JP2004218911A - ヒートポンプ式給湯暖房装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮機14、第1水冷媒熱交換器4、第2水冷媒熱交換器11、減圧装置17、19、及び空気熱交換器20を有する冷媒回路Rと、第1水冷媒熱交換器4とファンコイル1等の温水暖房器との間で高温水を循環させる第1温水循環路C1と、第2水冷媒熱交換器11と貯湯タンク9との間で貯湯水を循環させる第2温水循環路C2と、貯湯タンク9と水々熱交換器22との間で貯湯水を循環させる第3温水循環路C3と、水々熱交換器22と床暖房パネル25等の温水暖房器との間で中温水を循環させる第4温水循環路C4とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、HFCやCO2等の冷媒を用いたヒートポンプ式給湯暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のヒートポンプ式給湯暖房装置は、ヒートポンプユニットで熱交換して得られた高温水を貯湯タンクに貯湯・蓄熱し、このタンクの高温水を給湯や風呂に使用するとともに、この高温水と熱交換して得られた暖房用温水を用いて温水暖房を行うものが知られている。このものでは、貯湯タンクの80〜90℃の貯湯水と熱交換して得られる暖房用温水の温度は60〜70℃程度であるため、80℃以上の高温の暖房用温水を必要とするファンコイル等による温風暖房には不向きであった。
【0003】
もちろん、貯湯タンクの貯湯水をそのままファンコイル等の温水暖房器に循環供給すれば、上述した問題は解消されるが、貯湯タンクには上水道が接続されているため、暖房用温水が上水道に接することになり、この方式は上水保全の点から採用することができないものであった。
【0004】
また、ヒートポンプユニットの冷媒回路に給湯用の水冷媒熱交換器と暖房用の水冷媒熱交換器を組み込み、給湯用の温水と暖房用の温水とが得られるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところが、このものでは、高温水の温水暖房運転と中温水の温水暖房運転の同時運転に対応できるものではなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−257366号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、ヒートポンプユニットの冷媒回路に給湯用の水冷媒熱交換器と暖房用の水冷媒熱交換器を組み込み、給湯用の温水と暖房用の温水とが得られるようにしたものにおいて、高温水の温水暖房運転と中温水の温水暖房運転の同時運転、又はいずれか一方の単独運転に対応可能とし、使い勝手の良いヒートポンプ式給湯暖房装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため第1の発明は、圧縮機、第1水冷媒熱交換器、第2水冷媒熱交換器、減圧装置及び空気熱交換器を有する冷媒回路と、前記第1水冷媒熱交換器とファンコイル等の温水暖房器との間で高温水を循環させる第1温水循環路と、前記第2水冷媒熱交換器と貯湯タンクとの間で貯湯水を循環させる第2温水循環路と、前記貯湯タンクと水々熱交換器との間で貯湯水を循環させる第3温水循環路と、前記水々熱交換器と床暖房パネル等の温水暖房器との間で中温水を循環させる第4温水循環路とを備えたことを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明のヒートポンプ式給湯暖房装置において、前記第1水冷媒熱交換器と前記第2水冷媒熱交換器とはそれぞれ減圧装置を介して並列に前記冷媒回路に組み込まれていることを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明のヒートポンプ式給湯暖房装置において、前記圧縮機は能力調整が可能なものであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1はヒートポンプ式給湯暖房装置の全体システムを示す系統図である。図1において、Aはヒートポンプユニット、Bはタンクユニット、C1は高温水を必要とする温水暖房用の第1温水循環路、C2は給湯用の第2温水循環路、C3及びC4は中温水を必要とする温水暖房用の第3及び第4温水循環路、RはヒートポンプユニットAに内蔵された冷媒回路である。HFCやCO2等の冷媒を用いることができるが、本実施形態ではCO2を用いる。
【0012】
前記温水循環路C1には、浴室の温風暖房用のファンコイル(温水暖房器)1、膨張タンク2、循環ポンプ3、第1水冷媒熱交換器4の水流路4B、サーミスタ5、流量調整弁6が順次環状に設けられている。7は浴室暖房リモートコントローラ(以下、「浴室暖房リモコン」という)、8はファンコイル1の入口部に設けられた熱動弁である。
【0013】
前記温水循環路C2には、貯湯タンク9、循環ポンプ10、第2水冷媒熱交換器11の水流路11B、サーミスタ12、流量調整弁13が順次環状に設けられている。
【0014】
前記冷媒回路Rは、CO2冷媒を用いた能力調整が可能な2段圧縮式の圧縮機14と、第1水冷媒熱交換器4の冷媒流路4A、内部熱交換器15の一次流路15A、第1開閉弁16及び第1膨張弁(減圧装置)17よりなる第1分岐路P1と第2水冷媒熱交換器11の冷媒流路11A、第2開閉弁18及び第2膨張弁(減圧装置)19よりなる第2分岐路P2との並列回路と、空気熱交換器20と、内部熱交換器15の二次流路15Bと、アキュムレーター21とが順次環状に配管接続されている。
【0015】
前記温水循環路C3は、貯湯タンク9と水々熱交換器22の一次流路22Aとが開閉弁23及び循環ポンプ24を介して環状に配管接続されている。前記温水循環路C4は、床暖房パネル25と水々熱交換器22の二次流路22Bとが温水循環路C1の膨張タンク2及び循環ポンプ3とサーミスタ26及び熱動弁27を介して環状に配管接続されている。28は床暖房リモートコントローラ(以下、「床暖房リモコン」という)である。
【0016】
また、貯湯タンク9には水々熱交換器29の一次流路29Aが開閉弁30と循環ポンプ24を介して接続されている。また、水々熱交換器29の二次流路29Bには循環ポンプ31を介して浴槽32が接続されている。33は貯湯タンク9の上部に接続された給湯管であり、この給湯管33にはミキシングバルブ34が設けられている。35は給水管であり、この給水管35は貯湯タンク9の下部とミキシングバルブ34とに分岐接続され、更に開閉弁36を介して膨張タンク2に接続されている。
【0017】
ヒートポンプユニットAとタンクユニットBにはそれぞれマイクロコンピュータから成る制御装置S1、S2が設けられている。この制御装置S1、S2は浴室暖房リモコン7や床暖房リモコン28からの運転信号や温度信号と、サーミスタ5、12、26の温度信号とにより、圧縮機14の運転と周波数制御、循環ポンプ3、10、24の運転制御、熱動弁27と開閉弁16、18、23、30の開閉制御、膨張弁17、19の開度制御、流量調整弁6、13の開度制御などを行うものである。以下その動作を説明する。
【0018】
〈浴室暖房運転〉
ファンコイル1による浴室の温風暖房を行う場合、浴室暖房リモコン7の運転スイッチをオンにする。すると、ファンコイル入口部の熱動弁8が開き、循環ポンプ3が運転する。第1温水循環路C1では、膨張タンク2→循環ポンプ3→第1水冷媒熱交換器4の水流路4B→流量調整弁6→熱動弁8→ファンコイル1→膨張タンク2の順に温水が流れる。
【0019】
また、浴室暖房リモコン7の運転スイッチをオンにした際に、ヒートポンプユニットAの圧縮機14が運転し、冷媒回路Rでは、圧縮機14→第1水冷媒熱交換器4の冷媒流路4A→内部熱交換器15の一次流路15A→第1開閉弁16→第1膨張弁17→空気熱交換器20→内部熱交換器15の二次流路15B→アキュムレーター21→圧縮機14の順に冷媒が流れる。
【0020】
このとき、貯湯は行われないので、第2開閉弁18及び第2膨張弁19は閉じている。また、第1水冷媒熱交換器4の冷媒流路4Aを通過した冷媒は、内部熱交換器15の一次流路15A及び二次流路15Bの熱交換により熱回収が行われるため、冷媒回路Rでは効率の良い運転が行われ、ファンコイル1には温風暖房に適した80℃程度の高温水が循環供給される。
【0021】
〈貯湯運転〉
貯湯タンク9に貯湯を行う場合、循環ポンプ10が運転し、第2温水循環路C2では、貯湯タンク9→循環ポンプ10→第2水冷媒熱交換器11の水流路11B→流量調整弁13→貯湯タンク9の順に貯湯水が流れ、貯湯タンク9に貯湯される。
【0022】
ヒートポンプユニットAでは圧縮機14が運転し、冷媒回路Rでは、圧縮機14→第2水冷媒熱交換器11の冷媒流路11A→第2開閉弁18→第2膨張弁19→空気熱交換器20→内部熱交換器15の二次流路15B→アキュムレーター21→圧縮機14の順に冷媒が流れる。このとき、温風暖房は行われないので、第1開閉弁16及び第1膨張弁17は閉じている。また、内部熱交換器15の二次流路15Bでは冷媒がただ通過するだけで、他に影響を及ぼすことはない。
【0023】
貯湯タンク9に貯湯される温水温度は90℃であるが、サーミスタ12が検知する温度がこの温度になるように、圧縮機14の周波数制御、第2膨張弁19の弁開度制御、流量調整弁13の弁開度制御が行われる。
【0024】
貯湯タンク9に貯湯された高温水はミキシングバルブ34にて適度な温度に調整され、給湯管33から台所やシャワーや浴槽32へのお湯張り等に利用され、給湯が行われると、給水管35から貯湯タンク9に給水が行われる。また、循環ポンプ24、31を運転するとともに、開閉弁30を開くことにより、貯湯タンク9の高温水と浴槽32の温水を水々熱交換器29で熱交換し、浴槽32の温水の追い焚きを行うこともできる。
【0025】
〈床暖房運転〉
床暖房パネル25による床暖房を行う場合、その部屋の壁面等に取り付けられた床暖房リモコン28の運転スイッチをオンにする。すると、熱動弁27が開き、循環ポンプ3が運転し、第4温水循環路C4では、膨張タンク2→循環ポンプ3→水々熱交換器22の二次流路22B→熱動弁27→床暖房パネル25→膨張タンク2の順に温水が流れる。また、第3温水循環路C3では、開閉弁23が開き、循環ポンプ24が運転し、貯湯タンク9に貯湯された高温水が水々熱交換器22の一次流路22Aに循環供給される。
【0026】
このため、貯湯タンク9の高温水を利用し、この高温水と第4温水循環路C4の温水とが熱交換されることにより、床暖房パネルに25には適度な温水が循環供給される。
【0027】
床暖房制御は、床暖房リモコン28に搭載された室温サーミスタ(図示せず)により室温を検知し、設定温度と室温との偏差に基づき熱動弁27を開閉制御し、床暖房パネル25への温水量を制御することにより行われる。
【0028】
床暖房パネル25に供給される温水の温度は60〜70℃であるが、サーミスタ26が検知する温水温度がこの温度になるように、上述した温水循環運転が行われる。そして、長時間、床暖房運転をすることにより貯湯タンク9の熱容量が低下した場合には、上述した貯湯運転が行われ、圧縮機11の周波数制御、第2膨張弁19の弁開度制御及び流量調整弁13の弁開度制御が行われる。
【0029】
〈床暖房及び浴室暖房の同時運転〉
ファンコイル1による浴室暖房と床暖房パネル25による床暖房を同時に行う場合、リモコン7、28の運転スイッチをオンにする。すると、上述した浴室暖房運転と床暖房運転が同時に行われ、ファンコイル1には80℃程度の高温水が循環供給され、床暖房パネル25には60〜70℃の中温水が循環供給される。
【0030】
〈貯湯及び浴室暖房の同時運転〉
ファンコイル1による浴室の温風暖房と同時に貯湯タンク9に貯湯を行う場合、上述した浴室暖房運転と貯湯運転とが同時に行われるものであり、ファンコイル1には80℃程度の高温水が循環供給され、一方、貯湯タンク9には90℃程度の高温水が貯湯される。
【0031】
この場合、基本的には、膨張弁17、19の制御により、第1分岐路P1と第2分岐路P2とに1:1の割合で冷媒を配分し、同時運転が行われた場合でも、温風暖房側と貯湯側とで十分な能力が得られるようにしてある。
【0032】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明は、圧縮機、第1水冷媒熱交換器、第2水冷媒熱交換器、減圧装置及び空気熱交換器を有する冷媒回路と、前記第1水冷媒熱交換器とファンコイル等の温水暖房器との間で高温水を循環させる第1温水循環路と、前記第2水冷媒熱交換器と貯湯タンクとの間で貯湯水を循環させる第2温水循環路と、前記貯湯タンクと水々熱交換器との間で貯湯水を循環させる第3温水循環路と、前記水々熱交換器と床暖房パネル等の温水暖房器との間で中温水を循環させる第4温水循環路とを備えたものであるから、高温水の温水暖房運転と中温水の温水暖房運転の同時運転、又はいずれか一方の単独運転に対応することができ、使い勝手の良いヒートポンプ式給湯暖房装置を提供できるものである。
【0034】
また、前記第1水冷媒熱交換器と前記第2水冷媒熱交換器とはそれぞれ減圧装置を介して並列に前記冷媒回路に組み込まれているので、冷媒回路の冷媒を2つの分岐路に分配し、温水暖房能力と貯湯能力とをそれぞれ十分に確保することができ、更に前記圧縮機に能力調整が可能なものを使用したので、効率の良いヒートポンプ運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒートポンプ式給湯暖房装置の全体系統図である。
【符号の説明】
C1 第1温水循環路
C2 第2温水循環路
C3 第3温水循環路
C4 第4温水循環路
P1 第1分岐路
P2 第2分岐路
R 冷媒回路
1 ファンコイル(温水暖房器)
4 第1水冷媒熱交換器
11 第2水冷媒熱交換器
9 貯湯タンク
14 圧縮機
17 第1膨張弁(減圧装置)
19 第2膨張弁(減圧装置)
20 空気熱交換器
25 床暖房パネル(温水暖房器)
Claims (3)
- 圧縮機、第1水冷媒熱交換器、第2水冷媒熱交換器、減圧装置及び空気熱交換器を有する冷媒回路と、前記第1水冷媒熱交換器とファンコイル等の温水暖房器との間で高温水を循環させる第1温水循環路と、前記第2水冷媒熱交換器と貯湯タンクとの間で貯湯水を循環させる第2温水循環路と、前記貯湯タンクと水々熱交換器との間で貯湯水を循環させる第3温水循環路と、前記水々熱交換器と床暖房パネル等の温水暖房器との間で中温水を循環させる第4温水循環路とを備えたことを特徴とするヒートポンプ式給湯暖房装置。
- 前記第1水冷媒熱交換器と前記第2水冷媒熱交換器とはそれぞれ減圧装置を介して並列に前記冷媒回路に組み込まれていることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯暖房装置。
- 前記圧縮機は能力調整が可能なものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートポンプ式給湯暖房装置。
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2003
- 2003-01-14 JP JP2003005951A patent/JP2004218911A/ja active Pending
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