JP2004214080A - 電磁誘導式加熱調理器 - Google Patents

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JP2004214080A
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Kazuhiro Tanaka
和博 田中
Kotaro Kawase
浩太郎 川瀬
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Abstract

【課題】プレートの汚れが付き難く、安全かつ耐久性に優れた電磁誘導式加熱調理器を提供する。
【解決手段】少なくとも凸部1b以外の部分で、トッププレート1の上面にフッ素樹脂1eのコーティングを設ける。フッ素樹脂1eを施していないトッププレート1の凸部1bで鍋52の底部を受けるので、鍋52のすべりを防止して安全性を高めることができると共に、フッ素樹脂1eに鍋52の底部が当接せず、フッ素樹脂1eの摩擦による傷付きを防止して、その耐久性を高めることができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭において煮物や炒め物の調理に使用される電磁誘導式加熱調理器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、この種の電磁誘導式加熱調理器は、例えば特許文献1に開示されるように、プレートであるトッププレートの上面に容器を載置して電磁誘導加熱を行なうものであり、このトッププレートはセラミックスまたは耐熱性結晶化ガラスが使用されていることから、汚れが付着し難く、清掃性がよいと言われていた。
【0003】
【技術文献】
特開2001−190418
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、煮汁の吹きこぼれや油汚れのついた状態で加熱調理器を使用し続けると高温に晒され、汚れのこびりつきがひどくなって、研磨剤などを使用しないと汚れを落とすことは困難であった。このような事態を改善するため、フッ素樹脂をトッププレート表面にコーティングした商品も提案されているが、フッ素樹脂は磨耗に弱く、またトッププレートとの密着もよくないため、使用により摩滅したり傷が付いたり、あるいは剥がれてしまうという問題があった。さらに、フッ素樹脂の表面は滑り性がよく低摩擦であることから、予期しないときに鍋や、やかんが滑ってしまうことも少なくなかった。
【0005】
また一般に、この種の加熱調理器は、石油や都市ガスを燃料とする調理器とは異なり、視覚によって炎を認識できないことから、LEDやLCD等の表示器により火力を表示していた。しかし、LEDやLCD等の表示器では、視覚障害者など目の不自由な人に対する障壁が高く、その対策として火力設定時に最大火力のポイントで音信号を発生し、その後は調節釦の操作回数によって使用者が火力の程度を判断する方法が採られていた。しかし、視覚障害者にとっては依然として操作性が悪く、安心して火力の調整をすることは困難であった。また、調理器の使用途中での状況確認は、調節釦を操作しない限り不可能であり、かねてより操作性向上の改善が望まれていた。
【0006】
しかも電磁誘導式の加熱調理器は、ガス調理器のように燃焼音がするわけではなく、極めて音静かに加熱が行われることから、たとえ健常者であっても、うっかりして吹きこぼれを生じさせてしまったり、揚げ物の調理に際しては、過熱により油に引火する虞れもあった。
【0007】
さらに従来の電磁誘導式加熱調理器は、例えば図14及び図15に示すように、容器である鍋52を調理器本体51のトッププレート1上に載置し、調理器本体51の内部に設けられた加熱コイル3に高周波電流を通電することにより、鍋52の外底面に設けた磁性材料からなる発熱層(図示せず)に渦電流を発生させて調理対象物を加熱するようになっている。また、従来の温度検知手段は、温度センサとしてのリード線付きサーミスタ2を接着剤等を用いて感熱板7と一体化した後、これらをばね10によりトッププレート1の裏面に接触させて取付ける構成を採用しており、実際にはトッププレート1を介して天ぷら油などの温度を間接的に把握し制御している。
【0008】
そのため、鍋52の底部が反っていたり、鍋52の材質が違う場合はもとより、油の量の多寡によっても検出温度にバラツキを生じていた。極端な場合、天ぷらの調理に不向きなだけでなく、油温が上がり過ぎるという不都合もあり、使用に当たっては、特定の鍋と油の量を規定せざるを得なかったり、温度上昇の状態を細かく監視して入力電力を状況に応じて可変にしたり、加熱を開始してからの積算電力と積算電力に応じたサーミスタ2の温度検出状態で鍋52の状況を推定し、入力制御を行うなどの方法を採っていた。その結果、空焼きでないにもかかわらず空焼きと判断してしまったり、沸騰していないにもかかわらず沸騰と判断して、入力をダウンさせてしまうなどの不具合があった。そのうえ、正確な制御をするには、制御プログラムが非常に複雑になり、プログラム開発やデバック確認に多大な時間を必要とし、経費がかかり過ぎて不経済であるという問題があった。特に鍋52の底部が変形していたり、反りの大きい鍋52については、空焼きや鍋52の温度を正確に検知することは困難であった。
【0009】
また、感熱板7付きのサーミスタ2をトッププレート1の外面まで貫通して上下可動式に取付け、鍋52の底部の温度を直接検知するタイプもあるが、その場合は温度は正確に検知できるものの、感熱板7周囲の防水構造が複雑になり、トッププレート1の表面に感熱板7が突出することから、清掃性に難があるなどの問題があった。
【0010】
本発明は、かかる事情を考慮してなされたものであり、プレートの汚れが付き難く、安全かつ耐久性に優れた電磁誘導式加熱調理器を提供することを第1の目的とする。
【0011】
また本発明は、たとえ目の不自由な人であっても安心して火力調節が可能で、使用中においても火力の状況が常に認識できる電磁誘導式加熱調理器を提供することを第2の目的とする。
【0012】
さらに本発明は、容器の温度検知が正確でプレートの清掃性がよい電磁誘導式加熱調理器を提供することを第3の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の電磁誘導式加熱調理器は、上記第1の目的を達成するためになされたもので、この場合はプレートの表面にコーティング層を設けることで、少なくとも凸部以外の部分で、トップコートに汚れがつきにくくなり、かつ汚れが付着してもコーティング層の非粘着効果で簡単に汚れを吹き落とすことができる。また、コーティング層を施していないプレートの凸部で容器の底部を受けるので、容器のすべりを防止して安全性を高めることができると共に、コーティング層に容器の底部が当接せず、コーティング層の摩擦による傷付きを防止して、その耐久性を高めることができる。しかも、加熱手段に対向してコーティング層を設けているので、最もこびりつきやすい加熱手段の対向部分のこびりつきを、コーティング層で落としやすくすることができる。
【0014】
本発明の請求項2の電磁誘導式加熱調理器は、上記第2の目的を達成するためになされたもので、この場合は加熱中であることを信号発生手段からの音信号で知らせると共に、この音信号の音量が加熱出力の大きさに応じて変化することから、たとえ目の不自由な人であっても、音の大きさをバロメータにして安心して火力調節が可能になると共に、使用中においても火力の状況が常に認識できる。
また健常者であっても、例えば調理中に掛かってきた電話などにより、調理中であることをうっかり忘れても、この音信号を利用することで加熱調理器が使用中であることを正しく認識できる。
【0015】
本発明の請求項3の電磁誘導式加熱調理器は、信号発生手段が調理時間を自動制御するタイマー手段に連動しており、タイマー手段で設定された調理時間中にのみ、信号発生手段が音信号を出力するので、調理が終了したことも容易に認識することができる。
【0016】
本発明の請求項4の電磁誘導式加熱調理器では、好みに応じて信号発生手段からの音量を可変手段で任意に変えることができる。また音信号を発生させる必要のない場合には、切替手段を操作して音信号の発生を止めることもでき、音報知に関して使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0017】
本発明の請求項5の電磁誘導式加熱調理器は、上記第3の目的を達成するためになされたもので、このようにすれば容器の底部が直接板体に接触しない場合でも、容器の底部から板体に輻射熱が直接放射されると共に、容器の底部外周部と接触しているプレートから、このプレートと密着する板体に熱が流れ、検知素子は容器の温度を正確に検知できる。また板体の上面がプレートの上面と略面一に設けられているので、プレートの上面を拭く際に感熱板が邪魔にならず、プレートの清掃性がよい。
【0018】
【発明の実施形態】
以下、添付図面に基づき、本発明における好ましい電磁誘導式加熱調理器の各実施例を説明する。なお、従来例と同一部分には同一符号を付し、共通する箇所の説明は重複するため省略する。
【0019】
図1〜図9は本発明の第1実施例を示すもので、加熱調理器の全体構成を図5に基づき説明すると、調理器本体51は、その上面に鍋52が載置されるトッププレート1を有しており、調理器本体51の内部には環状の加熱コイル3が前記トッププレート1の下面に対向して配置されると共に、鍋52を電磁誘導過熱する加熱コイル3の下方には、防磁用のフィライト板11が配置されている。加熱手段である加熱コイル3の中央で、かつトッププレート1の内面には、温度検知手段としてのサーミスタ2が取付けられている。
【0020】
調理器本体51の内部には、さらに加熱コイル3に高周波電圧を印加するインバータ装置4と制御装置5とが設けられている。制御装置5は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、前記サーミスタ2からの検出温度に基づき、タイマー手段12と協働して前記インバータ装置4を駆動して鍋52を加熱する加熱制御手段26と温度制御手段27を有している。ここで、加熱制御手段26は、例えばタイマー12により設定された時間が経過すると、インバータ装置4ひいては加熱コイル3の駆動をオフにする等の制御を行なうものであり、温度制御手段27は、温度検知手段としてのサーミスタ2からの出力を受けて被加熱物を収容した鍋52の温度を設定温度に保持する等の制御を行うものである。また、制御装置5には、火力調節手段に任意に連動でき、加熱出力の大きさに応じて音量が変化するブザーなどの音信号発生手段24と、切替装置13により音信号発生手段24の出力音量を可変し、かつ任意に音信号を発生または停止させる音信号音量可変手段25が設けられている。
【0021】
調理器本体51の外部には、図6に示す操作表示パネル14が設けられている。この操作表示パネル14には操作手段として、調理を開始するための加熱キー15と、調理器本体51への通電をオフするための切キー16と、特に揚げ物に適した温度に設定して加熱を行う揚げ物キー17と、調理タイマー(調理時間)設定用の時キー18および分キー19と、調理タイマーの設定を取消すためのタイマー取消キー20と、加熱出力を可変調節するための火加減設定用の弱キー21および強キー22を備えていると共に、これらのキー操作に基づいて設定された条件ならびに状況を表示する表示手段としてのLCD23を備えている。さらに前記操作手段としては、切替装置としての音キー13aと、音量可変手段としての大キー13bおよび小キー13cがそれぞれ配置されている。なお、実際の操作表示パネル14の各操作キーについては、視覚障害者でもその意味を認識できるように、各操作キーの表面に点字を付すのが好ましい。
【0022】
ここで、トッププレート1の構成を図1〜図4に基づき説明する。図1及び図2の実施例においては、トッププレート1の表面に放射状に8本の凸部1bが形成されている。この凸部1b以外の平坦部は凸部1bよりも0.1mm〜0.5mm程度低い凹部1dを形成している。放射状の凸部1b以外の部分、即ち凹部1dには耐熱性を有するフッ素樹脂1eがコーティングされ、鍋52を受ける凸部1bの上面はフッ素樹脂1eのコーティング上面よりも高く露出している。
【0023】
凸部1bと凹部1dの段差を0.1mm〜0.5mmとしたのは、段差が0.1mmよりも少ないと、使用中にフッ素樹脂1eが鍋52の底部と接触する機会が多くなり、摩擦等によりフッ素樹脂1eのコーティングが傷付き易くなるし、一方、段差が0.5mmより大きいと、トッププレート1の製造が困難になるうえ、凸部1bと凹部1dの周縁部に汚れが溜まり易くなって清掃がし難くなる等の問題がある。さらに加熱コイル3による鍋52への電磁誘導加熱は、負荷である鍋52と加熱コイル3との距離にある程度の制限があり、凸部1bと凹部1dの段差があまり大きいと加熱機能に支障が生じる。そこで、凸部1bと凹部1dの段差は上記した値が選定されている。なお、凸部1bの幅は調理中などにおいて鍋52をがたつきなく保持できればよく、任意の幅でよいが、通常は数mm程度の値が選択される。あまり幅が広いと後述する本発明の効果が減じてしまうからである。
【0024】
また、図3は略円環状の形状のうち、90度おきに数mmの幅1cを残して4ケ所に深さ0.5mm程度の凹部1dを形成し、該凹部1dにフッ素樹脂1eをコーティングした実施例を示している。この場合も、鍋52を受ける凸部1bの上面はフッ素樹脂1eのコーティング上面よりも高く露出している。
【0025】
そして上記構成において、通常は鍋52の底部を受けるトッププレート1の受け面は、意図的に形成した凸部1bの頂点となるので、凹部1dに設けたフッ素樹脂1eに鍋52の底部は当接せず、この鍋52の底部による摩擦を受けない。そのため、通常の使用時において、鍋52の底部の摩擦でフッ素樹脂1eに傷がつくことがない。また、加熱コイル3の対向部分に凹部1dを形成し、ここにフッ素樹脂1eのコーティングを施すことで、最もこびりつきやすい部分のこびりつきを落としやすくすることができる。
【0026】
ところで図4に示すように、加熱調理器使用時のトッププレート1の温度上昇は、鍋52の底部に接した部分と加熱コイル3に対向した部分が最も大きいので、そこに最もひどい汚れのこびりつきが生じることになる。また、鍋52の底部に接した凸部1bは、鍋52の底部との摩擦と高温に晒されるので、そこにフッ素樹脂をコーティングしても痛み易い。したがって、当該部には当初からフッ素樹脂のコーティングを施さないようにすることで、フッ素樹脂のコーティング全体に摩擦傷に起因するダメージが伝播することを防ぐことができる。凸部1bの汚れについては、研磨剤等を用いて清掃しても従来より少ない面積であることから、短時間で清掃を行うことができる。また、このような構成にすることにより、トッププレート1と鍋52の底部との間の摩擦抵抗は従来同様の値を確保することができる。したがって、フッ素樹脂1eを施していない凸部1bと鍋52の底部との摩擦により、鍋52がトッププレート1上から滑落するという虞れはない。
【0027】
なお、凸部1bの形状や個数、配置については上記した実施例に限定されるものではなく、デザイン性を考慮して他に種々のパターンを施すことができる。すなわち凸部1bとしての機能だけに着目するのではなく、デザイン性にも工夫を施すこともできる。
【0028】
次に、上記構成について、その作用を図7のフローチャートに基づいて説明する。先ず、鍋52をトッププレート1に載置した状態で、加熱キー15あるいは揚げ物キー17が押されると、加熱コイル3により鍋52の外底面に設けた発熱層(図示せず)を電磁誘導加熱する加熱制御が開始される(ステップS1)。音信号音量可変手段25は、次のステップS2において、音キー13aがオンされているか否か判断し、音キー13aがオンされていない場合には調理終了まで音信号発生手段24を鳴らすことなく調理を完了する。一方、音キー13aがオンされていた場合には、予め設定された初期音量で音信号発生手段24を動作させる(ステップS3)。その後、状況に応じて音信号発生手段24の音量を調節することができ、その場合には大キー13bや小キー13cの操作で行うことが可能である。例えば、大キー13bを押せば、音信号発生手段24であるブザーBZの音量をアップすることができるし(ステップS4,S5)、逆に音量が大き過ぎると思えば、小キー13cを押すことにより、ブザーBZの音量をダウンすることができる(ステップS6,S7)。
【0029】
また音信号音量可変手段25は、調理タイマー設定用のタイマー時キー18、分キー19が設定すなわちセットされているか否か判断し(ステップS8)、セットされていたならばタイマー時間の終了で、音信号発生手段24の鳴動をオフし(ステップS9)、加熱コイル3を断電して鍋52への加熱も停止する(ステップS10)。また、加熱中であっても音キー13aが押され、音信号の発生が切になれば音信号発生手段24の鳴動を停止し、入になれば音信号発生手段24の鳴動をオンにすることができる。
【0030】
次に、火力の大きさに連動した音量調節について、図8に示すフローチャート及び火力と音量の関係を示すグラフである図9に基づいて説明する。加熱キー15あるいは揚げ物キー17が押されると前述のように鍋52に対する加熱制御を開始し(ステップS11)するが、その後で音信号音量可変手段25は、切替装置13により火加減調節が行われたか否か判断する(ステップS12)。すなわち加熱調理時の初期には、火加減設定用の弱キー21や強キー22が操作されるが、その場合に初期音量にて音信号発生手段24であるブザーBZを鳴らす(ステップS13)。
【0031】
次に、火加減設定用の強キー22若しくは弱キー21のいずれが操作されたか判断する(ステップS14,S16)。強キー22が押されればブザーBZの音量をアップし(ステップS15)、弱キー21が押されればブザーBZの音量をダウンする(ステップS17)。そして、調理タイマー18,19により設定時間が経過したか否か判断し(ステップS18)、設定時間の終了とともに切にしてブザーをオフにし(ステップS19,S20)、加熱も停止する(ステップS21)。このように音量可変を火力の大きさに連動させることで、目の不自由な人でも音の大きさを頼りにして簡単にしかも安心して火力調節を行うことができる。図9は、設定される火力(この場合は5段階)と音量の関係についての設定例を示すものである。この例では火力と音量の関係を離散的に設定しているが、火力と音量の関係を連続的に設定してもよい。要するに火力の強弱を音量の大小によって認識できればよい。
【0032】
以上のように本実施例では、容器である鍋52と、鍋52を載置するセラミックまたは耐熱ガラスなどのプレートに相当するトッププレート1と、鍋52を電磁誘導過熱する加熱手段としての加熱コイル3とからなる電磁誘導式加熱調理器において、トッププレート1の上面に凸部1bを設け、加熱コイル3に対向して、トッププレート1の凸部1bを除く平坦面としての表面にフッ素樹脂1eなどのコーティング層たるコーティングを設けている。
【0033】
このように、トッププレート1の上面にフッ素樹脂1eのコーティングを設けることで、少なくとも凸部1b以外の部分で、トップコート1に汚れがつきにくくなり、かつ汚れが付着してもフッ素樹脂1eの非粘着効果で簡単に汚れを吹き落とすことができる。また、フッ素樹脂1eを施していないトッププレート1の凸部1bで鍋52の底部を受けるので、鍋52のすべりを防止して安全性を高めることができると共に、フッ素樹脂1eに鍋52の底部が当接せず、フッ素樹脂1eの摩擦による傷付きを防止して、その耐久性を高めることができる。さらに、フッ素樹脂1eを施していないトッププレート1の凸部1bの面積を、フッ素樹脂1eの施した部分の面積よりも極めて小さくすれば、その分だけ清掃も簡単になる。
【0034】
しかも本実施例では、加熱コイル3の対向面にのみフッ素樹脂1eのコーティングを設けているので、最もこびりつきやすい加熱コイル3の対向部分のこびりつきを、フッ素樹脂1eのコーティングで落としやすくすることができる。
【0035】
また本実施例は、容器である鍋52と、鍋52を電磁誘導加熱する加熱コイル3とからなる電磁誘導式加熱調理器において、加熱出力の大きさに応じて音量を変化させる信号発生手段としての音信号発生手段24を備えている。
【0036】
この場合、加熱中であることを音信号発生手段24からの音信号で知らせると共に、この音信号の音量が加熱出力の大きさに応じて変化することから、たとえ目の不自由な人であっても、音の大きさをバロメータにして安心して火力調節が可能になると共に、使用中においても火力の状況が常に認識できる。また健常者であっても、例えば調理中に掛かってきた電話などにより、調理中であることをうっかり忘れても、この音信号を利用することで加熱調理器が使用中であることを正しく認識できる。
【0037】
また、この場合の音信号発生手段24は、調理時間などの時間を自動制御するタイマー手段12に連動している。そのようにすると、タイマー手段12で設定された調理時間中にのみ、音信号発生手段24が音信号を出力するので、調理が終了したことも容易に認識することができる。
【0038】
さらに本実施例では、出力音量を可変する可変手段としての大キー13bおよび小キー13cと、任意に音信号を発生または停止できる切替手段としての音キー13aとをそれぞれ備えている。このようにすれば、好みに応じて音信号発生手段24からの音量を大キー13bや小キー13cで任意に変えることができる。また音信号を発生させる必要のない場合には、音キー13aを操作して音信号の発生を止めることもでき、音報知に関して使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0039】
次に、本発明の第2実施例を図10〜図13に基づき説明する。なお、上記第1実施例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。
【0040】
要部の断面図である図10において、ここではトッププレート1の略中央部に貫通穴1aを設け、この貫通穴該穴1aに温度検知手段の一要素である感熱板7の凸部7aを挿入する。ここで、先ず温度検知手段の構成について説明する。温度検知手段の感熱部は、アルミニュウム材料で製作された中央に凸部7aを有する感熱板7であり、凸部7aの裏面から凸部7aの外径よりやや小さい径の穴7cが設けられ、この穴7cは凸部7aの上面に貫通することなく設けられている。そして、穴7cには温度センサとしてのサーミスタ2が上面に当接して挿入され、熱伝導性が良好なグリース又はシリコーンゴム等などの伝熱材料9を用いて固着される。このようにするのは、感熱板7とサーミスタ2との間に温度勾配が生じないようにするためである。
【0041】
感熱板7の外周上面に設けられた環状溝7bには、耐熱性に優れたシールパッキン8が挿入される。さらに、感熱板7全体をトッププレート1側に押圧固定するために、コイルベースの役目を果たすフェライト板11と感熱板7の下面との間に弾性部材であるスプリング10が挿入される。このような構成により、トッププレート1と感熱板7との間を水密構造にすることができる。また、感熱板7の中央部に設ける凸部7aの高さはトッププレート1の板厚とほぼ同一寸法に製作される。このような寸法とすることにより、凸部7aをトッププレート1の穴1aに挿入した後はトッププレート1の上面と感熱板7の凸部上面を面一にすることができ、トッププレート1の清掃性は格段に向上することになる。なお、温度検知素子としてのサーミスタ2には正特性を有するものを用いるのが好ましい。また、感熱板7には陽極酸化皮膜処理が施される。この処理を施すことにより、軟らかいアルミ材料であっても表面硬度が上がり、外傷が付きにくくなるし、耐食性も向上することから、長期間安定した性能を発揮できる。
【0042】
次に図11〜図13に基づいて、本実施例の温度検知特性について説明する。
図11は、トッププレート1に組み込まれた感熱板7への熱の流れを示す関連部分の断面図である。加熱コイル3に高周波電圧が印加されると、電磁誘導により鍋52の発熱層(図示せず)に渦電流が流れ、鍋52内の被加熱物が加熱される。ここで鍋52の底部が平坦である場合には、この鍋52の底部と温度検知手段である感熱板7が直接接触することになる。したがって、鍋52の熱は感熱板7を経由してサーミスタ2に伝わり、高精度かつ応答性よく温度検出されることになる。
【0043】
一方、図11に示すように鍋52の底部中央が反っており、鍋52の底部が直接感熱板7に接触しない場合もある。しかし、このような場合であっても、図11の矢印Hに示すように、鍋52の底部から感熱板7に輻射熱が直接放射されることになるし、鍋52の底部外周部と接触しているトッププレート1から、このトッププレート1と密着する感熱板7に熱が流れる。
【0044】
このように、感熱板7はその表面を鍋52に対して直接対面する位置に露出しているので、鍋52の底部中央が反っていて、鍋52の底部と感熱板7が直接接触していなくても、鍋52からの輻射熱を直接受けて鋭敏に鍋52の温度を検知できる。さらにシールパッキン8を設けた感熱板7のフランジ部が、トッププレート1の下面に密着して取り付けられるので、トッププレート1からの熱伝導も同時に受けることになり、安定した温度検知が可能になる。
【0045】
また、温度検出手段を構成する感熱板7がトッププレート1の表面から飛出さないので、トッププレート1の表面が平坦で清掃性に優れる。さらに、シールパッキン8を介在させて感熱板7をトッププレート1に水密に固定したので、水の侵入を考慮した内部構造、例えば電子部品の防水や侵入した水の排出経路を設ける必要がなく、内部構造を簡単にして製造コストの削減を図ることができる。
【0046】
図12は、時間経過に対するサーミスタ2の検出温度の関係を示したものである。同図において、T0は鍋52内の実際の水温で、その他T1は感熱板7がトッププレート1の下面にある従来例(図14参照)の温度−時間特性,T2は本実施例における鍋52の底部が感熱板7に接触した状態の温度−時間特性,T3は本実施例における鍋52の底部が感熱板7に接触していない状態の温度−時間特性である。本実施例において、鍋52の底部が感熱板7に接触している場合は、鍋52内の水とほぼ同じ時間に、サーミスタ2が沸騰温度を検出し、検出温度の応答遅れは殆どない。また、感熱板7が鍋52の底部と非接触の場合であっても、鍋52内の水が沸騰温度に達してからサーミスタ2が沸騰温度を検出するまでの応答遅れ時間txは、従来例の応答遅れ時間tyよりもはるかに短くなる。
【0047】
また図13は、鍋52に水を注入することなく、いわゆる空焼きした場合の温度特性を示したものである。これもT1は感熱板7がトッププレート1の下面にある従来例の温度−時間特性,T2は本実施例における鍋52の底部が感熱板7に接触した状態の温度−時間特性,T3は本実施例における鍋52の底部が感熱板7に接触していない状態の温度−時間特性である。さらにtは空炊き検知温度で、サーミスタ2の検知温度が空炊き検知温度tに達すると、加熱コイル3への通電を強制的に停止する。この場合、同一の空炊き検出温度tであっても、本発明の加熱調理器は、鍋52の実際の温度が従来例に比較するとΔtだけ低い状態で空炊きを検出できることが理解できる。
【0048】
上記図13および図14の結果からも明らかなように、本実施例の加熱調理器は、従来例に比べるとサーミスタ2の温度勾配が急で、沸騰状態や空焼き状態を早期に検出できるようになる。また、従来、温度上昇を把握するために行っていた複雑な判断が不必要になることから、制御プログラムもシンプルになり、誤動作や誤判定の少ない加熱調理器を提供することが可能になる。さらに、制御プログラムの開発やデバック作業もプログラムがシンプルなことから、短時間に済ませることができ、開発コストの低減を図ることもできる。
【0049】
以上のように本実施例では、容器である鍋52と、鍋52を載置するプレートとしてのトッププレート1と、鍋52を電磁誘導加熱する加熱手段としての加熱コイル3と、トッププレート1と面一に設けられ、鍋52の温度を検出する検地手段としての温度検知手段とを有し、この温度検知手段は熱伝導性の良好な板体としての感熱板7に温度検知素子であるサーミスタ2を備えて構成され、感熱板7はトッププレート1にシール材であるシールパッキン8を介して弾性部材であるスプリング10により押圧固定されている。
【0050】
このようにすれば、鍋52の底部が直接感熱板7に接触しない場合でも、鍋52の底部から感熱板7に輻射熱が直接放射されると共に、鍋52の底部外周部と接触しているトッププレート1から、このトッププレート1と密着する感熱板7に熱が流れ、サーミスタ2は鍋52の温度を正確に検知できる。また感熱板7の上面がトッププレート1の上面と略面一に設けられているので、トッププレート1の上面を拭く際に感熱板7が邪魔にならず、トッププレート1の清掃性がよい。
【0051】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。例えば、上記感熱板7はアルミニュームに限らず、銅などの良熱伝導材料を用いてもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明の請求項1の電磁誘導式加熱調理器によれば、プレートの汚れが付き難く、プレートを安全かつ耐久性に優れたものとすることができる。また最もこびりつきやすい部分のこびりつきを、コーティング層で落としやすくすることができる。
【0053】
本発明の請求項2の電磁誘導式加熱調理器によれば、たとえ目の不自由な人であっても、火力調節が可能になると共に、使用中においても火力の状況が常に認識できる。また健常者であっても、加熱中であることをうっかり忘れるのを防止することができる。
【0054】
本発明の請求項3の電磁誘導式加熱調理器によれば、調理が終了したことも容易に認識することができる。
【0055】
本発明の請求項4の電磁誘導式加熱調理器によれば、調理器使用中に火力を調節した場合においても、音報知に関して使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0056】
本発明の請求項5の電磁誘導式加熱調理器によれば、容器の温度検知が正確でプレートの清掃性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電磁誘導式加熱調理器の第1実施例であるトッププレートを示す平面図である
【図2】図1のa−a矢視図である。
【図3】本発明による電磁誘導式加熱調理器の別の変形例であるトッププレートを示す平面図である。
【図4】本発明による電磁誘導式加熱調理器のさらに別の変形例であるトッププレートの要部を示す断面図である。
【図5】本発明による電磁誘導式加熱調理器の第1実施例を示す全体構成図である
【図6】同上操作表示パネルの正面図である。
【図7】同上主に音量制御手段の動作手順を示したフローチャートである。
【図8】同上主に音量制御手段の動作手順を示したフローチャートである。
【図9】同上設定した火力と音量の関係を示すグラフである。
【図10】本発明による電磁誘導式加熱調理器の第2実施例である温度検知手段周辺の構成を示す断面図である。
【図11】同上温度検知手段への熱の流れを説明する要部の断面図である。
【図12】同上従来例と比較したサーミスタの温度検出特性を示す図である。
【図13】同上従来例と比較したサーミスタの温度検出特性を示す図である。
【図14】従来例を示す電磁誘導式加熱調理器の全体断面図である。
【図15】従来例を示す要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 トッププレート(プレート)
1b 凸部
1e フッ素樹脂(コーティング層)
3 加熱コイル(加熱手段)
7 感熱板
8 シールパッキン(シール材)
10 スプリング(弾性部材)
12 タイマー手段
13a 音キー(可変手段)
13b 大キー(切替手段)
13c 小キー(切替手段)
24 音信号発生手段(信号発生手段)
52 鍋(容器)

Claims (5)

  1. 容器と、容器を載置するプレートと、加熱する加熱手段とからなる電磁誘導式加熱調理器において、前記プレートに凸部を設け、前記加熱手段に対向して表面にコーティング層を設けたことを特徴とする電磁誘導式加熱調理器。
  2. 容器と、前記容器を電磁誘導加熱する加熱手段とからなる電磁誘導式加熱調理器において、加熱出力の大きさに応じて音量を変化させる信号発生手段を有することを特徴とする電磁誘導式加熱調理器。
  3. 前記信号発生手段は、時間を制御するタイマー手段に連動するものであることを特徴とする請求項2に記載の電磁誘導式加熱調理器。
  4. 出力音量を可変する可変手段と、任意に音信号を発生または停止できる切替手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の電磁誘導式加熱調理器。
  5. 容器と、前記容器を載置するプレートと、前記容器を加熱する加熱手段と、前記プレートと略面一に設けられる検知手段とを有し、該検知手段は板体を備えて構成され、該板体は弾性部材で押圧されることを特徴とする電磁誘導式加熱調理器。
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JP2009059565A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Panasonic Corp 誘導加熱調理器

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