JP2004217681A - 架橋発泡用エチレン系樹脂組成物及びそれよりなるエチレン系樹脂架橋発泡体 - Google Patents
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Abstract
【課題】架橋発泡体とした際に軽量性、柔軟性、機械的強度に優れるだけでなく、優れた形状回復性を備え、特に70℃程度の温度に曝しても寸法安定性を維持し低収縮性を有するエチレン系樹脂架橋発泡体となる架橋発泡用エチレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】JIS K6760を準拠し測定した密度0.910g/cm3以下のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)の重量割合が50/50〜95/5の範囲であり、熱可塑性エラストマー100重量部に対して伸展油20〜100重量部を配合してなる架橋発泡用エチレン系樹脂組成物。
【選択図】 選択図なし
【解決手段】JIS K6760を準拠し測定した密度0.910g/cm3以下のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)の重量割合が50/50〜95/5の範囲であり、熱可塑性エラストマー100重量部に対して伸展油20〜100重量部を配合してなる架橋発泡用エチレン系樹脂組成物。
【選択図】 選択図なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量性、柔軟性、形状回復性、低収縮性に優れ、自動車部品,建材部品,工業部品,玩具・雑貨部品,スポーツ・健康部品,履き物などとして好適に使用することのできる発泡体を提供する架橋発泡用エチレン系樹脂組成物及びそれよりなるエチレン系樹脂架橋発泡体、特に70℃程度の温度に曝しても寸法安定性を維持できる耐熱性にも優れる発泡体を提供する架橋発泡用エチレン系樹脂組成物及びそれよりなるエチレン系樹脂架橋発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン系架橋発泡体は軽量性、断熱性、遮音性、クッション性に優れ、且つ、軽量であるため、スリットや打抜きなどで各種形状に加工されパッキンや風呂マット、鉄板と貼合わせて成形した建材用途の断熱折板屋根材、あるいは優れた加熱成形性から自動車内装用緩衝材などの分野で広く利用されている。また、建築あるいは家電製品などの配管の断熱用途などにも、ポリエチレン系架橋発泡体をテープ状、筒状などの形状に加工して使用されている。これらの発泡体は、従来使用されてきた、ガラス繊維、ロックウールなどの無機系の断熱材と比較して、軽量性、断熱性、衝撃吸収性などの特性に優れていることから多用されている。
【0003】
ポリエチレン樹脂を使用した発泡体の製造技術は既に多く知られている。ポリエチレン樹脂発泡体は、押出発泡成形などによる無架橋発泡体と電子線架橋、過酸化物架橋、シラン化合物基による架橋などによりポリエチレン成分に架橋構造を導入した架橋発泡体に大別され、その中でも耐熱性と強度が特に要求される用途には、架橋発泡体が多く用いられる。このようなポリエチレン系架橋発泡体の製法としては、例えばポリエチレンに分解型発泡剤を混練りし、シート状に成形した後、電離性放射線を照射し架橋せしめ、発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡する方法、又は発泡剤と同時に過酸化物を混合し、同様に過酸化物、発泡剤が分解しない温度で混練りし、シート状に成形した後、過酸化物が分解する温度に加熱して架橋し、加熱して発泡する方法、が一般的に知られている。
【0004】
しかしながら、従来のポリエチレン系樹脂架橋発泡体は重量等の応力をかけながら長期間使用しているとその部分に凹みが生じ、厚みが回復し難くなり、その結果クッション性が損なわれるという問題があった。
【0005】
このため、架橋発泡体を低い発泡倍率にして改良することも考えられるが、形状回復性は維持されるものの、クッション性、軽量性に欠けるという問題がある。
【0006】
また、クッション性に優れたポリエチレン系樹脂架橋発泡体として、四価の遷移金属を中心金属とするメタロセン化合物からなる重合触媒の存在下において重合して得られた密度0.890g/cm3以下のポリエチレン系樹脂(A)5〜95重量%及び密度が0.890g/cm3よりも大きいポリエチレン系樹脂(B)95〜5重量%からなるポリエチレン系樹脂架橋発泡体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、上記公報に提案の架橋発泡体においても、荷重を長期間受けたあとの形状回復性は不充分であり、車両内装用などのクッション材として長期間使用するには満足できるものではなかった。
【0007】
そこで、軽量性、柔軟性に優れ、更に優れた形状回復性を備え、特に車両内装用のクッション材として好適に使用できるポリエチレン系樹脂架橋発泡体を提供する目的で、 重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂100重量部と、圧縮永久歪み値が60%以下であるゴム性材料5〜200重量部とからなるポリエチレン系樹脂架橋発泡体により、軽量性、柔軟性に優れ、更に優れた形状回復性を備え、特に車両内層用のクッション材として好適に使用できるポリエチレン系樹脂架橋発泡体が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−139910号公報
【特許文献2】
特開2001−139713号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に提案されたポリエチレン系樹脂架橋発泡体は、クッション性は改良されるものの、ポリエチレン系樹脂とゴム性材料が互いに相溶していないために発泡倍率の高い製品を作ろうとしても、気泡が破裂するために高倍率の製品が得られないという課題が有った。さらに、得られた発泡体は70℃程度で一定時間放置すると発泡体が10%程度収縮してしまい、寸法安定性の観点から問題が有り、自動車内装材や壁紙、床材などの建築材料用途には使用できなかった。
【0010】
そこで、本発明は、クッション性、軽量性、柔軟性に優れ、更に優れた形状回復性を低下させることなく、70℃程度の温度に曝しても寸法安定性を維持できる発泡体を提供する架橋発泡用エチレン系樹脂組成物及びそれよりなるエチレン系樹脂架橋発泡体を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題、特に耐熱性と成形性に優れた特性を持つエチレン系架橋発泡体について詳細検討した結果、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体、熱可塑性エラストマー、伸展油を特定の割合で配合してなる架橋発泡用エチレン系樹脂組成物を架橋・発泡して得られるエチレン系樹脂架橋発泡体が、従来のポリエチレン系架橋発泡体の優れた性質に加え、クッション性、軽量性、柔軟性に優れ、更に優れた形状回復性を低下させることなく、70℃程度の温度に曝しても高い寸法安定性をもち、耐熱性が特に要求される自動車内装材用途などに好適なエチレン系樹脂架橋発泡体となりうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
即ち、本発明は、JIS K6760を準拠し測定した密度0.910g/cm3以下のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)の重量割合が50/50〜95/5の範囲であり、熱可塑性エラストマー100重量部に対して伸展油20〜100重量部を配合してなることを特徴とする架橋発泡用エチレン系樹脂組成物、及び、該架橋発泡用エチレン系樹脂組成物を3倍以上に架橋発泡させてなることを特徴とするエチレン系樹脂架橋発泡体に関するものである。
【0013】
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)とは、エチレンとα−オレフィンを共重合したものであり、JIS K6760を準拠し測定したその密度は0.910g/cm3以下である。その際のα−オレフィンとしては、一般にα−オレフィンと称されているものでよく、その中でも特に均一気泡、柔軟性、強靭性に優れるエチレン系樹脂架橋発泡体が得られることから例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数3〜12のα−オレフィンであることが好ましい。このようなエチレン・α−オレフィン共重合体は直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂と称され、例えばエチレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合体等が挙げられ、市販品であってもよく、例えば高圧法、溶液法、気相法等の製造法により製造することが可能である。該エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を製造する際には、一般的にマグネシウムとチタンを含有する固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒、シクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び/又は有機金属化合物からなるメタロセン触媒、バナジウム系触媒等を用いることができ、該触媒によりエチレンとα−オレフィンを共重合することにより製造することが可能となる。
【0014】
本発明に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、JIS K6760を準拠し測定したその密度が0.910g/cm3以下であり、好ましくは0.870〜0.900g/cm3の範囲であり、特に好ましくは0.870〜0.890g/cm3の範囲である。ここで、密度が0.910g/cm3を越える場合、得られる架橋発泡用エチレン系樹脂組成物をエチレン系樹脂架橋発泡体とした際の柔軟性が乏しく、クッション性、耐熱回復性に劣るものとなる。また、得られる架橋発泡用エチレン系樹脂組成物からエチレン系樹脂架橋発泡体を製造する際の製造効率に優れることから、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレイトが0.1〜30g/10分間であることが好ましく、特に0.1〜10g/10分間であることが好ましい。さらに、エチレン系架橋発泡体を製造する際に、場合によっては必要となる過酸化物の量又は電離放射線の照射線量を低く抑えることが可能となることから、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒として用い直鎖ポリエチレン換算値として求められる重量平均分子量が60000以上であることが好ましい。
【0015】
本発明において用いられる熱可塑性エラストマー(B)としては、特に制限はなく一般に熱可塑性エラストマーと称されるものを用いることができ、その中でもエチレン・α−オレフィン共重合体(A)との混合が容易であり、優れた形状回復性を有する架橋発泡体が得られ易く、取り扱いが楽でコスト的に有利である架橋発泡用エチレン系樹脂組成物が得られ易いことから、例えばオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマーであることが好ましい。そして、スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、水添スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレンブロック共重合体等を挙げることができ、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばエチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等を挙げることができ、その他としてブタジエンゴム、ニトリルゴム等が好ましい。中でも特に、水添スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、水添スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
【0016】
本発明おけるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)の配合割合は重量比で、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)/熱可塑性エラストマー(B)=50/50〜95/5の範囲、好ましくは50/50〜90/10であり、特に好ましくは50/50〜80/20である。ここで、熱可塑性エラストマー(B)の配合割合がエチレン・α−オレフィン共重合体(A)/熱可塑性エラストマー(B)=95/5を下回る場合、得られた架橋発泡体は長時間圧縮した場合に、その形状が十分に回復せず、形状回復性に劣ったものとなる。また、熱可塑性エラストマー(B)の配合割合がエチレン・α−オレフィン共重合体(A)/熱可塑性エラストマー(B)=50/50を上回る場合、熱可塑性エラストマー(B)がエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と十分均一に混合することが難しく、高発泡倍率で、美麗な架橋発泡体が得られない。
【0017】
また、本発明に用いられる伸展油としては、通常用いられる伸展油や軟化剤であれば特に制限はなく、例えば鉱物油系の伸展油を好適例として挙げることができ、鉱物油系の伸展油としては、好ましくは粘度比重恒数(または粘度比重定数という。以下、V.G.C.と略す。)で0.790〜0.999、さらに好ましくはV.G.C.が0.790〜0.949、特に好ましくはV.G.C.が0.790〜0.912のものである。
【0018】
伸展油としては、一般にアロマティック系伸展油、ナフテン系伸展油、パラフィン系伸展油が知られており、このうち、上記好ましい範囲の粘度比重恒数を満たすアロマティック系伸展油の市販品としては、例えばダイアナプロセスオイルAC−12,AC460,AH−16,AH−58(商品名、出光興産(株)製)、モービルゾールK,同22,同130(商品名、エクソンモービル(有)製)、共石プロセスX50,X100,X140(商品名、日鉱共石(株)製)、レゾックスNo.3、デュートレックス729UK(商品名、シェル化学(株)製)、コウモレックス200,300,500,700(商品名、日本石油(株)製)、エッソプロセスオイル110,同120(商品名、エクソンモービル(有)製)、三菱34ヘビープロセス油、三菱44ヘビープロセス油、三菱38ヘビープロセス油、三菱39ヘビープロセス油(商品名、三菱石油(株)製)などが挙げられる。
【0019】
また、上記好ましい範囲の粘度比重恒数を満たすナフテン系伸展油の市販品としては、例えばダイアナプロセスオイルNS−24,NS−100,NM−26,NM−280,NP−24(商品名、出光興産(株)製)、ナプレックス38(商品名、エクソンモービル(有)製)、フッコールFLEX#1060N,#1150N,#1400N,#2040N,#2050N(商品名、富士興産(株)製)、共石プロセスR25,R50,R200,R1000(商品名、日鉱共石(株)製)、シェルフレックス371JY,同371N,同451,同N−40,同22,同22R,同32R,同100R,同100S,同100SA,同220RS,同220S,同260,同320R,同680(商品名、シェル化学(株)製)、コウモレックス2号プロセスオイル(商品名、日本石油(株)製)、エッソプロセスオイルL−2,同765(商品名、エクソンモービル(有)製)、三菱20ライトプロセス油(商品名、三菱石油(株)製)などが挙げられる。
【0020】
さらに、上記好ましい範囲の粘度比重恒数を満たすパラフィン系伸展油としては、例えばダイアナプロセスオイルPW−90,PW−380,PS−32,PS−90,PS−430(商品名、出光興産(株)製)、フッコールプロセスP−100,P−200,P−300,P400,P−500(商品名、富士興産(株)製)、共石プロセスP−200,P−300,P−500,共石EPT750,同1000,共石プロセスS90(商品名、日鉱共石(株)製)、ルブレックス26,同100,同460(商品名、シェル化学(株)製)、エッソプロセスオイル815,同845,同B−1(商品名、エクソンモービル(有)製)、ナプレックス32(商品名、エクソンモービル(有)製)、三菱10ライトプロセス油(商品名、三菱石油(株)製)などが挙げられる。
【0021】
本発明においては、伸展油により熱可塑性エラストマー(B)が油展されていることにより、架橋発泡用エチレン系樹脂組成物から得られるエチレン系樹脂架橋発泡体のクッション性や柔軟性、耐収縮性を向上させることができる。また、これにより、驚くべきことに得られるエチレン系樹脂架橋発泡体の発泡倍率をも向上させることが可能となる。本発明における伸展油の配合量は、熱可塑性エラストマー(B)100重量部に対して、20〜100重量部、好ましくは50〜100重量部である。ここで伸展油が20重量部未満の場合、得られる架橋発泡用エチレン系樹脂組成物を架橋発泡体とした際の柔軟性改良、発泡倍率向上や耐収縮性の効果に乏しいものとなる。一方、伸展油が100重量部を超える場合、得られるエチレン系樹脂組成物が著しく軟質化し架橋・発泡成形を行うことが困難となる。
【0022】
また、本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物は、架橋発泡成形によりエチレン系樹脂架橋発泡体とした際に、特に発泡倍率、柔軟性、軽量性等に優れた架橋発泡体となることから、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対して、粘度平均分子量が10000以下のポリエチレン系ワックス0.1〜30重量部を配合してなることが好ましい。
【0023】
本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はなく一般的に樹脂組成物を製造する際に用いられる方法を用いることができ、例えばエチレン・α−オレフィン共重合体(A)、熱可塑性エラストマー(B)及び伸展油とを溶融状態でブレンドして、調製することもできる。この場合、ブレンド方法としては、単軸押し出し機、二軸押し出し機、バンバリー、ロール、ニーダー、プラストミルなどが採用され、溶融混練温度は140〜160℃が好適である。
【0024】
本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物は、架橋発泡体とする際に用いられる架橋発泡方法により容易に発泡倍率3倍以上を有するエチレン系樹脂架橋発泡体とすることができる。その際の架橋発泡方法としては、例えば本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)、熱可塑性エラストマー(B)、伸展油に分解型発泡剤を混練りし、シート状に成形した後、電離性放射線、一般的には電子線を照射し架橋せしめ、分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡する方法、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、熱可塑性エラストマー(B)、伸展油に分解型発泡剤と同時に過酸化物を混合し、同様に過酸化物、分解型発泡剤が分解しない温度で混練りし、シート状に成形した後、過酸化物が分解する温度に加熱して架橋し、さらに加熱して発泡する方法、等が挙げられる。そして、電子線照射による架橋、又は、過酸化物による架橋のいずれの場合によっても、必要に応じて架橋助剤を用いることができる。
【0025】
ここでいう分解型発泡剤としては、有機、無機系の各種分解型発泡剤があげられ、有機系分解型発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド、N.N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシベンゼンスルフォニルヒドラジド等が挙げられ、無機系分解型発泡剤としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、カルシウムアジド等が挙げられる。また、過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーベンゾエート、ジ−ターシャリーブチルパーオキサイド等の過酸化化合物を挙げることができる。
【0026】
また、架橋助剤としては、架橋助剤として知られているものであれば如何なるものも用いることが可能であり、例えばジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアネート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリシクロデカンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどを挙げることができ、これらを2つ以上組み合わせて用いることもできる。
【0027】
本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物をエチレン系樹脂架橋発泡体とする際には、より高倍率のエチレン系樹脂架橋発泡体の製造が可能となり、表面平滑性にも優れたエチレン系樹脂架橋発泡体となることから架橋度は15〜70%であることが好ましく、より好ましくは40〜60%である。また、機械的強度、伸び、成形性と緩衝性、断熱、耐熱性とのバランスに優れたエチレン系樹脂架橋発泡体となることから発泡倍率は3〜50倍であることが好ましく、特に7〜30倍であることが好ましい。
【0028】
また、本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて他の樹脂成分を含むものであってもよく、そのような他の樹脂成分としては融点170℃以下の熱可塑性系樹脂であることが好ましく、例えばホモポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体あるいはこれらのエチレンとの共重合体に第三成分として無水マレイン酸を共重合した3元共重合体などが例示される。
【0029】
また、必要に応じて熱安定剤、耐候剤、難燃剤、難燃助剤、分散剤、顔料、流動性改良剤、離型剤、充填剤など公知の添加剤を添加しても良い。
【0030】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0031】
〜エチレン系樹脂架橋発泡体の加熱寸法変化測定〜
得られたエチレン系樹脂架橋発泡体の耐熱性の評価として、加熱寸法変化率(収縮率)の測定を行った。
【0032】
得られたエチレン系樹脂架橋発泡体から15×15cmの正方形サンプルを切り出し、その中心に各辺に平行となる各々長さ10cmの直交した標線を書き、このサンプルを70℃の熱風循環オーブンに入れ3時間加熱後、取出し、室温になるまで自然冷却する。この加熱処理サンプルの各標線長さを測定・平均した値をLa(cm)とし、下記の式に従って加熱収縮率を算出した。
【0033】
加熱収縮率(%)=((10−La)/10)×100
耐熱性については、加熱収縮率5%以下のものを耐熱性に優れるものとして合格とした。
【0034】
実施例1
重合触媒としてメタロセン化合物を用いて得られたエチレン・オクテン−1共重合体(デュポンダウエラストマー社製,商品名ENGAGE8200,密度0.870g/cm3 、MFR=5.0g/10分)100重量部に対し、水添スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(クレイトンポリマー社製,商品名クレイトンG1657)20重量部、伸展油として流動パラフィン(エッソ石油製、商品名クリストロールJ−352)10重量部(熱可塑性エラストマー100重量部に対し50重量部に相当。)を125℃に調整したミキシングロールにて混練し、架橋発泡用エチレン系樹脂組成物を得た。
【0035】
さらに該架橋発泡用エチレン系樹脂組成物にエチレン・オクテン−1共重合体100重量部に対して、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.7重量部、分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド10重量部及び酸化亜鉛0.5重量部を配合し、125℃に調整したミキシングロールにて混練して架橋発泡性シート状組成物とした。得られた架橋発泡性シート状組成物を厚さ20mm×縦90mm×横90mmの加圧密閉金型中に充填し、200kgf/cm2の外圧をかけて、165℃で20分間加熱した後、除圧して、一段発泡工程において均一で微細な気泡を有した発泡倍率10倍のエチレン系樹脂架橋発泡体を得た。さらに該エチレン系樹脂架橋発泡体を165℃に設定されたオーブンに入れて、二段発泡工程として、さらに20分間常圧で加熱発泡させることにより、エチレン系樹脂架橋発泡体を得た。
【0036】
得られたエチレン系樹脂架橋発泡体は、表面の平滑性が高く均一な微細セルを有しており、発泡倍率17倍を有していた。厚さ方向の加熱収縮率は4.5%と小さく、収縮率5%以下とした耐熱性の基準を満たすことが確認された。JISK 6767に準じて測定した圧縮永久ひずみは2.0%であった。
【0037】
実施例2
エチレン・オクテン−1共重合体100重量部に対し流動パラフィン10重量部の代わりに、伸展油として流動パラフィン(エッソ石油製、商品名クリストロールJ−352)20重量部(熱可塑性エラストマー100重量部に対して100重量部に相当。)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、架橋発泡用エチレン系樹脂組成物及びエチレン系樹脂架橋発泡体を得た。
【0038】
得られたエチレン系架橋発泡体は、表面の平滑性が高く均一な微細セルを有しており、発泡倍率19倍を有していた。厚さ方向の加熱収縮率は2.5%と小さく、収縮率5%以下とした耐熱性の基準を満たすことが確認された。JIS K 6767に準じて測定した圧縮永久ひずみは1.5%であった。
【0039】
実施例3
エチレン・オクテン−1共重合体100重量部に対し流動パラフィン10重量部の代わりに、伸展油として流動パラフィン(エッソ石油製、商品名クリストロールJ−352)20重量部(熱可塑性エラストマー100重量部に対して100重量部に相当。)、アゾジカルボンアミド10重量部の代わりに、アゾジカルボンアミド20重量部、さらに粘度平均分子量4300のポリエチレンワックス(三井化学製、商品名ハイワックスNL500)10重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、架橋発泡用エチレン系樹脂組成物及びエチレン系樹脂架橋発泡体を得た。
【0040】
得られたエチレン系架橋発泡体は、表面の平滑性が高く均一な微細セルを有しており、発泡倍率35倍を有していた。厚さ方向の加熱収縮率は4.5%と小さく、収縮率5%以下とした耐熱性の基準を満たすことが確認された。JIS K 6767に準じて測定した圧縮永久ひずみは2.5%であった。
【0041】
比較例1
水添スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマー、流動パラフィンを添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、架橋発泡性エチレン系樹脂組成物及び架橋発泡体を得た。
【0042】
得られた架橋発泡体は、表面の平滑性が高く均一な微細セルを有しており、発泡倍率29倍を有していた。厚さ方向の加熱収縮率は7.5%と大きく、収縮率5%以下とした耐熱性の基準を満たすことができなかった。JIS K 6767に準じて測定した圧縮永久ひずみは4.5%であった。
【0043】
比較例2
流動パラフィンを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様の方法により、架橋発泡性エチレン系樹脂組成物及び架橋発泡体を得た。
【0044】
得られた架橋発泡体は、表面の平滑性が悪く、部分的に割れが生じ、均一な発泡体が得られなかった。
【0045】
比較例3
エチレン・α−オレフィン共重合体としてエチレン・オクテン−1共重合体(デュポンダウエラストマー社製,商品名ENGAGE8200,密度0.870g/cm3 、MFR=5.0g/10分)の代わりに、エチレン・ブテン−1共重合体(東ソー(株)社製,商品名ニポロン−L M50,密度0.936g/cm3,MI=3.0g/10分)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、架橋発泡性エチレン系樹脂組成物及び架橋発泡体を得た。
【0046】
得られた架橋発泡体は、表面の平滑性が高く均一な微細セルを有しており、発泡倍率29倍を有していた。厚さ方向の加熱収縮率は5.5%と大きく、収縮率5%以下とした耐熱性の基準を満たすことができなかった。JIS K 6767に準じて測定した圧縮永久ひずみは9.5%であった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物より得られるエチレン系樹脂架橋発泡体は、軽量性、柔軟性、機械的強度に優れるだけでなく、優れた形状回復性を備えたものであり、特に70℃程度の温度に曝しても寸法安定性を維持し低収縮性を有するものである。このため、車両内装用のクッション材として特に好適に使用できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量性、柔軟性、形状回復性、低収縮性に優れ、自動車部品,建材部品,工業部品,玩具・雑貨部品,スポーツ・健康部品,履き物などとして好適に使用することのできる発泡体を提供する架橋発泡用エチレン系樹脂組成物及びそれよりなるエチレン系樹脂架橋発泡体、特に70℃程度の温度に曝しても寸法安定性を維持できる耐熱性にも優れる発泡体を提供する架橋発泡用エチレン系樹脂組成物及びそれよりなるエチレン系樹脂架橋発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン系架橋発泡体は軽量性、断熱性、遮音性、クッション性に優れ、且つ、軽量であるため、スリットや打抜きなどで各種形状に加工されパッキンや風呂マット、鉄板と貼合わせて成形した建材用途の断熱折板屋根材、あるいは優れた加熱成形性から自動車内装用緩衝材などの分野で広く利用されている。また、建築あるいは家電製品などの配管の断熱用途などにも、ポリエチレン系架橋発泡体をテープ状、筒状などの形状に加工して使用されている。これらの発泡体は、従来使用されてきた、ガラス繊維、ロックウールなどの無機系の断熱材と比較して、軽量性、断熱性、衝撃吸収性などの特性に優れていることから多用されている。
【0003】
ポリエチレン樹脂を使用した発泡体の製造技術は既に多く知られている。ポリエチレン樹脂発泡体は、押出発泡成形などによる無架橋発泡体と電子線架橋、過酸化物架橋、シラン化合物基による架橋などによりポリエチレン成分に架橋構造を導入した架橋発泡体に大別され、その中でも耐熱性と強度が特に要求される用途には、架橋発泡体が多く用いられる。このようなポリエチレン系架橋発泡体の製法としては、例えばポリエチレンに分解型発泡剤を混練りし、シート状に成形した後、電離性放射線を照射し架橋せしめ、発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡する方法、又は発泡剤と同時に過酸化物を混合し、同様に過酸化物、発泡剤が分解しない温度で混練りし、シート状に成形した後、過酸化物が分解する温度に加熱して架橋し、加熱して発泡する方法、が一般的に知られている。
【0004】
しかしながら、従来のポリエチレン系樹脂架橋発泡体は重量等の応力をかけながら長期間使用しているとその部分に凹みが生じ、厚みが回復し難くなり、その結果クッション性が損なわれるという問題があった。
【0005】
このため、架橋発泡体を低い発泡倍率にして改良することも考えられるが、形状回復性は維持されるものの、クッション性、軽量性に欠けるという問題がある。
【0006】
また、クッション性に優れたポリエチレン系樹脂架橋発泡体として、四価の遷移金属を中心金属とするメタロセン化合物からなる重合触媒の存在下において重合して得られた密度0.890g/cm3以下のポリエチレン系樹脂(A)5〜95重量%及び密度が0.890g/cm3よりも大きいポリエチレン系樹脂(B)95〜5重量%からなるポリエチレン系樹脂架橋発泡体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、上記公報に提案の架橋発泡体においても、荷重を長期間受けたあとの形状回復性は不充分であり、車両内装用などのクッション材として長期間使用するには満足できるものではなかった。
【0007】
そこで、軽量性、柔軟性に優れ、更に優れた形状回復性を備え、特に車両内装用のクッション材として好適に使用できるポリエチレン系樹脂架橋発泡体を提供する目的で、 重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂100重量部と、圧縮永久歪み値が60%以下であるゴム性材料5〜200重量部とからなるポリエチレン系樹脂架橋発泡体により、軽量性、柔軟性に優れ、更に優れた形状回復性を備え、特に車両内層用のクッション材として好適に使用できるポリエチレン系樹脂架橋発泡体が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−139910号公報
【特許文献2】
特開2001−139713号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に提案されたポリエチレン系樹脂架橋発泡体は、クッション性は改良されるものの、ポリエチレン系樹脂とゴム性材料が互いに相溶していないために発泡倍率の高い製品を作ろうとしても、気泡が破裂するために高倍率の製品が得られないという課題が有った。さらに、得られた発泡体は70℃程度で一定時間放置すると発泡体が10%程度収縮してしまい、寸法安定性の観点から問題が有り、自動車内装材や壁紙、床材などの建築材料用途には使用できなかった。
【0010】
そこで、本発明は、クッション性、軽量性、柔軟性に優れ、更に優れた形状回復性を低下させることなく、70℃程度の温度に曝しても寸法安定性を維持できる発泡体を提供する架橋発泡用エチレン系樹脂組成物及びそれよりなるエチレン系樹脂架橋発泡体を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題、特に耐熱性と成形性に優れた特性を持つエチレン系架橋発泡体について詳細検討した結果、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体、熱可塑性エラストマー、伸展油を特定の割合で配合してなる架橋発泡用エチレン系樹脂組成物を架橋・発泡して得られるエチレン系樹脂架橋発泡体が、従来のポリエチレン系架橋発泡体の優れた性質に加え、クッション性、軽量性、柔軟性に優れ、更に優れた形状回復性を低下させることなく、70℃程度の温度に曝しても高い寸法安定性をもち、耐熱性が特に要求される自動車内装材用途などに好適なエチレン系樹脂架橋発泡体となりうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
即ち、本発明は、JIS K6760を準拠し測定した密度0.910g/cm3以下のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)の重量割合が50/50〜95/5の範囲であり、熱可塑性エラストマー100重量部に対して伸展油20〜100重量部を配合してなることを特徴とする架橋発泡用エチレン系樹脂組成物、及び、該架橋発泡用エチレン系樹脂組成物を3倍以上に架橋発泡させてなることを特徴とするエチレン系樹脂架橋発泡体に関するものである。
【0013】
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)とは、エチレンとα−オレフィンを共重合したものであり、JIS K6760を準拠し測定したその密度は0.910g/cm3以下である。その際のα−オレフィンとしては、一般にα−オレフィンと称されているものでよく、その中でも特に均一気泡、柔軟性、強靭性に優れるエチレン系樹脂架橋発泡体が得られることから例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数3〜12のα−オレフィンであることが好ましい。このようなエチレン・α−オレフィン共重合体は直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂と称され、例えばエチレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合体等が挙げられ、市販品であってもよく、例えば高圧法、溶液法、気相法等の製造法により製造することが可能である。該エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を製造する際には、一般的にマグネシウムとチタンを含有する固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒、シクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び/又は有機金属化合物からなるメタロセン触媒、バナジウム系触媒等を用いることができ、該触媒によりエチレンとα−オレフィンを共重合することにより製造することが可能となる。
【0014】
本発明に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、JIS K6760を準拠し測定したその密度が0.910g/cm3以下であり、好ましくは0.870〜0.900g/cm3の範囲であり、特に好ましくは0.870〜0.890g/cm3の範囲である。ここで、密度が0.910g/cm3を越える場合、得られる架橋発泡用エチレン系樹脂組成物をエチレン系樹脂架橋発泡体とした際の柔軟性が乏しく、クッション性、耐熱回復性に劣るものとなる。また、得られる架橋発泡用エチレン系樹脂組成物からエチレン系樹脂架橋発泡体を製造する際の製造効率に優れることから、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレイトが0.1〜30g/10分間であることが好ましく、特に0.1〜10g/10分間であることが好ましい。さらに、エチレン系架橋発泡体を製造する際に、場合によっては必要となる過酸化物の量又は電離放射線の照射線量を低く抑えることが可能となることから、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒として用い直鎖ポリエチレン換算値として求められる重量平均分子量が60000以上であることが好ましい。
【0015】
本発明において用いられる熱可塑性エラストマー(B)としては、特に制限はなく一般に熱可塑性エラストマーと称されるものを用いることができ、その中でもエチレン・α−オレフィン共重合体(A)との混合が容易であり、優れた形状回復性を有する架橋発泡体が得られ易く、取り扱いが楽でコスト的に有利である架橋発泡用エチレン系樹脂組成物が得られ易いことから、例えばオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマーであることが好ましい。そして、スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、水添スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレンブロック共重合体等を挙げることができ、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばエチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等を挙げることができ、その他としてブタジエンゴム、ニトリルゴム等が好ましい。中でも特に、水添スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、水添スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
【0016】
本発明おけるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)の配合割合は重量比で、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)/熱可塑性エラストマー(B)=50/50〜95/5の範囲、好ましくは50/50〜90/10であり、特に好ましくは50/50〜80/20である。ここで、熱可塑性エラストマー(B)の配合割合がエチレン・α−オレフィン共重合体(A)/熱可塑性エラストマー(B)=95/5を下回る場合、得られた架橋発泡体は長時間圧縮した場合に、その形状が十分に回復せず、形状回復性に劣ったものとなる。また、熱可塑性エラストマー(B)の配合割合がエチレン・α−オレフィン共重合体(A)/熱可塑性エラストマー(B)=50/50を上回る場合、熱可塑性エラストマー(B)がエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と十分均一に混合することが難しく、高発泡倍率で、美麗な架橋発泡体が得られない。
【0017】
また、本発明に用いられる伸展油としては、通常用いられる伸展油や軟化剤であれば特に制限はなく、例えば鉱物油系の伸展油を好適例として挙げることができ、鉱物油系の伸展油としては、好ましくは粘度比重恒数(または粘度比重定数という。以下、V.G.C.と略す。)で0.790〜0.999、さらに好ましくはV.G.C.が0.790〜0.949、特に好ましくはV.G.C.が0.790〜0.912のものである。
【0018】
伸展油としては、一般にアロマティック系伸展油、ナフテン系伸展油、パラフィン系伸展油が知られており、このうち、上記好ましい範囲の粘度比重恒数を満たすアロマティック系伸展油の市販品としては、例えばダイアナプロセスオイルAC−12,AC460,AH−16,AH−58(商品名、出光興産(株)製)、モービルゾールK,同22,同130(商品名、エクソンモービル(有)製)、共石プロセスX50,X100,X140(商品名、日鉱共石(株)製)、レゾックスNo.3、デュートレックス729UK(商品名、シェル化学(株)製)、コウモレックス200,300,500,700(商品名、日本石油(株)製)、エッソプロセスオイル110,同120(商品名、エクソンモービル(有)製)、三菱34ヘビープロセス油、三菱44ヘビープロセス油、三菱38ヘビープロセス油、三菱39ヘビープロセス油(商品名、三菱石油(株)製)などが挙げられる。
【0019】
また、上記好ましい範囲の粘度比重恒数を満たすナフテン系伸展油の市販品としては、例えばダイアナプロセスオイルNS−24,NS−100,NM−26,NM−280,NP−24(商品名、出光興産(株)製)、ナプレックス38(商品名、エクソンモービル(有)製)、フッコールFLEX#1060N,#1150N,#1400N,#2040N,#2050N(商品名、富士興産(株)製)、共石プロセスR25,R50,R200,R1000(商品名、日鉱共石(株)製)、シェルフレックス371JY,同371N,同451,同N−40,同22,同22R,同32R,同100R,同100S,同100SA,同220RS,同220S,同260,同320R,同680(商品名、シェル化学(株)製)、コウモレックス2号プロセスオイル(商品名、日本石油(株)製)、エッソプロセスオイルL−2,同765(商品名、エクソンモービル(有)製)、三菱20ライトプロセス油(商品名、三菱石油(株)製)などが挙げられる。
【0020】
さらに、上記好ましい範囲の粘度比重恒数を満たすパラフィン系伸展油としては、例えばダイアナプロセスオイルPW−90,PW−380,PS−32,PS−90,PS−430(商品名、出光興産(株)製)、フッコールプロセスP−100,P−200,P−300,P400,P−500(商品名、富士興産(株)製)、共石プロセスP−200,P−300,P−500,共石EPT750,同1000,共石プロセスS90(商品名、日鉱共石(株)製)、ルブレックス26,同100,同460(商品名、シェル化学(株)製)、エッソプロセスオイル815,同845,同B−1(商品名、エクソンモービル(有)製)、ナプレックス32(商品名、エクソンモービル(有)製)、三菱10ライトプロセス油(商品名、三菱石油(株)製)などが挙げられる。
【0021】
本発明においては、伸展油により熱可塑性エラストマー(B)が油展されていることにより、架橋発泡用エチレン系樹脂組成物から得られるエチレン系樹脂架橋発泡体のクッション性や柔軟性、耐収縮性を向上させることができる。また、これにより、驚くべきことに得られるエチレン系樹脂架橋発泡体の発泡倍率をも向上させることが可能となる。本発明における伸展油の配合量は、熱可塑性エラストマー(B)100重量部に対して、20〜100重量部、好ましくは50〜100重量部である。ここで伸展油が20重量部未満の場合、得られる架橋発泡用エチレン系樹脂組成物を架橋発泡体とした際の柔軟性改良、発泡倍率向上や耐収縮性の効果に乏しいものとなる。一方、伸展油が100重量部を超える場合、得られるエチレン系樹脂組成物が著しく軟質化し架橋・発泡成形を行うことが困難となる。
【0022】
また、本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物は、架橋発泡成形によりエチレン系樹脂架橋発泡体とした際に、特に発泡倍率、柔軟性、軽量性等に優れた架橋発泡体となることから、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対して、粘度平均分子量が10000以下のポリエチレン系ワックス0.1〜30重量部を配合してなることが好ましい。
【0023】
本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はなく一般的に樹脂組成物を製造する際に用いられる方法を用いることができ、例えばエチレン・α−オレフィン共重合体(A)、熱可塑性エラストマー(B)及び伸展油とを溶融状態でブレンドして、調製することもできる。この場合、ブレンド方法としては、単軸押し出し機、二軸押し出し機、バンバリー、ロール、ニーダー、プラストミルなどが採用され、溶融混練温度は140〜160℃が好適である。
【0024】
本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物は、架橋発泡体とする際に用いられる架橋発泡方法により容易に発泡倍率3倍以上を有するエチレン系樹脂架橋発泡体とすることができる。その際の架橋発泡方法としては、例えば本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)、熱可塑性エラストマー(B)、伸展油に分解型発泡剤を混練りし、シート状に成形した後、電離性放射線、一般的には電子線を照射し架橋せしめ、分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡する方法、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、熱可塑性エラストマー(B)、伸展油に分解型発泡剤と同時に過酸化物を混合し、同様に過酸化物、分解型発泡剤が分解しない温度で混練りし、シート状に成形した後、過酸化物が分解する温度に加熱して架橋し、さらに加熱して発泡する方法、等が挙げられる。そして、電子線照射による架橋、又は、過酸化物による架橋のいずれの場合によっても、必要に応じて架橋助剤を用いることができる。
【0025】
ここでいう分解型発泡剤としては、有機、無機系の各種分解型発泡剤があげられ、有機系分解型発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド、N.N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシベンゼンスルフォニルヒドラジド等が挙げられ、無機系分解型発泡剤としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、カルシウムアジド等が挙げられる。また、過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーベンゾエート、ジ−ターシャリーブチルパーオキサイド等の過酸化化合物を挙げることができる。
【0026】
また、架橋助剤としては、架橋助剤として知られているものであれば如何なるものも用いることが可能であり、例えばジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアネート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリシクロデカンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどを挙げることができ、これらを2つ以上組み合わせて用いることもできる。
【0027】
本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物をエチレン系樹脂架橋発泡体とする際には、より高倍率のエチレン系樹脂架橋発泡体の製造が可能となり、表面平滑性にも優れたエチレン系樹脂架橋発泡体となることから架橋度は15〜70%であることが好ましく、より好ましくは40〜60%である。また、機械的強度、伸び、成形性と緩衝性、断熱、耐熱性とのバランスに優れたエチレン系樹脂架橋発泡体となることから発泡倍率は3〜50倍であることが好ましく、特に7〜30倍であることが好ましい。
【0028】
また、本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて他の樹脂成分を含むものであってもよく、そのような他の樹脂成分としては融点170℃以下の熱可塑性系樹脂であることが好ましく、例えばホモポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体あるいはこれらのエチレンとの共重合体に第三成分として無水マレイン酸を共重合した3元共重合体などが例示される。
【0029】
また、必要に応じて熱安定剤、耐候剤、難燃剤、難燃助剤、分散剤、顔料、流動性改良剤、離型剤、充填剤など公知の添加剤を添加しても良い。
【0030】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0031】
〜エチレン系樹脂架橋発泡体の加熱寸法変化測定〜
得られたエチレン系樹脂架橋発泡体の耐熱性の評価として、加熱寸法変化率(収縮率)の測定を行った。
【0032】
得られたエチレン系樹脂架橋発泡体から15×15cmの正方形サンプルを切り出し、その中心に各辺に平行となる各々長さ10cmの直交した標線を書き、このサンプルを70℃の熱風循環オーブンに入れ3時間加熱後、取出し、室温になるまで自然冷却する。この加熱処理サンプルの各標線長さを測定・平均した値をLa(cm)とし、下記の式に従って加熱収縮率を算出した。
【0033】
加熱収縮率(%)=((10−La)/10)×100
耐熱性については、加熱収縮率5%以下のものを耐熱性に優れるものとして合格とした。
【0034】
実施例1
重合触媒としてメタロセン化合物を用いて得られたエチレン・オクテン−1共重合体(デュポンダウエラストマー社製,商品名ENGAGE8200,密度0.870g/cm3 、MFR=5.0g/10分)100重量部に対し、水添スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(クレイトンポリマー社製,商品名クレイトンG1657)20重量部、伸展油として流動パラフィン(エッソ石油製、商品名クリストロールJ−352)10重量部(熱可塑性エラストマー100重量部に対し50重量部に相当。)を125℃に調整したミキシングロールにて混練し、架橋発泡用エチレン系樹脂組成物を得た。
【0035】
さらに該架橋発泡用エチレン系樹脂組成物にエチレン・オクテン−1共重合体100重量部に対して、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.7重量部、分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド10重量部及び酸化亜鉛0.5重量部を配合し、125℃に調整したミキシングロールにて混練して架橋発泡性シート状組成物とした。得られた架橋発泡性シート状組成物を厚さ20mm×縦90mm×横90mmの加圧密閉金型中に充填し、200kgf/cm2の外圧をかけて、165℃で20分間加熱した後、除圧して、一段発泡工程において均一で微細な気泡を有した発泡倍率10倍のエチレン系樹脂架橋発泡体を得た。さらに該エチレン系樹脂架橋発泡体を165℃に設定されたオーブンに入れて、二段発泡工程として、さらに20分間常圧で加熱発泡させることにより、エチレン系樹脂架橋発泡体を得た。
【0036】
得られたエチレン系樹脂架橋発泡体は、表面の平滑性が高く均一な微細セルを有しており、発泡倍率17倍を有していた。厚さ方向の加熱収縮率は4.5%と小さく、収縮率5%以下とした耐熱性の基準を満たすことが確認された。JISK 6767に準じて測定した圧縮永久ひずみは2.0%であった。
【0037】
実施例2
エチレン・オクテン−1共重合体100重量部に対し流動パラフィン10重量部の代わりに、伸展油として流動パラフィン(エッソ石油製、商品名クリストロールJ−352)20重量部(熱可塑性エラストマー100重量部に対して100重量部に相当。)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、架橋発泡用エチレン系樹脂組成物及びエチレン系樹脂架橋発泡体を得た。
【0038】
得られたエチレン系架橋発泡体は、表面の平滑性が高く均一な微細セルを有しており、発泡倍率19倍を有していた。厚さ方向の加熱収縮率は2.5%と小さく、収縮率5%以下とした耐熱性の基準を満たすことが確認された。JIS K 6767に準じて測定した圧縮永久ひずみは1.5%であった。
【0039】
実施例3
エチレン・オクテン−1共重合体100重量部に対し流動パラフィン10重量部の代わりに、伸展油として流動パラフィン(エッソ石油製、商品名クリストロールJ−352)20重量部(熱可塑性エラストマー100重量部に対して100重量部に相当。)、アゾジカルボンアミド10重量部の代わりに、アゾジカルボンアミド20重量部、さらに粘度平均分子量4300のポリエチレンワックス(三井化学製、商品名ハイワックスNL500)10重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、架橋発泡用エチレン系樹脂組成物及びエチレン系樹脂架橋発泡体を得た。
【0040】
得られたエチレン系架橋発泡体は、表面の平滑性が高く均一な微細セルを有しており、発泡倍率35倍を有していた。厚さ方向の加熱収縮率は4.5%と小さく、収縮率5%以下とした耐熱性の基準を満たすことが確認された。JIS K 6767に準じて測定した圧縮永久ひずみは2.5%であった。
【0041】
比較例1
水添スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマー、流動パラフィンを添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、架橋発泡性エチレン系樹脂組成物及び架橋発泡体を得た。
【0042】
得られた架橋発泡体は、表面の平滑性が高く均一な微細セルを有しており、発泡倍率29倍を有していた。厚さ方向の加熱収縮率は7.5%と大きく、収縮率5%以下とした耐熱性の基準を満たすことができなかった。JIS K 6767に準じて測定した圧縮永久ひずみは4.5%であった。
【0043】
比較例2
流動パラフィンを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様の方法により、架橋発泡性エチレン系樹脂組成物及び架橋発泡体を得た。
【0044】
得られた架橋発泡体は、表面の平滑性が悪く、部分的に割れが生じ、均一な発泡体が得られなかった。
【0045】
比較例3
エチレン・α−オレフィン共重合体としてエチレン・オクテン−1共重合体(デュポンダウエラストマー社製,商品名ENGAGE8200,密度0.870g/cm3 、MFR=5.0g/10分)の代わりに、エチレン・ブテン−1共重合体(東ソー(株)社製,商品名ニポロン−L M50,密度0.936g/cm3,MI=3.0g/10分)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、架橋発泡性エチレン系樹脂組成物及び架橋発泡体を得た。
【0046】
得られた架橋発泡体は、表面の平滑性が高く均一な微細セルを有しており、発泡倍率29倍を有していた。厚さ方向の加熱収縮率は5.5%と大きく、収縮率5%以下とした耐熱性の基準を満たすことができなかった。JIS K 6767に準じて測定した圧縮永久ひずみは9.5%であった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物より得られるエチレン系樹脂架橋発泡体は、軽量性、柔軟性、機械的強度に優れるだけでなく、優れた形状回復性を備えたものであり、特に70℃程度の温度に曝しても寸法安定性を維持し低収縮性を有するものである。このため、車両内装用のクッション材として特に好適に使用できる。
Claims (4)
- JIS K6760を準拠し測定した密度0.910g/cm3以下のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)の重量割合が50/50〜95/5の範囲であり、熱可塑性エラストマー100重量部に対して伸展油20〜100重量部を配合してなることを特徴とする架橋発泡用エチレン系樹脂組成物。
- エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対し、さらに粘度平均分子量が10000以下のポリエチレン系ワックス0.1〜30重量部を配合してなることを特徴とする請求項1に記載の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物。
- 請求項1又は2のいずれかに記載の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物を3倍以上に架橋発泡させてなることを特徴とするエチレン系樹脂架橋発泡体。
- 請求項1又は2のいずれかに記載の架橋発泡用エチレン系樹脂組成物に架橋剤及び/又は発泡剤を配合し加熱することにより、架橋発泡を行うことを特徴とする請求項3に記載のエチレン系樹脂架橋発泡体の製造方法。
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