JP2004222588A - 離型油 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械噴霧においてノズルの詰まりがなく連続運転でき、ミストの発生が少なく、離型性に優れ、噴霧後液ダレしない離型油を提供する。さらに前記の離型油の使用方法を提供する。
【解決手段】油脂(A)活性剤(B)水(C)からなり、かつ、水と、油脂と活性剤の合計量との配合比(水/油脂と活性剤の合計量)が10/90〜45/55である油中水滴型(W/O型)のエマルションであって、油脂(A)が融点5℃以下であり、活性剤(B)がポリグリセリン縮合リシノレイン(b1)0.5〜20.0重量%とHLB4以下のショ糖エステル(b2)0.5〜10.0重量%を組合せ用いてなることを特徴とする離型油。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、離型油に関する。更に詳しくは、特に食品分野の鉄板や容器に噴霧して使用される離型油に関する。更に前記離型油を用いる使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品分野において、パンや菓子を焼成する場合に生地が鉄板や容器に付着しないように離型油を塗布して型離れをよくすることが行われている。
離型油は固形状離型油と液状離型油に大別され、更に液状離型油は液状油脂に活性剤等の離型促進剤を添加した全油タイプの離型油と、液状油脂と水を混合した乳化型離型油に大別できる。
固形状離型油は様々な固体油脂を単独、若しくは組み合わせで使用し、そこに活性剤等を配合したタイプが多く見られる。固形状離型油は一般的に離型性、コゲ付き防止に優れるが、天板や焼型に塗布する場合、刷毛やモップ等で手塗りを行う必要があり、また機械等で塗布する場合でも設備が大掛かりなる欠点がある。
【0003】
一方、液状離型油は流動状のためスプレー機械を用いた簡便な噴霧方法が利用できる。しかしながら液状離型油は固形状離型油と比較して離型性が劣る上に、離型油がスプレーされた際、天板や焼型に付着できなかった離型油が霧化して、離型油のミストとなって空中に飛散し、周辺設備を汚染する欠点がある。
乳化型離型油は全油タイプの離型油と比較してミストの発生を抑制することができる反面、乳化状態を長期間安定に保つことが困難であり、またミスト抑制効果も十分とは言いがたい。離型性に関しても全油タイプの液状離型油に比較して劣る上に液ダレも発生する欠点がある。
また焼型上に均一に離型油がスプレーされた場合でも、凹凸のある焼型では付着した離型油が自重により底部に移動し、離型油の油膜に濃淡が発生するいわゆる液ダレが発生する。液ダレにより焼型表面の離型油が薄くなった部分は離型性が低下し、離型油が厚くなった部分は油で揚げたような表面状態になり、焼成品の表面状態を損なう欠点がある。
【0004】
一方、乳化型離型油は油脂と活性剤と水からなり、分散相が油脂である水中油滴型(O/W型)のエマルジョンと、分散相が水である油中水滴(W/O)型のエマルションに大別できる。
O/W型のエマルションはW/O型のエマルションと比較して機械によるスプレー時に発生するミストは少ないが、安定なエマルションを得る為に水分が多くなり油分が減少する場合が多く、また親水性の大きなHLB値の大きい活性剤を使用する場合が多い。その結果、離型性が劣る欠点がある。また連続相が水相であることから液ダレ防止が困難であり、粘性を調節するための添加剤は焼型上でのコゲの原因になる。
一方、W/O型のエマルションは、O/W型のエマルションと比較して長期間安定なエマルションを維持することが困難であり、また従来より油水分離を防止する目的と液ダレを防止する目的で高融点の油脂や固形状の活性剤を添加することが行われるが、このような場合、保管温度による粘性変化が大きいために液ダレ防止性能が十分でなく、また保管期間中に添加した固体脂や活性剤が析出して離型油中に沈殿、または浮遊して不均一な状態となる欠点がある。更に析出したこれら固体脂や活性剤がスプレーされた際、スプレー機械中のポンプや配管、スプレーノズル内の細かな間隙に次第に蓄積され、間隙を閉塞する結果、良好な離型油の輸送やスプレー状態を悪化する欠点がある。
【0005】
例えば、特開2000−184849号公報(特許文献1)には、常温で液状の油脂にレシチンまたはレシチンと油溶性乳化剤混合物を溶解させた離型油を静電塗油装置のノズルから噴霧して離型油微細粒子をマイナスに帯電させて噴霧塗布する焼き洋菓子用離型膜の形成方法が開示されている。しかし、この技術では、特殊な装置が必要であり、一般的でないなど問題がある。
また、特開2001−275566号(特許文献2)には、食用油脂中にでんぷん類13〜35重量%、動植物ワックス1〜10重量%、レシチン0.6%〜5重量%を含む離型油が開示されている。しかし、この技術では、でんぷんや、ワックスを使用するために離型油を冷蔵所等に保管した場合に固体となり噴霧ノズルで詰まりを生じるなどの問題がある。
また、特開平7−39304号公報(特許文献3)には、食用油脂100重量部にショ糖脂肪酸エステルを0.1〜30重量部配合する離型油が開示されている。またさらに、ポリグリセリン脂肪酸等の乳化剤を配合する技術が開示されている。しかし、この技術では、油脂と活性剤のみの系であり離型性は優れるもののミストが多く発生する問題がある。
また、特開平7−170910号公報(特許文献4)には、ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルを含有している組成物100重量部に、レシチン、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の分散剤を0.1〜10重量部配合してなる離型油が開示されている。しかし、この技術では、離型性や、液ダレ抑制、ミスト抑制等の性能が不十分である。
【0006】
さらに、特開平7−21322号公報(特許文献5)には、ポリグリセリン結合リシノレイン酸エステル(以下縮合リシノレイン酸ポリグリセリンエステルという場合もある)及び、平均エステル化度3以上のショ糖脂肪酸エステル、又は、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルを含有する食品用液状離型油の流動性改良剤であって、該ショ糖脂肪酸エステル又は、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルを30重量%以下含有させる離型油の流動性改良剤が開示されている。しかし、この技術では、W/O型エマルションの離型剤の記載も示唆もなく、油脂と活性剤のみであり、噴霧時のミストの発生を十分抑制できないなど問題がある。
【0007】
【特許文献1】特開2000−184849号公報(第2頁)
【特許文献2】特開2001−275566号公報(第2頁)
【特許文献3】特開平7−39304号公報(第2頁)
【特許文献4】特開平7−170910号公報(第2頁)
【特許文献5】特開平7−213228号公報(第2頁)
【0008】
さらに、最近ではパンや菓子等の高級化が進み、卵、糖分等の比較的こげつき易い成分を多く配合する食品が多くなり、従来の離型油では十分満足できる性能が得られていないのが現状である。
したがって、機械による噴霧においてミスト発生を抑制し、離型性や液ダレ抑制に対して十分満足できる離型油がない状況である。
そのため、製造現場では、ミスト発生に対しては作業環境の点からクローズドな仕切の中で行うなどの対策をとらざるを得ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような背景のもとで本発明はなされたものであり、本発明の第1の目的は、離型性に優れ、前記のように機械噴霧においてノズルの詰まりがなく連続運転でき、ミストの発生が少なく、噴霧後液ダレしない離型油を提供することにある。
本発明の第2の目的は、前記の離型油の使用方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記問題に鑑み鋭意検討した結果、W/O型の離型剤とすることでミストの発生を抑制し、かつ、特定の油脂、活性剤を組み合わせることにより、前記の問題点を解決できる知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の(1)〜(7)である。
(1) 油脂(A)活性剤(B)水(C)からなり、かつ、水と、油脂と活性剤の合計量との配合比(水/油脂と活性剤の合計量)が10/90〜45/55である油中水滴型(W/O型)のエマルションであって、油脂(A)が融点5℃以下であり、活性剤(B)がポリグリセリン縮合リシノレイン(b1)0.5〜20.0重量%とHLB4以下のショ糖エステル(b2)0.5〜10.0重量%を組合せ用いてなることを特徴とする離型油。
(2) 油脂が、ナタネ油、大豆油、コーン油およびMCT油からなる群より選択される1種または2種以上である前記の(1)記載の離型油。
(3) HLB4以下のショ糖脂肪酸エステル(b2)の構成脂肪酸が飽和酸である飽和酸型ショ糖脂肪酸エステル(b21)と、構成脂肪酸が不飽和酸である不飽和型ショ糖脂肪酸エステル(b22)の2種の重量比(b21/b22)が20/80〜80/20で用いる前記の(1)または(2)記載の離型油。
(4)前記の(1)〜(3)のいずれかに記載の離型油が食品分野のノズル噴霧用である離型油。
(5) 前記の(1)〜(4)のいずれかに記載の離型油を用いてノズル噴霧させて、食品用容器の面に塗布してなる離型油の使用方法。
(6) 前記の(1)〜(4)のいずれかに記載の離型油をノズル噴霧させて、食品容器の面に塗布し、次いで菓子またはパン生地をその容器に充填し焼成した後、菓子またはパンを離型する方法。
【0011】
【発明実施の形態】
本発明のW/O型離型油は、油脂(A)活性剤(B)水(C)からなり、かつ、水と、油脂と活性剤の合計量との配合比(水/油脂と活性剤の合計量)が10/90〜45/55である油中水滴型(W/O型)のエマルションであって、油脂(A)が融点5℃以下であり、活性剤(B)がポリグリセリン縮合リシノレイン(b1)0.5〜20.0重量%とHLB4以下のショ糖エステル(b2)0.5〜10.0重量%を組合せ用いてなることを特徴とする。
本発明で用いる油脂(A)としては、融点5℃の以下の動植物油あるいは合成油が挙げられ、常温液体の食用油脂が挙げられる。具体的には例えば、ナタネ油、大豆油、米油、ごま油、オリーブ油、パームオレイン油、綿実油、ひまわり油、コーン油、MCT油(中鎖脂肪酸トリグリセリド)が挙げられる。好ましくはナタネ油、大豆油、コーン油、MCT油等である。前記の融点5℃より高い動植物油脂であっても、前記の融点5℃以下の動植物油脂に配合しても固体脂の析出など問題がない程度の量であれば配合しても問題ない
融点が高いと結晶を生成しやすく、固体脂が噴霧ノズルで詰まりが発生する。
【0012】
本発明で用いる活性剤(B)としては、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(b1)と、HLB4以下のショ糖脂肪酸エステル(b2)を組合せ用いる。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(b1)は、ポリグリセリンと縮合リシノレイン酸とのエステル化物であって、ポリグリセリン部分は平均重合度が3〜6のポリグリセリンで、平均縮合度が3〜6のリシノレイン酸部分とのエステル化物である。
例えば具体的には、トリグリセリン縮合シリノレイン酸エステル、テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ペンタグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、デカグリセリン縮合リシノレイン酸エステル等が挙げられる。
中でも特に好ましくは、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリンエステル、縮合リシノレイン酸ペンタグリセリンエステルが挙げられる。
【0013】
本発明で用いるHLB4以下のショ糖脂肪酸エステル(b2)としては、ショ糖と炭素数8〜22の飽和、不飽和の脂肪酸とのエステルであり、具体的に例えば、カプリル酸ショ糖エステル、カプリン酸ショ糖エステル、ラウリン酸ショ糖エステル、ミリスチン酸ショ糖エステル、パルミチン酸ショ糖エステル、ステアリン酸ショ糖エステル、オレイン酸ショ糖エステル、ベヘン酸ショ糖エステル、エライジン酸ショ糖エステル、リノール酸ショ糖エステル、リノレイン酸ショ糖エステル等が挙げられる。中でも、パルミチン酸ショ糖エステル、ステアリン酸ショ糖エステル、オレイン酸ショ糖エステルが好ましく挙げられる。
さらにショ糖エステルの中でも、飽和脂肪酸のショ糖エステル(b21)と、不飽和脂肪酸のショ糖エステル(b22)とを二種組合せて使用すると更に好ましい。また飽和脂肪酸のショ糖エステル(b21)と飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の混合脂肪酸のショ糖エステルの組み合わせも好ましく挙げられる
また構成脂肪酸が飽和酸、不飽和酸に関わらずHLBが4より大きいショ脂肪酸エステルを使用すると離型性が悪化する。
【0014】
本発明で使用する水(C)としては、精製水、イオン交換水、蒸留水等の通常食品に使用できる水が挙げられる。
【0015】
前記の水(C)と[油脂(A)+活性剤(B)]との配合比率は、W/O型エマルションとするために、[(C)/[(A)+(B)]]の重量比で10/90〜45/55である。より好ましくは、噴霧時のミストの抑制がより十分にできる点から、20/80〜40/60である。
前記比率が10/90より水(C)の量が少なくなると、噴霧時のミスト発生が多くなる。一方、前記比率が45/55より水(C)の量が多くなるとW/O型エマルションの形態をとりにくくなり、O/W型のエマルションの形態となると、噴霧時のミストは少なくなるものの離型性が低下し、液ダレの抑制がしにくくなる。
【0016】
前記の縮合リシノレイン酸ポリグリセリンエステル(b1)の配合量は離型油全体中に対して、0.5〜20重量%であり、好ましくは、1〜10重量%であり、HLB4以下のショ糖エステル(b2)0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。
縮合リシノレイン酸ポリグリセリンエステル(b1)の量が0.5重量%より少ないと乳化が不十分であり、20重量%より多いと系の粘性が高くなり、ノズルに詰まりやすくなる。また風味も悪化する。HLB4以下のショ糖エステル(b2)の配合量が0.5重量%より少ないと十分な粘性が付与されず、液ダレしやすくなる。ショ糖エステル(b2)が10重量%より多いと系の粘性が高くなりスプレーノズルに詰まりやすくなる。
【0017】
HLB4以下のショ糖エステル(b2)が、飽和脂肪酸のショ糖エステル(b21)と、不飽和脂肪酸のショ糖エステル(b22)の2種を配合して用いることが、凝固点の高いものの結晶生成抑制、製品の安定性の観点からより好ましい。前記のb21/b22の配合比率は、20/80〜80/20重量比がより好ましい。前記のb21/b22の配合比率は、40/60〜60/40重量比がさらに好ましい。また不飽和脂肪酸のショ糖エステル(b22)には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が混合された飽和、不飽和混酸のショ糖脂肪酸エステルを用いても好ましい。
【0018】
本発明の離型油には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を配合しても差しつかえない。その他の成分としては、香料、着色料、防腐剤、防黴剤、等が挙げられる。
【0019】
次に本発明の離型油の製造方法について説明する。
本発明の離型油の製造方法は、W/O型のエマルションが得られればよく、特に限定されないが、例えば、次の方法が挙げられる。
所定量の前記油脂と活性剤を容器にはかり取り、加温溶解させる。次いで、その配合油に予め加温した水相を所定量かき混ぜながら加えてW/O型エマルションを得る。その後室温まで冷却する。このようにして得られたW/Oエマルションの水滴の平均粒径は、特に限定されないが、通常0.1μm〜50μm程度、さらに好ましくは、製品の安定性の点から、1μm〜10μm程度である。
前記のW/O型エマルションを製造する際のかき混ぜ機としては、特に限定されないが、例えば、ホモミキサー、ディスパー、プロペラかき混ぜ機、高圧ホモジナイザー、ボテーター、その他の急冷捏和機等が挙げられる。
配合系にもよるが、処理温度、時間は、製品の安定性等を考慮して適宜条件を選定することが望ましい。あまり強烈なせん断力をあたえるとかえって乳化破壊を起こすので好ましくない。このようにして得られた離型油は、通常、粘度が200cSt〜5000cStの範囲であり、より好ましくは、500cSt〜2000cStの範囲である。
【0020】
次に本発明の離型油の使用方法について説明する。
本発明の離型油は、食品分野のスプレーノズル噴霧用に使用できる。特に噴霧スプレーノズルにより霧状にして食品等の容器に塗布して使用される。噴霧機械の機種としては、例えば、旭サナック社製 ピークベア・ホット、AP1224H、アネスト岩田社製、エアレス噴霧装置、マルチ・アルファとスプレー装置を組あわせたもの、若林工業(株)社製、SG−2、TG−2グリーサースプレーなどを挙げることができる。
随時機械の性能と離型油の粘度調整等により適宜好ましい条件を設定することが望ましい。
【0021】
【発明の効果】
本発明の離型油は、油脂と活性剤と水とからなり、W/O型のエマルションであるので、油性成分と活性剤のみからなる全油タイプの離型油に比べて、機械噴霧時のミストが少なく、ノズルの詰まりがなく連続運転が可能であり優れた離型性を示す。また、本発明の離型油は、O/W型のエマルションに比べて、離型性に優れ、液ダレも抑制される。さらに、特に圧力で噴霧する際にミストが少ないので環境の汚染に対して優れた効果を示す。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。
次に用いた試験方法、評価方法を示す。
<1.状態安定性(乳化状態)試験>
離型油を調製した後、その離型油をサンプルビンにとり、30℃の恒温槽中で静置保管し、経日変化を目視より油水分離を観察した。評価は次の記号として表中に示す。
◎;油水の分離が全くなく、全体的に均一で滑らかである。
○;液面にわずかに透明相あり、滑らか感がある。
△;油水分離が確認される。
×;油水の分離が激しく、完全に2層に分離する。
<2、スプレー状態>
スプレー状態は加圧式のスプレー(スプレーイングシステムジャパン(株)社製、スプレーカートII)を用いて、実施例、比較例の離型油を試験試料として、空気圧力5kg/cm、にてスプレーを行った。
◎;スプレー状態が均一で細かい。長期間良好なスプレー状態が維持する。
○;スプレー状態が細かいが、やや噴霧状態に偏りがある。
△;スプレー状態に偏りがあり、噴霧がやや不均一である。
×;スプレー状態が細かくならず、噴霧不良である。
<3.液ダレ抑制性>
液ダレ抑制性は上記加圧式のスプレー機で12cm×11cm×25cmの2斤型に約5.0g均一にスプレーした後、壁面部分の液ダレの有無を確認した。
評価は次の記号として表中に示す。
◎;液ダレがなく良好である。
○;液ダレがほとんどなく良好である。
△;液ダレがわずかに発生する。
×;液ダレが発生し、壁面の油膜が薄くなり、底部に離型油がたまる。
<4.ミスト抑制性試験>
ミストの抑制性試験は、上記加圧式のスプレー機でスプレーした後、離型油が霧化して空中に浮遊するミストの程度を観察した。
評価は次の記号として表中に示す。
◎;ミストが十分に抑制されている。
○;ミストが抑制されている。
△;ミストの抑制がやや不十分である。
×;ミストの抑制が不十分である。
【0023】
<4.離型性>
離型性の試験は、食パン用焼型(2斤型)に一定量の離型油(4.0g)を塗布し、次に記載の同配合、同製法により食パン生地を焼成した後、その型からの抜け具合を目視で観察した。
評価は次の記号として表中に示す。
◎;離型が非常に良好である。
○;離型が良好である。
△;離型がやや不十分である。
×;離型不良である。
<食パン生地配合>
生地製法は中種法で行った。中種は強力粉70重量部にイーストを予め分散させた水42重量部を混合し、ミキサーにて捏ねる。28℃で4時間醗酵した後、強力粉30重量部、上白糖8重量部、食塩1.83重量部、水25重量部の本捏生地と中種生地をミキサーにて混合する。その後フロアタイムを20分取り、生地分割を行なった。その後ベンチタイム15分後、成形を行い、38℃湿度85%にて約35分ホイロを行った。
<焼成条件>
ホイロ後生地は2斤型に充填し、約210℃で約35分焼成した。
【0024】
<6.総合評価>
上記評価方法により離型油としての総合評価を示す。
◎;非常に良好(◎が3つ以上あり、それ以外が○であるもの)
○;良好(評価が◎、○、△のみであり、×を含まないもの)
×;不良(1〜5の評価項目において×を含むもの)
【0025】
次に実施例および比較例に用いた材料を示す。
<油脂>
ナタネ油; 融点−12〜0℃、
ナタネ極度硬化油;融点69℃、
魚油硬化油;融点43℃、
ライスワックス;融点70〜77℃、
<活性剤>
縮合リシノレインポリグリセリンエステル;縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリンエステル;
【0026】
実施例1;
油脂(A)としてナタネ油、65重量部、活性剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(b1)(三菱化学フーズ(株)社製、商品名S−170(HLB1)2重量部、飽和酸系ショ糖エステル(b21)(三菱化学フーズ(株)社製、商品名O−170(HLB1)1.5重量部、及び不飽和酸系ショ糖エステル(b22)(三菱(株)社製、商品名O−170)1.5重量部を容器にはかりとり、撹拌を行いながら温度70℃迄加熱し、活性剤を完全に溶解させる。そこに予め加温してある70℃の水30重量部を徐々に加えてW/O型乳化物を調製する。
その後、室温まで急冷してW/O乳化型離型油を得た。
この離型油を用いて、前記の評価方法に従い、評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0027】
実施例2〜8、比較例1〜10
実施例1と同様にして表1に示した材料組成で、離型油を配合した。同様に評価した結果を表1、2および3に示す。
【0028】
【表1】
Figure 2004222588
【0029】
【表2】
Figure 2004222588
【0030】
【表3】
Figure 2004222588
【0031】
以上の結果から、本発明の実施例1〜8は、油脂の融点が高いものを配合した本発明の範囲外である比較例1〜4、HLBが範囲外である活性剤を用いた全油系の比較例5,他の界面活性剤を配合している比較例6〜10に比べて、液ダレ抑制性、離型性、ミスト抑制性等に優れていることがわかる。

Claims (6)

  1. 油脂(A)活性剤(B)水(C)からなり、かつ、水と、油脂と活性剤の合計量との配合比(水/油脂と活性剤の合計量)が10/90〜45/55である油中水滴型(W/O型)のエマルションであって、油脂(A)が融点5℃以下であり、活性剤(B)がポリグリセリン縮合リシノレイン(b1)0.5〜20.0重量%とHLB4以下のショ糖エステル(b2)0.5〜10.0重量%を組合せ用いてなることを特徴とする離型油。
  2. 油脂が、ナタネ油、大豆油、コーン油およびMCT油からなる群より選択される1種または2種以上である請求項1記載の離型油。
  3. HLB4以下のショ糖脂肪酸エステル(b2)の構成脂肪酸が飽和酸である飽和酸型ショ糖脂肪酸エステル(b21)と、構成脂肪酸が不飽和酸である不飽和型ショ糖脂肪酸エステル(b22)の2種の重量比(b21/b22)が20/80〜80/20で用いる請求項1または2記載の離型油。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の離型油が食品分野のノズル噴霧用である離型油。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の離型油を用いてノズル噴霧させて、食品用容器の面に塗布してなる離型油の使用方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかの1項に記載の離型油をノズル噴霧させて、食品容器の面に塗布し、次いで食品生地をその容器に充填し焼成した後、食品を離型する方法。
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