JP2004241272A - 燃料電池制御装置、その方法及びその装置を搭載した車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の複数の制御対象を良好に制御することができる。
【解決手段】電子制御ユニット40のCPU42は、複数の制御対象の各々を制御するにあたり各制御対象に対応して推定されたIV特性に基づいて制御を行う。例えば、燃料電池26の出力電力の制御をするにあたっては短期の取得タイミングごとに取得した電流Ifc,電圧Vfcに基づいてIV特性を推定するため、実際の電流、電圧とのズレが少ないIV特性を用いて精度よく制御することができる。一方、改質器23の燃料電池26へ供給する水素ガスの供給量を制御するにあたっては長期の取得タイミングごとに取得した電流Ifc,電圧Vfcに基づいてIV特性を推定するため、電流のレンジが広いIV特性が得られ、電流が大きく変動した場合でもその電流に応じた水素ガスの供給量が得られるように燃料供給器22からの原燃料供給量を操作することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】電子制御ユニット40のCPU42は、複数の制御対象の各々を制御するにあたり各制御対象に対応して推定されたIV特性に基づいて制御を行う。例えば、燃料電池26の出力電力の制御をするにあたっては短期の取得タイミングごとに取得した電流Ifc,電圧Vfcに基づいてIV特性を推定するため、実際の電流、電圧とのズレが少ないIV特性を用いて精度よく制御することができる。一方、改質器23の燃料電池26へ供給する水素ガスの供給量を制御するにあたっては長期の取得タイミングごとに取得した電流Ifc,電圧Vfcに基づいてIV特性を推定するため、電流のレンジが広いIV特性が得られ、電流が大きく変動した場合でもその電流に応じた水素ガスの供給量が得られるように燃料供給器22からの原燃料供給量を操作することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の出力特性を推定し該推定した出力特性に基づいて制御を行う燃料電池制御装置、その方法及びその装置を搭載した車両に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、燃料電池の出力特性を、実際の燃料電池の出力電流及び出力電圧から推定するものが知られている。例えば、特許文献1では、定期的に燃料電池の電流I1,I2に対応する電圧V1,V2を検出して、燃料電池の出力特性を1次式と仮定したうえでその傾きと切片を求めることにより出力特性を推定し、推定した出力特性に基づいて燃料電池の劣化状態を把握している。しかしながら、特許文献1では、推定した出力特性を燃料電池の劣化状態の判定に利用しているだけであり、推定した出力特性を燃料電池の制御に利用するものではない。
【0003】
ところで、推定した出力特性を燃料電池の制御に利用しようとしても、例えば、燃料電池の出力電圧を操作することにより出力電力を制御したり、メタノール、メタン、ガソリン等の炭化水素系燃料と水との反応により生成する水素リッチなガスを燃料電池へ供給する改質器についてその改質器への炭化水素系燃料の投入量を操作することにより燃料電池への水素リッチなガスの供給量を制御したりというように複数の制御対象を制御する必要があるため、一つの方法で推定した出力特性をすべての制御対象の制御に利用したとしても、満足な結果が得られるとは言いにくい。
【0004】
また、制御対象によっては、短い周期で取得したデータに基づいて推測した出力特性を利用した方が好ましい場合がある一方で、長期間に亘って取得したデータに基づいて推測した出力特性を利用した方が好ましい場合もあるため、どちらの場合も満足させようとすれば、短い周期で長期間に亘ってデータを取得しておき、そのデータの中から制御対象ごとに必要なデータを読み出して出力特性を推測することになる。そうするとデータの記憶領域が多大になるという問題が生じる。
【0005】
本発明は上述した課題に鑑みなされたものであり、燃料電池の複数の制御対象を良好に制御することができる燃料電池制御装置およびその方法を提供することを目的の一つする。また、多大な記憶領域を要することなく複数の制御対象の各々に合った制御を行うことができる燃料電池制御装置およびその方法を提供することを目的の一つする。
【0006】
なお、本出願人は、特許文献2において、燃料電池の出力特性をそのときの出力電流と出力電圧と燃料電池の基本出力特性とに基づいて推定し、推定した出力特性を用いて燃料電池から出力される電力を調整する燃料電池システムを提案している。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−195423号公報
【特許文献2】
特開2002−231295号公報
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明では、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
【0009】
本発明の燃料電池制御装置は、
燃料電池の所定の物理量を検出する物理量検出手段と、
前記物理量検出手段によって検出された前記物理量に基づいて複数の制御対象の各々に対応した電池出力特性を推定する出力特性推定手段と、
前記複数の制御対象を制御するにあたり前記出力特性推定手段によって複数の制御対象の各々に対応して推定された電池出力特性に基づいて各制御対象を制御する制御手段と
を備えたものである。
【0010】
この燃料電池制御装置では、複数の制御対象の各々を制御するにあたり各制御対象に対応して推定された電池出力特性に基づいて制御を行う。したがって、燃料電池の複数の制御対象を良好に制御することができる。ここで、「推定」とは、推測して決定することをいい、例えば演算式や判定式、マップ、テーブルなどを利用して推測してもよいし、学習機能を利用して推測してもよいし、その他どのような方法により推測してもよい。
【0011】
本発明の燃料電池制御装置において、前記出力特性推定手段は、前記複数の制御対象の各々に対応した回数だけ前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得し、該取得した前記物理量に基づいて前記複数の制御対象の各々に対応した電池出力特性を推定するようにしてもよい。こうすれば、複数の制御対象の各々に適した回数だけ取得した物理量に基づいて電池出力特性を推定することができる。
【0012】
本発明の燃料電池制御装置において、前記出力特性推定手段は、前記複数の制御対象の各々に対応した取得タイミングごとに前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得し、前記複数の制御対象の各々に対応した推定タイミングごとに前記複数の制御対象の各々に対応して取得した前記物理量に基づいて前記複数の制御対象の各々に対応した電池出力特性を推定するようにしてもよい。こうすれば、複数の制御対象の各々に適した取得タイミングで取得した物理量に基づいて電池出力特性を推定することができる。この態様を採用した場合において、前記出力特性推定手段は、前記複数の制御対象の各々に対応した取得タイミングごとに前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得する一方、前記複数の制御対象の各々に対応した次回の推定タイミング以降において不要となる前記物理量を消去するようにしてもよい。こうすれば、取得した物理量が多くの記憶領域を占有してしまうことがないため、多大な記憶領域を要することなく複数の制御対象の各々に合った制御を行うことができる。また、前記推定タイミングは前記制御対象の制御を実行する制御実行タイミングに応じて設定されていてもよい。例えば推定タイミングは制御実行タイミングの直前に設定されていてもよい。こうすれば、電池出力特性の推定回数が少なくても制御対象を良好に制御することができる。
【0013】
本発明の燃料電池制御装置において、前記出力特性推定手段は、緩慢に応答する制御対象については長期の取得タイミングごとに前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得し、迅速に応答する制御対象については短期の取得タイミングごとに前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得するようにしてもよい。こうすれば、制御対象の応答性の緩急に応じて適切な取得タイミングで物理量を取得することができる。
【0014】
本発明の燃料電池制御装置において、前記出力特性推定手段は、緩慢に応答する制御対象については長期の推定タイミングごとに前記制御対象に対応して取得した前記物理量に基づいて前記電池出力特性を推定し、迅速に応答する制御対象については短期の推定タイミングごとに前記制御対象に対応して取得した前記物理量に基づいて前記電池出力特性を推定するようにしてもよい。こうすれば、制御対象の応答性の緩急に応じて適切な推定タイミングで電池出力特性を推定することができる。
【0015】
ここで、緩慢に応答する制御対象としては、例えば、炭化水素系燃料を改質して得られる燃料ガスを前記燃料電池へ供給する改質器であって該改質器への前記炭化水素系燃料の投入量が操作されることにより前記燃料電池への前記燃料ガスの供給量が制御されるものなどが挙げられる。また、迅速に応答する制御対象としては、例えば出力電圧が操作されることにより出力電力が制御される燃料電池などが挙げられ、具体的には、燃料電池との間で電力のやり取りが可能な電力供給手段(例えばバッテリやキャパシタなど)を備えている場合に、その電力供給手段との電力分担割合を決めたあとその分担電力に応じた動作ポイントの電圧値になるよう出力電圧が操作されることにより出力電力が制御される燃料電池が挙げられる。
【0016】
本発明の燃料電池制御装置は、
電気化学反応により発電する燃料電池と、
炭化水素系燃料を改質して得られる燃料ガスを前記燃料電池へ供給する改質器と、
前記燃料電池と前記改質器とを制御するにあたり前記改質器の制御周期を前記燃料電池の制御周期よりも長くなるように設定して制御する制御手段と
を備えて構成してもよい。
【0017】
この燃料電池制御装置では、改質器の制御はタイムラグが生じやすいのに対して燃料電池の制御はタイムラグが生じにくいことに鑑み、燃料電池を制御する制御周期を改質器を制御する制御周期よりも短くなるように制御を行う。したがって、燃料電池の複数の制御対象を良好に制御することができる。この態様を採用した場合において、前記制御手段は、前記燃料電池と前記改質器とを制御するにあたり前記燃料電池の出力電力を制御する制御周期を前記改質器への炭化水素系燃料の供給量を制御する制御周期よりも短くなるようにして制御してもよい。改質器への炭化水素系燃料の供給量を制御する場合、炭化水素系燃料が改質された水素リッチな改質ガスとなるまでのタイムラグが生じやすいのに対して、燃料電池の出力電力を制御する場合には、殆どライムラグがない。したがって、後者の制御周期を前者の制御周期よりも短くすることにより両者を良好に制御することができる。このとき、前記制御手段は、電池出力特性に関わる物理量を取得し該取得した物理量に基づいて前記燃料電池と前記改質器とを制御してもよい。
【0018】
本発明の燃料電池制御装置において、前記物理量検出手段は、前記物理量として前記燃料電池の出力電流と出力電圧とを検出するようにしてもよい。一般に電池出力特性はIV特性として表されることが多いため、出力電流と出力電圧とを検出することが好ましい。但し、更にほかの物理量を検出し、その物理量も加味して電池出力特性を推定してもよい。
【0019】
本発明の燃料電池制御方法は、
(a)燃料電池の所定の物理量を検出するステップと、
(b)前記ステップ(a)で検出された前記物理量に基づいて複数の制御対象の各々に対応した電池出力特性を推定するステップと、
(c)前記複数の制御対象を制御するにあたり前記ステップ(b)で複数の制御対象の各々に対応して推定された電池出力特性に基づいて各制御対象を制御するステップと
を含むものである。
【0020】
この燃料電池制御方法では、複数の制御対象の各々を制御するにあたり各制御対象に対応して推定された電池出力特性に基づいて制御を行う。したがって、燃料電池の複数の制御対象を良好に制御することができる。この燃料電池制御方法において、上述した種々の態様の燃料電池制御装置の動作を含めてもよい。
【0021】
本発明の燃料電池制御方法は、電気化学反応により発電する燃料電池と、炭化水素系燃料を改質して得られる燃料ガスを燃料電池へ供給する改質器とを制御する燃料電池制御方法であって、前記燃料電池と前記改質器とを制御するにあたり前記改質器の制御周期を前記燃料電池の制御周期よりも長くなるように設定して制御するようにしてもよい。この燃料電池制御方法では、改質器の制御はタイムラグが生じやすいのに対して燃料電池の制御はタイムラグが生じにくいことに鑑み、燃料電池を制御する制御周期を改質器を制御する制御周期よりも短くなるように制御を行う。したがって、燃料電池の複数の制御対象を良好に制御することができる。
【0022】
本発明の車両は、上述した種々の態様のいずれかの燃料電池制御装置を搭載したものである。本発明の燃料電池制御装置は、燃料電池の複数の制御対象を良好に制御するから、これを搭載した車両も、同様の効果を奏するものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の燃料電池システム20の構成の概略を示す構成図である。この燃料電池システム20は、図示するように、燃料供給器22からのメタノール、メタン、ガソリン等に代表される炭化水素系の燃料(以下、原燃料という)を水と反応させることにより水素リッチなガスを生成する改質器23と、改質器23からの水素リッチなガスとブロア24からの空気中の酸素とにより発電する例えば固体高分子型燃料電池として構成された燃料電池26と、燃料電池26の出力端子に接続された電力ライン28の電圧を調整すると共にバッテリ30の充放電を行なうDC/DCコンバータ32と、電力ライン28に接続されたインバータ34と、インバータ34のスイッチング素子のスイッチングにより駆動制御され駆動軸38と動力のやり取りを行なうモータ36と、システム全体をコントロールする電子制御ユニット40とを備える。なお、駆動軸38は、減速ギヤ12を介して駆動輪14に接続されており、モータ36から駆動軸38に出力された動力は最終的には、駆動輪14に出力されるようになっている。
【0024】
電子制御ユニット40は、CPU42を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM44と、一時的にデータを記憶するRAM46と、入出力ポート(図示せず)とを備える。RAM46には、後述する電力制御用のIV特性(電池出力特性)を推定する際に用いるデータを格納する第1記憶領域46aと、後述するガス供給量制御用のIV特性を推定する際に用いるデータを格納する第2領域46bとが設けられている。この電子制御ユニット40には、改質器23から燃料電池26への供給管に取り付けられた改質ガス流量センサ50からの改質ガス流量Mhやブロア24から燃料電池26への供給管に取り付けられた空気流量センサ51からの空気流量Mo,燃料電池26に取り付けられた温度センサ52からの燃料電池温度Tfc,燃料電池26の出力端子間に取り付けられた電圧センサ54からの燃料電池26の出力電圧Vfc,燃料電池26の出力端子に取り付けられた電流センサ56からの燃料電池26の出力電流Ifc,インバータ34内に取り付けられた図示しない電流センサからのモータ36に印加している各相の電流,モータ36に取り付けられた図示しない角度センサからのモータ36の回転子の回転角,車速センサ58からの車速v,シフトレバー60の位置を検出するシフトポジションセンサ61からのシフトポジションSP,アクセルペダル62の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ63からのアクセルペダルポジションAP,ブレーキペダル64の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ65からのブレーキペダルポジションBPなどが入力ポートを介して入力されている。また、電子制御ユニット40からは、燃料供給器22への駆動信号やブロア24への駆動信号,DC/DCコンバータ32への制御信号,インバータ34への制御信号,減速ギヤ12への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0025】
次に、この燃料電池システム20の動作について説明する。まず、燃料電池26が出力する電力を制御する際に用いるIV特性を推定する動作について説明する。図2はこの推定処理に用いるデータを取得する電力制御用データ取得ルーチンのフローチャートであり、図3は電力制御用に取得したデータを用いて燃料電池26のIV特性を推定する電力制御用特性推定ルーチンのフローチャートである。いずれのルーチンも、CPU42の演算周期ごとに繰り返し実行される。
【0026】
電力制御用データ取得ルーチンが開始されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、現在のタイミングが予め電力制御用データを取得するタイミングとして定められた短期取得タイミングか否かを判定する(ステップS110)。ここでは、短期取得タイミングは、CPU42の演算周期と同じに設定されているが、CPU42の演算周期の数倍の周期に設定されていてもよい。ステップS110で現在のタイミングが短期取得タイミングであるときには、電圧センサ54により検出される出力電圧Vfcと電流センサ56により検出される出力電流Ifcとを取得し(ステップS120)、これらをRAM46の第1記憶領域46aに格納すると共に(ステップS130)、次回の短期推定タイミング以降でIV特性を推定する際に使用しないデータを第1記憶領域46aから消去する(ステップS140)。ここでは、短期推定タイミングは、短期取得タイミングよりも長い周期に設定されているが、短期取得タイミングと同じであってもよい。そして、短期推定タイミングになると、それまでに取得した所定数の電力制御用データ(出力電圧Vfc,出力電流Ifc)を用いてIV特性を推定する。第1記憶領域46aには、次回の短期推定タイミング以降で使用されるデータのみ残しておけば十分であるから、本実施形態では、ステップS140で次回の短期推定タイミング以降で使用されない不要なデータを第1記憶領域46aから消去することにより、第1記憶領域46aの空き領域を確保している。そして、ステップS140のあと、又は、ステップS110で現在のタイミングが短期取得タイミングでなかったときには、このルーチンを終了する。
【0027】
次に、電力制御用特性推定ルーチンについて説明する。このルーチンが開始されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、現在のタイミングが予め電力制御用のIV特性を推定するタイミングとして定められた短期推定タイミングか否かを判定する(ステップS210)。この短期推定タイミングについては既に述べたので説明を省略する。そして、ステップS210で現在のタイミングが短期推定タイミングであるときには、RAM46の第1記憶領域46aに格納された所定数のデータを読み込む(ステップS220)。具体的には、過去のデータのうち現時点から数えて所定数個までのデータを読み込む。そして、読み出したデータを使用して最小2乗法により電力制御用のIV特性を推定する(ステップS230)。例えば、IV特性につき電圧Vが電流Iの数次の関数として表されるものと仮定しておき、その数次の関数の係数を最小2乗法により求めてもよい。そして、ステップS230のあと、又は、ステップS210で現在のタイミングが短期推定タイミングでなかったときには、このルーチンを終了する。
【0028】
図4は、電力制御用の取得タイミングと推定タイミングの一例を示すタイムチャートである。この例では、短期取得タイミングはCPU42の演算周期と同じに設定されているため、この短期取得タイミングに合わせて出力電流Ifcと出力電圧Vfcとが取得される。また、短期推定タイミングはCPU42の演算周期の数倍の周期に設定されており、この短期推定タイミングごとに過去の所定数個(ここでは8個)のデータVfc,Ifcを使用して電力制御用のIV特性を推定している。図5は、ある短期推定タイミングにおいて推定した電力制御用のIV特性を示すグラフである。一般的なIV特性は点線で示すような形状であるが、ここで推定したIV特性は短期推定タイミングの周期ごとに作成されるものであり、電流のレンジが狭いものである。このようにして推定したIV特性は、実際のIV特性とのズレは極力抑えられるため、応答性のよい制御対象を制御する際に使用するのに適している。
【0029】
次に、このようにして推定されたIV特性を用いた燃料電池26の電力制御について説明する。図6は電子制御ユニット40により実行される電力制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、電力制御用特性推定ルーチンが終了したタイミングごとに繰り返し実行される。このルーチンが開始されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、車速センサ58により検出される車速vやアクセルペダルポジションセンサ63により検出されるアクセルペダルポジションAP,ブレーキペダルポジションセンサ65により検出されるブレーキペダルポジションBPなどの各種データを読み込む処理を実行する(ステップS510)。続いて、読み込んだアクセルペダルポジションAPやブレーキペダルポジションBP,車速vに基づいて駆動軸38に出力すべき出力、即ちシステムへの要求出力P0を計算する(ステップS520)。要求出力P0の計算は、ここでは、アクセルペダルポジションAPとブレーキペダルポジションBPと車速vと要求出力P0との関係を予め定めたマップをROM44に記憶しておき、アクセルペダルポジションAPやブレーキペダルポジションBP,車速vが与えられると、マップから対応する要求出力P0を導出するものとした。要求出力P0が計算されると、要求出力P0を、燃料電池26から出力する燃料電池出力Pfcとバッテリ30から出力するバッテリ出力Pbとに分配する(ステップS530)。要求出力P0の分配は、具体的には、図5に一例を示した電力制御用のIV特性を用いて燃料電池26が出力可能な範囲から燃料電池26を効率よく運転できる出力電力として燃料電池出力Pfcを設定し、要求出力P0に対して設定した燃料電池出力Pfcでは過不足する分をバッテリ出力Pbに割り当てることにより行われる。こうして要求出力P0の分配が行われると、図5のIV特性を用いて燃料電池出力Pfcに対応する燃料電池26の運転ポイントVfc*,Ifc*を設定し(ステップS540)、電力ライン28の電圧が設定した運転ポイント電圧Vfc*となるようDC/DCコンバータ32を制御すると共に(ステップS550)、要求出力P0がモータ36から駆動軸38に出力されるようインバータ34を制御して(ステップS560)、本ルーチンを終了する。なお、インバータ34の制御については通常の制御であり、本発明の中核をなさないから、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0030】
次に、燃料電池26への反応ガスの供給量を制御する際に用いるIV特性を推定する動作について説明する。図7はこの推定処理に用いるデータを取得するガス供給量制御用データ取得ルーチンのフローチャートであり、図8はガス供給量制御用データを用いて燃料電池26のIV特性を推定するガス供給量制御用特性推定ルーチンのフローチャートである。いずれのルーチンも、CPU42の演算周期ごとに繰り返し実行される。
【0031】
ガス供給量制御用データ取得ルーチンが開始されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、現在のタイミングが予めガス供給量制御用データを取得するタイミングとして定められた長期取得タイミングか否かを判定する(ステップS310)。ここでは、長期取得タイミングはCPU42の演算周期の数倍の周期であって短期取得タイミングよりも長くなるように設定されている。ステップS310で現在のタイミングが長期取得タイミングであるときには、電圧センサ54により検出される出力電圧Vfcと電流センサ56により検出される出力電流Ifcとを取得し(ステップS320)、これらをRAM46の第2領域46bに格納すると共に(ステップS330)、次回の長期推定タイミング以降で使用されないデータを第2記憶領域46bから消去する(ステップS340)。ここでは、長期推定タイミングは、長期取得タイミングの数倍の周期に設定されているが、長期取得タイミングと同じであってもよい。そして、長期推定タイミングになると、それまでに取得した所定数のガス供給量制御用のデータ(出力電圧Vfc,出力電流Ifc)を用いてIV特性を推定する。第2記憶領域46bには、次回の長期推定タイミング以降で使用されるデータのみ残しておけば十分であるから、本実施形態では、ステップS340で次回の長期推定タイミング以降で使用されない不要なデータを第2記憶領域46bから消去することにより、第2記憶領域46bの空き領域を確保している。そして、ステップS340のあと、又は、ステップS310で現在のタイミングが長期取得タイミングでなかったときには、このルーチンを終了する。
【0032】
次に、ガス供給量制御用特性推定ルーチンについて説明する。このルーチンが開始されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、現在のタイミングが予めガス供給量制御用のIV特性を推定するタイミングとして定められた長期推定タイミングか否かを判定する(ステップS410)。この長期推定タイミングについては既に述べたとおりである。そして、ステップS410で現在のタイミングが長期推定タイミングであるときには、RAM46の第2記憶領域46bに格納された所定数のデータを読み込む(ステップS420)。具体的には、過去のデータのうち現時点から数えて所定数個までのデータを読み込む。そして、読み出したデータを使用して最小2乗法によりガス供給量制御用のIV特性を推定する(ステップS430)。ここでも、IV特性につき電圧Vが電流Iの数次の関数として表されると仮定し、その数次の関数の係数を最小2乗法により求めてもよい。そして、ステップS430のあと、又は、ステップS410で現在のタイミングが長期推定タイミングでなかったときには、このルーチンを終了する。
【0033】
図9は、ガス供給量制御用の取得タイミングと推定タイミングの一例を示すタイムチャートである。この例では、長期取得タイミングはCPU42の演算周期の数倍の周期に設定されているため、この長期取得タイミングに合わせて出力電流Ifcと出力電圧Vfcとが取得される。また、長期推定タイミングは長期取得タイミングの数倍の周期に設定されており、この長期推定タイミングごとに過去の所定数個(ここでは8個)のデータVfc,Ifcを使用してガス供給量制御用のIV特性を推定している。図10は、ある長期推定タイミングにおいて推定したガス供給量制御用のIV特性を示すグラフである。一般的なIV特性は点線で示すような形状であるが、ここで推定したIV特性は長期推定タイミングの周期ごとに作成されるものであり、電流のレンジが広いものである。このようにして推定したIV特性は、例えば将来的に電流−電圧ポイントが比較的大きく変動するのを見越して制御する際に使用するのに適しており、応答性の緩慢な制御対象を制御する際に使用するのに適している。
【0034】
次に、このようにして推定されたIV特性を用いた燃料電池26のガス供給量制御について説明する。図11は電子制御ユニット40により実行されるガス供給量制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、ガス供給量制御用特性推定ルーチンが終了したタイミングごとに繰り返し実行される。このルーチンが開始されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、上述したステップS510,S520と同様のステップS610,620を実行することにより要求出力P0を計算する。続いて、将来の要求出力PFを推定する(ステップS630)。将来の要求出力PFを推定する一例としては、今回の要求出力P0から前回の要求出力P0を差し引いた差分ΔP0を今回の要求出力P0に加えた値を将来の要求出力PFとすることが挙げられる。この場合、前回に比べて今回の要求出力P0が増加している場合には現在の運転状態を加速状態とみなして将来(次回)の要求出力PFをP0+ΔP0(ΔP0>0)と予測し、前回に比べて今回の要求出力P0が減少している場合には減速状態とみなして将来(次回)の要求出力PFをP0+ΔP0(ΔP0<0)と予測する。このようにして将来の要求出力PFが計算されると、この要求出力PFを、燃料電池26から出力する燃料電池出力PFfcとバッテリ30から出力するバッテリ出力PFbとに分配する(ステップS640)。ここでの要求出力PFの分配は、燃料電池26の出力可能な電力を燃料電池出力PFfcとし、要求出力PFに対して燃料電池出力PFfcでは過不足する出力をバッテリ出力PFbに割り当てることにより行われる。そして、この燃料電池出力PFfcに基づいて図10に一例を示したガス供給量制御用のIV特性を用いて燃料電池26の将来の運転ポイントVFfc,IFfcを設定し(ステップS650)、その電流IFfcに見合った電気化学反応が燃料電池26で起こるように水素ガス量を算出し、その水素ガス量を改質器23が生成するのに必要な原燃料供給量を目標原燃料供給量M*とし(ステップS660)、燃料供給器22から改質器23へ供給される原燃料供給量が目標原燃料供給量M*となるよう燃料供給器22を操作すると共に(ステップS670)、改質器23から燃料電池26へ供給される水素ガス量を改質ガス流量センサ50からの改質ガス流量Mhと図示しない水素濃度センサからの水素濃度とから算出し、その水素ガス量に見合った空気量が燃料電池26へ供給されるようにブロア24を操作し(ステップS680)、このルーチンを終了する。この結果、原燃料供給量を操作してから水素ガス供給量がそれに応じて制御されるまでにタイムラグが生じる改質器23について、そのタイムラグを見越した原燃料供給量を設定するため、改質器23が生成する水素ガス供給量は実際の運転状態に比較的適合したものとなる。
【0035】
なお、上述した実施形態では、燃料電池26のガス供給量制御には、原燃料投入量を操作量とし水素ガス供給量を制御量とする改質器23の制御が含まれるが、改質器23は原燃料投入量を操作してから水素ガス供給量がそれに応じて制御されるまでに時間がかかることから、水素ガス供給量の制御を行う場合の改質器23は緩慢に応答する制御対象といえる。また、燃料電池26の電力制御は、DC/DCコンバータ32のインバータ34側の電圧を操作してから燃料電池26の電力がそれに応じて制御されるまでに時間がかからないことから、電力制御を行う場合の燃料電池26は迅速に応答する制御対象といえる。
【0036】
以上詳述した本実施形態の燃料電池システム20によれば、燃料電池26の電力制御と改質器23の水素ガス供給量制御という2つの制御対象の各々を制御するにあたり各制御対象に対応して推定されたIV特性に基づいて制御を行うため、各制御対象を良好に制御することができる。
【0037】
また、応答性のよい制御である燃料電池26の電力制御に対応したIV特性を推定するときには、短期取得タイミングごとに取得した出力電圧Vfc,出力電流Ifcに基づいて短期推定タイミングごとにIV特性を推定しているため、電力制御を行う際に実際の電流、電圧と推定したIV特性とのズレが生じにくく、精度の高い制御が可能となる。一方、応答性の緩慢な制御である改質器23の水素ガス供給量制御に対応したIV特性を推定するときには、長期取得タイミングごとに取得した出力電圧Vfc,出力電流Ifcに基づいて長期推定タイミングごとにIV特性を推定しているため、電流のレンジが広いIV特性が得られ、車両の加減速時のように電流が比較的大きく変化する場合であってもそのIV特性に基づいて適切に対処できる。
【0038】
更に、次回の推定タイミング以降で使用しないデータはRAM44の第1及び第2記憶領域46a,46bから消去されるため、多大な容量を持つメモリを搭載する必要がない。
【0039】
更にまた、推定タイミングは制御実行タイミングの直前に設定されているため、IV特性の推定回数が少なくても制御対象を良好に制御することができるし、電子制御ユニット40のCPU42がIV特性の推定に費やす負荷を軽減することができる。
【0040】
なお、本発明は上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0041】
例えば、上述した実施形態では、RAM44に第1記憶領域46aと第2記憶領域46bを用意したが、第1記憶領域46aのみを用意して短期取得タイミングのみでデータを取得するようにし、次回の短期推定タイミング以降で使用されないデータであっても次回の長期推定タイミング以降で使用されるデータについては、消去せずに残すようにする。こうすれば、第1記憶領域46aのみで上述した実施形態と同様の効果が得られるし、多大な記憶領域を用意する必要もない。
【0042】
また、上述した実施形態では、燃料電池の出力電流Ifcと出力電圧Vfcとに基づいてIV特性を推定したが、IV特性は改質ガス流量Mhや水素ガス濃度、燃料電池温度Tfc、燃料電池の冷却水温、エア流量等にも依存して変化するため、これらの物理量を電流や電圧に代えて又は加えてIV特性を推定するようにしてもよい。
【0043】
更に、各制御対象に対応するIV特性を推定する際に用いるデータ(出力電圧Vfc,出力電流Ifc)は、前回の推定タイミングから今回の推定タイミングまでに取得したデータとしてもよいし、前回の推定タイミングよりも前に取得したデータも含めて推定してもよい。あるいは、各制御対象に対応するIV特性を推定する際に用いるデータの数は、各制御対象に応じて異なるようにしてもよい。例えば、高い精度が要求される制御対象についてはデータの数を増やして推定精度を上げるようにしてもよい。
【0044】
更にまた、上述した実施形態では、車両に搭載した燃料電池システム20について説明したが、同様の燃料電池システムを船舶や航空機などの移動体に搭載してもよいし、据え置き型のシステムに組み込んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池システム20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】電力制御用データ格納ルーチンのフローチャートである。
【図3】電力制御用特性推定ルーチンのフローチャートである。
【図4】電力制御用の各タイミングを表したタイムチャートである。
【図5】電力制御用の推定IV特性の一例を示すグラフである。
【図6】電力制御ルーチンのフローチャートである。
【図7】ガス供給量制御用データ格納ルーチンのフローチャートである。
【図8】ガス供給量制御用特性推定ルーチンのフローチャートである。
【図9】ガス供給量制御用の各タイミングを表したタイムチャートである。
【図10】ガス供給量制御用の推定IV特性の一例を示すグラフである。
【図11】ガス供給量制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
12 減速ギヤ、14 駆動輪、20 燃料電池システム、22 燃料供給器、23 改質器、24 ブロア、26 燃料電池、28 電力ライン、30 バッテリ、32 DC/DCコンバータ、34 インバータ、36 モータ、38 駆動軸、40 電子制御ユニット、42 CPU、44 ROM、46 RAM、46a 第1記憶領域、46b 第2記憶領域、50 改質ガス流量センサ、51 空気流量センサ、52 温度センサ、54 電圧センサ、56 電流センサ、58 車速センサ、60 シフトレバー、61 シフトポジションセンサ、62 アクセルペダル、63 アクセルペダルポジションセンサ、64 ブレーキペダル、65 ブレーキペダルポジションセンサ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の出力特性を推定し該推定した出力特性に基づいて制御を行う燃料電池制御装置、その方法及びその装置を搭載した車両に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、燃料電池の出力特性を、実際の燃料電池の出力電流及び出力電圧から推定するものが知られている。例えば、特許文献1では、定期的に燃料電池の電流I1,I2に対応する電圧V1,V2を検出して、燃料電池の出力特性を1次式と仮定したうえでその傾きと切片を求めることにより出力特性を推定し、推定した出力特性に基づいて燃料電池の劣化状態を把握している。しかしながら、特許文献1では、推定した出力特性を燃料電池の劣化状態の判定に利用しているだけであり、推定した出力特性を燃料電池の制御に利用するものではない。
【0003】
ところで、推定した出力特性を燃料電池の制御に利用しようとしても、例えば、燃料電池の出力電圧を操作することにより出力電力を制御したり、メタノール、メタン、ガソリン等の炭化水素系燃料と水との反応により生成する水素リッチなガスを燃料電池へ供給する改質器についてその改質器への炭化水素系燃料の投入量を操作することにより燃料電池への水素リッチなガスの供給量を制御したりというように複数の制御対象を制御する必要があるため、一つの方法で推定した出力特性をすべての制御対象の制御に利用したとしても、満足な結果が得られるとは言いにくい。
【0004】
また、制御対象によっては、短い周期で取得したデータに基づいて推測した出力特性を利用した方が好ましい場合がある一方で、長期間に亘って取得したデータに基づいて推測した出力特性を利用した方が好ましい場合もあるため、どちらの場合も満足させようとすれば、短い周期で長期間に亘ってデータを取得しておき、そのデータの中から制御対象ごとに必要なデータを読み出して出力特性を推測することになる。そうするとデータの記憶領域が多大になるという問題が生じる。
【0005】
本発明は上述した課題に鑑みなされたものであり、燃料電池の複数の制御対象を良好に制御することができる燃料電池制御装置およびその方法を提供することを目的の一つする。また、多大な記憶領域を要することなく複数の制御対象の各々に合った制御を行うことができる燃料電池制御装置およびその方法を提供することを目的の一つする。
【0006】
なお、本出願人は、特許文献2において、燃料電池の出力特性をそのときの出力電流と出力電圧と燃料電池の基本出力特性とに基づいて推定し、推定した出力特性を用いて燃料電池から出力される電力を調整する燃料電池システムを提案している。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−195423号公報
【特許文献2】
特開2002−231295号公報
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明では、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
【0009】
本発明の燃料電池制御装置は、
燃料電池の所定の物理量を検出する物理量検出手段と、
前記物理量検出手段によって検出された前記物理量に基づいて複数の制御対象の各々に対応した電池出力特性を推定する出力特性推定手段と、
前記複数の制御対象を制御するにあたり前記出力特性推定手段によって複数の制御対象の各々に対応して推定された電池出力特性に基づいて各制御対象を制御する制御手段と
を備えたものである。
【0010】
この燃料電池制御装置では、複数の制御対象の各々を制御するにあたり各制御対象に対応して推定された電池出力特性に基づいて制御を行う。したがって、燃料電池の複数の制御対象を良好に制御することができる。ここで、「推定」とは、推測して決定することをいい、例えば演算式や判定式、マップ、テーブルなどを利用して推測してもよいし、学習機能を利用して推測してもよいし、その他どのような方法により推測してもよい。
【0011】
本発明の燃料電池制御装置において、前記出力特性推定手段は、前記複数の制御対象の各々に対応した回数だけ前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得し、該取得した前記物理量に基づいて前記複数の制御対象の各々に対応した電池出力特性を推定するようにしてもよい。こうすれば、複数の制御対象の各々に適した回数だけ取得した物理量に基づいて電池出力特性を推定することができる。
【0012】
本発明の燃料電池制御装置において、前記出力特性推定手段は、前記複数の制御対象の各々に対応した取得タイミングごとに前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得し、前記複数の制御対象の各々に対応した推定タイミングごとに前記複数の制御対象の各々に対応して取得した前記物理量に基づいて前記複数の制御対象の各々に対応した電池出力特性を推定するようにしてもよい。こうすれば、複数の制御対象の各々に適した取得タイミングで取得した物理量に基づいて電池出力特性を推定することができる。この態様を採用した場合において、前記出力特性推定手段は、前記複数の制御対象の各々に対応した取得タイミングごとに前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得する一方、前記複数の制御対象の各々に対応した次回の推定タイミング以降において不要となる前記物理量を消去するようにしてもよい。こうすれば、取得した物理量が多くの記憶領域を占有してしまうことがないため、多大な記憶領域を要することなく複数の制御対象の各々に合った制御を行うことができる。また、前記推定タイミングは前記制御対象の制御を実行する制御実行タイミングに応じて設定されていてもよい。例えば推定タイミングは制御実行タイミングの直前に設定されていてもよい。こうすれば、電池出力特性の推定回数が少なくても制御対象を良好に制御することができる。
【0013】
本発明の燃料電池制御装置において、前記出力特性推定手段は、緩慢に応答する制御対象については長期の取得タイミングごとに前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得し、迅速に応答する制御対象については短期の取得タイミングごとに前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得するようにしてもよい。こうすれば、制御対象の応答性の緩急に応じて適切な取得タイミングで物理量を取得することができる。
【0014】
本発明の燃料電池制御装置において、前記出力特性推定手段は、緩慢に応答する制御対象については長期の推定タイミングごとに前記制御対象に対応して取得した前記物理量に基づいて前記電池出力特性を推定し、迅速に応答する制御対象については短期の推定タイミングごとに前記制御対象に対応して取得した前記物理量に基づいて前記電池出力特性を推定するようにしてもよい。こうすれば、制御対象の応答性の緩急に応じて適切な推定タイミングで電池出力特性を推定することができる。
【0015】
ここで、緩慢に応答する制御対象としては、例えば、炭化水素系燃料を改質して得られる燃料ガスを前記燃料電池へ供給する改質器であって該改質器への前記炭化水素系燃料の投入量が操作されることにより前記燃料電池への前記燃料ガスの供給量が制御されるものなどが挙げられる。また、迅速に応答する制御対象としては、例えば出力電圧が操作されることにより出力電力が制御される燃料電池などが挙げられ、具体的には、燃料電池との間で電力のやり取りが可能な電力供給手段(例えばバッテリやキャパシタなど)を備えている場合に、その電力供給手段との電力分担割合を決めたあとその分担電力に応じた動作ポイントの電圧値になるよう出力電圧が操作されることにより出力電力が制御される燃料電池が挙げられる。
【0016】
本発明の燃料電池制御装置は、
電気化学反応により発電する燃料電池と、
炭化水素系燃料を改質して得られる燃料ガスを前記燃料電池へ供給する改質器と、
前記燃料電池と前記改質器とを制御するにあたり前記改質器の制御周期を前記燃料電池の制御周期よりも長くなるように設定して制御する制御手段と
を備えて構成してもよい。
【0017】
この燃料電池制御装置では、改質器の制御はタイムラグが生じやすいのに対して燃料電池の制御はタイムラグが生じにくいことに鑑み、燃料電池を制御する制御周期を改質器を制御する制御周期よりも短くなるように制御を行う。したがって、燃料電池の複数の制御対象を良好に制御することができる。この態様を採用した場合において、前記制御手段は、前記燃料電池と前記改質器とを制御するにあたり前記燃料電池の出力電力を制御する制御周期を前記改質器への炭化水素系燃料の供給量を制御する制御周期よりも短くなるようにして制御してもよい。改質器への炭化水素系燃料の供給量を制御する場合、炭化水素系燃料が改質された水素リッチな改質ガスとなるまでのタイムラグが生じやすいのに対して、燃料電池の出力電力を制御する場合には、殆どライムラグがない。したがって、後者の制御周期を前者の制御周期よりも短くすることにより両者を良好に制御することができる。このとき、前記制御手段は、電池出力特性に関わる物理量を取得し該取得した物理量に基づいて前記燃料電池と前記改質器とを制御してもよい。
【0018】
本発明の燃料電池制御装置において、前記物理量検出手段は、前記物理量として前記燃料電池の出力電流と出力電圧とを検出するようにしてもよい。一般に電池出力特性はIV特性として表されることが多いため、出力電流と出力電圧とを検出することが好ましい。但し、更にほかの物理量を検出し、その物理量も加味して電池出力特性を推定してもよい。
【0019】
本発明の燃料電池制御方法は、
(a)燃料電池の所定の物理量を検出するステップと、
(b)前記ステップ(a)で検出された前記物理量に基づいて複数の制御対象の各々に対応した電池出力特性を推定するステップと、
(c)前記複数の制御対象を制御するにあたり前記ステップ(b)で複数の制御対象の各々に対応して推定された電池出力特性に基づいて各制御対象を制御するステップと
を含むものである。
【0020】
この燃料電池制御方法では、複数の制御対象の各々を制御するにあたり各制御対象に対応して推定された電池出力特性に基づいて制御を行う。したがって、燃料電池の複数の制御対象を良好に制御することができる。この燃料電池制御方法において、上述した種々の態様の燃料電池制御装置の動作を含めてもよい。
【0021】
本発明の燃料電池制御方法は、電気化学反応により発電する燃料電池と、炭化水素系燃料を改質して得られる燃料ガスを燃料電池へ供給する改質器とを制御する燃料電池制御方法であって、前記燃料電池と前記改質器とを制御するにあたり前記改質器の制御周期を前記燃料電池の制御周期よりも長くなるように設定して制御するようにしてもよい。この燃料電池制御方法では、改質器の制御はタイムラグが生じやすいのに対して燃料電池の制御はタイムラグが生じにくいことに鑑み、燃料電池を制御する制御周期を改質器を制御する制御周期よりも短くなるように制御を行う。したがって、燃料電池の複数の制御対象を良好に制御することができる。
【0022】
本発明の車両は、上述した種々の態様のいずれかの燃料電池制御装置を搭載したものである。本発明の燃料電池制御装置は、燃料電池の複数の制御対象を良好に制御するから、これを搭載した車両も、同様の効果を奏するものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の燃料電池システム20の構成の概略を示す構成図である。この燃料電池システム20は、図示するように、燃料供給器22からのメタノール、メタン、ガソリン等に代表される炭化水素系の燃料(以下、原燃料という)を水と反応させることにより水素リッチなガスを生成する改質器23と、改質器23からの水素リッチなガスとブロア24からの空気中の酸素とにより発電する例えば固体高分子型燃料電池として構成された燃料電池26と、燃料電池26の出力端子に接続された電力ライン28の電圧を調整すると共にバッテリ30の充放電を行なうDC/DCコンバータ32と、電力ライン28に接続されたインバータ34と、インバータ34のスイッチング素子のスイッチングにより駆動制御され駆動軸38と動力のやり取りを行なうモータ36と、システム全体をコントロールする電子制御ユニット40とを備える。なお、駆動軸38は、減速ギヤ12を介して駆動輪14に接続されており、モータ36から駆動軸38に出力された動力は最終的には、駆動輪14に出力されるようになっている。
【0024】
電子制御ユニット40は、CPU42を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM44と、一時的にデータを記憶するRAM46と、入出力ポート(図示せず)とを備える。RAM46には、後述する電力制御用のIV特性(電池出力特性)を推定する際に用いるデータを格納する第1記憶領域46aと、後述するガス供給量制御用のIV特性を推定する際に用いるデータを格納する第2領域46bとが設けられている。この電子制御ユニット40には、改質器23から燃料電池26への供給管に取り付けられた改質ガス流量センサ50からの改質ガス流量Mhやブロア24から燃料電池26への供給管に取り付けられた空気流量センサ51からの空気流量Mo,燃料電池26に取り付けられた温度センサ52からの燃料電池温度Tfc,燃料電池26の出力端子間に取り付けられた電圧センサ54からの燃料電池26の出力電圧Vfc,燃料電池26の出力端子に取り付けられた電流センサ56からの燃料電池26の出力電流Ifc,インバータ34内に取り付けられた図示しない電流センサからのモータ36に印加している各相の電流,モータ36に取り付けられた図示しない角度センサからのモータ36の回転子の回転角,車速センサ58からの車速v,シフトレバー60の位置を検出するシフトポジションセンサ61からのシフトポジションSP,アクセルペダル62の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ63からのアクセルペダルポジションAP,ブレーキペダル64の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ65からのブレーキペダルポジションBPなどが入力ポートを介して入力されている。また、電子制御ユニット40からは、燃料供給器22への駆動信号やブロア24への駆動信号,DC/DCコンバータ32への制御信号,インバータ34への制御信号,減速ギヤ12への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0025】
次に、この燃料電池システム20の動作について説明する。まず、燃料電池26が出力する電力を制御する際に用いるIV特性を推定する動作について説明する。図2はこの推定処理に用いるデータを取得する電力制御用データ取得ルーチンのフローチャートであり、図3は電力制御用に取得したデータを用いて燃料電池26のIV特性を推定する電力制御用特性推定ルーチンのフローチャートである。いずれのルーチンも、CPU42の演算周期ごとに繰り返し実行される。
【0026】
電力制御用データ取得ルーチンが開始されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、現在のタイミングが予め電力制御用データを取得するタイミングとして定められた短期取得タイミングか否かを判定する(ステップS110)。ここでは、短期取得タイミングは、CPU42の演算周期と同じに設定されているが、CPU42の演算周期の数倍の周期に設定されていてもよい。ステップS110で現在のタイミングが短期取得タイミングであるときには、電圧センサ54により検出される出力電圧Vfcと電流センサ56により検出される出力電流Ifcとを取得し(ステップS120)、これらをRAM46の第1記憶領域46aに格納すると共に(ステップS130)、次回の短期推定タイミング以降でIV特性を推定する際に使用しないデータを第1記憶領域46aから消去する(ステップS140)。ここでは、短期推定タイミングは、短期取得タイミングよりも長い周期に設定されているが、短期取得タイミングと同じであってもよい。そして、短期推定タイミングになると、それまでに取得した所定数の電力制御用データ(出力電圧Vfc,出力電流Ifc)を用いてIV特性を推定する。第1記憶領域46aには、次回の短期推定タイミング以降で使用されるデータのみ残しておけば十分であるから、本実施形態では、ステップS140で次回の短期推定タイミング以降で使用されない不要なデータを第1記憶領域46aから消去することにより、第1記憶領域46aの空き領域を確保している。そして、ステップS140のあと、又は、ステップS110で現在のタイミングが短期取得タイミングでなかったときには、このルーチンを終了する。
【0027】
次に、電力制御用特性推定ルーチンについて説明する。このルーチンが開始されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、現在のタイミングが予め電力制御用のIV特性を推定するタイミングとして定められた短期推定タイミングか否かを判定する(ステップS210)。この短期推定タイミングについては既に述べたので説明を省略する。そして、ステップS210で現在のタイミングが短期推定タイミングであるときには、RAM46の第1記憶領域46aに格納された所定数のデータを読み込む(ステップS220)。具体的には、過去のデータのうち現時点から数えて所定数個までのデータを読み込む。そして、読み出したデータを使用して最小2乗法により電力制御用のIV特性を推定する(ステップS230)。例えば、IV特性につき電圧Vが電流Iの数次の関数として表されるものと仮定しておき、その数次の関数の係数を最小2乗法により求めてもよい。そして、ステップS230のあと、又は、ステップS210で現在のタイミングが短期推定タイミングでなかったときには、このルーチンを終了する。
【0028】
図4は、電力制御用の取得タイミングと推定タイミングの一例を示すタイムチャートである。この例では、短期取得タイミングはCPU42の演算周期と同じに設定されているため、この短期取得タイミングに合わせて出力電流Ifcと出力電圧Vfcとが取得される。また、短期推定タイミングはCPU42の演算周期の数倍の周期に設定されており、この短期推定タイミングごとに過去の所定数個(ここでは8個)のデータVfc,Ifcを使用して電力制御用のIV特性を推定している。図5は、ある短期推定タイミングにおいて推定した電力制御用のIV特性を示すグラフである。一般的なIV特性は点線で示すような形状であるが、ここで推定したIV特性は短期推定タイミングの周期ごとに作成されるものであり、電流のレンジが狭いものである。このようにして推定したIV特性は、実際のIV特性とのズレは極力抑えられるため、応答性のよい制御対象を制御する際に使用するのに適している。
【0029】
次に、このようにして推定されたIV特性を用いた燃料電池26の電力制御について説明する。図6は電子制御ユニット40により実行される電力制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、電力制御用特性推定ルーチンが終了したタイミングごとに繰り返し実行される。このルーチンが開始されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、車速センサ58により検出される車速vやアクセルペダルポジションセンサ63により検出されるアクセルペダルポジションAP,ブレーキペダルポジションセンサ65により検出されるブレーキペダルポジションBPなどの各種データを読み込む処理を実行する(ステップS510)。続いて、読み込んだアクセルペダルポジションAPやブレーキペダルポジションBP,車速vに基づいて駆動軸38に出力すべき出力、即ちシステムへの要求出力P0を計算する(ステップS520)。要求出力P0の計算は、ここでは、アクセルペダルポジションAPとブレーキペダルポジションBPと車速vと要求出力P0との関係を予め定めたマップをROM44に記憶しておき、アクセルペダルポジションAPやブレーキペダルポジションBP,車速vが与えられると、マップから対応する要求出力P0を導出するものとした。要求出力P0が計算されると、要求出力P0を、燃料電池26から出力する燃料電池出力Pfcとバッテリ30から出力するバッテリ出力Pbとに分配する(ステップS530)。要求出力P0の分配は、具体的には、図5に一例を示した電力制御用のIV特性を用いて燃料電池26が出力可能な範囲から燃料電池26を効率よく運転できる出力電力として燃料電池出力Pfcを設定し、要求出力P0に対して設定した燃料電池出力Pfcでは過不足する分をバッテリ出力Pbに割り当てることにより行われる。こうして要求出力P0の分配が行われると、図5のIV特性を用いて燃料電池出力Pfcに対応する燃料電池26の運転ポイントVfc*,Ifc*を設定し(ステップS540)、電力ライン28の電圧が設定した運転ポイント電圧Vfc*となるようDC/DCコンバータ32を制御すると共に(ステップS550)、要求出力P0がモータ36から駆動軸38に出力されるようインバータ34を制御して(ステップS560)、本ルーチンを終了する。なお、インバータ34の制御については通常の制御であり、本発明の中核をなさないから、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0030】
次に、燃料電池26への反応ガスの供給量を制御する際に用いるIV特性を推定する動作について説明する。図7はこの推定処理に用いるデータを取得するガス供給量制御用データ取得ルーチンのフローチャートであり、図8はガス供給量制御用データを用いて燃料電池26のIV特性を推定するガス供給量制御用特性推定ルーチンのフローチャートである。いずれのルーチンも、CPU42の演算周期ごとに繰り返し実行される。
【0031】
ガス供給量制御用データ取得ルーチンが開始されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、現在のタイミングが予めガス供給量制御用データを取得するタイミングとして定められた長期取得タイミングか否かを判定する(ステップS310)。ここでは、長期取得タイミングはCPU42の演算周期の数倍の周期であって短期取得タイミングよりも長くなるように設定されている。ステップS310で現在のタイミングが長期取得タイミングであるときには、電圧センサ54により検出される出力電圧Vfcと電流センサ56により検出される出力電流Ifcとを取得し(ステップS320)、これらをRAM46の第2領域46bに格納すると共に(ステップS330)、次回の長期推定タイミング以降で使用されないデータを第2記憶領域46bから消去する(ステップS340)。ここでは、長期推定タイミングは、長期取得タイミングの数倍の周期に設定されているが、長期取得タイミングと同じであってもよい。そして、長期推定タイミングになると、それまでに取得した所定数のガス供給量制御用のデータ(出力電圧Vfc,出力電流Ifc)を用いてIV特性を推定する。第2記憶領域46bには、次回の長期推定タイミング以降で使用されるデータのみ残しておけば十分であるから、本実施形態では、ステップS340で次回の長期推定タイミング以降で使用されない不要なデータを第2記憶領域46bから消去することにより、第2記憶領域46bの空き領域を確保している。そして、ステップS340のあと、又は、ステップS310で現在のタイミングが長期取得タイミングでなかったときには、このルーチンを終了する。
【0032】
次に、ガス供給量制御用特性推定ルーチンについて説明する。このルーチンが開始されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、現在のタイミングが予めガス供給量制御用のIV特性を推定するタイミングとして定められた長期推定タイミングか否かを判定する(ステップS410)。この長期推定タイミングについては既に述べたとおりである。そして、ステップS410で現在のタイミングが長期推定タイミングであるときには、RAM46の第2記憶領域46bに格納された所定数のデータを読み込む(ステップS420)。具体的には、過去のデータのうち現時点から数えて所定数個までのデータを読み込む。そして、読み出したデータを使用して最小2乗法によりガス供給量制御用のIV特性を推定する(ステップS430)。ここでも、IV特性につき電圧Vが電流Iの数次の関数として表されると仮定し、その数次の関数の係数を最小2乗法により求めてもよい。そして、ステップS430のあと、又は、ステップS410で現在のタイミングが長期推定タイミングでなかったときには、このルーチンを終了する。
【0033】
図9は、ガス供給量制御用の取得タイミングと推定タイミングの一例を示すタイムチャートである。この例では、長期取得タイミングはCPU42の演算周期の数倍の周期に設定されているため、この長期取得タイミングに合わせて出力電流Ifcと出力電圧Vfcとが取得される。また、長期推定タイミングは長期取得タイミングの数倍の周期に設定されており、この長期推定タイミングごとに過去の所定数個(ここでは8個)のデータVfc,Ifcを使用してガス供給量制御用のIV特性を推定している。図10は、ある長期推定タイミングにおいて推定したガス供給量制御用のIV特性を示すグラフである。一般的なIV特性は点線で示すような形状であるが、ここで推定したIV特性は長期推定タイミングの周期ごとに作成されるものであり、電流のレンジが広いものである。このようにして推定したIV特性は、例えば将来的に電流−電圧ポイントが比較的大きく変動するのを見越して制御する際に使用するのに適しており、応答性の緩慢な制御対象を制御する際に使用するのに適している。
【0034】
次に、このようにして推定されたIV特性を用いた燃料電池26のガス供給量制御について説明する。図11は電子制御ユニット40により実行されるガス供給量制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、ガス供給量制御用特性推定ルーチンが終了したタイミングごとに繰り返し実行される。このルーチンが開始されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、上述したステップS510,S520と同様のステップS610,620を実行することにより要求出力P0を計算する。続いて、将来の要求出力PFを推定する(ステップS630)。将来の要求出力PFを推定する一例としては、今回の要求出力P0から前回の要求出力P0を差し引いた差分ΔP0を今回の要求出力P0に加えた値を将来の要求出力PFとすることが挙げられる。この場合、前回に比べて今回の要求出力P0が増加している場合には現在の運転状態を加速状態とみなして将来(次回)の要求出力PFをP0+ΔP0(ΔP0>0)と予測し、前回に比べて今回の要求出力P0が減少している場合には減速状態とみなして将来(次回)の要求出力PFをP0+ΔP0(ΔP0<0)と予測する。このようにして将来の要求出力PFが計算されると、この要求出力PFを、燃料電池26から出力する燃料電池出力PFfcとバッテリ30から出力するバッテリ出力PFbとに分配する(ステップS640)。ここでの要求出力PFの分配は、燃料電池26の出力可能な電力を燃料電池出力PFfcとし、要求出力PFに対して燃料電池出力PFfcでは過不足する出力をバッテリ出力PFbに割り当てることにより行われる。そして、この燃料電池出力PFfcに基づいて図10に一例を示したガス供給量制御用のIV特性を用いて燃料電池26の将来の運転ポイントVFfc,IFfcを設定し(ステップS650)、その電流IFfcに見合った電気化学反応が燃料電池26で起こるように水素ガス量を算出し、その水素ガス量を改質器23が生成するのに必要な原燃料供給量を目標原燃料供給量M*とし(ステップS660)、燃料供給器22から改質器23へ供給される原燃料供給量が目標原燃料供給量M*となるよう燃料供給器22を操作すると共に(ステップS670)、改質器23から燃料電池26へ供給される水素ガス量を改質ガス流量センサ50からの改質ガス流量Mhと図示しない水素濃度センサからの水素濃度とから算出し、その水素ガス量に見合った空気量が燃料電池26へ供給されるようにブロア24を操作し(ステップS680)、このルーチンを終了する。この結果、原燃料供給量を操作してから水素ガス供給量がそれに応じて制御されるまでにタイムラグが生じる改質器23について、そのタイムラグを見越した原燃料供給量を設定するため、改質器23が生成する水素ガス供給量は実際の運転状態に比較的適合したものとなる。
【0035】
なお、上述した実施形態では、燃料電池26のガス供給量制御には、原燃料投入量を操作量とし水素ガス供給量を制御量とする改質器23の制御が含まれるが、改質器23は原燃料投入量を操作してから水素ガス供給量がそれに応じて制御されるまでに時間がかかることから、水素ガス供給量の制御を行う場合の改質器23は緩慢に応答する制御対象といえる。また、燃料電池26の電力制御は、DC/DCコンバータ32のインバータ34側の電圧を操作してから燃料電池26の電力がそれに応じて制御されるまでに時間がかからないことから、電力制御を行う場合の燃料電池26は迅速に応答する制御対象といえる。
【0036】
以上詳述した本実施形態の燃料電池システム20によれば、燃料電池26の電力制御と改質器23の水素ガス供給量制御という2つの制御対象の各々を制御するにあたり各制御対象に対応して推定されたIV特性に基づいて制御を行うため、各制御対象を良好に制御することができる。
【0037】
また、応答性のよい制御である燃料電池26の電力制御に対応したIV特性を推定するときには、短期取得タイミングごとに取得した出力電圧Vfc,出力電流Ifcに基づいて短期推定タイミングごとにIV特性を推定しているため、電力制御を行う際に実際の電流、電圧と推定したIV特性とのズレが生じにくく、精度の高い制御が可能となる。一方、応答性の緩慢な制御である改質器23の水素ガス供給量制御に対応したIV特性を推定するときには、長期取得タイミングごとに取得した出力電圧Vfc,出力電流Ifcに基づいて長期推定タイミングごとにIV特性を推定しているため、電流のレンジが広いIV特性が得られ、車両の加減速時のように電流が比較的大きく変化する場合であってもそのIV特性に基づいて適切に対処できる。
【0038】
更に、次回の推定タイミング以降で使用しないデータはRAM44の第1及び第2記憶領域46a,46bから消去されるため、多大な容量を持つメモリを搭載する必要がない。
【0039】
更にまた、推定タイミングは制御実行タイミングの直前に設定されているため、IV特性の推定回数が少なくても制御対象を良好に制御することができるし、電子制御ユニット40のCPU42がIV特性の推定に費やす負荷を軽減することができる。
【0040】
なお、本発明は上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0041】
例えば、上述した実施形態では、RAM44に第1記憶領域46aと第2記憶領域46bを用意したが、第1記憶領域46aのみを用意して短期取得タイミングのみでデータを取得するようにし、次回の短期推定タイミング以降で使用されないデータであっても次回の長期推定タイミング以降で使用されるデータについては、消去せずに残すようにする。こうすれば、第1記憶領域46aのみで上述した実施形態と同様の効果が得られるし、多大な記憶領域を用意する必要もない。
【0042】
また、上述した実施形態では、燃料電池の出力電流Ifcと出力電圧Vfcとに基づいてIV特性を推定したが、IV特性は改質ガス流量Mhや水素ガス濃度、燃料電池温度Tfc、燃料電池の冷却水温、エア流量等にも依存して変化するため、これらの物理量を電流や電圧に代えて又は加えてIV特性を推定するようにしてもよい。
【0043】
更に、各制御対象に対応するIV特性を推定する際に用いるデータ(出力電圧Vfc,出力電流Ifc)は、前回の推定タイミングから今回の推定タイミングまでに取得したデータとしてもよいし、前回の推定タイミングよりも前に取得したデータも含めて推定してもよい。あるいは、各制御対象に対応するIV特性を推定する際に用いるデータの数は、各制御対象に応じて異なるようにしてもよい。例えば、高い精度が要求される制御対象についてはデータの数を増やして推定精度を上げるようにしてもよい。
【0044】
更にまた、上述した実施形態では、車両に搭載した燃料電池システム20について説明したが、同様の燃料電池システムを船舶や航空機などの移動体に搭載してもよいし、据え置き型のシステムに組み込んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池システム20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】電力制御用データ格納ルーチンのフローチャートである。
【図3】電力制御用特性推定ルーチンのフローチャートである。
【図4】電力制御用の各タイミングを表したタイムチャートである。
【図5】電力制御用の推定IV特性の一例を示すグラフである。
【図6】電力制御ルーチンのフローチャートである。
【図7】ガス供給量制御用データ格納ルーチンのフローチャートである。
【図8】ガス供給量制御用特性推定ルーチンのフローチャートである。
【図9】ガス供給量制御用の各タイミングを表したタイムチャートである。
【図10】ガス供給量制御用の推定IV特性の一例を示すグラフである。
【図11】ガス供給量制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
12 減速ギヤ、14 駆動輪、20 燃料電池システム、22 燃料供給器、23 改質器、24 ブロア、26 燃料電池、28 電力ライン、30 バッテリ、32 DC/DCコンバータ、34 インバータ、36 モータ、38 駆動軸、40 電子制御ユニット、42 CPU、44 ROM、46 RAM、46a 第1記憶領域、46b 第2記憶領域、50 改質ガス流量センサ、51 空気流量センサ、52 温度センサ、54 電圧センサ、56 電流センサ、58 車速センサ、60 シフトレバー、61 シフトポジションセンサ、62 アクセルペダル、63 アクセルペダルポジションセンサ、64 ブレーキペダル、65 ブレーキペダルポジションセンサ。
Claims (17)
- 燃料電池の所定の物理量を検出する物理量検出手段と、
前記物理量検出手段によって検出された前記物理量に基づいて複数の制御対象の各々に対応した電池出力特性を推定する出力特性推定手段と、
前記複数の制御対象を制御するにあたり前記出力特性推定手段によって複数の制御対象の各々に対応して推定された電池出力特性に基づいて各制御対象を制御する制御手段と
を備えた燃料電池制御装置。 - 前記出力特性推定手段は、前記複数の制御対象の各々に対応した回数だけ前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得し、該取得した前記物理量に基づいて前記複数の制御対象の各々に対応した電池出力特性を推定する
請求項1に記載の燃料電池制御装置。 - 前記出力特性推定手段は、前記複数の制御対象の各々に対応した取得タイミングごとに前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得し、前記複数の制御対象の各々に対応した推定タイミングごとに前記複数の制御対象の各々に対応して取得した前記物理量に基づいて前記複数の制御対象の各々に対応した電池出力特性を推定する
請求項1又は2に記載の燃料電池制御装置。 - 前記出力特性推定手段は、前記複数の制御対象の各々に対応した取得タイミングごとに前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得する一方、前記複数の制御対象の各々に対応した次回の推定タイミング以降において不要となる前記物理量を消去する
請求項3に記載の燃料電池制御装置。 - 前記推定タイミングは、前記制御対象の制御を実行する制御実行タイミングに応じて設定される
請求項3又は4に記載の燃料電池制御装置。 - 前記出力特性推定手段は、緩慢に応答する制御対象については長期の取得タイミングごとに前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得し、迅速に応答する制御対象については短期の取得タイミングごとに前記物理量検出手段によって検出された物理量を取得する
請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池制御装置。 - 前記出力特性推定手段は、緩慢に応答する制御対象については長期の推定タイミングごとに前記制御対象に対応して取得した前記物理量に基づいて前記電池出力特性を推定し、迅速に応答する制御対象については短期の推定タイミングごとに前記制御対象に対応して取得した前記物理量に基づいて前記電池出力特性を推定する
請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池制御装置。 - 前記緩慢に応答する制御対象は、炭化水素系燃料を改質して得られる燃料ガスを前記燃料電池へ供給する改質器であって該改質器への前記炭化水素系燃料の投入量が操作されることにより前記燃料電池への前記燃料ガスの供給量が制御されるものである
請求項6又は7に記載の燃料電池制御装置。 - 前記迅速に応答する制御対象は、出力電圧が操作されることにより出力電力が制御される前記燃料電池である
請求項6〜8のいずれかに記載の燃料電池制御装置。 - 前記燃料電池と電力のやり取りが可能な電力供給手段を備え、
前記迅速に応答する制御対象は、前記電力供給手段と前記燃料電池との電力分担割合を算出し該算出した電力分担割合に基づいて出力電力が制御される燃料電池である
請求項6〜8のいずれかに記載の燃料電池制御装置。 - 電気化学反応により発電する燃料電池と、
炭化水素系燃料を改質して得られる燃料ガスを前記燃料電池へ供給する改質器と、
前記燃料電池と前記改質器とを制御するにあたり前記燃料電池の制御周期を前記改質器の制御周期よりも短くなるように設定して制御する制御手段と
を備えた燃料電池制御装置。 - 前記制御手段は、前記燃料電池と前記改質器とを制御するにあたり前記燃料電池の出力電力を制御する制御周期を前記改質器への炭化水素系燃料の供給量を制御する制御周期よりも短くなるようにして制御する
請求項11に記載の燃料電池制御装置。 - 前記制御手段は、電池出力特性に関わる物理量を取得し該取得した物理量に基づいて前記燃料電池と前記改質器とを制御する
請求項11又は12に記載の燃料電池制御装置。 - 前記物理量検出手段は、前記物理量として前記燃料電池の出力電流と出力電圧とを検出する
請求項1〜13のいずれかに記載の燃料電池制御装置。 - (a)燃料電池の所定の物理量を検出するステップと、
(b)前記ステップ(a)で検出された前記物理量に基づいて複数の制御対象の各々に対応した電池出力特性を推定するステップと、
(c)前記複数の制御対象を制御するにあたり前記ステップ(b)で複数の制御対象の各々に対応して推定された電池出力特性に基づいて各制御対象を制御するステップと
を含む燃料電池制御方法。 - 電気化学反応により発電する燃料電池と、炭化水素系燃料を改質して得られる燃料ガスを燃料電池へ供給する改質器とを制御する燃料電池制御方法であって、
前記燃料電池と前記改質器とを制御するにあたり前記改質器の制御周期を前記燃料電池の制御周期よりも長くなるように設定して制御する
燃料電池制御方法。 - 請求項1〜14のいずれかに記載の燃料電池制御装置を搭載した車両。
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