JP2004242542A - 魚釣用リール - Google Patents
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Abstract
【課題】リール本体内のスペースを有効活用して、簡素な構成で安定した釣糸案内体への過負荷作動防止機能を有するレベルワインド機構を備えた魚釣用リールを提供する。
【解決手段】本発明の魚釣用リールは、リール本体1の側板3a,3b間に回転自在に支持したスプール6の前方側における側板間に、ハンドル回転に連動して左右に往復動しスプール6に釣糸を平行に巻回する釣糸案内体21を支持したレベルワインド機構20を備えている。そして、ハンドル回転に連動する歯車30と、レベルワインド機構20を駆動する駆動側へのウォームシャフト23との嵌合部分にスプリング材35を介在し、歯車30とウォームシャフト23とをスプリング材35の弾圧力によって周方向に回転可能に摩擦結合したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の魚釣用リールは、リール本体1の側板3a,3b間に回転自在に支持したスプール6の前方側における側板間に、ハンドル回転に連動して左右に往復動しスプール6に釣糸を平行に巻回する釣糸案内体21を支持したレベルワインド機構20を備えている。そして、ハンドル回転に連動する歯車30と、レベルワインド機構20を駆動する駆動側へのウォームシャフト23との嵌合部分にスプリング材35を介在し、歯車30とウォームシャフト23とをスプリング材35の弾圧力によって周方向に回転可能に摩擦結合したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リール本体の側板間に回転自在に支持されたスプールに釣糸を平行に巻回するレベルワインド機構を設けた魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、上記した構成の魚釣用リールのスプール前方の側板間には、釣糸案内孔を具備し、ハンドルの回転操作に連動して左右に往復動する釣糸案内体が設けられている。このような魚釣用リールでは、実釣時において、咄嗟の巻取り操作時に誤ってリールを保持している手の指を、左右に往復動する釣糸案内体に接触してしまってリール本体との間で指を挟んで負傷してしまったり、或いは、物が挟まった状態でハンドルによる巻取り操作を行なって釣糸案内体を左右に往復動するための係合ピンを変形、破損等して、レベルワインド機構が正常に作動しなくなってしまうことがある。
【0003】
そこで、釣糸案内体の係合ピンが係合するウォームシャフトの端部に設けられハンドルの回転に連動する歯車を、摩擦制動板を介してウォームシャフトに摩擦結合するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような構成によれば、レベルワインド機構に過負荷が生じた場合、歯車が滑ってハンドル回転力の釣糸案内体への動力伝達が解除されるため、上記したような不都合が発生しないようになっている。
【0004】
【特許文献1】
実開平7−13162号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した構成では、ウォームシャフトと歯車との間に摩擦板を介在して動力伝達制御するため、歯車に摩擦板を収容するためのスペースが径方向及び軸方向に必要となってしまい、リール本体が大型化したり、リール本体内のスペース上の制約が生じて設計の自由度がなくなってしまう。
【0006】
また、部品点数が多く構成が複雑化して、組み込み時の作業性が悪いと共にコスト高になってしまい、さらには、構成の複雑化により、寸法バラツキが生じ易く、安定した摩擦伝達トルクが得られ難くなってしまう。
【0007】
この発明は、上述した問題点に着目してなされたものであり、リール本体内のスペースを有効活用して、簡素な構成で安定した釣糸案内体への過負荷作動防止機能を有するレベルワインド機構を備えた魚釣用リールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の魚釣用リールは、リール本体の側板間に回転自在に支持したスプールの前方側における側板間に、ハンドル回転に連動して左右に往復動し前記スプールに釣糸を平行に巻回する釣糸案内体を支持したレベルワインド機構を備えており、ハンドル回転に連動する回転入力体と、前記レベルワインド機構を駆動する駆動側への回転出力体との嵌合部分にスプリング材を介在し、前記回転入力体と回転出力体とを前記スプリング材の弾圧力によって周方向に回転可能に摩擦結合したことを特徴とする。
【0009】
上記した構成によれば、回転入力体と回転出力体との嵌合部分に介在されたスプリング材は、両者の間で径方向に弾発して円周方向に摩擦力を発生させる。通常のハンドル回転による駆動力の伝達に伴う負荷は、摩擦力以下となっているものの、左右に往復動する釣糸案内体とリール本体との間で指や物を挟んでしまった場合等、駆動力負荷が摩擦力を超えたときには、両者の間で滑りが発生して、ハンドル回転による駆動力伝達がなされないよう構成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る魚釣用リールの実施形態について添付図面を参酌して具体的に説明する。
図1〜図6は、本発明の一実施形態を示しており、図1は、レベルワインド機構を組み込んだ魚釣用リールの内部構成を示す平面図、図2は、ウォームシャフトの端部に設けられる歯車部分の拡大図、図3は、図2のA−A線に沿った断面図、図4は、スプリング材の構成を示す一部断面側面図、図5は、図4のB−B線に沿った断面図、そして、図6は、スプリング材の斜視図である。
【0011】
魚釣用リール(両軸リール)のリール本体1は、左右フレーム2a,2bと、これら左右フレーム2a,2bに所定の空間をもって装着される左右側板3a,3bとを備えている。前記左右フレーム2a,2b(左右側板3a,3b)間には、スプール軸5が回転可能に支持されており、このスプール軸5には、釣糸が巻回されるスプール6が取り付けられている。
【0012】
右側板3b側には、ハンドル8を装着したハンドル軸9が回転可能に支持されている。このハンドル軸9には、巻取り駆動機構が連結されており、ハンドル8を回転操作することで、巻取り駆動機構を介してスプール6が回転駆動されるようになっている。なお、ハンドル軸9は、右側板との間に介在された一方向クラッチ10によって、釣糸巻取方向にのみ回転可能となっている。
【0013】
前記巻取り駆動機構は、ハンドル軸9にドラグ機構を介して回転可能に支持された駆動歯車12とこの駆動歯車12に噛合するピニオン13とを備えている。ピニオン13は、公知のクラッチ機構を介してスプール軸5と継脱されるように構成されており、クラッチON状態では、ハンドル8の回転駆動力を駆動歯車12及びピニオン13を介してスプールに伝達し、クラッチOFF状態では、駆動力伝達状態を解除してスプール6をフリー回転状態にするようになっている。なお、上記したクラッチ動作は、リール本体から突出した操作レバー(図示せず)を操作することで行なわれる。
【0014】
左右側板3a,3b間には、スプール6の前方に、レベルワインド機構20が設けられている。レベルワインド機構20は、スプール6の前方で左右に往復動すると共に、釣糸が挿通される挿通孔を具備した釣糸案内体21と、左右側板3a,3b間に支持され、外周にエンドレスカム溝23aが形成されたウォームシャフト(回転出力体)23とを有している。
【0015】
このウォームシャフト23は、左右フレーム間に固定され、軸方向に沿って貫通孔が形成されている円筒部材25内に回転可能に収容されており、この貫通孔を介して前記釣糸案内体21に保持された係合ピンがエンドレスカム溝23aと係合して、釣糸案内体21を左右に往復駆動するようになっている。また、前記釣糸案内体21は、往復駆動する際、ウォームシャフト23の回りでの回り止めが成されるように、左右フレーム間に支持された案内ピラー(図示せず)に支持されている。
【0016】
前記ウォームシャフト23の右側板側の端部には、前記駆動歯車12と一体回転可能に軸方向に連設された歯車12aと噛合する歯車(回転入力体)30が嵌合するように設けられている。この歯車30には、ハンドル8の巻取り操作による回転駆動力がハンドル軸9、駆動歯車12及び歯車12aを介して入力され、その回転駆動力は、後述するスプリング材を介してウォームシャフト23に出力されるようになっている。なお、歯車30の端部は、リテーナ31によってウォームシャフト23に対して抜け止めされている。
【0017】
前記ウォームシャフト23と歯車30との間の嵌合部分には、径方向に一定の隙間を持たせ、この隙間にスプリング材35が介在されている。このスプリング材35は、円筒形状をなした本体部36と、この本体部の外周面において、周方向に所定間隔おいて多数(12箇所)、突出形成された半円形状の弾発部36aとを備えており、前記本体部35がウォームシャフト23の端部に嵌合され、かつ各弾発部36aの先端が所定の弾発力をもって歯車30の内周に当て付いている。この場合、スプリング材35の軸方向の両側部では、歯車30の内周とウォームシャフト23の外周が隙間無く軸支されるようになっており、これにより両者の支持強度を向上させている。
【0018】
なお、上記した構成のスプリング材35は、例えば、ステンレス鋼等の材料をプレス成形することにより、一体的に形成することが可能である。また、スプリング材35は、両者の間に介在させるだけのため、その組み込み作業が容易に行なえる。
【0019】
このような構成のスプリング材35をウォームシャフト23と歯車30との間に介在しておくことで、両者の間で弾発部36aが径方向に弾発して円周方向に摩擦力が発生すると共に、歯車30は、その弾発力に伴う摩擦結合力により固定された状態となっている。この弾発力に伴う摩擦力は、通常のハンドルの巻取り回転時では、その駆動力の伝達がなされ、かつ左右に往復動する釣糸案内体21とリール本体1との間で指や物を挟んでしまった場合等では、ハンドル回転に滑りが発生して駆動力伝達がなされないように設定されている。
【0020】
また、上記した構成のスプリング材35の本体部36には、円筒状の壁部に軸方向に沿って切欠き36bを形成しておくことが好ましい。このような切欠きを形成しておくことで、周方向に大きな摩擦力が作用した場合のスプリング材の変形を逃がすことが可能となり、塑性変形を防止することが可能となる。
【0021】
上記した構成の魚釣用リールによれば、ハンドル8を巻取り操作することで、スプール6は、駆動歯車12及びピニオン13を介して回転駆動される。また、駆動歯車12の回転駆動力は、歯車12aを介して歯車30に伝達されると共にウォームシャフト23と歯車30との間に介在されたスプリング材35を介してウォームシャフト23に伝達される。そして、ウォームシャフト23が回転駆動されることにより、エンドレスカム溝23aに係合する係合ピンを介して、案内ピラーに支持されている釣糸案内体21は回り止めされた状態で左右往復駆動される。なお、左右に往復動する釣糸案内体21とリール本体1との間で指や物を挟んでしまった場合等、駆動力伝達負荷が摩擦結合力より勝ったときには滑りが発生してウォームシャフトを回転駆動しないため、過負荷が加わることは無く、指を負傷させたり、係合ピンを破損させる等のトラブルが回避される。
【0022】
そして、上記したようなウォームシャフトと歯車との間に介在されるスプリング材によれば、従来のように摩擦板を設ける必要が無いため、構成部材の形状、大きさに制約を生じること無く、リール本体内の限られたスペースを有効活用して、簡素な構成で安定した釣糸案内体への過負荷作動防止機能を有するレベルワインド機構が得られると共に、その組み込み作業も簡素化される。
【0023】
図7及び図8は、上記した実施形態の変形例を示す図であり、レベルワインド機構への駆動力の入力を、スプール軸5を介して左側板側から行なえるように構成したものである。
【0024】
スプール軸5の左側端部には、歯車40が回り止め固定されており、この歯車40には、歯車41が噛合されている。歯車41の中央部分は、左フレーム2aに回転可能に支持された歯車42に嵌合されており、この歯車42は、ウォームシャフト23の左端部に固定された歯車43と噛合されている。そして、上記した構成のスプリング材35が、ハンドルからの駆動力が入力される歯車(回転入力体)41と、レベルワインド機構を駆動すべくその駆動力を出力する歯車(回転出力体)42との間に介在されている。
【0025】
このように上記した構成のスプリング材は、ハンドル8の巻取り駆動力をレベルワインド機構20に伝達する伝達経路の適所にある回転入力体と回転出力体との間に介在することが可能である。もちろん、この変形例においても、ウォームシャフト23と歯車43との間にスプリング材を介在させても良い。
【0026】
また、上記したスプリング材は、回転入力体と回転出力体との間の嵌合部分に介在されて、両者の間で周方向に所定の摩擦力を与えるように構成されていればその形状については適宜変形することが可能である。例えば、回転入力体側に嵌合される円筒部と、回転出力体側に所定の弾発力をもって当て付く弾発部とを有するような構成であっても良い。
【0027】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、リール本体内のスペースを有効活用して、簡素な構成で安定した釣糸案内体への過負荷作動防止機能を有するレベルワインド機構を備えた魚釣用リールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示しており、レベルワインド機構を組み込んだ魚釣用リールの内部構成を示す平面図。
【図2】ウォームシャフトの端部に設けられる歯車部分の拡大図。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図。
【図4】スプリング材の構成を示す一部断面側面図。
【図5】図4のB−B線に沿った断面図。
【図6】スプリング材の斜視図。
【図7】本発明に係る魚釣用リールの変形例の内部構成を示す平面図。
【図8】図7に示す回転入力体と回転出力体部分の拡大図。
【符号の説明】
1 リール本体
3a,3b 左右側板
6 スプール
8 ハンドル
20 レベルワインド機構
21 釣糸案内体
23 ウォームシャフト(回転出力体)
30 歯車(回転入力体)
35 スプリング材
【発明の属する技術分野】
本発明は、リール本体の側板間に回転自在に支持されたスプールに釣糸を平行に巻回するレベルワインド機構を設けた魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、上記した構成の魚釣用リールのスプール前方の側板間には、釣糸案内孔を具備し、ハンドルの回転操作に連動して左右に往復動する釣糸案内体が設けられている。このような魚釣用リールでは、実釣時において、咄嗟の巻取り操作時に誤ってリールを保持している手の指を、左右に往復動する釣糸案内体に接触してしまってリール本体との間で指を挟んで負傷してしまったり、或いは、物が挟まった状態でハンドルによる巻取り操作を行なって釣糸案内体を左右に往復動するための係合ピンを変形、破損等して、レベルワインド機構が正常に作動しなくなってしまうことがある。
【0003】
そこで、釣糸案内体の係合ピンが係合するウォームシャフトの端部に設けられハンドルの回転に連動する歯車を、摩擦制動板を介してウォームシャフトに摩擦結合するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような構成によれば、レベルワインド機構に過負荷が生じた場合、歯車が滑ってハンドル回転力の釣糸案内体への動力伝達が解除されるため、上記したような不都合が発生しないようになっている。
【0004】
【特許文献1】
実開平7−13162号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した構成では、ウォームシャフトと歯車との間に摩擦板を介在して動力伝達制御するため、歯車に摩擦板を収容するためのスペースが径方向及び軸方向に必要となってしまい、リール本体が大型化したり、リール本体内のスペース上の制約が生じて設計の自由度がなくなってしまう。
【0006】
また、部品点数が多く構成が複雑化して、組み込み時の作業性が悪いと共にコスト高になってしまい、さらには、構成の複雑化により、寸法バラツキが生じ易く、安定した摩擦伝達トルクが得られ難くなってしまう。
【0007】
この発明は、上述した問題点に着目してなされたものであり、リール本体内のスペースを有効活用して、簡素な構成で安定した釣糸案内体への過負荷作動防止機能を有するレベルワインド機構を備えた魚釣用リールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の魚釣用リールは、リール本体の側板間に回転自在に支持したスプールの前方側における側板間に、ハンドル回転に連動して左右に往復動し前記スプールに釣糸を平行に巻回する釣糸案内体を支持したレベルワインド機構を備えており、ハンドル回転に連動する回転入力体と、前記レベルワインド機構を駆動する駆動側への回転出力体との嵌合部分にスプリング材を介在し、前記回転入力体と回転出力体とを前記スプリング材の弾圧力によって周方向に回転可能に摩擦結合したことを特徴とする。
【0009】
上記した構成によれば、回転入力体と回転出力体との嵌合部分に介在されたスプリング材は、両者の間で径方向に弾発して円周方向に摩擦力を発生させる。通常のハンドル回転による駆動力の伝達に伴う負荷は、摩擦力以下となっているものの、左右に往復動する釣糸案内体とリール本体との間で指や物を挟んでしまった場合等、駆動力負荷が摩擦力を超えたときには、両者の間で滑りが発生して、ハンドル回転による駆動力伝達がなされないよう構成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る魚釣用リールの実施形態について添付図面を参酌して具体的に説明する。
図1〜図6は、本発明の一実施形態を示しており、図1は、レベルワインド機構を組み込んだ魚釣用リールの内部構成を示す平面図、図2は、ウォームシャフトの端部に設けられる歯車部分の拡大図、図3は、図2のA−A線に沿った断面図、図4は、スプリング材の構成を示す一部断面側面図、図5は、図4のB−B線に沿った断面図、そして、図6は、スプリング材の斜視図である。
【0011】
魚釣用リール(両軸リール)のリール本体1は、左右フレーム2a,2bと、これら左右フレーム2a,2bに所定の空間をもって装着される左右側板3a,3bとを備えている。前記左右フレーム2a,2b(左右側板3a,3b)間には、スプール軸5が回転可能に支持されており、このスプール軸5には、釣糸が巻回されるスプール6が取り付けられている。
【0012】
右側板3b側には、ハンドル8を装着したハンドル軸9が回転可能に支持されている。このハンドル軸9には、巻取り駆動機構が連結されており、ハンドル8を回転操作することで、巻取り駆動機構を介してスプール6が回転駆動されるようになっている。なお、ハンドル軸9は、右側板との間に介在された一方向クラッチ10によって、釣糸巻取方向にのみ回転可能となっている。
【0013】
前記巻取り駆動機構は、ハンドル軸9にドラグ機構を介して回転可能に支持された駆動歯車12とこの駆動歯車12に噛合するピニオン13とを備えている。ピニオン13は、公知のクラッチ機構を介してスプール軸5と継脱されるように構成されており、クラッチON状態では、ハンドル8の回転駆動力を駆動歯車12及びピニオン13を介してスプールに伝達し、クラッチOFF状態では、駆動力伝達状態を解除してスプール6をフリー回転状態にするようになっている。なお、上記したクラッチ動作は、リール本体から突出した操作レバー(図示せず)を操作することで行なわれる。
【0014】
左右側板3a,3b間には、スプール6の前方に、レベルワインド機構20が設けられている。レベルワインド機構20は、スプール6の前方で左右に往復動すると共に、釣糸が挿通される挿通孔を具備した釣糸案内体21と、左右側板3a,3b間に支持され、外周にエンドレスカム溝23aが形成されたウォームシャフト(回転出力体)23とを有している。
【0015】
このウォームシャフト23は、左右フレーム間に固定され、軸方向に沿って貫通孔が形成されている円筒部材25内に回転可能に収容されており、この貫通孔を介して前記釣糸案内体21に保持された係合ピンがエンドレスカム溝23aと係合して、釣糸案内体21を左右に往復駆動するようになっている。また、前記釣糸案内体21は、往復駆動する際、ウォームシャフト23の回りでの回り止めが成されるように、左右フレーム間に支持された案内ピラー(図示せず)に支持されている。
【0016】
前記ウォームシャフト23の右側板側の端部には、前記駆動歯車12と一体回転可能に軸方向に連設された歯車12aと噛合する歯車(回転入力体)30が嵌合するように設けられている。この歯車30には、ハンドル8の巻取り操作による回転駆動力がハンドル軸9、駆動歯車12及び歯車12aを介して入力され、その回転駆動力は、後述するスプリング材を介してウォームシャフト23に出力されるようになっている。なお、歯車30の端部は、リテーナ31によってウォームシャフト23に対して抜け止めされている。
【0017】
前記ウォームシャフト23と歯車30との間の嵌合部分には、径方向に一定の隙間を持たせ、この隙間にスプリング材35が介在されている。このスプリング材35は、円筒形状をなした本体部36と、この本体部の外周面において、周方向に所定間隔おいて多数(12箇所)、突出形成された半円形状の弾発部36aとを備えており、前記本体部35がウォームシャフト23の端部に嵌合され、かつ各弾発部36aの先端が所定の弾発力をもって歯車30の内周に当て付いている。この場合、スプリング材35の軸方向の両側部では、歯車30の内周とウォームシャフト23の外周が隙間無く軸支されるようになっており、これにより両者の支持強度を向上させている。
【0018】
なお、上記した構成のスプリング材35は、例えば、ステンレス鋼等の材料をプレス成形することにより、一体的に形成することが可能である。また、スプリング材35は、両者の間に介在させるだけのため、その組み込み作業が容易に行なえる。
【0019】
このような構成のスプリング材35をウォームシャフト23と歯車30との間に介在しておくことで、両者の間で弾発部36aが径方向に弾発して円周方向に摩擦力が発生すると共に、歯車30は、その弾発力に伴う摩擦結合力により固定された状態となっている。この弾発力に伴う摩擦力は、通常のハンドルの巻取り回転時では、その駆動力の伝達がなされ、かつ左右に往復動する釣糸案内体21とリール本体1との間で指や物を挟んでしまった場合等では、ハンドル回転に滑りが発生して駆動力伝達がなされないように設定されている。
【0020】
また、上記した構成のスプリング材35の本体部36には、円筒状の壁部に軸方向に沿って切欠き36bを形成しておくことが好ましい。このような切欠きを形成しておくことで、周方向に大きな摩擦力が作用した場合のスプリング材の変形を逃がすことが可能となり、塑性変形を防止することが可能となる。
【0021】
上記した構成の魚釣用リールによれば、ハンドル8を巻取り操作することで、スプール6は、駆動歯車12及びピニオン13を介して回転駆動される。また、駆動歯車12の回転駆動力は、歯車12aを介して歯車30に伝達されると共にウォームシャフト23と歯車30との間に介在されたスプリング材35を介してウォームシャフト23に伝達される。そして、ウォームシャフト23が回転駆動されることにより、エンドレスカム溝23aに係合する係合ピンを介して、案内ピラーに支持されている釣糸案内体21は回り止めされた状態で左右往復駆動される。なお、左右に往復動する釣糸案内体21とリール本体1との間で指や物を挟んでしまった場合等、駆動力伝達負荷が摩擦結合力より勝ったときには滑りが発生してウォームシャフトを回転駆動しないため、過負荷が加わることは無く、指を負傷させたり、係合ピンを破損させる等のトラブルが回避される。
【0022】
そして、上記したようなウォームシャフトと歯車との間に介在されるスプリング材によれば、従来のように摩擦板を設ける必要が無いため、構成部材の形状、大きさに制約を生じること無く、リール本体内の限られたスペースを有効活用して、簡素な構成で安定した釣糸案内体への過負荷作動防止機能を有するレベルワインド機構が得られると共に、その組み込み作業も簡素化される。
【0023】
図7及び図8は、上記した実施形態の変形例を示す図であり、レベルワインド機構への駆動力の入力を、スプール軸5を介して左側板側から行なえるように構成したものである。
【0024】
スプール軸5の左側端部には、歯車40が回り止め固定されており、この歯車40には、歯車41が噛合されている。歯車41の中央部分は、左フレーム2aに回転可能に支持された歯車42に嵌合されており、この歯車42は、ウォームシャフト23の左端部に固定された歯車43と噛合されている。そして、上記した構成のスプリング材35が、ハンドルからの駆動力が入力される歯車(回転入力体)41と、レベルワインド機構を駆動すべくその駆動力を出力する歯車(回転出力体)42との間に介在されている。
【0025】
このように上記した構成のスプリング材は、ハンドル8の巻取り駆動力をレベルワインド機構20に伝達する伝達経路の適所にある回転入力体と回転出力体との間に介在することが可能である。もちろん、この変形例においても、ウォームシャフト23と歯車43との間にスプリング材を介在させても良い。
【0026】
また、上記したスプリング材は、回転入力体と回転出力体との間の嵌合部分に介在されて、両者の間で周方向に所定の摩擦力を与えるように構成されていればその形状については適宜変形することが可能である。例えば、回転入力体側に嵌合される円筒部と、回転出力体側に所定の弾発力をもって当て付く弾発部とを有するような構成であっても良い。
【0027】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、リール本体内のスペースを有効活用して、簡素な構成で安定した釣糸案内体への過負荷作動防止機能を有するレベルワインド機構を備えた魚釣用リールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示しており、レベルワインド機構を組み込んだ魚釣用リールの内部構成を示す平面図。
【図2】ウォームシャフトの端部に設けられる歯車部分の拡大図。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図。
【図4】スプリング材の構成を示す一部断面側面図。
【図5】図4のB−B線に沿った断面図。
【図6】スプリング材の斜視図。
【図7】本発明に係る魚釣用リールの変形例の内部構成を示す平面図。
【図8】図7に示す回転入力体と回転出力体部分の拡大図。
【符号の説明】
1 リール本体
3a,3b 左右側板
6 スプール
8 ハンドル
20 レベルワインド機構
21 釣糸案内体
23 ウォームシャフト(回転出力体)
30 歯車(回転入力体)
35 スプリング材
Claims (2)
- リール本体の側板間に回転自在に支持したスプールの前方側における側板間に、ハンドル回転に連動して左右に往復動し前記スプールに釣糸を平行に巻回する釣糸案内体を支持したレベルワインド機構を備えた魚釣用リールにおいて、
ハンドル回転に連動する回転入力体と、前記レベルワインド機構を駆動する駆動側への回転出力体との嵌合部分にスプリング材を介在し、前記回転入力体と回転出力体とを前記スプリング材の弾圧力によって周方向に回転可能に摩擦結合したことを特徴とする魚釣用リール。 - 前記スプリング材は、前記回転出力体に嵌合する円筒部と、この円筒部の外周に多数突出形成され、前記回転入力体に弾発した状態で当て付く弾発部とを有することを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
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