JP2004224675A - 13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】気相中で粒子を生成し捕集する本発明の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法は、13族元素を含有する有機金属化合物と窒素原料を混合し、気相又はプラズマ中で反応させることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は均一で微細な粒径で、純度の高い13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
ナノサイズの粒子材料はバルクの材料とは異なる性質を示すことが知られている。例えば半導体であれば、従来材料固有のものと考えられてきたバンドギャップが粒子のサイズによって変化する、いわゆる量子サイズ効果がよく知られている。この効果が顕著になる粒子の大きさは、半導体材料の種類によって異なり、一般的には数十nm〜数nmである。このため特にシングルナノ粒子は重要である。また、この量子サイズ効果が顕著になると同時に、蛍光の寿命が短くなり、それまで発光が観測されなかった発光が観測できるようになるなどの効果が知られている材料もある。このように、ナノサイズ、特にシングルナノサイズの材料は従来知られているバルク材料と異なる性質を持つため、科学的及び工学的に非常に注目されている。
【0004】
このような効果を期待して材料設計・材料合成を行う場合、粒子の粒径によってその性質が変わるため、粒径を精密に制御する必要がある。具体的には単分散で粒径分布の狭いナノ粒子を得ることが非常に重要である。それに加えて、塗布等のプロセスにより粒子を配列、機能化して実用的なデバイスを作製する場合、粒径を十分に小さく、かつ単分散で粒径分布を狭くすることにより、極めて均一な配列及び機能化を実現することができる。このような観点からも単分散のナノ粒子を得ることは非常に重要である。
【0005】
一方、発光材料等のナノ粒子においては純度が極めて重要である。これは、粒子が何らかの方法(光、電子線、電界等)で励起された後、輻射過程を通って基底状態に戻るか、無輻射過程を通って基底状態に戻るか、すなわち発光するかしないかは不純物の濃度に極めて敏感であるためである。通常純度の高い半導体ナノ粒子ほどよく光る。もちろん例外もあるが、その場合においても不純物は狙った濃度で入れる必要があるため、純度の高いナノ粒子が製造できることは非常に重要である。
【0006】
上記のような新しい性質への期待と、バルク状態における発光効率の高さから、GaN及びInNのナノ粒子の製造はこれまでに様々な方法で取り組まれてきた。
例えば、ICPプラズマ下で金属Gaを蒸発させ窒素ガスと反応させる方法(例えば、非特許文献1参照。)、アーク放電下で金属Ga蒸気を窒素ガス又はアンモニアガスと反応させる方法(例えば、非特許文献2〜3参照。)、金属Gaを蒸発させ、窒素ガスおよびアンモニアガス中で加熱する方法(例えば、非特許文献4参照。)等の方法がある。これらはCVD法と総称される手法である。プラズマを用いるものはプラズマCVD法、加熱により反応を促進するものは熱CVD法と呼ばれる。CVD法は一般には薄膜成長に用いられることが多く、13族窒化物半導体も例外ではない。薄膜成長を行い、発光デバイスを作製することは既に工業的な規模で行われている。
【0007】
一方、このCVD法を気相における核発生、及びそれに引き続く粒子成長に用い、粒子製造を行うことは難しく、上に挙げた製造例でも、粒子の粒径の制御が難しく、平均粒径が100 nm以下の粒子は製造することが困難であり、また粒子の粒径分布も広い。それに加えて例えば金属Ga等が不純物として大量に含まれるため、製造後に王水や塩酸で処理して金属Gaを取り除く等の危険な工程が必要である。
【0008】
これに対して、金属Gaを蒸発凝縮法でナノ粒子のエアロゾルにしてから、DMA(微分型静電分級器)を用いて特定のサイズの粒子だけを取り出した後、アルシン中で加熱してGaAsを製造する方法が提案されている(例えば、非特許文献5〜6参照。)。この方法は“Aerotaxy”と呼ばれており、粒径が小さく、粒径分布が狭いナノ粒子が製造できる。しかし、13族窒化物での試みは失敗しており、また成功している砒化物でも、DMAで分級するという過程でほとんどの粒子が失われるため、収率が極めて低いという問題がある。
【0009】
その他の気相中で製造する方法としては、ガリウムアジド系化合物を耐圧容器の中で徐々に加熱していき、ある温度で爆発するときにナノ粒子ができる、爆発法と呼ばれる方法がある(例えば、非特許文献7〜9参照。)。この手法はやや荒っぽいが比較的粒径の小さいナノ粒子が製造できる。しかし、粒径分布が広くなり易いだけでなく、大量製造には極めて大きな危険が伴うため一般的に使用できる手法とは言い難い。
【0010】
また、レーザーアブレーション法と呼ばれる、金属Gaをレーザーで瞬時に高温にし、生成した高温の蒸気と窒素ガスでGaNを製造する方法も提案されている(例えば、非特許文献10〜11参照。)。この方法によれば、比較的粒径の小さいナノ粒子が製造できる。しかし、粒径分布が非常に広く、加えてガリウムに対して窒素分が少なく、不足した窒素を補うために後工程として通常アンモニアガス中におけるアニーリングが必要であり、大量製造にも極めて不向きである。
【0011】
以上の気相中の反応を中心とした13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法に対し、最近では液相中で製造する方法の検討も進んでいる。例えば、ベンゼン溶液中、GaCL3とLi3NからGaNナノ粒子を製造する方法や(例えば、非特許文献12参照。)、トリオクチルアミン中でガリウムイミドポリマーの熱分解を用いてGaNナノ粒子を製造する方法(例えば、非特許文献13参照。)等がある。しかし液相中で製造を行う場合には、溶媒成分が分解しGaNナノ粒子内へのコンタミネーションが起こるという極めて根本的な問題があり、加えて粒子は溶媒中に分散しなければならないため、表面に界面活性剤などを吸着させた状態で製造を行わなければならず、自由に表面状態を設計することが難しいという困難な問題も同時に抱えている。
【0012】
【非特許文献1】
「Proc. 7th ICVM」, 1982年, p.981−988
【非特許文献2】
「Applied Physics Letters」, 1996年, 第69巻, 第9号, p.1285−1287
【非特許文献3】
「Journal of Crystal Growth」, 1997年, 第171巻, p.307−310
【非特許文献4】
「Japanese Journal of Applied Physics」, 2001年, 第40巻, p.242−244
【非特許文献5】
「Journal of Crystal Growth」, 1996年, 第169巻, p.13−19
【非特許文献6】
「Journal of Aerosol Science」, 1998年, 第29巻, 第5/6号, p.737−748
【非特許文献7】
「Materials Research Society Proceedings」 1998年, 第501巻, p.15−20
【非特許文献8】
「Physica Status Solidi (a)」, 1998年, 第165巻, p.239−243
【非特許文献9】
「Advanced Materials for Optics and Electronics」, 1998年, 第8巻, p.135−146
【非特許文献10】
「Applied Physics Letters」, 1997年, 第70巻, 第23号, p.3122−3124
【非特許文献11】
「Applied Physics Letters 」, 1998年, 第72巻, 第23号, p.3035−3037
【非特許文献12】
「Science」, 1996年, 第272巻, p.1926−1927
【非特許文献13】
「Applied Physics Letters」, 1999年, 第75巻, 第4号, p.478−480
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、均一で微細な粒径を有し、純度の高い13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、13族元素を含有する有機金属化合物と窒素源(窒素原料)を混合し、気相又はプラズマ中で反応させることにより、粒径分布が狭く、微細で純度の高い13族窒化物半導体ナノ粒子が得られることを発見し、本発明に想到した。
【0015】
すなわち、本発明の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法は以下の手段により達成された。
(1) 気相中で粒子を生成させ捕集する13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法において、13族元素を含有する有機金属化合物と窒素原料を混合し、気相又はプラズマ中で反応させることを特徴とする13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
(2) 気相中で粒子を生成させ捕集する13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法において、13族原料と窒素原料による粒子生成反応を実質的に円管型の反応管で行うことを特徴とする13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
(3) 気相中で粒子を生成させ捕集する13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法において、50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の13族原料と、50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の窒素原料を反応させることを特徴とする13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
(4) 13族元素を含有する有機金属化合物と窒素原料による粒子生成反応を実質的に円管型の反応管で行うことを特徴とする(1)に記載の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
(5) 13族元素を含有し50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の有機金属化合物と、50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の窒素原料を反応させることを特徴とする(1)に記載の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
(6) 50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の13族原料と、50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の窒素原料を反応させることを特徴とする(2)に記載の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
(7) 13族元素を含有し50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の有機金属化合物と、50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の窒素原料を実質的に円管型の反応管で反応させることを特徴とする(1)に記載の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
(8) 13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法において、13族元素がGa及び/又はInであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
(9) 13族元素を含有する有機金属化合物と窒素原料を反応させてなる粒子を急冷することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
[1] 13族窒化物半導体ナノ粒子
本発明の方法により作製する半導体ナノ粒子は、13族元素と窒素から構成されるナノ粒子である。13族元素とは、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム及びタンタルを表す。これらのうち本発明で好ましく用いる13族元素はガリウム及びインジウムである。半導体ナノ粒子は不可避的不純物を含んでいてもよいが、13族元素と窒素との比(13族元素:窒素)は原子数を基準として好ましくは1:0.8〜1:1.2であり、より好ましくは1:0.9〜1:1.1であり、最も好ましくは1:0.95〜1:1.05である。13族元素は単独で用いても複数の13族元素を混合し、混晶として用いてもよい。13族元素の好ましい組成は、ガリウム単独、インジウム単独、及びガリウムとインジウムの混晶である。ガリウムとインジウムの混合比率は必要に応じて選択することができ、ガリウム単独からインジウム単独までの間から任意に選ぶことができる。
【0017】
半導体ナノ粒子の数平均粒径は、好ましくは0.5〜100 nmであり、より好ましくは0.5〜50 nmであり、さらに好ましくは0.5〜20 nmであり、最も好ましくは0.5〜10 nmである。半導体ナノ粒子の粒径分布は、変動係数で0〜50%、好ましくは0〜20%、最も好ましくは0〜10%である。なお、変動係数は算術標準偏差を数平均粒径で除し、これを百分率で表した値(算術標準偏差×100/数平均粒径)を意味する。
【0018】
本発明の方法による半導体ナノ粒子は凝集体であってもよいが、その場合は個々の粒子が分離可能ないわゆる軟凝集体であり、個々の粒子が焼結した凝集体(例えばレーザーアブレーション法等で得られる凝集体)を含まない。また、上記の半導体ナノ粒子の数平均粒径及び粒径分布は一次粒子における数平均粒径及び粒径分布を意味する。
【0019】
[2] 製造方法
本発明の13族窒化物半導体ナノ粒子を製造する方法としては、始めから単分散で粒径分布が狭いナノ粒子を製造する方法を用いてもよいし、多分散または分布の広いナノ粒子を製造してから分級によって所定の粒径分布を有するナノ粒子を製造する方法を用いてもよい。分級は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。これらの方法のうち、始めから単分散で粒径分布が狭いナノ粒子を製造する方法を用いるのが好ましい。
【0020】
単分散で粒径分布が狭いナノ粒子を製造する方法は、公知の方法を適宜用いることができる。好ましい製造方法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、光励起CVD法等を挙げることができる。中でも特に好ましい方法は熱CVD法およびプラズマCVD法である。なお、気相中でガス原料から核発生が起こり、引き続き粒子成長、凝集、融着等を経て最終粒子になるプロセスについては、奥山らによる解説(J. Soc. Powder Technol., Japan, 2002年, 第39巻, p.274−287)に詳しく記載されている。
【0021】
(A) 原料
13族窒化物ナノ粒子の製造に用いる13族元素を含む原料(13族原料)としては、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム又はタンタルの単体及び化合物が挙げられる。中でもGa原料(ガリウム及びガリウム化合物)及びIn原料(インジウム及びインジウム化合物)が好ましい。Ga原料としては、有機ガリウム化合物等を用いることができる。In原料としては、有機インジウム化合物等を用いることができる。これらの13族原料のうち、50℃における飽和蒸気圧が133Pa(1Torr)以上の原料を用いるのが好ましく、133Pa(1Torr)〜101,300Pa(760Torr)の原料を用いるのがより好ましく、399Pa(3Torr)〜101,300Pa(760Torr)の原料を用いるのがさらに好ましい。
【0022】
以下、好ましく用いることのできるGa原料及びIn原料を具体的に列挙するが、13族原料として用いることができる化合物はもちろんこれらの例に限定されるものではない。Ga原料の好ましい例としては、ジエチルアセチルアセトナートガリウム、ジエチルシクロペンタジエニルガリウム、ジエチルガリウムアジド、塩化ジエチルガリウム、フッ化ジエチルガリウム、ジエチルメチルシクロペンタジエニルガリウム、ジメチルアセチルアセトナートガリウム、ジメチルシクロペンタジエニルガリウム、臭化ジメチルガリウム、塩化ジメチルガリウム、ジメチルガリウムジメチルアミド、フッ化ジメチルガリウム、二塩化エチルガリウム、二塩化メチルガリウム、硫化t−ブチルガリウム、トリエチルガリウム(TEG)、トリエチルガリウムジメチルエチルアミン付加物、トリイソブチルガリウム、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルガリウムジメチルエチルアミン付加物、トリメチルガリウムトリメチルアミン付加物、トリn−ブチルガリウム、トリn−プロピルガリウム、トリフェニルガリウム、トリt−ブチルガリウム、トリス(アセチルアセトナート)ガリウム、トリス(ジピバロイルメタナート)ガリウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナート)ガリウム等が挙げられる。
【0023】
In原料の好ましい例としては、トリメチルインジウム(TMI)、トリエチルインジウム(TEI)、トリメチルインジウムジメチルエチルアミン付加物、トリアセチルアセトナートインジウム等が挙げられる。
【0024】
これらの化合物のうち、蒸気圧の比較的低い化合物(例えばトリアセチルアセトナートインジウム等)は供給時に比較的高い温度が必要であるため、供給量の制御が難しいという問題がある。また、蒸気状態にして供給した原料が再度凝縮して液体又は固体になることがあるため、気相における均一性を保ちにくく、生成した粒子の純度、組成及び粒径に分布が生じやすい。これに対して、比較的蒸気圧の高い化合物は、−10℃程度〜50℃程度の温度で蒸気を供給できるため、装置が簡単になり制御もしやすくなる。さらに一度蒸気にしたものが再凝縮することも起こりにくいため、13族窒化物半導体ナノ粒子の原料としてより好ましい。
【0025】
13族窒化物半導体ナノ粒子の原料のより好ましい具体例としては、塩化ジエチルガリウム、ジメチルアセチルアセトナートガリウム、トリエチルガリウム(TEG)、トリメチルガリウム(TMG)等のGa原料、及びトリエチルインジウム(TEI)等のIn原料が挙げられる。
【0026】
これらの原料を供給する方法としては、加熱用のボートに乗せて気流中で加熱する方法、液体原料であればスプレーによって供給する方法、系中で気化しやすい原料を生成させながら供給する方法、バブリングをして供給する方法等の方法を用いることができる。加熱用のボートに乗せて気流中で加熱する方法は真空蒸着等によく用いられる一般的な方法でよい。この方法は液体及び固体原料に適用でき簡便であるが原料供給量の制御が難しいという問題がある。スプレーにより供給する方法は、液体原料を効率よく供給することができるため、比較的量の多い原料を供給するのに適している。系中で気化しやすい原料を生成させながら供給する方法は、空気中で不安定な揮発性化合物を系中で生成させることにより安定に供給することができる。例えば、三塩化ガリウムを加熱して一塩化ガリウムを生成させる方法、酸化ガリウムを加熱して亜酸化ガリウムを生成させる方法、金属ガリウムを塩素ガスまたは塩化水素を含む気流中で加熱して一塩化ガリウムを生成させる方法等がある。
【0027】
バブリングによる方法は、比較的蒸気圧の高い13族液体原料の中にキャリアガスを気泡状に供給し、蒸発してきた13族原料を利用するという方法で、13族原料の供給量を、原料の蒸気圧とバブリングするキャリアガスの流量でコントロールできるため、特に好ましく用いることができる。
【0028】
窒素原料としては様々なものを用いることができるが、50℃における飽和蒸気圧が133Pa(1Torr)以上の原料を用いるのが好ましく、399Pa(3Torr)以上の原料を用いるのがさらに好ましい。50℃における飽和蒸気圧が133Pa(1Torr)以上であるとは、50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上であるか、又は50℃において臨界温度を超えていることを意味する。例えば、窒素ガスは臨界温度が−147℃付近にあり、これ以上の温度では液体が存在し得ないため飽和蒸気圧そのものが存在しないが、臨界温度を超えたこのような状態は50℃において液体が存在するあらゆる化合物より飽和蒸気圧が高いことに相当するため、本発明においては、このような場合も50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上であると定義する。他の窒素原料の飽和蒸気圧値についても同様である。
【0029】
窒素原料の好ましい例としては、窒素、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、亜酸化窒素、一酸化窒素等が挙げられる。より好ましい例としては、窒素、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。中でもアンモニアはコンタミネーションの原因となりうる炭素を含まず、室温で気体であり、かつ反応性に富むため特に好ましく用いることができる。
【0030】
上記の13族原料及び窒素原料を安定して供給し、反応させて粒子を製造するためには特に気相反応において、原料を希釈し反応部まで運ぶためのガス即ちキャリアガスを用いるのが好ましい。キャリアガスの好ましい例としては、水素、ヘリウム、窒素、酸素、ネオン、アルゴン等が挙げられる。中でもヘリウム、窒素、ネオン及びアルゴンがより好ましい。
【0031】
窒素原料に対する13族原料の混合比(窒素原料/13族原料)はモル比で100〜20000であるのが好ましく、300〜5000であるのがより好ましい。混合比が20000より高いと収率が低下し、100より低いと未反応の13族原料や、13族原料が分解して生成した13族元素により生成した半導体ナノ粒子の純度が低下する。
【0032】
(B) 製造装置
図1は本発明の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法に用いる装置の一例を示す構成図である。装置には窒素原料のアンモニアガスを充填したボンベ1と、キャリアガスの窒素ガスを充填したボンベ2と、13族原料を充填したバブラー6と、リアクター10と、粒子捕集部11と、排ガス処理部14とが備えられている。アンモニアガスボンベ1から出たライン21はアンモニア用マスフローコントローラ3に連結しており、窒素ガスボンベ2から出たライン22は分岐し、窒素用マスフローコントローラ(1)4、窒素用マスフローコントローラ(2)5及び窒素用流量調節弁12に連結している。窒素用マスフローコントローラ(2)5から出たライン28はバブラー6に連結し、バブラー6は充填された13族原料に窒素を供給し、バブリングにより13族原料を蒸発させるようになっている。バブラー6にはヒータが設けられており、13族原料を所望の温度に加温できるようになっている。バブラー6から出たライン29は窒素用マスフローコントローラ(1)4から出たライン24に連結し、13族原料蒸気と窒素を混合できるようになっている。ライン24及びアンモニア用マスフローコントローラ3から出たライン23はそれぞれリアクター10の石英製反応管9に設けられた混合部(図示せず)に連結している。
【0033】
アンモニア用マスフローコントローラ3、窒素用マスフローコントローラ(1)4及び窒素用マスフローコントローラ(2)5の設定を調節することにより、リアクター10に導入する13族原料、アンモニア及び窒素の量と比率を調整することができる。
【0034】
反応管9は公知の様々な形状のものを用いることができる。特に好ましくは、円管状の反応管または円管を組み合わせた形状の反応管である。反応管9の直径および長さは、製造する粒子の量、流すガスの量等によって任意に選ぶことができる。特に重要なのは反応管9内にガスが滞留する滞留時間である。このため、製造すべき粒子の量、流す原料ガスの量、キャリアガスの量、及び好ましい滞留時間から反応管9の直径及び長さを決めるのが望ましい。反応管9内の反応ガスの滞留時間は、10ミリ秒〜10秒であるのが好ましく、10ミリ秒〜1秒であるのがより好ましい。10ミリ秒より短いと反応が十分に進行せず、10秒より長いと生成した粒子が成長して粒径分布が広くなる。
【0035】
リアクター10は予熱部、混合部及び反応部からなる構成を有するのが好ましい。予熱部とは、13族原料と窒素原料が混合しない状態で予め加熱を行う部分のことであり、これによって混合時に速やかに反応を行わせることができる。予熱部には予熱用ヒータ7が設けられており、13族原料及び窒素原料を予め所定の温度に加熱することができる。予熱部の形状は任意の形状とすることができるが、単純な円管とするのが好ましい。混合部は、13族原料と窒素原料を混合するための部分であり、効率よく混合することが純度が高く、かつ単分散で粒径分布の狭い13族窒化物半導体ナノ粒子を製造するために重要である。この部分はくびれを持たせたり、混合する2つの原料出口のうち片方の出口を狭くするなどして乱流を起こすような設計にするのが好ましい。
【0036】
反応部は混合部と一続きになる部分であり、混合されたガスが化学反応を起こし、13族窒化物半導体ナノ粒子が生成する部分である。この部分は壁面への生成粒子の付着等を防ぐため、反応管9は比較的単純な形状であるのが好ましい。具体的には、実質的に円管型であるのが好ましく、円管型であるのが特に好ましい。円管型であるとは、反応を行う部分の内形が原料ガス及びキャリアガスが流れる方向に対して垂直に切断したときに円形の断面を有することを意味する。円管型の反応管は内部に障害物のない単純な円筒形であるのが好ましい。円管型の反応管の円形度は、原料ガス及びキャリアガスが流れる方向に対して垂直に切断したときの内形の断面形状において、最小の外接円の半径の、最大の内接円の半径に対する比が好ましくは1〜1.4、より好ましくは1〜1.2、最も好ましくは1〜1.1である。また、実質的に円管型であるとは、単純な円管型である場合の他、本発明の目的を損なわない範囲で変更が加えられていてもよいことを意味する。例えば、壁面への生成粒子や析出物の付着を防ぐことを目的として円管の内壁に無数の孔を形成しこれらの孔からガスを供給する工夫や、円管の内壁に沿ってシースガスを流す工夫が施されていてもよい。反応部には反応用ヒータ8が設けられており、所望の温度に加熱できるようになっている。
【0037】
反応管9の材料は公知の様々な材料を用いることができる。反応が高温になるため、耐熱性の高いものが好ましく、具体的には石英ガラス、焼結アルミナ、高融点の金属等を用いるのが好ましい。中でも石英ガラスは溶融して加工することができるため、複雑な形状の反応管9を作製することが可能であるとともに、透明であるため内部の様子を見ることが可能であるので特に好ましい。
【0038】
反応温度は、好ましくは700〜1200℃、より好ましくは850〜1150℃、特に好ましくは950〜1150℃である。反応温度を正確に制御することは極めて重要である。温度が低すぎると原料が十分に反応せず、そのため収率が低くなったり原料の分解が不十分となり不純物が混入し、温度が高すぎると生成粒子が再び分解する等の好ましからぬ副反応が起きる。予熱温度は室温から反応温度までを選択することができる。好ましくは室温〜反応温度−200℃であり、より好ましくは200℃〜反応温度−400℃である。
【0039】
リアクター10を加熱する方法は公知の様々な方法を用いることができる。具体的には、抵抗加熱の電気炉、熱線を照射する方式の反射炉等により加熱する方法を好ましく用いることができる。温度の安定性や均一性が高いため、抵抗加熱の電気炉を用いるのがより好ましい。
【0040】
反応部の終端には、生成したナノ粒子を含んだ反応ガスを急冷する機構が備えられているのが好ましい。反応ガスを急冷することにより反応の終了点が明確になり、生成した粒子の熱分解、凝集、壁面への付着等を防止することができる。これにより回収する粒子の収量が多く、純度が高く、粒径分布が狭くなる。反応ガスを急冷する方法としては温度の低いガスと混合する方法、冷却した壁面と接触させる方法等を用いることができる。中でも温度の低いガスと混合する方法は瞬時に冷却することができ、かつ壁面への粒子の付着が少ないため特に好ましい。図1に示す例では、反応管9の上部に窒素用流量調節弁12からのライン25が連結しており、反応ガスを窒素と混合することにより生成した粒子を瞬時に冷却することができる。
【0041】
生成した粒子は公知の様々な方法を用いて回収することができる。図1に示す例では、反応管9の塔頂部から出たライン26が粒子捕集部11に連結しており、生成した粒子をライン26を通して粒子捕集部11に送り、粒子捕集部11で回収する。粒子捕集部11における捕集方法としては、フィルターを用いて捕集する方法、静電捕集器を用いて捕集する方法、熱泳動捕集器を用いて捕集する方法等を好ましく用いることができる。捕集された半導体ナノ粒子は必要に応じてさらに分級してもよい。
【0042】
図2は本発明の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造に用いる製造装置の別の例を示す構成図である。リアクター10は混合部と反応部から構成されている。アンモニア用マスフローコントローラ3から出たライン23及び窒素用マスフローコントローラ4から出たライン24はそれぞれ反応管9の混合部(図示せず)に連結している。反応管9にはマイクロ波加熱装置13が設けられており、反応管9の上部には窒素用流量調節弁12からのライン25が連結しており、反応管9の塔頂部から出たライン26は粒子捕集部11に連結している。リアクター10以外の部分は図1に示す製造装置と同じである。
【0043】
ライン23からのアンモニア、及びライン24からの13族原料をリアクター10の反応管9の混合部で混合した後、反応管9内を通し、マイクロ波加熱装置13で混合された原料を瞬時に加熱し、発生したプラズマ中で反応させる。生成した粒子を窒素で急冷した後、粒子捕集部11へ送り捕集する。図1に示す製造装置の場合と同様に、反応管9の形状は実質的に円管型であるのが好ましく、円管型であるのが特に好ましい。反応管9内にガスが滞留する時間は1ミリ秒〜10秒であるのが好ましく、1ミリ秒〜100ミリ秒であるのがより好ましい。反応温度は、700〜1200℃が好ましく、850〜1150℃がより好ましく、950〜1150℃が特に好ましい。反応管9の材料は石英又はアルミナが好ましく、特に石英が好ましい。この例では原料ガスを予め予熱する必要はなく、原料を混合した後直ちに反応管9内に通し反応させてよい。
【0044】
上述の方法により得られた13族窒化物半導体ナノ粒子は、表面が空気中で速やかに酸化物に変化するため、窒素、アルゴン等の不活性ガス中で取り扱うのが好ましい。その際、市販の窒素ガスやアルゴンガス中に含まれる微量の水分や酸素、又は不活性ガスを封入する容器の表面に吸着している微量の水分を取り除くため、不活性ガスとともに乾燥剤や脱酸素剤を併用するのも好ましい。また、空気中で酸化するのを防止するため、13族窒化物半導体ナノ粒子の表面を有機物や無機物で覆うことができる。無機物で覆う場合はいわゆるコアシェル粒子と呼ばれ、有機物で覆う場合は表面修飾と呼ばれる。いずれも好ましく行うことができ、両者を併用するのも好ましい。
【0045】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0046】
実施例1
図1に示す製造装置を用い、以下の操作により窒化ガリウムナノ粒子を作製した。まずバブラー6にトリメチルガリウムを入れ、マスフローコントローラ3を1SLM、マスフローコントローラ4を1SLM、マスフローコントローラ5を1SCCMにセットした。バブラー6の温度を10℃に設定し、マスフローコントローラ5からの窒素をバブラー6に供給し、トリメチルガリウムの蒸気を発生させた。発生したトリメチルガリウム蒸気をマスフローコントローラ4からの窒素と混合し、ライン24を通してリアクター10に送給した。ライン24のトリメチルガリウムを含むガスとライン23のアンモニアガスをリアクター10の加熱装置7により500℃に予熱した後、リアクター10の混合部で乱流を発生させて混合し、石英製円管からなる反応管9に導入した。加熱装置8により反応温度が1000℃になるように反応管9を加熱するとともに、反応管9の上部に窒素用流量調節弁12からの窒素ガスを導入し生成した粒子を含む反応ガスを急冷した。生成した粒子の回収は、各部の温度が安定するのを待ち、粒子捕集部10にPTFE製のフィルターをセットして行った。
【0047】
粒子の化学組成を分析するため、上記と同じ条件下、粒子捕集部10に静電捕集器をセットし、ガス中にコロナ放電を行いながら、対極にTEMグリッドを固定し、ガス中の粒子の一部をTEMグリッド上に捕集した。フィルターで捕集した粒子について、ガリウムをICP発光分析(SPS4000、セイコーインスツルメンツ(株)製)で、窒素を不活性ガス融解−熱伝導度法(EMGA−620W/C、(株)堀場製作所製)で定量した。結果を表2に示す。
【0048】
また、TEMグリッド上に捕集した粒子をTEM(透過電子顕微鏡)で観察し、その粒径を測定し、変動係数を求めた。生成した粒子の形状は円形ではなく、やや角張った形をしており、TEM写真上に投影された形が三角形に近いものが高い頻度で観測された。このことは窒化ガリウム結晶の安定形が六方晶であることと合致する。円形でないため、粒径の評価は投影面積を円の面積と考えたときの円の直径、すなわち面積相当径を用いた。
【0049】
さらに、TEMを用いて電子線回折像をとったところ、回折パターンは六方晶窒化ガリウムのパターンと一致することが分かった。このことからも六方晶窒化ガリウムの高純度の結晶が製造されたことが分かる。
【0050】
不純物の量は、オージェ電子分光法(装置名:SAM−670、PHI製)により分析し、装置の標準感度値によって炭素及び酸素の不純物量を定量し、以下の基準に基づいて評価した。結果を表2に示す。
【0051】
不純物量の評価基準
◎:窒素に対する原子数の比で酸素及び炭素のいずれも0.03未満であるもの
○:一方が0.03以上であるがいずれも0.05以下であるもの
△:両方0.03以上0.05以下であるもの
×:これらのいずれにも該当しないもの
【0052】
実施例2〜 16
表1に示す条件を用いた以外、実施例1と同様の条件で窒化ガリウムナノ粒子を製造した。実施例1と同様にして粒子の化学組成及び粒径を測定し、不純物量を評価した。結果を表2に示す。また、電子線回折像により、実施例2〜16のいずれの粒子も実施例1の粒子と同様に六方晶窒化ガリウムのパターンと一致する回折パターンを示した。
【0053】
【表1】
(注) TMG:トリメチルガリウム、設定値▲1▼:アンモニア用マスフローコントローラ設定値、設定値▲2▼:窒素用マスフローコントローラ(1)設定値、設定値▲3▼:窒素用マスフローコントローラ(2)設定値
【0054】
【表2】
【0055】
実施例 17
実施例1と同様に図1に示す装置を用い、以下の操作により窒化インジウムナノ粒子を作製した。まずバブラー6にトリエチルインジウムを入れ、マスフローコントローラ3を1SLM、マスフローコントローラ4を1SLM、マスフローコントローラ5を10SCCMにセットした。バブラー6の温度を80℃に設定し、マスフローコントローラ5からの窒素をバブラー6に供給し、トリエチルインジウムの蒸気を発生させた。発生したトリエチルインジウム蒸気をマスフローコントローラ4からの窒素と混合し、ライン24を通してリアクター10に送給した。ライン24のトリエチルインジウムを含むガスとライン23のアンモニアガスをリアクター10の加熱装置7により500℃に予熱した後、リアクター10の混合部で乱流を発生させて混合し、石英製円管からなる反応管9に導入した。加熱装置8により反応温度が900℃になるように反応管9を加熱するとともに、反応管9の上部に窒素用流量調節弁12からの窒素ガスを導入し生成した粒子を含む反応ガスを急冷した。生成した粒子の回収は、各部の温度が安定するのを待ち、粒子捕集部10にPTFE製のフィルターをセットして行った。
【0056】
捕集した粒子について実施例1と同様の方法で粒子の化学組成、及び粒径を測定した。結果を表4に示す。生成した粒子の形状は、実施例1と同様に円形ではなく、やや角張った形をしていた。TEM写真上に投影された形が三角形に近いものが高い頻度で観測された。このことは窒化インジウム結晶の安定形が六方晶であることと合致する。円形でないため、粒径の評価は投影面積を円の面積と考えたときの円の直径、すなわち面積相当径を用いた。
【0057】
TEMを用いて電子線回折像をとったところ、回折パターンは六方晶窒化インジウムのパターンと一致することが分かった。このことからも六方晶窒化インジウムの高純度の結晶が製造されたことが分かる。
【0058】
さらに、実施例1と同様にしてオージェ電子分光法により不純物の量を定量し、実施例1と同じ基準で評価した。結果を表4に示す。
【0059】
実施例 18 〜 31
表3に示す条件を用いた以外、実施例17と同様の条件で窒化インジウムナノ粒子を製造した。実施例17と同様にして粒子の化学組成及び粒径を測定し、不純物量を評価した。結果を表4に示す。また、電子線回折像により、実施例18〜31のいずれの粒子も実施例17の粒子と同様に六方晶窒化インジウムのパターンと一致する回折パターンを示した。
【0060】
【表3】
(注) TEI:トリエチルインジウム、設定値▲1▼:アンモニア用マスフローコントローラ設定値、設定値▲2▼:窒素用マスフローコントローラ(1)設定値、設定値▲3▼:窒素用マスフローコントローラ(2)設定値
【0061】
【表4】
【0062】
【発明の効果】
上記の通り、本発明の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法は、13族原料と窒素原料を混合し、気相又はプラズマ中で反応させるので、純度が高く、粒径分布の狭い13族窒化物半導体ナノ粒子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法に用いる製造装置の一例を示す構成図である。
【図2】本発明の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法に用いる製造装置の別の例を示す部分構成図である。
【符号の説明】
1・・・アンモニアガスボンベ
2・・・窒素ガスボンベ
3・・・アンモニア用マスフローコントローラ
4・・・窒素用マスフローコントローラ(1)
5・・・窒素用マスフローコントローラ(2)
6・・・バブラー
7・・・予熱用ヒーター
8・・・反応用ヒーター
9・・・反応管
10・・・リアクター
11・・・粒子捕集部
12・・・窒素用流量調節弁
13・・・マイクロ波加熱装置
14・・・排ガス処理部
Claims (8)
- 気相中で粒子を生成させ捕集する13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法において、13族元素を含有する有機金属化合物と窒素原料を混合し、気相又はプラズマ中で反応させることを特徴とする13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
- 気相中で粒子を生成させ捕集する13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法において、13族原料と窒素原料による粒子生成反応を実質的に円管型の反応管で行うことを特徴とする13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
- 気相中で粒子を生成させ捕集する13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法において、50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の13族原料と、50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の窒素原料を反応させることを特徴とする13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
- 請求項1に記載の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法において、13族元素を含有する有機金属化合物と窒素原料による粒子生成反応を実質的に円管型の反応管で行うことを特徴とする13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
- 請求項1に記載の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法において、13族原料を含有し50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の有機金属化合物と、50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の窒素原料を反応させることを特徴とする13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
- 請求項2に記載の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法において、50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の13族原料と、50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の窒素原料を反応させることを特徴とする13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
- 請求項1に記載の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法において、13族原料を含有し50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の有機金属化合物と、50℃における飽和蒸気圧が133Pa以上の窒素原料を実質的に円管型の反応管で反応させることを特徴とする13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法において、13族元素がGa及び/又はInであることを特徴とする13族窒化物半導体ナノ粒子の製造方法。
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-
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