JP2004229615A - ケルセチン組成物、食品保存剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】▲1▼ケルセチンとケルセチン配糖体とプロトカテキュ酸とをモル比1.5〜2.5:1:1.5〜2.5で含有するケルセチン組成物。▲2▼この組成物からなる食品保存剤。▲3▼タマネギの外皮を水と低級アルコールとの混合液を用いて抽出する工程と;ケルセチンとケルセチン配糖体とプロトカテキュ酸とを上記範囲で含む抽出液を回収する工程とを含む▲1▼の組成物の製造方法。
【選択図】なし
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、ケルセチン組成物、食品保存剤及びタマネギ外皮を原料とするそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フラボノイド類は広く植物中に含まれており、様々な生理活性を有する。例えば、ケルセチンは抗菌活性を有するとされている(非特許文献1)。
【0003】
このような抗菌活性を有するケルセチンは食品保存剤として使用することが考えられるが、ケルセチンは高価であるためそのままでは食品保存剤として実用し難い。
【0004】
安価にケルセチンを製造できる方法として特許文献1及び2は、アスコルビン酸のような還元性物質の水溶液を用いてタマネギ外皮からケルセチンを抽出する方法を開示しており、この方法により得られるケルセチンは血糖値や血圧を降下させる作用を有するとしている。
【0005】
また、特許文献3は、タマネギ外皮に含まれるケルセチンは血栓及び中性脂肪を分解する作用を有することを開示している。
【0006】
【特許文献1】特開2002−186455(段落0005〜0007など)
【0007】
【特許文献2】特開2002−51722(段落0005〜0007など)
【0008】
【特許文献3】特開2002−51722
【0009】
【非特許文献1】Int.J.Food.Microbiol.56,3−12(2000)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、食品保存剤として実用できる安価なケルセチンは未だ得られていない。
【0011】
本発明は、食品保存剤として実用できるケルセチン組成物、このケルセチン組成物からなる食品保存剤、及び、これらの簡単な製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
ケルセチンの抗酸化活性及び抗菌活性を増大させることを目的として本発明者は研究を重ね、ケルセチンにその配糖体及びプロトカテキュ酸を所定比率で配合することより、極めて優れた抗酸化活性及び抗菌活性を有する組成物が得られることを見出した。また、ケルセチンにその配糖体又はプロトカテキュ酸を所定比率で配合することよっても、極めて優れた抗酸化活性及び抗菌活性を有する組成物が得られることを見出した。さらに、ケルセチンとその配糖体とプロトカテキュ酸との所定比率の混合物は、水と低級アルコールとの混合液を用いてタマネギ外皮を抽出することより、簡単かつ効率的に、抽出液中に回収できることを見出した。
【0013】
本発明はこの知見に基づき完成されたものであり、以下のケルセチン組成物などを提供する。
【0014】
項1. ケルセチンとケルセチン配糖体とプロトカテキュ酸とをモル比1.5〜2.5:1:1.5〜2.5で含有するケルセチン組成物。
【0015】
項2. ケルセチン配糖体がケルセチン−4’−グルコシドである項1に記載のケルセチン組成物。
【0016】
項3. 項1又は2に記載のケルセチン組成物からなる食品保存剤。
【0017】
項4. ケルセチンとケルセチン配糖体とをモル比1.5〜2.5:1で含有するケルセチン組成物。
【0018】
項5. ケルセチン配糖体がケルセチン−4’−グルコシドである項4に記載のケルセチン組成物。
【0019】
項6. 項4又は5に記載のケルセチン組成物からなる食品保存剤。
【0020】
項7. ケルセチンとプロトカテキュ酸とをモル比1:0.6〜1.7で含有するケルセチン組成物。
【0021】
項8. 項7に記載のケルセチン組成物からなる食品保存剤。
【0022】
項9. ケルセチンとケルセチン配糖体とプロトカテキュ酸とをモル比1.5〜2.5:1:1.5〜2.5で含有するケルセチン組成物の製造方法であって、タマネギの外皮を水と低級アルコールとの混合液を用いて抽出する工程と;ケルセチンとケルセチン配糖体とプロトカテキュ酸とを上記範囲で含む抽出液を回収する工程とを含む製造方法。
【0023】
項10. ケルセチン配糖体がケルセチン−4’−グルコシドである項9に記載の製造方法。
【0024】
項11. 抽出に用いる混合液中の低級アルコールの濃度が20〜80容量%である項9又は10に記載の製造方法。
【0025】
項12. 低級アルコールがエタノールである項9、10又は11に記載の製造方法。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(I) ケルセチン組成物
(I−I) 第1のケルセチン組成物
組成
本発明の第1のケルセチン組成物は、ケルセチンと配糖体とプロトカテキュ酸とを含み、それらのモル比がケルセチン:ケルセチン配糖体:プロトカテキュ酸=1.5〜2.5:1:1.5〜2.5程度である組成物である。
【0027】
本発明の第1のケルセチン組成物は、これらを上記モル比で含むことにより優れた抗菌活性及び抗酸化活性を示す。その程度は、食品保存剤として十分に実用できる程度である。
【0028】
ケルセチンは以下の一般式(1)で表される化合物である。
【0029】
【化1】
【0030】
ケルセチンの配糖体は特に限定されないが、例えば上記一般式(1)のケルセチンの4’位OH基に糖がO−グリコシド結合したものが挙げられる。糖は、単糖、二糖、三糖以上のオリゴ糖のいずれであってもよい。特に、ケルセチンの4’位OH基に単糖がO−グリコシド結合したものが好ましく、以下の一般式(2)で表される配糖体であるケルセチン−4’−グルコシドがより好ましい。
【0031】
【化2】
【0032】
プロトカテキュ酸は、以下の一般式(3)で表される化合物である。
【0033】
【化3】
【0034】
ケルセチン組成物中のケルセチンとその配糖体とプロトカテキュ酸とのモル比は、ケルセチン:配糖体:プロトカテキュ酸=1.8〜2.2:1:1.8〜2.2程度であることが好ましく、1.9〜2.1:1:1.9〜2.1程度であることがより好ましい。最も好ましいモル比は2:1:2程度である。
【0035】
また、本発明の第1のケルセチン組成物は、ケルセチンとその配糖体とプロトカテキュ酸とを上記範囲で含み、かつその抗菌活性及び抗酸化活性を阻害しないものであれば、その他にどのような成分が含まれていてもよい。後述する本発明方法により得られるタマネギ外皮抽出物には、タマネギ外皮由来のその他の成分が含まれる場合があるが、ケルセチンとその配糖体とプロトカテキュ酸とが上記範囲で含まれる限りこのような成分が含まれていても構わない。また本発明の第1のケルセチン組成物は、タマネギ外皮抽出液そのものからなるものであってもよい。
活性
本発明の第1のケルセチン組成物は、例えば代表的な食中毒原因菌である、サルモネラティフィムリウム(S.typhimurium)、サルモネラエンテリティディス(S. enteritidis)のようなサルモネラ(Salmonella)属細菌;エシェリキアコリ(E.coli、大腸菌)のようなエシェリキア(Escherichia )属細菌; バチルスセレウス(B. cereus)のようなバチルス(Bacillus)属細菌;スタフィロコッカスアウレウス(S.aureus)のようなスタフィロコッカス(Staphylococcus)属細菌;ビブリオパラヘモリティカス(Vibrio parahaemolyticus)のようなビブリオ(Vibrio)属細菌などに対して抗菌活性を有する。
【0036】
その抗菌力は、ケルセチンとその配糖体とプロトカテキュ酸との比率により異なるが、例えばS.enteritidisに対して、MICが100〜1000μg/ml程度である。またB.cereusに対して、MICが100〜1000μg/ml程度である。
【0037】
また本発明の第1のケルセチン組成物は抗酸化活性も有する。ケルセチンと配糖体との比率により異なるが、後述するDPPH法により測定した抗酸化活性は、50%抑制濃度が15〜30μM程度である。
製造方法
本発明の第1のケルセチン組成物は、ケルセチンと配糖体とプロトカテキュ酸とを混合することにより製造できるが、後述する本発明方法によりタマネギ外皮から抽出することによっても製造できる。
(I−II) 第2のケルセチン組成物
本発明の第2のケルセチン組成物は、ケルセチンとその配糖体とを、モル比で、1.5〜2.5:1程度で含有する組成物である。このモル比は、1.8〜2.2:1程度であることが好ましく、1.9〜2.1:1程度であることがより好ましい。
【0038】
第2のケルセチン組成物は、ケルセチンとその配糖体とを混合することにより製造できるが、後述する本発明方法により得られたタマネギ外皮抽出物から公知の精製方法で精製することによっても製造できる。配糖体の種類、その他の含有成分、活性については前述の第1のケルセチン組成物と同様である。
(I−III) 第3のケルセチン組成物
本発明の第3のケルセチン組成物は、ケルセチンとプロトカテキュ酸とを、モル比で、1:0.6〜1.7程度で含有する組成物である。このモル比は、1:0.8〜1.2程度であることが好ましく、1:0.9〜1.1程度であることがより好ましい。
【0039】
第3のケルセチン組成物は、ケルセチンとプロトカテキュ酸とを混合することにより製造できるが、後述する本発明方法により得られたタマネギ外皮抽出物から公知の精製方法で精製することによっても製造できる。配糖体の種類、その他の含有成分、活性については前述の第1のケルセチン組成物と同様である。
(IV) 食品保存剤
本発明の食品保存剤は、以下のi)からiii)のいずれかの組成物からなる食品保存剤である。
i) ケルセチンとその配糖体とプロトカテキュ酸とを、ケルセチン:ケルセチン配糖体:プロトカテキュ酸=1.5〜2.5:1:1.5〜2.5程度のモル比で含有する組成物。
ii) ケルセチンとその配糖体とを、ケルセチン:ケルセチン配糖体=1.5〜2.5:1程度のモル比で含有する組成物。
iii) ケルセチンとプロトカテキュ酸とを、ケルセチン:プロトカテキュ酸=1:0.6〜1.7程度のモル比で含有する組成物。
【0040】
食品保存剤の対象となる食品の種類は特に限定されず、野菜、穀類、食肉、魚、果物等及びそれらの加工食品のいずれであってもよい。本発明の食品保存剤の使用量は、組成物中の各成分の含有比率及び食品の種類等によって異なるが、食品重量に対して、概ね0.005〜0.5重量%程度とすればよい。
【0041】
(III) ケルセチン組成物の製造方法
基本的構成
本発明のケルセチン組成物の製造方法は、ケルセチンとその配糖体とプロトカテキュ酸とをモル比1.5〜2.5:1:1.5〜2.5で含有するケルセチン組成物の製造方法であって、タマネギの外皮を、水と低級アルコールとの混合液を用いて抽出する工程と;ケルセチンとその配糖体とプロトカテキュ酸とを上記範囲で含む抽出液を回収する工程とを含む製造方法である。
タマネギ外皮
タマネギ外皮は鱗片のままで使用してもよいが、抽出効率の点で、粉砕した形状で抽出に供することが好ましい。
抽出液
抽出液としては、水と低級アルコールとの混合液を用いる。低級アルコールは、炭素数1〜3のアルコールが好ましい。炭素数1〜3のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールが挙げられる。毒性及び臭気がない点でエタノールが好ましい。
【0042】
抽出液中の低級アルコールの比率は、得られる組成物の組成及び収率を考慮すれば、例えば20〜80容量%程度、特に30〜60容量%程度、さらに特に40〜50容量%程度が好ましい。
【0043】
前述したように、ケルセチンと配糖体とプロトカテキュ酸とをモル比でケルセチン:配糖体:プロトカテキュ酸=1.5〜2.5:1:1.5〜2.5程度となる比率で併用することにより、優れた抗菌活性及び抗酸化活性を有する組成物となる。抽出液中の低級アルコールの比率を上記範囲にすることにより、抽出物中のケルセチンと配糖体とプロトカテキュ酸とのモル比をケルセチン:配糖体:プロトカテキュ酸=1.5〜2.5:1:1.5〜2.5程度にすることができる。
【0044】
抽出液の使用量は特に限定されず、タマネギを浸漬できるだけの容量を用いればよい。
抽出方法
抽出は、タマネギと抽出液とを接触させることにより行う。抽出方法は特に限定されず、浸漬法、散水法、循環法のような公知の方法を採用できる。タマネギと抽出液との混合物を撹拌しつつ抽出することもできる。
【0045】
抽出温度は特に限定されず室温でよいが、抽出効率の点では、使用する低級アルコールが気化しない範囲で加熱しつつ抽出することが好ましい。メタノール(沸点64.7℃)を使用する場合は、例えば10〜60℃程度、特に20〜45℃程度の温度で行うことが好ましく、エタノール(沸点78.3℃)を用いる場合は、例えば10〜70℃程度、特に20〜60℃程度の温度で行うことが好ましく、1−プロパノール(沸点97.2℃)を用いる場合は、例えば20〜80℃程度、特に30〜50℃程度の温度で行うことが好ましく、2−プロパノール(沸点82.4℃)を用いる場合は、例えば20〜75℃程度、特に30〜50℃程度の温度で行うことが好ましい。上記温度範囲であれば、効率よく目的成分を抽出できるとともに目的成分が分解し難い。
【0046】
抽出時間は、撹拌速度や温度等により異なるが、0.5〜4時間程度とすればよい。
抽出液の回収
抽出後の固液分離方法は特に限定されず、抽出に供するタマネギの形状に合わせて、濾過、遠心分離などを採用できる。また、網状の容器にタマネギを入れた状態で抽出操作を行い、抽出後容器ごと外皮を除去することもできる。
【0047】
回収された抽出液には、ケルセチンとその配糖体とプロトカテキュ酸とが、モル比でケルセチン:配糖体:プロトカテキュ酸=1.5〜2.5:1:1.5〜2.5程度の比率で含まれる。この抽出液をそのまま本発明のケルセチン組成物として使用することもできるが、濃縮乾固したものをケルセチン組成物として使用することもできる。さらに公知の精製方法により不純物を除去してもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、食品保存剤として実用できるケルセチン組成物、このケルセチン組成物からなる食品保存剤、及び、これらの簡単な製造方法が提供された。
【0049】
さらにいえば、本発明のケルセチン組成物は、ケルセチンの他にその配糖体及び/又はプロトカテキュ酸を所定比率で含むために、主要な食中毒細菌に対して非常に強い抗菌活性を有し、かつ、非常に強い抗酸化活性を有する。
【0050】
本発明方法は、このような強い抗菌活性及び抗酸化活性を有するケルセチン組成物を、タマネギ外皮を原料として簡単、かつ、効率的に製造できる方法である。タマネギ外皮は大量に廃棄されており、この部分を利用できる本発明方法は、資源の有効利用の観点からも非常に有用である。また、タマネギから抽出されたケルセチン組成物は食品から抽出された安全な組成物であるため食品保存剤として好適であり、本発明方法は安全なケルセチン組成物を簡単に製造できる点でも有用である。
【0051】
【実施例】
以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例 1−1
タマネギ外皮を手で粉砕し、その150mgを秤量した。室温(20℃)下で、この外皮にエタノールと水との混合液(エタノール90容量%)5mlを添加し1時間インキュベートした。次いで、3000gで10分間遠心した後、上清を採取した。上清1mlについて液体分をエバポレーターを用いて蒸発させることにより濃縮乾固した。
実施例 1−2 〜 1−9
実施例1−1において、抽出液としてエタノールと水との混合液5mlを使用し、エタノール濃度をそれぞれ80、70、60、50、40、30、20、10容量%とした。その他は、実施例1−1と同様にしてタマネギ外皮抽出物を得た。
比較例1 −1
実施例1−1において、抽出液としてエタノール5ml(エタノール濃度100%)を使用した他は、実施例1−1と同様にしてタマネギ外皮抽出物を得た。
比較例 1−2
実施例1−1において、抽出液として水5ml(エタノール濃度0%)を使用した他は、実施例1−1と同様にしてタマネギ外皮抽出物を得た。
実施例 2−1 〜 2−9
実施例1−1〜1−9において、抽出操作(インキュベーション)を温度20℃に代えて温度60℃で行った他は、実施例1−1〜1−9と同様にしてタマネギ外皮抽出物を得た。
比較例 2−1 、 2−2
比較例1−1、1−2において、抽出操作(インキュベーション)を温度20℃に代えて温度60℃で行った他は、比較例1−1、1−2と同様にしてタマネギ外皮抽出物を得た。
<成分の定性・定量分析>
上記各実施例及び比較例により得られた各固形物をメタノール1mlに再溶解し、その成分の種類及び含有量をHPLCにより分析した。
【0052】
HPLCは、島津LC−7Aクロマトポンプに島津L7455UV検出器を接続して使用したものを使用した。カラムはCapcellPak C−18カラム(2.5×250mm、SHISEIDO社製)を用いた。測定条件は0.1%TFAを含む52.5%(v/v)メタノール水溶液で流速1ml/分とした。
【0053】
ケルセチン及びケルセチン−4’−グルコシドの標準品としては、和光純薬社から購入したものを使用した。プロトカテキュ酸も市販品を用いた。
【0054】
各例の抽出物には、ケルセチン、ケルセチン−4’−グルコシド及びプロトカテキュ酸に由来すると考えられるピークが検出された。これらの成分の量をタマネギ外皮100g当たりに換算した値を以下の表1及び表2に示す。
【0055】
また、エタノール濃度と抽出されたケルセチン、ケルセチン−4’−グルコシド及びプロトカテキュ酸のモル数との関係を図1に示す。図1の縦軸の各成分のモル数はタマネギ外皮100g当たりのモル数に換算した値である。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
表1、表2及び図1から、抽出液中のエタノール濃度を20〜80重量%程度にすることにより、抽出物中のケルセチンとケルセチン−4’−グルコシドとプロトカテキュ酸との比率をケルセチン:ケルセチン−4’−グルコシド:プロトカテキュ酸=1.5〜2.5:1:1.5〜2.5の範囲にできることが分かる。
【0059】
また、抽出温度を20℃から60℃に高くすることより、これら3成分の収量が若干高くなったことも分かる。
<抽出物の抗菌活性の評価>
エタノール濃度40容量%のエタノール水溶液を用いて抽出した実施例1−6により得られた抽出物の抗菌活性を、試験菌としてS.enteritidis NCTC6633株及びB.cereus ATCC11778株を用い、以下に示す最小発育阻止濃度(MIC;Minimum Inhibitory Concentration)測定法により評価した。
【0060】
その結果、S.enteritidis NCTC6633株に対するMICは75μg/mlであり、B.cereus ATCC11778株に対するMICも75μg/mlであった。この抗菌力は、食品保存剤として使用する上では極めて強い抗菌力である。
MIC 測定法
試験菌をミューラーヒントン培地(Difco Laboratory)中で24時間培養後、新鮮な同培地で1000倍希釈した。この菌液0.9mlに所定濃度のタマネギ外皮抽出物の10%DMSO水溶液を0.1ml添加し、37℃で1夜培養した。試験菌の増殖を660nmにおける吸光度を測定することにより評価し、OD660が0.05未満の場合に試験菌の発育が阻止されたと判定した。
【0061】
抽出物の濃度は、1200μg/mlから始めて2倍希釈を繰り返し、600、300、150、75、37.5μg/mlの6段階に希釈した。MIC測定法では濃度が低いほど抗菌力が強いことを示す。
<抗酸化活性の評価>
ケルセチン、ケルセチン−4’−グルコシド、プロトカテキュ酸、及び、エタノール濃度40容量%のエタノール水溶液を用いて抽出した実施例1−6により得られた抽出物の抗酸化活性をDPPH法及びAAPH法により評価した。
DPPH 法
上記被験物質による抗酸化活性を、これらによるDPPH(ジフェニルピクリルヒドラジル)還元能を測定することにより評価した。酢酸バッファー(pH5.5)500μl、エタノール500μl及び0.5mM DPPH溶液250μlの混合溶液に、10μlの被験物質のメタノール溶液を添加した。このメタノール溶液中の被験物質の濃度を調整することにより、測定溶液中の被験物質の濃度を2、4、8、10及び20μMとした。コントロールは、被験物質を添加しなかった。
【0062】
5分後にDPPHラジカルの吸収極大波長である517nmにおける吸光度を測定した。DPPHラジカルは、安定ラジカルであり、ラジカル状態ではピンク色を呈しているが、このラジカルが捕捉されると無色のロイコ型となる(Nature,181,1958,1199−1200)。従って、517nmにおける吸光度が低いほど、DPPHラジカルが還元されており、すなわち被験物質による抗酸化活性が強いことを示す。
【0063】
被験物質を添加しない場合のDPPH濃度に対する被験物質を添加した場合のDPPH濃度の比率を算出し、被験物質を添加することによる酸化抑制率とした。結果を以下の表3に示す。タマネギ外皮抽出物については、その中に含まれるケルセチン濃度と酸化抑制率との関係を示す。
【0064】
【表3】
【0065】
AAPH 法
上記被験物質の抗酸化活性を、フリーラジカルを発生する化合物である2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(AAPH)による2’−デオキシグアノシン(2’−dG)の酸化物の生成の阻害(%)を測定することにより評価した。
【0066】
2’−dGは酸化されると8−オキソデオキシグアノシン(8−OHdG)となり、遺伝子の転写時にチミジンと読み替えられる。この読み違いが突然変異となり、ガン、動脈硬化症、糖尿病等の発生の直接の原因になっていることが報告されている(Mutat.Res.,267,1992,277−290;Free Radic.Biol.Med.,26,1999,202−226)。従って、被験物質について2’−dG酸化物の生成阻害率を測定する本方法は、当該物質による上記疾患の予防又は治療効果を調べるための効率的な方法である。
【0067】
1.0mMの2’−dG水溶液500μl及び50mM AAPHの混合液に被験物質のメタノール溶液を5μl添加し、37℃で1時間インキュベートした後、2’−dG の酸化産物である8−OHdGをHPLCにより定量した。その生成量が少ないほど被験物質の抗酸化活性が強いことを示す。コントロールでは、被験物質を添加しなかった。
【0068】
被験物質の濃度は、ケルセチン、ケルセチン−4’−グルコシド及びプロトカテキュ酸については1、2及び4μMとし、タマネギ外皮抽出物については2.5μM(ケルセチン濃度1μM)及び5μM(ケルセチン濃度2μM)とした。
【0069】
被験物質を添加しなかった場合の8−OHdG量に対する被験物質を添加した場合の8−OHdG量の比率を算出し、酸化抑制率とした。被験物質濃度と酸化抑制率との関係を以下の表4に示す。タマネギ外皮抽出物については、その中に含まれるケルセチン濃度と酸化抑制率との関係を示す。
【0070】
【表4】
【0071】
表3及び4から明らかなように、タマネギ外皮抽出物は、極めて低い濃度で強い抗酸化活性を有する。この抗酸化活性は、食品保存剤として実用する上で十分に強いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】抽出用の溶液中のエタノール濃度と、抽出物中のケルセチン、ケルセチン−4’−グルコシド及びプロトカテキュ酸の各モル数との関係を示す図である。
Claims (12)
- ケルセチンとケルセチン配糖体とプロトカテキュ酸とをモル比1.5〜2.5:1:1.5〜2.5で含有するケルセチン組成物。
- ケルセチン配糖体がケルセチン−4’−グルコシドである請求項1に記載のケルセチン組成物。
- 請求項1又は2に記載のケルセチン組成物からなる食品保存剤。
- ケルセチンとケルセチン配糖体とをモル比1.5〜2.5:1で含有するケルセチン組成物。
- ケルセチン配糖体がケルセチン−4’−グルコシドである請求項4に記載のケルセチン組成物。
- 請求項4又は5に記載のケルセチン組成物からなる食品保存剤。
- ケルセチンとプロトカテキュ酸とをモル比1:0.6〜1.7で含有するケルセチン組成物。
- 請求項7に記載のケルセチン組成物からなる食品保存剤。
- ケルセチンとケルセチン配糖体とプロトカテキュ酸とをモル比1.5〜2.5:1:1.5〜2.5で含有するケルセチン組成物の製造方法であって、タマネギの外皮を水と低級アルコールとの混合液を用いて抽出する工程と;ケルセチンとケルセチン配糖体とプロトカテキュ酸とを上記範囲で含む抽出液を回収する工程とを含む製造方法。
- ケルセチン配糖体がケルセチン−4’−グルコシドである請求項9に記載の製造方法。
- 抽出に用いる混合液中の低級アルコールの濃度が20〜80容量%である請求項9又は10に記載の製造方法。
- 低級アルコールがエタノールである請求項9、10又は11に記載の製造方法。
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