JP2004244300A - 圧電磁器組成物及びその製造方法,並びに圧電素子及び誘電素子 - Google Patents

圧電磁器組成物及びその製造方法,並びに圧電素子及び誘電素子 Download PDF

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Tatsuhiko Nonoyama
龍彦 野々山
Toshiatsu Nagaya
年厚 長屋
Yasuyoshi Saitou
康善 斎藤
Kazumasa Takatori
一雅 鷹取
Hisafumi Takao
尚史 高尾
Takahiko Honma
隆彦 本間
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Abstract

【課題】鉛を含まず,みかけ密度が高く,かつ空孔率及び開気孔率が低い圧電磁器組成物及びその製造方法,並びに該圧電磁器組成物を利用した圧電素子及び誘電素子を提供すること。
【解決手段】一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物である。該圧電磁器組成物は,特定の元素から選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として含有してなる。そして,上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.0005mol〜0.15molである。さらに,開気孔率が0.4Vol%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は,組成物中に鉛を含有しない圧電磁器組成物及びその製造方法,並びに該圧電磁器組成物を材料とする圧電素子及び誘電素子に関する。
従来より,圧電磁器組成物としては,鉛を含んだPZT(PbTiO3−PbZrO3)成分系磁器が用いられてきた。上記PZTは,大きな圧電性を示し,かつ高い機械的品質係数を有しており,センサ,アクチュエータ,フィルター等の各用途に要求されるさまざまな特性の材料を容易に作製できるからである。
また,上記PZTは高い比誘電率を有するためコンデンサ等としても利用することができる。
ところが,上記PZTからなる圧電磁器組成物は,優れた特性を有する一方で,その構成元素に鉛を含んでいるため,PZTを含んだ製品の産業廃棄物から有害な鉛が溶出し,環境汚染を引き起こすおそれがあった。そして,近年の環境問題に対する意識の高まりは,PZTのように環境汚染の原因となりうる製品の製造を困難にしてきた。そのため,組成物中に鉛を含有しない圧電磁器組成物の開発が求められ,一般式(K1-xNax)NbO3(但し,0<x<1)で表される圧電磁器組成物(非特許文献1参照)が注目されてきた。
しかしながら,上記一般式(K1-xNax)NbO3(但し,0<x<1)で表される圧電磁器組成物は難焼結であるという問題があった。そのため,焼成後の圧電磁器組成物は,みかけ密度が低くその表面や内部に多数の空孔を生じ易い。それ故,上記一般式(K1-xNax)NbO3で表される,従来の圧電磁器組成物は,その機械的強度が低下し易いという問題があった。
"Journal of the American Ceramic Society",米国,1962,Vol.45,No.5,p.209
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,鉛を含まず,みかけ密度が高く,かつ空孔率及び開気孔率が低い圧電磁器組成物及びその製造方法,並びに該圧電磁器組成物を利用した圧電素子及び誘電素子を提供しようとするものである。
第1の発明は,一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物であって,
該圧電磁器組成物は,Ag,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として含有してなり,
上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.0005mol〜0.15molであり,
かつ,開気孔率が0.4Vol%以下であることを特徴とする圧電磁器組成物にある(請求項1)。
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明の圧電磁器組成物は,その組成中に鉛を含有していない。
そのため,上記圧電磁器組成物は,その廃棄物等から有害な鉛が自然界に流出することがなく,安全である。
また,上記圧電磁器組成物は,上記一般式で表される化合物を含有してなり,上記添加元素を上記範囲内で含有している。
そのため,上記圧電磁器組成物は,その作製の際の焼成時に,上記添加元素が焼成助剤として働き緻密化を促進させ,焼結し易くなる。それ故,みかけ密度が高く,空孔の少ない良質な圧電磁器組成物となる。その結果,空孔率及び開気孔率が低く,機械的特性に優れたものとなる。なお,上記空孔率は,上記圧電磁器組成物の内部及び裏面に生じた空孔の量を体積%で示すものであり,上記開気孔率は,圧電磁器組成物の表面に生じたくぼみの量を体積%で示すものである。
さらに,本発明の圧電磁器組成物は,0.4Vol%以下という低い開気孔率を有している。そのため,上記圧電磁器組成物は,機械的強度に優れ,劣化し難く信頼性の高い圧電アクチュエータ素子,圧電振動子,表面波フィルター素子,圧電センサ素子,超音波モータ素子,圧電トランス素子等の圧電素子として利用することができる。
また,本発明の圧電磁器組成物は,上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物を主成分として含有している。そのため,上記圧電磁器組成物は,上記一般式で表される化合物が有する,優れた圧電d31定数,電気機械結合係数Kp,圧電g31定数,機械的品質係数Qm,比誘電率,誘電損失,及びキュリー温度等の圧電及び誘電特性を利用して,これらの特性に優れたものとなる。そのため,高性能な圧電素子及び誘電素子として利用することができる。
なお,上記添加元素を含有しておらず,上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される組成を,以下適宜,「基本組成」という。
第2の発明は,一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物と,Ag,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか一種以上の金属元素を含む添加物とを混合し,焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法にある(請求項4)。
上記一般式で表される化合物と上記添加物とを混合して得られる混合物は,常圧下にて焼結することができる。そのため,簡単かつ低コストにて焼成を行うことができる。
特に本発明においては,上記一般式で表される化合物に,上記金属元素を含む添加物を加えている。そのため,上記添加物が焼成助剤として機能し,上記圧電磁器組成物は上記焼成時に焼結し易くなる。その結果,焼成後の圧電磁器組成物のみかけ密度を向上させることができると共に,その表面や内部に大きな空孔が生じ難くなり,空孔率や開気孔率を低下させることができる。それ故,焼結後の圧電磁器組成物の機械的強度を向上させることができる。
また,上記焼成後に得られる上記圧電磁器組成物においては,上記添加物が添加された結果,上記一般式で表される化合物のLi,K,Na,Nb,Ta,Sbのいずれか1種以上の少なくとも一部を,上記Ag,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか1種以上の金属元素が置換して含有されたり,上記金属元素又はこれを含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等の化合物として上記圧電磁器組成物中の粒内乃至は粒界に含有される。なお,本明細書における「添加物を含有する」は,すべて上記の意味である。
また,上記焼成後に得られる圧電磁器組成物は,鉛を含有せず,圧電d31定数,電気機械結合係数Kp,圧電g31定数,機械的品質係数Qm,比誘電率,誘電損失,及びキュリー温度等の圧電及び誘電特性に優れたものとなる。そのため,高性能な圧電素子又は誘電素子等の材料として利用することができる。
第3の発明は,Liを含有する化合物と,Naを含有する化合物と,Kを含有する化合物と,Nbを含有する化合物と,Taを含有する化合物と,Sbを含有する化合物とを,焼成後に一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物となるような化学量論比にて,又は下記の添加物に含有される金属元素による置換を考慮した化学量論比にて混合し,さらにAg,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を含む添加物を混合し,焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法にある(請求項5)。
上記第3の発明においては,上記のごとく,Liを含有する化合物と,Naを含有する化合物と,Kを含有する化合物と,Nbを含有する化合物と,Taを含有する化合物と,Sbを含有する化合物と,さらにAg,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を含む添加物とを,上記化学量論比にて混合し,焼成する。
これにより,上記第1の発明の圧電磁器組成物を容易に得ることができる。
また,上記焼成後に得られる上記圧電磁器組成物においては,上記添加物が添加された結果,上記第2の発明と同様に,上記一般式で表される化合物のLi,K,Na,Nb,Ta,Sbのいずれか1種以上の少なくとも一部を,上記Ag,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか1種以上の金属元素が置換して含有されたり,上記金属元素又はこれを含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等の化合物として上記圧電磁器組成物中の粒内乃至は粒界に含有される。
このとき,Liを含有する化合物と,Naを含有する化合物と,Kを含有する化合物と,Nbを含有する化合物と,Taを含有する化合物と,Sbを含有する化合物と,上記添加物とを,該添加物に含有される金属元素による置換を考慮した化学量論比にて混合した場合には,上記一般式で表される化合物中のLi,Na,K,Nb,Ta,及びSbのいずれか1種以上の少なくとも一部を,上記添加物が含有する金属元素に積極的に置換させることができる。
上記の「添加物に含有される金属元素による置換を考慮した化学量論比にて混合」は,例えば上記一般式で表される化合物のLiに,上記添加物の金属元素を置換させる場合には,Liを含む化合物の量を減らし,その減らした分だけ上記添加物を添加して混合すると共に,全体としては,焼成後に一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物が合成されるような化学量論比にて混合すること等により,実現することができる。上記一般式中の,K,Na,Nb,Ta,Sbという他の原子に置換させる場合にもこれらを含む化合物の量を減らし,その分だけ置換させたい金属元素を含む添加物を添加することにより実現することができる。
一方,焼成後に上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物となるような化学量論比にて,Liを含有する化合物と,Naを含有する化合物と,Kを含有する化合物と,Nbを含有する化合物と,Taを含有する化合物と,Sbを含有する化合物とを混合し,ここに上記添加物をさらに混合することにより,上記金属元素又はこれを含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等の化合物として,上記添加物を含有する圧電磁器組成物を積極的に作製することができる。
また,上記第3の発明において,上記焼成は,常圧下にて行うことができる。そのため,簡単かつ低コストにて上記圧電磁器組成物を製造することができる。そして,上記焼成後に得られる圧電磁器組成物は,鉛を含有せず,みかけ密度が高く,空孔率及び開気孔率が小さく,さらに上記した圧電及び誘電特性に優れたものとなる。そのため,機械的強度に優れ,高性能な圧電素子及び誘電素子等の材料として用いることができる。
第4の発明は,上記第1の発明の圧電磁器組成物よりなる圧電体を有することを特徴とする圧電素子にある(請求項7)。
上記第4の発明の圧電素子は,上記第1の発明(請求項1)の圧電磁器組成物よりなる圧電体を有している。
そのため,上記圧電素子は,鉛を含有せず,環境に対して安全である。
また,上記圧電素子は,みかけ密度が高く,空孔率及び開気孔率が低いという上記圧電磁器組成物の性質を利用して,機械的強度に優れたものとなる。
さらに,上記圧電素子は,上記圧電磁器組成物が有する,圧電特性に優れるという性質をそのまま利用することができる。そのため,上記圧電素子は,感度の高い圧電センサ素子,高い電気機械エネルギー変換効率を有する圧電振動子及びアクチュエータ素子等として利用することができる。
第5の発明は,上記第2又は第3の発明の製造方法により製造された圧電磁器組成物よりなる圧電体を有することを特徴とする圧電素子にある(請求項8)。
上記第5の発明の圧電素子は,上記した製造方法により得られる圧電磁器組成物よりなる圧電体を有している。そのため,上記圧電素子は,上記圧電磁器組成物の優れた特性をそのまま生かして,機械的強度に優れ,感度の高い圧電センサ素子,高い電気機械エネルギー変換効率を有する圧電振動子及びアクチュエータ素子等として利用することができる。
第6の発明は,上記第1の発明の圧電磁器組成物よりなる誘電体を有することを特徴とする誘電素子にある(請求項9)。
上記第6の発明の誘電素子は,上記第1の発明(請求項1)の圧電磁器組成物よりなる誘電体を有している。そのため,上記誘電素子は,鉛を含有せず,環境に対して安全である。また,上記誘電素子は,上記圧電磁器組成物が有する特性をそのまま生かして,機械的強度に優れ,さらに比誘電率等の誘電特性に優れたものとなる。そのため,静電容量の大きいコンデンサ等として利用することができる。
第7の発明は,上記第2又は第3の発明の製造方法により製造された圧電磁器組成物よりなる誘電体を有することを特徴とする誘電素子にある(請求項10)。
上記第7の発明の誘電素子は,上記した製造方法により得られる圧電磁器組成物よりなる誘電体を有している。そのため,上記誘電素子は,上記圧電磁器組成物の優れた特性をそのまま生かして,機械的強度に優れ,静電容量の大きいコンデンサ等として利用することができる。
本発明において,上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物は,x,y,z,wの範囲がそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2にある。
ここで,x>0.2,z>0.4,w>0.2,z=0,又はw=0の場合には,圧電d31定数等の圧電特性及び誘電特性が低下し,実用に耐えうる特性の圧電磁器組成物を得ることができないおそれがある。
また,上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物において、yの範囲は、0≦y≦0.85であることがより好ましく、0.05≦y≦0.75であることがさらに好ましい。これらの場合には,上記圧電磁器組成物の圧電d31定数及び電気機械結合係数Kpを一層向上させることができる。さらに一層好ましくは,0.05≦y<0.75がよく、さらには0.35≦y≦0.65がよく、さらには0.35≦y<0.65がより好ましい。また,最も好ましくは,0.42≦y≦0.60がよい。
上記圧電磁器組成物は,上記のごとく,ペロブスカイト構造(ABO3)の化合物を主成分としている。本発明において,上記ペロブスカイト構造(ABO3)におけるAサイトの元素構成は,K,Na乃至はK,Na,Liに相当し,Bサイトの元素構成は,Nb,Ta,Sbに相当する。このペロブスカイト構造の組成式においては,Aサイトを構成する原子とBサイト構成する原子が1:1となる化学量論比のとき,完全なペロブスカイト構造となるが,上記圧電磁器組成物の場合には,特にK,Na,Li,Sbが焼成工程等で数%,具体的には3%程度揮発したり,また全構成元素が混合粉砕や造粒工程等にて数%,具体的には3%程度変動することがある。即ち,製法のバラツキにより,化学量論組成からの変動が起こる場合がある。
このような製造工程上の組成変動への対応として,意図的に配合組成比を変えることにより,焼成後の圧電磁器組成物の組成比を,±数%,より具体的には±3〜5%程度変動させることができる。このことは,例えば従来のチタン酸ジルコン酸塩(PZT)の場合でも同様であり,焼成時の鉛の蒸発や,粉砕メディアであるジルコニアボールからのジルコニアの混入を考慮して配合比を調整することができる。
本発明の圧電磁器組成物においては,上記のように意図的に配合組成比を変えても,圧電特性等の電気的特性は大きく変化しない。
したがって,本発明においては,上記一般式Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物は,これをペロブスカイト構造の組成式ABO3にあてはめたときに,Aサイト原子とBサイト原子の構成比を1:1に対してそれぞれ±5モル%程度までずれた構成比とすることができる。なお,構成される結晶中の格子欠陥をより少なくし,高い電気的特性を得るためには,好ましくは±3%程度までの組成がよい。
即ち,上記圧電磁器組成物の主成分としての上記一般式で表される化合物は,[Lix(K1-yNay1-xa{(Nb1-z-wTazSbw)}b3(0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05)となる範囲を含むものである。また,上述のごとく,上記の式において,a及びbの範囲は0.97≦a,b≦1.03であることが好ましい。
また,上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3におけるxの範囲は,0<x≦0.2であることが好ましい。
この場合には,Liが必須成分となるので,上記圧電磁器組成物は,その作製時の焼成を一層容易に行うことができると共に,圧電特性をより向上させ,キュリー温度を一層高くすることができる。これはLiを上記の範囲内において必須成分とすることにより,焼成温度が低下すると共に,Liが焼成助剤の役割を果たし,さらに空孔の少ない焼成を可能とするからである。
また,上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3のxの値は,x=0とすることができる。
この場合には,上記一般式は(K1-yNay)(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される。そしてこの場合には,上記圧電磁器組成物を作製する際に,その原料中に例えばLiCO3のように,最も軽量なLiを含有してなる化合物を含まないので,原料を混合し上記圧電磁器組成物を作製するときに原料粉の偏析による特性のばらつきを小さくすることができる。また,この場合には,高い比誘電率と比較的大きな圧電g定数を実現できる。
また,上記第1の発明において,上記圧電磁器組成物は,Ag,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として含有してなり,上記添加物の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.0005mol〜0.15molである。
上記添加元素の含有量の合計が0.0005mol未満の場合には,みかけ密度が高く,空孔率及び開気孔率が低くなるという効果を充分に得ることができないおそれがある。一方,上記含有量の合計が0.15molを超える場合には,上記圧電磁器組成物の作製の際に焼結が困難になる。また,焼結後に,基となる組成物がもつ結晶構造とは異なる結晶相が出現し,焼結後の上記圧電磁器組成物のみかけ密度が低下するおそれがある。また,上記圧電磁器組成物の表面や内部に空孔が生じて,空孔率や開気孔率が高くなり,圧電磁器組成物の機械的強度が低下するおそれがある。
なお,上記添加元素の含有量は,Ag,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrの各金属元素のモル数である。
また,上記添加元素は,上記一般式で表される化合物のLi,K,Na,Nb,Ta,Sbのいずれか1種以上の少なくとも一部を,上記Ag,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか1種以上の金属元素に置換して配置する形態や,上記金属元素又はこれを含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等の化合物として上記圧電磁器組成物中の粒内乃至は粒界に存在する形態をとることができる。
本発明の圧電磁器組成物においては,上記添加物が上述した2つの形態のうちいずれの形態で含有されていても,同等に優れたみかけ密度,開気孔率,及び空孔率を示すことができる。
また,上記圧電磁器組成物の開気孔率は0.4Vol%以下である。
上記圧電磁器組成物の開気孔率が0.4Vol%を超える場合には,上記圧電磁器組成物の機械的強度が不十分となり,圧電素子や誘電素子への適用が困難になるおそれがある。
次に,上記圧電磁器組成物のみかけ密度は,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物のみかけ密度よりも,大きいことが好ましい(請求項2)。
上記圧電磁器組成物のみかけ密度が,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物(以下適宜基本圧電磁器組成物という)のみかけ密度よりも小さい場合には,上記添加物の効果を充分に得ることができないだけでなく,上記圧電磁器組成物の機械的強度が不十分となるおそれがある。
上述の「上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物のみかけ密度よりも,大きい」とは,上記添加元素を含有する圧電磁器組成物のみかけ密度が,この圧電磁器組成物の基本組成を有し上記添加元素を含有していない基本圧電磁器組成物に比べて,大きいことを意味するものである。
次に,上記圧電磁器組成物の空孔率或いは開気孔率の少なくとも一方は,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の空孔率或いは開気孔率よりも,小さいことが好ましい(請求項3)。
上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物(基本圧電磁器組成物)の空孔率或いは開気孔率よりも小さい場合には,上記添加元素の効果を充分に得ることができないだけでなく,上記圧電磁器組成物の機械的強度が不十分となるおそれがある。
上述の「上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の空孔率或いは開気孔率よりも,小さい」とは,上記添加元素を含有する圧電磁器組成物の空孔率或いは開気孔率が,この圧電磁器組成物の基本組成を有し上記添加元素を含有していない基本圧電磁器組成物に比べて,小さいことを意味するものである。
また,上記第2(請求項4)又は第3の発明(請求項5)において,上記添加物としては,Ag,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか1種以上の金属元素又はこれらの金属元素を含む化合物等がある。
上記添加物を添加した結果,その添加物に含まれる上記金属元素は添加元素として,上記焼成後に一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物のLi,K,Na,Nb,Ta,Srの少なくとも一部に置換して,上記圧電磁器組成物中に含有される場合がある。また,上記金属元素又は該金属元素を含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等の化合物として,上記圧電磁器組成物中の粒内乃至は粒界等に含有される場合もある。
次に,上記第3の発明(請求項5)において,上記リチウムを含有する化合物としては,例えばLi2CO3,Li2O,LiNO3,LiOH等がある。また,上記ナトリウムを含有する化合物としては,Na2CO3,NaHCO3,NaNO3等がある。
また,上記カリウムを含有する化合物としては,K2CO3,KNO3,KNbO3,KTaO3等がある。また,上記ニオブを含有する化合物としては,例えばNb25,Nb23,NbO2等がある。また,上記タンタルを含有する化合物としては,Ta25等がある。また,上記アンチモンを含有する化合物としては,例えばSb25,Sb23,Sb24等がある。
次に,上記Liを含有する化合物はLi2CO3,上記Naを含有する化合物はNa2CO3,上記Kを含有する化合物はK2CO3,Nbを含有する化合物はNb25,上記Taを含有する化合物はTa25,上記Sbを含有する化合物はSb25又はSb23,上記添加物はAg2O,Al23,Au,Au23,B23,H3BO3,BaO,BaO2,BaCO3,Bi23,CaO,CaCO3,CeO2,Ce2(CO33,CoO,Co34,CoCO3,Cs2CO3,CuO,Cu2O,Dy23,Er23,Eu23,Fe23,Ga23,Gd23,GeO2,HfO2,Ho23,In23,IrO2,Ir23,La23,Lu23,MgO,MgC24,MnO,MnO2,Mn23,Mn34,Nd23,Nd2CO3,NiO,NiCO3,PdO,Pr23,Pr611,Pr2(CO33,PtO2,Rb2O,Rb2CO3,Re27,RuO2,Sc23,SiO2,SiO,SiC,Sm23,SnO,SnO2,SrO,SrCO3,Tb47,TiO,Ti23,TiO2,Tm23,V23,V24,V25,Y23,Y2(CO33,Yb23,ZnO,ZrO2から選ばれるいずれか1種以上であることが好ましい(請求項6)。
この場合には,上記圧電磁器組成物を容易に作製することができる。
次に,上記第4(請求項7)又は第5の発明(請求項8)において,上記圧電素子としては,例えば圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等がある。
次に,上記第6(請求項9)又は第7の発明(請求項10)において,上記誘電素子としては,例えばコンデンサ,積層コンデンサ等がある。
(実施例1)
次に,本発明の実施例にかかる圧電磁器組成物につき説明する。
本例では,上記圧電磁器組成物を作製し,その特性を評価する。
本例の圧電磁器組成物は,一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物である。該圧電磁器組成物は,Ag,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか1種の金属元素を添加元素として含有してなる。上記添加元素の含有量は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.01molである。また,上記圧電磁器組成物の開気孔率は0.4Vol%以下である。
本例の圧電磁器組成物の製造方法は,Liを含有する化合物と,Naを含有する化合物と,Kを含有する化合物と,Nbを含有する化合物と,Taを含有する化合物と,Sbを含有する化合物とを,焼成後に一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物となるような化学量論比にて混合し,さらにAg,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか1種の金属元素を含む添加物を混合し,焼成する。
以下,本例の圧電磁器組成物の製造方法につき,詳細に説明する。
まず,圧電磁器組成物の基本組成の原料として,純度99%以上の高純度のLi2CO3,Na2CO3,K2CO3,Nb25,Ta25,及びSb25を準備した。
次に,これらの原料と,上記添加物としてのAg2O,Al23,Au,Au23,B23,H3BO3,BaO,BaO2,BaCO3,Bi23,CaO,CaCO3,CeO2,Ce2(CO33,CoO,Co34,CoCO3,Cs2CO3,CuO,Cu2O,Dy23,Er23,Eu23,Fe23,Ga23,Gd23,GeO2,HfO2,Ho23,In23,IrO2,Ir23,La23,Lu23,MgO,MgC24,MnO,MnO2,Mn23,Mn34,Nd23,Nd2CO3,NiO,NiCO3,PdO,Pr23,Pr611,Pr2(CO33,PtO2,Rb2O,Rb2CO3,Re27,RuO2,Sc23,SiO2,SiO,SiC,Sm23,SnO,SnO2,SrO,SrCO3,Tb47,TiO,Ti23,TiO2,Tm23,V23,V24,V25,Y23,Y2(CO33,Yb23,ZnO,ZrO2のいずれか1組成とを,化合物{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3に上記の各添加物に含まれる金属元素が圧電磁器組成物中に含まれるような組成で配合して,47種類の配合物を得た。添加した元素の存在形態としては,圧電磁器組成物の結晶粒内にあっても,結晶粒界にあってもよい。
上記添加物の配合量については,上記化学量論比にて配合して焼成後に得られると予想される化合物{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O31molに対して,後述する表1及び表2に示す添加量にて配合した。このとき,各添加物の含有量は,どの添加物を含有させた場合においても,上記添加物が含有する金属元素の量が0.01molとなるようにした。
続いて,各配合物をそれぞれボールミルによりアセトン中で24時間混合して混合物を作製した。
次に,各混合物をそれぞれ温度750℃にて5時間仮焼し,続いてこの仮焼後の各混合物をそれぞれボールミルにて24時間粉砕した。続いて,バインダーとしてポリビニルブチラールを添加し,造粒した。
造粒後の各粉体を圧力2ton/cm2にて,直径13mm,厚さ2mmの円盤状に加圧成形し,得られる成形体を温度1000〜1300℃にて1時間焼成し,焼成体を作製した。なお,この時の具体的な焼成温度は,上記の1000℃〜1300℃という温度範囲のうち1時間の焼成によって最大密度の焼成体が得られる温度を選定した。そしてこの時,上記焼成体は,すべて相対密度98%以上に緻密化されていた。
次に,各焼成体の両面を平行研磨し,円形研磨した後,この円盤試料の両面にスパッタ法により金電極を設けた。そして,100℃のシリコーンオイル中にて1〜5kV/mmの直流電圧を10分間電極層間に印可し,厚み方向に分極を施して圧電磁器組成物とした。
このようにして,47種類の圧電磁器組成物(試料E1〜試料E47)を作製した。各試料における添加物の種類及び配合量を,後述の表1及び表2に示す。
また,本例の製造方法と異なる方法として,上記{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3で表される化合物を焼成により作製し,これを粉砕して上記添加物と混合し,その後本例の製造方法と同様に,仮焼,造粒,成形,焼成を行っても,上記試料E1〜E47と同様の圧電磁器組成物を作製することができる。
次に,本例では,上記圧電磁器組成物(試料E1〜E47)の優れた特性を明らかにするため,以下のようにして,3種類の比較品(試料C1〜試料C3)を作製した。
まず,比較品の原料として,純度99%以上の高純度のLi2CO3,Na2CO3,K2CO3,Nb25,Ta25,Sb25,MoO3,WO3を準備した。
これらの原料のうち,Li2CO3,Na2CO3,K2CO3,Nb25,Ta25,及びSb25を,焼成後に化合物{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3となるような化学量論比にて配合して,配合物を得た。
この配合物をボールミルによりアセトン中で24時間混合し,さらに上記試料E1〜E47と同様にして,仮焼,造粒,成形,焼成し,分極を施して,比較品としての圧電磁器組成物(試料C1)を作製した。この試料C1は,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物である。
また,上記の{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3となるような化学量論比にて配合した配合物に,添加物としてMoO3又はWO3をそれぞれ添加して,2種類の配合物を作製した。このときの添加物の添加量は,後述する表2に示すとおりである。
続いて,各配合物をボールミルによりアセトン中で24時間混合し,さらに上記試料E1〜E47と同様にして,仮焼,造粒,成形,焼成し,分極を施して,比較品としての圧電磁器組成物(試料C2及び試料C3)を作製した。試料C2及び試料C3は,それぞれ,化合物Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O31molに対して,添加物としてのMoO3又はWO3を,金属元素の量で,それぞれ0.01molずつ含有してなるものである。
次に,上記試料E1〜E47及び試料C1〜C3のみかけ密度及び開気孔率を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
なお,開気孔率は,下記の方法により測定した。
(開気孔率)
まず,試料の重さを量り,これを乾燥重量とする。続いて,この試料を水の中に完全に浸し,真空脱泡を施し,試料に水を充分に吸収させる。この試料をアルキメデス法にて試料を水中に没した状態で重さを量り,これを水中重量とする。その後,この試料を水から引き上げ,余分な水を除去し,再び試料の重さを量る。これを含水重量とする。
次に,上記にて得られら乾燥重量,水中重量及び含水重量から,下記の式(1)を用いて,試料の開気孔率(Vol%)を算出した。
開気孔率(Vol%)=(含水重量−乾燥重量)/(含水重量−水中重量)・・・(式1)
Figure 2004244300
Figure 2004244300
表1及び表2より知られるごとく,上記試料E1〜E47の圧電磁器組成物は比較品としての試料C1〜試料C3に比べて,同等以上にみかけ密度が高く,また開気孔率においても0.4Vol%以下という低い値を示した。
このように,試料E1〜E47の圧電磁器組成物は,機械的強度に優れるものであることがわかる。
また,表1及び表2には示していないが,上記試料E1〜E47の圧電特性及び誘電特性をインピーダンスアナライザーを用いて共振−***振法により測定したところ,試料E1〜試料E47の圧電磁器組成物は,圧電d31定数,電気機械結合係数Kp,圧電g31定数,機械的品質係数Qm,比誘電率,誘電損失,及びキュリー温度等の圧電特性及び誘電特性にも優れていた。
したがって,本例の圧電磁器組成物は,機械的強度に優れ,かつ高性能な圧電素子及び誘電素子として利用することができる。
(実施例2)
本例では,上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3(但し,0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2)で表される化合物のLi,K,Na,Nb,Ta,Sbの少なくとも一部に,上記添加物中の各金属元素を置換した状態で添加物を含有させた試料(以下,適宜置換添加させた試料という)と,上記添加物を外添加して含有させた試料(以下,適宜外添加した試料という)とを準備し,その特性を比較する。
まず,上記の外添加した試料として,実施例1にて作製した試料E1,試料E5,試料E7,試料E10,試料E25,試料E32,及び試料E39とを準備した。これらの試料E1,試料E5,試料E7,試料E10,試料E25,試料E32,及び試料E39は,化合物{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3に,上記添加物としてのAg2O,BaO,CaCO3,Cs2CO3,MgO,Rb2O,又はSrCO3を外添加し,合成したものである。
次に,以下のようにして,上記添加物を置換添加させた試料を作製する。
まず,圧電磁器組成物の基本組成の原料として,純度99%以上の高純度のLi2CO3,Na2CO3,K2CO3,Nb25,Ta25,Sb25,及び上記添加物としてAg2O,BaO,CaCO3,Cs2CO3,MgO,Rb2O,又はSrCO3を準備した。
次に,上記基本組成の原料と,上記した各添加物のうちの1種とを,化合物{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3に上記添加物中の各金属元素が焼成後に置換固溶されるような化学量論比にて配合し,7種類の配合物を作製した。具体的には,それぞれ{Li0.04(K0.5Na0.50.95Ag0.01}(Nb0.86Ta0.10Sb0.04)O3,{Li0.04(K0.5Na0.50.94Ba0.01}(Nb0.86Ta0.10Sb0.04)O3,{Li0.04(K0.5Na0.50.94Ca0.01}(Nb0.86Ta0.10Sb0.04)O3,{Li0.04(K0.5Na0.50.95Cs0.01}(Nb0.86Ta0.10Sb0.04)O3,{Li0.04(K0.5Na0.50.94Mg0.01}(Nb0.86Ta0.10Sb0.04)O3,{Li0.04(K0.5Na0.50.95Rb0.01}(Nb0.86Ta0.10Sb0.04)O3,{Li0.04(K0.5Na0.50.94Sr0.01}(Nb0.86Ta0.10Sb0.04)O3となるようにした。
続いて,各配合物をそれぞれボールミルによりアセトン中で24時間混合して混合物を得た。
次に,この混合物を実施例1の試料E1〜E47と同様にして,仮焼,造粒,成形,焼成し,分極を施した。
このようにして,上記添加物として,Ag2O,BaO,CaCO3,Cs2CO3,MgO,Rb2O,又はSrCO3をそれぞれ置換添加した圧電磁器組成物を作製し,これらをそれぞれ試料E1a,E5a,E7a,E10a,E25a,E32a,E39aとした。
上記試料E1と試料E1a,試料E5と試料E5a,試料E7と試料E7a,試料E10と試料E10a,試料E25と試料E25a,試料E32と試料E32a,及び試料E39と試料E39aは,それぞれ互いに同じ金属元素を含む添加物を含有してなる圧電磁器組成物であり,前者は外添加した試料,後者は置換添加した試料である。
次に,上記の各試料について,みかけ密度及び開気孔率を測定した。その結果を表3に示す。表3には,比較のため上記実施例1にて作製した試料C1のみかけ密度及び開気孔率も併記した。
Figure 2004244300
表3より知られるごとく,上記試料E1と試料E1a,試料E5と試料E5a,試料E7と試料E7a,試料E10と試料E10a,試料E25と試料E25a,及び試料E32と試料E32aは,試料C1と比較して同等以上のみかけ密度,及び試料C1よりも低い開気孔率を示した。
このことから,本例の圧電磁器組成物においては,上記添加物を外添加して含有させても置換添加させて含有させても,みかけ密度及び開気孔率に優れたものとなることがわかる。
また,Srを含む試料41及び試料41aの場合には,置換組成の試料41aにおいて,高いみかけ密度,低い開気孔率が得られた。
(実施例3)
本例は,上記添加物の添加量を変化させて圧電磁器組成物に含有させた例である。
まず,圧電磁器組成物の基本組成の原料として,純度99%以上の高純度のLi2CO3,Na2CO3,K2CO3,Nb25,Ta25,Sb25,及び上記添加物としてのBi23を準備した。
これらの原料のうち,Li2CO3,Na2CO3,K2CO3,Nb25,Ta25,及びSb25を,焼成後に上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3において,x,y,z,wがそれぞれx=0.04,y=0.5,z=0.1,w=0.04となるような化学量論比にて配合し,さらに上記添加物としてのBi23を配合して配合物を得た。
このとき,上記添加物としてのBi23は,上記化学量論比にて配合して得られると予想される化合物{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O31molに対して,0.0025,0.0005,又は0.00025mol添加した。即ち,上記添加物中の金属元素(Bi)がそれぞれ0.005,0.001,又は0.0005mol配合されるようにした。
そして,各配合物をそれぞれボールミルによりアセトン中で24時間混合して混合物を作製した。
この混合物を上記試料E1〜E47と同様にして,仮焼,造粒,成形,焼成し,分極を施して,3種類の圧電磁器組成物(試料E6x,試料E6y,試料E6z)を得た。各試料における添加物の種類及び配合量を表4に示す。
次に,上記試料E6x,試料E6y,試料E6zのみかけ密度及び開気孔率を実施例1と同様の方法にて測定した。その結果を表4に示す。
なお,表4においては,比較のため,上記添加元素としてのBiを0.01mol含有してなる,実施例1で作製した試料E6,及び添加元素を含有していない試料C1の結果を併記した。
Figure 2004244300
表4より知られるごとく,上記試料E6,試料E6x,試料E6y,及び試料E6zは,試料C1に比べて高いみかけ密度,低い開気孔率を示した。即ち,本例の圧電磁器組成物においては,化合物{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O31molに対して,上記添加物を,該添加物中の金属元素の含有量で,0.0005mol〜0.01mol含有させることにより,圧電磁器組成物のみかけ密度及び開気孔率を向上させることができる。
また,一般に,開気孔率が大きいと空孔率が大きくなる。そのため,本発明のように,添加物を添加することにより,開気孔率を小さくすることができたということは,空孔率も小さくなっているといえる。

Claims (10)

  1. 一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物であって,
    該圧電磁器組成物は,Ag,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として含有してなり,
    上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.0005mol〜0.15molであり,
    かつ,開気孔率が0.4Vol%以下であることを特徴とする圧電磁器組成物。
  2. 請求項1において,上記圧電磁器組成物のみかけ密度は,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物のみかけ密度よりも,大きいことを特徴とする圧電磁器組成物。
  3. 請求項1又は2において,上記圧電磁器組成物の空孔率或いは開気孔率の少なくとも一方は,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の空孔率或いは開気孔率よりも,小さいことを特徴とする圧電磁器組成物。
  4. 一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物と,Ag,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか一種以上の金属元素を含む添加物とを混合し,焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
  5. Liを含有する化合物と,Naを含有する化合物と,Kを含有する化合物と,Nbを含有する化合物と,Taを含有する化合物と,Sbを含有する化合物とを,焼成後に一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物となるような化学量論比にて,又は下記の添加物に含有される金属元素による置換を考慮した化学量論比にて混合し,さらにAg,Al,Au,B,Ba,Bi,Ca,Ce,Co,Cs,Cu,Dy,Er,Eu,Fe,Ga,Gd,Ge,Hf,Ho,In,Ir,La,Lu,Mg,Mn,Nd,Ni,Pd,Pr,Pt,Rb,Re,Ru,Sc,Si,Sm,Sn,Sr,Tb,Ti,Tm,V,Y,Yb,Zn,Zrから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を含む添加物を混合し,焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
  6. 請求項5において,上記Liを含有する化合物はLi2CO3,上記Naを含有する化合物はNa2CO3,上記Kを含有する化合物はK2CO3,Nbを含有する化合物はNb25,上記Taを含有する化合物はTa25,上記Sbを含有する化合物はSb25又はSb23,上記添加物はAg2O,Al23,Au,Au23,B23,H3BO3,BaO,BaO2,BaCO3,Bi23,CaO,CaCO3,CeO2,Ce2(CO33,CoO,Co34,CoCO3,Cs2CO3,CuO,Cu2O,Dy23,Er23,Eu23,Fe23,Ga23,Gd23,GeO2,HfO2,Ho23,In23,IrO2,Ir23,La23,Lu23,MgO,MgC24,MnO,MnO2,Mn23,Mn34,Nd23,Nd2CO3,NiO,NiCO3,PdO,Pr23,Pr611,Pr2(CO33,PtO2,Rb2O,Rb2CO3,Re27,RuO2,Sc23,SiO2,SiO,SiC,Sm23,SnO,SnO2,SrO,SrCO3,Tb47,TiO,Ti23,TiO2,Tm23,V23,V24,V25,Y23,Y2(CO33,Yb23,ZnO,ZrO2から選ばれるいずれか1種以上であることを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電磁器組成物よりなる圧電体を有することを特徴とする圧電素子。
  8. 請求項4〜6のいずれか一項に記載の製造方法により製造された圧電磁器組成物よりなる圧電体を有することを特徴とする圧電素子。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電磁器組成物よりなる誘電体を有することを特徴とする誘電素子。
  10. 請求項4〜6のいずれか一項に記載の製造方法により製造された圧電磁器組成物よりなる誘電体を有することを特徴とする誘電素子。
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