JP2004216404A - プレス生産装置およびプレス方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多種の金型を用いたプレス加工を効率よく行うことができるプレス生産装置を提供する。
【解決手段】プレス生産装置1は、複数種類の金型Kの中から加工形状に応じた種類の金型Kを選択してプレス機4に供給し、プレス機4により金型KでワークWを加圧してプレス加工するプレス生産装置1であって、複数種類の金型Kを保持するための、各種類の金型Kに対応して設けられた複数のダイセットプレート2と、ダイセットプレート2を搬送路31上を移動させて搬送する搬送装置3と、を備え、搬送路31は、プレス機4によるプレス加工を行うための加工ステーション3Aと、金型KへのワークWの供給と金型KからのワークWの取り出しとを行うための供給ステーション3Bと、ダイセットプレート2を保持するための保持ステーション3Cとを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】プレス生産装置1は、複数種類の金型Kの中から加工形状に応じた種類の金型Kを選択してプレス機4に供給し、プレス機4により金型KでワークWを加圧してプレス加工するプレス生産装置1であって、複数種類の金型Kを保持するための、各種類の金型Kに対応して設けられた複数のダイセットプレート2と、ダイセットプレート2を搬送路31上を移動させて搬送する搬送装置3と、を備え、搬送路31は、プレス機4によるプレス加工を行うための加工ステーション3Aと、金型KへのワークWの供給と金型KからのワークWの取り出しとを行うための供給ステーション3Bと、ダイセットプレート2を保持するための保持ステーション3Cとを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス加工を行うプレス生産装置および、そのプレス方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプレス生産装置としては、一つの工程に使用する複数の金型を順番にプレス機にセットしてプレス加工を行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、複数の工程に渡ってプレス加工を行うプレス生産装置のレイアウトは、図7に平面図として示すプレス生産装置100のようになる。このプレス生産装置100は、例えば自動車のドアなどのパネルを成形するために用いられ、複数のプレス機101,102,103,104,105がコンベア106の進行方向に沿って配置された直線的な構成になっている。プレス機101〜105は、工程数と同じ数だけ配置されている。この図では、材料置場107から図示しないロボットで一番目のプレス機101に供給される板材は、5つのプレス工程を経て成形パネルとして保管場所に搬出される。さらに、このプレス生産装置100は、プレス機101〜105の金型を交換することで、異なる種類の成形パネルを加工できるようになっている。金型を交換する際には、コンベアを止めて、各プレス機101〜105に連結されている交換台車108に載置されている金型と、プレス機101〜105に装着されている金型とを交換する。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−57519号公報(第3頁、図11)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のプレス生産装置は、一つの工程を一つのプレス機で行う構成のために、工程の数だけプレス機を設置する必要がある。このため、少量生産の場合であっても大型のプレス生産装置を保有しなければならないという問題があった。
【0005】
また、少量生産においては、プレス機の稼働率を向上させようとすると、必要数よりも多い成形パネルを生産して在庫しておくことになるので、中間在庫が多くなり、それに応じた大きな保管場所が必要になる。中間在庫を少なくして保管場所の大きさを最小限に止めようとすると、金型交換の頻度が多くなり、プレス生産装置の稼働率が悪くなる。
【0006】
さらに、一工程、すなわち一つの金型で成形が完了するワークを生産する場合には、プレス機の間に成形が完了したワークを取り出すコンベアなどの設備を設けなければならない。この場合は、例えば図7のプレス機101から搬出されるワークを加工品置場109まで直接搬送するコンベアが必要になる。
【0007】
したがって、本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、小型のプレス生産装置の提供を目的とし、特に、少量生産であっても高い稼動効率を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本発明の請求項1にかかる発明は、一つのプレス機でワークをプレス成形するにあたり、プレス機にワークの加工順序に応じて選択される金型を、ワークのプレス成形が完了するまで順番にプレス機に搬入してプレス成形することを特徴とするプレス方法とした。
【0009】
このようなプレス方法は、金型を一つずつ順番にプレス機に搬入・搬出しながらワークのプレス加工を行う。一つのプレス機で複数の工程に使用する多数の金型を加工順番(工程順番)に従って交換しながらプレス加工することが可能になる。
【0010】
請求項2にかかる発明は、複数種類の金型の中から加工順序に応じた種類の金型を選択してプレス機に供給してプレス加工するプレス方法であって、搬送経路に沿って配置された複数の金型のうちの第一の金型をプレス機に搬入する工程と、第一の金型を用いてワークに第一の成形を行う工程と、第一の金型をプレス機から搬出する工程と、第一の金型から第一の成形を施したワークを取り出す工程と、取り出したワークを第二の金型に供給する工程と、第二の金型をプレス機に搬入する工程と、第二の金型を用いてワークに第二の成形を行う工程とを含むプレス方法とした。
【0011】
このプレス方法によれば、複数の金型を加工順番に沿って配置し、順番にプレス装置でプレス加工することになる。複数の工程から一つの完成品を作製するプレス生産の場合であっても生産計画の変更などに対しても柔軟に対応できる。
【0012】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載のプレス方法において、ワークを取り出す工程と、ワークを供給する工程は、ロボットが金型とワーク置場との間でワークを搬送する工程を含むこととした。
【0013】
このような生産装置は、金型へのワークの交換は、未加工のワーク、中間品、完成品の間で行われる。このため、ロボットを用いて加工進度に合わせた処理を行うようにすることで、効率的な処理を実現する。
【0014】
請求項4にかかる発明は、複数種類の金型の中から加工順序に応じた種類の金型を選択してプレス機に供給してプレス加工するプレス生産装置であって、プレス機によりプレス加工を行う加工ゾーンと、加工待ちの金型が待機する保持ゾーンとを金型の搬送経路に沿って有し、搬送経路に配置しきれない金型を保持する入れ替えゾーンを保持ゾーンから分岐して設けると共に、加工ゾーンから保持ゾーンに金型を搬出する際に金型の移動を許容するアイドルスペースを保持ゾーンに形成するように構成したプレス生産装置とした。
【0015】
このようなプレス生産装置は、一つのプレス機で複数の金型を用いたプレス生産が可能で、完成品や中間品の搬入・搬出を金型の搬送経路の途中で行うようにしたので、生産計画の変更などに対しても柔軟に対応できる。また、金型の入れ替えゾーンを設けたので、多数の金型を入れ替えながら使用することが可能である。
【0016】
請求項5にかかる発明は、請求項4に記載のプレス生産装置において、搬送経路は平面視で略四辺形に構成されていることとした。
【0017】
複数の金型を循環させるようにしてプレス加工を行うことが可能になり、少ない設置スペースで、多種多様な生産形態を採ることが可能になる。
【0018】
請求項6にかかる発明は、請求項5に記載のプレス生産装置において、入れ替えゾーンの分岐点を搬送経路の角部に設けた構成にした。
【0019】
このように構成すると、金型の入れ替えが容易になり、特に多品種少量生産に適する。
【0020】
請求項7にかかる発明は、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のプレス生産装置において、搬送経路内に、金型を上下に開いて、ワークの搬入、または搬出を行う金型引き上げ装置を備えた供給ゾーンを設けた。
【0021】
このプレス生産装置は、プレス工程を行うゾーンとは別に金型を開いてワークの交換を行うゾーンを設けた。これにより、プレス機に要求される上下方向のストローク量を少なくすることができる。
【0022】
請求項8にかかる発明は、請求項7に記載のプレス生産装置において、供給ゾーンに隣接して、金型から搬出した前記ワークを他の金型に搬入するために一時的にワークを保管する中間加工品置場、および完成品置場を設けた。
【0023】
複数の工程で完成する加工品を生産する場合に、順番に搬送、プレス加工を行うためには、一時的にワークを保管する必要がある。したがって、供給ゾーンに中間加工品置場、完成品置場を隣接させることにより、ワークの交換を容易に、かつ確実に行えるようにした。
【0024】
請求項9にかかる発明は、請求項4に記載のプレス生産装置において、搬送経路および入れ替えゾーンにおいて、金型は、ダイセットプレートを介して載置され、移動、および位置決めがされることとした。
【0025】
プレス時や、ワークの交換時の金型の位置決めが容易になる。
【0026】
請求項10にかかる発明は、請求項9に記載のプレス生産装置において、金型である上型と下型とを離間して搬送させるための弾性部材を設けた。
【0027】
搬送経路において、上型およびワークを下型から浮き上がらせることが可能になる。プレス加工前やプレス加工後において上型と下型とでワークが押圧されることを防止する。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すプレス生産装置1は、一つのプレス機4にワークの加工順序に応じて選択される金型K(K1からK12)を、ワークのプレス成形が完了するまで順番に供給し、ワークWをプレス加工するものである。このため、プレス加工を行う加工ゾーン3Aと、ワークWの搬入・搬出を行う供給ゾーン3Bと、加工待ちの金型Kが保持される保持ゾーン3Cと、これらに配置しきれない金型Kを保持する入れ替えゾーン3Dと有し、各ゾーン3A〜3D間の金型Kの移動は、金型Kを保持するダイセットプレート2を搬送装置3および搬送装置6で移動させることにより行われる。
【0029】
図2に詳細に示すように搬送装置3は、平面視四辺形でリング状の搬送路31と、搬送路31に沿ってダイセットプレート2を移動させるための搬送機構32とからなり、金型Kを循環させながらプレス加工やワークWの交換を行わせるようになっている。
【0030】
ここで、搬送路31は、加工ゾーン3Aと、供給ゾーン3Bと、保持ゾーン3Cとに区画され、保持ゾーン3Cには、ダイセットプレート2を順送りするための隙間であるアイドルスペース31a(図1参照)が設定されている。また、前記したように平面視四辺形でリング状の搬送路31の角部の一つは、入れ替えゾーン3Dとの間で金型Kの交換を行うための入れ替えエリア31になっている。
【0031】
図2に示すように搬送機構32は、搬送経路31に沿って配置され、プレス機4における金型交換や、搬送時の金型Kの移動方向の転換を行わせるために用いられるダイリフタ33と、金型搬送チェーン34と、ダイリフタ33と共に昇降するローラ35と、昇降せずに搬送路31に回転可能に据え付けられたローラ36とからなる。
【0032】
ダイリフタ33は、加工ゾーン3A、供給ゾーン3B、および保持ゾーン3Cの角部に設けられており、ダイセットプレート2の移動方向に沿って二本ずつ並列に配置されており、各々に回転可能なローラ35が取り付けられている。このダイリフタ33は、図3に示す搬送経路31の溝33aに昇降可能に収容されており、上昇時にはダイセットプレート2を搬送路31の路面から浮き上がらせることができる。なお、角部においてダイリフタ33が直交するように二組配置されているのは、ダイセットプレート2に移動方向を変更するためである。
【0033】
図2に示すように金型搬送チェーン34は、搬送経路31に沿って四方向に金型Kおよびダイセットプレート2を移動させるために四本敷設されている。この金型搬送チェーン34は、引っ掛けフック37が取り付けられたラチェット付きのチェーンである。引っ掛けフック37は、ダイセットプレート2の搬送方向の先端中央に形成された凹部に係合可能になっている。引っ掛けフック37を係合させた状態でチェーンを搬送方向に駆動させると、上昇させたダイリフタ33のローラ35、またはローラ36の上をダイセットプレート2を移動させることができる。また、チェーンを搬送方向と逆方向に駆動させるとラッチから引っ掛けフック37が倒れて、ダイセットプレート2との係合が解除される。
【0034】
図1に示す搬送装置6は、入れ替えゾーン3Dを形成する搬送路61と、搬送路61に沿ってダイセットプレート2を移動させるための不図示の搬送機構とからなる。この搬送経路61の搬入端には、金型Kをダイセットプレート2ごと受け入れるためのアイドルスペース61aになっている。なお、搬送路61の形状は、生産計画に応じて使用しない金型Kを受け入れたり、必要になった金型Kを搬送路31に受け渡したりできるものであれば、いかなる形状であっても良い。また、搬送機構は、前記の搬送機構32と同様の構成を用いることができる。図1に示す例では、の搬送路31の角部の一つに連結されることで、金型Kの搬入、搬出が容易に行えるようになっている。
【0035】
このような搬送装置3,6により搬送される金型Kは、上型UKと、下型LKとからなり、ダイセットプレート2に載置されて搬送経路を移動するようになっている。
図3および図4に示すようにダイセットプレート2は、上面の所定位置に金型Kを保持するようになっている。ダイセットプレート2は、プレス生産装置1でのプレス加工に用いる複数種類の金型Kに対応して設けられており、各ダイセットプレート2がそれぞれ一の金型Kを保持するようになっている。金型Kは上型UKと下型LKとからなり、下型LKはプレス加工時、上型UKとでワークWを保持するブランクホルダー部22を備えている。ブランクホルダー部22は、ガススプリングで上向きに付勢されているシリンダロッド22aに固定された支持部22bを有し、ワークWおよび弾性部材22cを介して上型UKを弾性的に支持するものである。前記ブランクホルダー部22の外縁はワークWよりも外側に位置し、前記ワークWより外側の支持部22bの上面にウレタンゴムなどの弾性部材22cを配置し、前記弾性部材22cで上型UKと下型LKとの間に間隔を設けて両者の干渉を防いでいる。これにより上型ULとワークWとの間に間隔が形成され、プレス加工時以外に未加工もしくは加工済みのワークWが上型UKに押圧されて変形することを防止する。この弾性部材22cは上型UKの自重によっては潰れないが、プレス機の加圧力には屈して縮小するような部材である。ブランクホルダー部22は下型LKとワークWとの間にも間隔を設けるようにワークWを保持しても良い。
【0036】
図4に示すようにプレス機4は、ダイセットプレート2が載置されるベッド41とダイセットプレート2上に載置された金型Kを加圧するためのラム42と、ラム42を昇降させて金型Kを加圧する図示しない加圧機構とからなる。プレス機構4は、加圧機構でラム42をベッド41の上方から下降させて上型UKと下型LKとでワークWを加圧することにより、上型UKと下型LKとの間に載置されたワークWをプレス加工するようになっている。
【0037】
ワーク供給装置5は、金型Kの上型UKを昇降するための昇降手段である上型保持部51と、金型KからのワークWの取り出しまたは金型KへのワークWの供給を行うためのワーク保持手段であるワーク保持部52と、を備える。
【0038】
上型保持部51は、複数の支柱511間に昇降部材512を架け渡して構成され、昇降部材512に設けられたクランプ部513で上型UKを把持した状態で、昇降部材512が支柱511の上下方向に移動することにより、上型UKを昇降させるようになっている。
【0039】
ワーク保持部52は、多関節のロボットアーム521の先端にマテリアルハンドである把持部522を備え、把持部522でワークWを把持した状態で、ロボットアーム521を動作させることにより、ワークWを所望位置に所望の姿勢で保持できるようになっている。なお、把持部522は、ワークの形状に応じて適宜交換されるものとする。
【0040】
このような構成のワーク供給装置5は、供給ゾーン3Bに移動してきたダイセットプレート2上の金型Kの上型UKを上型保持部51で上昇させた後、下型LK上のワークWをワーク保持部52で把持して下型LKと上型UKとの間から取り出し、また、新たなワークWを下型LK上に載置して、上型保持部51で上型UKを下降させてワークWを上型UKと下型LKとの間に供給するようになっている。
【0041】
次に、プレス生産装置1を用いたプレス生産方法を図1から図5を参照して説明する。なお、以下においては、プレス加工の形態として自動車のフロントドア用のパネルを2工程でプレス加工する場合を例にして説明する。このため、金型Kは、右側のフロントドアのインナパネル用の金型K1および金型K2、ならびにアウタパネル用の金型K3および金型K4と、左側のフロントドアのインナパネル用の金型K5および金型K6、ならびにアウタパネル用の金型K7および金型K8の合計8つが、この順番に配置されているものとする。また、生産の開始点は下記に限定されるものでない。
【0042】
まず、図5(b)に示すように供給ゾーン3Bにおいて上型保持部51により金型K1を開く。この金型K1にはワークが存在するので、このワークをワーク保持部52で取り出す。金型K1は、右側のフロントドアのインナパネルの第一工程の金型であるので、ワーク保持部52は、取り出したワークを中間品置場13に搬送する。そして、ワーク供給部11から未加工のワーク(シート材)を一枚搬出して、金型K1の下型LKに供給する。未加工のワークの供給が終わったら、図5(c)のように上型保持部51が上型UKを下降させる。上型UKは金型浮上機構により、下型から所定の高さだけ浮いた状態になる。なお、金型Kの種類は、ダイセットプレート2に取り付けられるユニークな情報を図示しないセンサで読み取って識別する。このユニークな情報を読み取るタイミングは、ダイセットプレート2が供給ゾーン3Bに入ってきたときであり、読み取った情報は図示しない制御装置に送られる。
【0043】
次に、搬送装置3は、ダイセットプレート2を順次移動させる。まず、加工ゾーン3Aにダイセットプレート2は、制御装置の指示に基づいてアイドルスペース31aに移動させられる。このときの制御装置は、以下の二つの条件を確認して、すべての条件を満たした場合に加工ゾーン3Aからの搬出を許可する。まず、アイドルスペース31aに位置するダイセットプレート検知センサが、アイドルスペース31aにダイセットプレート2が存在しない旨の信号(空信号)を出力していることを確認する。さらに、加工ゾーン3Aのプレス機に設けられたセンサから加工完了の信号が出力されていることを確認する。
【0044】
制御装置から搬出許可が下りると、ダイリフタ33(図2参照)が上昇し、ダイセットプレート2を3mmから5mm程度浮上させる。これにより、ダイセットプレート2は、ダイリフタ33のローラ35に乗った状態、つまり移動可能な状態になる。ここで、ダイリフタ33が上昇してもダイセットプレート2にはチェーン34に固定された引っ掛けフック37が係合したままなので、この状態でチェーン34を搬出方向に駆動させると、ダイセットプレート2が引き出されるように移動する。ダイセットプレート2がアイドルスペース31aの所定位置まで移動させられると、ダイセットプレート検知センサがダイセットプレート2の存在を検知するので、制御装置はチェーン34の駆動停止をモータに伝達し、ダイセットプレート2を停止させる。
【0045】
これにより加工ゾーン3Aに空になるので、供給ゾーン3Bのダイセットプレート2が制御装置の制御に基づいて加工ゾーン3Aに移動させられる。この際に制御装置は、前記した二つの条件に加えて、三つ目の条件として供給ゾーン3Bにある金型KへのワークWの入れ替え作業が完了したことを確認できたら、移動を許可する。
【0046】
制御装置から移動許可が下りたら、引っ掛けフック37で係合しているチェーン34を搬送方向に駆動させてダイセットプレート2を引き出すようにして加工ゾーン3Aに搬入する。ダイセットプレート2が所定位置まで来たことをセンサが検知したら、制御装置は停止信号を出力し、チェーン34の駆動用モータを停止させる。ここで、加工ゾーン3Aのダイリフタ33が下降し、金型Kおよびダイリフタ33を所定位置に固定する。チェーン34の引っ掛けフック37は自動的に、もしくはモータの逆回転により元の位置に戻る。
【0047】
以上により供給ゾーン3Bが空になるので、保持ゾーン3Cのダイセットプレート2を一つずつ移動させる。まず、制御装置は、供給ゾーン3Bにダイセットプレート2が存在しないことを確認し、保持ゾーン3Cに全ての検知ポイントにおいてダイセットプレート2が存在していることを確認する。この状態は供給ゾーン3Bのみにダイセットプレート2が居ない状態を示すので、保持ゾーン3Cの中で供給ゾーン3Bに一番近くに位置するダイセットプレート2の移動命令を出力する。これにより、図5(a)に示すような金型Kを載置しているダイセットプレート2が引っ掛けフック37に引き出されるようにして移動させられ、供給ソーン3Bに搬入される。
【0048】
そして、この移動により形成される空スペースを埋めるように、ダイセットプレート2が順番にチェーン34で搬送される。すると、加工ゾーン3Aから移動してきたダイセットプレート2と他の保持ゾーン3C内のダイセットプレート2との間にスペースが発生するので、このスペースを埋めるように、ダイセットプレート2がさらに移動する。これにより、次の移動時のためのアイドルスペース31aが確保される。
【0049】
図5(a)に示すように加工ゾーン3Aに移動させられたダイセットプレート2に対しては位置決めが行われる。ここでの位置決めは、ダイセットプレート2に形成した位置決め用の穴を用いるなどして、位置決めをしたら、プレス機4のラム部が下降し、金型K1を自動的に締め付けて固定する。その後、ラム部はさらに下降するので、金型K1が押圧されてワークがプレス成形される。所定の押圧力を作用させてワークのプレス加工が終了したら、ラム部は金型K1の締め付けを解除してから上昇する。本実施形態のプレス機はワークを挟んだ状態の金型K1を押圧してプレス成形を行うので、上型UKを保持した状態で昇降させるプレス機よりもラム部の加工ストロークを小さくすることができる。例えば、ワークの搬入搬出も行う一般的に汎用プレス機の加工ストロークが500mm〜600mmとすると、本実施形態のプレス機の加工ストロークは160mm〜200mmにすることができる。
【0050】
ラム部が上昇した後の金型K1は、上型UKをブランクホルダー部22により所定の高さだけ浮かせた状態になる。そして、上型UKと下型LKとの間にプレス成形したワークWを挟んだままで、搬送装置3により保持ゾーン3Cに移動させられる。
【0051】
一方、金型K1でプレス成形が行われている間、供給ゾーン3Bでは金型K2に対するワークの交換が行われる。供給ゾーン3Bは、ダイセットプレート2に付与されたユニークな情報をセンサで読み取って、制御装置に伝送する。読み取った情報から、金型K2が右側のフロントドアのインナパネルの第二工程で用いられる金型であることが識別されるので、ワーク保持部52は、金型K2から第二工程の終了した、成形完了品を取り出して、完成品置場である加工品置場12に載置する。その後に、ワーク保持部52は、先に金型K1から取り出し、中間品置き場に仮置きしてある第一工程が終了したワークWを取り出す。取り出されたワークWは、上型保持部51により開かれた金型K2に搬入される。ワークWが搬入された後は、前記と同様にして上型UKが降り、所定の高さで浮いた状態でダイセットプレート2が加工ゾーン3Aに移動させられ、第二工程のプレス成形が行われる。なお、加工品置場12をコンベア、シュータから構成し、加工品置場12に置かれたワークが自動的に他の工程に運ばれるようにしても良い。
【0052】
以降は、ダイセットプレート2を搬送路31に沿って、順次搬送して、ワークWの交換、プレス加工を行う。なお、供給ゾーン3Bにおいて、三番目の金型K3からは右側のフロンドドアのアウタパネルの第一工程が終了したワークWが中間品置場に取り出され、未加工のワークWが搬入される。四番目の金型K4から右側のフロンドドアのアウタパネルの第二工程が終了したワークが加工品置場12に取り出され、仮置きされている第一工程終了後のワークが搬入される。そして、五番目の金型K5では左側のフロンドドアのインナパネルの第一工程が終了したワークWと未加工のワークWの交換が行われる。六番目の金型K6では左側のフロンドドアのインナパネルの第二工程が終了したワークと第一工程が終了したワークWの交換が行われる。七番目の金型K7では左側のフロンドドアのアウタパネルの第一工程が終了したワークWと未加工のワークWの交換が行われる。八番目の金型K8では左側のフロンドドアのアウタパネルの第二工程が終了したワークWと第一工程が終了したワークWの交換が行われる。
【0053】
ここで、搬送経路31にある金型K1〜K8(およびダイセットプレート2)と、入れ替えゾーン3Dにある金型K9〜K12を交換する場合について、図1に示す位置にある金型K3〜K6と、金型K9〜K12を交換する場合を例にして説明する。
【0054】
まず、入れ替えエリア31bにある金型K3を入れ替えゾーン3Dのアイドルスペース61aに移動させる。これにより入れ替えエリア31bが空くので、入れ替えゾーン3Dに待機している金型K9を入れ替えエリア31bに移動させる。
【0055】
次に、搬送装置3を稼動させて、搬送路31に沿って、金型K1〜K2、金型K9、金型K4〜K8を順次移動させる。すると、搬送路31に沿った移動により金型K4が入れ替えエリア31bに到達する。一方、搬送装置6も稼動させて、金型K3、金型K10〜金型K12を搬送路61に沿って、順次移動させる。搬送路61に沿った移動により金型K10が入れ替えエリア31bに臨む位置に移動する。また、搬送路61において入れ替えエリア31bに隣接する箇所が一つ空いて、アイドルスペース61aとなる。
【0056】
この状態で、金型K4をアイドルスペース61aに移動させる。次いで、金型K4の移動により空いた入れ替えエリア31bに金型K10を移動させる。以降は、搬送路31,61に沿って順次移動させるなどにより、金型K5と金型K11の交換、および金型K6と金型K12の交換を行う。これにより、搬送経路31には金型K1、金型K2、金型K7から金型K12が、搬送経路61には金型K3から金型K6がそれぞれ配置される。
【0057】
このようにプレス生産装置1は、一つのプレス機4で種類の異なる複数の金型Kを交換しつつ、プレス加工を行うので、多品種の生産や、少量生産で金型Kの交換頻度が高い場合であっても、少ない設置面積で効率的な生産を行うことが可能である。また、金型KにワークWを内装したままで搬送経路31,61を移動させるので、中間品の保管場所も少なくて済む。そして、搬送経路31の途中において金型Kの入れ替えゾーン3Dをリンクさせたので、さらに多数の金型Kを利用することが可能である。さらに、プレス機4の加工ストロークを短くできるので、プレス機4を安価にすることができ、生産のタクトタイムも減少させることができる。このタクトタイムの減少は、加工ゾーン3Aと供給ゾーン3Bとを分離することの効果としてもあげることができる。
【0058】
なお、本発明のプレス生産装置は、前記実施形態でのプレス生産装置1に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り適宜変更して差し支えない。例えば、ダイセットプレート2を搬送するための搬送装置3を構成する搬送路31は、前記実施の形態での搬送路31のように略四辺形のリング状のものに限定されず、例えば、床面からの高さが異なる複数の搬送路間を昇降機構を用いて受台を昇降させる構成としても良い。また、図6に示すプレス生産装置16のように搬送路31を直線状にしても良い。搬送路31上のすべての金型Kに対してプレス加工や、ワークWの供給・搬出を行うために、加工ゾーン3Aおよび供給ゾーン3Bを挟むように保持ゾーン3Cが配置されている。金型Kの交換をダイセットプレート2の直線的な往復移動のみで行うことができるので、搬送装置3の機構を簡略化することができる。ここで、加工ゾーン3Aと供給ゾーン3Bは独立した配置になっているが、一つにまとめても良い。そして、搬送路31上のダイセットプレート2の数や、金型Kの種類は、搬送路31の形態にかかわらず、金型Kを載置したダイセットプレート2が複数配置されていれば良い。
【0059】
下型LKと上型UKとの間へのワークWの供給およびワークWの搬出は、必ずしもロボットアーム521を用いて行う必要はなく、例えば、作業者が人手で行ってもよい。
【0060】
プレス生産装置1を用いたプレス加工の手順は、前記実施の形態での順序に限らず適宜変更して差し支えない。例えば、プレス生産装置1のように平面視略四角リング状の搬送路31の場合には、前記実施の形態のように、ダイセットプレート2を搬送路31上で一定方向に周回動作させることにより、加工ゾーン3Aと供給ゾーン3Bと保持ゾーン3Cとの間でダイセットプレート2を搬送しても、また、ワークWの種類や用いる金型Kの種類、または搬送装置3の搬送路31の構成に応じて、ダイセットプレート2の搬送方向を変更しても差し支えない。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の金型をプレス機に順番に搬入して、プレス加工を行うようにしたので、小型のプレス生産装置を提供することが可能になり、特に、多品種の生産や、少量生産であっても高い稼動効率を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるプレス生産装置の構成の概略を説明する平面図である。
【図2】搬送装置の構成図である。
【図3】搬送装置およびダイセットプレートを説明する図である。
【図4】プレス生産装置の概略を説明する側面図である。
【図5】プレス生産装置を用いて複数工程のプレス加工を施す場合の手順の一例を説明する図である。
【図6】プレス生産装置の構成の概略を説明する平面図である。
【図7】従来のプレス生産装置の平面図である。
【符号の説明】
1 プレス生産装置
2 ダイセットプレート
3 搬送装置
3A 加工ゾーン
3B 供給ゾーン
3C 保持ゾーン
3D 入れ替えゾーン
4 プレス機
22 ブランクホルダー部
52 ワーク保持部
K 金型
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス加工を行うプレス生産装置および、そのプレス方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプレス生産装置としては、一つの工程に使用する複数の金型を順番にプレス機にセットしてプレス加工を行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、複数の工程に渡ってプレス加工を行うプレス生産装置のレイアウトは、図7に平面図として示すプレス生産装置100のようになる。このプレス生産装置100は、例えば自動車のドアなどのパネルを成形するために用いられ、複数のプレス機101,102,103,104,105がコンベア106の進行方向に沿って配置された直線的な構成になっている。プレス機101〜105は、工程数と同じ数だけ配置されている。この図では、材料置場107から図示しないロボットで一番目のプレス機101に供給される板材は、5つのプレス工程を経て成形パネルとして保管場所に搬出される。さらに、このプレス生産装置100は、プレス機101〜105の金型を交換することで、異なる種類の成形パネルを加工できるようになっている。金型を交換する際には、コンベアを止めて、各プレス機101〜105に連結されている交換台車108に載置されている金型と、プレス機101〜105に装着されている金型とを交換する。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−57519号公報(第3頁、図11)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のプレス生産装置は、一つの工程を一つのプレス機で行う構成のために、工程の数だけプレス機を設置する必要がある。このため、少量生産の場合であっても大型のプレス生産装置を保有しなければならないという問題があった。
【0005】
また、少量生産においては、プレス機の稼働率を向上させようとすると、必要数よりも多い成形パネルを生産して在庫しておくことになるので、中間在庫が多くなり、それに応じた大きな保管場所が必要になる。中間在庫を少なくして保管場所の大きさを最小限に止めようとすると、金型交換の頻度が多くなり、プレス生産装置の稼働率が悪くなる。
【0006】
さらに、一工程、すなわち一つの金型で成形が完了するワークを生産する場合には、プレス機の間に成形が完了したワークを取り出すコンベアなどの設備を設けなければならない。この場合は、例えば図7のプレス機101から搬出されるワークを加工品置場109まで直接搬送するコンベアが必要になる。
【0007】
したがって、本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、小型のプレス生産装置の提供を目的とし、特に、少量生産であっても高い稼動効率を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本発明の請求項1にかかる発明は、一つのプレス機でワークをプレス成形するにあたり、プレス機にワークの加工順序に応じて選択される金型を、ワークのプレス成形が完了するまで順番にプレス機に搬入してプレス成形することを特徴とするプレス方法とした。
【0009】
このようなプレス方法は、金型を一つずつ順番にプレス機に搬入・搬出しながらワークのプレス加工を行う。一つのプレス機で複数の工程に使用する多数の金型を加工順番(工程順番)に従って交換しながらプレス加工することが可能になる。
【0010】
請求項2にかかる発明は、複数種類の金型の中から加工順序に応じた種類の金型を選択してプレス機に供給してプレス加工するプレス方法であって、搬送経路に沿って配置された複数の金型のうちの第一の金型をプレス機に搬入する工程と、第一の金型を用いてワークに第一の成形を行う工程と、第一の金型をプレス機から搬出する工程と、第一の金型から第一の成形を施したワークを取り出す工程と、取り出したワークを第二の金型に供給する工程と、第二の金型をプレス機に搬入する工程と、第二の金型を用いてワークに第二の成形を行う工程とを含むプレス方法とした。
【0011】
このプレス方法によれば、複数の金型を加工順番に沿って配置し、順番にプレス装置でプレス加工することになる。複数の工程から一つの完成品を作製するプレス生産の場合であっても生産計画の変更などに対しても柔軟に対応できる。
【0012】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載のプレス方法において、ワークを取り出す工程と、ワークを供給する工程は、ロボットが金型とワーク置場との間でワークを搬送する工程を含むこととした。
【0013】
このような生産装置は、金型へのワークの交換は、未加工のワーク、中間品、完成品の間で行われる。このため、ロボットを用いて加工進度に合わせた処理を行うようにすることで、効率的な処理を実現する。
【0014】
請求項4にかかる発明は、複数種類の金型の中から加工順序に応じた種類の金型を選択してプレス機に供給してプレス加工するプレス生産装置であって、プレス機によりプレス加工を行う加工ゾーンと、加工待ちの金型が待機する保持ゾーンとを金型の搬送経路に沿って有し、搬送経路に配置しきれない金型を保持する入れ替えゾーンを保持ゾーンから分岐して設けると共に、加工ゾーンから保持ゾーンに金型を搬出する際に金型の移動を許容するアイドルスペースを保持ゾーンに形成するように構成したプレス生産装置とした。
【0015】
このようなプレス生産装置は、一つのプレス機で複数の金型を用いたプレス生産が可能で、完成品や中間品の搬入・搬出を金型の搬送経路の途中で行うようにしたので、生産計画の変更などに対しても柔軟に対応できる。また、金型の入れ替えゾーンを設けたので、多数の金型を入れ替えながら使用することが可能である。
【0016】
請求項5にかかる発明は、請求項4に記載のプレス生産装置において、搬送経路は平面視で略四辺形に構成されていることとした。
【0017】
複数の金型を循環させるようにしてプレス加工を行うことが可能になり、少ない設置スペースで、多種多様な生産形態を採ることが可能になる。
【0018】
請求項6にかかる発明は、請求項5に記載のプレス生産装置において、入れ替えゾーンの分岐点を搬送経路の角部に設けた構成にした。
【0019】
このように構成すると、金型の入れ替えが容易になり、特に多品種少量生産に適する。
【0020】
請求項7にかかる発明は、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のプレス生産装置において、搬送経路内に、金型を上下に開いて、ワークの搬入、または搬出を行う金型引き上げ装置を備えた供給ゾーンを設けた。
【0021】
このプレス生産装置は、プレス工程を行うゾーンとは別に金型を開いてワークの交換を行うゾーンを設けた。これにより、プレス機に要求される上下方向のストローク量を少なくすることができる。
【0022】
請求項8にかかる発明は、請求項7に記載のプレス生産装置において、供給ゾーンに隣接して、金型から搬出した前記ワークを他の金型に搬入するために一時的にワークを保管する中間加工品置場、および完成品置場を設けた。
【0023】
複数の工程で完成する加工品を生産する場合に、順番に搬送、プレス加工を行うためには、一時的にワークを保管する必要がある。したがって、供給ゾーンに中間加工品置場、完成品置場を隣接させることにより、ワークの交換を容易に、かつ確実に行えるようにした。
【0024】
請求項9にかかる発明は、請求項4に記載のプレス生産装置において、搬送経路および入れ替えゾーンにおいて、金型は、ダイセットプレートを介して載置され、移動、および位置決めがされることとした。
【0025】
プレス時や、ワークの交換時の金型の位置決めが容易になる。
【0026】
請求項10にかかる発明は、請求項9に記載のプレス生産装置において、金型である上型と下型とを離間して搬送させるための弾性部材を設けた。
【0027】
搬送経路において、上型およびワークを下型から浮き上がらせることが可能になる。プレス加工前やプレス加工後において上型と下型とでワークが押圧されることを防止する。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すプレス生産装置1は、一つのプレス機4にワークの加工順序に応じて選択される金型K(K1からK12)を、ワークのプレス成形が完了するまで順番に供給し、ワークWをプレス加工するものである。このため、プレス加工を行う加工ゾーン3Aと、ワークWの搬入・搬出を行う供給ゾーン3Bと、加工待ちの金型Kが保持される保持ゾーン3Cと、これらに配置しきれない金型Kを保持する入れ替えゾーン3Dと有し、各ゾーン3A〜3D間の金型Kの移動は、金型Kを保持するダイセットプレート2を搬送装置3および搬送装置6で移動させることにより行われる。
【0029】
図2に詳細に示すように搬送装置3は、平面視四辺形でリング状の搬送路31と、搬送路31に沿ってダイセットプレート2を移動させるための搬送機構32とからなり、金型Kを循環させながらプレス加工やワークWの交換を行わせるようになっている。
【0030】
ここで、搬送路31は、加工ゾーン3Aと、供給ゾーン3Bと、保持ゾーン3Cとに区画され、保持ゾーン3Cには、ダイセットプレート2を順送りするための隙間であるアイドルスペース31a(図1参照)が設定されている。また、前記したように平面視四辺形でリング状の搬送路31の角部の一つは、入れ替えゾーン3Dとの間で金型Kの交換を行うための入れ替えエリア31になっている。
【0031】
図2に示すように搬送機構32は、搬送経路31に沿って配置され、プレス機4における金型交換や、搬送時の金型Kの移動方向の転換を行わせるために用いられるダイリフタ33と、金型搬送チェーン34と、ダイリフタ33と共に昇降するローラ35と、昇降せずに搬送路31に回転可能に据え付けられたローラ36とからなる。
【0032】
ダイリフタ33は、加工ゾーン3A、供給ゾーン3B、および保持ゾーン3Cの角部に設けられており、ダイセットプレート2の移動方向に沿って二本ずつ並列に配置されており、各々に回転可能なローラ35が取り付けられている。このダイリフタ33は、図3に示す搬送経路31の溝33aに昇降可能に収容されており、上昇時にはダイセットプレート2を搬送路31の路面から浮き上がらせることができる。なお、角部においてダイリフタ33が直交するように二組配置されているのは、ダイセットプレート2に移動方向を変更するためである。
【0033】
図2に示すように金型搬送チェーン34は、搬送経路31に沿って四方向に金型Kおよびダイセットプレート2を移動させるために四本敷設されている。この金型搬送チェーン34は、引っ掛けフック37が取り付けられたラチェット付きのチェーンである。引っ掛けフック37は、ダイセットプレート2の搬送方向の先端中央に形成された凹部に係合可能になっている。引っ掛けフック37を係合させた状態でチェーンを搬送方向に駆動させると、上昇させたダイリフタ33のローラ35、またはローラ36の上をダイセットプレート2を移動させることができる。また、チェーンを搬送方向と逆方向に駆動させるとラッチから引っ掛けフック37が倒れて、ダイセットプレート2との係合が解除される。
【0034】
図1に示す搬送装置6は、入れ替えゾーン3Dを形成する搬送路61と、搬送路61に沿ってダイセットプレート2を移動させるための不図示の搬送機構とからなる。この搬送経路61の搬入端には、金型Kをダイセットプレート2ごと受け入れるためのアイドルスペース61aになっている。なお、搬送路61の形状は、生産計画に応じて使用しない金型Kを受け入れたり、必要になった金型Kを搬送路31に受け渡したりできるものであれば、いかなる形状であっても良い。また、搬送機構は、前記の搬送機構32と同様の構成を用いることができる。図1に示す例では、の搬送路31の角部の一つに連結されることで、金型Kの搬入、搬出が容易に行えるようになっている。
【0035】
このような搬送装置3,6により搬送される金型Kは、上型UKと、下型LKとからなり、ダイセットプレート2に載置されて搬送経路を移動するようになっている。
図3および図4に示すようにダイセットプレート2は、上面の所定位置に金型Kを保持するようになっている。ダイセットプレート2は、プレス生産装置1でのプレス加工に用いる複数種類の金型Kに対応して設けられており、各ダイセットプレート2がそれぞれ一の金型Kを保持するようになっている。金型Kは上型UKと下型LKとからなり、下型LKはプレス加工時、上型UKとでワークWを保持するブランクホルダー部22を備えている。ブランクホルダー部22は、ガススプリングで上向きに付勢されているシリンダロッド22aに固定された支持部22bを有し、ワークWおよび弾性部材22cを介して上型UKを弾性的に支持するものである。前記ブランクホルダー部22の外縁はワークWよりも外側に位置し、前記ワークWより外側の支持部22bの上面にウレタンゴムなどの弾性部材22cを配置し、前記弾性部材22cで上型UKと下型LKとの間に間隔を設けて両者の干渉を防いでいる。これにより上型ULとワークWとの間に間隔が形成され、プレス加工時以外に未加工もしくは加工済みのワークWが上型UKに押圧されて変形することを防止する。この弾性部材22cは上型UKの自重によっては潰れないが、プレス機の加圧力には屈して縮小するような部材である。ブランクホルダー部22は下型LKとワークWとの間にも間隔を設けるようにワークWを保持しても良い。
【0036】
図4に示すようにプレス機4は、ダイセットプレート2が載置されるベッド41とダイセットプレート2上に載置された金型Kを加圧するためのラム42と、ラム42を昇降させて金型Kを加圧する図示しない加圧機構とからなる。プレス機構4は、加圧機構でラム42をベッド41の上方から下降させて上型UKと下型LKとでワークWを加圧することにより、上型UKと下型LKとの間に載置されたワークWをプレス加工するようになっている。
【0037】
ワーク供給装置5は、金型Kの上型UKを昇降するための昇降手段である上型保持部51と、金型KからのワークWの取り出しまたは金型KへのワークWの供給を行うためのワーク保持手段であるワーク保持部52と、を備える。
【0038】
上型保持部51は、複数の支柱511間に昇降部材512を架け渡して構成され、昇降部材512に設けられたクランプ部513で上型UKを把持した状態で、昇降部材512が支柱511の上下方向に移動することにより、上型UKを昇降させるようになっている。
【0039】
ワーク保持部52は、多関節のロボットアーム521の先端にマテリアルハンドである把持部522を備え、把持部522でワークWを把持した状態で、ロボットアーム521を動作させることにより、ワークWを所望位置に所望の姿勢で保持できるようになっている。なお、把持部522は、ワークの形状に応じて適宜交換されるものとする。
【0040】
このような構成のワーク供給装置5は、供給ゾーン3Bに移動してきたダイセットプレート2上の金型Kの上型UKを上型保持部51で上昇させた後、下型LK上のワークWをワーク保持部52で把持して下型LKと上型UKとの間から取り出し、また、新たなワークWを下型LK上に載置して、上型保持部51で上型UKを下降させてワークWを上型UKと下型LKとの間に供給するようになっている。
【0041】
次に、プレス生産装置1を用いたプレス生産方法を図1から図5を参照して説明する。なお、以下においては、プレス加工の形態として自動車のフロントドア用のパネルを2工程でプレス加工する場合を例にして説明する。このため、金型Kは、右側のフロントドアのインナパネル用の金型K1および金型K2、ならびにアウタパネル用の金型K3および金型K4と、左側のフロントドアのインナパネル用の金型K5および金型K6、ならびにアウタパネル用の金型K7および金型K8の合計8つが、この順番に配置されているものとする。また、生産の開始点は下記に限定されるものでない。
【0042】
まず、図5(b)に示すように供給ゾーン3Bにおいて上型保持部51により金型K1を開く。この金型K1にはワークが存在するので、このワークをワーク保持部52で取り出す。金型K1は、右側のフロントドアのインナパネルの第一工程の金型であるので、ワーク保持部52は、取り出したワークを中間品置場13に搬送する。そして、ワーク供給部11から未加工のワーク(シート材)を一枚搬出して、金型K1の下型LKに供給する。未加工のワークの供給が終わったら、図5(c)のように上型保持部51が上型UKを下降させる。上型UKは金型浮上機構により、下型から所定の高さだけ浮いた状態になる。なお、金型Kの種類は、ダイセットプレート2に取り付けられるユニークな情報を図示しないセンサで読み取って識別する。このユニークな情報を読み取るタイミングは、ダイセットプレート2が供給ゾーン3Bに入ってきたときであり、読み取った情報は図示しない制御装置に送られる。
【0043】
次に、搬送装置3は、ダイセットプレート2を順次移動させる。まず、加工ゾーン3Aにダイセットプレート2は、制御装置の指示に基づいてアイドルスペース31aに移動させられる。このときの制御装置は、以下の二つの条件を確認して、すべての条件を満たした場合に加工ゾーン3Aからの搬出を許可する。まず、アイドルスペース31aに位置するダイセットプレート検知センサが、アイドルスペース31aにダイセットプレート2が存在しない旨の信号(空信号)を出力していることを確認する。さらに、加工ゾーン3Aのプレス機に設けられたセンサから加工完了の信号が出力されていることを確認する。
【0044】
制御装置から搬出許可が下りると、ダイリフタ33(図2参照)が上昇し、ダイセットプレート2を3mmから5mm程度浮上させる。これにより、ダイセットプレート2は、ダイリフタ33のローラ35に乗った状態、つまり移動可能な状態になる。ここで、ダイリフタ33が上昇してもダイセットプレート2にはチェーン34に固定された引っ掛けフック37が係合したままなので、この状態でチェーン34を搬出方向に駆動させると、ダイセットプレート2が引き出されるように移動する。ダイセットプレート2がアイドルスペース31aの所定位置まで移動させられると、ダイセットプレート検知センサがダイセットプレート2の存在を検知するので、制御装置はチェーン34の駆動停止をモータに伝達し、ダイセットプレート2を停止させる。
【0045】
これにより加工ゾーン3Aに空になるので、供給ゾーン3Bのダイセットプレート2が制御装置の制御に基づいて加工ゾーン3Aに移動させられる。この際に制御装置は、前記した二つの条件に加えて、三つ目の条件として供給ゾーン3Bにある金型KへのワークWの入れ替え作業が完了したことを確認できたら、移動を許可する。
【0046】
制御装置から移動許可が下りたら、引っ掛けフック37で係合しているチェーン34を搬送方向に駆動させてダイセットプレート2を引き出すようにして加工ゾーン3Aに搬入する。ダイセットプレート2が所定位置まで来たことをセンサが検知したら、制御装置は停止信号を出力し、チェーン34の駆動用モータを停止させる。ここで、加工ゾーン3Aのダイリフタ33が下降し、金型Kおよびダイリフタ33を所定位置に固定する。チェーン34の引っ掛けフック37は自動的に、もしくはモータの逆回転により元の位置に戻る。
【0047】
以上により供給ゾーン3Bが空になるので、保持ゾーン3Cのダイセットプレート2を一つずつ移動させる。まず、制御装置は、供給ゾーン3Bにダイセットプレート2が存在しないことを確認し、保持ゾーン3Cに全ての検知ポイントにおいてダイセットプレート2が存在していることを確認する。この状態は供給ゾーン3Bのみにダイセットプレート2が居ない状態を示すので、保持ゾーン3Cの中で供給ゾーン3Bに一番近くに位置するダイセットプレート2の移動命令を出力する。これにより、図5(a)に示すような金型Kを載置しているダイセットプレート2が引っ掛けフック37に引き出されるようにして移動させられ、供給ソーン3Bに搬入される。
【0048】
そして、この移動により形成される空スペースを埋めるように、ダイセットプレート2が順番にチェーン34で搬送される。すると、加工ゾーン3Aから移動してきたダイセットプレート2と他の保持ゾーン3C内のダイセットプレート2との間にスペースが発生するので、このスペースを埋めるように、ダイセットプレート2がさらに移動する。これにより、次の移動時のためのアイドルスペース31aが確保される。
【0049】
図5(a)に示すように加工ゾーン3Aに移動させられたダイセットプレート2に対しては位置決めが行われる。ここでの位置決めは、ダイセットプレート2に形成した位置決め用の穴を用いるなどして、位置決めをしたら、プレス機4のラム部が下降し、金型K1を自動的に締め付けて固定する。その後、ラム部はさらに下降するので、金型K1が押圧されてワークがプレス成形される。所定の押圧力を作用させてワークのプレス加工が終了したら、ラム部は金型K1の締め付けを解除してから上昇する。本実施形態のプレス機はワークを挟んだ状態の金型K1を押圧してプレス成形を行うので、上型UKを保持した状態で昇降させるプレス機よりもラム部の加工ストロークを小さくすることができる。例えば、ワークの搬入搬出も行う一般的に汎用プレス機の加工ストロークが500mm〜600mmとすると、本実施形態のプレス機の加工ストロークは160mm〜200mmにすることができる。
【0050】
ラム部が上昇した後の金型K1は、上型UKをブランクホルダー部22により所定の高さだけ浮かせた状態になる。そして、上型UKと下型LKとの間にプレス成形したワークWを挟んだままで、搬送装置3により保持ゾーン3Cに移動させられる。
【0051】
一方、金型K1でプレス成形が行われている間、供給ゾーン3Bでは金型K2に対するワークの交換が行われる。供給ゾーン3Bは、ダイセットプレート2に付与されたユニークな情報をセンサで読み取って、制御装置に伝送する。読み取った情報から、金型K2が右側のフロントドアのインナパネルの第二工程で用いられる金型であることが識別されるので、ワーク保持部52は、金型K2から第二工程の終了した、成形完了品を取り出して、完成品置場である加工品置場12に載置する。その後に、ワーク保持部52は、先に金型K1から取り出し、中間品置き場に仮置きしてある第一工程が終了したワークWを取り出す。取り出されたワークWは、上型保持部51により開かれた金型K2に搬入される。ワークWが搬入された後は、前記と同様にして上型UKが降り、所定の高さで浮いた状態でダイセットプレート2が加工ゾーン3Aに移動させられ、第二工程のプレス成形が行われる。なお、加工品置場12をコンベア、シュータから構成し、加工品置場12に置かれたワークが自動的に他の工程に運ばれるようにしても良い。
【0052】
以降は、ダイセットプレート2を搬送路31に沿って、順次搬送して、ワークWの交換、プレス加工を行う。なお、供給ゾーン3Bにおいて、三番目の金型K3からは右側のフロンドドアのアウタパネルの第一工程が終了したワークWが中間品置場に取り出され、未加工のワークWが搬入される。四番目の金型K4から右側のフロンドドアのアウタパネルの第二工程が終了したワークが加工品置場12に取り出され、仮置きされている第一工程終了後のワークが搬入される。そして、五番目の金型K5では左側のフロンドドアのインナパネルの第一工程が終了したワークWと未加工のワークWの交換が行われる。六番目の金型K6では左側のフロンドドアのインナパネルの第二工程が終了したワークと第一工程が終了したワークWの交換が行われる。七番目の金型K7では左側のフロンドドアのアウタパネルの第一工程が終了したワークWと未加工のワークWの交換が行われる。八番目の金型K8では左側のフロンドドアのアウタパネルの第二工程が終了したワークWと第一工程が終了したワークWの交換が行われる。
【0053】
ここで、搬送経路31にある金型K1〜K8(およびダイセットプレート2)と、入れ替えゾーン3Dにある金型K9〜K12を交換する場合について、図1に示す位置にある金型K3〜K6と、金型K9〜K12を交換する場合を例にして説明する。
【0054】
まず、入れ替えエリア31bにある金型K3を入れ替えゾーン3Dのアイドルスペース61aに移動させる。これにより入れ替えエリア31bが空くので、入れ替えゾーン3Dに待機している金型K9を入れ替えエリア31bに移動させる。
【0055】
次に、搬送装置3を稼動させて、搬送路31に沿って、金型K1〜K2、金型K9、金型K4〜K8を順次移動させる。すると、搬送路31に沿った移動により金型K4が入れ替えエリア31bに到達する。一方、搬送装置6も稼動させて、金型K3、金型K10〜金型K12を搬送路61に沿って、順次移動させる。搬送路61に沿った移動により金型K10が入れ替えエリア31bに臨む位置に移動する。また、搬送路61において入れ替えエリア31bに隣接する箇所が一つ空いて、アイドルスペース61aとなる。
【0056】
この状態で、金型K4をアイドルスペース61aに移動させる。次いで、金型K4の移動により空いた入れ替えエリア31bに金型K10を移動させる。以降は、搬送路31,61に沿って順次移動させるなどにより、金型K5と金型K11の交換、および金型K6と金型K12の交換を行う。これにより、搬送経路31には金型K1、金型K2、金型K7から金型K12が、搬送経路61には金型K3から金型K6がそれぞれ配置される。
【0057】
このようにプレス生産装置1は、一つのプレス機4で種類の異なる複数の金型Kを交換しつつ、プレス加工を行うので、多品種の生産や、少量生産で金型Kの交換頻度が高い場合であっても、少ない設置面積で効率的な生産を行うことが可能である。また、金型KにワークWを内装したままで搬送経路31,61を移動させるので、中間品の保管場所も少なくて済む。そして、搬送経路31の途中において金型Kの入れ替えゾーン3Dをリンクさせたので、さらに多数の金型Kを利用することが可能である。さらに、プレス機4の加工ストロークを短くできるので、プレス機4を安価にすることができ、生産のタクトタイムも減少させることができる。このタクトタイムの減少は、加工ゾーン3Aと供給ゾーン3Bとを分離することの効果としてもあげることができる。
【0058】
なお、本発明のプレス生産装置は、前記実施形態でのプレス生産装置1に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り適宜変更して差し支えない。例えば、ダイセットプレート2を搬送するための搬送装置3を構成する搬送路31は、前記実施の形態での搬送路31のように略四辺形のリング状のものに限定されず、例えば、床面からの高さが異なる複数の搬送路間を昇降機構を用いて受台を昇降させる構成としても良い。また、図6に示すプレス生産装置16のように搬送路31を直線状にしても良い。搬送路31上のすべての金型Kに対してプレス加工や、ワークWの供給・搬出を行うために、加工ゾーン3Aおよび供給ゾーン3Bを挟むように保持ゾーン3Cが配置されている。金型Kの交換をダイセットプレート2の直線的な往復移動のみで行うことができるので、搬送装置3の機構を簡略化することができる。ここで、加工ゾーン3Aと供給ゾーン3Bは独立した配置になっているが、一つにまとめても良い。そして、搬送路31上のダイセットプレート2の数や、金型Kの種類は、搬送路31の形態にかかわらず、金型Kを載置したダイセットプレート2が複数配置されていれば良い。
【0059】
下型LKと上型UKとの間へのワークWの供給およびワークWの搬出は、必ずしもロボットアーム521を用いて行う必要はなく、例えば、作業者が人手で行ってもよい。
【0060】
プレス生産装置1を用いたプレス加工の手順は、前記実施の形態での順序に限らず適宜変更して差し支えない。例えば、プレス生産装置1のように平面視略四角リング状の搬送路31の場合には、前記実施の形態のように、ダイセットプレート2を搬送路31上で一定方向に周回動作させることにより、加工ゾーン3Aと供給ゾーン3Bと保持ゾーン3Cとの間でダイセットプレート2を搬送しても、また、ワークWの種類や用いる金型Kの種類、または搬送装置3の搬送路31の構成に応じて、ダイセットプレート2の搬送方向を変更しても差し支えない。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の金型をプレス機に順番に搬入して、プレス加工を行うようにしたので、小型のプレス生産装置を提供することが可能になり、特に、多品種の生産や、少量生産であっても高い稼動効率を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるプレス生産装置の構成の概略を説明する平面図である。
【図2】搬送装置の構成図である。
【図3】搬送装置およびダイセットプレートを説明する図である。
【図4】プレス生産装置の概略を説明する側面図である。
【図5】プレス生産装置を用いて複数工程のプレス加工を施す場合の手順の一例を説明する図である。
【図6】プレス生産装置の構成の概略を説明する平面図である。
【図7】従来のプレス生産装置の平面図である。
【符号の説明】
1 プレス生産装置
2 ダイセットプレート
3 搬送装置
3A 加工ゾーン
3B 供給ゾーン
3C 保持ゾーン
3D 入れ替えゾーン
4 プレス機
22 ブランクホルダー部
52 ワーク保持部
K 金型
Claims (10)
- 一つのプレス機でワークをプレス成形するにあたり、前記プレス機に前記ワークの加工順序に応じて選択される金型を、前記ワークのプレス成形が完了するまで順番に前記プレス機に搬入してプレス成形することを特徴とするプレス方法。
- 複数種類の金型の中から加工順序に応じた種類の金型を選択してプレス機に供給してプレス加工するプレス方法であって、
搬送経路に沿って配置された複数の金型のうちの第一の金型をプレス機に搬入する工程と、
前記第一の金型を用いてワークに第一の成形を行う工程と、
前記第一の金型を前記プレス機から搬出する工程と、
前記第一の金型から前記第一の成形を施した前記ワークを取り出す工程と、
取り出した前記ワークを第二の金型に供給する工程と、
前記第二の金型を前記プレス機に搬入する工程と、
前記第二の金型を用いて前記ワークに第二の成形を行う工程と、
を含むことを特徴とするプレス方法。 - 前記ワークを取り出す工程と、前記ワークを供給する工程は、ロボットが前記金型とワーク置場との間で前記ワークを搬送する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のプレス方法。
- 複数種類の金型の中から加工順序に応じた種類の金型を選択してプレス機に供給してプレス加工するプレス生産装置であって、
前記プレス機によりプレス加工を行う加工ゾーンと、加工待ちの前記金型が待機する保持ゾーンとを前記金型の搬送経路に沿って有し、前記搬送経路に配置しきれない金型を保持する入れ替えゾーンを前記保持ゾーンから分岐して設けると共に、前記加工ゾーンから前記保持ゾーンに前記金型を搬出する際に前記金型の移動を許容するアイドルスペースを前記保持ゾーンに形成するように構成したことを特徴とするプレス生産装置。 - 前記搬送経路は平面視で略四辺形に構成されていることを特徴とする請求項4に記載のプレス生産装置。
- 前記入れ替えゾーンの分岐点を前記搬送経路の角部に設けたことを特徴とする請求項5に記載のプレス生産装置。
- 前記搬送経路内に、前記金型を上下に開いて、前記ワークの搬入、または搬出を行う金型引き上げ装置を備えた供給ゾーンを設けたことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のプレス生産装置。
- 前記供給ゾーンに隣接して、前記金型から搬出した前記ワークを他の前記金型に搬入するために一時的に前記ワークを保管する中間加工品置場、および完成品置場を設けたことを特徴とする請求項7に記載のプレス生産装置。
- 前記搬送経路および前記入れ替えゾーンにおいて、前記金型は、ダイセットプレートを介して載置され、移動、および位置決めがされることを特徴とする請求項4に記載のプレス生産装置。
- 前記金型である上型と下型とを離間して搬送させるための弾性部材を設けたことを特徴とする請求項9に記載のプレス生産装置。
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