JP2004208371A - 電動機の電流検出装置及びその検出装置を用いた電流制御装置 - Google Patents

電動機の電流検出装置及びその検出装置を用いた電流制御装置 Download PDF

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Tsutomu Tanimoto
勉 谷本
Tadayuki Hatsuda
匡之 初田
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Abstract

【課題】瞬時電流値だけでなく、電気角1周期分の電流波形の輪郭を作成し、この電流波形の輪郭を用いて電動機の出力トルク推定値が計算できる。
【解決手段】電動機の巻線に流れる電流を電流センサ60で検出し、その電流センサ60の出力を電気角1周期分にわたりサンプリングを行い、そのサンプリングに際してはサンプリングを行うときの回転子角度を判断しながらサンプリングし、電気角1周期分のサンプリング値とサンプリング時の回転子角度θを電気角1周期分過不足なく得ることにより、その電気角1周期分のサンプリング値とサンプリング時の回転子角度が電動機の巻線に流れる電流波形の輪郭を示す。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固定子と回転子の相対角度位置を検知する角度位置センサを有し、角度位置センサより得られた回転子角度をもとに電流センサ出力から固定子に巻かれた巻線の電流を検出する電動機の電流検出装置及びその検出装置を用いた電流制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献】「Switched Reluctance Motors and Their Control Page99〜100 T.J.E Miller(Lucas Professor in Power Electronics / SPEED Laboratory / University of Glasgow) Magna Physics Publishing and Clarendon Press ・ OXFORD 1993」。
【0003】
上記非特許文献に示されたスイッチド・レラクタンス・モータの回転子速度の制御にはモータのトルクを回転子速度に変換し、この回転子速度と基準とする回転子速度の誤差に比例したパルス幅を持つパルス列を発生し、このパルス列でモータを駆動する矩形波電圧を制御していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来技術においては回転子速度と基準となる回転子速度との誤差に対応させてパルス幅を決定していたので、温度特性によって巻線の抵抗値やインダクタンスが変化すると所望の回転数を維持できなかったり、トルクリップルが生じたりすることがあった。
【0005】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、電動機の出力トルクを安定に供給することができる電動機の電流検出装置及びその検出装置を用いた電流制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、固定子と回転子の相対角度位置を検知する角度位置センサより得られた回転子角度をもとに電流センサ出力から固定子に巻かれた巻線の電流を検出する。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、電流輪郭波形から推定した出力トルクと、トルク指令値との差に基づいて所望の電流となるように電動機に加える巻線電圧波形を調整するので、精度よく所望のトルクを発生することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下で説明する図面で同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0009】
第1の実施の形態については、U相、V相、W相3相巻線のSRモータを例に挙げ、図1から図6を用いて説明する。図1は第1の実施の形態における電流のサンプリングと励磁開始角度指令値θon*変更方法を示すタイムチャート、図2は電流をサンプリングするフローチャート、図3は出力トルク推定値Teの算出と励磁開始角度指令値θon*の調整を示すフローチャート、図4は励磁開始角度指令値θon*の調整を示す電流制御装置のブロック図、図5は励磁終了角度指令値θoff*の調整を示す電流制御装置のブロック図、図6は励磁開始角度指令値θon*と励磁終了角度指令値θoff*の両方の調整を示す電流制御装置のブロック図である。
【0010】
本第1の実施の形態は、一定周期で電動機の巻線に流れる電流値を電流センサにより取得し、その電流センサ出力を電気角1周期に複数回サンプリングし、そのサンプリング値とサンプリングした時の回転子角度を電気角1周期分蓄えることにより電気角1周期分の電流波形の輪郭を作成し、その輪郭から算出した電気角1周期分の出力トルク推定値Teと、トルク指令値T*を比較し、次回の指令値を調整し、巻線に流れる電流を制御することを特徴とする。
【0011】
まず本第1の実施の形態の概要を図1を用いて説明する。図1はSRモータの回転子角度、U相巻線電流、電流センサ出力をサンプリングする割り込み処理10、出力トルク推定値Teを演算する割り込み処理30、トルク指令値T*、出力トルク推定値Te、励磁開始角度指令値θon*の時間変化を表している。
【0012】
まず割り込み処理10を一定周期で実行し、電流センサ出力をサンプリングしたサンプリング値と、サンプリング時の固定子に対する回転子の相対角度位置(回転子角度)をRAM等の記憶装置に記憶する。
【0013】
続いて、回転子電気角1周期につき1回実行する割り込み処理30において、電気角1周期分のサンプリング値とサンプリング時の回転子角度を読み出し、電気角1周期分の出力トルク推定値Teを算出する。続いて、トルク指令値T*と出力トルク推定値Teの差に基づいて、次の電気角周期における励磁開始角度指令値θon*を決定する。
【0014】
次に、本第1の実施の形態の詳細を図2から図6を用いて説明する。
【0015】
図2のフローチャートは、電動機の電流制御装置50を構成するマイコンの割り込み処理で、電流センサ出力のサンプリングを実施する処理を表している。この割り込み処理10は本第1の実施の形態においては一定周期で実行しているが、回転子角度に同期した所定の角度で実行してもよい。回転子角度に同期したサンプリング方法については実施例4で説明する。
【0016】
処理11において、U相電流をサンプリングしたサンプリング値iuと、サンプリング時の回転子角度θuをRAM等の記憶装置に記憶する。処理12、13ではV相とW相について、処理11と同様の処理を行う。なお、サンプリング機能を持つAD変換器等が複数備わっている場合は、処理11から13のうち2つ、もしくは3つを同時に実行してもよい。次に、次回のサンプル電流値と回転子角度を記憶装置に記憶する場所を決定する。なお、後述する出力トルク推定値Teを算出するためには、電気角1周期分の電流波形の輪郭を正確に作成する必要があり、電気角1周期分のサンプリング値と回転子角度を過不足無く記憶する必要がある。従って電気角0度から360度までの電気角1周期分のデータを記憶するための処理14から16を以下のように実施する。今回の処理13で記憶した回転子角度θwと、前回の処理13で記憶した回転子角度θwn−1の差の絶対値|θw−θwn−1|を求め、|θw−θwn−1|がd(例えばd=180)より小さい場合はnにn+1を代入して割り込み処理10を終了し、|θw−θwn−1|がd以上の場合はnに1を代入して割り込み処理10を終了する。こうすることによって、回転子電気角0度における角度位置センサ出力値の急変を検知し、情報の記憶場所を決める数値nを1にリセットするので、サンプリング値と回転子角度が、電気角1周期分記憶できる。この処理14、15、16はU相、V相についても行われる。このように電気角1周期に渡り正確に電流センサ出力のサンプリング値とサンプリングしたときの回転子角度を取得することにより、取得した回転子角度における電気角1周期分のサンプリング値が電流波形の輪郭を示す。この電気角1周期の電流波形の輪郭から平均電流値等を算出できるので、瞬時電流以外の情報を用いたフィードバック制御も可能である。
【0017】
図3のフローチャートは、電動機の電流制御装置50を構成するマイコンの割り込み処理で、電気角1周期分の出力トルク推定値Teを算出して、励磁開始角度指令値θon*を調整し巻線に流れる電流を制御する処理を表している。
【0018】
この割り込み処理30は電気角1周期毎に実行される。本第1の実施の形態においては、割り込み処理30は回転子の電気角が0度になるのと同期して開始している。なお、実行頻度は、電気角1周期に対し1回以上が望ましい。また、割り込み処理の実行タイミングについては、本第1の実施の形態のように電気角に同期して所定の角度で処理を開始してもよいし、角度とは非同期に一定周期で開始してもよい。
【0019】
まず処理31では、電気角1周期分のサンプリング値と、サンプリング時の回転子角度を用いて、U相の電気角1周期分の出力トルク推定値Tuを算出する。
【0020】
【数1】
Figure 2004208371
処理32、33では、処理31と同様の処理をV相、W相について実施し、V相出力トルク推定値Tv、W相出力トルク推定値Twを算出する。
【0021】
【数2】
Figure 2004208371
【0022】
【数3】
Figure 2004208371
(θu、θv、θw:U相、V相、W相のサンプリング時の回転子角度、iu、iv、iw:U相、V相、W相の電流のサンプリング値、 Lu、Lv、Lw:U相、V相、W相の巻線のインダクタンス)
インダクタンスは回転子角度θに応じて変化するため、θをパラメータとしたdLu/dθ、dLv/dθ、dLw/dθをあらかじめ計測して、マップ化しておく。
【0023】
次に処理34において、電気角1周期分の出力トルク推定値Teを算出する。Teは以下の式で表される。
【0024】
【数4】
Figure 2004208371
このように回転子角度θに基づく出力トルク推定値Teを計算式を用いて、サンプリングした所定の角度およびサンプリング値からダイレクトに決定できるので、これにかかる処理時間を短くできる。
【0025】
次に処理35から38において、トルク指令値T*と出力トルク推定値Teが等しい場合は、そのまま割り込み処理30を終了する。出力トルク推定値Teがトルク指令値T*より大きい場合は次の電気角周期の励磁開始角度指令値θon*を今回より遅らせ、出力トルク推定値Teがトルク指令値T*より小さい場合は次の電気角周期の励磁開始角度指令値θon*を今回より早める。このように出力トルク推定値Teと、トルク指令値T*との差に基づいて所望のトルクとなるように励磁開始角度指令値θon*を変更し、インバータから巻線に加える巻線電圧波形を調整するので、精度良く所望のトルクを発生することができる。
【0026】
本第1の実施の形態をブロック図で表したものが図4である。この第1の実施の形態は電動機61及び電流制御装置50で構成されており、電流制御装置50は電流センサ60の出力を読み込む電流サンプル部54、電動機巻線の電流を検知する電流センサ60及び回転子角度を検知する角度位置センサ63から構成される電流検出装置、電動機61を駆動するインバータ59、インバータ電源62、トルク指令値生成部57、インバータ電圧の印加タイミングを指令する励磁角度指令値生成部51、インバータ素子制御信号を生成するインバータ制御信号生成部53、出力トルク推定値Teを算出するトルク推定値生成部55、トルク指令値T*と出力トルク推定値Teの差を演算する加算器58、加算器58の出力を入力する比例・積分制御部56、励磁開始角度指令値θon*と比例・積分制御部の出力の差を演算する加算器52、角度位置センサ63の出力から回転子角速度ωを演算する速度演算部64から構成されている。ここで電流波形輪郭作成手段は電流サンプル部54で構成され、波形調整手段は加算器52、58、比例・積分制御部56、インバータ制御信号生成部53等から構成されている。
【0027】
図2の電流センサ出力をサンプリングする割り込み処理10は、電流サンプル部54で実施する。図3の電流制御を実施する割り込み処理30はトルク推定値生成部55で実施する。
【0028】
一般に1パルス制御のSRモータでは、回転子角速度とインバータ入力電圧とトルク指令値をパラメータとしたマップで励磁開始角度指令値θon*と励磁終了角度指令値θoff*を決定する方法がとられるが、本第1の実施の形態ではトルク指令値T*と出力トルク推定値Teとの差を励磁開始角度指令値θon*にフィードフォワ−ドして、より精度の高いトルク出力が得られる。
【0029】
なお、変化させる指令値は励磁開始角度指令値θon*とは限らない。同様の方法で励磁終了角度θoff*を調整の対象としてもよいし、励磁開始角度指令値θon*と励磁終了角度指令値θoff*の両方を調整の対象としてもよい。またこれらのどの指令値を変化させるかは、システムの効率が最適になるように選択するのが望ましく、回転子速度や入力電圧等の運転状況に応じて切り替えてもよい。
【0030】
図5は励磁終了角度指令値θoff*を調整の対象とした場合のブロック図である。図4との違いは、比例・積分制御部76の出力と励磁終了角度指令値θoff*との差を加算器72で演算し、インバータ制御信号生成部53に入力している点である。図6は励磁開始角度指令値θon*と励磁終了角度指令値θoff*の両方を調整の対象とした場合のブロック図である。図4との違いは、比例・積分制御部96の出力が2系統あり、励磁開始角度指令値θon*との差および励磁終了角度指令値θoff*との差を加算器52、72で演算し、インバータ駆動信号生成部53に入力している点である。
【0031】
このように出力トルク推定値Teと、トルク指令値T*との差に基づいて励磁開始角度指令値θon*もしくは励磁終了角度指令値θoff*あるいは両方を調整するので、電動機の温度上昇等により運転中に巻線抵抗が変化しても、所望の電流波形を出力することができる。
【0032】
更に、電流センサ出力を電気角1周期にサンプリングする頻度を少なくし、電流波形の輪郭を完成させるのに複数周期を要しても構わない。ただし電流波形の輪郭が完成するまでは、回転子角速度、インバータ入力電圧、トルク指令値のそれぞれが一定で、かつ電流のサンプリングのタイミングは回転子角度に応じて設定する等の条件があるが、第3の実施の形態から第4の実施の形態で説明する処理を本第1の実施の形態と組み合わせることで実現可能である。電流サンプリングの頻度を少なくできれば、応答時間の遅い安価なサンプリング装置でも問題なく使用できる。
【0033】
次に第2の実施の形態を図7から図9を用いて説明する。
【0034】
図7はインバータ入力電圧指令値Vin*の調整を示すタイムチャート、図8はインバータ入力電圧指令値Vin*の調整を示すフローチャート、図9はインバータ入力電圧指令値Vin*の調整を示すブロック図である。
【0035】
本第2の実施の形態は、一定周期で電動機の巻線に流れる電流値を電流センサにより取得し、その電流センサ出力を電気角1周期に複数回サンプリングし、そのサンプリング値とサンプリングした時の回転子角度を電気角1周期分蓄えることにより電気角1周期分の電流波形の輪郭を作成し、その輪郭から算出した電気角1周期分の出力トルク推定値Teと、トルク指令値T*を比較し、次回のインバータ入力電圧指令値Vin*を調整することを特徴とする。
【0036】
まず本第2の実施の形態の概要を図7に示す。図7は、SRモータの回転子角度、U相巻線電流、電流センサ出力をサンプリングする割り込み処理10、出力トルク推定値Teを演算する割り込み処理110、トルク指令値T*、出力トルク推定値Te、インバータ入力電圧指令値Vin*の時間変化を表している。
【0037】
まず電流センサ出力をサンプリングする割り込み処理を一定周期で実行しサンプリング値を取得する。サンプリング値と、サンプリング時の回転子角度をRAM等の記憶装置に記憶する。続いて、回転子電気角1周期につき1回実行する割り込み処理110において、電気角1周期分のサンプリング値とサンプリング時の回転子角度を読み出し、電気角1周期分の出力トルク推定値Teを算出する。続いて、トルク指令値T*と出力トルク推定値Teの差に基づいて、次の電気角周期におけるインバータ入力電圧指令値Vin*を決定する。
【0038】
続いて、本第2の実施の形態の詳細を図8のフローチャートに沿って説明する。
【0039】
図8において、割り込み処理110から処理36までは第1の実施の形態の図3と全く同じであるので処理117と118について図9を用いて説明する。
【0040】
まず電気角m周期目において、トルク指令値生成部135から出力されるトルク指令値T*から、図8の処理34(図9のトルク推定値生成部55)で計算した電気角1周期分の出力トルク推定値Teを引いた値を比例・積分制御部136に入力し、インバータ入力電圧の補償値Vcompを求める。インバータ入力電圧Vinのサンプリング値Vinsを記憶し、m−1周期目のインバータ入力電圧を出力する電圧値保存部137の出力値Vm−1にVcompを加えて、m+1周期目のインバータ入力電圧指令値Vinm+1*とする。
【0041】
一般に1パルス制御では、回転子角速度とインバータ入力電圧とトルク指令値をパラメータとしたマップで励磁開始角度指令値θon*と励磁終了角度指令値θoff*を決定する方法がとられるが、本第2の実施の形態では更にインバータ入力電圧Vinを調整して、より精度の高いトルク出力が得られる。また、DC−DCコンバータ等の、直流電圧変換手段が必要なものの、インバータ入力電圧を必要最低限に抑えられるので、インバータ素子のスイッチング損失を減少させることができる。
【0042】
次に第3の実施の形態を図10を用いて説明する。
【0043】
図10は電動機の回転子角速度の変化が所定値以下の場合に励磁開始角度θon*を調整するフローチャート。
【0044】
本第3の実施の形態は、第1の実施の形態もしくは第2の実施の形態と組み合わせて用いられ、回転子角速度、インバータ入力電圧およびトルク指令値の変化が所定値以下であることを検知して出力トルク推定値Teを求め、励磁開始角度θon*を調整することを特徴とする。
【0045】
次に電動機の回転子角速度の変化が所定値以下であることを検知する方法を述べる。
【0046】
図10は出力トルク推定値Te算出処理のフローチャートを表している。このフローチャートは第1の実施の形態の図3に破線部分の処理150を追加したものである。
【0047】
処理150では、電流センサ出力をサンプリング中の電気角1周期中の回転子の加速度の絶対値|a|を求め、|a|があらかじめ定めた許容加速度amax以下であった場合に限り、出力トルク推定値Teの演算および励磁角度指令値の調整(処理31から38)を実行する。
【0048】
加速度aの値は次のような手順で求める。
【0049】
U相電流のサンプリング時の回転子角度n個(θu、θu、…、θun−1、θu)のそれぞれ隣り合う位置の間の速度n−1個(vu、vu、…、vun−2、vun−1)を求める。
【0050】
vu=(θu−θu)/t
vu=(θu−θu)/t

vun−1=(θu−θun−1)/t (5)
(t:サンプリング周期)
更に、これら速度の値からn−2個(au、au、…、aun−3、aun−2)の加速度を求める。
【0051】
au=(vu−vu)/t
au=(vu−vu)/t

aun−1=(vun−1−vun−2)/t (6)
これらn−2個の加速度のうち絶対値の最大値を加速度|a|とする。
【0052】
なお、aの求め方はこの方法には限らない。本第3の実施の形態ではU相電流サンプリング時の回転子位置を使用したが、V相もしくはW相の回転子位置でも構わない。また、算出したn−2個の加速度のうち絶対値の最大値を|a|としたが、n−2個の加速度の平均値の絶対値を|a|としてもよい。
【0053】
回転子角速度に限らず、インバータ入力電圧やトルク指令値に対しても同様の処理を実施できる。このように回転子角速度、インバータ入力電圧およびトルク指令値の定常状態における電流センサ出力のサンプリング値から得られる電流波形の輪郭に基づいて出力トルク推定値Teを求めるので、精度よく出力トルク推定値Teを算出することができる。
【0054】
第4の実施の形態を図11および図12を用いて説明する。
【0055】
図11は電気角度複数周期分から電流波形の輪郭を作成するタイムチャート、図12は電気角度複数周期の電流をサンプリングするフローチャートである。
【0056】
本第4の実施の形態は、第1の実施の形態もしくは第2の実施の形態と組み合わせて用いられ、電気角複数周期分の電流センサ出力のサンプリング値と、この時の回転子角度から電気角1周期分の電流波形の輪郭を作成することを特徴とする。
【0057】
まず本第4の実施の形態の概要を図11を用いて説明する。図11は、SRモータの回転子角度、U相巻線電流、電流センサ出力をサンプリングする割り込み処理190、電流波形の輪郭と、出力トルク推定値Teを演算する割り込み処理210、電流波形の輪郭の時間変化を表している。
【0058】
まず割り込み処理190は回転子が所定の角度に到達した時に実行し、電流センサ出力をサンプリングし、サンプリング値とサンプリング時の回転子角度をRAM等の記憶装置に記憶する。
【0059】
続いて、回転子電気角1周期につき1回実行する割り込み処理210において、電気角1周期分のサンプリング値とサンプリング時の回転子角度を読み出し、電気角1周期分の出力トルク推定値Teを算出する。続いて、トルク指令値T*と出力トルク推定値Teの差に基づいて、次の電気角周期における励磁開始角度指令値θon*を決定する。
【0060】
次に本第4の実施の形態の詳細を図12を用いて説明する。
【0061】
図12のフローチャートは、電動機の電流制御装置を構成するマイコンの割り込み処理で、電流センサ出力のサンプリングを実施する処理を表している。この割り込み処理190は回転子角度に同期して実行する。処理191において、U相電流をサンプリングし、サンプリングした電流値iuと、サンプリング時の回転子角度θuをRAM等の記憶装置に記憶する。処理192、193ではV相とW相について、処理191と同様の処理を行う。処理194から199では、次回の電流サンプリングを実行する回転子角度θun+1、θvn+1、θwn+1を決定する。決定方法は以下の式から求める。
θun+1=θu+(n+1)α
θvn+1=θv+(n+1)α
θwn+1=θw+(n+1)α
(α:位置センサが検出できる角度の最小単位)
また、nに例えば10などの上限値pを設け、上限に達した次の周期の電流サンプリング角度をθu、θv、θwにリセットする。
【0062】
このように電気角1周期毎に電流センサ出力をサンプリングする回転子角度をずらすことによって、複数周期のサンプリング値から、電気角1周期分の電流の輪郭を作成できる。
【0063】
次に、図11の割り込み処理210において、割り込み処理190でサンプリングしこれまで取得した電気角1周期分のサンプリング値を用いて出力トルク推定値Teを算出し、トルク指令値T*と比較して、励磁開始角度指令値θon*等を変更する。本割り込み処理210の詳細は、実施例1の割り込み処理30や、実施例2の割り込み処理110と同様である。
【0064】
この複数周期のサンプリング値から、電気角1周期分の電流の輪郭を作成することにより、電気角1周期あたりのサンプリング回数が少ない高速回転時においても出力トルク推定値Teを算出することが可能となり、あらゆる回転速度で第1の実施の形態および第2の実施の形態を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の励磁開始角度指令値調整を示すタイムチャート。
【図2】本発明の第1の実施の形態のサンプリングを示すフローチャート。
【図3】本発明の第1の実施の形態の励磁開始角度指令値調整を示すフローチャート。
【図4】本発明の第1の実施の形態の励磁開始角度指令値調整を示す電流制御装置のブロック図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の励磁終了角度指令値調整を示す電流制御装置のブロック図。
【図6】本発明の第1の実施の形態の励磁開始角度指令値および励磁終了角度指令値調整を示す電流制御装置のブロック図。
【図7】本発明の第2の実施の形態のインバータ入力電圧指令値調整を示すタイムチャート。
【図8】本発明の第2の実施の形態のインバータ入力電圧指令値調整を示すフローチャート。
【図9】本発明の第2の実施の形態のインバータ入力電圧指令値調整を示す電流制御装置のブロック図。
【図10】本発明の第3の実施の形態の励磁開始角度指令値調整を示すフローチャート。
【図11】本発明の第4の実施の形態の電流波形の輪郭形成を示すフローチャート。
【図12】本発明の第4の実施の形態のサンプリングを示すフローチャート。

Claims (8)

  1. 複数相からなる巻線が施された固定子と前記固定子と相対回転させられる回転子との相対角度位置を検知する角度位置センサと、
    前記巻線の電流を検知する電流センサと、
    を備えた電動機の電流検出装置において、
    前記角度位置センサにより得られた回転子角度と、前記電流センサ出力のサンプリング値から電流波形の輪郭を作成する電流波形輪郭作成手段を有すること
    、を特徴とする電動機の電流検出装置。
  2. 複数相からなる巻線が施された固定子と前記固定子と相対回転させられる回転子との相対角度位置を検知する角度位置センサと、前記巻線の電流を検知する電流センサとを備えた電流検出装置を有し、前記角度位置センサより得られた回転子角度をもとに、インバータの制御信号を生成し、前記巻線に矩形波電圧を印加し、電流を流す相を切り替えて運転する電動機の電流制御装置において、
    前記回転子角度と、前記電流センサ出力のサンプリング値から電流波形の輪郭を作成する電流波形輪郭作成手段を有し、前記電流波形の輪郭から出力トルク値を推定し、この出力トルク推定値とトルク指令値との差に応じて、前記矩形波電圧の波形を調整する波形調整手段を有することを特徴とする電動機の電流制御装置。
  3. 前記波形調整手段は前記矩形波電圧の印加開始タイミング指令値を調整することを特徴とする請求項2記載の電動機の電流制御装置。
  4. 前記波形調整手段は前記矩形波電圧の印加終了タイミング指令値を調整することを特徴とする請求項2記載の電動機の電流制御装置。
  5. 前記波形調整手段は前記インバータの入力電圧を調整することを特徴とする請求項2記載の電動機の電流制御装置。
  6. 前記電動機の所定の期間における回転子角速度、インバータ入力電圧およびトルク指令値の変化が所定値以下であることを検知したときに、前記波形調整手段が前記電流波形の輪郭から出力トルク推定値を決定することを特徴とする請求項2〜5いずれかに記載の電動機の電流制御装置。
  7. 前記電流波形輪郭作成手段が前記回転子の電気角1周期中の所定の角度で電流センサ出力をサンプリングすることを特徴とする請求項1記載の電動機の電流検出装置。
  8. 前記電流波形輪郭作成手段が電気角複数周期分の電流センサ出力のサンプリング値と、サンプリング時の回転子角度を記憶し、記憶されたサンプリング値と回転子角度から電気角1周期分の電流波形の輪郭を作成することを特徴とする請求項1記載の電動機の電流検出装置。
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