JP2004217336A - 紙搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置の紙搬送装置において、扉を開けてジャム処理をする場合、扉の開口量が制限され、かつ、扉に突起部があってジャム処理が困難な場合がある。そこで、突起部の影響を少なくしてジャム処理作業が容易に行える紙搬送装置を提供する。
【解決手段】紙搬送路a,b,cが露出するように開閉する扉101,102を有し、該扉101がその内側に開口を塞ぐ方向に張り出す突起部32を備えた画像形成装置の紙搬送装置において、上記突起部32を回動可能に支持し、上記扉を開いたとき、開口を塞ぐ方向に張り出した使用位置から扉の開口を拡げる退避位置に回動できるようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】紙搬送路a,b,cが露出するように開閉する扉101,102を有し、該扉101がその内側に開口を塞ぐ方向に張り出す突起部32を備えた画像形成装置の紙搬送装置において、上記突起部32を回動可能に支持し、上記扉を開いたとき、開口を塞ぐ方向に張り出した使用位置から扉の開口を拡げる退避位置に回動できるようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、シート状記録紙を搬送する両面画像形成装置の紙搬送装置に関し、特に、ジャム処理時に扉を開けて処理するタイプの紙搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の両面画像形成装置の記録紙搬送経路を示す模式図である。この画像形成装置は、画像形成部10と、給紙部20と、排紙部30と、反転搬送部40と、記録紙導入部50と、中間スタッカ部60と、再給紙部70とを有する。記録紙Pの通過する経路は、画像形成部10の転写部15へ記録紙Pを搬送する給紙経路Aと、転写部15から記録済みの記録紙Pを排出又は再給紙する搬送経路Bと、画像が形成された記録紙Pを装置外に排出する排出経路Cと、画像形成部10で画像が形成された記録紙Pを反転後再度画像形成部10に循環させるための循環反転給紙経路Dとがある。
【0003】
画像形成部10には、像担持体(感光体ドラム)11が配置され、像担持体11には帯電器12により一様の帯電が付与され、露光手段13により画像情報を像担持体11の周面に照射し、静電潜像を形成する。静電潜像は現像器14により現像され、トナー像を形成する。
【0004】
給紙部20には、少なくとも1つの給紙カセット21が設けられている。給紙カセット21から記録紙Pが1枚ずつ取り出され、給紙経路Aを通過して、先端がレジストローラ28に達する。
【0005】
レジストローラ28は、像担持体11の回転に同期して駆動し、記録紙Pを転写部15に送り込む。この転写部15でトナー像は記録紙P上に転写される。記録紙Pは、引き続いて分離器16により像担持体11から分離され、搬送経路Bに設けられたベルト17により定着装置18に搬送される。
【0006】
像担持体11の周囲には、クリーニング装置19が配設され、転写後の像担持体11の表面の残留トナーを除去する。像担持体11は更に回転し、次の画像形成のために、帯電器12で再度帯電される。
【0007】
定着装置18は、内部にヒータを有する加熱ローラと、加熱ローラに強く圧接して従動する加圧ローラとから成り、前記画像形成部10から搬送された記録紙Pを圧接、挟持して加熱することにより、記録紙P上に形成されたトナー像を定着する。
【0008】
定着された記録紙Pは、排紙部30に送り出される。即ち、記録紙Pは定着装置18の搬送下流側に配置された定着排紙ローラ31のニップ位置を通過し、更に搬送下流側の分岐部材32によって記録紙Pの搬送経路が排出経路C側と、循環反転給紙経路D側とに切り換えられる。排出側に切り換えられた記録紙Pは、分岐部材32の上方を通過し、排紙ローラ33により排紙トレイ上に載置される。
【0009】
分岐部材32が反転再給紙側に切り換えられると、分岐部材32の下方の紙搬送路aを通過した記録紙Pが、反転搬送部40の搬送ローラ41によって紙搬送路bを通過し、更に搬送下流側の垂直紙搬送路cを経て、正逆回転可能な反転搬送ローラ43に挟持されて搬送され、その後、湾曲紙搬送路dで水平方向に進路が曲げられ、画像形成装置本体の給紙カセット21の下に形成された空間に設けられたスイッチバック紙搬送路(水平通路)eに進入して所定位置で一時停止する。
【0010】
一時停止した記録紙Pは、逆転駆動に切り換えられた反転搬送ローラ43にニップされて、前記垂直紙搬送路cを上昇して、分岐手段42により紙搬送路fを通過させられ、記録紙導入部50により中間スタッカ部60に送り込まれる(排出紙搬送路g)。
【0011】
中間スタッカ部60に収容された記録紙Pは印刷された面が下側になっている。この状態で、裏面のコピーの指示があると、記録紙Pは紙搬送路hを通って給紙経路Aに入り、レジストローラ28に達する。像担持体11には裏面のトナー画像が形成され、像担持体11のタイミングに合わせてレジストローラ28が記録紙Pを送り込む。記録紙Pは転写部15、分離器16を通過し、搬送経路Bを経て定着装置18に入り、裏面のトナー画像が定着され、排紙ローラ33から外部に排出されることになる。
【0012】
なお、紙搬送路iは反転排紙通路で、通常の排紙方向と表裏を反転して排紙する場合に使用する紙搬送路である。定着装置18から定着排紙ローラ31を通過してきた記録紙Pは、反転排紙の指示があると、分岐部材32で紙搬送路aに入り、紙搬送路b、紙搬送路cに進む。記録紙Pの後端が紙搬送路aと紙搬送路iの分岐部を越えると一旦停止し、次に逆転して紙搬送路iに入り、表裏が反転して排紙される。
【0013】
上記両面画像形成装置における反転搬送部等の紙搬送路を有する紙搬送装置は、扉により開閉可能に閉止されている。この扉には、反転搬送部の紙搬送路を形成する一方のガイド板や、搬送ローラ対の一方の従動ローラや、分岐手段の一方の分岐ガイド部材等が取り付けられていて、扉を開放したとき、反転搬送部の搬送路は開放状態になり、搬送路内に発生したジャムによる記録紙詰まりを除去可能にしている。
【0014】
上述した両面画像形成装置では、分岐手段の記録紙搬送出口から搬出された記録紙は、記録紙導入部の入口部に正確に搬入されないと、記録紙搬送不良(ジャム等)を発生する。分岐手段を画像形成装置本体側に固定すると、記録紙搬送不良発生時に、該分岐手段内に滞留した記録紙を取り出すのが困難である。このため、分岐手段を記録紙搬送路を境にして、下方のガイド面を有する分岐部材と、上方のガイド面を有する分岐部材とに分割し、下方の分岐部材を画像形成装置本体側に固定配置し、上方の分岐部材を前記の扉に取り付けるようにした。
【0015】
しかし、このような分割型の分岐手段においては、揺動可能な扉に取り付けられた上方の分岐部材が、扉を閉止したとき、下方の分岐部材に対向する所定位置に正確に位置決めして設置することが困難である。また、上方の分岐部材を扉閉止時に正確に位置決めするためには、扉の揺動精度や分岐部材の取り付け精度等を厳しい部品公差により管理したり、組立調整に熟練と時間を要したりする。
【0016】
そこで、特許文献1(特開平10−148973号)では、分岐手段のガイド面を形成する可動分岐部材を扉に回動可能に取り付け、この可動分岐部材に位置決め用突起部を記録紙通過部の外側に設けるとともに、画像形成装置本体側の前記反転搬送部の記録紙通過部の外側に位置決め用案内部を設け、扉を閉止したとき、位置決め用突起部が位置決め用案内部に嵌合して、可動分岐手段が画像形成装置内の所定位置に設置されるようにした構成を提案している。
【0017】
上記の特許文献1に記載の画像形成装置では、記録紙詰まりが生じると、扉を開けて詰まっている記録紙を取り除く。特許文献2(特開平5−281873号)に記載のように、通常は手前の大きな扉を開けてジャム処理をし、奥部で詰まった場合は、さらに奥に設けた扉を開いてジャム処理をするものもあるが、開くのに必要なスペースを小さくする必要がある場合には、特許文献1のように、上下2段に分かれたものが使用されている。
【0018】
【特許文献1】
特開平10−148973号 図4、図5
【特許文献2】
特開平5−281873号 図2、要約書
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、2段に分けたとしても、扉を開けたとき、上記の分岐手段などの突起部が、開口を塞ぐ方向に張り出しており、作業者の手を入れにくい。特に、フィニッシャーを取り付けると、扉の開く量が制限されるので、紙詰まり処理が極度に難しくなるという問題があった。
【0020】
本発明は、この問題を解決するためのもので、開口量が制限される場合でも、突起部の影響を少なくしてジャム処理作業が容易に行える紙搬送装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、紙搬送路が露出するように開閉する扉を有し、該扉がその内側に開口を塞ぐ方向に張り出す突起部を備えた画像形成装置の紙搬送装置において、上記突起部を回動可能に支持し、上記扉を開いたとき、開口を塞ぐ方向に張り出した使用位置から扉の開口を拡げる退避位置に回動できるようにしたことを特徴としている。
【0022】
上記突起部が上記紙搬送路の紙搬送路を切り換える分岐部材である構成としたり、上記突起部が、上記退避位置に回動するように常時付勢されており、弾性部材の付勢力によって使用位置に保持され、上記扉を開いたとき該弾性部材の付勢力が突起部の付勢力より小さくなって、上記突起部が上記退避位置に回動するようにしたり、上記扉に一端が回動自在に係止され、他端が上記画像形成装置に回動自在に係止されたリンク部材を設け、上記弾性部材の一端を上記突起部に、他端を上記リンク部材にそれぞれ係止し、扉を閉めると上記弾性部材に付勢力が加わって上記突起部が上記使用位置に回動し、扉を開くと該弾性部材の付勢力が小さくなって、上記突起部が上記退避位置に回動するようにしたり、上記突起部が退避位置に回動するように付勢する付勢力が、突起部の自重によるものとしたり、上記弾性部材がコイルバネであり、該コイルバネの伸縮する範囲を規制する規制部材を設けた構成とすることができる。
【0023】
【作用】
ジャムが発生した場合、扉を開いて紙搬送路を露出させる。そして、詰まっている紙を除去するのであるが、このとき、扉を大きく開くことができず、しかも、扉の内側に分岐部材などの突起部がある場合には、突起部が邪魔になって、手を入れにくい。そこで、突起部を退避位置に移動して開口を拡げ、ジャムを取り除く。
【0024】
扉を開いたとき突起部が自動的に退避位置に移動できるように付勢し、扉を閉じたときには自動的に使用位置に復帰するように弾性部材で付勢するようにすると、作業が非常にやりやすくなる。突起部を退避位置に付勢する付勢力を、突起部の自重とすると、退避する際の力が過剰にならず、突起部と扉との間に紙搬送路がある場合でも、紙を破らないようにすることが可能となる。
【0025】
弾性部材にコイルスプリングを使用し、このコイルスプリングの伸縮可能な範囲を規制部材で規制すると、弾性部材の制御が容易になり、弾性部材を安価なコイルスプリングとすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面によって説明する。
図1は、本発明の紙搬送装置の構成を示す図で、図6の従来例に示す排紙部30と反転搬送部40の部分に対応する正面断面図である。図2は扉を開けた状態を示す。
【0027】
画像形成装置の紙搬送装置には扉100があり、これにより本体左側面部の開口部が開閉可能になっている。扉は、上扉101と下扉102の屈曲式2段構成になっている。下扉102は、画像形成装置本体底部に固定された軸103に軸支され、揺動回転可能になっている。上扉101は、下扉102上部に固定された軸104に軸支され、同じく揺動回転可能になっている。画像形成装置本体底部に固定された軸105に一端を回転可能に軸支され、他端を上扉101設けられた軸106に回転可能に軸支される揺動自在なリンク部材107により、下扉102を開放状態にしたとき、リンク部材107は上扉101をほぼ垂直状態に支持することができる。110は、扉の開閉をするレバーで、先端にフック110aが形成され、扉100が閉じている場合、フック110aが図1に示すように本体側に係止して閉止状態を維持できる。上下の扉100はこのように開いたとき「く」の字を描くようになっているので、扉100を開くのに必要なスペースを減らすことができる。扉100が図2に示すように開くと、紙搬送路a,b,cが露出するようになっていて、ジャム処理が可能となる。
【0028】
上扉101の上方には、下側の排紙ローラ33と、突起部としての分岐部材32とが設けられている。この分岐部材32は、定着排紙ローラ31から送られてきた記録紙Pを、排出経路C側と循環反転給紙経路D側とに分けるもので、固定分岐部材32aと可動分岐部材32bとから成る。固定分岐部材32aには、排出経路C側と循環反転給紙経路D側と、反転排紙経路iの各搬送経路に合わせたガイド面が形成されている。可動分岐部材32bは、図示しないソレノイド等で駆動され、図1では循環反転給紙経路D側が選択された状態を示す。
【0029】
この分岐部材32は、図2に示す扉100を開いた状態のとき、従来は、点線に示す位置にあって、扉100の開口を塞ぐ方向に張り出していた。そのため、開口幅L1が小さくなり、ジャム処理が困難になっていた。
【0030】
本発明の実施例では、図1の位置(又は図2の点線で示す位置)を分岐部材32の使用位置として、扉100を開けたときには、図2の実線で示す退避位置に移動できるようにしたことに特徴がある。この場合、使用状態とは、可動分岐部材32bが排出経路Cと循環反転給紙経路Dのいずれを選択している場合も含まれる。
【0031】
すなわち、本発明では、分岐部材32は、上扉101に軸35で揺動回転可能に軸支されている。そして、可動分岐部材32bがいずれの経路を選択しているかに関係なく、分岐部材32は自然状態では図1又は図2において時計方向に回転して図2の実線で示す状態になるように自重により付勢されている。逆方向の回転は、図示しないストッパで制限されている。
【0032】
そして、コイルスプリングからなる弾性部材120を設け、この一端にワイヤ121をつなぎ、このワイヤ121をローラ122でほぼ直角に曲げて可動分岐部材32bの回動軸32cに掛止している。弾性部材120の他端は、リンク部材107の先端のピン107aに直接掛止している。
【0033】
扉100が図1に示す閉じた状態から、図2に示す開いた状態に移行すると、リンク部材107も移動する。扉100が開いた状態と閉じた状態とを比較すると、扉100が開くと、リンク部材107の先端のピン107aがローラ122に近づき、扉100が閉じると遠のく。これによって、扉100が開くときワイヤ121が弛んで分岐部材32は退避状態に移行し、扉100が閉じるときワイヤ121が引っ張られて分岐部材32は使用状態に戻ることができる。
【0034】
図3は扉100が半開きの状態を示す図である。図4は、弾性部材120を用いない実施例の図で、扉100が図3と同じく半開きの状態を示す図である。図3とは異なり、弾性部材120を取り外してワイヤ121で分岐部材32とリンク部材107の先端のピン107aとを直接接続したものである。
【0035】
図4のように弾性部材120が無くても、分岐部材32は扉100を閉じれば、ワイヤ121が引っ張られて使用状態に戻り、扉100を開けばワイヤ121が弛んで自重により軸35を中心にして時計方向に回転し、退避状態に移行することができる。しかし、弾性部材120がないので、引張力が不足し、扉100を閉じるとき、図4の矢印に示す分岐部材32の先端と後端の両方が、本体側の排紙ローラ33や紙搬送路aのガイドにぶつかってしまう可能性がある。
【0036】
図3の実施例では、弾性部材120を設けたので、扉100を閉じる際に、弾性部材120による引張力が加わり、ワイヤ121のテンションが増加して、分岐部材32は、その上面がほぼ水平面となるまで回動し、本体側のガイド等にぶつかることはなくなる。
【0037】
図5は、弾性部材120の周辺の詳細を示す図である。扉100は、(a)では、閉じた状態、(b)では、半開きの状態、(c)では、開いた状態を示している。この図により、弾性部材120周辺の構成を説明するとともに、さらに詳細に扉100の開閉動作を説明する。
【0038】
弾性部材120としてのコイルスプリングは、上端に上フック120a、下端に下フック120b、中間に長円状の環120cを有する。この弾性部材120は、上扉101に設けられた規制部材123に掛止している。すなわち、上フック120aは、規制部材123の上部突起123aにある掛止溝に掛止し、下フック120bはリンク部材107の先端のピン107aに掛止している。長円状の環120cには、規制部材123の下部突起123bが挿通されている。規制部材123自身は、上扉101に支持されているが、弾性部材120の伸縮する方向に若干量だけスライド可能になっている。また、ワイヤ121の端部は、上部突起123aに掛止されている。長円状の環120cに下部突起123bを挿通すると、下部突起123bが環120c内を移動できる範囲内で弾性部材120は伸縮ができることになり、弾性部材120の最大長さと最小長さとが規制されることになる。このように弾性部材120の長さを規制することで、弾性部材120が有効に作用する荷重条件を調整することが可能となる。
【0039】
図1の扉100が閉じた状態では、弾性部材120は図5の(a)に示すように、ほぼ最大長さまで伸びており、弾性部材120には大きな引張力が発生し、規制部材123も図5の下側(ピン107a側)に引き寄せられている。ワイヤ121には引張力が加わり、分岐部材32は使用位置に保持されることになる。
【0040】
図2の扉100が開いた状態では、弾性部材120は図5の(c)に示すように、最小長さになっている。この状態では引張力は全く発生していない。規制部材123は図5の上方に移動し、ワイヤ121は弛み、分岐部材32は自重により軸35を中心に回動し、図2に示す退避位置に移動する。
【0041】
図5の(b)に示す半開きの状態は、弾性部材120の縮小が終了する直前の状態を示している。すなわち、扉100をこれ以上閉じれば、弾性部材120が伸び始めて引張力が増大し、反対に扉100をこれ以上開けば、引張力が消滅してワイヤ121が弛み、規制部材123が図5の上方に移動し始める。
【0042】
図1の閉じた状態から、扉100を開くと、図3の半開き状態を経て図2の開いた状態になる。この間、リンク部材107は図1から図2の位置に移動し、先端のピン107aとローラ122との距離は短くなる。弾性部材120の長さは図5(a)の最大長さから、図5(b)の半開き状態へと移行する。図5(b)で弾性部材120の長さは殆ど最小の長さになるが、僅かな引張力が残っており、規制部材123は図5の下方に引っ張られた状態で、ワイヤ121は弛まない。半開き状態からさらに図5(c)の開いた状態に移行すると、弾性部材120の長さは最小になり、引張力は消滅する。そして、規制部材123は図5の上方に移動し、ワイヤ121に弛みが生じ、分岐部材32のアンバランスによる回転力によって分岐部材32は、図2の実線に示すように、退避位置に退避する。これによって、扉100が開いた時の開口をL1からL2へと大きくし、ジャム処理を容易にすることができる。
【0043】
扉100を図2の開いた状態から閉じると、リンク部材107が移動して弾性部材120の長円状の環120cの下端が下部突起123bの下端から離れ始め、張力が発生して規制部材123を下方に引きつけ、ワイヤ121が張り、図3の半開き状態になる。これによって、分岐部材32が引っ張られて図1に示す使用位置に移動する。したがって、分岐部材32を手などで操作することなく、扉100を開閉すると、自動的に使用位置と退避位置とに移動させることができる。ことになる。
【0044】
このとき分岐部材32が定着排紙ローラ31などの画像形成装置本体側の正確な位置に戻る必要がある。これについては、画像形成装置本体側に図示しないガイドを設けてあり、分岐部材32が正確な位置にセットされるようにしている。
【0045】
なお、分岐部材32が退避位置に向けて自重により付勢されるのに代えて、バネで回転付勢する方法もある。しかし、その場合、弾性力が大きくなりすぎ、退避位置に移動する際に、紙搬送路i内にある記録紙Pを分岐部材32の回転によって破ってしまう可能性がある。これに対して、自重による付勢であれば、付勢力を小さくすることができ、分岐部材32が退避位置に回転しても、紙搬送路iにある記録紙Pを破損する心配がなくなる。
【0046】
以上の実施例では、扉100を開くと突起部が自動的に退避するようになっているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、手動によって使用位置と退避位置とに切り換えるようにしてもよい。また、突起部を退避させる機構も、扉100が所定の角度開いたらソレノイドなどで駆動して退避させる構成とすることもできる。
【0047】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明は、紙搬送路が露出するように開閉する扉を有し、該扉がその内側に開口を塞ぐ方向に張り出す突起部を備えた画像形成装置の紙搬送装置において、上記突起部を回動可能に支持し、上記扉を開いたとき、開口を塞ぐ方向に張り出した使用位置から扉の開口を拡げる退避位置に回動できるようにしたので、扉を開いたとき、開口を大きくすることができ、ジャム処理が容易にできるようになった。
【0048】
上記突起部が、上記退避位置に回動するように常時付勢されており、弾性部材の付勢力によって使用位置に保持され、上記扉を開いたとき該弾性部材の付勢力が突起部の付勢力より小さくなって、上記突起部が上記退避位置に回動するようにすれば、扉の開閉に伴って自動的に突起部を使用位置と退避位置とに切り換えることができる。
【0049】
弾性部材にコイルスプリングを使用し、このコイルスプリングの伸縮可能な範囲を規制部材で規制すると、弾性部材の制御が容易になり、弾性部材を安価なコイルスプリングとすることができ、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙搬送装置の構成を示す正面断面図である。
【図2】図1の扉を開けた状態を示す図である。
【図3】扉を半開きにした状態を示す図である。
【図4】弾性部材を用いない実施例の図で、扉を半開きにした状態を示す図である。
【図5】弾性部材の周辺の詳細を示す図で、扉が(a)は閉じた状態、(b)は半開き状態、(c)は開いた状態を示す。
【図6】従来の両面画像形成装置の記録紙搬送経路を示す模式図である。
【符号の説明】
32 分岐部材(突起部)
100 扉
107 リンク部材
120 弾性部材(コイルバネ)
123 規制部材
a,b,c,d,i 紙搬送路
【発明が属する技術分野】
この発明は、シート状記録紙を搬送する両面画像形成装置の紙搬送装置に関し、特に、ジャム処理時に扉を開けて処理するタイプの紙搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の両面画像形成装置の記録紙搬送経路を示す模式図である。この画像形成装置は、画像形成部10と、給紙部20と、排紙部30と、反転搬送部40と、記録紙導入部50と、中間スタッカ部60と、再給紙部70とを有する。記録紙Pの通過する経路は、画像形成部10の転写部15へ記録紙Pを搬送する給紙経路Aと、転写部15から記録済みの記録紙Pを排出又は再給紙する搬送経路Bと、画像が形成された記録紙Pを装置外に排出する排出経路Cと、画像形成部10で画像が形成された記録紙Pを反転後再度画像形成部10に循環させるための循環反転給紙経路Dとがある。
【0003】
画像形成部10には、像担持体(感光体ドラム)11が配置され、像担持体11には帯電器12により一様の帯電が付与され、露光手段13により画像情報を像担持体11の周面に照射し、静電潜像を形成する。静電潜像は現像器14により現像され、トナー像を形成する。
【0004】
給紙部20には、少なくとも1つの給紙カセット21が設けられている。給紙カセット21から記録紙Pが1枚ずつ取り出され、給紙経路Aを通過して、先端がレジストローラ28に達する。
【0005】
レジストローラ28は、像担持体11の回転に同期して駆動し、記録紙Pを転写部15に送り込む。この転写部15でトナー像は記録紙P上に転写される。記録紙Pは、引き続いて分離器16により像担持体11から分離され、搬送経路Bに設けられたベルト17により定着装置18に搬送される。
【0006】
像担持体11の周囲には、クリーニング装置19が配設され、転写後の像担持体11の表面の残留トナーを除去する。像担持体11は更に回転し、次の画像形成のために、帯電器12で再度帯電される。
【0007】
定着装置18は、内部にヒータを有する加熱ローラと、加熱ローラに強く圧接して従動する加圧ローラとから成り、前記画像形成部10から搬送された記録紙Pを圧接、挟持して加熱することにより、記録紙P上に形成されたトナー像を定着する。
【0008】
定着された記録紙Pは、排紙部30に送り出される。即ち、記録紙Pは定着装置18の搬送下流側に配置された定着排紙ローラ31のニップ位置を通過し、更に搬送下流側の分岐部材32によって記録紙Pの搬送経路が排出経路C側と、循環反転給紙経路D側とに切り換えられる。排出側に切り換えられた記録紙Pは、分岐部材32の上方を通過し、排紙ローラ33により排紙トレイ上に載置される。
【0009】
分岐部材32が反転再給紙側に切り換えられると、分岐部材32の下方の紙搬送路aを通過した記録紙Pが、反転搬送部40の搬送ローラ41によって紙搬送路bを通過し、更に搬送下流側の垂直紙搬送路cを経て、正逆回転可能な反転搬送ローラ43に挟持されて搬送され、その後、湾曲紙搬送路dで水平方向に進路が曲げられ、画像形成装置本体の給紙カセット21の下に形成された空間に設けられたスイッチバック紙搬送路(水平通路)eに進入して所定位置で一時停止する。
【0010】
一時停止した記録紙Pは、逆転駆動に切り換えられた反転搬送ローラ43にニップされて、前記垂直紙搬送路cを上昇して、分岐手段42により紙搬送路fを通過させられ、記録紙導入部50により中間スタッカ部60に送り込まれる(排出紙搬送路g)。
【0011】
中間スタッカ部60に収容された記録紙Pは印刷された面が下側になっている。この状態で、裏面のコピーの指示があると、記録紙Pは紙搬送路hを通って給紙経路Aに入り、レジストローラ28に達する。像担持体11には裏面のトナー画像が形成され、像担持体11のタイミングに合わせてレジストローラ28が記録紙Pを送り込む。記録紙Pは転写部15、分離器16を通過し、搬送経路Bを経て定着装置18に入り、裏面のトナー画像が定着され、排紙ローラ33から外部に排出されることになる。
【0012】
なお、紙搬送路iは反転排紙通路で、通常の排紙方向と表裏を反転して排紙する場合に使用する紙搬送路である。定着装置18から定着排紙ローラ31を通過してきた記録紙Pは、反転排紙の指示があると、分岐部材32で紙搬送路aに入り、紙搬送路b、紙搬送路cに進む。記録紙Pの後端が紙搬送路aと紙搬送路iの分岐部を越えると一旦停止し、次に逆転して紙搬送路iに入り、表裏が反転して排紙される。
【0013】
上記両面画像形成装置における反転搬送部等の紙搬送路を有する紙搬送装置は、扉により開閉可能に閉止されている。この扉には、反転搬送部の紙搬送路を形成する一方のガイド板や、搬送ローラ対の一方の従動ローラや、分岐手段の一方の分岐ガイド部材等が取り付けられていて、扉を開放したとき、反転搬送部の搬送路は開放状態になり、搬送路内に発生したジャムによる記録紙詰まりを除去可能にしている。
【0014】
上述した両面画像形成装置では、分岐手段の記録紙搬送出口から搬出された記録紙は、記録紙導入部の入口部に正確に搬入されないと、記録紙搬送不良(ジャム等)を発生する。分岐手段を画像形成装置本体側に固定すると、記録紙搬送不良発生時に、該分岐手段内に滞留した記録紙を取り出すのが困難である。このため、分岐手段を記録紙搬送路を境にして、下方のガイド面を有する分岐部材と、上方のガイド面を有する分岐部材とに分割し、下方の分岐部材を画像形成装置本体側に固定配置し、上方の分岐部材を前記の扉に取り付けるようにした。
【0015】
しかし、このような分割型の分岐手段においては、揺動可能な扉に取り付けられた上方の分岐部材が、扉を閉止したとき、下方の分岐部材に対向する所定位置に正確に位置決めして設置することが困難である。また、上方の分岐部材を扉閉止時に正確に位置決めするためには、扉の揺動精度や分岐部材の取り付け精度等を厳しい部品公差により管理したり、組立調整に熟練と時間を要したりする。
【0016】
そこで、特許文献1(特開平10−148973号)では、分岐手段のガイド面を形成する可動分岐部材を扉に回動可能に取り付け、この可動分岐部材に位置決め用突起部を記録紙通過部の外側に設けるとともに、画像形成装置本体側の前記反転搬送部の記録紙通過部の外側に位置決め用案内部を設け、扉を閉止したとき、位置決め用突起部が位置決め用案内部に嵌合して、可動分岐手段が画像形成装置内の所定位置に設置されるようにした構成を提案している。
【0017】
上記の特許文献1に記載の画像形成装置では、記録紙詰まりが生じると、扉を開けて詰まっている記録紙を取り除く。特許文献2(特開平5−281873号)に記載のように、通常は手前の大きな扉を開けてジャム処理をし、奥部で詰まった場合は、さらに奥に設けた扉を開いてジャム処理をするものもあるが、開くのに必要なスペースを小さくする必要がある場合には、特許文献1のように、上下2段に分かれたものが使用されている。
【0018】
【特許文献1】
特開平10−148973号 図4、図5
【特許文献2】
特開平5−281873号 図2、要約書
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、2段に分けたとしても、扉を開けたとき、上記の分岐手段などの突起部が、開口を塞ぐ方向に張り出しており、作業者の手を入れにくい。特に、フィニッシャーを取り付けると、扉の開く量が制限されるので、紙詰まり処理が極度に難しくなるという問題があった。
【0020】
本発明は、この問題を解決するためのもので、開口量が制限される場合でも、突起部の影響を少なくしてジャム処理作業が容易に行える紙搬送装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、紙搬送路が露出するように開閉する扉を有し、該扉がその内側に開口を塞ぐ方向に張り出す突起部を備えた画像形成装置の紙搬送装置において、上記突起部を回動可能に支持し、上記扉を開いたとき、開口を塞ぐ方向に張り出した使用位置から扉の開口を拡げる退避位置に回動できるようにしたことを特徴としている。
【0022】
上記突起部が上記紙搬送路の紙搬送路を切り換える分岐部材である構成としたり、上記突起部が、上記退避位置に回動するように常時付勢されており、弾性部材の付勢力によって使用位置に保持され、上記扉を開いたとき該弾性部材の付勢力が突起部の付勢力より小さくなって、上記突起部が上記退避位置に回動するようにしたり、上記扉に一端が回動自在に係止され、他端が上記画像形成装置に回動自在に係止されたリンク部材を設け、上記弾性部材の一端を上記突起部に、他端を上記リンク部材にそれぞれ係止し、扉を閉めると上記弾性部材に付勢力が加わって上記突起部が上記使用位置に回動し、扉を開くと該弾性部材の付勢力が小さくなって、上記突起部が上記退避位置に回動するようにしたり、上記突起部が退避位置に回動するように付勢する付勢力が、突起部の自重によるものとしたり、上記弾性部材がコイルバネであり、該コイルバネの伸縮する範囲を規制する規制部材を設けた構成とすることができる。
【0023】
【作用】
ジャムが発生した場合、扉を開いて紙搬送路を露出させる。そして、詰まっている紙を除去するのであるが、このとき、扉を大きく開くことができず、しかも、扉の内側に分岐部材などの突起部がある場合には、突起部が邪魔になって、手を入れにくい。そこで、突起部を退避位置に移動して開口を拡げ、ジャムを取り除く。
【0024】
扉を開いたとき突起部が自動的に退避位置に移動できるように付勢し、扉を閉じたときには自動的に使用位置に復帰するように弾性部材で付勢するようにすると、作業が非常にやりやすくなる。突起部を退避位置に付勢する付勢力を、突起部の自重とすると、退避する際の力が過剰にならず、突起部と扉との間に紙搬送路がある場合でも、紙を破らないようにすることが可能となる。
【0025】
弾性部材にコイルスプリングを使用し、このコイルスプリングの伸縮可能な範囲を規制部材で規制すると、弾性部材の制御が容易になり、弾性部材を安価なコイルスプリングとすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面によって説明する。
図1は、本発明の紙搬送装置の構成を示す図で、図6の従来例に示す排紙部30と反転搬送部40の部分に対応する正面断面図である。図2は扉を開けた状態を示す。
【0027】
画像形成装置の紙搬送装置には扉100があり、これにより本体左側面部の開口部が開閉可能になっている。扉は、上扉101と下扉102の屈曲式2段構成になっている。下扉102は、画像形成装置本体底部に固定された軸103に軸支され、揺動回転可能になっている。上扉101は、下扉102上部に固定された軸104に軸支され、同じく揺動回転可能になっている。画像形成装置本体底部に固定された軸105に一端を回転可能に軸支され、他端を上扉101設けられた軸106に回転可能に軸支される揺動自在なリンク部材107により、下扉102を開放状態にしたとき、リンク部材107は上扉101をほぼ垂直状態に支持することができる。110は、扉の開閉をするレバーで、先端にフック110aが形成され、扉100が閉じている場合、フック110aが図1に示すように本体側に係止して閉止状態を維持できる。上下の扉100はこのように開いたとき「く」の字を描くようになっているので、扉100を開くのに必要なスペースを減らすことができる。扉100が図2に示すように開くと、紙搬送路a,b,cが露出するようになっていて、ジャム処理が可能となる。
【0028】
上扉101の上方には、下側の排紙ローラ33と、突起部としての分岐部材32とが設けられている。この分岐部材32は、定着排紙ローラ31から送られてきた記録紙Pを、排出経路C側と循環反転給紙経路D側とに分けるもので、固定分岐部材32aと可動分岐部材32bとから成る。固定分岐部材32aには、排出経路C側と循環反転給紙経路D側と、反転排紙経路iの各搬送経路に合わせたガイド面が形成されている。可動分岐部材32bは、図示しないソレノイド等で駆動され、図1では循環反転給紙経路D側が選択された状態を示す。
【0029】
この分岐部材32は、図2に示す扉100を開いた状態のとき、従来は、点線に示す位置にあって、扉100の開口を塞ぐ方向に張り出していた。そのため、開口幅L1が小さくなり、ジャム処理が困難になっていた。
【0030】
本発明の実施例では、図1の位置(又は図2の点線で示す位置)を分岐部材32の使用位置として、扉100を開けたときには、図2の実線で示す退避位置に移動できるようにしたことに特徴がある。この場合、使用状態とは、可動分岐部材32bが排出経路Cと循環反転給紙経路Dのいずれを選択している場合も含まれる。
【0031】
すなわち、本発明では、分岐部材32は、上扉101に軸35で揺動回転可能に軸支されている。そして、可動分岐部材32bがいずれの経路を選択しているかに関係なく、分岐部材32は自然状態では図1又は図2において時計方向に回転して図2の実線で示す状態になるように自重により付勢されている。逆方向の回転は、図示しないストッパで制限されている。
【0032】
そして、コイルスプリングからなる弾性部材120を設け、この一端にワイヤ121をつなぎ、このワイヤ121をローラ122でほぼ直角に曲げて可動分岐部材32bの回動軸32cに掛止している。弾性部材120の他端は、リンク部材107の先端のピン107aに直接掛止している。
【0033】
扉100が図1に示す閉じた状態から、図2に示す開いた状態に移行すると、リンク部材107も移動する。扉100が開いた状態と閉じた状態とを比較すると、扉100が開くと、リンク部材107の先端のピン107aがローラ122に近づき、扉100が閉じると遠のく。これによって、扉100が開くときワイヤ121が弛んで分岐部材32は退避状態に移行し、扉100が閉じるときワイヤ121が引っ張られて分岐部材32は使用状態に戻ることができる。
【0034】
図3は扉100が半開きの状態を示す図である。図4は、弾性部材120を用いない実施例の図で、扉100が図3と同じく半開きの状態を示す図である。図3とは異なり、弾性部材120を取り外してワイヤ121で分岐部材32とリンク部材107の先端のピン107aとを直接接続したものである。
【0035】
図4のように弾性部材120が無くても、分岐部材32は扉100を閉じれば、ワイヤ121が引っ張られて使用状態に戻り、扉100を開けばワイヤ121が弛んで自重により軸35を中心にして時計方向に回転し、退避状態に移行することができる。しかし、弾性部材120がないので、引張力が不足し、扉100を閉じるとき、図4の矢印に示す分岐部材32の先端と後端の両方が、本体側の排紙ローラ33や紙搬送路aのガイドにぶつかってしまう可能性がある。
【0036】
図3の実施例では、弾性部材120を設けたので、扉100を閉じる際に、弾性部材120による引張力が加わり、ワイヤ121のテンションが増加して、分岐部材32は、その上面がほぼ水平面となるまで回動し、本体側のガイド等にぶつかることはなくなる。
【0037】
図5は、弾性部材120の周辺の詳細を示す図である。扉100は、(a)では、閉じた状態、(b)では、半開きの状態、(c)では、開いた状態を示している。この図により、弾性部材120周辺の構成を説明するとともに、さらに詳細に扉100の開閉動作を説明する。
【0038】
弾性部材120としてのコイルスプリングは、上端に上フック120a、下端に下フック120b、中間に長円状の環120cを有する。この弾性部材120は、上扉101に設けられた規制部材123に掛止している。すなわち、上フック120aは、規制部材123の上部突起123aにある掛止溝に掛止し、下フック120bはリンク部材107の先端のピン107aに掛止している。長円状の環120cには、規制部材123の下部突起123bが挿通されている。規制部材123自身は、上扉101に支持されているが、弾性部材120の伸縮する方向に若干量だけスライド可能になっている。また、ワイヤ121の端部は、上部突起123aに掛止されている。長円状の環120cに下部突起123bを挿通すると、下部突起123bが環120c内を移動できる範囲内で弾性部材120は伸縮ができることになり、弾性部材120の最大長さと最小長さとが規制されることになる。このように弾性部材120の長さを規制することで、弾性部材120が有効に作用する荷重条件を調整することが可能となる。
【0039】
図1の扉100が閉じた状態では、弾性部材120は図5の(a)に示すように、ほぼ最大長さまで伸びており、弾性部材120には大きな引張力が発生し、規制部材123も図5の下側(ピン107a側)に引き寄せられている。ワイヤ121には引張力が加わり、分岐部材32は使用位置に保持されることになる。
【0040】
図2の扉100が開いた状態では、弾性部材120は図5の(c)に示すように、最小長さになっている。この状態では引張力は全く発生していない。規制部材123は図5の上方に移動し、ワイヤ121は弛み、分岐部材32は自重により軸35を中心に回動し、図2に示す退避位置に移動する。
【0041】
図5の(b)に示す半開きの状態は、弾性部材120の縮小が終了する直前の状態を示している。すなわち、扉100をこれ以上閉じれば、弾性部材120が伸び始めて引張力が増大し、反対に扉100をこれ以上開けば、引張力が消滅してワイヤ121が弛み、規制部材123が図5の上方に移動し始める。
【0042】
図1の閉じた状態から、扉100を開くと、図3の半開き状態を経て図2の開いた状態になる。この間、リンク部材107は図1から図2の位置に移動し、先端のピン107aとローラ122との距離は短くなる。弾性部材120の長さは図5(a)の最大長さから、図5(b)の半開き状態へと移行する。図5(b)で弾性部材120の長さは殆ど最小の長さになるが、僅かな引張力が残っており、規制部材123は図5の下方に引っ張られた状態で、ワイヤ121は弛まない。半開き状態からさらに図5(c)の開いた状態に移行すると、弾性部材120の長さは最小になり、引張力は消滅する。そして、規制部材123は図5の上方に移動し、ワイヤ121に弛みが生じ、分岐部材32のアンバランスによる回転力によって分岐部材32は、図2の実線に示すように、退避位置に退避する。これによって、扉100が開いた時の開口をL1からL2へと大きくし、ジャム処理を容易にすることができる。
【0043】
扉100を図2の開いた状態から閉じると、リンク部材107が移動して弾性部材120の長円状の環120cの下端が下部突起123bの下端から離れ始め、張力が発生して規制部材123を下方に引きつけ、ワイヤ121が張り、図3の半開き状態になる。これによって、分岐部材32が引っ張られて図1に示す使用位置に移動する。したがって、分岐部材32を手などで操作することなく、扉100を開閉すると、自動的に使用位置と退避位置とに移動させることができる。ことになる。
【0044】
このとき分岐部材32が定着排紙ローラ31などの画像形成装置本体側の正確な位置に戻る必要がある。これについては、画像形成装置本体側に図示しないガイドを設けてあり、分岐部材32が正確な位置にセットされるようにしている。
【0045】
なお、分岐部材32が退避位置に向けて自重により付勢されるのに代えて、バネで回転付勢する方法もある。しかし、その場合、弾性力が大きくなりすぎ、退避位置に移動する際に、紙搬送路i内にある記録紙Pを分岐部材32の回転によって破ってしまう可能性がある。これに対して、自重による付勢であれば、付勢力を小さくすることができ、分岐部材32が退避位置に回転しても、紙搬送路iにある記録紙Pを破損する心配がなくなる。
【0046】
以上の実施例では、扉100を開くと突起部が自動的に退避するようになっているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、手動によって使用位置と退避位置とに切り換えるようにしてもよい。また、突起部を退避させる機構も、扉100が所定の角度開いたらソレノイドなどで駆動して退避させる構成とすることもできる。
【0047】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明は、紙搬送路が露出するように開閉する扉を有し、該扉がその内側に開口を塞ぐ方向に張り出す突起部を備えた画像形成装置の紙搬送装置において、上記突起部を回動可能に支持し、上記扉を開いたとき、開口を塞ぐ方向に張り出した使用位置から扉の開口を拡げる退避位置に回動できるようにしたので、扉を開いたとき、開口を大きくすることができ、ジャム処理が容易にできるようになった。
【0048】
上記突起部が、上記退避位置に回動するように常時付勢されており、弾性部材の付勢力によって使用位置に保持され、上記扉を開いたとき該弾性部材の付勢力が突起部の付勢力より小さくなって、上記突起部が上記退避位置に回動するようにすれば、扉の開閉に伴って自動的に突起部を使用位置と退避位置とに切り換えることができる。
【0049】
弾性部材にコイルスプリングを使用し、このコイルスプリングの伸縮可能な範囲を規制部材で規制すると、弾性部材の制御が容易になり、弾性部材を安価なコイルスプリングとすることができ、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙搬送装置の構成を示す正面断面図である。
【図2】図1の扉を開けた状態を示す図である。
【図3】扉を半開きにした状態を示す図である。
【図4】弾性部材を用いない実施例の図で、扉を半開きにした状態を示す図である。
【図5】弾性部材の周辺の詳細を示す図で、扉が(a)は閉じた状態、(b)は半開き状態、(c)は開いた状態を示す。
【図6】従来の両面画像形成装置の記録紙搬送経路を示す模式図である。
【符号の説明】
32 分岐部材(突起部)
100 扉
107 リンク部材
120 弾性部材(コイルバネ)
123 規制部材
a,b,c,d,i 紙搬送路
Claims (6)
- 紙搬送路が露出するように開閉する扉を有し、該扉がその内側に開口を塞ぐ方向に張り出す突起部を備えた画像形成装置の紙搬送装置において、上記突起部を回動可能に支持し、上記扉を開いたとき、開口を塞ぐ方向に張り出した使用位置から扉の開口を拡げる退避位置に回動できるようにしたことを特徴とする紙搬送装置。
- 上記突起部が上記紙搬送路を切り換える分岐部材であることを特徴とする請求項1記載の紙搬送装置。
- 上記突起部が、上記退避位置に回動するように常時付勢されており、弾性部材の付勢力によって使用位置に保持され、上記扉を開いたとき該弾性部材の付勢力が突起部の付勢力より小さくなって、上記突起部が上記退避位置に回動することを特徴とする請求項1又は2記載の紙搬送装置。
- 上記扉に一端が回動自在に係止され、他端が上記画像形成装置に回動自在に係止されたリンク部材を設け、上記弾性部材の一端を上記突起部に、他端を上記リンク部材にそれぞれ係止し、扉を閉めると上記弾性部材に付勢力が加わって上記突起部が上記使用位置に回動し、扉を開くと該弾性部材の付勢力が小さくなって、上記突起部が上記退避位置に回動することを特徴とする請求項3記載の紙搬送装置。
- 上記突起部が退避位置に回動するように付勢する付勢力が、突起部の自重によるものであることを特徴とする請求項3又は4記載の紙搬送装置。
- 上記弾性部材がコイルバネであり、該コイルバネの伸縮する範囲を規制する規制部材を設けたことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の紙搬送装置。
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