JP2003112902A - 燃料改質器の制御装置 - Google Patents

燃料改質器の制御装置

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JP2003112902A JP2001305540A JP2001305540A JP2003112902A JP 2003112902 A JP2003112902 A JP 2003112902A JP 2001305540 A JP2001305540 A JP 2001305540A JP 2001305540 A JP2001305540 A JP 2001305540A JP 2003112902 A JP2003112902 A JP 2003112902A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない温度計で改質反応器のピーク温度を管
理し、改質反応器の劣化に応じて流入させる燃料量を制
御し、かつ、性能が維持できない劣化を検出すると、こ
れを告知する改質反応器の制御装置を提供する。 【解決手段】 温度センサ9は改質反応器1の温度を測
定し、温度推定部45は、運転条件と温度センサ9の温
度測定値とに基づいて改質反応器1で最も高い温度であ
るピーク温度推定値を推定する。劣化推定部46は、ピ
ーク温度推定値と温度測定値との偏差に基づいて、改質
反応器1の劣化の程度を示す劣化推定値を推定し、劣化
推定値が所定値を超えると情報提供装置32で異常を告
知する。また劣化推定値に応じて目標値生成部42が生
成する燃料供給値を制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原燃料から水素リ
ッチな燃料ガスを生成する燃料改質器の制御装置に係
り、特に改質器が劣化しても適切な制御が行える燃料改
質器の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池用の燃料ガス生成方法として、
アルコールやガソリン等の炭化水素系の原燃料から燃料
改質により水素リッチな燃料ガスを得る方法が知られて
いる。例えば、特開平10−169908号公報には、
メタノールを改質して利用する燃料電池が開示されてい
る。この従来技術によれば、原燃料としてのメタノール
を蒸発させたメタノール蒸気と、蒸気発生器で発生させ
た水蒸気と、空気圧縮機で圧縮した空気とを改質反応器
に導入し、改質反応により水素リッチな燃料ガスを生成
している。この改質反応には、メタノールと空気中の酸
素から水素と二酸化炭素を生成する部分酸化反応と、メ
タノールと水から水素と二酸化炭素を生成する水蒸気改
質反応とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の改質においては、部分酸化反応は発熱反応であり、
水蒸気改質反応は吸熱反応であるので、改質反応器内の
温度が一定せず、部分的な温度上昇により改質触媒の劣
化が進行し、改質器の性能低下を招くという問題点があ
った。一度反応器の触媒が劣化してしまうと、その劣化
箇所の触媒は二度と活性化しなくなる。さらに劣化した
部分を有する触媒のまま改質反応を行なうと、反応器自
体の異常劣化や燃費の悪化につながるという問題点があ
った。
【0004】そこで、信頼性向上、燃費向上の為には、
劣化を招くような高温にならないように制御するととも
に、劣化を推定し、適切に制御を行なう必要があるが、
これには、改質器内の温度を測定して目標値を超えない
よう制御することが考えられる。
【0005】しかし改質反応器の温度分布は、運転条件
や経時劣化によっても変化し、ピーク温度位置も変化す
る。改質反応器の温度を1個の温度計で測定した測定値
で制御すると、温度計取付位置がピーク温度になるよう
な運転条件では良いものの、運転条件が変化したり、経
時劣化が進むと、温度計取付位置では目標温度以下にな
っていても他の場所でそれ以上の温度となることが有り
得る。
【0006】また赤外線カメラ等で改質反応器の温度分
布を示す画像を撮影し、この画像信号に基づいて温度制
御を行なう手法も考えられるが、これらを実現する上記
センサは非常に高価である。また分布定数系センサの代
わりに複数の温度センサを用いて改質反応器の温度分布
を把握する方法も考えられるが、数十本の温度センサが
必要となるとともに制御が複雑化し、コストアップが避
けられない。
【0007】以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、少
ない温度計でも劣化時を含め常時ピーク温度を管理する
ことができる改質反応器の制御装置を提供することであ
る。
【0008】また本発明の目的は、改質反応器が劣化し
ても、適切に改質反応器に流入させる燃料を制御し、か
つ、性能が維持できない劣化が発見された時は、これを
告知することができる改質反応器の制御装置を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記目的を達成するため、原燃料を改質して水素を含む
燃料ガスを生成する燃料改質器の制御装置において、改
質用の触媒を収納した改質反応器内の温度を測定する温
度測定手段と、前記燃料改質器の運転条件に基づいて前
記改質反応器内の温度のうち少なくとも最も高い温度で
あるピーク温度を推定する温度推定手段と、該温度推定
手段が推定した温度推定値と前記温度測定手段による温
度測定値との偏差に基づいて、前記改質反応器の劣化の
程度を推定する劣化推定手段と、を備えたことを要旨と
する。
【0010】請求項2記載の発明は、上記目的を達成す
るため、請求項1記載の燃料改質器の制御装置におい
て、前記温度推定手段は、前記改質反応器内の前記温度
測定手段の取付位置における温度を推定する測定位置温
度推定手段と、該測定位置温度推定手段が推定した測定
位置温度推定値と、前記温度測定値との偏差に基づい
て、前記温度推定値を補正する補正手段とを備え、前記
劣化推定手段は、前記測定位置温度推定値と前記温度測
定値との偏差に基づいて、前記改質反応器の劣化の程度
を推定することを要旨とする。
【0011】請求項3記載の発明は、上記目的を達成す
るため、請求項2記載の燃料改質器の制御装置におい
て、前記温度推定手段は、運転条件と前記劣化の程度に
応じた改質反応器の温度特性を格納した複数の温度特性
マップを有し、前記補正手段は、前記測定位置温度推定
値と前記温度測定値との偏差に基づいて前記温度特性マ
ップの選択を変更することを要旨とする。
【0012】請求項4記載の発明は、上記目的を達成す
るため、請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の
燃料改質器の制御装置において、前記劣化推定手段は、
起動初期状態の時は劣化推定を行なわないことを要旨と
する。
【0013】請求項5記載の発明は、上記目的を達成す
るため、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の
燃料改質器の制御装置において、前記劣化推定手段は、
運転過渡状態の時は劣化推定を行なわないことを要旨と
する。
【0014】請求項6記載の発明は、上記目的を達成す
るため、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の
燃料改質器の制御装置において、外気の温度を測定する
外気温度測定手段を備え、前記温度推定手段は、前記外
気温度により温度推定値を補正することを要旨とする。
【0015】請求項7記載の発明は、上記目的を達成す
るため、請求項2記載の燃料改質器の制御装置におい
て、前記偏差が第1所定値以上、かつ第2所定位置以下
の範囲の場合、前記劣化推定手段は経年劣化として判断
して、前記補正手段は温度推定方法を正常時の温度推定
方法から経年劣化時の温度推定方法に切り替えることを
要旨とする。
【0016】請求項8記載の発明は、上記目的を達成す
るため、請求項2記載の燃料改質器の制御装置におい
て、前記偏差が第2所定値を超える場合、前記劣化推定
手段は異常劣化として判断することを要旨とする。
【0017】請求項9記載の発明は、上記目的を達成す
るため、請求項8記載の燃料改質器の制御装置におい
て、異常劣化として判断した時に、燃料改質器の異常を
告知する告知手段を備えたことを要旨とする。
【0018】請求項10記載の発明は、上記目的を達成
するため、請求項2記載の燃料改質器の制御装置におい
て、前記燃料改質器が改質した燃料ガスを用いて発電す
る燃料電池の実セル電圧を検出する電圧検出器と、燃料
電池に対する要求電力に応じた要求セル電圧を算出する
要求電圧算出手段と、前記偏差が第2所定値以下の場
合、前記実セル電圧と前記要求セル電圧との差が第3所
定値以上であれば、燃料改質器の異常を告知する告知手
段と、を備えたことを要旨とする。
【0019】請求項11記載の発明は、上記目的を達成
するため、請求項1ないし請求項10のいずれか1項記
載の燃料改質器の制御装置において、前記劣化推定手段
による劣化の程度に応じて、前記改質反応器に供給する
原燃料の量を制御することを要旨とする。
【0020】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、原燃料を
改質して水素を含む燃料ガスを生成する燃料改質器の制
御装置において、改質用の触媒を収納した改質反応器内
の温度を測定する温度測定手段と、前記燃料改質器の運
転条件に基づいて前記改質反応器内の温度のうち少なく
とも最も高い温度であるピーク温度を推定する温度推定
手段と、該温度推定手段が推定した温度推定値と前記温
度測定手段による温度測定値との偏差に基づいて、前記
改質反応器の劣化の程度を推定する劣化推定手段と、を
備えたことにより、改質反応器の劣化がその温度の変化
として現れることを利用して改質反応器の劣化の程度を
推定できるようになり、劣化の程度から運転条件に応じ
た改質反応器の温度分布を推定できることを利用して、
劣化による影響を含めて改質反応器内で最も温度が高い
ピーク温度が管理温度以下になるように制御することが
できるようになるので、改質反応器内で異常に高温な部
分の発生及びこれによる劣化を防止できるという効果が
ある。
【0021】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加えて、前記温度推定手段は、前記改
質反応器内の前記温度測定手段の取付位置における温度
を推定する測定位置温度推定手段と、該測定位置温度推
定手段が推定した測定位置温度推定値と、前記温度測定
値との偏差に基づいて、前記温度推定値を補正する補正
手段とを備え、前記劣化推定手段は、前記測定位置温度
推定値と前記温度測定値との偏差に基づいて、前記改質
反応器の劣化の程度を推定することにより、更に正確な
温度推定値に基づいて温度推定値と温度測定値との間の
偏差を算出できるようになり、劣化推定の確度を高める
ことができるという効果がある。
【0022】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の発明の効果に加えて、前記温度推定手段は、運転条
件と前記劣化の程度に応じた改質反応器の温度特性を格
納した複数の温度特性マップを有し、前記補正手段は、
前記測定位置温度推定値と前記温度測定値との偏差に基
づいて前記温度特性マップの選択を変更するようにした
ので、前記温度推定手段が簡素な構成になるという効果
がある。
【0023】請求項4記載の発明によれば、請求項1な
いし請求項3記載の発明の効果に加えて、前記劣化推定
手段は、起動初期状態の時は劣化推定を行なわないよう
にしたので、改質反応器の温度が不安定な起動初期を除
いて、劣化判断できるようになり、劣化推定精度が向上
するという効果がある。
【0024】請求項5記載の発明によれば、請求項1な
いし請求項4記載の発明の効果に加えて、前記劣化推定
手段は、運転過渡状態の時は劣化推定を行なわないよう
にしたので、運転過渡状態で正確に劣化推定を行なうた
めに必要な複雑なモデル、もしくは高密度なマップが不
要となり、劣化推定手段の構成を簡略化できるという効
果がある。
【0025】請求項6記載の発明によれば、請求項1な
いし請求項5記載の発明の効果に加えて、外気の温度を
測定する外気温度測定手段を備え、前記温度推定手段
は、前記外気温度により温度推定値を補正するようにし
たので、外気温度の影響を受けやすい改質反応器温度を
より正確に推定することができるという効果がある。
【0026】請求項7記載の発明によれば、請求項2記
載の発明の効果に加えて、前記偏差が第1所定値以上、
かつ第2所定位置以下の範囲の場合、前記劣化推定手段
は経年劣化として判断して、前記補正手段は温度推定方
法を正常時の温度推定方法から経年劣化時の温度推定方
法に切り替えるようにしたので、経年劣化後も正確に温
度推定を行うことができるという効果がある。
【0027】請求項8記載の発明によれば、請求項2記
載の発明の効果に加えて、前記偏差が第2所定値を超え
る場合、前記劣化推定手段は異常劣化として判断するよ
うにしたので、異常劣化の早期検出が可能となるという
効果がある。
【0028】請求項9記載の発明によれば、請求項8記
載の発明の効果に加えて、異常劣化として判断した時
に、燃料改質器の異常を告知する告知手段を備えたこと
により、検出した異常劣化を燃料改質器の運用者に告知
することができるという効果がある。
【0029】請求項10記載の発明によれば、請求項2
記載の発明の効果に加えて、前記燃料改質器が改質した
燃料ガスを用いて発電する燃料電池の実セル電圧を検出
する電圧検出器と、燃料電池に対する要求電力に応じた
要求セル電圧を算出する要求電圧算出手段と、前記偏差
が第2所定値以下の場合、前記実セル電圧と前記要求セ
ル電圧との差が第3所定値以上であれば、燃料改質器の
異常を告知する告知手段と、を備えたことにより、温度
に基づく燃料改質器の異常が検出できない場合でも、要
求セル電圧と実セル電圧が異なり、燃料改質器の改質処
理能力が低下している可能性がある場合には、燃料改質
器の異常を検出することができるという効果がある。
【0030】請求項11記載の発明によれば、請求項1
ないし請求項10記載の発明の効果に加えて、前記劣化
推定手段による劣化の程度に応じて、前記改質反応器に
供給する原燃料の量を制御するようにしたので、経年劣
化があっても改質反応器の負荷能力を最大限まで引き出
すことができ、かつ、必要以上の原燃料を流入させない
ことも可能となったので、劣化による燃費の悪化を防止
することができるという効果がある。
【0031】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して、本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る燃料
改質器の制御装置を適用した燃料電池システムの構成を
示すブロック図であり、原燃料としてメタノールと水と
使用し、燃料改質器で生成した水素で発電する燃料電池
を動力源とする電気自動車を示している。
【0032】図1において、燃料改質器は、蒸発器3
と、改質用の触媒を収納した改質反応器1と、一酸化炭
素(CO)除去器8であり、燃料改質器の制御装置は、
ECU40である。
【0033】まず最初に、ガス経路に従って、上記燃料
改質器及び燃料電池本体12及びその周辺の構成要素を
説明し、次に、ECU40で実現される制御装置及びそ
の他の構成要素を説明する。
【0034】燃料タンク23から供給されるメタノール
と、水タンク21から供給される水とは、それぞれ燃料
制御装置22、水流量制御装置20で流量が制御され
て、蒸発器3へ供給される。蒸発器3は、後述する燃焼
器17からの排ガスの熱量を利用して、供給されたメタ
ノールと水とを加熱して蒸発させ、メタノール蒸気と水
蒸気とを生成する。メタノール蒸気と水蒸気とは、温度
センサ77で温度が測定されて、改質反応器1へ流入す
る。
【0035】一方、空気供給装置であるコンプレッサ2
は、図示しないフィルタを介して取り込んだ空気を圧縮
して、燃料電池本体12の空気極12aへ供給すると共
に、空気流量調整弁6、10をそれぞれ介して、改質反
応器1、CO(一酸化炭素)除去器8へ供給する。コン
プレッサ2から改質反応器1へ流入する空気流量を調整
する空気流量調整弁6の手前には、温度センサ4及び流
量センサ5が設けられている。
【0036】改質用の触媒を収納した改質反応器1は、
蒸発器3から供給されるメタノール蒸気、水蒸気、およ
びコンプレッサから供給される圧縮空気を利用して、メ
タノールの部分酸化反応(発熱反応)、水蒸気改質反応
(吸熱反応)により、水素と二酸化炭素(CO2 )を生
成し、これらを含む改質ガスをCO除去器8へ送る。改
質反応器1は、改質反応と部分酸化反応で生じたCOを
燃焼するシフト反応一体型であるが、改質反応器1から
出力される水素リッチな改質ガスには多少のCOが含ま
れている。また、改質反応器1には、その内部の温度を
測定する温度センサ9が取り付けられている。
【0037】CO除去器8は、改質反応器1から送られ
た改質ガス中の残留COをコンプレッサ2からの空気を
利用して選択酸化反応(発熱反応)させ、燃料電池本体
12に無害なCO2 に変える。
【0038】CO除去器8でCOが除去された改質ガス
は、流量センサ24で流量が測定され、温度センサ11
で温度が測定されて、燃料電池本体12の水素極12b
の入口へ供給される。本実施形態では、CO除去器8の
出口ガス温度は、温度センサ11が管理温度になるよう
に図示しない冷却装置が冷媒流量を調整する。
【0039】一方、燃料電池本体12の空気極12aの
入口には、コンプレッサ2で圧縮された空気が供給され
る。そして、燃料電池本体12で改質ガス中の水素と空
気中の酸素とを利用した電気化学反応により発電が行わ
れ、後述する負荷26へ直流電力が供給される。
【0040】尚、燃料電池本体12には、図示しない冷
却液通路が設けられ、燃料電池本体12の温度が発電に
適切な温度に維持されるように、図示しない冷却装置に
より冷媒の循環が制御されている。
【0041】燃料電池本体12の空気極12aの出口に
は、その圧力を測定する圧力センサ15と、圧力調整弁
13を介して燃焼器17に接続する配管が設けられてい
る。同様に、水素極12bの出口には、その圧力を測定
する圧力センサ16と、圧力調整弁14を介して燃焼器
17に接続する配管が設けられている。圧力調整弁1
3,14は、それぞれ圧力センサ15,16で測定され
る空気極12aの圧力、水素極12bの圧力が制御目標
値となるように、後述するECU40により制御され
る。
【0042】燃焼器17は、空気極12aから供給され
る酸素が残留した排空気と、水素極12bから供給され
る水素が残留した排改質ガスとが供給され、水素と酸素
とを燃焼させて高温の排ガスを生成し、蒸発器3に熱源
として供給する一方、余剰の排ガスを車外へ放出できる
構成となっている。また、燃焼器17には、その温度を
検出する温度センサ18が設けられている。
【0043】本発明に係る燃料改質器の制御装置である
ECU40は、管理温度生成部41と、空気目標流量お
よび改質ガス目標流量を生成する目標値生成部42と、
コンプレッサ2から空気が供給される各部の空気流量が
それぞれ目標値となるように非干渉制御する非干渉制御
部43と、改質反応器1の温度を制御する温度制御部4
4と、運転条件に基づいて改質反応器1内で最も高い温
度であるピーク温度を推定する温度推定手段および温度
測定手段である温度センサ9の取付位置における温度で
ある測定位置温度を推定する測定位置温度推定手段とし
ての温度推定部45と、測定位置温度推定値と温度測定
値との偏差に基づいて、改質反応器1の劣化の程度を示
す劣化推定値を推定する劣化推定手段としての劣化推定
部46と、を備えている。このECU40は、例えば、
CPUと周辺インターフェースを有するマイクロコンピ
ュータで実現される。
【0044】管理温度生成部41では、燃焼器17の出
口に設けられた温度センサ18が検出する出口ガス温度
が目標ガス温度になるように、それぞれ必要とする要求
空気流量と、要求燃料流量を算出する。
【0045】管理温度生成部41で算出した空気要求量
は目標値生成部42へ入力して、燃料電池システム全体
で必要とする総空気流量を算出する。
【0046】目標値生成部42は、コンプレッサ2から
空気が供給される改質反応器1、CO除去器8及び空気
極12aのそれぞれの目標流量を算出するとともに、こ
れら目標流量の合計である空気の目標総流量を算出す
る。また目標値生成部42は、蒸発器3へ供給する原燃
料であるメタノール及び水の目標流量を算出する。
【0047】非干渉制御部43は、改質反応器1、CO
除去器8及び空気極12aにおける空気流量がそれぞれ
目標値となるように、空気流量制御弁6の開度、空気流
量制御弁10の開度、及びコンプレッサ2の駆動力を制
御し、それぞれの空気流量が他の空気流量に影響されな
いように非干渉制御する。
【0048】非干渉制御部43では、目標値生成部42
で算出した燃料電池システム全体で必要とする空気の目
標総流量を受取り、それぞれの流量センサで測定されて
いる空気の流量の合計が目標総流量になるようにコンプ
レッサ2を制御する。本実施形態では、コンプレッサの
回転数を非干渉制御部43で他の流量、圧力の制御と非
干渉になるように制御する。
【0049】燃料電池本体12の空気極12aへの空気
流量は、総空気流量が目標値に制御されて、改質反応器
1への空気流量と、CO除去器8への空気流量が目標値
に制御されるので、燃料電池本体12の空気極12aの
空気流量制御用のバルブを設置することなしに目標値を
制御することができる。
【0050】燃料電池本体12の空気極12a側の圧力
と、水素極12b側の圧力は非干渉制御部43で制御す
る。空気極12a側の目標圧力と、水素極12b側の目
標圧力は、目標値生成部42で算出され、その目標値を
非干渉制御部43へ入力して、非干渉制御部43で、圧
力センサ15で測定している空気極12a側の圧力が目
標値になるように、圧力調整弁13の開度を他の空気流
量、圧力の制御と非干渉に制御する。
【0051】圧力センサ16で測定している水素極12
b側の圧力が目標値になるように、圧力調整弁14の開
度を他の空気流量、圧力の制御と非干渉に制御する。
【0052】温度制御部44は改質反応器1の温度制御
器である。温度推定部45で推定される改質反応器1の
ピーク温度が目標管理温度になるように、フィードバッ
ク制御で改質反応器1へ供給すべき空気の流量を求め
る。
【0053】また、温度制御部44は目標値生成部42
より、改質反応器1へ供給する空気流量の目標値を受け
取っている。温度制御部44では、これはフィードフォ
ワード項として、温度制御部44内にあるフィードバッ
ク制御で求めた改質反応器1へ供給すべき空気の流量に
加算する。
【0054】このようにして算出した改質反応器1へ供
給すべき空気の流量の目標値は、非干渉制御部43へ送
って非干渉制御部43が改質反応器1の空気流量を制御
するために、空気流量制御弁6の開度を制御する。
【0055】温度推定部45は、改質反応器1内の温度
をモデルを使って、改質反応器1内のピーク温度及び測
定位置温度を推定する。温度推定には、目標値生成部4
2で算出した原燃料(メタノール蒸気及び水蒸気)の目
標流量と、温度センサ7で測定した原燃料の温度と、流
量センサ5で測定した空気流量と、温度センサ4で検出
した空気温度とを運転状態として入力し、改質反応器1
の内部のピーク温度及び測定位置温度を運転条件に応じ
て出力する温度モデル関数を予め記憶しておき、この温
度モデル関数を参照して、改質反応器1の温度推定を行
う。
【0056】次に、本実施形態で使用する温度モデル関
数の性質を説明する。
【0057】空気流量を増加させると、改質反応器内の
部分酸化反応が活発になるため改質反応器内温度は上昇
し、逆に空気流量を減少させると温度は下がる。
【0058】また、空気の温度が上昇すると、空気の持
ち込む熱量が増えるので、改質反応器内温度は上昇し、
逆に空気の温度が低下すると改質反応器内の温度は下が
る。
【0059】原燃料の流量を増加すると(ただし水とメ
タノール比は一定)、改質反応器内の吸熱反応である水
蒸気改質反応が活発になるため、改質反応器内温度は低
下し、逆に減少させると温度は上がる。
【0060】また、原燃料の温度が上昇すると、原燃料
の持ち込む熱量が増えるので、改質反応器内温度は上昇
し、逆に原燃料の温度が低下すると改質反応器内の温度
は下がる。
【0061】また同じ運転条件(改質反応器に供給され
る原燃料の量、原燃料の温度、空気の量、空気の温度)
であっても、改質反応器1の経時劣化が進むと、ピーク
温度が下がるとともにピーク温度が発生する位置が改質
反応器の出口側に近づくように変化する。
【0062】このように、改質反応器1内の温度は、原
燃料の流量と温度、空気流量と温度に密接な関係がある
ため、改質反応器内の温度は予め実験で得たデータテー
ブルあるいは多変量解析に基づく関数として、予め記憶
しておくことが出来る。
【0063】本発明の温度推定手段は、改質反応器1の
温度を推定する温度推定部45であり、以下の機能を有
する。
【0064】(1)温度推定部45は、運転条件に基づ
いて、改質反応器1の温度を推定し、温度推定値を算出
する。
【0065】(2)温度推定部45は、外気温度センサ
35より外気温度を取得し、温度推定値を補正する。
【0066】本発明の劣化推定手段は、改質反応器1の
劣化を推定する劣化推定部46であり、以下の機能を有
する。
【0067】(1)劣化推定部46は温度推定部45で
推定した改質反応器1の測定位置温度推定値と、実際に
温度センサ9で測定した温度測定値との偏差により劣化
状態を推定する。
【0068】(2)劣化推定部46は改質反応器1の劣
化状態を検出し、異常判断が行われた時、情報提供装置
32により劣化状態をドライバへ情報提供する。本実施
形態では、情報提供装置32は、インストルメントパネ
ルに設けられたランプであり、劣化状態の異常を検出し
たときにランプを点灯させることにより、異常検出の情
報をドライバへ提供している。
【0069】(3)劣化推定部46は発電状態検出装置
34と充電状態検出装置31の和と要求トルク検出装置
33から算出された電圧を比較し、異常劣化を推定す
る。本実施形態では、要求トルク検出装置33をアクセ
ルペダルと線形関係とし、アクセルペダルストロークを
ドライバ要求トルクとして算出している。
【0070】負荷26は燃料電池本体12に接続されて
いる負荷であり、燃料電池本体12の余剰電力を後述す
る二次電池29へ充電する充電器27、インバータ2
8、二次電池29が接続されている。
【0071】インバータ28は、燃料電池本体12また
は二次電池29から供給される直流電力を交流電力に変
換して駆動用モータ30を駆動させ、車両走行の動力と
して使うことができる。
【0072】充電状態検出装置31は、充電器27によ
る二次電池29の充電状態を検出するである。本実施形
態では電圧計である。
【0073】次に、図2のフローチャートを参照して、
温度推定部45及び劣化推定部46の動作を詳細に説明
する。
【0074】まずステップS1では、燃料改質システム
が起動初期状態か否かを判断する。
【0075】本実施形態では、図1の改質反応器1の触
媒が活性温度範囲になっているか、かつ、CO除去器8
の触媒が活性温度範囲になっているか、という条件に基
づき、もし起動後一度も上記2条件を満たしていなけれ
ば、起動初期状態であると判断し、劣化推定を行なわな
い。
【0076】次いで、ステップS2では、要求トルク検
出装置33が検出したドライバの要求トルクが過渡状態
にあるか、否かの判断をする。本実施形態では、ドライ
バ要求トルクの変化率がある値以上のとき、過渡状態と
し、前記変化率の算出は、アクセルペダルストローク量
の微分値を変化率として用いる。
【0077】ステップS3では、改質反応器1に供給さ
れる原燃料(メタノールと水)の量、原燃料の温度、空
気の量、空気の温度からなる運転条件、改質反応器1に
設けられた温度センサ9の測定値、外気温度センサ35
による外気温度の測定値を読み込む。
【0078】ステップS4では、先に読み込んだ運転条
件に基づいて、温度推定部45が改質反応器1内の最も
高い温度であるピーク温度及び温度センサ9の取付位置
の温度である測定位置温度の温度推定値を算出する。こ
の温度推定値を算出するため、図3に示すような改質反
応器1の温度分布マップを運転条件毎に予め実験で得た
データテーブルとして用意しておく。
【0079】ステップS5では、ステップS4で算出し
た温度推定値を、外気温度の測定値を参照して補正す
る。この補正に用いる補正値の算出のために、改質反応
器1内の位置と外気温とから温度補正値を求める図4の
ようなマップを予め実験で求め、記憶しておく。図4が
示すマップの構成は、外気温が高ければ高いほど、補正
温度を上げ、低ければ低いほど補正温度を下げることと
する。また改質反応器1の温度分布に依存した補正マッ
プとなるような構成にした。
【0080】ステップS6では、ステップS5で求めた
測定位置温度推定値と温度センサ9の温度測定値との偏
差の過去100回の移動平均を算出し、これをerrと
する。
【0081】ステップS10、S16では、S6で算出
した、errに基づき、異常劣化か経年劣化か正常かを
判断するフローへの分岐を行なう。
【0082】本実施形態では、図5に示すように、co
nst2とconst3という2つの所定値(閾値)と
の比較により、異常劣化、経年劣化、正常判断の処理ル
ーチンの分岐を行なった。
【0083】ステップS10では、|err|>con
st3であるか、否かを判定する。ステップS10の条
件が満足されれば、異常劣化と判断してステップS20
へ進む。ステップS10の条件が満足されなければ、ス
テップS11へ進む。
【0084】ステップS11では、図1の要求トルク検
出装置33が算出した要求セル電圧Vnと、発電状態検
出装置34または充電状態検出装置31が検出した燃料
電池本体12の実セル電圧Vrを読み込む。
【0085】ステップS12では、要求セル電圧Vnと
実セル電圧Vrの差分と、ある値const5と、を比
較し、その大小関係より、異常劣化か否かを判断する。
もし、要求セル電圧Vnと実セル電圧Vrの差分が、c
onst5より大きな値であれば異常劣化として判断す
る。本実施形態では、const5=(Vr+Vn)/
2*0.5とした。
【0086】ステップS13では、異常劣化と判断し
て、ECU40内部処理で異常劣化判断結果を記憶す
る。
【0087】ステップS14では、ステップS12の時
点でシステムが異常と判断されたので、改質反応器1へ
供給する原燃料の量を制限する。本実施形態では、図6
に示すように、errが大きくなればなるほど、供給す
る原燃料の上限値を減少させる構成にした。また、本実
施形態では、要求セル電圧Vnが実セル電圧Vrを超え
ないように、要求セル電圧Vnを変更し、変更された要
求セル電圧に見合う原燃料を供給するように制限をかけ
る。これにより蒸発器3へ供給する原燃料であるメタノ
ールと水の流量をそれぞれ燃料制御装置22と水流量制
御装置20により制限するように目標流量を変更する。
【0088】ステップS15では、情報提供装置32を
作動させて、改質反応器1の異常劣化をドライバへ情報
提供する。本実施形態では、情報提供装置32は、運転
席前方のインスツルメントパネル内に設けたランプを点
灯させることにより、燃料改質器の劣化情報を提供して
いる。
【0089】ステップS16では、|err|>con
st2であるか否かを判定する。この判定がYesであ
れば、ステップS17で、errの値は、経年劣化の範
囲であるとして、ECU40内部処理で経年劣化判断結
果を記憶する。
【0090】次いで、ステップS18で、経年劣化用の
温度推定モデルへ温度推定モデルを切り替える。この温
度推定モデルである図3の改質反応器1の温度分布マッ
プは、err値が大きくなるほど、改質反応器1のピー
ク温度が低くなると共に、ピーク温度となる改質反応器
内の位置が入口側から出口側へ移動するようなマップで
ある。
【0091】ステップS16の判断がNoであれば、e
rr値は、正常範囲であるとして、ECU40内部処理
で正常判断結果を記憶し、リターンする。
【0092】ステップS20では、直前のerr値の判
断が異常劣化であったので、異常劣化と判断して、EC
U40内部処理で異常劣化判断結果を記憶する。
【0093】ステップS21では、ステップS14と同
様に、ステップS10の時点でシステムが異常と判断さ
れたので、改質反応器1へ供給する原燃料の量を制限す
る。具体的な制限方法は、ステップS14で説明したこ
とと同じである。
【0094】ステップS22では、ステップS15と同
様に、情報提供装置32を作動させて、改質反応器1の
異常劣化をドライバへ情報提供する。本実施形態では、
情報提供装置32は、運転席前方のインスツルメントパ
ネル内に設けたランプを点灯させることにより、燃料改
質器の劣化情報を提供している。
【0095】なお本実施形態の温度推定部45は、温度
推定にデータテーブルを用いたがこれに限らず、下記の
ように改質反応器1の温度変化をモデル化した関数を用
いて演算を行い、劣化を判定するとともに劣化に応じて
モデルの関数の定数を変更することで劣化後の正しいピ
ーク温度を算出することも出来る。また、以下の各式に
おいて、乗算記号として「*」を用いて、Xとの区別を
明瞭にする。
【0096】
【数1】 (∂(T)/∂t +(u1+u2+u3)*∂(T)/∂z)*(cp*p) = k1*H1 + K2*H2 - U*A*(T-Tw) …(1) T:改質反応器内の温度[K] u1:空気流速[m/s] 空気の流速は、流量センサ5の出力[m3/s]/配管の断
面積[m2]で求まる。
【0097】u2:メタノールの流速[m/s]。メタノー
ルの場合にも同様にすれば求めることができる。
【0098】u3:水の流速。水の場合にも同様にすれば
求めることができる。
【0099】ただし、メタノール、水の流量センサは本
実施形態では使用していないので目標値を使うことにす
る。
【0100】H1:水とメタノールの反応熱量(吸熱)、
−49500[J/mol] H2:酸素とメタノールの反応熱量(発熱)、18960
0[J/mol] p:平均密度[kg/m3] cp:平均熱容量[J/(kg*K)] k1=A1*EXP(-E1/RT)*(CH3OH)*(H2O) k2=A2*EXP(-E2/RT)*(CH3OH)*(O2)0.5 E1,E2は活性化エネルギー定数、A1,A2は頻度係数と呼ば
れる適当な定数である。
【0101】[CH3OH]、[H2O]、[O2]は濃度[mol/m3]を表
す。
【0102】R:ガス定数、8.314[J/(mol*K)] U:熱伝達率[J/(K*s*m2)] A:壁の伝熱面積[m2] Tw:反応器外気温度[K](本実施形態では外気温度を測定
してないので固定値とした。) 外気温を測定している場合にはその値を使うようにすれ
ばよい。
【0103】zは空間を表し、tは時間を表す。
【0104】式(1)をマイコンで計算するために空間
微分を消去する。そのために本実施形態では1次後退差
分を使う。また、改質反応器全体(入口から出口まで)
の長さをL[m]として、これを適当なN個のサブ領域に
分割する。一つのサブ領域の長さをΔzとすると、次の
式(2)となる。
【0105】
【数2】 Δz=L/N …(2) 1次の後退差分は、次の式(3)となる。
【0106】
【数3】 (∂(T)/∂z)n=(Tn-Tn-1)/Δz …(3) 添え字nは、N個に分割したサブ領域のn番めのサブ領
域であることを表す。
【0107】式(2)を使って式(1)を表すと、次の
式(4)となる。
【0108】
【数4】 (d(Tn)/dt +(u1+u2+u3)*(Tn-Tn-1)/Δz)*cp*p =k1*H1+k2*H2-U*A*(Tn-Tw) [J/s] …(4) 本実施形態では、n=1のとき、T0は、空気、メタノー
ル、水の平均温度とする。空気の温度は温度センサ4の
出力、メタノールと水とは混合して蒸気となっているの
で、温度センサ7の出力を使った。式(3)はエネルギ
ーバランス式であり、これは積分すれば、温度の変化を
表す式として利用できる。
【0109】式(3)を計算するためには、
【数5】 k1=A1*EXP(-E1/RTn)*(CH3OH)*(H2O) k2=A2*EXP(-E2/RTn)*(CH3OH)*(O2)0.5 を計算する必要がある。
【0110】k1,k2は濃度が分かれば計算できるので、
濃度を次の式で計算する。
【0111】
【数6】 d(CH3OHn)/dt+u1*(CH3OHn-CH3OHn-1)/Δz =-A1*EXP(-E1/RTn)*(CH3OHn)*(H2On) d(H2On)/dt+u2*(H2On-H2On-1)/Δz =-A1*EXP(-E1/RTn)*(CH3OHn)*(H2On) d(O2n)/dt+u3*(O2n-O2n-1)/Δz =-A2*EXP(-E2/RTn)*(CH3OH)*(O2)0.5 …(5) 本実施形態では、原燃料であるメタノールと水との流量
を測定する流量センサを備えていないので、目標値生成
部42で算出しているそれぞれの目標値を使った。原燃
料の流量を測定するセンサを取り付けている場合には、
それらの値を使うようにすればよい。
【0112】なお、改質反応器1の全領域についての温
度推定演算を行っても良いが、より効率的には、予め運
転条件に応じてピーク温度が発生する領域を予測してお
き、この領域が改質反応器1の入り口に近い場合には、
上式(4)、(5)を使っても計算回数はそれほど多く
ならないのでそのまま使える。
【0113】しかし、ピーク温度領域が改質反応器1の
入り口から遠く、計算回数が多くなる場合には、まず、
荒いΔz(式2)でピーク温度領域設定手段で設定した
領域までを上式(4)、(5)を使って計算する。
【0114】次にピーク温度領域では、上記計算結果を
初期値とするとともに、細かく分割したΔz(式2)で
上式(4)、(5)を使って計算するようにすれば少な
い計算量で正確な推定ができる。なお、荒いΔzのまま
計算してもよいが、誤差が大きくなるので、ピーク温度
領域設内では細かいΔzで計算したほうがよい。温度セ
ンサ9が設けられている位置の温度を推定する時も、上
記手法と同様にすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料改質器の制御装置が適用され
た燃料電池システムの構成を説明するシステム構成図で
ある。
【図2】改質反応器の劣化推定の動作を説明するフロー
チャートである。
【図3】改質反応器の温度推定で参照する改質反応器内
の温度マップの例を示す図である。
【図4】外気温による改質反応器の温度補正を説明する
図である。
【図5】改質反応器の温度推定値と温度測定値との偏差
による劣化判定基準を説明する図である。
【図6】改質反応器の温度推定値と温度測定値との偏差
による原燃料供給量の上限との関係を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1…改質反応器 2…コンプレッサ 3…蒸発器 4…温度センサ 5…流量センサ 6…空気流量制御弁 7…温度センサ 8…CO除去器 9…温度センサ 10…空気流量制御弁 11…温度センサ 12…燃料電池本体 13…圧力調整弁 14…圧力調整弁 15…圧力センサ 16…圧力センサ 17…燃焼器 18…温度センサ 20…水流量制御装置 21…水タンク 22…燃料制御装置 23…燃料タンク 24…流量センサ 32…情報提供装置 35…外気温度センサ 40…ECU 41…管理温度生成部 42…目標値生成部 43…非干渉制御部 44…温度制御部 45…温度推定部 46…劣化推定部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原燃料を改質して水素を含む燃料ガスを
    生成する燃料改質器の制御装置において、 改質用の触媒を収納した改質反応器内の温度を測定する
    温度測定手段と、 前記燃料改質器の運転条件に基づいて前記改質反応器内
    の温度のうち少なくとも最も高い温度であるピーク温度
    を推定する温度推定手段と、 該温度推定手段が推定した温度推定値と前記温度測定手
    段による温度測定値との偏差に基づいて、前記改質反応
    器の劣化の程度を推定する劣化推定手段と、 を備えたことを特徴とする燃料改質器の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記温度推定手段は、 前記改質反応器内の前記温度測定手段の取付位置におけ
    る温度を推定する測定位置温度推定手段と、 該測定位置温度推定手段が推定した測定位置温度推定値
    と、前記温度測定手段による温度測定値との偏差に基づ
    いて、前記温度推定値を補正する補正手段とを備え、 前記劣化推定手段は、前記測定位置温度推定値と前記温
    度測定値との偏差に基づいて、前記改質反応器の劣化の
    程度を推定することを特徴とする請求項1記載の燃料改
    質器の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記温度推定手段は、 運転条件と前記劣化の程度に応じた改質反応器の温度特
    性を格納した複数の温度特性マップを有し、 前記補正手段は、 前記測定位置温度推定値と前記温度測定値との偏差に基
    づいて前記温度特性マップの選択を変更することを特徴
    とする請求項2記載の燃料改質器の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記劣化推定手段は、起動初期状態の時
    は劣化推定を行なわないことを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれか1項記載の燃料改質器の制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記劣化推定手段は、運転過渡状態の時
    は劣化推定を行なわないことを特徴とする請求項1ない
    し請求項4のいずれか1項記載の燃料改質器の制御装
    置。
  6. 【請求項6】 外気の温度を測定する外気温度測定手段
    を備え、 前記温度推定手段は、前記外気温度により温度推定値を
    補正することを特徴とする請求項1ないし請求項5のい
    ずれか1項記載の燃料改質器の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記偏差が第1所定値以上、かつ第2所
    定位置以下の範囲の場合、前記劣化推定手段は経年劣化
    として判断して、前記補正手段は温度推定方法を正常時
    の温度推定方法から経年劣化時の温度推定方法に切り替
    えることを特徴とする請求項2記載の燃料改質器の制御
    装置。
  8. 【請求項8】 前記偏差が第2所定値を超える場合、前
    記劣化推定手段は異常劣化として判断することを特徴と
    する請求項2記載の燃料改質器の制御装置。
  9. 【請求項9】 異常劣化として判断した時に、燃料改質
    器の異常を告知する告知手段を備えたことを特徴とする
    請求項8記載の燃料改質器の制御装置。
  10. 【請求項10】 前記燃料改質器が改質した燃料ガスを
    用いて発電する燃料電池の実セル電圧を検出する電圧検
    出器と、 燃料電池に対する要求電力に応じた要求セル電圧を算出
    する要求電圧算出手段と、 前記偏差が第2所定値以下の場合、前記実セル電圧と前
    記要求セル電圧との差が第3所定値以上であれば、燃料
    改質器の異常を告知する告知手段と、 を備えたことを特徴とする請求項2記載の燃料改質器の
    制御装置。
  11. 【請求項11】 前記劣化推定手段による劣化の程度に
    応じて、前記改質反応器に供給する原燃料の量を制御す
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれ
    か1項記載の燃料改質器の制御装置。
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