JP3404212B2 - 圧電磁器組成物 - Google Patents
圧電磁器組成物Info
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- JP3404212B2 JP3404212B2 JP7785396A JP7785396A JP3404212B2 JP 3404212 B2 JP3404212 B2 JP 3404212B2 JP 7785396 A JP7785396 A JP 7785396A JP 7785396 A JP7785396 A JP 7785396A JP 3404212 B2 JP3404212 B2 JP 3404212B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電磁器組成物に
関わり、例えばセラミックフィルタ、セラミックレゾネ
ータ、超音波応用振動子、圧電ブザー、圧電点火ユニッ
ト、超音波モータ、圧電ファン、圧電アクチュエータお
よび加速度センサ、ノッキングセンサ、AEセンサ等の圧
電センサ等に適する圧電磁器組成物に関する。 【０００２】 【従来技術】圧電磁器組成物を利用した製品としては、
例えばセラミックフィルタ、セラミックレゾネータ、超
音波応用振動子、圧電ブザー、圧電点火ユニット、超音
波モータ、圧電ファン、圧電アクチュエータ等がある。 【０００３】ここでセラミックフィルタ、セラミックレ
ゾネータ等の素子としてはＰｂＺｒＯ3 −ＰｂＴｉＯ3
を主成分とした圧電磁器組成物が利用されており、これ
にＮｂ2 Ｏ5 やＭｎＯ2 等の金属酸化物、Ｐｂ（Ｎｂ
2/3 Ｍｇ1/3 ）Ｏ3 やＰｂ（Ｎｂ2/3 Ｍｎ1/3 ）Ｏ3 等
の複合ペロブスカイト酸化物を添加したり、置換するこ
とにより圧電特性の向上が図られている。このような圧
電磁器組成物としては、電気機械結合係数Ｋｐが大きい
圧電性に優れた材料として、例えば、Ｐｂ（Ｎｂ2/3 Ｃ
ｏ1/3 ）Ｏ3 −ＰｂＺｒＯ3 −ＰｂＴｉＯ3 系の磁器組
成物が開示されている。 【０００４】ところで、近年においては、携帯電話のデ
ジタル通信方式のサービス開始に伴い、セラミックフィ
ルタに組み込まれる圧電素子は大きい電気機械結合係数
Ｋｐを有しながらも、ビットエラーを回避するために機
械的品質係数Ｑｍの低いものが要求されている。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記Ｐ
ｂ（Ｎｂ2/3 Ｃｏ1/3 ）Ｏ3 −ＰｂＺｒＯ3 −ＰｂＴｉ
Ｏ3 系の圧電磁器組成物は、機械的品質係数Ｑｍが２５
０〜２３５０程度と大きいため、フラットな群遅延特性
が要求される携帯電話などのフィルタ部品に用いた場
合、ビットエラーが起こりやすく実用上問題であった。 【０００６】また、上記圧電磁器組成物では、共振周波
数の温度係数Ｔ．Ｃ．ｆｒの絶対値が５０ｐｐｍ／℃以
上と大きいため、環境変化の激しい車両搭載用通信装置
などのフィルタ等に用いた場合、素子の特性変化によっ
て安定した送受信ができなくなるという問題があった。 【０００７】本発明の圧電磁器組成物は、高い電気機械
結合係数Ｋｐを示すとともに、機械的品質係数Ｑｍが小
さく、かつ共振周波数の温度特性が良好な圧電磁器組成
物を提供することを目的とする。 【０００８】 【課題を解決するための手段】本発明者は、Ｐｂ，Ｚ
ｒ，Ｔｉ，Ｎｂ，Ｃｏを含む複合ペロブスカイト型化合
物であって、Ｎｂを過剰に含有する一定の組成の圧電磁
器組成物は、共振周波数の温度特性に優れ、高い電気機
械結合係数Ｋｐおよび低い機械的品質係数Ｑｍを有する
ことを知見し、本発明に至った。 【０００９】即ち、本発明の圧電磁器組成物は、金属成
分として少なくともＰｂ，Ｚｒ，Ｔｉ，Ｎｂ，Ｃｏを含
む複合ペロブスカイト型化合物であって、その組成式を
Ｐｂa［（Ｎｂ2/3Ｃｏ1/3）1-bＮｂb］c（ＴｉdＺ
ｒ1-d）1-cＯ3と表わした時、前記ａ，ｂ，ｃ，ｄの値
が０．９７≦ａ≦１．０３、０．０３≦ｂ≦０．１２、
０．０３≦ｃ≦０．１２、０．４８≦ｄ≦０．５５を満
足するとともに、Ｐｂの一部がＮｄ，Ｇｄ，Ｌａ，Ｐ
ｒ，Ｓｍのうち少なくとも一種で０．１２モル以下置換
されていることを特徴とする。 【００１０】 【作用】本発明の圧電磁器組成物では、ＰｂＺｒＯ3−
ＰｂＴｉＯ3系の磁器組成物のＺｒおよびＴｉの一部を
Ｎｂ，Ｃｏで置換し、かつＮｂを過剰に含有させること
により、共振周波数の温度特性に優れ、高い電気機械結
合係数Ｋｐおよび低い機械的品質係数Ｑｍを有すること
が可能となる。また、Ｐｂの一部をＮｄ，Ｇｄ，Ｌａ，
Ｐｒ，Ｓｍのうち少なくとも一種で０．１２モル以下置
換することにより、共振周波数の温度特性を更に優れた
ものにすることが可能となる。 【００１１】 【発明の実施の形態】本発明の圧電磁器組成物は、組成
式をＰｂa ［（Ｎｂ2/3 Ｃｏ1/3 ）1-b Ｎｂb ］c （Ｔ
ｉd Ｚｒ1-d ）1-c Ｏ3 と表わした時、ａ，ｂ，ｃ，ｄ
の値が、０．９７≦ａ≦１．０３、０．０３≦ｂ≦０．
１２、０．０３≦ｃ≦０．１２、０．４８≦ｄ≦０．５
５を満足するものである。 【００１２】ここで、上記組成式においてａ，ｂ，ｃ，
ｄを上記のように設定した理由について説明する。Ｐｂ
量ａを０．９７≦ａ≦１．０３としたのは、ａが０．９
７未満の場合や１．０３よりも大きい場合には、電気機
械結合係数Ｋｐが低下するからである。Ｐｂ量ａは、電
気機械結合係数Ｋｐを向上するという点から０．９８≦
ａ≦１．０１であることが特に望ましい。 【００１３】また、Ｎｂを過剰に含有させたのは、Ｎｂ
量を調整することにより機械的品質係数Ｑｍを低下させ
ると同時に、共振周波数の温度特性を調整することがで
きるからである。そして、Ｎｂ量ｂを０．０３≦ｂ≦
０．１２としたのは、ｂが０．０３より少ない場合に
は、機械的品質係数Ｑｍが大きくなりフィルタ特性の群
遅延特性が悪くなり、ｂが０．１２より多い場合には、
共振周波数の温度特性が悪くなるからである。Ｎｂ量ｂ
は、機械的品質係数Ｑｍを低下させ、共振周波数の温度
特性を良好にするという観点から、０．０６≦ｂ≦０．
１０であることが特に望ましい。 【００１４】さらに、［（Ｎｂ2/3 Ｃｏ1/3 ）1-b Ｎｂ
b ］の（Ｔｉd Ｚｒ1-d ）への置換量ｃを０．０３≦ｃ
≦０．１２としたのは、ｃが０．０３未満である場合に
は共振周波数の温度特性が悪くなり、またｃが０．１２
より大きい場合には電気機械結合係数Ｋｐが急激に低下
するからである。［（Ｎｂ2/3 Ｃｏ1/3 ）1-b Ｎｂb］
量ｃは、共振周波数の温度特性を向上し、電気機械結合
係数Ｋｐを向上するという観点から、０．０５≦ｃ≦
０．０７であることが特に望ましい。 【００１５】ＴｉのＺｒへの置換量ｄを０．４８≦ｄ≦
０．５５としたのは、Ｔｉ量ｄが０．４８未満および
０．５５より大きい場合、電気機械結合係数Ｋｐが小さ
くなりすぎるからである。Ｔｉ量ｄは、電気機械結合係
数Ｋｐを向上するという観点から０．５０≦ｄ≦０．５
２であることが特に望ましい。 【００１６】また、Ｐｂの一部をＮｄ，Ｇｄ，Ｌａ，Ｐ
ｒ，Ｓｍのうち少なくとも一種で０．１２モル以下で置
換したのは、Ｎｂ量ｂの調整とＰｂの一部をＮｄ，Ｇｄ
等で置換することを組み合わせることで、共振周波数の
温度特性を更に良好にすることができるからである。こ
こでＮｄ，Ｇｄ等で０．１２モル以下置換したのは、Ｎ
ｄ，Ｇｄ等で０．１２モルよりも多く置換すると電気機
械結合係数Ｋｐが低下し易いからである。 【００１７】そして、本発明の圧電磁器は、例えば、原
料としてＰｂＯ、ＺｒＯ2 、ＴｉＯ2 、Ｎｂ2 Ｏ5 、Ｃ
ｏＯの各原料粉末を所定量秤量し、ボールミル等で１０
〜２４時間湿式混合し、次いで、この混合物を脱水、乾
燥した後、５００〜１１００℃で１〜３時間仮焼し、当
該仮焼物を再びボールミル等で粉砕する。 【００１８】その後、この粉砕物に有機バインダーを混
合し、造粒後、所定圧力で成形体を作成し、これらを大
気中において１２００〜１３５０℃で０．５〜１０時間
焼成することにより得られる。 【００１９】本発明においては、耐熱性の向上という観
点から、ＭｎＯ2 Ｃｒ2 Ｏ3 を添加しても良い。また、
Ａｌ，Ｆｅ，Ｓ，Ｓｉ，Ｃｌ，Ｅｕ，Ｙ，Ｔｂ，Ｋ，
Ｐ，Ｃｕ，Ｍｇ等が不可避不純物として混入する場合も
あるが、特性上問題ない。 【００２０】さらに、本発明においては、Ｐｂa ［（Ｎ
ｂ2/3 Ｃｏ1/3 ）1-b Ｎｂb ］c （Ｔｉd Ｚｒ1-d ）
1-c Ｏ3 で表されるペロブスカイト型結晶を主結晶相と
するもので、他の結晶としてパイロクロアが少々存在し
ていてもよい。 【００２１】 【実施例】原料粉末としてＰｂＯ、ＺｒＯ2 、Ｔｉ
Ｏ2 、Ｎｂ2 Ｏ5 、ＣｏＯ、ＣａＣＯ3 、ＳｒＣＯ3 、
ＢａＣＯ3 、Ｎｄ2 Ｏ3 、Ｇｄ2 Ｏ3 、Ｌａ2 Ｏ3 、Ｐ
ｒ2 Ｏ3 、Ｓｍ2 Ｏ3 の各原料粉末を表１および表２の
組成となるように所定量秤量し、ＺｒＯ2 ボールを用い
たボールミルで１２時間湿式混合し、次いで、この混合
物を脱水、乾燥した後、大気中９００℃で３時間仮焼
し、当該仮焼物を再びボールミルで粉砕する。 【００２２】その後、この粉砕物に有機バインダー（Ｐ
ＶＡ）を混合し、造粒した。得られた粉末を１．５ｔ／
ｃｍ2 の圧力で直径２３ｍｍ、厚さ２ｍｍの寸法からな
る円板にプレス成形した。更に、これらの成形体をＭｇ
Ｏ等からなる容器内に密閉し、大気中１３００℃で２時
間の条件で焼成した。 【００２３】得られた焼結体を研磨して直径約２０ｍ
ｍ、厚み０．５ｍｍの円板状に形成した。この円板の両
主面にＡｇペーストを焼き付けることにより電極を形成
し、８０℃のシリコンオイル中で３ｋＶ／ｍｍの直流電
圧を３０分間印加して分極処理した後、電気機械結合係
数Ｋｐ、機械的品質係数Ｑｍ、共振周波数の温度係数
Ｔ．Ｃ．ｆｒを評価した。 【００２４】電気機械結合係数Ｋｐ、機械的品質係数Ｑ
ｍは、インピーダンスアナライザーで測定した、共振周
波数Ｆｒ、***振周波数Ｆａ、電気容量Ｃ、共振抵抗Ｒ
ｏの値から次の計算式により求めた。 【００２５】 Ｋｐ＝〔２．５３×（Ｆａ−Ｆｒ）／Ｆｒ〕1/2 Ｑｍ＝Ｆａ2 ／〔２πＦｒＲｏＣ（Ｆａ2 −Ｆｒ2 ）〕 共振周波数の温度係数Ｔ．Ｃ．ｆｒ（ｐｐｍ／℃）は、
Ｔ．Ｃ．ｆｒ＝（Ｆｒ80−Ｆｒ-20 ）／（Ｆｒ20×１０
０）×１０6 （ここで、Ｆｒ80，Ｆｒ-20 ，Ｆｒ20それ
ぞれ＋８０℃、−２０℃、＋２０℃での共振周波数の値
を示す）の式を用いて算出した。これらの結果を表１お
よび表２に示す。 【００２６】 【表１】【００２７】 【表２】 【００２８】これらの表１および表２から、本発明の圧
電磁器組成物は、電気機械結合係数Ｋｐが５０％以上と
大きく、機械的品質係数Ｑｍが２００以下と小さく、し
かも共振周波数の温度係数Ｔ．Ｃ．ｆｒの絶対値が５０
ｐｐｍ／℃以内と小さいことが判る。 【００２９】また、Ｐｂの一部をＮｄ，Ｇｄ，Ｌａ，Ｐ
ｒ，Ｓｍのうち少なくとも一種で置換することにより、
共振周波数の温度係数Ｔ．Ｃ．ｆｒの絶対値がさらに小
さくなることが判る。 【００３０】 【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、
ＰｂＺｒＯ3−ＰｂＴｉＯ3系の磁器組成物のＺｒおよび
Ｔｉの一部をＮｂ，Ｃｏで置換し、Ｎｂを過剰に含有せ
しめることにより、共振周波数の温度特性に優れ、高い
電気機械結合係数Ｋｐおよび低い機械的品質係数Ｑｍを
有する圧電磁器組成物を得ることができる。また、Ｐｂ
の一部をＮｄ，Ｇｄ，Ｌａ，Ｐｒ，Ｓｍのうち少なくと
も一種で置換することにより、共振周波数の温度特性を
更に向上することができ、携帯電話など通信機用圧電部
品として好適に用いられる圧電磁器組成物を提供するこ
とができる。
関わり、例えばセラミックフィルタ、セラミックレゾネ
ータ、超音波応用振動子、圧電ブザー、圧電点火ユニッ
ト、超音波モータ、圧電ファン、圧電アクチュエータお
よび加速度センサ、ノッキングセンサ、AEセンサ等の圧
電センサ等に適する圧電磁器組成物に関する。 【０００２】 【従来技術】圧電磁器組成物を利用した製品としては、
例えばセラミックフィルタ、セラミックレゾネータ、超
音波応用振動子、圧電ブザー、圧電点火ユニット、超音
波モータ、圧電ファン、圧電アクチュエータ等がある。 【０００３】ここでセラミックフィルタ、セラミックレ
ゾネータ等の素子としてはＰｂＺｒＯ3 −ＰｂＴｉＯ3
を主成分とした圧電磁器組成物が利用されており、これ
にＮｂ2 Ｏ5 やＭｎＯ2 等の金属酸化物、Ｐｂ（Ｎｂ
2/3 Ｍｇ1/3 ）Ｏ3 やＰｂ（Ｎｂ2/3 Ｍｎ1/3 ）Ｏ3 等
の複合ペロブスカイト酸化物を添加したり、置換するこ
とにより圧電特性の向上が図られている。このような圧
電磁器組成物としては、電気機械結合係数Ｋｐが大きい
圧電性に優れた材料として、例えば、Ｐｂ（Ｎｂ2/3 Ｃ
ｏ1/3 ）Ｏ3 −ＰｂＺｒＯ3 −ＰｂＴｉＯ3 系の磁器組
成物が開示されている。 【０００４】ところで、近年においては、携帯電話のデ
ジタル通信方式のサービス開始に伴い、セラミックフィ
ルタに組み込まれる圧電素子は大きい電気機械結合係数
Ｋｐを有しながらも、ビットエラーを回避するために機
械的品質係数Ｑｍの低いものが要求されている。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記Ｐ
ｂ（Ｎｂ2/3 Ｃｏ1/3 ）Ｏ3 −ＰｂＺｒＯ3 −ＰｂＴｉ
Ｏ3 系の圧電磁器組成物は、機械的品質係数Ｑｍが２５
０〜２３５０程度と大きいため、フラットな群遅延特性
が要求される携帯電話などのフィルタ部品に用いた場
合、ビットエラーが起こりやすく実用上問題であった。 【０００６】また、上記圧電磁器組成物では、共振周波
数の温度係数Ｔ．Ｃ．ｆｒの絶対値が５０ｐｐｍ／℃以
上と大きいため、環境変化の激しい車両搭載用通信装置
などのフィルタ等に用いた場合、素子の特性変化によっ
て安定した送受信ができなくなるという問題があった。 【０００７】本発明の圧電磁器組成物は、高い電気機械
結合係数Ｋｐを示すとともに、機械的品質係数Ｑｍが小
さく、かつ共振周波数の温度特性が良好な圧電磁器組成
物を提供することを目的とする。 【０００８】 【課題を解決するための手段】本発明者は、Ｐｂ，Ｚ
ｒ，Ｔｉ，Ｎｂ，Ｃｏを含む複合ペロブスカイト型化合
物であって、Ｎｂを過剰に含有する一定の組成の圧電磁
器組成物は、共振周波数の温度特性に優れ、高い電気機
械結合係数Ｋｐおよび低い機械的品質係数Ｑｍを有する
ことを知見し、本発明に至った。 【０００９】即ち、本発明の圧電磁器組成物は、金属成
分として少なくともＰｂ，Ｚｒ，Ｔｉ，Ｎｂ，Ｃｏを含
む複合ペロブスカイト型化合物であって、その組成式を
Ｐｂa［（Ｎｂ2/3Ｃｏ1/3）1-bＮｂb］c（ＴｉdＺ
ｒ1-d）1-cＯ3と表わした時、前記ａ，ｂ，ｃ，ｄの値
が０．９７≦ａ≦１．０３、０．０３≦ｂ≦０．１２、
０．０３≦ｃ≦０．１２、０．４８≦ｄ≦０．５５を満
足するとともに、Ｐｂの一部がＮｄ，Ｇｄ，Ｌａ，Ｐ
ｒ，Ｓｍのうち少なくとも一種で０．１２モル以下置換
されていることを特徴とする。 【００１０】 【作用】本発明の圧電磁器組成物では、ＰｂＺｒＯ3−
ＰｂＴｉＯ3系の磁器組成物のＺｒおよびＴｉの一部を
Ｎｂ，Ｃｏで置換し、かつＮｂを過剰に含有させること
により、共振周波数の温度特性に優れ、高い電気機械結
合係数Ｋｐおよび低い機械的品質係数Ｑｍを有すること
が可能となる。また、Ｐｂの一部をＮｄ，Ｇｄ，Ｌａ，
Ｐｒ，Ｓｍのうち少なくとも一種で０．１２モル以下置
換することにより、共振周波数の温度特性を更に優れた
ものにすることが可能となる。 【００１１】 【発明の実施の形態】本発明の圧電磁器組成物は、組成
式をＰｂa ［（Ｎｂ2/3 Ｃｏ1/3 ）1-b Ｎｂb ］c （Ｔ
ｉd Ｚｒ1-d ）1-c Ｏ3 と表わした時、ａ，ｂ，ｃ，ｄ
の値が、０．９７≦ａ≦１．０３、０．０３≦ｂ≦０．
１２、０．０３≦ｃ≦０．１２、０．４８≦ｄ≦０．５
５を満足するものである。 【００１２】ここで、上記組成式においてａ，ｂ，ｃ，
ｄを上記のように設定した理由について説明する。Ｐｂ
量ａを０．９７≦ａ≦１．０３としたのは、ａが０．９
７未満の場合や１．０３よりも大きい場合には、電気機
械結合係数Ｋｐが低下するからである。Ｐｂ量ａは、電
気機械結合係数Ｋｐを向上するという点から０．９８≦
ａ≦１．０１であることが特に望ましい。 【００１３】また、Ｎｂを過剰に含有させたのは、Ｎｂ
量を調整することにより機械的品質係数Ｑｍを低下させ
ると同時に、共振周波数の温度特性を調整することがで
きるからである。そして、Ｎｂ量ｂを０．０３≦ｂ≦
０．１２としたのは、ｂが０．０３より少ない場合に
は、機械的品質係数Ｑｍが大きくなりフィルタ特性の群
遅延特性が悪くなり、ｂが０．１２より多い場合には、
共振周波数の温度特性が悪くなるからである。Ｎｂ量ｂ
は、機械的品質係数Ｑｍを低下させ、共振周波数の温度
特性を良好にするという観点から、０．０６≦ｂ≦０．
１０であることが特に望ましい。 【００１４】さらに、［（Ｎｂ2/3 Ｃｏ1/3 ）1-b Ｎｂ
b ］の（Ｔｉd Ｚｒ1-d ）への置換量ｃを０．０３≦ｃ
≦０．１２としたのは、ｃが０．０３未満である場合に
は共振周波数の温度特性が悪くなり、またｃが０．１２
より大きい場合には電気機械結合係数Ｋｐが急激に低下
するからである。［（Ｎｂ2/3 Ｃｏ1/3 ）1-b Ｎｂb］
量ｃは、共振周波数の温度特性を向上し、電気機械結合
係数Ｋｐを向上するという観点から、０．０５≦ｃ≦
０．０７であることが特に望ましい。 【００１５】ＴｉのＺｒへの置換量ｄを０．４８≦ｄ≦
０．５５としたのは、Ｔｉ量ｄが０．４８未満および
０．５５より大きい場合、電気機械結合係数Ｋｐが小さ
くなりすぎるからである。Ｔｉ量ｄは、電気機械結合係
数Ｋｐを向上するという観点から０．５０≦ｄ≦０．５
２であることが特に望ましい。 【００１６】また、Ｐｂの一部をＮｄ，Ｇｄ，Ｌａ，Ｐ
ｒ，Ｓｍのうち少なくとも一種で０．１２モル以下で置
換したのは、Ｎｂ量ｂの調整とＰｂの一部をＮｄ，Ｇｄ
等で置換することを組み合わせることで、共振周波数の
温度特性を更に良好にすることができるからである。こ
こでＮｄ，Ｇｄ等で０．１２モル以下置換したのは、Ｎ
ｄ，Ｇｄ等で０．１２モルよりも多く置換すると電気機
械結合係数Ｋｐが低下し易いからである。 【００１７】そして、本発明の圧電磁器は、例えば、原
料としてＰｂＯ、ＺｒＯ2 、ＴｉＯ2 、Ｎｂ2 Ｏ5 、Ｃ
ｏＯの各原料粉末を所定量秤量し、ボールミル等で１０
〜２４時間湿式混合し、次いで、この混合物を脱水、乾
燥した後、５００〜１１００℃で１〜３時間仮焼し、当
該仮焼物を再びボールミル等で粉砕する。 【００１８】その後、この粉砕物に有機バインダーを混
合し、造粒後、所定圧力で成形体を作成し、これらを大
気中において１２００〜１３５０℃で０．５〜１０時間
焼成することにより得られる。 【００１９】本発明においては、耐熱性の向上という観
点から、ＭｎＯ2 Ｃｒ2 Ｏ3 を添加しても良い。また、
Ａｌ，Ｆｅ，Ｓ，Ｓｉ，Ｃｌ，Ｅｕ，Ｙ，Ｔｂ，Ｋ，
Ｐ，Ｃｕ，Ｍｇ等が不可避不純物として混入する場合も
あるが、特性上問題ない。 【００２０】さらに、本発明においては、Ｐｂa ［（Ｎ
ｂ2/3 Ｃｏ1/3 ）1-b Ｎｂb ］c （Ｔｉd Ｚｒ1-d ）
1-c Ｏ3 で表されるペロブスカイト型結晶を主結晶相と
するもので、他の結晶としてパイロクロアが少々存在し
ていてもよい。 【００２１】 【実施例】原料粉末としてＰｂＯ、ＺｒＯ2 、Ｔｉ
Ｏ2 、Ｎｂ2 Ｏ5 、ＣｏＯ、ＣａＣＯ3 、ＳｒＣＯ3 、
ＢａＣＯ3 、Ｎｄ2 Ｏ3 、Ｇｄ2 Ｏ3 、Ｌａ2 Ｏ3 、Ｐ
ｒ2 Ｏ3 、Ｓｍ2 Ｏ3 の各原料粉末を表１および表２の
組成となるように所定量秤量し、ＺｒＯ2 ボールを用い
たボールミルで１２時間湿式混合し、次いで、この混合
物を脱水、乾燥した後、大気中９００℃で３時間仮焼
し、当該仮焼物を再びボールミルで粉砕する。 【００２２】その後、この粉砕物に有機バインダー（Ｐ
ＶＡ）を混合し、造粒した。得られた粉末を１．５ｔ／
ｃｍ2 の圧力で直径２３ｍｍ、厚さ２ｍｍの寸法からな
る円板にプレス成形した。更に、これらの成形体をＭｇ
Ｏ等からなる容器内に密閉し、大気中１３００℃で２時
間の条件で焼成した。 【００２３】得られた焼結体を研磨して直径約２０ｍ
ｍ、厚み０．５ｍｍの円板状に形成した。この円板の両
主面にＡｇペーストを焼き付けることにより電極を形成
し、８０℃のシリコンオイル中で３ｋＶ／ｍｍの直流電
圧を３０分間印加して分極処理した後、電気機械結合係
数Ｋｐ、機械的品質係数Ｑｍ、共振周波数の温度係数
Ｔ．Ｃ．ｆｒを評価した。 【００２４】電気機械結合係数Ｋｐ、機械的品質係数Ｑ
ｍは、インピーダンスアナライザーで測定した、共振周
波数Ｆｒ、***振周波数Ｆａ、電気容量Ｃ、共振抵抗Ｒ
ｏの値から次の計算式により求めた。 【００２５】 Ｋｐ＝〔２．５３×（Ｆａ−Ｆｒ）／Ｆｒ〕1/2 Ｑｍ＝Ｆａ2 ／〔２πＦｒＲｏＣ（Ｆａ2 −Ｆｒ2 ）〕 共振周波数の温度係数Ｔ．Ｃ．ｆｒ（ｐｐｍ／℃）は、
Ｔ．Ｃ．ｆｒ＝（Ｆｒ80−Ｆｒ-20 ）／（Ｆｒ20×１０
０）×１０6 （ここで、Ｆｒ80，Ｆｒ-20 ，Ｆｒ20それ
ぞれ＋８０℃、−２０℃、＋２０℃での共振周波数の値
を示す）の式を用いて算出した。これらの結果を表１お
よび表２に示す。 【００２６】 【表１】【００２７】 【表２】 【００２８】これらの表１および表２から、本発明の圧
電磁器組成物は、電気機械結合係数Ｋｐが５０％以上と
大きく、機械的品質係数Ｑｍが２００以下と小さく、し
かも共振周波数の温度係数Ｔ．Ｃ．ｆｒの絶対値が５０
ｐｐｍ／℃以内と小さいことが判る。 【００２９】また、Ｐｂの一部をＮｄ，Ｇｄ，Ｌａ，Ｐ
ｒ，Ｓｍのうち少なくとも一種で置換することにより、
共振周波数の温度係数Ｔ．Ｃ．ｆｒの絶対値がさらに小
さくなることが判る。 【００３０】 【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、
ＰｂＺｒＯ3−ＰｂＴｉＯ3系の磁器組成物のＺｒおよび
Ｔｉの一部をＮｂ，Ｃｏで置換し、Ｎｂを過剰に含有せ
しめることにより、共振周波数の温度特性に優れ、高い
電気機械結合係数Ｋｐおよび低い機械的品質係数Ｑｍを
有する圧電磁器組成物を得ることができる。また、Ｐｂ
の一部をＮｄ，Ｇｄ，Ｌａ，Ｐｒ，Ｓｍのうち少なくと
も一種で置換することにより、共振周波数の温度特性を
更に向上することができ、携帯電話など通信機用圧電部
品として好適に用いられる圧電磁器組成物を提供するこ
とができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
C04B 35/42 - 35/50
ＣＡ（ＳＴＮ)
ＲＥＧＩＳＴＲＹ（ＳＴＮ)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】金属成分として少なくともＰｂ，Ｚｒ，Ｔ
ｉ，Ｎｂ，Ｃｏを含む複合ペロブスカイト型化合物であ
って、その組成式を Ｐｂa［（Ｎｂ2/3Ｃｏ1/3）1-bＮｂb］c（ＴｉdＺｒ1-d）1-cＯ3 と表わした時、前記ａ，ｂ，ｃ，ｄの値が ０．９７≦ａ≦１．０３ ０．０３≦ｂ≦０．１２ ０．０３≦ｃ≦０．１２ ０．４８≦ｄ≦０．５５ を満足するとともに、Ｐｂの一部がＮｄ，Ｇｄ，Ｌａ，
Ｐｒ，Ｓｍのうち少なくとも一種で０．１２モル以下置
換されていることを特徴とする圧電磁器組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7785396A JP3404212B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 圧電磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7785396A JP3404212B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 圧電磁器組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09268056A JPH09268056A (ja) | 1997-10-14 |
| JP3404212B2 true JP3404212B2 (ja) | 2003-05-06 |
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ID=13645628
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7785396A Expired - Fee Related JP3404212B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 圧電磁器組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3404212B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100944888B1 (ko) * | 2007-10-18 | 2010-03-03 | 티디케이가부시기가이샤 | 압전 자기 조성물 및 발진자 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5115356B2 (ja) * | 2008-06-23 | 2013-01-09 | Ｔｄｋ株式会社 | 圧電磁器、及び圧電素子 |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP7785396A patent/JP3404212B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100944888B1 (ko) * | 2007-10-18 | 2010-03-03 | 티디케이가부시기가이샤 | 압전 자기 조성물 및 발진자 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09268056A (ja) | 1997-10-14 |
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