JP2003111490A - インバータ制御方法およびその装置 - Google Patents

インバータ制御方法およびその装置

Info

Publication number
JP2003111490A
JP2003111490A JP2001305319A JP2001305319A JP2003111490A JP 2003111490 A JP2003111490 A JP 2003111490A JP 2001305319 A JP2001305319 A JP 2001305319A JP 2001305319 A JP2001305319 A JP 2001305319A JP 2003111490 A JP2003111490 A JP 2003111490A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic flux
vector
voltage
calculated
stator magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001305319A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Yamai
広之 山井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2001305319A priority Critical patent/JP2003111490A/ja
Publication of JP2003111490A publication Critical patent/JP2003111490A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 直接トルク制御方式において、マイコンの制
御演算時間の間において電圧ベクトルの切り替えを行う
ことによって、トルクリプル、磁束リプルの極小化、イ
ンバータ最大出力電圧の向上、インバータのスイッチン
グ周波数の高周波数化を達成する。 【解決手段】 直流電圧Vdc(n)、回転角速度ω
e(n)、位相角φ(n+1)、φ0(n+1)、領域
番号、トルク偏差演算部45の判定出力、および磁束比
較部48の判定出力を入力として電圧ベクトル出力時間
を演算し、3相PWMタイマ部42にタイマ値としてセ
ットする電圧ベクトル出力時間演算部51を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はインバータ制御方
法およびその装置に関し、さらに詳細にいえば、インバ
ータに接続された交流モータの線電流および端子電圧を
検出し、これらの検出値からトルクおよび固定子磁束を
演算し、これらの演算結果と対応する指令値とにより電
圧ベクトルを選択し、前記インバータの各トランジスタ
をスイッチング制御するインバータ制御方法およびその
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】回転子に永久磁石を装着したブラシレス
DCモータは、誘導モータと比較して高効率であり、省
エネルギー運転が第1に望まれる用途で広く用いられて
いる。
【0003】そして、ブラシレスDCモータはトルクを
制御するために、回転位置に同期した電圧、電流制御が
必要である。
【0004】しかし、ブラシレスDCモータに回転位置
センサを装着し、その位置信号を用いてインバータを制
御するシステムを採用した場合には、回転位置センサの
装着に起因してシステム全体が高価格化するとともに、
大形化する。また、センサ信号線の断線などに起因する
信頼性の低下を招く。さらに、ブラシレスDCモータと
コントローラとが離れて設置されるアプリケーションで
は、位置センサ情報をコントローラに正確に伝達できな
くなる可能性がある。
【0005】したがって、近年は、これらの問題点に対
処するために、回転位置センサを省略した位置センサレ
スブラシレスDCモータの研究が進められている。
【0006】そして、従来から研究が進められているブ
ラシレスDCモータのセンサレス制御方法は、逆起電圧
ゼロクロス検出方式、モータモデル利用方式、直接トル
ク制御方式の3つの方法に大別される。 (1)逆起電圧ゼロクロス検出方式は、モータ端子電圧
から回転子磁石磁束が誘起する速度起電力を検出し、位
置信号を得て電圧、電流と回転位置の同期制御を行う方
式である。
【0007】具体的には、インバータを120°通電制
御して、非励磁相の速度起電力のゼロクロスを検出する
方式、速度起電力に含まれる3次調波成分のゼロクロス
を検出する方式等が例示できる。位置検出分解能は何れ
の方式でも電気角で60°である。 (2)モータモデル利用方式は、モータ端子電圧、電流
を検出し、これらの検出量とモータモデルとから位置推
定器や検出器を構成し、位置信号を得て、電圧、電流と
回転位置との同期制御を行う方式である。
【0008】具体的には、オブザーバーやモデル規範適
応システムなどの現代制御理論に基づいて位置推定器を
構成する方式、回転子の内部に永久磁石を埋め込んでな
るブラシレスDCモータの場合に、回転位置によるイン
ダクタンス変化を線電流の高調波リプル振幅に基づいて
検出する方式等が例示できる。位置検出分解能は何れの
方式でも電気角で数°以下である。 (3)直接トルク制御方式は、モータ端子電圧、電流を
検出し、これらの検出量からモータ固定子磁束とトルク
とを演算し、この演算結果が指令値に追従するように直
接インバータをスイッチング制御する方式である。この
方式は、原理的にトルクを制御するため、位置検出過程
を伴わない。
【0009】したがって、位置や速度を制御するために
は、別途、これらの検出器、推定器と組み合わせること
が必要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記逆起電圧ゼロクロ
ス検出方式を採用した場合には、インバータ通電波形や
モータ電磁構造が制約されてしまうという不都合がある
ほか、位置検出分解能が低いのでトルクの高速応答を達
成することができないという不都合がある。
【0011】前記モータモデル利用方式を採用した場合
には、モータモデルに使うインダクタンス、起電力定数
等のモータ機器定数が温度や磁気飽和等の影響で変化す
ると位置検出誤差が発生し、最悪の場合にはブラシレス
DCモータが不安定になってしまうという不都合がある
ほか、位置推定器の収束時間によりトルクの応答速度が
制約されるという不都合がある。
【0012】これらに対して、前記直接トルク制御方式
は、トルクを演算し、これが指令値に追従するようにイ
ンバータを直接制御するのであるから、高速トルク応答
を安定に得ることができる。また、演算に必要なモータ
パラメータが巻線抵抗のみであるから、磁気飽和による
制御性能の劣化は生じない。モータ機器定数の変化を反
映し、制御演算精度を高めるためには、巻線抵抗の温度
検出器もしくは推定器のみを追加すればよく、制御性改
善も簡単に実現できる。
【0013】したがって、直接トルク制御方式は、回転
位置センサを用いることなく、ブラシレスDCモータを
高速トルク制御する最良の方式として注目されている。
なお、この方式は、ブラシレスDCモータのほかに、誘
導モータやリラクタンスモータの制御に採用することが
できる。
【0014】この方式のインバータのスイッチング制御
法、すなわちPWM制御法としては、特開2001−8
6795号公報に示すように、瞬時値比較方式が採用さ
れる。この瞬時値比較方式は、アナログ演算器で制御回
路を構成する場合には全く問題がない。
【0015】しかし、制御回路の低コスト化、小形化、
調整の簡便化等が強く望まれる家電機器や一般産業機器
用途で採用されるマイコン制御では、演算時間、制御周
期等の制約により、トルクリプルの増大や直流電圧利用
率の低下等の不都合が生じる。
【0016】さらに説明する。
【0017】以下に従来の直接トルク制御方式を説明す
る。
【0018】便宜上、数1により3相(u−v−w)を
2相(α−β)に変換する。
【0019】
【数1】
【0020】数1の座標変換を行った場合、3相座標と
2相座標との位相関係と、2相座標上で捉えたモータモ
デルとは図9中に(a)(b)で示すとおりとなる。
【0021】図9中 iα、iβは2相に変換された巻
線電流、Ifは回転子に組み込んだ永久磁石を模擬する
定電流源、θmはモータ回転子の位置角(電気角)であ
る。
【0022】ここで、モータトルクτは固定子反力とし
て検出できるため、固定子磁束λα、λβと巻線電流i
α、iβとの外積演算により求め、数2と記すことがで
きる。なお、pはモータ極対数である。
【0023】
【数2】
【0024】一方、固定子磁束λα、λβは巻線抵抗R
での電圧降下を端子電圧から差し引いた電圧を積分すれ
ば算出することができ、数3となる。
【0025】
【数3】
【0026】また、α−β固定子磁束ベクトルの合成磁
束の大きさ|λ|は数4となる。なお、α−β固定子磁
束ベクトルは回転磁界と、α−β固定子磁束ベクトルの
合成磁束の大きさは回転磁界の大きさと、それぞれ称す
る。
【0027】
【数4】
【0028】次に、端子電圧、巻線電流の検出値から演
算したモータトルクτ、回転磁界の大きさ|λ|を指令
値に追従させるためのインバータスイッチング制御方法
について図10の電圧形インバータ回路を参照して説明
する。
【0029】この電圧形インバータ回路は、直流電源V
dcの正極側にコレクタ端子を接続した3個の上アームト
ランジスタTu +、Tv +、Tw +、負極側にエミッタ端子を
接続した3個の下アームトランジスタTu -、Tv -
w -、カソード端子とアノード端子とがそれぞれトラン
ジスタのコレクタ端子とエミッタ端子に接続された6個
の還流ダイオードDu +〜Dw -で構成されている。また、
上アームトランジスタのエミッタ端子と下アームトラン
ジスタのコレクタ端子とが接続され、3つの接続点がブ
ラシレスDCモータの端子に接続される。
【0030】電圧形インバータは、回路構成上、直流電
源Vdcの短絡が発生しないように上下アームトランジス
タを排他的にオンオフするため、とりうるスイッチング
状態は表1に示す8通りになる。表1中、V0〜V7は
各相トランジスタのオン状態を示すために定義した電圧
ベクトルである。
【0031】
【表1】
【0032】また、2相座標上で捉えた電圧ベクトルを
図11に示す。
【0033】これら、2相電圧vα、vβが共に0の電
圧ベクトルV0、V7(以下、これらを零ベクトルと称
する)と、電圧が0でない6種の電圧ベクトルV1〜V
6を用い、磁束とトルクとを制御する方法を考える。
【0034】磁束は電圧の時間積で与えられるので、例
えば、電圧ベクトルV1〜V6を所定時間出力した場
合、α−β座標上を磁束は図12に矢印で示す方向に変
化する。そこで、図12に示すように、α−β座標上を
60°毎に領域I〜VIに分け、それぞれの領域で出力
する零ベクトルでない電圧ベクトルを図12に示すよう
に制約する。例えば、領域Iでは電圧ベクトルV4、電
圧ベクトルV6のみに制約する。
【0035】この領域Iで電圧ベクトルV4、電圧ベク
トルV6を交互に選択すれば、回転磁界を時計方向に進
ませ、回転磁界の大きさを電圧ベクトルV4出力により
増加させ、電圧ベクトルV6出力により減少させること
ができる。
【0036】したがって、数4により求めた回転磁界の
大きさと指令値とを比較し、その大小により、各領域で
適切な電圧ベクトルに切り替えることによって、回転磁
界の大きさを制御することができる。
【0037】また、電圧ベクトルV1〜V6の大きさ
は、直流電圧Vdcが一定であるため、これらの電圧ベク
トルを切り替えるだけでは、回転磁界の回転速度を制御
することができない。しかし、磁束変化がない、すなわ
ち、磁束の軌跡を停滞させることができる零ベクトルを
用いることにより、回転磁界の回転速度を制御すること
ができる。すなわち、数2により算出したトルクとトル
ク指令値とを比較し、その大小により電圧ベクトルと零
ベクトルとを切り替えればよい。これにより、回転子の
特定の方向に固定された回転子中心を通る基準ラインと
回転磁界との間の位相差を所望のトルクに対応した値に
保ち、両者の回転速度を等しくすることができる。
【0038】図13は、トルクをヒステリシスコンパレ
ータにより比較し、その出力に応答してインバータをス
イッチング制御した時の状態[磁束軌跡{図13中
(a)参照}、および領域IIの電圧ベクトル、トルク
変化{図13中(b)参照}]を示している。
【0039】図14は、図13の制御性能を得る直接ト
ルク制御システムのブロック構成{図14中(a)参
照}、磁束を瞬時比較するヒステリシスコンパレータの
特性{図14中(b)参照}、およびトルクを瞬時比較
するヒステリシスコンパレータの特性{図14中(c)
参照}を示している。
【0040】なお、この直接トルク制御システムにおい
て、磁束およびトルクは、OPアンプを使った積分回路
やアナログ乗算器で構成した演算器により瞬時演算を行
っている。
【0041】表2は磁束とトルクとのコンパレータ出力
に応答して選択するスイッチングパターン(電圧ベクト
ル)が設定されたスイッチングパターンテーブルを示
し、表3は領域I〜VIを判定するための、αβ磁束と
磁束の大きさとの関係を示している。なお、表2は通常
ROMに記憶し、コンパレータ出力でルックアップす
る。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】ここで、トルクコンパレータとして図14
中(c)に示す3値方式を採用しているのは、Sτ=−
1で回転磁界が反時計方向に回転する電圧ベクトルを選
択させて逆回転(すなわち、逆トルク)の制御を行うた
めである。したがって、一回転方向で急減速制御が不要
な用途、例えば、圧縮機やポンプなどの用途では、トル
クの瞬時比較を2値コンパレータで行い、表2のSτ=
−1の部分を省略し、制御システムを簡素化することが
できる。
【0045】次いで、図14中(a)に示すシステムを
マイコン制御に置き換えた場合の動作を考える。
【0046】トルクや磁束はマイコンの演算処理速度で
算出の頻度が制約され、指令値との比較によりスイッチ
ングパターンを決定するまでには、演算完了までの時間
遅れが生じる。そこで、トルクの予測演算により演算遅
れの影響を1サンプルに短縮する方法が「ディジタルシ
グナルプロセッサを用いた誘導電動機の高性能トルク制
御」、宮下一郎ほか、電気学会論文誌D、107巻2
号、昭和62年に示されている。
【0047】図15は、この考え方に基づいた制御シス
テムにより制御演算時間を変化させた場合のトルクの制
御状態を領域IIでシミュレーションした結果を示して
いる。また、図15には、トルクを増減するために選択
された電圧ベクトルを併記している。なお、図15中
(a)は演算時間が10μsの場合を、図15中(b)
は演算時間が50μsの場合を、図15中(c)は演算
時間が100μsの場合を、それぞれ示している。
【0048】一般に、演算時間は、高価で高速なDSP
を採用した場合で30μs〜50μs程度、高速なシン
グルチップ制御マイコンや廉価なDSPを採用した場合
で100μs〜200μs程度が必要である。
【0049】図15から分かるように、制御演算時間を
10μsに設定した場合には、殆ど図13と遜色のない
特性を得ることができるが、制御演算時間を50μs、
100μsに設定した場合には、ヒステリシスレベルと
比較するインターバル、すなわち、スイッチングが行わ
れる頻度が疎になり、場合によっては、逆回転磁界を作
る電圧ベクトルV5が選択されてトルクが急速に減衰す
る場合があり、トルクリプル増大の原因になってしま
う。
【0050】また、インバータの1相あたりのスイッチ
ング周期は、制御演算時間が10μs、50μs、10
0μsの場合には、それぞれ約30μs(33kH
z)、約150μs(6.7kHz)であるのに対し
て、制御演算時間が100μsの場合には約300μs
(3.3kHz)に低下してしまい、IGBT等の高速
スイッチングトランジスタの性能を十分には活かすこと
ができなくなってしまう。
【0051】さらに、制御演算時間の間は電圧ベクトル
の切り替えを行うことができないため、零ベクトル出力
平均時間が制御演算時間に伴って長くなる傾向にあり、
ひいては、インバータ最大出力電圧の低下を招いてしま
う。
【0052】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、制御演算時間の間において電圧ベクトル
の切り替えを行うことによって、トルクリプル、磁束リ
プルの極小化、インバータ最大出力電圧の向上、インバ
ータのスイッチング周波数の高周波数化を達成すること
ができるインバータ制御方法およびその装置を提供する
ことを目的としている。
【0053】
【課題を解決するための手段】請求項1のインバータ制
御方法は、インバータに接続された交流モータの線電流
および端子電圧を検出し、これらの検出値をモータ固定
子の所定の方向に固定された2軸が直交する座標(α−
β座標)に変換すると共に、変換されたα−β電流、α
−β電圧によりモータトルクおよびα−β固定子磁束ベ
クトルを演算し、これらの演算結果と対応する指令値に
より電圧ベクトルを選択し、前記インバータの各トラン
ジスタをスイッチング制御するに当たって、所定のイン
ターバルTc毎に前記処理を行い、α−β固定子磁束ベ
クトルのα−β座標上に設けた基準ラインとの成す角φ
に基づいて2種以上の電圧ベクトルを選択するととも
に、選択した各電圧ベクトルを出力する時間を交流モー
タのトルク演算結果と対応する指令値の偏差並びにα−
β固定子磁束ベクトルの回転角速度もしくは、モータ回
転子の回転角速度に基づいて演算し、電圧ベクトルの選
択結果、および出力時間演算結果に基づき、インバータ
の各トランジスタのオンオフ制御を行うPWMタイマに
パルス幅を記憶し、前記インターバルTc期間中に2回
以上のスイッチング動作を行う方法である。
【0054】請求項2のインバータ制御方法は、α−β
固定子磁束ベクトルの大きさと対応する指令値の偏差を
演算し、この演算結果が所定の範囲内にあることに応答
して、α−β固定子磁束ベクトルのα−β座標上に設け
た基準ラインとの成す角φに基づいて3種の電圧ベクト
ルを選択し、各電圧ベクトルの出力時間配分を演算する
方法である。
【0055】請求項3のインバータ制御方法は、α−β
固定子磁束ベクトルの大きさと対応する指令値の偏差を
演算し、この演算結果が所定の範囲外にあることに応答
して、所定のインターバルTc毎にα−β固定子磁束ベ
クトルのα−β座標上に設けた基準ラインとの成す角φ
に基づいて2種の電圧ベクトルを選択し、各電圧ベクト
ルの出力時間配分を演算する方法である。
【0056】請求項4のインバータ制御方法は、第一の
電圧ベクトルの出力時間t6、第二の電圧ベクトルの出
力時間t2、第三の電圧ベクトルの出力時間t0のそれぞ
れを、α−β固定子磁束ベクトルのα−β座標上に設け
た基準ラインとの成す角φから算出される0°から60
°以内を変化する位相角φ0および、トルク演算結果と
対応する指令値の偏差並びにα−β固定子磁束ベクトル
の回転角速度もしくは、モータ回転子の回転角速度に基
づいて定まる数Ksを用いて、 t6/Tc=Ks・sin(π/3−φ0) t2/Tc=Ks・sin φ00/Tc=1−t6/Tc−t2/Tc により演算する方法である。
【0057】請求項5のインバータ制御方法は、α−β
固定子磁束ベクトルの大きさが対応する指令値に比べ小
さいことに応答して、第一の電圧ベクトルの出力時間t
6、第三の電圧ベクトルの出力時間t0のそれぞれを、α
−β固定子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた基準ラ
インとの成す角φから算出される0°から60°以内を
変化する位相角φ0および、トルク演算結果と対応する
指令値の偏差並びにα−β固定子磁束ベクトルの回転角
速度もしくは、モータ回転子の回転角速度に基づいて定
まる数Ksを用いて、 t6/Tc=31/2/2・Ks/cosφ00/Tc=1−t6/Tc により演算し、α−β固定子磁束ベクトルの大きさが対
応する指令値に比べ大きいことに応答して、第二の電圧
ベクトルの出力時間t2、第三の電圧ベクトルの出力時
間t0のそれぞれを、 t2/Tc=31/2/2・Ks/cos(π/3−φ0) t0/Tc=1−t2/Tc により演算する方法である。
【0058】請求項6のインバータ制御方法は、所定イ
ンターバルTc毎に演算されたα−β固定子磁束ベクト
ルのα−β座標上に設けた基準ラインとの成す角φを基
に、前記インターバルTc以上の所定の期間のα−β固
定子磁束ベクトルの平均回転角速度ωを算出すると共
に、α−β固定子磁束ベクトルの大きさ|λ|、トルク
演算結果と対応する指令値の偏差△τ、インバータの直
流電圧Vdcにより前記数Ksを、 Ks=(21/2・|λ|・ω+G・△τ)/Vdc により演算する方法である。
【0059】請求項7のインバータ制御方法は、所定イ
ンターバルTc毎に演算されたα−β固定子磁束ベクト
ル並びにα−β電流に基づき算出される回転子位置角を
基に、前記インターバルTc以上の所定の期間の回転子
位置角の平均回転角速度ωeを算出すると共に、α−β
固定子磁束ベクトルの大きさ|λ|、トルク演算結果と
対応する指令値の偏差△τ、インバータの直流電圧
dc、比例ゲインGにより前記数Ksを、 Ks=(21/2・|λ|・ωe+G・△τ)/Vdc により演算する方法である。
【0060】請求項8のインバータ制御装置は、インバ
ータに接続された交流モータの線電流および端子電圧を
検出し、これらの検出値をモータ固定子の所定の方向に
固定された2軸が直交する座標(α−β座標)に変換す
ると共に、変換されたα−β電流、α−β電圧によりモ
ータトルクおよびα−β固定子磁束ベクトルを演算し、
これらの演算結果と対応する指令値により電圧ベクトル
を選択し、前記インバータの各トランジスタをスイッチ
ング制御するものにおいて、所定のインターバルTc
に前記処理を行い、α−β固定子磁束ベクトルのα−β
座標上に設けた基準ラインとの成す角φに基づいて2種
以上の電圧ベクトルを選択するとともに、選択した各電
圧ベクトルを出力する時間を交流モータのトルク演算結
果と対応する指令値の偏差並びにα−β固定子磁束ベク
トルの回転角速度もしくは、モータ回転子の回転角速度
に基づいて演算する電圧ベクトル演算手段と、電圧ベク
トルの選択結果、および出力時間演算結果に基づき、イ
ンバータの各トランジスタのオンオフ制御を行うPWM
タイマにパルス幅を記憶し、前記インターバルTc期間
中に2回以上のスイッチング動作を行わせるスイッチン
グ制御手段とを含むものである。
【0061】請求項9のインバータ制御装置は、前記電
圧ベクトル演算手段として、α−β固定子磁束ベクトル
の大きさと対応する指令値の偏差を演算し、この演算結
果が所定の範囲内にあることに応答して、α−β固定子
磁束ベクトルのα−β座標上に設けた基準ラインとの成
す角φに基づいて3種の電圧ベクトルを選択し、各電圧
ベクトルの出力時間配分を演算するものを採用するもの
である。
【0062】請求項10のインバータ制御装置は、前記
電圧ベクトル演算手段として、α−β固定子磁束ベクト
ルの大きさと対応する指令値の偏差を演算し、この演算
結果が所定の範囲外にあることに応答して、所定のイン
ターバルTc毎にα−β固定子磁束ベクトルのα−β座
標上に設けた基準ラインとの成す角φに基づいて2種の
電圧ベクトルを選択し、各電圧ベクトルの出力時間配分
を演算するものを採用するものである。
【0063】請求項11のインバータ制御装置は、前記
電圧ベクトル演算手段として、第一の電圧ベクトルの出
力時間t6、第二の電圧ベクトルの出力時間t2、第三の
電圧ベクトルの出力時間t0のそれぞれを、α−β固定
子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた基準ラインとの
成す角φから算出される0°から60°以内を変化する
位相角φ0および、トルク演算結果と対応する指令値の
偏差並びにα−β固定子磁束ベクトルの回転角速度もし
くは、モータ回転子の回転角速度に基づいて定まる数K
sを用いて、 t6/Tc=Ks・sin(π/3−φ0) t2/Tc=Ks・sin φ00/Tc=1−t6/Tc−t2/Tc により演算するものを採用するものである。
【0064】請求項12のインバータ制御装置は、前記
電圧ベクトル演算手段として、α−β固定子磁束ベクト
ルの大きさが対応する指令値に比べ小さいことに応答し
て、第一の電圧ベクトルの出力時間t6、第三の電圧ベ
クトルの出力時間t0のそれぞれを、α−β固定子磁束
ベクトルのα−β座標上に設けた基準ラインとの成す角
φから算出される0°から60°以内を変化する位相角
φ0および、トルク演算結果と対応する指令値の偏差並
びにα−β固定子磁束ベクトルの回転角速度もしくは、
モータ回転子の回転角速度に基づいて定まる数Ksを用
いて、 t6/Tc=31/2/2・Ks/cosφ00/Tc=1−t6/Tc により演算し、α−β固定子磁束ベクトルの大きさが対
応する指令値に比べ大きいことに応答して、第二の電圧
ベクトルの出力時間t2、第三の電圧ベクトルの出力時
間t0のそれぞれを、 t2/Tc=31/2/2・Ks/cos(π/3−φ0) t0/Tc=1−t2/Tc により演算するものを採用するものである。
【0065】請求項13のインバータ制御装置は、前記
電圧ベクトル演算手段として、所定インターバルTc
に演算されたα−β固定子磁束ベクトルのα−β座標上
に設けた基準ラインとの成す角φを基に、前記インター
バルTc以上の所定の期間のα−β固定子磁束ベクトル
の平均回転角速度ωを算出すると共に、α−β固定子磁
束ベクトルの大きさ|λ|、トルク演算結果と対応する
指令値の偏差△τ、インバータの直流電圧Vdcにより前
記数Ksを、 Ks=(21/2・|λ|・ω+G・△τ)/Vdc により演算するものを採用するものである。
【0066】請求項14のインバータ制御装置は、前記
電圧ベクトル演算手段として、所定インターバルTc
に演算されたα−β固定子磁束ベクトル並びにα−β電
流に基づき算出される回転子位置角を基に、前記インタ
ーバルTc以上の所定の期間の回転子位置角の平均回転
角速度ωeを算出すると共に、α−β固定子磁束ベクト
ルの大きさ|λ|、トルク演算結果と対応する指令値の
偏差△τ、インバータの直流電圧Vdc、比例ゲインGに
より前記数Ksを、 Ks=(21/2・|λ|・ωe+G・△τ)/Vdc により演算するものを採用するものである。
【0067】
【作用】請求項1のインバータ制御方法であれば、イン
バータに接続された交流モータの線電流および端子電圧
を検出し、これらの検出値をモータ固定子の所定の方向
に固定された2軸が直交する座標(α−β座標)に変換
すると共に、変換されたα−β電流、α−β電圧により
モータトルクおよびα−β固定子磁束ベクトルを演算
し、これらの演算結果と対応する指令値により電圧ベク
トルを選択し、前記インバータの各トランジスタをスイ
ッチング制御するに当たって、所定のインターバルTc
毎に前記処理を行い、α−β固定子磁束ベクトルのα−
β座標上に設けた基準ラインとの成す角φに基づいて2
種以上の電圧ベクトルを選択するとともに、選択した各
電圧ベクトルを出力する時間を交流モータのトルク演算
結果と対応する指令値の偏差並びにα−β固定子磁束ベ
クトルの回転角速度もしくは、モータ回転子の回転角速
度に基づいて演算し、電圧ベクトルの選択結果、および
出力時間演算結果に基づき、インバータの各トランジス
タのオンオフ制御を行うPWMタイマにパルス幅を記憶
し、前記インターバルTc期間中に2回以上のスイッチ
ング動作を行うのであるから、制御演算時間の間におい
ても電圧ベクトルの切り替えを行うことができ、零ベク
トル出力平均時間を短縮することができ、ひいては、イ
ンバータ最大出力電圧の低下を防止することができる。
また、トルクリプルを抑制することができるとともに、
スイッチング周期を短縮して、高速スイッチングトラン
ジスタの性能を十分に活かすことができる。
【0068】請求項2のインバータ制御方法であれば、
α−β固定子磁束ベクトルの大きさと対応する指令値の
偏差を演算し、この演算結果が所定の範囲内にあること
に応答して、α−β固定子磁束ベクトルのα−β座標上
に設けた基準ラインとの成す角φに基づいて3種の電圧
ベクトルを選択し、各電圧ベクトルの出力時間配分を演
算するのであるから、α−β固定子磁束ベクトルの大き
さが指令値にある程度追従している場合に、請求項1と
同様の作用を達成することができる。
【0069】請求項3のインバータ制御方法であれば、
α−β固定子磁束ベクトルの大きさと対応する指令値の
偏差を演算し、この演算結果が所定の範囲外にあること
に応答して、所定のインターバルTc毎にα−β固定子
磁束ベクトルのα−β座標上に設けた基準ラインとの成
す角φに基づいて2種の電圧ベクトルを選択し、各電圧
ベクトルの出力時間配分を演算するのであるから、α−
β固定子磁束ベクトルの大きさが指令値にあまり追従し
ていない場合であっても、請求項1と同様の作用を達成
することができる。
【0070】請求項4のインバータ制御方法であれば、
第一の電圧ベクトルの出力時間t6、第二の電圧ベクト
ルの出力時間t2、第三の電圧ベクトルの出力時間t0
それぞれを、α−β固定子磁束ベクトルのα−β座標上
に設けた基準ラインとの成す角φから算出される0°か
ら60°以内を変化する位相角φ0および、トルク演算
結果と対応する指令値の偏差並びにα−β固定子磁束ベ
クトルの回転角速度もしくは、モータ回転子の回転角速
度に基づいて定まる数Ksを用いて、 t6/Tc=Ks・sin(π/3−φ0) t2/Tc=Ks・sin φ00/Tc=1−t6/Tc−t2/Tc により演算するのであるから、請求項2と同様の作用を
達成することができる。
【0071】請求項5のインバータ制御方法であれば、
α−β固定子磁束ベクトルの大きさが対応する指令値に
比べ小さいことに応答して、第一の電圧ベクトルの出力
時間t6、第三の電圧ベクトルの出力時間t0のそれぞれ
を、α−β固定子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた
基準ラインとの成す角φから算出される0°から60°
以内を変化する位相角φ0および、トルク演算結果と対
応する指令値の偏差並びにα−β固定子磁束ベクトルの
回転角速度もしくは、モータ回転子の回転角速度に基づ
いて定まる数Ksを用いて、 t6/Tc=31/2/2・Ks/cosφ00/Tc=1−t6/Tc により演算し、α−β固定子磁束ベクトルの大きさが対
応する指令値に比べ大きいことに応答して、第二の電圧
ベクトルの出力時間t2、第三の電圧ベクトルの出力時
間t0のそれぞれを、 t2/Tc=31/2/2・Ks/cos(π/3−φ0) t0/Tc=1−t2/Tc により演算するのであるから、請求項3と同様の作用を
達成することができる。
【0072】請求項6のインバータ制御方法であれば、
所定インターバルTc毎に演算されたα−β固定子磁束
ベクトルのα−β座標上に設けた基準ラインとの成す角
φを基に、前記インターバルTc以上の所定の期間のα
−β固定子磁束ベクトルの平均回転角速度ωを算出する
と共に、α−β固定子磁束ベクトルの大きさ|λ|、ト
ルク演算結果と対応する指令値の偏差△τ、インバータ
の直流電圧Vdcにより前記数Ksを、 Ks=(21/2・|λ|・ω+G・△τ)/Vdc により演算するのであるから、請求項4または請求項5
と同様の作用を達成することができる。
【0073】請求項7のインバータ制御方法であれば、
所定インターバルTc毎に演算されたα−β固定子磁束
ベクトル並びにα−β電流に基づき算出される回転子位
置角を基に、前記インターバルTc以上の所定の期間の
回転子位置角の平均回転角速度ωeを算出すると共に、
α−β固定子磁束ベクトルの大きさ|λ|、トルク演算
結果と対応する指令値の偏差△τ、インバータの直流電
圧Vdc、比例ゲインGにより前記数Ksを、 Ks=(21/2・|λ|・ωe+G・△τ)/Vdc により演算するのであるから、請求項4または請求項5
と同様の作用を達成することができる。
【0074】請求項8のインバータ制御装置であれば、
インバータに接続された交流モータの線電流および端子
電圧を検出し、これらの検出値をモータ固定子の所定の
方向に固定された2軸が直交する座標(α−β座標)に
変換すると共に、変換されたα−β電流、α−β電圧に
よりモータトルクおよびα−β固定子磁束ベクトルを演
算し、これらの演算結果と対応する指令値により電圧ベ
クトルを選択し、前記インバータの各トランジスタをス
イッチング制御するに当たって、電圧ベクトル演算手段
によって、所定のインターバルTc毎に前記処理を行
い、α−β固定子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた
基準ラインとの成す角φに基づいて2種以上の電圧ベク
トルを選択するとともに、選択した各電圧ベクトルを出
力する時間を交流モータのトルク演算結果と対応する指
令値の偏差並びにα−β固定子磁束ベクトルの回転角速
度もしくは、モータ回転子の回転角速度に基づいて演算
し、スイッチング制御手段によって、電圧ベクトルの選
択結果、および出力時間演算結果に基づき、インバータ
の各トランジスタのオンオフ制御を行うPWMタイマに
パルス幅を記憶し、前記インターバルTc期間中に2回
以上のスイッチング動作を行わせることができる。
【0075】したがって、制御演算時間の間においても
電圧ベクトルの切り替えを行うことができ、零ベクトル
出力平均時間を短縮することができ、ひいては、インバ
ータ最大出力電圧の低下を防止することができる。ま
た、トルクリプルを抑制することができるとともに、ス
イッチング周期を短縮して、高速スイッチングトランジ
スタの性能を十分に活かすことができる。
【0076】請求項9のインバータ制御装置であれば、
前記電圧ベクトル演算手段として、α−β固定子磁束ベ
クトルの大きさと対応する指令値の偏差を演算し、この
演算結果が所定の範囲内にあることに応答して、α−β
固定子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた基準ライン
との成す角φに基づいて3種の電圧ベクトルを選択し、
各電圧ベクトルの出力時間配分を演算するものを採用す
るのであるから、α−β固定子磁束ベクトルの大きさが
指令値にある程度追従している場合に、請求項8と同様
の作用を達成することができる。
【0077】請求項10のインバータ制御装置であれ
ば、前記電圧ベクトル演算手段として、α−β固定子磁
束ベクトルの大きさと対応する指令値の偏差を演算し、
この演算結果が所定の範囲外にあることに応答して、所
定のインターバルTc毎にα−β固定子磁束ベクトルの
α−β座標上に設けた基準ラインとの成す角φに基づい
て2種の電圧ベクトルを選択し、各電圧ベクトルの出力
時間配分を演算するものを採用するのであるから、α−
β固定子磁束ベクトルの大きさが指令値にあまり追従し
ていない場合であっても、請求項8と同様の作用を達成
することができる。
【0078】請求項11のインバータ制御装置であれ
ば、前記電圧ベクトル演算手段として、第一の電圧ベク
トルの出力時間t6、第二の電圧ベクトルの出力時間
2、第三の電圧ベクトル の出力時間t0のそれぞれ
を、α−β固定子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた
基準ラインとの成す角φから算出される0°から60°
以内を変化する位相角φ0および、トルク演算結果と対
応する指令値の偏差並びにα−β固定子磁束ベクトルの
回転角速度もしくは、モータ回転子の回転角速度に基づ
いて定まる数Ksを用いて、 t6/Tc=Ks・sin(π/3−φ0) t2/Tc=Ks・sin φ00/Tc=1−t6/Tc−t2/Tc により演算するものを採用するのであるから、請求項9
と同様の作用を達成することができる。
【0079】請求項12のインバータ制御装置であれ
ば、前記電圧ベクトル演算手段として、α−β固定子磁
束ベクトルの大きさが対応する指令値に比べ小さいこと
に応答して、第一の電圧ベクトルの出力時間t6、第三
の電圧ベクトルの出力時間t0のそれぞれを、α−β固
定子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた基準ラインと
の成す角φから算出される0°から60°以内を変化す
る位相角φ0および、トルク演算結果と対応する指令値
の偏差並びにα−β固定子磁束ベクトルの回転角速度も
しくは、モータ回転子の回転角速度に基づいて定まる数
sを用いて、 t6/Tc=31/2/2・Ks/cosφ00/Tc=1−t6/Tc により演算し、α−β固定子磁束ベクトルの大きさが対
応する指令値に比べ大きいことに応答して、第二の電圧
ベクトルの出力時間t2、第三の電圧ベクトルの出力時
間t0のそれぞれを、 t2/Tc=31/2/2・Ks/cos(π/3−φ0) t0/Tc=1−t2/Tc により演算するものを採用するのであるから、請求項1
0と同様の作用を達成することができる。
【0080】請求項13のインバータ制御装置であれ
ば、前記電圧ベクトル演算手段として、所定インターバ
ルTc毎に演算されたα−β固定子磁束ベクトル並びに
α−β電流に基づき算出される回転子位置角を基に、前
記インターバルTc以上の所定の期間の回転子位置角の
平均回転角速度ωeを算出すると共に、α−β固定子磁
束ベクトルの大きさ|λ|、トルク演算結果と対応する
指令値の偏差△τ、インバータの直流電圧Vdc、比例ゲ
インGにより前記数Ksを、 Ks=(21/2・|λ|・ωe+G・△τ)/Vdc により演算するものを採用するのであるから、請求項1
1または請求項12と同様の作用を達成することができ
る。
【0081】請求項14のインバータ制御装置であれ
ば、前記電圧ベクトル演算手段として、所定インターバ
ルTc毎に演算されたα−β固定子磁束ベクトルのα−
β座標上に設けた基準ラインとの成す角φを基に、前記
インターバルTc以上の所定の期間のα−β固定子磁束
ベクトルの平均回転角速度ωを算出すると共に、α−β
固定子磁束ベクトルの大きさ|λ|、トルク演算結果と
対応する指令値の偏差△τ、インバータの直流電圧Vdc
により前記数Ksを、 Ks=(21/2・|λ|・ω+G・△τ)/Vdc により演算するものを採用するのであるから、請求項1
1または請求項12と同様の作用を達成することができ
る。
【0082】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明のインバータ制御方法およびその装置の実施の態様
を詳細に説明する。
【0083】図1はこの発明のインバータ制御方法また
はインバータ制御装置により制御されるインバータを用
いて交流モータを駆動する交流モータ駆動システムの構
成を示す概略図である。
【0084】この交流モータ駆動システムは、直流電源
1を3相インバータ2に供給することにより3相交流電
力に変換し、この3相交流電力を3相交流モータ3に供
給することにより3相交流モータ3を駆動するようにし
ている。そして、3相インバータ2を制御するためのマ
イコン4を設けている。ここで、3相交流モータ3とし
ては、ブラシレスDCモータ、誘導モータ、リラクタン
スモータなどが例示できる。
【0085】図2は前記マイコン4の内部処理構成を示
すブロック図である。
【0086】前記マイコン4は、CPUコア4aと内蔵
周辺回路4bとから構成されている。
【0087】前記内蔵周辺回路4bは、2相分のモータ
電流iu、iw(3相電流の和が0となることを用いれ
ば、残る電流iv は算出できる)および直流電圧Vdc
入力として、制御処理のインターバルTcに同期してデ
ジタル値に変換するAD変換部41と、3相インバータ
3の各スイッチングトランジスタに供給すべきインバー
タ各相トランジスタスイッチング信号を出力する3相P
WMタイマ部42とを有している。
【0088】前記CPUコア4aは、デジタル値に変換
された2相分のモータ電流iu(n)、iw(n)を入力
として3相2相座標変換処理を行ってαβ軸電流i
α(n)、iβ(n)を出力する3相2相座標変換部4
3と、αβ軸電流iα(n)、iβ(n)およびαβ軸
磁束λα(n+1)、λβ(n+1)を入力としてトル
クτ(n)を演算するトルク演算部44と、このトルク
τ(n)と外部から与えられるトルク指令τ*との偏差
Δτ(=τ*−τ(n))を演算するトルク偏差演算部
45と、αβ軸電流iα(n)、iβ(n)、デジタル
値に変換された直流電圧Vdc(n)、および各電圧ベク
トル出力時間を入力としてαβ軸磁束λα(n+1)、
λβ(n+1)を出力するαβ磁束演算部46と、αβ
軸磁束λα(n+1)、λβ(n+1)を入力として固
定子磁束の大きさ|λ|(n+1)を演算する固定子磁
束演算部47と、固定子磁束の大きさ|λ|(n+1)
と外部から与えられる磁束指令|λ|*との偏差が所定
範囲内であるか否かを判定する磁束比較部48と、αβ
軸磁束λα(n+1)、λβ(n+1)を入力として位
相角φ(n+1)、φ0(n+1)、および領域番号を
出力する位相演算部49と、αβ軸磁束λα(n)、λ
β(n)およびαβ軸電流iα(n)、iβ(n)を入
力として回転角速度ωe(n)を出力する速度演算部5
0と、直流電圧Vdc(n)、回転角速度ωe(n)、位
相角φ(n+1)、φ0(n+1)、領域番号、トルク
偏差演算部45の出力Δτ、および磁束比較部48の判
定出力を入力として電圧ベクトルを選択すると共にその
出力時間を演算し、3相PWMタイマ部42にタイマ値
としてセットする電圧ベクトル出力時間演算部51とを
有している。
【0089】上記の構成のマイコンの作用を図3、図4
のフローチャートをも参照して説明する。なお、図3の
フローチャートの処理は、インターバルTc毎に割り込
みタイマからのトリガ信号で開始される。
【0090】先ず、制御則を説明する。 (1)3種の電圧ベクトル出力時間配分法:この方法で
は、回転磁界の接線方向の磁束軌跡を得るための電圧ベ
クトルの出力時間配分を算出する。これを方式1と称す
る。
【0091】図5は領域IIについて零ベクトルを含め
て3種の電圧ベクトルにより得られる磁束軌跡(電圧ベ
クトル時間積)を微小区間で拡大して示す図である。
【0092】図5では、電圧ベクトルV6、V2、V7
を適宜配置している。そして、図5中のP0からP1に至
る時間をTcとし、適当な変数V1を採用すれば、P01
=V 1・Tcの近似式が成り立つ。また、電圧ベクトルで
構成した三角形△P0qP1に着目し、正弦波定理を適用
すると、数5の関係を得る。
【0093】
【数5】
【0094】そして、Tc=t0+t6+t2に留意すれ
ば、数5から数6の関係を得ることができ、Ksの大き
さにより各電圧ベクトルの出力時間が定まる。
【0095】
【数6】
【0096】ここで、数7の関係がある。
【0097】
【数7】
【0098】したがって、数6により3種の電圧ベクト
ルの時間配分を決定すれば、回転磁界の接線方向の電圧
ベクトルを出力したのと等価な磁束軌跡を描くことがで
きる。
【0099】また、図5に示す電圧ベクトル出力のパタ
ーン{図6中(a)参照}のほかに、電圧ベクトルの出
力順序を入れ替えたパターン{図6中(b)(c)
(d)参照}を採用することもできる。
【0100】他の領域では、図12に基づき電圧ベクト
ルを選択し、それぞれの電圧ベクトル出力時間配分を数
6から算出すればよい。数6の出力時間に対応する各領
域の電圧ベクトルを表4に示す。ここで、各電圧ベクト
ルの出力順序は図6中(a)のパターンとした。
【0101】
【表4】
【0102】また、表4に従って電圧ベクトルを選択し
た時、α−β座標で捉えたインバータ出力電圧は、t6
時間出力する電圧ベクトルに対応するものをvα#mai
n、vβ #main、t2時間出力する電圧ベクトルに対応す
るものをvα#sub、vβ#subとすれば、表5に示すとお
りになる。
【0103】
【表5】
【0104】位相角φ0は固定子磁束λα、λβにより
表6の通り算出できる。なお、α−β固定子磁束ベクト
ルの位相φを定めるための基準ラインとしてβ軸を採用
し、β軸の方向をφ=0°としている。
【0105】
【表6】
【0106】以上の方法は、3種の電圧ベクトルの合成
により得られる磁束ベクトルの方向を回転磁界の接線方
向としたため、法線方向、換言すれば、回転磁界の大き
さは3種の電圧ベクトルの開始点と終了点で殆ど変化し
ない。したがって、実際の磁束の大きさと指令磁束の大
きさとの偏差が所定の範囲内にあり、回転磁界の大きさ
を変化させる必要がない場合に適用する。 (2)2種の電圧ベクトル時間配分法:この方法は、図
7(領域IIについて例示している)に示すように、電
圧ベクトルの合成により得られる磁束ベクトルが接線方
向に移動し、かつ、法線方向、換言すれば、磁束の大き
さを電圧ベクトルの開始点と終了点で増加、減少させる
2種の電圧ベクトルを選択する。そして、接線方向の移
動量が所定値になるように、零ベクトルを含む2種の電
圧ベクトルの時間配分を算出する。これを方式2と称す
る。
【0107】ここで、適当な変数V1を用いて、接線方
向のベクトルの長さをV1・Tcと置き、零ベクトルでは
磁束が停滞することに留意すれば、図7(a)より、電
圧ベクトルV6の出力時間t6は数8の関係があり、図
7(b)より、電圧ベクトルV2の出力時間t2は数9
の関係がある。
【0108】
【数8】
【0109】
【数9】
【0110】そして、電圧ベクトルV6により磁束は法
線方向をα−β座標の原点から遠ざかる方向に移動、換
言すれば、回転磁界の大きさを増加させ、電圧ベクトル
V2により磁束は法線方向をα−β座標の原点に近づく
方向に移動、換言すれば、回転磁界の大きさを減少させ
る。また、数7、数8、数9に基づいて、各電圧ベクト
ルの出力時間を求めることができる。
【0111】前記実施態様で演算される回転磁界の大き
さの実際値と指令値の偏差とパルス幅との関係を整理す
ると表7に示すとおりになる。なお、実際の磁束の大き
さと指令磁束の大きさとの偏差の許容値Δλを0として
表7の2列目の演算を省略し、2種の電圧ベクトルのみ
で制御を行ってもよい。これにより、演算を簡素化でき
る。
【0112】
【表7】
【0113】ただし、t2>Tcの時は、t2=Tc、t6
>Tcの時は、t6=Tcとする。 (3)Ks(すなわち、電圧ベクトル出力時間)を算出
する方法:モータ実トルクと指令値との偏差の大きさが
0の場合は、モータ回転角速度ω e(電気角)とインバ
ータ出力電圧角速度、すなわち、回転磁界の角速度とを
等しく保つような制御を行い、電圧波形と回転子との同
期状態を保持する。
【0114】回転磁界の大きさ|λ|とモータ回転角速
度ωe(電気角)とによりインバータ出力電圧V1は数1
0と書き表すことができる。そして、数7と数10によ
り数11の関係を得る。
【0115】
【数10】
【0116】
【数11】
【0117】したがって、モータ回転速度を検出し、K
sを数11により演算し、そして、表7に従って各電圧
ベクトルの出力時間を定めることができる。
【0118】一方、モータ実トルクと指令値に偏差があ
る場合には、Ksを増減させ、すなわち、回転磁界の角
速度を加減速し、モータ回転角速度に追従させる必要が
ある。
【0119】そのために、数11にモータ実トルクτと
指令値τ*との偏差Δτに比例した電圧を加算する(数
12参照)。
【0120】
【数12】
【0121】ここで、Gは適当な比例ゲインである。 (4)回転角速度検出の方法:定常状態のモータ回転角
速度ωeは回転磁界の位相角φを時間微分することで求
めることができる。しかし、この方法には、トルクを急
変させた場合などの過渡時に回転磁界の回転角速度と回
転子の回転角速度は等しくならないという問題がある。
【0122】この問題を解決するには、「突極型ブラシ
レスDCモータのセンサレス位置推定法と安定性の検
討」、陳志謙ほか、平成10年電気学会産業応用部門全
国大会、pp179−182に示すように従来公知の回
転子位置角推定法により回転子位置角θeを演算し、こ
れを時間微分することで、過渡状態を含め回転角速度を
算出することができる。
【0123】α−β固定子磁束は、d−q軸インダクタ
ンスLd、Lq、永久磁石の磁束Λにより、数13と書き
表すことができる。
【0124】
【数13】
【0125】数13から数14の関係を得る。
【0126】
【数14】
【0127】したがって、表により回転子位置角θe
演算することができる。
【0128】
【表8】
【0129】そして、得られた回転子位置角θeの時間
微分により回転子の回転角速度を得ることができる。
【0130】図2の構成のマイコンを採用することによ
り、上記の処理を行うことができる。
【0131】さらに説明する。
【0132】前記AD変換部41は、マルチプレクサ
(図示せず)により3相モータ電流のうち、2相のモー
タ電流iu、iwと直流電圧Vdcとを制御処理のインター
バルT cに同期してデジタル値に変換してCPUコア4
aに供給する。
【0133】前記3相2相座標変換部43においては、
数1、およびiu+iv+iw=0の関係を用いて数15
の演算を行うことによりαβ軸電流iα(n)、i
β(n)を得ることができる。
【0134】
【数15】
【0135】前記αβ磁束演算部46においては、数3
の固定子磁束演算がサンプル点nで行われた演算結果が
次サンプル点n+1で電圧に反映されることを勘案し
て、数16の演算を行ってn+1点でのαβ軸磁束λα
(n+1)、λβ(n+1)を得る。なお、電圧ベクト
ルは表5に従って2相電圧に変換する。
【0136】
【数16】
【0137】これにより、演算無駄時間が制御に与える
影響を無くすことができる。なお、モータの端子電圧が
上昇する高回転数域では数16中の巻線抵抗Rでの電圧
降下の項(R・iα、R・iβ)の磁束演算結果への寄
与度が小さく、これを零と扱っても構わない。
【0138】前記固定子磁束演算部47においては、数
17の演算を行って固定子磁束の大きさ|λ|(n+
1)を得る。
【0139】
【数17】
【0140】前記トルク演算部44においては、数18
の演算を行ってトルクτ(n)を得る。
【0141】
【数18】
【0142】数18の演算においては、簡便に予測演算
が可能な磁束量についてのみサンプル点n+1での値を
用い、演算遅れの影響を低減している。
【0143】前記位相演算部49においては、表6に基
づいて位相角φ(n+1)、φ0(n+1)、および領
域番号を得て出力する。
【0144】前記速度演算部50においては、回転子位
置角の演算に必要な諸量を数19により算出し、算出し
た諸量から表8に基づいて回転位置角θe(n)を演算
し、回転位置角θe(n)のサンプル点間の差分により
回転子の回転角速度ωe(n)を算出する(数20参
照)。
【0145】
【数19】
【0146】
【数20】
【0147】前記電圧ベクトル出力時間演算部51にお
いては、トルク偏差演算部45の出力、および磁束比較
部48の判定結果に応答して、表8に従ってKsを演算
するとともに、表7に基づいて各電圧ベクトルのパルス
幅を演算する。
【0148】演算された電圧ベクトル出力時間t6
2、t0に基づいて、各相トランジスタのオンオフ時間
を、表4に基づいて、3相PWMタイマ部42に設定す
る。この設定値に基づいて次サンプルn+1点からn+
2点の期間にトランジスタのオンオフ制御が行われる。
【0149】CPUコア4aにおけるこれらの処理は、
割り込みタイマから設定した時間毎に出力される信号を
トリガとして、所定のインターバルTcで実行される。
すなわち、サンプル点nからサンプル点n+1までの経
過時間はTcとなる。
【0150】なお、機械系の時定数は電気系に比べ十分
に長いので、回転速度として数20のようにサンプル点
nの情報を採用しても演算無駄時間の影響は無視でき
る。また、得られた速度情報を適当な数にわたって移動
平均処理などの処理をした値を回転速度情報に用いるこ
ともできるし、速度の演算周期をインターバルTc以上
に設定することもできる。
【0151】また、磁気飽和により回転位置角演算値θ
e(n)に誤差が発生しても、サンプル点近傍で誤差ε
(n)がほぼ同じであると仮定すれば、数21となる。
【0152】
【数21】
【0153】したがって、上記の実施態様では、回転子
の回転角速度ωeを演算する過程に、磁気飽和により数
20のq軸インダクタンスが変化し、回転位置角θ
e(n)の演算誤差が発生する従来公知の技術を取り入
れたにも拘わらず、本質的に磁気飽和の影響を受け難
い。
【0154】次いで、図3、図4のフローチャートの処
理を説明する。
【0155】先ず、図3のフローチャートの処理を説明
する。
【0156】ステップSP1において、磁束指令|λ|
*とトルク指令τ*とを入力し、ステップSP2におい
て、直流電圧Vdc(n)を入力し、ステップSP3にお
いて、2相分のモータ電流iu(n)、iw(n)を入力
する。
【0157】そして、ステップSP4において、数15
により2相電流(αβ軸電流)に変換し、ステップSP
5において、表5により電圧ベクトルを2相電圧(αβ
軸電圧)に変換し、ステップSP6において、数16に
より固定子磁束を演算し、ステップ7において、数17
により固定子磁束の大きさを演算する。
【0158】次いで、ステップSP8において、表6に
より位相角φ(n+1)、φ0(n+1)、および領域
番号を演算し、ステップSP9において、数18により
トルクを演算し、ステップSP10において、回転角速
度ωe(n)を演算処理するサブルーチンを実行する。
【0159】その後、ステップSP11において、数1
2によりKsを演算し、ステップSP12において、表
7によりパルス幅を演算し、ステップSP13におい
て、表4に基づいて各相のパルス幅をPWMタイマへス
ケジューリングし、そのまま元の処理に戻る。
【0160】次いで、図4のフローチャートを説明す
る。
【0161】ステップSP1において、数19の演算を
行って回転子位置角の演算に必要な諸量を算出し、ステ
ップSP2において、表8により回転子位置角θ
e(n)を算出し、ステップ3において、数20により
回転角速度ωe(n)を演算し、そのまま元の処理に戻
る。
【0162】ただし、回転角速度算出部として、従来公
知の他の回転位置角算出方法もしくは角速度演算方法を
実行するものを採用することが可能である。また、急加
減速を繰り返さない用途、例えば、圧縮機やポンプなど
の用途では、固定子磁束ベクトルの位相φのサンプル点
間の差分の演算を行って角速度を求め、この演算結果を
ローパスフィルタ処理し、回転角速度ωe(n)として
採用することも可能である。
【0163】図2のマイコン、および図3、図4のフロ
ーチャートの処理を採用することにより得られるトルク
応答のシミュレーション結果を図8に示す。
【0164】時刻tRまでは指令値近傍で定常運転が行
われている。このとき、数12で演算されたKsの値
は、トルクの実際値と指令値との偏差が十分小さいた
め、数11により演算した値とほぼ一致する。数12で
算出したKsと、実際の磁束の大きさと指令磁束との偏
差とに応答して。表7により電圧ベクトル出力時間が決
定され、位相φにより定まる領域を基に表4から各相P
WMタイマに設定するパルス数を決定し、各PWMタイ
マにパルス幅を記憶している。その結果、演算中に2回
以上のスイッチングが行われ、トルクリプルを小さく制
御することができる。
【0165】時刻tRで所定の偏差を越えるステップ状
のトルク指令を入力すると、S点で開始した演算がR点
までに完了し、PWMタイマのプリレジスタにその結果
が記憶される。そして、その記憶された結果はR点でプ
リレジスタからPWMタイマに転送され、インバータの
各トランジスタのスイッチング制御に反映される。
【0166】指令と実トルクとの偏差が増加したので、
R点以降、数12に基づきKsが増加、実トルクは急速
に立ち上がる。
【0167】やがて、Q点で指令と実トルクとの偏差が
小さくなると、数12で算出したKsは数11に基づき
演算された値とほぼ等しくなり、1サンプル遅れのP点
以降、定常運転に移る。
【0168】なお、以上には、交流モータ4を正転させ
る場合について説明したが、回転磁界を逆回転させる電
圧ベクトルを追加することによって、正逆回転に対応さ
せることもできる。
【0169】
【発明の効果】請求項1の発明は、制御演算時間の間に
おいても電圧ベクトルの切り替えを行うことができ、零
ベクトル出力平均時間を短縮することができ、ひいて
は、インバータ最大出力電圧の低下を防止することがで
き、しかも、トルクリプルを抑制することができるとと
もに、スイッチング周期を短縮して、高速スイッチング
トランジスタの性能を十分に活かすことができるという
特有の効果を奏する。
【0170】請求項2の発明は、α−β固定子磁束ベク
トルの大きさが指令値にある程度追従している場合に、
請求項1と同様の効果を奏する。
【0171】請求項3の発明は、α−β固定子磁束ベク
トルの大きさが指令値にあまり追従していない場合であ
っても、請求項1と同様の効果を奏する。
【0172】請求項4の発明は、請求項2と同様の効果
を奏する。
【0173】請求項5の発明は、請求項3と同様の効果
を奏する。
【0174】請求項6の発明は、請求項4または請求項
5と同様の効果を奏する。
【0175】請求項7の発明は、請求項4または請求項
5と同様の効果を奏する。
【0176】請求項8の発明は、制御演算時間の間にお
いても電圧ベクトルの切り替えを行うことができ、零ベ
クトル出力平均時間を短縮することができ、ひいては、
インバータ最大出力電圧の低下を防止することができ、
しかも、トルクリプルを抑制することができるととも
に、スイッチング周期を短縮して、高速スイッチングト
ランジスタの性能を十分に活かすことができるという特
有の効果を奏する。
【0177】請求項9の発明は、α−β固定子磁束ベク
トルの大きさが指令値にある程度追従している場合に、
請求項8と同様の効果を奏する。
【0178】請求項10の発明は、α−β固定子磁束ベ
クトルの大きさが指令値にあまり追従していない場合で
あっても、請求項8と同様の効果を奏する。
【0179】請求項11の発明は、請求項9と同様の効
果を奏する。
【0180】請求項12の発明は、請求項10と同様の
効果を奏する。
【0181】請求項13の発明は、請求項11または請
求項12と同様の効果を奏する。
【0182】請求項14の発明は、請求項11または請
求項12と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインバータ制御方法またはインバー
タ制御装置により制御されるインバータを用いて交流モ
ータを駆動する交流モータ駆動システムの構成を示す概
略図である。
【図2】マイコンの内部処理構成を示すブロック図であ
る。
【図3】マイコンの処理を説明するフローチャートであ
る。
【図4】図3のフローチャートのステップSP10の処
理を詳細に説明するフローチャートである。
【図5】領域IIについて3種の電圧ベクトルにより得
られる磁束軌跡(電圧ベクトル時間積)を微小区間で拡
大して示す図である。
【図6】電圧ベクトル出力のパターンを示す図である。
【図7】領域IIについて2種の電圧ベクトルにより得
られる磁束軌跡(電圧ベクトル時間積)を微小区間で拡
大して示す図である。
【図8】図2のマイコン、および図3、図4のフローチ
ャートの処理を採用することにより得られるトルク応答
のシミュレーション結果を示す図である。
【図9】3相座標と2相座標との位相関係、および2相
座標上で捉えたモータモデルを示す図である。
【図10】電圧形インバータの構成を示す電気回路図で
ある。
【図11】2相座標上の電圧ベクトルを示す図である。
【図12】各電圧ベクトルによる磁束変化方向を示す図
である。
【図13】α−β固定子磁束ベクトルの大きさ並びに、
トルクをヒステリシスコンパレータにより比較し、その
出力に応答してインバータをスイッチング制御した時の
磁束軌跡、および領域IIの電圧ベクトル、トルク変化
を示す図である。
【図14】従来の直接トルク制御システムのブロック構
成、磁束ヒステリシスコンパレータの特性、およびトル
クヒステリシスコンパレータの特性を示す図である。
【図15】制御演算時間の変化に伴うトルクリプルの変
化を説明する図である。
【符号の説明】
2 3相インバータ 3 交流モータ 45 トルク偏差演算部 48 磁束比較部 51 電圧ベクトル出力時間演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H576 BB02 BB04 BB06 BB09 CC01 DD02 DD04 DD07 DD09 EE01 EE14 EE15 EE16 GG04 HB02 JJ03 JJ06 JJ14 JJ17 JJ18 JJ22 LL13 LL22 LL24 LL34 LL39

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータ(2)に接続された交流モー
    タ(3)の線電流および端子電圧を検出し、これらの検
    出値をモータ固定子の所定の方向に固定された2軸が直
    交する座標(α−β座標)に変換すると共に、変換され
    たα−β電流、α−β電圧によりモータトルクおよびα
    −β固定子磁束ベクトルを演算し、これらの演算結果と
    対応する指令値により電圧ベクトルを選択し、前記イン
    バータ(2)の各トランジスタをスイッチング制御する
    インバータ制御方法において、 所定のインターバルTc毎に前記処理を行い、α−β固
    定子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた基準ラインと
    の成す角φに基づいて2種以上の電圧ベクトルを選択す
    るとともに、選択した各電圧ベクトルを出力する時間を
    交流モータのトルク演算結果と対応する指令値の偏差並
    びにα−β固定子磁束ベクトルの回転角速度もしくは、
    モータ回転子の回転角速度に基づいて演算し、電圧ベク
    トルの選択結果、および出力時間演算結果に基づき、イ
    ンバータ(2)の各トランジスタのオンオフ制御を行う
    PWMタイマにパルス幅を記憶し、前記インターバルT
    c期間中に2回以上のスイッチング動作を行うことを特
    徴とするインバータ制御方法。
  2. 【請求項2】 α−β固定子磁束ベクトルの大きさと対
    応する指令値の偏差を演算し、この演算結果が所定の範
    囲内にあることに応答して、α−β固定子磁束ベクトル
    のα−β座標上に設けた基準ラインとの成す角φに基づ
    いて3種の電圧ベクトルを選択し、各電圧ベクトルの出
    力時間配分を演算する請求項1に記載のインバータ制御
    方法。
  3. 【請求項3】 α−β固定子磁束ベクトルの大きさと対
    応する指令値の偏差を演算し、この演算結果が所定の範
    囲外にあることに応答して、所定のインターバルTc
    にα−β固定子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた基
    準ラインとの成す角φに基づいて2種の電圧ベクトルを
    選択し、各電圧ベクトルの出力時間配分を演算する請求
    項1に記載のインバータ制御方法。
  4. 【請求項4】 第一の電圧ベクトルの出力時間t6、第
    二の電圧ベクトルの出力時間t2、第三の電圧ベクトル
    の出力時間t0のそれぞれを、α−β固定子磁束ベクト
    ルのα−β座標上に設けた基準ラインとの成す角φから
    算出される0°から60°以内を変化する位相角φ0
    よび、トルク演算結果と対応する指令値の偏差並びにα
    −β固定子磁束ベクトルの回転角速度もしくは、モータ
    回転子の回転角速度に基づいて定まる数Ksを用いて、 t6/Tc=Ks・sin(π/3−φ0) t2/Tc=Ks・sin φ00/Tc=1−t6/Tc−t2/Tc により演算する請求項2に記載のインバータ制御方法。
  5. 【請求項5】 α−β固定子磁束ベクトルの大きさが対
    応する指令値に比べ小さいことに応答して、第一の電圧
    ベクトルの出力時間t6、第三の電圧ベクトルの出力時
    間t0のそれぞれを、α−β固定子磁束ベクトルのα−
    β座標上に設けた基準ラインとの成す角φから算出され
    る0°から60°以内を変化する位相角φ 0および、ト
    ルク演算結果と対応する指令値の偏差並びにα−β固定
    子磁束ベクトルの回転角速度もしくは、モータ回転子の
    回転角速度に基づいて定まる数Ksを用いて、 t6/Tc=31/2/2・Ks/cosφ00/Tc=1−t6/Tc により演算し、α−β固定子磁束ベクトルの大きさが対
    応する指令値に比べ大きいことに応答して、第二の電圧
    ベクトルの出力時間t2、第三の電圧ベクトルの出力時
    間t0のそれぞれを、 t2/Tc=31/2/2・Ks/cos(π/3−φ0) t0/Tc=1−t2/Tc により演算する請求項3に記載のインバータ制御方法。
  6. 【請求項6】 所定インターバルTc毎に演算されたα
    −β固定子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた基準ラ
    インとの成す角φを基に、前記インターバルTc以上の
    所定の期間のα−β固定子磁束ベクトルの平均回転角速
    度ωを算出すると共に、α−β固定子磁束ベクトルの大
    きさ|λ|、トルク演算結果と対応する指令値の偏差△
    τ、インバータの直流電圧Vdcにより前記数Ksを、 Ks=(21/2・|λ|・ω+G・△τ)/Vdc により演算する請求項4または請求項5に記載のインバ
    ータ制御方法。
  7. 【請求項7】 所定インターバルTc毎に演算されたα
    −β固定子磁束ベクトル並びにα−β電流に基づき算出
    される回転子位置角を基に、前記インターバルT c以上
    の所定の期間の回転子位置角の平均回転角速度ωeを算
    出すると共に、α−β固定子磁束ベクトルの大きさ|λ
    |、トルク演算結果と対応する指令値の偏差△τ、イン
    バータの直流電圧Vdc、比例ゲインGにより前記数Ks
    を、 Ks=(21/2・|λ|・ωe+G・△τ)/Vdc により演算する請求項4または請求項5に記載のインバ
    ータ制御方法。
  8. 【請求項8】 インバータ(2)に接続された交流モー
    タ(3)の線電流および端子電圧を検出し、これらの検
    出値をモータ固定子の所定の方向に固定された2軸が直
    交する座標(α−β座標)に変換すると共に、変換され
    たα−β電流、α−β電圧によりモータトルクおよびα
    −β固定子磁束ベクトルを演算し、これらの演算結果と
    対応する指令値により電圧ベクトルを選択し、前記イン
    バータ(2)の各トランジスタをスイッチング制御する
    インバータ制御装置において、 所定のインターバルTc毎に前記処理を行い、α−β固
    定子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた基準ラインと
    の成す角φに基づいて2種以上の電圧ベクトルを選択す
    るとともに、選択した各電圧ベクトルを出力する時間を
    交流モータのトルク演算結果と対応する指令値の偏差並
    びにα−β固定子磁束ベクトルの回転角速度もしくは、
    モータ回転子の回転角速度に基づいて演算する電圧ベク
    トル演算手段と、電圧ベクトルの選択結果、および出力
    時間演算結果に基づき、インバータ(2)の各トランジ
    スタのオンオフ制御を行うPWMタイマにパルス幅を記
    憶し、前記インターバルTc期間中に2回以上のスイッ
    チング動作を行わせるスイッチング制御手段とを含むこ
    とを特徴とするインバータ制御装置。
  9. 【請求項9】 前記電圧ベクトル演算手段は、α−β固
    定子磁束ベクトルの大きさと対応する指令値の偏差を演
    算し、この演算結果が所定の範囲内にあることに応答し
    て、α−β固定子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた
    基準ラインとの成す角φに基づいて3種の電圧ベクトル
    を選択し、各電圧ベクトルの出力時間配分を演算するも
    のである請求項8に記載のインバータ制御装置。
  10. 【請求項10】 前記電圧ベクトル演算手段は、α−β
    固定子磁束ベクトルの大きさと対応する指令値の偏差を
    演算し、この演算結果が所定の範囲外にあることに応答
    して、所定のインターバルTc毎にα−β固定子磁束ベ
    クトルのα−β座標上に設けた基準ラインとの成す角φ
    に基づいて2種の電圧ベクトルを選択し、各電圧ベクト
    ルの出力時間配分を演算するものである請求項8に記載
    のインバータ制御装置。
  11. 【請求項11】 前記電圧ベクトル演算手段は、第一の
    電圧ベクトルの出力時間t6、第二の電圧ベクトルの出
    力時間t2、第三の電圧ベクトルの出力時間t0のそれぞ
    れを、α−β固定子磁束ベクトルのα−β座標上に設け
    た基準ラインとの成す角φから算出される0°から60
    °以内を変化する位相角φ0および、トルク演算結果と
    対応する指令値の偏差並びにα−β固定子磁束ベクトル
    の回転角速度もしくは、モータ回転子の回転角速度に基
    づいて定まる数Ksを用いて、 t6/Tc=Ks・sin(π/3−φ0) t2/Tc=Ks・sin φ00/Tc=1−t6/Tc−t2/Tc により演算するものである請求項9に記載のインバータ
    制御装置。
  12. 【請求項12】 前記電圧ベクトル演算手段は、α−β
    固定子磁束ベクトルの大きさが対応する指令値に比べ小
    さいことに応答して、第一の電圧ベクトルの出力時間t
    6、第三の電圧ベクトルの出力時間t0のそれぞれを、α
    −β固定子磁束ベクトルのα−β座標上に設けた基準ラ
    インとの成す角φから算出される0°から60°以内を
    変化する位相角φ0および、トルク演算結果と対応する
    指令値の偏差並びにα−β固定子磁束ベクトルの回転角
    速度もしくは、モータ回転子の回転角速度に基づいて定
    まる数Ksを用いて、 t6/Tc=31/2/2・Ks/cosφ00/Tc=1−t6/Tc により演算し、α−β固定子磁束ベクトルの大きさが対
    応する指令値に比べ大きいことに応答して、第二の電圧
    ベクトルの出力時間t2、第三の電圧ベクトルの出力時
    間t0のそれぞれを、 t2/Tc=31/2/2・Ks/cos(π/3−φ0) t0/Tc=1−t2/Tc により演算するものである請求項10に記載のインバー
    タ制御装置。
  13. 【請求項13】 前記電圧ベクトル演算手段は、所定イ
    ンターバルTc毎に演算されたα−β固定子磁束ベクト
    ルのα−β座標上に設けた基準ラインとの成す角φを基
    に、前記インターバルTc以上の所定の期間のα−β固
    定子磁束ベクトルの平均回転角速度ωを算出すると共
    に、α−β固定子磁束ベクトルの大きさ|λ|、トルク
    演算結果と対応する指令値の偏差△τ、インバータの直
    流電圧Vdcにより前記数Ksを、 Ks=(21/2・|λ|・ω+G・△τ)/Vdc により演算するものである請求項11または請求項12
    に記載のインバータ制御装置。
  14. 【請求項14】 前記電圧ベクトル演算手段は、所定イ
    ンターバルTc毎に演算されたα−β固定子磁束ベクト
    ル並びにα−β電流に基づき算出される回転子位置角を
    基に、前記インターバルTc以上の所定の期間の回転子
    位置角の平均回転角速度ωeを算出すると共に、α−β
    固定子磁束ベクトルの大きさ|λ|、トルク演算結果と
    対応する指令値の偏差△τ、インバータの直流電圧
    dc、比例ゲインGにより前記数Ksを、 Ks=(21/2・|λ|・ωe+G・△τ)/Vdc により演算するものである請求項11または請求項12
    に記載のインバータ制御装置。
JP2001305319A 2001-10-01 2001-10-01 インバータ制御方法およびその装置 Pending JP2003111490A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001305319A JP2003111490A (ja) 2001-10-01 2001-10-01 インバータ制御方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001305319A JP2003111490A (ja) 2001-10-01 2001-10-01 インバータ制御方法およびその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003111490A true JP2003111490A (ja) 2003-04-11

Family

ID=19125129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001305319A Pending JP2003111490A (ja) 2001-10-01 2001-10-01 インバータ制御方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003111490A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006014496A (ja) * 2004-06-25 2006-01-12 Daikin Ind Ltd モータの回転位置角推定方法及びモータの回転位置角推定装置並びにインバータ制御方法及びインバータ制御装置
CN102684592A (zh) * 2012-05-10 2012-09-19 南京航空航天大学 一种永磁同步电机转矩磁链控制方法
KR101557579B1 (ko) 2014-03-31 2015-10-06 경성대학교 산학협력단 Pwm 방식을 이용한 pmsm의 dtc 제어방법
JP2016010311A (ja) * 2014-06-26 2016-01-18 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換装置の制御装置
CN109217765A (zh) * 2018-09-17 2019-01-15 沈阳工业大学 一种双三相永磁同步电机直接转矩控制方法
WO2021109861A1 (zh) * 2019-12-04 2021-06-10 中国科学院深圳先进技术研究院 一种电机控制方法、装置、终端设备及存储介质
WO2024001609A1 (zh) * 2022-06-29 2024-01-04 东风汽车集团股份有限公司 一种电池自加热***的控制方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006014496A (ja) * 2004-06-25 2006-01-12 Daikin Ind Ltd モータの回転位置角推定方法及びモータの回転位置角推定装置並びにインバータ制御方法及びインバータ制御装置
JP4682545B2 (ja) * 2004-06-25 2011-05-11 ダイキン工業株式会社 モータの回転位置角推定方法及びモータの回転位置角推定装置並びにインバータ制御方法及びインバータ制御装置
CN102684592A (zh) * 2012-05-10 2012-09-19 南京航空航天大学 一种永磁同步电机转矩磁链控制方法
KR101557579B1 (ko) 2014-03-31 2015-10-06 경성대학교 산학협력단 Pwm 방식을 이용한 pmsm의 dtc 제어방법
JP2016010311A (ja) * 2014-06-26 2016-01-18 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換装置の制御装置
CN109217765A (zh) * 2018-09-17 2019-01-15 沈阳工业大学 一种双三相永磁同步电机直接转矩控制方法
CN109217765B (zh) * 2018-09-17 2021-06-15 沈阳工业大学 一种双三相永磁同步电机直接转矩控制方法
WO2021109861A1 (zh) * 2019-12-04 2021-06-10 中国科学院深圳先进技术研究院 一种电机控制方法、装置、终端设备及存储介质
WO2024001609A1 (zh) * 2022-06-29 2024-01-04 东风汽车集团股份有限公司 一种电池自加热***的控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100639606B1 (ko) 세탁기 모터 구동 장치
JP3661642B2 (ja) モータの制御装置及びその制御方法
US8497645B2 (en) Control device for electric motor drive device
JP5259303B2 (ja) インバータ装置
Sundeep et al. Robust position sensorless technique for a PMBLDC motor
JP2002223600A (ja) モータ制御装置
Vyncke et al. Direct torque control of permanent magnet synchronous motors–an overview
JPH08289588A (ja) 電力変換装置
JP2014220957A (ja) モータ制御装置
JP3397013B2 (ja) 同期モータの制御装置
JP2013172613A (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
JP4781933B2 (ja) 電動機の制御装置
JP2003219698A (ja) 同期機の制御装置
JP2003111490A (ja) インバータ制御方法およびその装置
JP2019208329A (ja) センサレスベクトル制御装置及びセンサレスベクトル制御方法
JP7053955B2 (ja) 回転機の制御装置
JP2004104978A (ja) 電動機の制御装置
JP2008148437A (ja) 永久磁石型同期モータの制御装置
Toliyat et al. DSP-based control of variable speed drives
JP3735836B2 (ja) 永久磁石同期電動機のベクトル制御方法
JP2003210000A (ja) インバータ制御方法およびその装置
CN113708673B (zh) 高速开关电机驱动控制方法
JPH1190088A (ja) 誘導電動機を用いた洗濯機
Yuan Speed control of switched reluctance motors
JPH09252588A (ja) 圧縮機駆動制御方法、二重突極リラクタンスモータ駆動制御方法およびこれらの装置