配合した場合であるが、振動減衰特性に優れ寸法安定性も良好な材料であった。
【0022】
【発明の効果】
以上の実施例及び比較例により得られた結果から明らかなように、本発明の制振材用フェノール樹脂成形材料は、従来の無機基材配合フェノール樹脂成形材料に比べ寸法精度、寸法安定性が同等で、制振性、防音性に優れた効果を発揮する。このため、この制振材用フェノール樹脂成形材料を用いて得られた制振材は、自動車用部品、汎用機械用部品、家庭電化製品用部品等のモーター周辺部分へ好適に適用されるものである。
Claims (3)
- 成形材料全体に対して、フェノール樹脂30〜50重量%、無機充填材30〜60重量%及びアクリロニトリルブタジエンゴム5〜20重量%を含有することを特徴とする制振材用フェノール樹脂成形材料。
- 成形材料全体に対して、アクリロニトリルブタジエンゴムの含有量が10〜20重量%である請求項1に記載のフェノール樹脂成形材料。
- 請求項1または2に記載のフェノール樹脂成形材料を用いてなる制振材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003050937A JP2004256741A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | フェノール樹脂成形材料および制振材 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003050937A JP2004256741A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | フェノール樹脂成形材料および制振材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004256741A true JP2004256741A (ja) | 2004-09-16 |
Family
ID=33116213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003050937A Pending JP2004256741A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | フェノール樹脂成形材料および制振材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004256741A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006257265A (ja) * | 2005-03-17 | 2006-09-28 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | フェノール樹脂成形材料、およびこれを成形してなる制振材 |
JP2007126584A (ja) * | 2005-11-07 | 2007-05-24 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 制振材用フェノール樹脂成形材料、およびこれを成形してなる制振材 |
-
2003
- 2003-02-27 JP JP2003050937A patent/JP2004256741A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006257265A (ja) * | 2005-03-17 | 2006-09-28 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | フェノール樹脂成形材料、およびこれを成形してなる制振材 |
JP2007126584A (ja) * | 2005-11-07 | 2007-05-24 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 制振材用フェノール樹脂成形材料、およびこれを成形してなる制振材 |
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