JP2004210653A - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】石胆草(イワタバコ科)、荷花掌(ベンケイソウ科エチュベリア属タカサキレンゲ)、瓦松(ベンケイソウ科イワレンゲ属ツメレンゲ)、燕子掌(ベンケイソウ科クラッスラ属)及び巻柏(イワヒバ科イワヒバ属イワヒバ)からなる植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を含有する皮膚外用剤である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、別名「石蓮花」と呼ばれる、石胆草(イワタバコ科)、荷花掌(ベンケイソウ科エチュベリア属タカサキレンゲ)、瓦松(ベンケイソウ科イワレンゲ属ツメレンゲ)、燕子掌(ベンケイソウ科クラッスラ属)及び巻柏(イワヒバ科イワヒバ属イワヒバ)の抽出物を利用した皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
別名「石蓮花」と呼ばれる植物は、岩肌に自生する植物であり、イワヒバ科、ベンケイソウ科及びイワタバコ科等に属する植物が知られている。近年、石蓮花と呼ばれる数種の植物に、血糖降下作用があることが見出され、その抽出物を含有する医薬及び食品が提案されている。また、イワヒバ科およびベンケイソウ科に属する植物から抽出された特定の成分が、メラニン産生促進効果を奏することが見出され、該成分を含有する白髪予防用の化粧料用組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び2)。さらに、数種の植物については、皮脂抑制剤、保湿作用を備えた外用剤、化粧料組成物への利用が提案されている(例えば、特許文献3〜5)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−263534号
【特許文献2】
特開2001−2575号
【特許文献3】
特開平3−220129号
【特許文献4】
特開平10−234337号
【特許文献5】
特開2000−143488号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、日焼けや加齢現象等により生じる皮膚の黒化、色素沈着により生ずるシミ、ソバカス等を予防または改善するために、アスコルビン酸、胎盤エキス、グルタチオン、ハイドロキノン等の美白剤が加えられている。また、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚の皺や弛み、ハリや弾力性の低下を予防、あるいは改善するために、グリセリンやアロエ抽出物、海藻抽出物等の保湿剤や、ビタミンEやルチン及びそれらの誘導体イチョウ抽出物等のSOD様作用剤が加えられている。しかしながら、これらの薬効剤では、それらの効果が十分でなかったり、あるいは、製剤中で変質するなどして所期の薬効が得られない場合があり、その改善が望まれていた。
【0005】
本発明は、薬効、特に、老化防止効果、すなわち美白効果、抗酸化効果または保湿効果に優れるとともに、保存安定性が良好な皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、皮膚外用剤の薬効成分として使用することができる成分について鋭意検討を行った結果、いわゆる石蓮花と呼ばれる数種植物の抽出物(以下石蓮花抽出物と呼ぶ)が高いメラニン生成抑制作用、保湿作用、SOD様作用を有し、美白成分や、シワ・タルミ等の予防及び改善成分として、優れたものであることを見出した。さらに、この抽出物は皮膚外用剤に配合して、これらの効果を有する老化防止用皮膚外用剤とすることができると共に、他の薬効成分と組み合わせることにより皮膚外用剤としてより優れた効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
本発明の一態様は、石胆草(イワタバコ科)及び荷花掌(ベンケイソウ科エチュベリア属タカサキレンゲ)からなる第一の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を含有する皮膚外用剤である。
【0008】
本発明の他の態様は、石胆草、荷花掌、瓦松(ベンケイソウ科イワレンゲ属ツメレンゲ)、燕子掌(ベンケイソウ科クラッスラ属)及び巻柏(イワヒバ科イワヒバ属イワヒバ)からなる第二の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を老化防止成分として含有する皮膚外用剤;前記第二の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を美白成分として含有する皮膚外用剤;前記第二の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を抗酸化成分として含有する皮膚外用剤;石胆草、荷花掌、瓦松及び燕子掌からなる第三の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を保湿成分として含有する皮膚外用剤;更に、細胞賦活剤、抗酸化剤、保湿剤、美白剤及び紫外線防止剤から選ばれる一種又は二種以上を含有する上記いずれかの皮膚外用剤;である。
【0009】
また、別の観点から、本発明によって、前記第二の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を老化防止成分として使用する方法;前記第二の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を美白成分として使用する方法;前記第二の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を抗酸化成分として使用する方法;石胆草、荷花掌、瓦松及び燕子掌からなる第三の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を保湿成分として使用する方法;が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる石胆草は、イワタバコ科に属し、学名はCorallodiscus flabellateである(中薬大辞典、小学館発行、1998年)。中国各地の渓谷の近くや、山肌の日の当たらない湿った岩壁の上などに自生していることが知られている。
本発明に用いられる荷花掌は、ベンケイソウ科エチュベリア属に属し、学名はEcheveria glauca、和名はタカサキレンゲである(園芸植物大百科、小学館発行、1998年)(朝日百科 植物の世界、朝日新聞社発行、1997年)。
【0011】
本発明に用いられる瓦松は、ベンケイソウ科イワレンゲ属に属し、学名Orostachys fimbriatus、Orostachys erubescens及びOrostachys japonicusの植物が含まれる。和名はツメレンゲである(中薬大辞典、小学館発行、1998年)。中国各地に自生していることが知られている。
本発明に用いられる燕子掌は、ベンケイソウ科クラッスラ属に属し、学名Crassula portulacea、Crassula argentea及びCrassula lycopodioidesの植物が含まれる(朝日百科 植物の世界、朝日新聞社発行、1997年)。
【0012】
本発明に用いられる巻柏は、イワヒバ科イワヒバ属に属し、学名はSelaginella tamariscina、和名はイワヒバである(中薬大辞典、小学館発行、1998年)。中国の広東省、広西省等に自生していることが知られている。
【0013】
本発明に用いられる前記植物は、別名「石蓮花」と呼ばれる植物であり、岩肌等に自生することが知られている。本発明の皮膚外用剤は、これらの植物の少なくとも一種の抽出物を含有することを特徴とする。
前記植物の抽出物は、適当な溶媒を用いた常法の抽出方法によって調製することができる。例えば、前記植物の全草あるいは根、茎、幹、葉、葉肉、枝、樹皮、実、花、種子などの一箇所又は二箇所以上を、低温ないし加温下で溶媒中に所定の時間浸漬することによって調製することができる。
【0014】
抽出溶媒としては特に限定されないが、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級一価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール;アセトン等のケトン類;エチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;等の一種又は二種以上を用いることができる。
【0015】
前記植物の抽出物は、そのまま皮膚外用剤に配合してもよいし、適宜の期間そのまま放置し熟成させた後に用いることもできる。必要ならば、本発明の効果に影響のない範囲で、更に、濾過又はイオン交換樹脂等により、脱臭、脱色等の精製処理を施して用いることもできる。又、液体クロマトグラフィー等の分離手段を用い、活性の高い画分を取り出して用いることもできる。
【0016】
前記植物の抽出物の形態については特に制限はない。液状、ペースト状、ゲル状等いずれの形態で用いることもできる。又は液状等の抽出物を、乾固させて固体状としたり、あるいはスプレードライ等により乾燥させて粉末として用いることもできる。
【0017】
本発明の一態様は、石胆草及び荷花掌からなる第一の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を含有する皮膚外用剤である。本態様の皮膚外用剤は、前記植物の抽出物を含有することによって、優れた薬効、特に、老化防止効果、すなわち美白効果、抗酸化効果及び/又は保湿効果を奏する。さらに、前記植物の抽出物は、皮膚外用剤に配合しても長期的に薬効を維持し、保存安定性の良好な皮膚外用剤となる。
【0018】
本発明の第二の態様は、石胆草、荷花掌、瓦松、燕子掌及び巻柏からなる第二の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を老化防止成分として含有する皮膚外用剤である。本態様の皮膚外用剤は、前記第二の植物群から選ばれる植物の抽出物を含有することによって、優れた老化防止効果を奏する。
なお、本明細書において、「老化防止」とは、生体細胞組織に対する老化防止作用のことを意味するものとする。特に、皮膚用の「老化防止」とは、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚(頭皮、唇、粘膜を含む)のしわやたるみ、張りや弾力性の低下に加え、皮膚の黒化、色素沈着により生じるシミやソバカスや皮膚の保水能の減少等の皮膚の老化を予防あるいは改善する等の老化防止作用を意味するものとする。これらの作用を示す限り、老化防止作用を発現するメカニズムについては特に制限されない。例えば、「メラニン生成抑制効果」及び「抗酸化効果」により発現する効果も「老化防止」の範囲に含まれる。
【0019】
本発明の第三の態様は、前記第二の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を美白成分として含有する皮膚外用剤である。本態様の皮膚外用剤は、前記第二の植物群から選ばれる植物の抽出物を含有することによって、優れた美白効果を奏する。
【0020】
本発明の第四の態様は、前記第二の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を抗酸化成分として含有する皮膚外用剤である。本態様の皮膚外用剤は、前記第二の植物群から選ばれる植物の抽出物を含有することによって、優れた抗酸化効果を奏する。
なお、活性酸素やフリーラジカルは核酸、脂質やタンパク質を酸化し生体組織及び細胞の障害を引き起こし、ひいては様々な疾病や老化の原因となることが知られている。本明細書において「抗酸化」の用語は、活性酸素やフリーラジカルによるこれらの障害を予防又は抑制するためにそれらの発生を未然に防ぐ作用のほか、生成した活性酸素やフリーラジカルを捕捉もしくは消去する、および過酸化脂質を分解する作用などを含め、最も広義に解釈するものとする。
【0021】
本発明の第五の態様は、石胆草、荷花掌、瓦松及び燕子掌からなる第三の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を保湿成分として含有する皮膚外用剤である。本態様の皮膚外用剤は、前記第三の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を含有することによって、優れた保湿効果を奏する。
なお、本明細書において「保湿」の用語は、実施例において行われる水分量の測定によって確認できる効果の他、皮膚の乾燥による肌荒れ、並びに皮膚のうるおい感、つや及びはり等の低下などを予防あるいは改善する効果などを含めて最も広義に解釈するものとする。
【0022】
本発明の皮膚外用剤における前記植物の抽出物(乾燥固形物)の含有量は、好ましくは0.00001〜5質量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.001〜0.5%である。この範囲内であれば、前記抽出物を安定に配合することができ、各態様において、各々、優れた薬効を発揮することができる。又、溶液として抽出物を使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出物溶液濃度は何ら限定されるものではない。
【0023】
本発明の皮膚外用剤は、前記植物の抽出物を常法に従い、種々の形態の基剤に配合して、製剤化することにより調製することができる。さらに、前記植物の抽出物を他の薬効剤の一種又は二種以上と組み合わせて配合することによって、より優れた種々の薬効を奏する皮膚外用剤を調製することもできる。
【0024】
本発明の好ましい実施形態として、前記植物の抽出物の一種又は二種以上と、他の美白剤、細胞賦活剤、抗酸化剤、保湿剤及び紫外線防止剤から選ばれる一種又は二種以上を含有する皮膚外用剤が挙げられる。具体的な他の種々の薬効剤としては、それぞれ以下に示すものが例示される。なお、以下の具体例において、「誘導体」には形成可能なエステルや塩が含まれる。又、二種以上の薬効を有するものについては、各薬効剤の具体例として重複して例示した。
【0025】
(美白剤)
美白剤としては、ビタミンC及びその誘導体(ジパルミチン酸−L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸−L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等)、胎盤抽出物、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、ヨクイニン(ハトムギ)抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、海藻抽出物(コンブ、マコンブ、ワカメ、ヒジキ、ヒバマタ、スジメ、トロロコンブ、カジメ、ツルアラメ、チガイソ、ホンダワラ、ジャイアントケルプ等の褐藻類;テングサ、オオキリンサイ、キリンサイ、ツノマタ、スギノリ、ウスバノリ、アサクサノリ、マツノリ、トサカマツ、フノリ、オゴノリ、カイメンソウ、イギス、エゴノリ等の紅藻類;クロレラ、アオノリ、ドナリエラ、クロロコッカス、アナアオサ、カワノリ、マリモ、シオグサ、カサノリ、フトジュズモ、タマジュズモ、ヒトエグサ、アオミドロ等の緑藻類;スピルリナ等の藍藻類等)、センプクカ抽出物、ブドウ抽出物、コムギ抽出物、トマト抽出物、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、アガロース、オリゴサッカライド、ハイドロキノン及びその誘導体、システイン及びその誘導体、アスパラガス抽出物、イブキトラノオ抽出物、ノイバラ(エイジツ)抽出物、エゾウコギ抽出物、エンドウ豆抽出物、カミツレ抽出物、ケイケットウ抽出物、オレンジ抽出物、キイチゴ抽出物、キウイ抽出物、クララ(クジン)抽出物、コーヒー抽出物、ゴマ油、エゴマ油、ゴカヒ抽出物、コメ抽出物、コメヌカ抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ(カワラケツメイ)抽出物、シャクヤク抽出物、シラユリ抽出物、クワ(ソウハクヒ)抽出物、トウキ抽出物、ブナノキ抽出物、ブナの芽抽出物、ブラックカラント抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、モッカ(ボケ)抽出物、ユキノシタ抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)、霊芝抽出物、微生物醗酵代謝産物、大豆抽出物、糖蜜抽出物、羅漢果抽出物、イザヨイバラ抽出物、ウワウルシ流エキス、甜茶抽出物、メロスリア抽出物、紅景天抽出物、アルブチン、ビタミンEおよびその誘導体(ビタミンEグルコシド、ビタミンEマルトシド等)、リノール酸及びその誘導体(リノール酸エチル、リノール酸dl−α―トコフェロール等)及びリノール酸を含有する植物油(エゴマ油、ベニバナ油、キウイシード油等)等が挙げられる(尚、かっこ内は、植物の別名、生薬名等を記載した)。
【0026】
これらの美白剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンC及びその誘導体、カンゾウ抽出物、ハトムギ(ヨクイニン)抽出物、ブドウ抽出物、センプクカ抽出物、メロスリア抽出物、紅景天抽出物、ビタミンE及びその誘導体(ビタミンEグルコシド、ビタミンEマルトシド等)、海藻抽出物、茶抽出物が挙げられる。
【0027】
(細胞賦活剤)
細胞賦活剤としては、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、ビタミンA及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体;デヒドロレチナール等のレチナール及びその誘導体等)、ビタミンC及びその誘導体(ジパルミチン酸−L−アスコルビルやテトライソパルミチン酸−L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等)、ビタミンB及びその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミドやニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、リボ核酸及びその塩、デオキシリボ核酸及びその塩、α−及びγ−リノレン酸、キサンチン及びその誘導体(カフェイン等)、アミノ酸及びその誘導体(セリン、グルタミン酸、テアニン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸等)、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体、エイコサペンタエン酸及びその誘導体、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、アーモンド抽出物、アスパラガス抽出物、アンズ(キョウニン)抽出物、イチョウ抽出物、キハダ(オウバク)抽出物、オオムギ(バクガ)抽出物、キウイ抽出物、キュウリ抽出物、シイタケ抽出物、スギナ抽出物、センブリ抽出物、大豆抽出物、ナツメ(タイソウ)抽出物、ツボクサ抽出物、トウガラシ抽出物、トウキンセンカ抽出物、トマト抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン抽出物、ヒノキチオール、ブクリョウ抽出物、ブドウ種子油、ブナノキ抽出物、ブナの芽抽出物、モモ抽出物、ユーカリ抽出物、ユリ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、麦芽根抽出物、動物由来抽出物(イカスミ等軟体動物抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、魚肉抽出物、鶏冠抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物、胎盤抽出物、血清除蛋白抽出物、ラクトフェリン又はその分解物等)、酵母抽出物、微生物醗酵代謝産物(乳酸菌、ビフィズス菌等由来)、霊芝抽出物等が挙げられる。なお、抽出物の具体例においては、括弧内は植物の別名、生薬名等を示す。
【0028】
これらの細胞賦活剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、クエン酸、リンゴ酸、ピロリドンカルボン酸、ニンジン抽出物、血清除蛋白抽出物、酵母抽出物、微生物醗酵代謝産物(乳酸菌、ビフィズス菌等由来)、霊芝抽出物が挙げられる。
【0029】
(抗酸化剤)
又、抗酸化剤としては、ビタミンE及びその誘導体(dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、リノール酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロール及びその誘導体、ユビキノン類等)、ビタミンA及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体、デヒドロレチナール等のレチナール及びその誘導体等)、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、クエルセチン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンB及びその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、ビタミンC及びその誘導体(ジパルミチン酸−L−アスコルビルやテトライソパルミチン酸−L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等)、ビタミンD及びその誘導体(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等)、ルチン、チオタウリン、タウリン、ハイドロキノン及びその誘導体、ヒスチジン、カテキン及びその誘導体、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、グルタチオン及びその誘導体、没食子酸及びその誘導体、コレステロール及びその誘導体、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、キュウリ抽出物、ケイケットウ抽出物、ゲンチアナ(リンドウ)抽出物、ゲンノショウコ抽出物、サンザシ抽出物、シャクヤク抽出物、イチョウ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、ニンジン抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、サンペンズ(カワラケツメイ)抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ブドウ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、モッカ(ボケ)抽出物、メリッサ抽出物、ヤシャジツ(ヤシャ)抽出物、ユキノシタ抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、レタス抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)、微生物醗酵代謝産物、海藻抽出物、霊芝抽出物、卵殻膜抽出物、胎盤抽出物、羅漢果抽出物、月見草抽出物等が挙げられる。なお、抽出物の具体例においては、括弧内は植物の別名、生薬名等を示す。
【0030】
これらの抗酸化剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ルチン、ヤシャジツ抽出物、ユキノシタ抽出物、マイカイカ抽出物、スーパーオキサイドディスムターゼ、イチョウ抽出物、グルタチオン及びその誘導体、ヒスチジン、マンニトール、カロチノイドが挙げられる。
【0031】
(保湿剤)
保湿剤としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、タンパク質、その誘導体及びその加水分解物並びにそれらの塩(コラーゲン、エラスチン、ケラチン等)、ムコ多糖及びその誘導体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等)、アミノ酸及びその誘導体(ヒスチジン、セリン、グリシン、テアニン、アスパラギン酸、アルギニン、ピロリドンカルボン酸等)、糖類(ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、キシリトール、蔗糖及びその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等)、D−パンテノール及びその誘導体、糖脂質、セラミド、温泉水、アマチャ抽出物、アーモンド抽出物、アシタバ抽出物、アボカド抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、アロエ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、オウレン抽出物、オトギリソウ抽出物、オドリコソウ抽出物、オノニス抽出物、カミツレ抽出物、カラスムギ抽出物、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、キイチゴ抽出物、スイカズラ(キンギンカ)抽出物、クインスシード(マルメロ)抽出物、クララ(クジン)抽出物、クチナシ抽出物、クマザサ抽出物、グレープフルーツ抽出物、クレソン抽出物、ゲンチアナ(リンドウ)抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ゴボウ抽出物、コムギ抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、サイシン抽出物、サボテン抽出物、サボンソウ抽出物、サルビア(セージ)抽出物、サンザシ抽出物、ジオウ抽出物、シソ抽出物、シモツケ抽出物、シャクヤク抽出物、ショウガ抽出物、ショウブ抽出物、シラカバ抽出物、ハッカ(ペパーミント、ミドリハッカ、スペアミント等)抽出物、ゼニアオイ(ウスベニタチアオイ)抽出物、センキュウ抽出物、クワ(ソウハクヒ)抽出物、タチジャコウソウ(タイム)抽出物、ツバキ抽出物、トウキ抽出物、トウチュウカソウ抽出物、ドクダミ抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ハトムギ(ヨクイニン)抽出物、ハマメリス(ウイッチヘーゼル)抽出物、バラ抽出物、ヒノキ抽出物、ヒマワリ抽出物、フキタンポポ抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、ブドウ抽出物、プルーン(スモモ)抽出物、ヘチマ抽出物、ボダイジュ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、マロニエ抽出物、ムクロジ抽出物、ムチン、メリッサ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、ユキノシタ抽出物、ユリ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンゴ抽出物、リンドウ(リュウタン)抽出物、リン脂質及びその誘導体(大豆、卵黄等由来)、レンゲソウ抽出物、ワレモコウ(ジユ)抽出物、茶(烏龍茶、緑茶、紅茶等)抽出物、尿素、羅漢果抽出物、海藻抽出物(コンブ、マコンブ、ワカメ、ヒジキ、ヒバマタ、スジメ、トロロコンブ、カジメ、ツルアラメ、チガイソ、ホンダワラ、ジャイアントケルプ等の褐藻類;テングサ、オオキリンサイ、キリンサイ、ツノマタ、スギノリ、ウスバノリ、アサクサノリ、マツノリ、トサカマツ、フノリ、オゴノリ、カイメンソウ、イギス、エゴノリ等の紅藻類;クロレラ、アオノリ、ドナリエラ、クロロコッカス、アナアオサ、カワノリ、マリモ、シオグサ、カサノリ、フトジュズモ、タマジュズモ、ヒトエグサ、アオミドロ等の緑藻類;スピルリナ等の藍藻類等)等が挙げられる。
更に、皮膚表面のシーリングによる保湿(エモリエント)剤として、ホホバ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、杏仁油、パーシック油、サフラワー油、ヒマワリ油、アボガド油、メドゥホーム油、ツバキ油、アーモンド油、エゴマ油、ゴマ油、ボラージ(ルリジサ)油、カカオ脂、シア脂等が挙げられる。
これらの保湿剤を配合することにより、より高い老化防止効果を発揮することができる。なお、抽出物の具体例においては、括弧内は植物の別名、生薬名等を示す。
【0032】
これらの保湿剤のうち、特に好ましいものとしては、アミノ酸及びその誘導体、リン脂質及びその誘導体、グリセリン、1,3−ブチレングリコールが挙げられる。
【0033】
(紫外線防止剤)
紫外線防止剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン及びその誘導体(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等)、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛及び微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。特に酸化チタンや酸化亜鉛等の無機粉体は、微粒子のものを用いるとより高い効果が発揮される。
【0034】
これらの紫外線防止剤のうち、特に好ましいものとしては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルへキシル、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛及び微粒子酸化亜鉛が挙げられる。
【0035】
本発明の皮膚外用剤における上記他の種々の薬効剤の配合量は、薬効剤の種類により相違するが、以下に示す範囲とすることが好ましい。この範囲であれば、前記植物の抽出物と組み合わせた場合、製剤及び製剤中の前記植物の抽出物の経時安定性に影響を及ぼすことがないので好ましい。
【0036】
即ち、本発明の皮膚外用剤における他の美白剤の配合量は、好ましくは0.00001〜10%であり、より好ましくは0.0001〜5%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であれば良い。この範囲であればより優れた美白及び/又は美肌効果を示し、かつ、使用感の良好な皮膚外用剤が得られる。
【0037】
即ち、本発明の皮膚外用剤における他の細胞賦活剤の配合量は、好ましくは0.00001〜10%であり、より好ましくは0.0001〜5%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であればより優れた細胞賦活効果、または他の薬効ととともに細胞賦活効果を示し、しわやたるみを改善する等皮膚に対する優れた薬効を示す皮膚外用剤が得られる。
【0038】
本発明の皮膚外用剤における他の抗酸化剤の配合量は、好ましくは0.00001〜5%、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であればより優れた抗酸化効果を発揮し、または他の薬効とともに抗酸化効果を示し、活性酸素等による皮膚真皮へのダメージを予防し、より優れた薬効を示す皮膚外用剤が得られる。
【0039】
本発明の皮膚外用剤における他の保湿剤の配合量としては、0.00001〜25%の範囲が好ましく、より好ましくは0.0001〜20%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であればより優れた保湿効果を発揮し、または他の薬効とともに保湿効果を発揮し、乾燥などによるしわの形成を抑制し、より優れた薬効を示す皮膚外用剤が得られる。
【0040】
本発明の皮膚外用剤における他の紫外線防止剤の配合量としては、好ましくは0.001〜30%、より好ましくは0.01〜25%の範囲である。この範囲であればより優れた紫外線防止効果を発揮し、または他の薬効とともに紫外線防止効果を発揮し、紫外線によるしわやたるみを予防することにより、より優れた薬効を示す皮膚外用剤が得られる。
【0041】
これらの他の美白剤、細胞賦活剤、抗酸化剤、保湿剤及び紫外線防止剤は、一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0042】
本発明の皮膚外用剤の配合形態の例としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の、いずれの形態の化粧料であっても外用医薬品等であってもよい。
【0043】
又、本発明の皮膚外用剤には、前記成分以外に、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等に通常使用される各種の成分、即ち、水、アルコール、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、各種薬効剤、動植物・微生物由来の抽出物、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜加えることができる。これらの中から、具体的なものを以下に例示する(植物名の後の括弧内は、植物の別名、生薬名等を記載した)。
【0044】
アルコールとしては、必須成分と重複しない範囲で、溶解、清涼感、防腐、保湿等の目的で、エチルアルコール等の一価アルコール又は多価アルコールを用いることができる。
【0045】
油剤は、使用性、使用感を良くするものとして、その由来、性状は問わず使用することができる。例えば流動パラフィン、スクワラン、トリグリセライド油、エステル油、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール、シリコーン油、フッ素系油、各種ワックス等である。
【0046】
界面活性剤は、油剤等の乳化や可溶化等の為に用いられ、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性及び両性の活性剤を用いることができる。
【0047】
増粘剤としては、必須成分と重複しない範囲で、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、デキストリン脂肪酸エステル、有機変性粘土鉱物等、化学合成品又は天然物由来に関わらず用いることが可能である。又、これらの成分を系の粘度調整だけでなく、ゲル化、保湿、皮膜形成等の為等に用いることもできる。
【0048】
粉体としては、形状や粒子の大きさ、多孔性の有無、結晶構造等を問わず、使用性や使用感を良くする為に、複合化や表面処理を行なったものでもよい。タルク、マイカ、セリサイト、無水ケイ酸等の無機粉体、ナイロンパウダー等の有機粉体、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等のパール顔料、酸化鉄、カーボンブラック、群青等の無機顔料、タール色素及びそのレーキ、天然色素等が用途に応じて用いられる。
【0049】
系中の成分の品質劣化を防ぐ為に、EDTA等のキレート剤、乳酸−乳酸ナトリウム等のバッファーによるpH調整剤を用いることもできる。
【0050】
防腐剤及び殺菌剤としては、ニキビ等を予防、改善する目的で、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が用いられる。
【0051】
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、イオウ及びその誘導体、イラクサ抽出物、インチンコウ抽出物、ウコン抽出物、ニワトコ抽出物、ガマ(ホオウ)抽出物、ヨモギ抽出物等が挙げられる。抗炎症剤を配合することより、炎症に起因する皮膚の色素沈着抑制や老化防止等の効果をより高める、または付与することができる。
【0052】
血行促進剤は、皮膚の血流を促すことによってしわや弾力性の低下を予防する目的で用いられ、トウガラシチンキ、γ―オリザノール等が挙げられ、酵素としてはリパーゼ、パパイン等が挙げられる。これらを配合することにより、老化防止の効果をより高める、または付与することができる。
【0053】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
[例1:石蓮花抽出物の製造]
巻柏(Selaginella tamariscina)、瓦松(Orostachys fimbriatus)、石胆草(Corallodiscus flabellate)、燕子掌(Crassula portulacea)及び荷花掌(Echeveria glauca)について、それらの葉及び茎の混合物各100gに、精製水、50vol%含水エチルアルコール又はエチルアルコールをそれぞれ別々に1L加え、室温で一週間抽出を行なった。その後濾過し、得られた濾液から溶媒を留去して乾固し、固形分である各石蓮花の精製水抽出物、50vol%含水エチルアルコール抽出物、エチルアルコール抽出物を得た。得られた固形分重量(g)を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
[例2: 細胞培養によるメラニン生成抑制及び細胞生存率試験]
マウス由来のB16メラノーマ培養細胞を使用した。2枚の6穴プレートに10%FBS含有MEM培地を適量とり、B16メラノーマ細胞を播種し、37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて静置した。翌日、例1より得られた荷花掌、燕子掌、巻柏、瓦松、及び石胆草の精製水抽出物の各々を、最終濃度が0(対照)、3、10、30μg/mLとなるように検体調製液を添加し混和した。培養5日目に培地を交換し、再度検体調製液を添加した。翌日、培地を除き、1枚のプレートについて、細胞をリン酸緩衝液(pH7)にて洗浄した後回収し、B16メラノーマ培養細胞の白色化度を以下の基準にて判定した。
【0056】
又、比較例として既にメラニン生成抑制作用のあることが知られているヨクイニン抽出物(300、500、1000μg/mL)についても同様の試験を行った。
ヨクイニン抽出物は、ヨクイニン(日局)10gに、70vol%含水エチルアルコール100mLを加え、室温にて3日間抽出を行った後、濾過して得た。この時、ヨクイニン抽出物の乾燥固形分は0.8%であった。
【0057】
(判定基準)
++:対照に対してきわめて白色である。
+:対照に対してあきらかに白色である。
±:対照に対してやや白色である。
−:対照と同じ黒色である。
【0058】
残りの1枚のプレートについて、細胞をホルマリン固定後、1%クリスタルバイオレット溶液を添加し染色した。各検体濃度に対する細胞生存率をモノセレーター(オリンパス社製)で測定した。以上の結果を表2に示す。なお、表中、「n.d.」は検出限界以下であることを示す。
【0059】
(結果)
【表2】
【0060】
なお、表2中には、結果の例として各植物の精製水抽出物の結果を示したが、各植物の各溶媒による抽出物のいずれも、対照に比べ白色化していた。
表2に示す結果から明らかな如く、各植物の精製水抽出物はメラニン生成抑制能を有し、かつB16メラノーマ培養細胞に対し毒性が低いことが認められた。各植物の抽出物を含有する皮膚外用剤を肌に適用することにより、極めて優れたメラニン生成抑制作用を発揮し、日焼けによる肌の黒色化、シミ、ソバカスなどを効果的に抑制し、美白及び美肌効果が期待できる。
【0061】
[例3:抗酸化作用の評価]
スーパーオキサイドディスムターゼ(以下SODと呼ぶ)はスーパーオキサイドを消去する働きのある生体内抗酸化酵素であるが、その他の物質の有する、この酵素と同様の作用をSOD様作用という。SOD様作用はスーパーオキサイドの消去率にて測定され、その値が高いほどSOD様作用が高いといえる。荷花掌、燕子掌、巻柏、瓦松、及び石胆草の精製水抽出物(例2で使用したものと同様)の各々について、SOD様活性を測定した結果を下記表3に示す。
又、比較例として既にSOD様作用があることが知られているオウゴン抽出物についても同様の試験を行った。
なお、オウゴン抽出物は、オウゴンの全草10gに、含水濃度70vol%エチルアルコール100mLを加え、室温にて3日間抽出を行ったのち濾過して得た。このときオウゴン抽出物の乾燥固形分は0.5%であった。
【0062】
(測定方法)
0.05mol/L 炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.2)2.4mLに基質溶液[3.0mmol/L キサンチン(0.05mol/L 炭酸ナトリウム緩衝液に溶解)]0.1mL、3.0mmol/L EDTA 0.1mL、0.15%(w/v)ウシ血清アルブミン 0.1mL、0.75mmol/Lニトロブルーテトラゾリウム 0.1mL及び0.3mg/mLの各被験試料0.1mLを混合し、25℃で10分間放置した。次いで、酵素溶液[キサンチンオキシダーゼ溶液(精製水にて約0.04units/mLに希釈)]0.1mLを加えて反応を開始し、25℃で20分間インキュベートした後、6mmol/L 塩化第二銅0.1mLを加えて反応を停止する。次いで560nmにおける吸光度(A)を測定した。
対照には被験試料のかわりに精製水を加えた試料の吸光度(B)、また各試料のブランクには、6mmol/L 塩化第二銅0.1mLを加えて反応停止後に、キサンチンオキシダーゼ0.1mLを添加した試料の吸光度(C)を測定し、下記数式1より、スーパーオキサイド除去率を算出した。その結果を表3に示す。
式1
スーパーオキサイド除去率(%)={B−(A−C)}/B × 100
【0063】
【表3】
【0064】
なお、結果の例として各植物の精製水抽出物の結果を示すが、各植物の各溶媒による抽出物のいずれも、SOD様作用を有していた。
表3に示す結果から、各植物の精製水抽出物のいずれも、SOD様作用を示し、優れた抗酸化効果を有することがわかった。この結果から、前記植物の抽出物を含有する皮膚外用剤は、肌に供給することによって、皮膚細胞組織の酸化を防止、健康的な肌に維持する効果を有することが示された。
【0065】
[例4:保湿作用の評価]
25〜53歳のパネル30人に対して、例1より得られた荷花掌、燕子掌、巻柏、瓦松及び石胆草の50vol%含水エチルアルコール抽出物の各々について、保湿効果の評価を行った。各抽出物につき6名ずつ評価した。詳しくは、乾燥固形分として0.1%になるように5%エチルアルコール水溶液に溶解した被験溶液を、上腕の内側に塗布した後、経時的な電気伝導度の変化を測定(IBS社製 皮表角層水分量測定装置:MODEL SKICON−200を使用)して水分量の経時的な変化を求めた。比較品としては5%エチルアルコール水溶液を用い、各パネルの他方の上腕の内側に塗布して同様の測定を行なった。これらの測定値の平均値を測定時間に対して求め、対初期値(%)として算出した。
結果を図1のグラフに示す。
【0066】
図1のグラフに示す結果から、各植物の50vol%含水エチルアルコール抽出物のいずれを添加した場合も、水分量は対照である5%エチルアルコール水溶液より高く保持されることがわかった。この結果より、前記植物の抽出物を含有する皮膚外用剤は、肌に適用することにより皮膚細胞組織内の水分量の維持に寄与し、潤いのある肌にする効果を有することが示された。
【0067】
[例5:クリーム]
例1より得られた荷花掌、燕子掌、巻柏、瓦松および石胆草のエチルアルコール抽出物を乾燥固形分として10%になるようにエチルアルコールに溶解した溶液を用い、下記表4に示す組成の各クリームを以下の製法により各々調製した。成分(1)〜(6)及び(13)を混合し、加熱して70℃に維持した混合物に、70℃に維持した成分(15)の一部を加えて乳化した。この乳化物に、成分(15)の残部に溶解した成分(7)〜(12)及び(14)を加えた後、冷却してクリームを得た。
【0068】
(試験方法)
被験クリーム1品につき35〜59才の女性15名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。塗布によるくすみ改善効果を以下の基準によって評価し、各評価基準に該当する人数を表4に示した。
【0069】
(評価基準)
<評価> <内 容>
有 効 肌のくすみが目立たなくなった。
やや有効 肌のくすみがあまり目立たなくなった。
無 効 使用前と変化なし。
【0070】
(組成及び結果)
【表4】
【0071】
表4に示した結果から明らかなように、前記植物の抽出物を含有する本発明品のクリームは、これらを皮膚に塗布することにより、肌の「くすみ」等を防止および改善でき、美白効果があることが明らかとなった。
【0072】
[例6:クリーム]
例1より得られた瓦松の50vol%エチルアルコール抽出物を乾燥固形分として10%になるようにエチルアルコールに溶解した溶液を用い、表5に示す組成の各クリームを下記製法により各々調製した。成分(1)〜(6)、(10)、(13)及び(14)を混合し、加熱して70℃に維持した混合物に、70℃に維持した成分(16)の一部を加えて乳化した。この乳化物に、(16)の残部を溶解した(7)〜(9)、(11)、(12)及び(15)を加えた後、冷却してクリームを得た。
この瓦松の50vol%含水エチルアルコール抽出物と、細胞賦活剤、抗酸化剤、保湿剤又は紫外線防止剤とを含む各クリームのくすみ改善効果を評価し、各評価基準に該当する人数を表5に示した。
なお、試験方法と評価基準は、例5と同様に行なった。
【0073】
(組成及び結果)
【表5】
【0074】
表5に示した結果から明らかなように、瓦松の50vol%含水エチルアルコール抽出物と、美白剤、細胞賦活剤、抗酸化剤、保湿剤または紫外線防止剤とを併用して配合した本発明品のクリームは、肌の「くすみ」等の防止および改善効果を相乗的に発揮し、瓦松の50vol%含水エチルアルコール抽出物を単独で配合した皮膚外用剤を塗布した場合に比べて、より優れた美白効果を奏することが明らかとなった。
【0075】
[例7:化粧水]
下記成分(1)〜(7)を混合溶解した溶液と、下記成分(8)〜(11)を混合溶解した溶液とを混合して均一にし、化粧水を得た。
(成分) (%)
(1)グリセリン 10.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.0
(3)巻柏の精製水抽出物*1 0.001
(4)グリチルリチン酸ジカリウム*2 0.1
(5)クエン酸 0.1
(6)クエン酸ナトリウム 0.3
(7)精製水 残量
(8)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
(9)エチルアルコール 8.0
(10)防腐剤 適量
(11)香料 適量
*1 例1で製造したもの
*2 丸善製薬社製
【0076】
[例8:化粧水]
下記成分(1)〜(7)を混合溶解した溶液と、下記成分(8)〜(11)を混合溶解した溶液とを混合して均一にし、化粧水を得た。
(成分) (%)
(1)グリセリン 10.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.0
(3)石胆草の50vol%含水エチルアルコール抽出物*1 0.05
(4)マイカイカ抽出物*2 0.5
(5)乳酸 0.1
(6)乳酸ナトリウム 0.3
(7)精製水 残量
(8)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
(9)エチルアルコール 8.0
(10)防腐剤 適量
(11)香料 適量
*1 例1で製造したもの
*2 丸善製薬社製
【0077】
[例9:乳液]
下記成分(13)〜(17)を加熱混合し、70℃に維持した混合物に、下記成分(1)〜(12)を加熱混合し、70℃に維持した混合物を加えて混合し、均一に乳化した。この乳化物を冷却後、成分(18)〜(23)を加え、均一に混合して乳液を得た。
(成分) (%)
(1)モノステアリン酸ソルビタン 0.3
(2)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(20E.O.) 0.1
(3)親油型モノステアリン酸グリセリル 0.2
(4)ステアリン酸 0.5
(5)セタノール 0.5
(6)スクワラン 3.0
(7)流動パラフィン 4.0
(8)トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
(9)ジメチルポリシロキサン 1.0
(10)水素添加大豆リン脂質 0.1
(11)ニコチン酸dl−α−トコフェロール*1 0.05
(12)防腐剤 適量
(13)カルボキシビニルポリマー水溶液(1.0%) 10.0
(14)水酸化ナトリウム 0.05
(15)グリセリン 5.0
(16)1,3−ブチレングリコール 7.0
(17)精製水 残量
(18)エチルアルコール 5.0
(19)石胆草のエチルアルコール抽出物*2 0.0001(20)イチョウ抽出物*3 3.0
(21)リン酸−L−アスコルビルマグネシウム*4 0.1
(22)麻セルロース末 3.0
(23)香料 適量
*1 エーザイ社製
*2 例1で製造したもの
*3 常磐植物科学研究所社製
*4 日光ケミカルズ社製
【0078】
[例10:乳液]
下記成分(13)〜(17)を加熱混合し、70℃に維持した混合物に、下記成分(1)〜(12)を加熱混合し、70℃に維持した混合物を加えて混合し、均一に乳化した。この乳化物を冷却後、成分(18)〜(22)を加え、均一に混合して乳液を得た。
(成分) (%)
(1)モノステアリン酸ソルビタン 0.3
(2)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(20E.O.) 0.1
(3)親油型モノステアリン酸グリセリル 0.2
(4)ステアリン酸 0.5
(5)セタノール 0.5
(6)スクワラン 3.0
(7)流動パラフィン 4.0
(8)トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
(9)ジメチルポリシロキサン 1.0
(10)水素添加大豆リン脂質 0.1
(11)ルチン*1 0.2
(12)防腐剤 適量
(13)カルボキシビニルポリマー水溶液(1.0%) 10.0
(14)水酸化ナトリウム 0.05
(15)グリセリン 5.0
(16)1,3−ブチレングリコール 7.0
(17)精製水 残量
(18)エチルアルコール 5.0
(19)石胆草の50vol%含水エチルアルコール抽出物*2 0.1
(20)ソウハクヒ抽出物*3 1.0
(21)無水ケイ酸 3.0
(22)香料 適量
*1 シグマ社製
*2 例1で製造したもの
*3 丸善製薬社製
【0079】
例7〜10は、いずれも経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼けや加齢等による肌のしわやたるみを改善し、張りのある美しい肌にする、老化防止効果に優れた化粧水及び乳液であった。
【0080】
[例11:軟膏]
下記成分(5)、(6)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に維持した混合物を、下記成分(1)〜(4)を加熱混合し、75℃に維持した混合物に徐々に加えた。この混合物を冷却しながら成分(7)の残部で溶解した(8)〜(10)を加え、軟膏を得た。
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 18.0
(2)セタノール 4.0
(3)dl−α−トコフェロール*1 0.2
(4)防腐剤 適量
(5)トリエタノールアミン 2.0
(6)グリセリン 5.0
(7)精製水 残量
(8)石胆草のエチルアルコール抽出物*2 0.05
(9)グリチルリチン酸ジカリウム*3 0.5
(10)酵母抽出物 0.5
*1 エーザイ社製
*2 例1で製造したもの
*3 丸善製薬社製
【0081】
[例12:軟膏]
下記成分(4)、(5)及び(6)の一部を加熱混合し、75℃に維持した混合物を、下記成分(1)〜(3)を加熱混合し、75℃に維持した混合物に徐々に加えた。この混合物を冷却しながら、成分(6)の残部で溶解した(7)〜(10)を加え、軟膏を得た。
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 18.0
(2)セタノール 4.0
(3)防腐剤 適量
(4)トリエタノールアミン 2.0
(5)グリセリン 5.0
(6)精製水 残量
(7)瓦松の精製水抽出物*1 0.001
(8)トウキ抽出物*2 0.3
(9)ピロリドンカルボン酸ナトリウム*3 0.3
(10)テトライソパルミチン酸−L−アスコルビル*4 0.01
*1 例1で製造したもの
*2 日本粉末薬品社製
*3 味の素社製
*4 日光ケミカルズ社製
【0082】
例11及び12は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌のしわやたるみを改善し、張りのある美しい肌にする、老化防止効果に優れた軟膏であった。
【0083】
[例13:パック]
下記成分(1)〜(6)を混合し、70℃に加熱して溶解した溶液に、下記成分(7)及び(8)を混合して溶解した溶液を加えて、混合した。この混合液を冷却した後、成分(9)〜(11)を混合して、パックを得た。
(成分) (%)
(1)ポリビニルアルコール 15.0
(2)無水ケイ酸 0.5
(3)ポリエチレングリコール 0.5
(4)ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 5.0
(5)グリセリン 5.0
(6)精製水 残量
(7)エチルアルコール 10.0
(8)防腐剤 適量
(9)巻柏の精製水抽出物*1 0.0001
(10)石胆草のエチルアルコール抽出物*1 0.0001
(11)香料 適量
*1 例1で製造したもの
【0084】
[例14:パック]
下記成分(1)〜(7)を混合し、70℃に加熱して溶解した溶液に、下記成分(8)及び(9)を混合して溶解した溶液を加え、混合した。この混合液を冷却した後、成分(10)〜(13)を混合して、パックを得た。
(成分) (%)
(1)ポリビニルアルコール 15.0
(2)無水ケイ酸 0.5
(3)ポリエチレングリコール 0.5
(4)ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 5.0
(5)グリセリン 5.0
(6)精製水 残量
(7)オレンジフラワー水*1 10.0
(8)エチルアルコール 20.0
(9)防腐剤 適量
(10)瓦松の精製水抽出物*2 0.01
(11)カンゾウ抽出物*3 0.5
(12)コムギ抽出物*4 0.5
(13)香料 適量
*1 エスペリス社製
*2 例1で製造したもの
*3 丸善製薬社製
*4 成和化成社製
【0085】
例13及び14は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌のしわやたるみを改善し、張りのある美しい肌にする、老化防止効果に優れたパックであった。
【0086】
[例15:リキッドファンデーション]
下記成分(1)〜(7)を加熱し混合溶解した溶液に、成分(13)〜(18)を加え、均一に混合し、70℃に維持した。この混合物を、下記成分(8)〜(12)を均一に溶解し、70℃に維持した混合物に添加して、均一に乳化した。この乳化物を、冷却後、成分(19)〜(22)を添加してリキッドファンデーションを得た。
(成分) (%)
(1)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 2.0
(2)流動パラフィン 5.0
(3)ステアリン酸 2.0
(4)セタノール 1.0
(5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(6)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 8.0
(7)防腐剤 適量
(8)グリセリン 5.0
(9)トリエタノールアミン 1.0
(10)カルボキシメチルセルロース 0.2
(11)ベントナイト 0.5
(12)精製水 残量
(13)酸化チタン 6.0
(14)微粒子酸化チタン 2.0
(15)微粒子酸化亜鉛 5.0
(16)マイカ 2.0
(17)タルク 4.0
(18)着色顔料 4.0
(19)瓦松の精製水抽出物*1 0.1
(20)マンニトール*2 0.5
(21)ニコチン酸アミド*3 0.5
(22)香料 適量
*1 例1で製造したもの
*2 シグマ社製
*3 シグマ社製
【0087】
[例16:リキッドファンデーション]
下記成分(1)〜(9)及び(24)を混合溶解した溶液に、成分(15)〜(22)を加え、均一に混合し、70℃に維持した。この混合物を、下記成分(10)〜(14)及び(25)を均一に溶解し、70℃に維持した混合物に添加して、均一に乳化した。この乳化物を冷却後、成分(23)及び(26)を添加してリキッドファンデーションを得た。
(成分) (%)
(1)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 2.0
(2)流動パラフィン 5.0
(3)ステアリン酸 2.0
(4)セタノール 1.0
(5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(6)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 8.0
(7)4−tert−ブチル−4’
−メトキシジベンゾイルメタン 2.0
(8)パルミチン酸レチノール*1 0.2
(9)防腐剤 適量
(10)グリセリン 5.0
(11)トリエタノールアミン 1.0
(12)カルボキシメチルセルロース 0.2
(13)ベントナイト 0.5
(14)精製水 残量
(15)酸化チタン 6.0
(16)微粒子酸化チタン 2.0
(17)微粒子酸化亜鉛 5.0
(18)マイカ 2.0
(19)タルク 4.0
(20)黄酸化鉄 1.0
(21)黒酸化鉄 0.05
(22)ベンガラ 0.5
(23)巻柏の精製水抽出物*2 0.01
(24)酢酸dl−α−トコフェロール*3 0.5
(25)リン酸−L−アスコルビルマグネシウム*4 0.5
(26)香料 適量
*1 日本ロシュ社製
*2 例1で製造したもの
*3 エーザイ社製
*4 日光ケミカルズ社製
【0088】
[例17:油性ファンデーション]
下記成分(1)〜(7)及び(13)〜(17)を80℃で加熱溶解した溶液に、成分(8)〜(12)を加えて均一に混合し、冷却固化して油性ファンデーションを得た。
(成分) (%)
(1)キャンデリラワックス 4.0
(2)パラフィンワックス 5.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジメチルポリシロキサン 15.0
(5)スクワラン 25.0
(6)トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
(7)有機変性ベントナイト 3.0
(8)グリセリン 0.5
(9)酸化チタン 10.0
(10)セリサイト 5.0
(11)ナイロンパウダー 5.0
(12)着色顔料 適量
(13)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.5
(14)石胆草のエチルアルコール抽出物*1 0.02
(15)酢酸dl−α−トコフェロール*2 0.1
(16)グリチルレチン酸ステアリル*3 0.1
(17)香料 適量
*1 例1で製造したもの
*2 エーザイ社製
*3 丸善製薬社製
【0089】
[例18:日焼け止め乳液]
下記成分(1)〜(12)を混合分散した混合物に、下記成分(13)〜(16)を混合溶解した溶液を添加して、均一に乳化した。この乳化物に、成分(17)及び(18)を添加して日焼け止め乳液を得た。
(成分) (%)
(1)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 1.0
(2)ジメチルポリシロキサン 5.0
(3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0
(4)イソノナン酸イソトリデシル 5.0
(5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 5.0
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
(8)微粒子酸化チタン 10.0
(9)微粒子酸化亜鉛 10.0
(10)酸化ジルコニウム 5.0
(11)ポリスチレン末 3.0
(12)トリメチルシロキシケイ酸 0.5
(13)ジプロピレングリコール 3.0
(14)エチルアルコール 10.0
(15)精製水 残量
(16)食塩 0.2
(17)石胆草の精製水抽出物*1 0.001
(18)海藻抽出物*2 3.0
*1 例1で製造したもの
*2 フィリップロックレイ社製
【0090】
[例19:日焼け止め乳液]
下記成分(1)〜(12)を混合分散した混合物に、下記成分(13)〜(16)を混合溶解した溶液を添加して、均一に乳化した。この乳化物に成分(17)〜(18)を添加して、日焼け止め乳液を得た。
(成分) (%)
(1)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 1.0
(2)ジメチルポリシロキサン 5.0
(3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0
(4)イソノナン酸イソトリデシル 5.0
(5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 10.0
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
(8)微粒子酸化チタン 8.0
(9)微粒子酸化亜鉛 7.0
(10)酸化ジルコニウム 5.0
(11)ポリスチレン末 3.0
(12)トリメチルシロキシケイ酸 0.5
(13)ジプロピレングリコール 3.0
(14)エチルアルコール 10.0
(15)精製水 残量
(16)食塩 0.2
(17)石胆草の50vol%含水エチルアルコール抽出物*1 0.01
(18)緑茶抽出物*2 0.5
*1 例1で製造したもの
*2 丸善製薬社製
【0091】
例15〜19は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼けや加齢等による肌のしわやたるみを改善する、老化防止効果に優れたリキッドファンデーション、油性ファンデーション及び日焼け止め乳液であった。
【0092】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、薬効、特に、老化防止効果、美白効果、抗酸化効果または保湿効果に優れるとともに、保存安定性が良好な皮膚外用剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】例4で実施した保湿性作用の評価結果を示すグラフであり、横軸は添加後の経過時間を、縦軸は水分量(対初期値%)を示す。
Claims (6)
- 石胆草(イワタバコ科)及び荷花掌(ベンケイソウ科エチュベリア属タカサキレンゲ)からなる第一の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を含有する皮膚外用剤。
- 石胆草(イワタバコ科)、荷花掌(ベンケイソウ科エチュベリア属タカサキレンゲ)、瓦松(ベンケイソウ科イワレンゲ属ツメレンゲ)、燕子掌(ベンケイソウ科クラッスラ属)及び巻柏(イワヒバ科イワヒバ属イワヒバ)からなる第二の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を老化防止成分として含有する皮膚外用剤。
- 前記第二の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を美白成分として含有する皮膚外用剤。
- 前記第二の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を抗酸化成分として含有する皮膚外用剤。
- 石胆草(イワタバコ科)、荷花掌(ベンケイソウ科エチュベリア属タカサキレンゲ)、瓦松(ベンケイソウ科イワレンゲ属ツメレンゲ)及び燕子掌(ベンケイソウ科クラッスラ属)からなる第三の植物群から選ばれる少なくとも一種の植物の抽出物を保湿成分として含有する皮膚外用剤。
- 更に、細胞賦活剤、抗酸化剤、保湿剤、美白剤及び紫外線防止剤から選ばれる一種又は二種以上を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
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