JP2004244301A - 圧電磁器組成物及びその製造方法並びに圧電素子及び誘電素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物である。該圧電磁器組成物は,Mg,Ca,Sr,Baから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として含有してなる。そして,上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.0001mol〜0.10molである。
【選択図】なし
Description
また,上記PZTは高い比誘電率を有するためコンデンサ等としても利用することができる。
"Journal of the American Ceramic Society",米国,1962,Vol.45,No.5,p.209
該圧電磁器組成物は,Mg,Ca,Sr,Baから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として含有してなり,
上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.0001mol〜0.10molであることを特徴とする圧電磁器組成物にある(請求項1)。
該圧電磁器組成物は,Si,In,Scから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として含有してなり,
上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.08mol以下であることを特徴とする圧電磁器組成物にある(請求項3)。
該圧電磁器組成物は,Biを添加元素として含有してなり,
上記添加元素の含有量は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.0001mol〜0.004molであることを特徴とする圧電磁器組成物にある(請求項5)。
上記第1〜第3の発明の圧電磁器組成物は,その組成中に鉛を含有していない。
そのため,上記圧電磁器組成物は,その廃棄物等から有害な鉛が自然界に流出することがなく,安全である。
そのため,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数,電気機械結合係数Kp,圧電g31定数,機械的品質係数Qm等の圧電特性,また比誘電率ε33T/ε0及び誘電損失tanδ等の誘電特性,またキュリー温度Tcに優れている。
なお,上記添加元素を含有しておらず,上記一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される組成を,以下適宜,「基本組成」という。
また,上記第2の発明の圧電磁器組成物は,上記一般式で表される基本組成の化合物に加えて,Si,In,Scから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として,上記含有量の範囲で含有している。
また,上記第3の発明の圧電磁器組成物は,上記一般式で表される基本組成の化合物に加えて,Biを添加元素として,上記含有量の範囲で含有している。
そのため,上記第1〜第3発明の圧電磁器組成物は,特に圧電d31定数,電気機械結合係数Kp,比誘電率ε33T/ε0のいずれか一つ以上の特性が一層向上しており,上記一般式で表される,上記添加元素を含有しない圧電磁器組成物に比べてもより一層優れたものとなる。
なお,上記第1〜第3の発明において,上記圧電磁器組成物は,上記添加元素を,上記一般式で表される化合物に対して置換添加させて含有していてもよく,また,上記一般式で表される化合物に対して外添加させて含有していてもよい。
また,上記圧電磁器組成物は,上記圧電特性に加えて比誘電率及び誘電損失等の誘電特性にも優れている。そのため,上記第1〜第3の発明の圧電磁器組成物は,高性能な誘電素子としても利用することができる。即ち,上記圧電磁器組成物は,圧電特性を有する圧電磁器組成物に限らず,誘電特性を有する誘電磁器組成物をも含む概念である。
また,上記第4〜第6の発明の製造方法においては,上記一般式で表される化合物に対して,上記の金属元素を置換添加させてもよく,また外添加させてもよい。
さらに,上記第7〜第9の発明において,上記焼成は,常圧下にて行うことができる。
そのため,簡単かつ低コストにて上記圧電磁器組成物を製造することができる。そして,上記焼成後に得られる圧電磁器組成物は,鉛を含有せず,圧電特性や誘電特性に優れたものとなる。そのため,高性能な圧電素子及び誘電素子等の材料として用いることができる。
また,上記圧電素子は,上記圧電磁器組成物が有する,圧電d31定数等の圧電特性が優れるという性質をそのまま利用することができる。そのため,上記圧電素子は,感度の高い圧電センサ素子,高い電気機械エネルギー変換効率を有する圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等の圧電素子等として利用することができる。
ここで,x>0.2,z>0.4,w>0.2,z=0,又はw=0の場合には,圧電d31定数等の圧電特性及び誘電特性が低下し,所望の特性の圧電磁器組成物を得ることができないおそれがある。
また,上記一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物において、yの範囲は、0≦y≦0.85であることがより好ましく、0.05≦y≦0.75であることがさらに好ましい。これらの場合には,上記圧電磁器組成物の圧電d31定数及び電気機械結合係数Kpを一層向上させることができる。さらに一層好ましくは,0.05≦y<0.75がよく、さらには0.35≦y≦0.65がよく、さらには0.35≦y<0.65がより好ましい。また,最も好ましくは,0.42≦y≦0.60がよい。
したがって,本発明においては,上記一般式Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物は,これをペロブスカイト構造の組成式ABO3にあてはめたときに,Aサイト原子とBサイト原子の構成比を1:1に対してそれぞれ±5モル%程度までずれた構成比とすることができる。なお,構成される結晶中の格子欠陥をより少なくし,高い電気的特性を得るためには,好ましくは±3%程度までの組成がよい。
即ち,上記圧電磁器組成物の主成分としての上記一般式で表される化合物は,[Lix(K1-yNay)1-x]a{(Nb1-z-wTazSbw)}bO3(0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05)となる範囲を含むものである。また,上述のごとく,上記の式において,a及びbの範囲は0.97≦a,b≦1.03であることが好ましい。
この場合には,Liが必須成分となるので,上記圧電磁器組成物は,その作製時の焼成を一層容易に行うことができると共に,圧電特性をより向上させ,キュリー温度Tcを一層高くすることができる。これはLiを上記の範囲内において必須成分とすることにより,焼成温度が低下すると共に,Liが焼成助剤の役割を果たし,空孔の少ない焼成を可能とするからである。
この場合には,上記一般式は(K1-yNay)(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される。そしてこの場合には,上記圧電磁器組成物を作製する際に,その原料中に例えばLiCO3のように,最も軽量なLiを含有してなる化合物を含まないので,原料を混合し上記圧電磁器組成物を作製するときに原料粉の偏析による特性のばらつきを小さくすることができる。また,この場合には,高い比誘電率と比較的大きな圧電g定数を実現できる。
なお,上記添加元素の含有量は,Mg,Ca,Sr,Baの各金属元素のモル数である。
一方,上記添加元素は,上記金属元素又はこれを含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等の化合物として,上記圧電磁器組成物の粒内や粒界等に存在する形態をとることもできる。
この場合には,上記圧電磁器組成物の圧電d31定数及び電気機械結合係数Kp等の圧電特性,及び比誘電率ε33T/ε0等の誘電特性を一層向上させることができる。
この場合には,上記圧電磁器組成物の圧電d31定数及び電気機械結合係数Kp等の圧電特性,及び比誘電率ε33T/ε0等の誘電特性をさらに一層向上させることができる。
また,上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.0001mol以上であることが好ましい(請求項4)。
この場合には,上記添加元素による効果を充分に得ることができる。
なお,上記添加元素の含有量は,Si,In,Scの各金属元素のモル数である。
そして,上記第2の発明の圧電磁器組成物は,上述した2つの形態のうち,いずれの形態で上記添加元素を含有していても,同様に優れた圧電特性及び誘電特性を示すことができる。
上記含有量の合計が,0.0001未満の場合,又は0.004molを超える場合には,上記圧電磁器組成物の圧電d31定数,電気機械結合係数Kp,及び比誘電率ε33T/ε0等が低下し,所望の圧電特性及び誘電特性を有する圧電磁器組成物を得ることができないおそれがある。
なお,上記添加元素の含有量は,金属元素Biのモル数である。
一方,上記添加元素は,Bi原子又はこれを含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等の化合物として,上記圧電磁器組成物の粒内や粒界等に存在する形態をとることもできる。即ち,上記圧電磁器組成物は,上記添加元素を,上記一般式で表される化合物に対して置換添加させて含有していてもよく,また,上記一般式で表される化合物に対して外添加させて含有していてもよい。
そして,上記第3の発明の圧電磁器組成物は,上述した2つの形態のうち,いずれの形態で上記添加元素を含有していても,同様に優れた圧電特性及び誘電特性を示すことができる。
上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物(基本圧電磁器組成物)の比誘電率よりも小さい場合には,上記添加元素の効果を充分に得ることができないだけでなく,コンデンサ等の誘電素子への適用が困難になるおそれがある。
上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物(基本圧電磁器組成物)の誘電損失よりも大きい場合には,上記添加元素の効果を充分に得ることができないだけでなく,コンデンサ等の誘電素子への適用が困難になるおそれがある。
上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物(基本圧電磁器組成物)のキュリー温度よりも大きい場合には,上記添加元素の効果を充分に得ることができ,例えば自動車のエンジン付近等のように100℃を超える高温度の環境下における利用がより容易になる。
この場合には,30pm/V以上という高い圧電d31定数を生かして,上記圧電磁器組成物を,圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等として利用することができる。
上記圧電d31定数が30pm/V未満の場合には,実用に充分耐えうる特性の圧電素子として利用できないおそれがある。
この場合には,0.30以上という高い電気機械結合係数Kpを生かして,上記圧電磁器組成物を機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率に優れた圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等として利用することができる。
また,機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率がより一層優れたものを得るためには,上記電気機械結合係数Kpは0.34以上であることがより好ましい。さらに好ましくは0.4以上がよい。さらに一層好ましくは,0.45以上がよい。
この場合には,上記7×10-3Vm/N以上という高い圧電g31定数を活かして,上記圧電磁器組成物を昇圧比の優れた圧電トランス,超音波モータ素子,センサ素子等として利用することができる。
また,さらに昇圧比の優れたものを得るために,上記圧電g31定数は,8×10-3Vm/N以上であることがより好ましい。
この場合には,50以上という高い機械的品質係数Qmを生かして,上記圧電磁器組成物を,発熱が少なく電気エネルギーと機械的エネルギーの変換効率に優れた圧電素子,例えば圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等として利用することができる。
また,機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率がより一層優れたものを得るためには,上記機械的品質係数Qmは,40以上であることがより好ましい。さらに好ましくは,50以上がよい。
この場合には,400以上という高い比誘電率を活かして,上記圧電磁器組成物を静電容量の大きなコンデンサなどの誘電素子として利用することができる。
また,上記比誘電率は,430以上であることが好ましい。さらに好ましくは,600以上がよい。
この場合には,0.09以下という低い誘電損失を生かして,上記圧電磁器組成物をコンデンサ等の誘電素子,圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等として利用することができる。
この場合には,200℃以上という高いキュリー温度Tcを活かして,上記圧電磁器組成物を,例えば自動車のエンジン付近等のように100℃を超える高温度の環境下にて利用することができる。
上記キュリー温度Tcが200℃未満の場合には,上記圧電磁器組成物を例えば自動車のエンジン付近のように高温の場所に用いると,その圧電d31定数や電気機械結合係数Kp等の特性が低下するおそれがある。そのため,より好ましくは,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがよい。
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物を感度の高いセンサ素子,超音波モータ素子,アクチュエータ素子,圧電トランス素子,圧電振動子等として利用することができる。
また,より感度の優れた圧電センサ特性又はより大きな圧電アクチュエータ特性を得るために,上記圧電d31定数は40pm/V以上であることが好ましい。さらに好ましくは80pm/V以上がよい。さらに一層好ましくは,上記圧電d31定数は100pm/V以上がよい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物を昇圧比の優れた圧電トランス,超音波モータ素子,センサ素子等として利用することができる。
また,さらに昇圧比の優れたものを得るために,上記圧電g31定数は8×10-3Vm/N以上であることがより好ましい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物を機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率に優れた圧電アクチュエータ素子,圧電振動子,センサ素子,圧電トランス素子,超音波モータ素子等として利用することができる。
また,機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率がより一層優れたものを得るためには,上記電気機械結合係数Kpは0.34以上であることがより好ましい。さらに好ましくは,0.4以上がよい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物を,発熱が少なく機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率に優れた圧電素子,例えば圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等として利用することができる。
また,機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率がより一層優れたものを得るためには,上記機械的品質係数Qmは40以上であることがより好ましい。さらに好ましくは,50以上がよい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物をコンデンサ等の誘電素子,圧電トランス素子,超音波モータ素子,センサ素子等として利用することができる。
また,上記誘電損失は0.035以下であることがより好ましい。更に好ましくは,0.03以下がよい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
この場合には,上記圧電磁器組成物を,温度100℃を超える高温度環境下において使用することができ,感度及び機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率に優れたものとすることができる。
また,より感度の優れた圧電センサ特性,又はより大きな圧電アクチュエータ特性を得るために,上記圧電d31定数は40pm/V以上であることがより好ましい。また,上記電気機械結合係数Kpは,0.34以上であることがより好ましい。
上記添加物は,その添加物に含まれる上記金属元素を添加元素として,上記焼成後に一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物のLi,K,Naの少なくとも一部に置換して,上記圧電磁器組成物中に含有される場合がある。また,上記金属元素又は該金属元素を含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等の化合物として,上記圧電磁器組成物中の粒内や粒界等に含有される場合もある。
上記添加物は,その添加物に含まれる上記金属元素を添加元素として,上記焼成後に一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物のNb,Ta,Sbの少なくとも一部に置換して,上記圧電磁器組成物中に含有される場合がある。また,上記金属元素又は該金属元素を含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等の化合物として,上記圧電磁器組成物中の粒内や粒界等に含有される場合もある。
上記添加物は,その添加物に含まれるBiを添加元素として,上記焼成後に一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物のNb,Ta,Sbの少なくとも一部に置換して,上記圧電磁器組成物中に含有される場合がある。また,上記Bi原子又はBi原子を含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等の化合物として,上記圧電磁器組成物中の粒内や粒界等に含有される場合もある。
この場合には,上記第1の発明の圧電磁器組成物を容易に作製することができる。
この場合には,上記第2の発明の圧電磁器組成物を容易に作製することができる。
この場合には,上記第3の発明の圧電磁器組成物を容易に作製することができる。
次に,本発明の実施例にかかる圧電磁器組成物について説明する。
本例では,上記第1の発明(請求項1)の圧電磁器組成物を製造し,その特性を測定する。
本例の圧電磁器組成物は,一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物である。該圧電磁器組成物は,Mg,Ca,Sr,Baから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として含有してなる。そして,上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.01molである。
まず,圧電磁器組成物の基本組成の原料として,純度99%以上の高純度のLi2CO3,Na2CO3,K2CO3,Nb2O5,Ta2O5,Sb2O5,及び上記添加物としてのCaO,SrO,MgO,BaOを準備した。
また,上記の各添加物のうち,CaOについては,さらに0.02mol,0.04mol,0.10molずつ配合した配合物も準備した。
そして,上記の各配合物をそれぞれボールミルによりアセトン中で24時間混合して混合物を作製した。
造粒後の各粉体を圧力2ton/cm2にて,直径13mm,厚さ2mmの円盤状に加圧成形し,得られる成形体を温度1000〜1300℃にて1時間焼成し,焼成体を作製した。なお,このときの具体的な焼成温度は,上記の1000℃〜1300℃という温度範囲のうち,1時間の焼成によって最大密度の焼成体が得られる温度を選定した。そしてこのとき,上記焼成体は,すべて相対密度98%以上に緻密化されていた。
このようにして,11種類の圧電磁器組成物(試料E1〜E4及び試料F1〜F4及び試料G1〜G3)を作製した。各試料における原料及び添加物の配合比を表1に示す。
上記の各試料は,{Li0.04(K0.5Na0.5)0.95}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3で表される化合物中のK及びNaに対して金属元素が置換添加する方法で作製した。即ち,例えば試料E1においては,その組成が{Li0.04(K0.5Na0.5)0.94Ca0.01}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3となるようにした。
まず,比較品の原料として,純度99%以上の高純度のLi2CO3,Na2CO3,K2CO3,Nb2O5,Ta2O5,及びSb2O5を準備した。
この混合物を上記試料E1〜E4及び試料F1〜F4及び試料G1〜試料G3と同様にして,仮焼,造粒,成形,焼成し,分極を施して,比較品としての圧電磁器組成物(試料C1)を作製した。
試料C1は,(K0.5Na0.5)NbO3を含有してなる圧電磁器組成物である。
まず,上記にて準備した原料のLi2CO3,Na2CO3,K2CO3,Nb2O5,Ta2O5,及びSb2O5を,焼成後に上記一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3において,x=0.04,y=0.5,z=0.1,及びw=0.04となるような化学量論比,即ち上記一般式が{Li0.04(K0.5Na0.5)0.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3で表される化合物となるような化学量論比にて,混合し,ボールミルによりアセトン中で24時間混合して混合物を得た。
試料C2は,上記試料E1〜E4及び試料F1〜F4及び試料G1〜試料G3と同様に化合物{Li0.04(K0.5Na0.5)0.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3を主成分として含有するが,その一方で上記添加元素を含有してない圧電磁器組成物である。
上記試料C1及び試料C2の組成比を表1に示す。
また,上記誘電損失tanδ及び比誘電率ε33T/ε0は,上記と同様のインピーダンスアナライザーを用いて,測定周波数1kHzにて測定した。
また,キュリー温度Tcは,比誘電率ε33T/ε0が最も高いときの温度をもってキュリー温度Tcとした。
その結果を表2に示す。
また,上記試料E1〜試料E4及び試料F1〜試料F4及び試料G1〜試料G3は,試料C2と比較しても,圧電d31定数,電気機械結合係数Kp,圧電g31定数,機械的品質係数Qm,比誘電率ε33T/ε0,誘電損失tanδ,及びキュリー温度Tcのいずれか一つ以上が同等以上の優れた特性を有していた。
なお,表2においては,CaOについてのみ0.02mol以上添加したときの効果を示している。表2には明示してないが,他の添加元素(Mg,Sr,Ba)についてもCaと同様の効果が得られることを確認している。
また,上記高温用のセンサ部品,アクチュエータ部品,超音波モータ部品等としてさらに長時間安定に使用するためには,上記キュリー温度Tcは,200℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは,250℃以上のものがよい。
本例では,上記第2の発明(請求項4)の圧電磁器組成物を製造し,その特性を測定する。
本例の圧電磁器組成物は,一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物である。該圧電磁器組成物は,Si,In,Scから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として含有してなる。そして,上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.01molである。
まず,圧電磁器組成物の基本組成の原料として,純度99%以上の高純度のLi2CO3,Na2CO3,K2CO3,Nb2O5,Ta2O5,Sb2O5,及び上記添加物としてのSiO2,Sc2O3,In2O3を準備した。
次に,この混合物を,上記実施例1の試料E1〜E4と同様にして,仮焼,造粒,成形,焼成し,分極を施して,3種類の圧電磁器組成物(試料E5〜試料E7)を得た。各試料の原料及び添加物の配合比を表3に示す。
その結果を表4に示す。なお,表4には,比較のため,実施例1で作製した試料C1及び試料C2の各種圧電特性及び誘電特性も併せて示してある。
また,上記試料E5〜試料E7は,試料C2と比較しても,圧電d31定数,電気機械結合係数Kp,圧電g31定数,機械的品質係数Qm,及び誘電損失tanδが向上しており,比誘電率ε33T/ε0及びキュリー温度Tcも同等以上に優れていた。
なお,表4においては,上記添加元素を0.01mol含有させた圧電磁器組成物についてその圧電特性が優れることを示した。表4においては,明示してないが,添加元素の含有量を0.001〜0.08molの範囲で変えても,上記と同様の効果を得られることを確認している。
本例では,上記第3の発明(請求項4)の圧電磁器組成物を製造し,その特性を測定する。
本例の圧電磁器組成物は,一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物である。該圧電磁器組成物は,Biを添加元素として含有してなる。そして,上記添加元素の含有量は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.0001mol〜0.004molである。
まず,圧電磁器組成物の基本組成の原料として,純度99%以上の高純度のLi2CO3,Na2CO3,K2CO3,Nb2O5,Ta2O5,Sb2O5,及び上記添加物としてのBi2O3を準備した。
次に,この混合物を,上記実施例1の試料E1〜E4及び試料F1〜F4と同様にして,仮焼,造粒,成形,焼成し,分極を施して,4種類の圧電磁器組成物(試料E8〜試料E11)を得た。各試料の原料及び添加物の配合比を表5に示す。
その結果を表6に示す。なお,表6には,比較のため,実施例1で作製した試料C1及び試料C2の各種圧電特性及び誘電特性も併せて示してある。
また,上記試料C8及びE9は,試料C2と比較しても,圧電d31定数,電気機械結合係数Kp,及び比誘電率ε33T/ε0が向上しており,その他の特性も同等又は同等以上に優れていた。及び誘電損失tanδ圧電g31定数,機械的品質係数Qm,誘電損失tanδ,及びキュリー温度Tcについても,試料C1と同等以上の優れた特性を示した。
また,上記試料E11は,試料C1と比べると,機械的品質係数Qm,比誘電率ε33T/ε0及び誘電損失tanδが向上しており,試料C2と比べても,機械的品質係数Qmが向上していたが,その反面,圧電d31定数や電気機械結合係数Kp,圧電g31定数等が著しく低下していた。
また,本例においては,特定組成の化合物を主成分とする圧電磁器組成物について,上記添加元素による圧電特性の向上効果を確認したが,上記一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表されるその他の化合物を主成分とする圧電磁器組成物についても,同様の効果を発揮できることを確認している。
Claims (38)
- 一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物であって,
該圧電磁器組成物は,Mg,Ca,Sr,Baから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として含有してなり,
上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.0001mol〜0.10molであることを特徴とする圧電磁器組成物。 - 請求項1において,上記添加元素は,上記一般式で表される化合物のLi,K,Naの少なくとも一部に置換して含有されていることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物であって,
該圧電磁器組成物は,Si,In,Scから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として含有してなり,
上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.08mol以下であることを特徴とする圧電磁器組成物。 - 請求項3において,上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.0001mol以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物であって,
該圧電磁器組成物は,Biを添加元素として含有してなり,
上記添加元素の含有量は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.0001mol〜0.004molであることを特徴とする圧電磁器組成物。 - 請求項1〜5のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物の圧電d31定数は,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の圧電d31定数よりも,大きいことを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物の電気機械結合係数Kpは,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の電気機械結合係数Kpよりも,大きいことを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物の圧電g31定数は,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の圧電g31定数よりも,大きいことを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物の機械的品質係数Qmは,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の機械的品質係数Qmよりも,大きいことを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜9のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物の比誘電率は,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の比誘電率よりも大きいことを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜10のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物の誘電損失は,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の誘電損失よりも小さいことを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜11のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物のキュリー温度Tcは,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物のキュリー温度Tcよりも大きいことを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜12のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数が30pm/V以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜13のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物は,電気機械結合係数Kpが0.30以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜14のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物は,圧電g31定数が7×10-3Vm/N以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜15のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物は,機械的品質係数Qmが50以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜16のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物は,比誘電率が400以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜17のいずれか1項において,上記圧電磁器組成物は,誘電損失が0.09以下であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜18のいずれか1項において,上記圧電磁器組成物は,キュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜12のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数が30pm/V以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜12のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物は,圧電g31定数が7×10-3Vm/Nで,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜12のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物は,電気機械結合係数Kpが0.3以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜12のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物は,機械的品質係数Qmが50以上で,かつキュリー温度がTcが200以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜12のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物は,誘電損失が0.09以下で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 請求項1〜12のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数が30pm/V以上で,かつ電気機械結合係数Kpが0.3以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
- 一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物と,Mg,Ca,Sr,Baから選ばれる1種以上の金属元素を含む添加物とを混合し,焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
- 一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物と,Si,In,Scから選ばれる1種以上の金属元素を含む添加物とを混合し,焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
- 一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物と,Biを含む添加物とを混合し,焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
- Liを含有する化合物と,Naを含有する化合物と,Kを含有する化合物と,Nbを含有する化合物と,Taを含有する化合物と,Sbを含有する化合物とを,焼成後に一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物となるような化学量論比にて,又は下記の添加物に含有される金属元素による置換を考慮した化学量論比にて用意し,さらにMg,Ca,Sr,Baから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を含む添加物を混合し,焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
- 請求項29において,上記Liを含有する化合物はLi2CO3,上記Naを含有する化合物はNa2CO3,上記Kを含有する化合物はK2CO3,上記Nbを含有する化合物はNb2O5,上記Taを含有する化合物はTa2O5,上記Sbを含有する化合物はSb2O5又はSb2O3,上記添加物はMgO,MgCO3,CaO,CaCO3,SrO,SrCO3,BaO,及びBaCO3から選ばれるいずれか1種以上であることを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
- Liを含有する化合物と,Naを含有する化合物と,Kを含有する化合物と,Nbを含有する化合物と,Taを含有する化合物と,Sbを含有する化合物とを,焼成後に一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物となるような化学量論比にて,又は下記の添加物に含有される金属元素による置換を考慮した化学量論比にて用意し,さらにSi,In,Scから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を含む添加物を混合し,焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
- 請求項31において,上記Liを含有する化合物はLi2CO3,上記Naを含有する化合物はNa2CO3,上記Kを含有する化合物はK2CO3,上記Nbを含有する化合物はNb2O5,上記Taを含有する化合物はTa2O5,上記Sbを含有する化合物はSb2O5又はSb2O3,上記添加物はSiO2,In2O3,及びSc2O3から選ばれるいずれか1種以上であることを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
- Liを含有する化合物と,Naを含有する化合物と,Kを含有する化合物と,Nbを含有する化合物と,Taを含有する化合物と,Sbを含有する化合物とを,焼成後に一般式{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物となるような化学量論比にて,又は下記の添加物に含有されるBi原子による置換を考慮した化学量論比にて用意し,さらにBiを含む添加物を混合し,焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
- 請求項33において,上記Liを含有する化合物はLi2CO3,上記Naを含有する化合物はNa2CO3,上記Kを含有する化合物はK2CO3,上記Nbを含有する化合物はNb2O5,上記Taを含有する化合物はTa2O5,上記Sbを含有する化合物はSb2O5又はSb2O3,上記添加物はBi2O3であることを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
- 請求項1〜25のいずれか一項に記載の圧電磁器組成物よりなる圧電体を有することを特徴とする圧電素子。
- 請求項26〜34のいずれか一項に記載の製造方法により製造された圧電磁器組成物よりなる圧電体を有することを特徴とする圧電素子。
- 請求項1〜25のいずれか一項に記載の圧電磁器組成物よりなる誘電体を有することを特徴とする誘電素子。
- 請求項26〜34のいずれか一項に記載の製造方法により製造された圧電磁器組成物よりなる誘電体を有することを特徴とする誘電素子。
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