JP2004136300A - プレスライン - Google Patents
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Abstract
【課題】設置面積や設備費用の増大を招かずに生産効率をより一層高めることができるように構成された多品種少量生産に特化したプレスラインを提供する。
【解決手段】1基のプレス機で複数工程をサイクル生産するプレスラインにおいて、プレス機6に対する材料の投入及び成型品の取り出しを行うべく旋回アームを備えた汎用ロボット5を、当該ロボットの旋回アームの作動範囲内に設けられた保持具の保管台12にアクセスして保持具の交換を自動的に行うようにプログラムすると共に、プレス機に中間工程品を搬送する搬送装置9上に中間工程品を位置決め載置する作業領域を、プレス機の金型交換作業領域から離間したところに設定するものとする。これにより、プレス機の金型交換作業と搬送機の保持具あるいは位置決め治具の交換作業とを同時に行うことができるので、段取り替えに要する時間の短縮が可能となり、ライン全体としての稼働率を高めることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】1基のプレス機で複数工程をサイクル生産するプレスラインにおいて、プレス機6に対する材料の投入及び成型品の取り出しを行うべく旋回アームを備えた汎用ロボット5を、当該ロボットの旋回アームの作動範囲内に設けられた保持具の保管台12にアクセスして保持具の交換を自動的に行うようにプログラムすると共に、プレス機に中間工程品を搬送する搬送装置9上に中間工程品を位置決め載置する作業領域を、プレス機の金型交換作業領域から離間したところに設定するものとする。これにより、プレス機の金型交換作業と搬送機の保持具あるいは位置決め治具の交換作業とを同時に行うことができるので、段取り替えに要する時間の短縮が可能となり、ライン全体としての稼働率を高めることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレスラインに関し、特に多品種少量生産での生産性をより一層高めることのできるプレスラインに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
板金のプレス加工を行うプレスラインにおいては、所定形状の製品をシート材から成型するのに、例えば図8に示すように、シート材から基本的な製品形状を造り出すドロー加工を行う第1工程、ドロー加工された成型品から外周の不要部分を切除するトリミング加工を行う第2工程、成型品に孔を開けるピアス加工を行う第3工程、曲げ込みを行って最終製品形状を成型するバーリング加工を行う第4工程の4つの工程を経て最終製品が製造される。この際、加工目的物の形状や搬送姿勢が工程毎に異なることになるので、搬送装置に設けられる位置決め治具(ネスト)や保持具(ハンドリングアタッチメント)を、製品の種類および工程に応じて用意しておかねばならない。また、加工目的物が変わる都度、その工程毎に金型交換や治具交換などの段取り替えを行わねばならない(例えば、特開平6−328164号公報を参照されたい)。
【0003】
特に、少品種多量生産向きに計画された従来の自動化プレスラインにおいては、プレス機の金型交換は自動で行われているが、プレス機に対する加工目的物の投入、或いは取り出しを行うロボット及び搬送機の位置決め治具や保持具の交換は作業者の人手によって行われていた。そのため、この作業を金型交換と同時に行うことは安全性確保の面から許されず、段取り替えの時間短縮が困難であった。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−328164号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、少品種多量生産向きに計画された自動化プレスラインの場合は、同一製品を長時間に渡って製造し続けるので、プレス機の稼働時間に対する段取り替え時間の比率は比較的低くて済むが、多品種少量生産の場合は、段取り替えを頻繁に行わねばならないので、プレス機の稼働時間に対する段取り替え時間の比率が相対的に高くならざるを得ない。そのため、従来の少品種多量生産向き自動化プレスラインのシステム構成を踏襲して多品種少量生産における生産性を高めようとすると、多品種に対応させるための位置決め治具や保持具がこれまで以上に多数必要となるので、スペース効率の低下や製造コストの増大を余儀なくされる。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、設置面積や設備費用の増大を招かずに生産効率をより一層高めることができるように構成された多品種少量生産に特化したプレスラインを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明は、1基のプレス機で複数工程をサイクル生産するプレスラインにおいて、プレス機に対する材料の投入及び成型品の取り出しを行うべく旋回アームを備えた汎用ロボットを、当該ロボットの旋回アームの作動範囲内に設けられた保持具の保管台にアクセスして保持具の交換を自動的に行うようにプログラムすると共に、プレス機に中間工程品を搬送する搬送装置上に中間工程品を位置決め載置する作業領域を、プレス機の金型交換作業領域から離間したところに設定するものとした。
【0008】
このようにすれば、プレス機の金型交換作業と搬送機の保持具あるいは位置決め治具の交換作業とを同時に行うことができるので、段取り替えに要する時間の短縮が可能となり、ライン全体としての稼働率を高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明に基づき構成されたプレスラインの全体レイアウトを示している。このプレスラインは、シート材分離装置1、シート材取出しロボット2、シート材洗浄装置3、シート材位置決め装置4、ローディングロボット5、プレス機6、アンローディングロボット7、成型品搬送コンベア8、及び中間工程品搬送装置9からなっている。
【0011】
シート材分離装置1は、図2に併せて示すように、シート材載置テーブル1a及び複数の分離ヘッド1bからなっている。シート材載置テーブル1a上には、取り扱うシート材の寸法・形状に応じて材料支持台1cの位置を任意に変更できるように、材料支持台1cを装着するための孔が等間隔で多数開けられている。そしてシート材の寸法・形状に応じて位置決めされた複数の材料支持台1c上に、20枚から400枚重ねのシート材Sがフォークリフト或いは天井クレーンで下ろされた後、これらの重なったシート材Sは、磁力とノズルから噴出する圧縮空気とを利用した分離ヘッド1bにより、1枚ずつ分離して取り出せるように捌かれる。なお、複数の分離ヘッド1bは、シート材Sの輪郭の違いに応じて常にシート材Sの端縁に当接させることができるように、個々に首振り可能且つ流体圧シリンダによって進退可能に構成されている。
【0012】
分離ヘッド1bで捌かれたシート材Sは、旋回および昇降可能なアーム2aを有するシート材取出しロボット2によって上から順に一枚ずつ取り出され、洗浄装置3に送り込まれる。
【0013】
シート材取出しロボット2は、多関節型の汎用ロボットであり、そのアーム2aの先端には、図3に示すように、取り扱うシート材の寸法・形状に応じて変更可能なアタッチメント式に構成された保持具11が装着されている。この保持具11は、ロボット2のアーム端に設けられたエア駆動或いは電磁駆動の自動チャッキング装置2bによって着脱自在に構成されたベース部11aと、ベース部11aに対してワンタッチ式のトグルクランプなどを介して結合されたパイプアーム11bと、取り扱うシート材の寸法・形状に応じてパイプアーム11b上の適宜な位置に配置された複数のエア吸着盤11cとを備えており、エア吸着盤11cに負圧を供給することによってシート材を吸着・保持し、負圧を断つことでシート材を放すようになっている。
【0014】
ここでロボット2のシート材搬送ミスを検知するために、エア吸着盤11cの真空圧を常時監視するようになっている。そして吸着ミスやシート材の途中落下が真空圧の低下(正圧になる)によって検知された場合には、自動的に運転を停止すると同時に警報を発するようになっている。
【0015】
他方、交換用保持具11は、ロボット2の背後に設置された架台12上の規定位置に支持されており、別途入力されるシート材の種別信号に応じてアーム2a及び自動チャッキング装置2bをロボット2が自ら制御して保持具11の交換を行うように、予めティーチングされたプログラムに従って作動するようになっている。
【0016】
なお、ロボット2の作動範囲は、汎用機の仕様をそのまま利用できるように計画されており、設備費用の低廉化が図られている。
【0017】
シート材洗浄装置3は、外観部品の生産性並びに品質向上のためにシート材Sの表面を洗浄するものであり、シート材取出しロボット2が取り出したシート材Sを装置内に送り込ませるためのシート材搬送コンベア3aを備えている。このシート材搬送コンベア3aは、シート材Sがばたつかないようにするために、電動駆動される帯磁ベルトを備えている。また帯磁ベルトだけではシート材Sの重量を支持できないので、荷重を支持するための補助ローラコンベアが併設されている。シート材搬送コンベア3aには、板厚センサが設けられており、搬送されるシート材Sの板厚を検知し、板厚の異なるものの混在や、2枚重ねを検知した場合には、自動的に運転を停止すると同時に警報を発するようになっている。
【0018】
シート材洗浄装置3は、上下両面からシート材Sを挟み込んで洗浄装置内へ取り込む摩擦駆動ローラ3bと、ノズルから洗浄液を吹き付けると同時にシート材Sの表面からゴミなどを擦り取るためのブラシローラ3cと、シート材Sの上下両面に付着した洗浄液を洗浄後の部分から除去するための洗浄液除去ローラ3dとからなっている。各ローラは、電動モータによって駆動される。
【0019】
シート材洗浄装置3から排出されたシート材Sは、その位置のばらつきが大きく、そのままではプレス機6の金型の所定の位置へ投入することはできないので、ローディングロボット5が取り上げて旋回しただけでプレス機6の金型に投入できるようにするために、シート材位置決め装置4によって事前に位置決めが行われる。
【0020】
シート材位置決め装置4は、図4及び図5に示すように、シート材洗浄装置3から排出されたシート材Sが自由に移動できるようにローラテーブル4aを備えている。そしてローラテーブル4aの周囲には、流体圧シリンダ4b或いはボールスクリュー機構4cで作動する位置決めストッパ4d・4e・4fが前後左右に設けられており、別途入力されるシート材Sの種別信号に応じて規定されたストロークに従って各ストッパ4d・4e・4fがローラテーブル4aの搬送面上に突出して移動するようになっている。これにより、ローラテーブル4a上のシート材Sの前後左右位置が自動的に規定されるようになっている。
【0021】
シート材位置決め装置4上に位置決め載置されたシート材Sあるいは中間工程品搬送装置9で送られた中間工程品Mは、図6に併せて示すように、シート材位置決め装置4に設けられた例えば電磁式の近接センサが発する位置決め完了信号、あるいは中間工程品搬送装置9の前進完了信号に応じて起動するローディングロボット5により、プレス機6の金型6aに投入される。
【0022】
このローディングロボット5は、シート材取出しロボット2と同一仕様のロボットを利用しており、吸着ミスやシート材の途中落下がエア吸着盤の真空圧から検知された場合に自動的に運転を停止し且つ警報を発する点、およびロボットの背後に設置された架台12に支持された交換用保持具を加工目的物の違いに応じてロボット5が自ら交換する点は、シート材取出しロボット2と同様である。
【0023】
プレス機6は、ローディングロボット5で搬送されたシート材Sあるいは中間工程品Mを金型6aで加工するための装置であり、金型6aに取り付けられた材料投入センサが、加工目的物の投入されたことを検知すると起動する。
【0024】
プレス機6で加工された成型品は、ローディングロボット5と実質的に同一仕様のアンローディングロボット7によって金型6a内から取り出され、成型品搬送コンベア8にて中間工程品置き場P、あるいは完成品置き場へと搬出される。
【0025】
成型品搬送コンベア8は、周知のベルトコンベアであり、適宜な枚数をまとめて間欠的に搬送しても良いし、プレス機6のタクト時間に合わせた速度で連続的に搬送しても良い。駆動源にインバータモータのような可変速モータを用い、搬送速度を任意に制御可能に構成することが好ましい。
【0026】
このプレスラインは、全工程を1台のプレス機6で加工するように構成されている。従って、アンローディングロボット7によってプレス機から取り出された中間工程品Mは、所定の保管場所に仮置きされる。そして適宜な数量の中間工程品Mが製造されたところで次工程のための段取り替えを行い、その後に中間工程品Mをプレス機6に再投入するが、この中間工程品Mは洗浄装置3を通らないので、別ルートでローディングロボット5の作業エリアに搬送する必要がある。
【0027】
そのための搬送装置として、プレス機6の金型交換エリアEに隣接する位置に、中間工程品搬送装置9が設置されている。この中間工程品搬送装置9上からローディングロボット5が取り出してアーム5aを所定角度旋回させるだけでプレス機6の金型6aに中間工程品Mを投入することができるように、中間工程品搬送装置9の反プレス機側の移動端には、部品毎に交換可能な位置決め治具が取り付けられた昇降装置13が設置されている。
【0028】
この昇降装置13と中間工程品搬送装置9とは、図7に示すように、共にフォーク状の中間工程品受け台9a・13aを備えており、所定位置では互いのフォークの隙間で干渉せずに上下にすり抜けられるようになっており、昇降装置13の中間工程品受け台13aの位置決め治具上に中間工程品Mを人手により載置して起動ボタンを押すと、中間工程品搬送装置9の中間工程品受け台9aの下方へ昇降装置13が下降し、この際に中間工程品搬送装置9の中間工程品受け台9a上に中間工程品Mが載置されるようになっている。そしてこれを検知して中間工程品搬送装置9がローディングロボット5に向けて中間工程品Mを搬送するようになっている。中間工程品搬送装置9は、ガイドレール9b上を走行する台車9cの前後にリンクチェーンを掛け渡し、リンクチェーンを減速機付きモータで往復駆動することにより、搭載場と荷下ろし場との間を往復移動するようになっている。このようにして、プレス機6の稼働エリアから離れた位置で中間工程品Mを作業員が取り扱うので、昇降装置13の位置決め治具の交換作業をプレス機6の金型交換と同時に行うことができる。
【0029】
なお、シート材分離装置1上に投入されたシート材Sを取り出すシート材取出しロボット2は、中間工程を行う間は休止しており、保持具11の交換頻度は他のロボット5・7に比して格段に低い。従って、このシート材取出しステージでの保持具11の交換作業は、自動化を省略しても全体的な段取り替え時間に影響を及ぼさずに済むので、本実施例のシート材取出しステージにおいては、交換用保持具11の自動交換を行うための架台12を省略している。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述した通り本発明によれば、プレス加工の全工程を1基のプレス機で行うが、搬送システムに汎用ロボットを採用してその自由度を生かすことにより、プレス金型の交換作業と搬送システムの位置決め治具や保持具の交換作業とを同期させることができる。従って、一つの製品の製造に複数工程必要な場合に、全製造工程に要する時間に対する段取り替え時間の比率を低くすることができ、多品種少量生産における生産効率を高める上に多大な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプレスラインの全体レイアウト図
【図2】シート材取出しロボットの作業エリアを示す側面図
【図3】保持具の斜視図
【図4】サイドストッパの概略構成図
【図5】フロント(リア)ストッパの概略構成図
【図6】ローディングロボットの作業エリアを示す側面図
【図7】昇降装置と中間工程品搬送装置との関係図
【図8】本プレスラインの工程図
【符号の説明】
1 シート材分離装置
2 シート材取出しロボット
3 シート材洗浄装置
4 シート材位置決め装置
5 ローディングロボット
6 プレス機
7 アンローディングロボット
8 成型品搬送コンベア
9 中間工程品搬送装置
11 交換用保持具
12 架台
13 昇降装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレスラインに関し、特に多品種少量生産での生産性をより一層高めることのできるプレスラインに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
板金のプレス加工を行うプレスラインにおいては、所定形状の製品をシート材から成型するのに、例えば図8に示すように、シート材から基本的な製品形状を造り出すドロー加工を行う第1工程、ドロー加工された成型品から外周の不要部分を切除するトリミング加工を行う第2工程、成型品に孔を開けるピアス加工を行う第3工程、曲げ込みを行って最終製品形状を成型するバーリング加工を行う第4工程の4つの工程を経て最終製品が製造される。この際、加工目的物の形状や搬送姿勢が工程毎に異なることになるので、搬送装置に設けられる位置決め治具(ネスト)や保持具(ハンドリングアタッチメント)を、製品の種類および工程に応じて用意しておかねばならない。また、加工目的物が変わる都度、その工程毎に金型交換や治具交換などの段取り替えを行わねばならない(例えば、特開平6−328164号公報を参照されたい)。
【0003】
特に、少品種多量生産向きに計画された従来の自動化プレスラインにおいては、プレス機の金型交換は自動で行われているが、プレス機に対する加工目的物の投入、或いは取り出しを行うロボット及び搬送機の位置決め治具や保持具の交換は作業者の人手によって行われていた。そのため、この作業を金型交換と同時に行うことは安全性確保の面から許されず、段取り替えの時間短縮が困難であった。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−328164号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、少品種多量生産向きに計画された自動化プレスラインの場合は、同一製品を長時間に渡って製造し続けるので、プレス機の稼働時間に対する段取り替え時間の比率は比較的低くて済むが、多品種少量生産の場合は、段取り替えを頻繁に行わねばならないので、プレス機の稼働時間に対する段取り替え時間の比率が相対的に高くならざるを得ない。そのため、従来の少品種多量生産向き自動化プレスラインのシステム構成を踏襲して多品種少量生産における生産性を高めようとすると、多品種に対応させるための位置決め治具や保持具がこれまで以上に多数必要となるので、スペース効率の低下や製造コストの増大を余儀なくされる。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、設置面積や設備費用の増大を招かずに生産効率をより一層高めることができるように構成された多品種少量生産に特化したプレスラインを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明は、1基のプレス機で複数工程をサイクル生産するプレスラインにおいて、プレス機に対する材料の投入及び成型品の取り出しを行うべく旋回アームを備えた汎用ロボットを、当該ロボットの旋回アームの作動範囲内に設けられた保持具の保管台にアクセスして保持具の交換を自動的に行うようにプログラムすると共に、プレス機に中間工程品を搬送する搬送装置上に中間工程品を位置決め載置する作業領域を、プレス機の金型交換作業領域から離間したところに設定するものとした。
【0008】
このようにすれば、プレス機の金型交換作業と搬送機の保持具あるいは位置決め治具の交換作業とを同時に行うことができるので、段取り替えに要する時間の短縮が可能となり、ライン全体としての稼働率を高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明に基づき構成されたプレスラインの全体レイアウトを示している。このプレスラインは、シート材分離装置1、シート材取出しロボット2、シート材洗浄装置3、シート材位置決め装置4、ローディングロボット5、プレス機6、アンローディングロボット7、成型品搬送コンベア8、及び中間工程品搬送装置9からなっている。
【0011】
シート材分離装置1は、図2に併せて示すように、シート材載置テーブル1a及び複数の分離ヘッド1bからなっている。シート材載置テーブル1a上には、取り扱うシート材の寸法・形状に応じて材料支持台1cの位置を任意に変更できるように、材料支持台1cを装着するための孔が等間隔で多数開けられている。そしてシート材の寸法・形状に応じて位置決めされた複数の材料支持台1c上に、20枚から400枚重ねのシート材Sがフォークリフト或いは天井クレーンで下ろされた後、これらの重なったシート材Sは、磁力とノズルから噴出する圧縮空気とを利用した分離ヘッド1bにより、1枚ずつ分離して取り出せるように捌かれる。なお、複数の分離ヘッド1bは、シート材Sの輪郭の違いに応じて常にシート材Sの端縁に当接させることができるように、個々に首振り可能且つ流体圧シリンダによって進退可能に構成されている。
【0012】
分離ヘッド1bで捌かれたシート材Sは、旋回および昇降可能なアーム2aを有するシート材取出しロボット2によって上から順に一枚ずつ取り出され、洗浄装置3に送り込まれる。
【0013】
シート材取出しロボット2は、多関節型の汎用ロボットであり、そのアーム2aの先端には、図3に示すように、取り扱うシート材の寸法・形状に応じて変更可能なアタッチメント式に構成された保持具11が装着されている。この保持具11は、ロボット2のアーム端に設けられたエア駆動或いは電磁駆動の自動チャッキング装置2bによって着脱自在に構成されたベース部11aと、ベース部11aに対してワンタッチ式のトグルクランプなどを介して結合されたパイプアーム11bと、取り扱うシート材の寸法・形状に応じてパイプアーム11b上の適宜な位置に配置された複数のエア吸着盤11cとを備えており、エア吸着盤11cに負圧を供給することによってシート材を吸着・保持し、負圧を断つことでシート材を放すようになっている。
【0014】
ここでロボット2のシート材搬送ミスを検知するために、エア吸着盤11cの真空圧を常時監視するようになっている。そして吸着ミスやシート材の途中落下が真空圧の低下(正圧になる)によって検知された場合には、自動的に運転を停止すると同時に警報を発するようになっている。
【0015】
他方、交換用保持具11は、ロボット2の背後に設置された架台12上の規定位置に支持されており、別途入力されるシート材の種別信号に応じてアーム2a及び自動チャッキング装置2bをロボット2が自ら制御して保持具11の交換を行うように、予めティーチングされたプログラムに従って作動するようになっている。
【0016】
なお、ロボット2の作動範囲は、汎用機の仕様をそのまま利用できるように計画されており、設備費用の低廉化が図られている。
【0017】
シート材洗浄装置3は、外観部品の生産性並びに品質向上のためにシート材Sの表面を洗浄するものであり、シート材取出しロボット2が取り出したシート材Sを装置内に送り込ませるためのシート材搬送コンベア3aを備えている。このシート材搬送コンベア3aは、シート材Sがばたつかないようにするために、電動駆動される帯磁ベルトを備えている。また帯磁ベルトだけではシート材Sの重量を支持できないので、荷重を支持するための補助ローラコンベアが併設されている。シート材搬送コンベア3aには、板厚センサが設けられており、搬送されるシート材Sの板厚を検知し、板厚の異なるものの混在や、2枚重ねを検知した場合には、自動的に運転を停止すると同時に警報を発するようになっている。
【0018】
シート材洗浄装置3は、上下両面からシート材Sを挟み込んで洗浄装置内へ取り込む摩擦駆動ローラ3bと、ノズルから洗浄液を吹き付けると同時にシート材Sの表面からゴミなどを擦り取るためのブラシローラ3cと、シート材Sの上下両面に付着した洗浄液を洗浄後の部分から除去するための洗浄液除去ローラ3dとからなっている。各ローラは、電動モータによって駆動される。
【0019】
シート材洗浄装置3から排出されたシート材Sは、その位置のばらつきが大きく、そのままではプレス機6の金型の所定の位置へ投入することはできないので、ローディングロボット5が取り上げて旋回しただけでプレス機6の金型に投入できるようにするために、シート材位置決め装置4によって事前に位置決めが行われる。
【0020】
シート材位置決め装置4は、図4及び図5に示すように、シート材洗浄装置3から排出されたシート材Sが自由に移動できるようにローラテーブル4aを備えている。そしてローラテーブル4aの周囲には、流体圧シリンダ4b或いはボールスクリュー機構4cで作動する位置決めストッパ4d・4e・4fが前後左右に設けられており、別途入力されるシート材Sの種別信号に応じて規定されたストロークに従って各ストッパ4d・4e・4fがローラテーブル4aの搬送面上に突出して移動するようになっている。これにより、ローラテーブル4a上のシート材Sの前後左右位置が自動的に規定されるようになっている。
【0021】
シート材位置決め装置4上に位置決め載置されたシート材Sあるいは中間工程品搬送装置9で送られた中間工程品Mは、図6に併せて示すように、シート材位置決め装置4に設けられた例えば電磁式の近接センサが発する位置決め完了信号、あるいは中間工程品搬送装置9の前進完了信号に応じて起動するローディングロボット5により、プレス機6の金型6aに投入される。
【0022】
このローディングロボット5は、シート材取出しロボット2と同一仕様のロボットを利用しており、吸着ミスやシート材の途中落下がエア吸着盤の真空圧から検知された場合に自動的に運転を停止し且つ警報を発する点、およびロボットの背後に設置された架台12に支持された交換用保持具を加工目的物の違いに応じてロボット5が自ら交換する点は、シート材取出しロボット2と同様である。
【0023】
プレス機6は、ローディングロボット5で搬送されたシート材Sあるいは中間工程品Mを金型6aで加工するための装置であり、金型6aに取り付けられた材料投入センサが、加工目的物の投入されたことを検知すると起動する。
【0024】
プレス機6で加工された成型品は、ローディングロボット5と実質的に同一仕様のアンローディングロボット7によって金型6a内から取り出され、成型品搬送コンベア8にて中間工程品置き場P、あるいは完成品置き場へと搬出される。
【0025】
成型品搬送コンベア8は、周知のベルトコンベアであり、適宜な枚数をまとめて間欠的に搬送しても良いし、プレス機6のタクト時間に合わせた速度で連続的に搬送しても良い。駆動源にインバータモータのような可変速モータを用い、搬送速度を任意に制御可能に構成することが好ましい。
【0026】
このプレスラインは、全工程を1台のプレス機6で加工するように構成されている。従って、アンローディングロボット7によってプレス機から取り出された中間工程品Mは、所定の保管場所に仮置きされる。そして適宜な数量の中間工程品Mが製造されたところで次工程のための段取り替えを行い、その後に中間工程品Mをプレス機6に再投入するが、この中間工程品Mは洗浄装置3を通らないので、別ルートでローディングロボット5の作業エリアに搬送する必要がある。
【0027】
そのための搬送装置として、プレス機6の金型交換エリアEに隣接する位置に、中間工程品搬送装置9が設置されている。この中間工程品搬送装置9上からローディングロボット5が取り出してアーム5aを所定角度旋回させるだけでプレス機6の金型6aに中間工程品Mを投入することができるように、中間工程品搬送装置9の反プレス機側の移動端には、部品毎に交換可能な位置決め治具が取り付けられた昇降装置13が設置されている。
【0028】
この昇降装置13と中間工程品搬送装置9とは、図7に示すように、共にフォーク状の中間工程品受け台9a・13aを備えており、所定位置では互いのフォークの隙間で干渉せずに上下にすり抜けられるようになっており、昇降装置13の中間工程品受け台13aの位置決め治具上に中間工程品Mを人手により載置して起動ボタンを押すと、中間工程品搬送装置9の中間工程品受け台9aの下方へ昇降装置13が下降し、この際に中間工程品搬送装置9の中間工程品受け台9a上に中間工程品Mが載置されるようになっている。そしてこれを検知して中間工程品搬送装置9がローディングロボット5に向けて中間工程品Mを搬送するようになっている。中間工程品搬送装置9は、ガイドレール9b上を走行する台車9cの前後にリンクチェーンを掛け渡し、リンクチェーンを減速機付きモータで往復駆動することにより、搭載場と荷下ろし場との間を往復移動するようになっている。このようにして、プレス機6の稼働エリアから離れた位置で中間工程品Mを作業員が取り扱うので、昇降装置13の位置決め治具の交換作業をプレス機6の金型交換と同時に行うことができる。
【0029】
なお、シート材分離装置1上に投入されたシート材Sを取り出すシート材取出しロボット2は、中間工程を行う間は休止しており、保持具11の交換頻度は他のロボット5・7に比して格段に低い。従って、このシート材取出しステージでの保持具11の交換作業は、自動化を省略しても全体的な段取り替え時間に影響を及ぼさずに済むので、本実施例のシート材取出しステージにおいては、交換用保持具11の自動交換を行うための架台12を省略している。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述した通り本発明によれば、プレス加工の全工程を1基のプレス機で行うが、搬送システムに汎用ロボットを採用してその自由度を生かすことにより、プレス金型の交換作業と搬送システムの位置決め治具や保持具の交換作業とを同期させることができる。従って、一つの製品の製造に複数工程必要な場合に、全製造工程に要する時間に対する段取り替え時間の比率を低くすることができ、多品種少量生産における生産効率を高める上に多大な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプレスラインの全体レイアウト図
【図2】シート材取出しロボットの作業エリアを示す側面図
【図3】保持具の斜視図
【図4】サイドストッパの概略構成図
【図5】フロント(リア)ストッパの概略構成図
【図6】ローディングロボットの作業エリアを示す側面図
【図7】昇降装置と中間工程品搬送装置との関係図
【図8】本プレスラインの工程図
【符号の説明】
1 シート材分離装置
2 シート材取出しロボット
3 シート材洗浄装置
4 シート材位置決め装置
5 ローディングロボット
6 プレス機
7 アンローディングロボット
8 成型品搬送コンベア
9 中間工程品搬送装置
11 交換用保持具
12 架台
13 昇降装置
Claims (1)
- 1基のプレス機で複数工程をサイクル生産するプレスラインであって、
前記プレス機に対する材料の投入及び成型品の取り出しを行うべく旋回アームを備えた汎用ロボットを、当該ロボットの旋回アームの作動範囲内に設けられた保持具の保管台にアクセスして前記保持具の交換を自動的に行うようにプログラムすると共に、
前記プレス機に中間工程品を搬送する搬送装置上に前記中間工程品を位置決め載置する作業領域を、前記プレス機の金型交換作業領域から離間したところに設定することを特徴とするプレスライン。
Priority Applications (1)
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