JP5601427B2 - ロールイン用乳化油脂組成物 - Google Patents

ロールイン用乳化油脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5601427B2
JP5601427B2 JP2013558860A JP2013558860A JP5601427B2 JP 5601427 B2 JP5601427 B2 JP 5601427B2 JP 2013558860 A JP2013558860 A JP 2013558860A JP 2013558860 A JP2013558860 A JP 2013558860A JP 5601427 B2 JP5601427 B2 JP 5601427B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
roll
weight
fat
emulsified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013558860A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2013153902A1 (ja
Inventor
淳 垣本
康祐 北陽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Oil Co Ltd filed Critical Fuji Oil Co Ltd
Priority to JP2013558860A priority Critical patent/JP5601427B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5601427B2 publication Critical patent/JP5601427B2/ja
Publication of JPWO2013153902A1 publication Critical patent/JPWO2013153902A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23DEDIBLE OILS OR FATS, e.g. MARGARINES, SHORTENINGS, COOKING OILS
    • A23D7/00Edible oil or fat compositions containing an aqueous phase, e.g. margarines
    • A23D7/001Spread compositions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT, e.g. PRESERVATION, OF FLOUR OR DOUGH, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS; PRESERVATION THEREOF
    • A21D13/00Finished or partly finished bakery products
    • A21D13/10Multi-layered products
    • A21D13/16Multi-layered pastry, e.g. puff pastry; Danish pastry or laminated dough
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23DEDIBLE OILS OR FATS, e.g. MARGARINES, SHORTENINGS, COOKING OILS
    • A23D7/00Edible oil or fat compositions containing an aqueous phase, e.g. margarines
    • A23D7/02Edible oil or fat compositions containing an aqueous phase, e.g. margarines characterised by the production or working-up

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

本発明は、ロールイン用乳化油脂組成物に関する。
クロワッサン等のペストリーに使用されるロールイン用乳化油脂組成物においては、良好な展延性等の作業性が一般的に求められる。さらに近年は、得られたペストリーにおけるジューシーな食感が消費者より求められる場合がある。
特許文献1には、「ラウリン系ハードバターを5〜50重量%、パーム油起源の非選択的エステル交換油脂3〜50重量%、乳脂肪を1%以上含有し、油相のSFCが10℃で40%以上、35℃で10%以下で実質的にトランス脂肪酸を含まないことを特徴とするロールイン用可塑性油中水型乳化物」について記載されている。
また特許文献2には、「可塑性油中水型乳化物中ハイエルシン菜種油の極度硬化油を6〜20重量%含み、常温で液体である油脂を5〜50重量%含み、油相のSFCが10℃で30%〜50%、35℃で10%以上である実質的にトランス脂肪酸を含まないロールイン用可塑性油中水型乳化物」について記載されている。
特許文献3には、「油相中にSLOSL(SL:パルミチン酸残基又はステアリン酸残基或いはアラキン酸残基、O:オレイン酸残基)で表わされるトリアシルグリセリンを35重量%以上含むことを特徴とする水中油型乳化ロールイン用油脂組成物」について記載されている。そして「口溶け良好の代表的な油脂であるチョコレート用対称型油脂を使用した油中水型乳化ロールイン用マーガリンは口溶けこそ良好であるが、それをロールイン後、ペストリー生地を伸展させるのは非常に難しく、1℃単位の厳密な温度管理が必要となり、実質不可能に近いものである」と記載されている。
特許文献4には、その請求項に「シート状油中水型乳化油脂組成物全体中、カカオバター代用脂10〜50重量%、ラウリン系油脂5〜20重量%を含有し、且つ硬化油及びエステル交換油を一切使用しないことを特徴とするシート状油中水型乳化油脂組成物」について記載されている。
特開2008−193974号公報 特開2010−233547号公報 特開2002−306065号公報 特開2007−60912号公報
本発明は、トランス脂肪酸を実質的に含まない配合でありながら、展延性が良好であり、焼成後のクロワッサンにおいてジューシーな食感を発現する、ロールイン用乳化油脂組成物および、当該ロールイン用乳化油脂組成物を使用したクロワッサン等のペストリーに関する。
上記先行技術は、上記課題に向けてそれぞれ下記の問題点を有している。
特許文献1においては、ラウリン系ハードバターを5〜50重量%配合する他、10℃でのSFCが40%以上である必要がある等、配合上の制約が大きく、意図する配合を構築できない場合がある。
特許文献2においては、ハイエルシン菜種油の極度硬化油を6〜20重量%含有することから、口溶け感を重視する用途においては、問題となる場合も想定される。
特許文献3においては、「チョコレート用対称型油脂を使用した油中水型乳化ロールイン用マーガリンは(中略)実質不可能に近いものである」との記載があり、本発明者の試験、研究においても、その実現は困難と思えた。しかし、特許文献3のように水中油型乳化物とした場合は、腐敗し易い等の問題がある。
特許文献4も、ラウリン系油脂を配合することが必須であり、また、硬化油及びエステル交換油を一切使用しないことを特徴とするなど、配合上の制限が多いものである。さらに、実施例では圧力晶析による製造法が開示されているのみである。
すなわち、良好な展延性とジューシーな食感を両立するロールイン用乳化油脂組成物は得られていなかった。
本発明者は、良好な展延性とジューシーな食感をあわせ持つロールイン用乳化油脂組成物を得るための配合を鋭意検討した。その結果、高価であり、独特の物理的特性を持つためロールイン用乳化油脂組成物には不適とも考えられた、SOS(2−オレオ、1,3ジステアリン)を油相に特定量含有させた配合においては、比較的多量の液状油を配合することが可能で、これによりクロワッサン等のペストリー調製作業時には良好な展延性を示し、かつ、焼成後には、非常にジューシーな食感を示すこと、また、このような配合においては、乳脂の配合量が少量でも、多量配合された液状油の効果により、強い乳味感を示す効果があることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は
(1)油相中に液状油を25〜55重量%、及びSOS(2−オレオ、1,3ジステアリン)を6〜33重量%含有し、油相の構成脂肪酸のラウリン酸含量が7重量%以下であることを特徴とする、実質的にトランス脂肪酸を含まないロールイン用乳化油脂組成物、
(2)油相中に液状油がSOSの1.3〜8倍含まれる、(1)記載のロールイン用乳化油脂組成物、
(3)さらに乳脂を油相中に0.2〜17重量%含有する、(2)記載のロールイン用乳化油脂組成物、
(4)さらに、POP(2−オレオ、1,3ジパルミチン)を油相中に2〜6重量%含有する、(1)〜(3)何れか1つに記載のロールイン用乳化油脂組成物、
(5)さらに、油脂の結晶化促進効果を有する乳化剤を油相中に0.05重量%以上含有する、(4)に記載のロールイン用乳化油脂組成物、
(6)油脂の結晶化促進効果を有する乳化剤を油相中に0.05重量%以上配合することを特徴とする、(5)に記載のロールイン用乳化油脂組成物の製造法、
(7)(1)〜(5)何れか1つに記載のロールイン用乳化油脂組成物を使用し調製した、ペストリー、
に関するものである。
本発明によれば、トランス脂肪酸を実質的に含まない配合でありながら、良好な展延性とジューシーな食感をあわせ持つ、ロールイン用乳化油脂組成物が得られる。
本発明でいうロールイン用乳化油脂組成物とは、クロワッサン等のペストリーのロールイン用に使用できる油脂組成物であり、通常は油中水型の乳化物である。そして、その形状はシート状である場合が多いが、ブロック状の油脂組成物を使用する場合もある。
本発明でいう油相とは、乳化油脂組成物における、油脂および油脂に溶解する成分が混合した状態のものであり、乳化油脂組成物を加熱溶解して乳化状態を破壊した際に、油脂を主体とした部分として分離し、認識されるものである。
本発明でいう液状油とは、常温において液体状である食用油を指す。具体的にはコーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油及びパーム油の分別油を挙げることができ、より好ましいのはコーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油であり、さらに好ましいのは大豆油、ナタネ油である。そして液状油の量は、本発明のロールイン用乳化油脂組成物の油相中に25〜55重量%含まれる必要があり、その量は、より好ましくは30〜50重量%であり、さらに好ましくは32〜45重量%である。液状油の量が少なすぎても多すぎても、良好な展延性が得られない場合がある。
本発明でいうSOS(2−オレオ、1,3ジステアリン)(以下、単にSOSと言う場合がある)とは、その1,3位にステアリン酸、2位にオレイン酸がエステル結合したトリグリセリドである。SOSに富む油脂としては、天然にはカカオバター、シア脂、サル脂、イリッペ脂を揚げることができる。他、1,3特異リパーゼを使用したエステル交換法により調製することもできる。本発明におけるSOSとしては、1,3特異リパーゼを使用したエステル交換法により調製したものがSOS純度が高いことからより好適に利用できる。そしてSOS含有量は、本発明のロールイン用乳化油脂組成物の油相中に6〜33重量%含まれる必要があり、その量は、より好ましくは6〜25重量%であり、さらに好ましくは7〜16重量%である。SOS含有量が少なすぎると、油脂組成物において液状油の染み出しが起こる場合があり、また多すぎると、展延性が低下する場合がある。
なお、本発明においては、SOSは、他の対称型トリグリセリドであるPOPで代替することは困難である。POPは本発明に係るロールイン用油脂組成物の物理的特性を調整するため、SOSよりも少ない量を配合することで、展延性等の作業性改善効果を示す場合もあるが、POPのみ、ないし、POPの量がSOSよりも多い場合、本発明にあるような、ロールイン用乳化油脂組成物としての良好な展延性と、クロワッサン等のペストリーを調製した際に良好な口溶けを両立させることは困難である。
本発明のおける、「油相の構成脂肪酸のラウリン酸含量が7重量%以下」とは、本発明のロールイン用乳化油脂組成物においてはラウリン酸は物理的特性に実質的に影響を与える量は含まれていないことを示すものである。ラウリン酸含量が上限を超えると、特定量のSOSと液状油により発現される良好な展延性に悪影響を与える場合がある。なお、本発明における油相の構成脂肪酸のラウリン酸含量は、より望ましくは6重量%以下であり、さらに望ましくは4.5重量%以下であり、最も望ましくは3重量%以下である。
本発明において、実質的にトランス脂肪酸を含まないとは、硬化油由来のトランス脂肪酸を含有しないという趣旨である。乳脂肪など天然の油脂は、油脂組成物の原料として使用することがあるが、未硬化でも若干量のトランス脂肪酸を含有する場合がある。本発明はこれら天然の油脂の使用を排除する趣旨ではない。また、液状油も精製工程で生成される少量のトランス脂肪酸を含有する場合があるが、本発明ではかかる液状油の使用も排除しない。
本発明でいう乳脂とは、牛乳に由来する脂であり、バターやバターオイル(別名澄ましバター)、クリームとして配合することができる。そして乳脂の量は、本発明のロールイン用乳化油脂組成物の油相中に0.2〜17重量%含まれることが望ましく、より好ましくは2〜17重量%であり、さらに好ましくは5〜17重量%である。乳脂の量が少なすぎると、乳味感が乏しくなる場合がある。また乳脂の量が多くなると、コストが高くなる場合がある。
本発明でいうPOP(2−オレオ、1,3ジパルミチン)(以下単にPOPと言う場合がある)とは、その1,3位にパルミチン酸、2位にオレイン酸がエステル結合したトリグリセリドである。POPに富む油脂としては、天然にはパーム油分別油をあげることができる。また、1,3特異リパーゼを使用したエステル交換法により調製することもできる。
本発明では、SOSと液状油の配合比により物理的特性の多くが設定されるが、さらにその物理的特性を微調整する際にPOPを若干量使用することができる。このときの使用量は、ロールイン用乳化油脂組成物の油相中に2〜6重量%が望ましく、より望ましくは3〜6重量%であり、さらに望ましくは4〜5重量%である。この量が多すぎても少なすぎても、求める物理的特性、特に展延性が得られない場合がある。
本発明でいう「油脂の結晶化促進効果を有する乳化剤」とは、特に油脂組成物を調製する際の急冷時に結晶化を促進する効果を有する乳化剤である。SOSは、油脂組成物を調製する際の急冷時の結晶化速度はそれほど速くないため、ロールイン用乳化油脂組成物の製造が困難となる場合がある。そのような場合に、油脂の結晶化促進効果を有する乳化剤を添加することにより、ロールイン用乳化油脂組成物を調製することができるようになる場合がある。具体的には、エステル化率が28〜60%であり、かつソルビトール型含量が20〜40%であるソルビタン脂肪酸エステルや、HLBが2以下であり、パルミチン酸が結合したショ糖脂肪酸エステルを上げることができ、より望ましくは「エステル化率が28〜60%であり、かつソルビトール型含量が20〜40%であるソルビタン脂肪酸エステル」である。その量は、ロールイン用乳化油脂組成物の油相中に0.05重量%以上であることが望ましく、より望ましくは0.1重量%以上であり、さらに望ましくは0.5重量%以上である。量が少なすぎる場合は、その結晶化促進効果が十分に得られない場合がある。
具体的に使用可能な結晶化促進効果を有する乳化剤は、「三菱化学フーズ社製リョートーシュガーエステルP170」等である。
本発明の最大の特徴は、その油相における油脂配合にある。第一に、チョコレート用の油脂として、従来から口溶けのよさが知られていた一方、その物理的特性からロールイン用乳化油脂組成物用の油脂には不適とされていたSOSを特定量使用する点に特徴がある。従来であれば、単純にSOSを配合しても、良好な展延性を得ることはできなかったものである。
第二に、ロールイン用乳化油脂組成物としては従来にない大量の液状油を油相に配合することに特徴がある。このような大量の液状油を配合した場合は、ロールイン用乳化油脂組成物においては十分な可塑性が得られず、良好な展延性を得ることが困難となる場合が多かった。
本発明は、これらSOSと液状油を、それぞれ特定量配合した場合に、良好な展延性が得られかつ、クロワッサンペストリーを調製した際に良好な口溶けを示すロールイン用油脂組成物が得られることを見出し、完成されたものである。
本発明においては、ロールイン用乳化油脂組成物に一般的に使用される乳化剤や香料等は、本発明の効果を妨げない限り、適宜使用することができる。
本発明のロールイン用油中水型乳化油脂組成物の調製法は、以下に例示するような、一般的な方法を採用することができる。
設定された配合において、油脂および油脂に溶解する成分、たとえば油溶性乳化剤を油脂に溶解し油相とする。油相は、油脂が完全に溶解された状態とする。これは、油脂の融点に依存し、概ね55〜75℃である。
一方、設定された配合において、水および水に溶解する成分、たとえば水溶性の風味素材などは水に混合し水相とする。なお、液糖を使用する場合など、水を使用しない配合においては、液糖に水溶性の成分を溶解ないし混合することになる。
油相および水相の準備が終了した後、油相を攪拌しながら水相を添加することで、油中水型に略乳化した「調合液」を得る。このとき、攪拌が不十分であったり、あるいは油相の温度が低すぎる場合は、乳化が反転する場合もあるので、十分に攪拌しかつ、十分な温度に保つ必要である。
調合液はポンプにより送液し、適宜殺菌装置等を通過させた後、油中水型乳化油脂組成物の製造装置へ供される。油中水型乳化油脂組成物の製造装置へ供される直前の段階で、調合液は溶解状態でかつ、40〜80℃である必要があり、より望ましくは50〜70℃であり、さらに望ましくは55〜65℃である。油中水型乳化油脂組成物の製造装置へ供される直前の調合液の温度が低すぎる場合は、その段階で油脂結晶が発生し、最終製品に粒状結晶が存在することがある。また、温度が高すぎる場合は、油中水型乳化油脂組成物の製造装置において余分の冷却エネルギーが必要となる場合がある。
油中水型乳化油脂組成物の製造装置としては、冷却機能を有する各種のものを使用することができる。具体的には、コンビネーター、パーフェクター、ボテーター等の掻き取り式急冷混和機を備えた装置をあげることができる。これらの装置により、一例として、調合液を1〜8℃/秒の速度で、冷却装置の出口で3〜15℃まで冷却する。冷却速度は、より望ましくは1〜7℃/秒であり、更に望ましくは1〜5℃/秒である。冷却速度が遅すぎると、粒状結晶が発生しやすくなる場合があり、また冷却速度が速すぎると、不必要により大きな冷却エネルギーが必要となる場合がある。
冷却装置を出た油中水型乳化油脂組成物は休止管に導入され、休止管出口に備えられた成型機により、シート状あるいはブロック状に成型される。このようにして得たロールイン用乳化油脂組成物の大きさは、成型機の形状により適宜設定することができる。成型後は包装、充填等の工程を経て冷蔵し、必要に応じてエージングを行う。なお、目標とする結晶量を得るために、少なくとも24〜48時間程度の冷蔵時間を要する場合がある。
以下、実施例等により本発明の実施形態をより具体的に記載する。
実施例1〜9、比較例1〜4
表1に示す配合において、以下に記載する「ロールイン用乳化油脂組成物の調製法」に従い、ロールイン用乳化油脂組成物を調製した。
その後、以下に記載する「クロワッサン調製試験法」により作業性の評価を行った。さらに「官能評価法」により、各クロワッサンサンプルの官能評価を行った。
表1ロールイン用乳化油脂組成物の配合
Figure 0005601427
・エステル交換油Aはパーム油、パーム核分別油等をランダムエステル交換した、融点33℃のものを使用した。
・エステル交換油Bはナタネ油とパーム核油をランダムエステル交換した、融点52℃のものを使用した。
・エステル交換油Cはパーム油、ナタネ油等をランダムエステル交換した、融点46℃のものを使用した。
・ラウリン系油脂はパーム核油分別油を使用した。
・SOS含有油脂は酵素エステル交換により得られた,チョコレート用油脂を使用した。SOSの含有量は64.2重量%であった。
・パーム分別油はPOPを46.2重量%含有するパーム油の中融点分画油を使用した。
・油脂の結晶化促進効果を有する乳化剤として、ショ糖脂肪酸エステル「三菱化学フーズ社製リョートーシュガーエステルP170」を使用した。
「ロールイン用乳化油脂組成物の調製法」
1.油脂及び油脂に溶解する乳化剤を融解、混合し油相とした。(バターは油相へ投入)
2.水及び水に溶解する成分を混合し水相とした。
3.油相55〜70℃で攪拌しつつ水相を投入し、略乳化した。
4.掻き取り式急冷混和機「コンビネーター」、休止管、成型機を通してシート状のロールイン用油脂組成物を得た。
5.3〜7℃の冷蔵庫にて3〜7日間保管した。
「クロワッサン調製試験法」
1.表2記載の配合にて、以下手順にて生地を調製した。
ミキシングタイム低3分、中3分
捏ね上げ温度26℃
フロアタイム40分
醗酵室温度・湿度27℃、75%
分割重量大分割
リタード温度・時間−8℃、1時間
2.生地に対し、対粉50重量部のロールイン用油脂組成物を準備した。ロールイン用油脂組成物は15,20,25℃にそれぞれ温調し、最も好適と思える状態のサンプルを、折込テストした。
3.シーターにて3つ折3回行った。
4.最終生地厚4mmに展延し、底辺120mm、高さ180mmの三角形にカットした
5.クロワッサン成型し、ホイロをとった。
35℃、湿度70%、60分
6.ホイロ後、卵を塗り、焼成した。
焼成温度上火220℃、下火190℃15分
なお、コントロールとしてのシートマーガリンは不二製油株式会社製「アートピアGS」を使用した。
表2クロワッサン生地配合
Figure 0005601427
※濃縮乳タイプ乳製品は不二製油株式会社製「プロベスト500」を使用した。
※ショートニングは不二製油株式会社製「パンパスLB」を使用した。
「クロワッサン調製時の作業性評価」
ロールイン作業時の展延状態を、熟練作業者が評価した。
コントロールとの比較において、同等程度の良好な展延性を示すものは◎、コントロールより若干劣るが許容範囲であるものは○、生地に割れが発生する等、劣るものは×と評価した。○,◎が合格である。
「焼成後のクロワッサン評価」
パネラー3名にて評価を行い、合議にて最終結果とした。
A:外観評価
コントロールとの比較において、大きさ(膨らみ具合)を観察した。コントロールと同等程度によく膨らんでいるものは◎、コントロールより若干劣るが許容範囲であるものは○、コントロールよりも明らかに劣るものは×と評価した。○,◎が合格である。
B:内層評価
クロワッサンを切断し、内層を観察する。コントロールと同等程度に細かい層がきれいに出ているものは◎、コントロールより若干劣るが許容範囲であるものは○、層が少ない等、コントロールよりも明らかに劣るものは×と評価した。○,◎が合格である。
C:官能評価
クロワッサンを実際に食し、口溶け感、ジューシー感を中心に官能評価した。コントロールより勝るものは◎、コントロールと同等であるものは○、ぱさつき感等コントロールよりも明らかに劣るものは×と評価した。○,◎が合格である。
結果と考察
結果を表3へまとめた。
・単に液状油を多く配合するだけでは、得られたクロワッサンは外観、内層とも劣るものであり、官能評価も劣る結果となった(比較例1)。
・液状油とSOS脂を組み合わせることにより、クロワッサンの官能評価は改善するが、外観は劣り、作業性も劣った(比較例2)。
・比較例3,4にて液状油とSOS脂の量比を変え検討したが、良好な結果は得られなかった(比較例3,4)。
・実施例にあるとおり、液状油を油相中の25〜55重量%とし、かつ、SOSを5〜27重量%とした場合に初めて、良好な物性および、クロワッサンにおける外観、内層、官能評価とも合格評価の油脂組成物が得られた。
・実施例1〜と実施例9を比較した場合、これらは全て油相中のSOSが7.7〜7.8重量%であるが、POPを配合した実施例1〜3の方が、実施例9よりも、作業性の評価は優れており、POPの効果であると想定された。
表3実施例、比較例の結果
Figure 0005601427
本発明により、展延性およびクロワッサン等のペストリーにおける口溶け感を両立したロールイン用乳化油脂組成物が得られる。このような製品は、パン製造時の煩雑さを改善するとともに、消費者の購入意欲を刺激し、業界への寄与は大である。

Claims (4)

  1. 油相中に液状油を32〜45重量%、乳脂を2〜17重量%、及びSOS(2−オレオ、1,3ジステアリン)を7〜16重量%含有し、油相の構成脂肪酸のラウリン酸含量が7重量%以下であることを特徴とする、実質的にトランス脂肪酸を含まないロールイン用乳化油脂組成物。
  2. さらに、油脂の結晶化促進効果を有する乳化剤として、エステル化率が28〜60%であり、かつソルビトール型含量が20〜40%であるソルビタン脂肪酸エステルおよび、HLBが2以下であり、パルミチン酸が結合したショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上、を油相中に0.05重量%以上含有する、請求項1に記載のロールイン用乳化油脂組成物。
  3. 油脂の結晶化促進効果を有する乳化剤として、エステル化率が28〜60%であり、かつソルビトール型含量が20〜40%であるソルビタン脂肪酸エステルおよび、HLBが2以下であり、パルミチン酸が結合したショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上、を油相中に0.05重量%以上配合することを特徴とする、請求項2項に記載のロールイン用乳化油脂組成物の製造法。
  4. 請求項1〜3何れか1項に記載のロールイン用乳化油脂組成物を使用し調製した、ペストリー。
JP2013558860A 2012-04-09 2013-03-14 ロールイン用乳化油脂組成物 Active JP5601427B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013558860A JP5601427B2 (ja) 2012-04-09 2013-03-14 ロールイン用乳化油脂組成物

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012088041 2012-04-09
JP2012088041 2012-04-09
PCT/JP2013/057124 WO2013153902A1 (ja) 2012-04-09 2013-03-14 ロールイン用乳化油脂組成物
JP2013558860A JP5601427B2 (ja) 2012-04-09 2013-03-14 ロールイン用乳化油脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5601427B2 true JP5601427B2 (ja) 2014-10-08
JPWO2013153902A1 JPWO2013153902A1 (ja) 2015-12-17

Family

ID=49327476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013558860A Active JP5601427B2 (ja) 2012-04-09 2013-03-14 ロールイン用乳化油脂組成物

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP5601427B2 (ja)
CN (1) CN104378995A (ja)
SG (1) SG11201406299VA (ja)
TW (1) TWI569728B (ja)
WO (1) WO2013153902A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3569061A1 (de) * 2018-05-18 2019-11-20 DMK Deutsches Milchkontor GmbH Industriebutter mit erhöhter härte (ii)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017503518A (ja) * 2014-01-21 2017-02-02 ローダース・クロクラーン・ベスローテンフェンノートシャップ 脂肪ブレンドおよびその使用
CN111031803B (zh) 2017-09-14 2023-04-25 不二制油集团控股株式会社 包入用油脂组合物及层状烘焙食品

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63160549A (ja) * 1986-12-23 1988-07-04 Asahi Denka Kogyo Kk 油脂組成物
WO1994019953A1 (en) * 1993-03-04 1994-09-15 Loders Croklaan B.V. Bakery fats ans bakery doughs and batters containing them
JP2003213291A (ja) * 2001-11-15 2003-07-30 Asahi Denka Kogyo Kk 油脂組成物
JP2003284491A (ja) * 2002-01-23 2003-10-07 Asahi Denka Kogyo Kk 乳脂肪含有ロールイン用油脂組成物
JP2009209350A (ja) * 2008-02-08 2009-09-17 Fuji Oil Co Ltd 油脂の結晶化促進剤

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1477070B1 (en) * 2002-01-23 2007-12-05 Adeka Corporation Fat composition

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63160549A (ja) * 1986-12-23 1988-07-04 Asahi Denka Kogyo Kk 油脂組成物
WO1994019953A1 (en) * 1993-03-04 1994-09-15 Loders Croklaan B.V. Bakery fats ans bakery doughs and batters containing them
JP2003213291A (ja) * 2001-11-15 2003-07-30 Asahi Denka Kogyo Kk 油脂組成物
JP2003284491A (ja) * 2002-01-23 2003-10-07 Asahi Denka Kogyo Kk 乳脂肪含有ロールイン用油脂組成物
JP2009209350A (ja) * 2008-02-08 2009-09-17 Fuji Oil Co Ltd 油脂の結晶化促進剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3569061A1 (de) * 2018-05-18 2019-11-20 DMK Deutsches Milchkontor GmbH Industriebutter mit erhöhter härte (ii)

Also Published As

Publication number Publication date
TW201340878A (zh) 2013-10-16
TWI569728B (zh) 2017-02-11
SG11201406299VA (en) 2014-11-27
WO2013153902A1 (ja) 2013-10-17
JPWO2013153902A1 (ja) 2015-12-17
CN104378995A (zh) 2015-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6467799B2 (ja) ロールイン用乳化油脂組成物
JP6579261B2 (ja) 可塑性油脂及びこれを用いたロールイン用油脂組成物
JP6036028B2 (ja) 焼菓子練り込み用油脂組成物
JP2010077244A (ja) ハードストック及び該ハードストックを使用した可塑性油脂組成物
JP2014045699A (ja) 食品の乳風味強化方法
JP6831791B2 (ja) ロールインマーガリン
JP5693864B2 (ja) 油中水型食品
JP6518427B2 (ja) 製菓製パン用油脂組成物およびその製造方法
JP5601427B2 (ja) ロールイン用乳化油脂組成物
JP5917262B2 (ja) 油脂組成物
JP4582099B2 (ja) ロールイン用可塑性油中水型乳化物
JP2015202099A (ja) 複合菓子用油脂組成物
JP6456670B2 (ja) 製菓製パン用油脂組成物およびその製造方法
JP4841136B2 (ja) 可塑性油脂組成物
JP5430202B2 (ja) ロールイン用可塑性油中水型乳化物およびこれを用いたペーストリー食品
TWI432143B (zh) 層狀小麥粉膨脹食品用可塑性油中水型乳化物
JP2010004806A (ja) 焼き菓子用油脂組成物
JP6606992B2 (ja) 焼菓子練り込み用油脂組成物
JP6879001B2 (ja) ロールイン油中水型乳化組成物
JP2017018018A (ja) 可塑性油脂組成物及び該可塑性油脂組成物を使用してなる練りパイ生地
JP2017216894A (ja) 焼菓子練り込み用油脂組成物
JP5609128B2 (ja) ロールイン用油脂組成物及び当該油脂組成物を用いた食品
JP2019076072A (ja) ペストリー練り込み用油脂組成物及びこれを用いたペストリー製品並びにペストリー製品の改良方法
TWI759528B (zh) 包入用油脂組成物及層狀烘焙食品
JP2017176012A (ja) タルト菓子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140722

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140804

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5601427

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250