JP2000317269A - 脱臭装置 - Google Patents

脱臭装置

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JP2000317269A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異種金属を担持させた光触媒を基材表面に
製膜した空気浄化手段を備えた脱臭装置において、光触
媒による臭気の分解活性を高めて脱臭能力を向上させ
る。 【解決手段】 本体7に設けられた制御部11からの信
号に基づき、ファン8を駆動させて空気を吸気口9から
吸い込んで排気口10から排気するように構成された脱
臭装置において、前記ファン8と排気口10との間に
は、Pt等の異種金属の微粒子を担持したTiO2から
なる光触媒粉末をバインダーと共に基材表面に光触媒層
として製膜した空気浄化手段14が配設されており、光
照射手段13から光の照射を受けて空気中の臭気ガスを
触媒活性により分解する。また、異種金属担持光触媒
は、臭気の分解速度が周囲の雰囲気の湿度に依存するた
め、湿度センサー16、加湿手段15および吸放湿材1
7によって良好な触媒活性を発揮する湿度環境を作り出
すことにより、異種金属の電子捕捉作用による光触媒の
還元力の向上と相俟って、短時間で効率よく臭気成分を
分解脱臭できる高性能な脱臭装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒に光を照射
して触媒作用により揮発性の有機物や臭気成分を分解す
る脱臭装置に係り、より詳しくは、異種金属を担持した
光触媒を基材表面に製膜した空気浄化手段を設けること
により脱臭能力を高めた脱臭装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】我々が生活している空間には、タバコ等
から発生する臭気ガス、自動車や工場等から排出される
排ガスが多く含まれるため、健康への悪影響のみなら
ず、大気汚染等の環境上の問題が心配されている。そこ
で、このような有害ガスを浄化したり、無毒化すること
が望まれている。一般的な有害ガスの除去方法として
は、吸着剤による吸着除去、あるいは酸化触媒、オゾ
ン、プラズマ等による分解除去といった方法が広く採用
されている。しかしながら、吸着剤のみによる悪臭物質
の除去方法では、吸着能力の飽和限界、一旦吸着された
成分の経時的な脱着、吸着性能低下に伴う吸着剤の交換
といった問題がある。また、オゾンやプラズマによる悪
臭物質の分解除去では、高電圧を印加することによる消
費電力の増大、有害なオゾンの濃度制御といった問題が
ある。
【0003】ところで、近年、光触媒を用いて雰囲気中
の有害ガスを分解除去する方法が数多く報告されてい
る。その原理は、半導体等からなる光触媒に励起光源か
ら紫外線等の励起光が照射されると、光触媒が励起され
て価電子帯に存在する電子がバンドギャップを飛び越え
て伝導帯へ移動することにより、価電子帯には電子が一
つ不足した正孔(h+)が生じて酸化反応に寄与し、一
方の価電子帯には電子(e-)が生じて還元反応を起こ
すというものである。即ち、この光触媒の酸化力又は還
元力を利用して雰囲気中の有害ガスを分解除去するもの
である。
【0004】特に、光触媒と吸着剤を併用することによ
り、光触媒に直接触れて有害成分が分解されるととも
に、吸着剤に吸着された有害成分も光触媒で分解除去さ
れるので、効率よく臭気成分を取り除くことができる
(特開平7−16473号公報、特開平1−18932
1号公報、特開平1−189322号公報、特開平1−
234729号公報参照)。光触媒としては、コストと
実用性の面から酸化チタン(TiO2)が一般的に広く
利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、TiO
2は酸化力は秀でているものの、還元力が弱いため、臭
気の分解能力にムラがあり、例えばタバコ臭に含まれる
典型的な臭気成分であるアセトアルデヒドが雰囲気中に
高濃度で存在している場合、このアセトアルデヒドをT
iO2のみで完全に分解するには、TiO2の形態(粉
末、製膜等)や量にもよるが、一般的にかなりの時間を
要していた。そこで、光触媒であるTiO2と共にC
u,Ag,Zn,Fe,Co,Ni,Pd,Pt等の異
種金属を第2成分として添加することにより、異種金属
の電子捕捉効果を利用して光触媒の還元力を向上させ、
臭気の分解速度を上げるようにした脱臭方法が特開平9
−168722号公報等に開示されている。
【0006】しかしながら、特開平9−168722号
公報に開示されている局所空間の汚染防止および装置
は、光触媒であるTiO2に異種金属を積極的に担持さ
せたものではないため、光照射により励起された光触媒
との間で電子の授受に寄与する異種金属の割合が少な
く、光触媒の脱臭能力の大幅な向上は期待できない。ま
た、本発明者らは異種金属を担持した光触媒の湿度によ
る影響実験を試みたところ、光触媒のみでは臭気の分解
速度に及ぼす湿度の影響はほとんど見られらなかったの
に対し、異種金属を担持した光触媒では触媒活性が雰囲
気の湿度に大きく依存することが分かった。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、異種金属を担持させた光触媒を基材表
面に製膜した空気浄化手段を備えた脱臭装置において、
光触媒による臭気の分解活性を高めて脱臭能力を向上さ
せることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の脱臭装置は、空間に設置して空間
内の空気を循環させるとともに空気中に含まれる臭気を
除去する脱臭装置において、異種金属を担持した光触媒
とバインダーとを混合した光触媒含有塗料を基材表面に
コーティングすることにより光触媒層を形成させた空気
浄化手段と、該空気浄化手段に向けて光を照射する励起
光源と、前記空気浄化手段の周辺の雰囲気が適度な湿度
になるように調節する調湿手段とを設けたことを特徴と
するものである。
【0009】この構成によると、臭気成分を含む空気
は、光触媒層を基材表面に形成させた空気浄化手段と接
触するときに、光触媒の活性により臭気成分が分解脱臭
される。また、空気浄化手段の周辺が適度な湿度になる
ように調湿手段で調節することにより、光触媒の活性が
向上し、臭気成分の分解速度が上がる。
【0010】また、請求項2に記載の脱臭装置は、請求
項1に記載の脱臭装置において、前記光触媒は粒径10
0nm以下の微粒子であることを特徴とするものであ
る。
【0011】この構成によると、光触媒粒子の表面積が
大きくなるので、光触媒層の厚みをかなり薄くしても、
光触媒の活性を損なうことはない。
【0012】また、請求項3に記載の脱臭装置は、請求
項1又は請求項2に記載の脱臭装置において、前記光触
媒はTi,W,Mo,Si,In,Cd,Ga,Cr,
Pb,Snのいずれか、又はこれらの化合物、又は合
金、又は酸化物からなり、しかもこれらの複合体を用い
ることもできることを特徴とするものである。
【0013】この構成によると、分解対象となる臭気成
分の種類や濃度に応じて、光触媒として適切な材料を選
択することにより、効率よく臭気を分解脱臭できる。
【0014】また、請求項4に記載の脱臭装置は、請求
項1〜請求項3のいずれかに記載の脱臭装置において、
異種金属はCu,Ag,Fe,Co,Pt,Ni,P
d,Auの単体からなり、しかもこれらの金属あるいは
その酸化物の複合体を用いることもできることを特徴と
するものである。
【0015】この構成によると、分解対象となる臭気成
分の種類や濃度に応じて、異種金属として適切な材料を
選択することにより、効率よく臭気を分解脱臭できる。
【0016】また、請求項5に記載の脱臭装置は、請求
項1〜請求項4のいずれかに記載の脱臭装置において、
光触媒は粒径5〜100nmのアナターゼ型あるいはル
チル型の酸化チタンの微粒子からなり、一方、光触媒に
担持する異種金属は10nm以下の微粒子であるである
ことを特徴とするものである。
【0017】この構成によると、光触媒に異種金属を担
持した際、双方の大きさのバランスがうまくとれている
いるため、光触媒の活性なサイトへの臭気成分の接近を
妨げることなく、しかも異種金属の電子捕捉作用に伴い
光触媒の還元力が向上するので、相乗効果により臭気の
分解効率が向上する。
【0018】また、請求項6に記載の脱臭装置は、請求
項1〜請求項5のいずれかに記載の脱臭装置において、
光触媒含有塗料中のバインダーの含有量が20〜80重
量%であることを特徴とするものである。
【0019】この構成によると、バインダーの含有量を
20〜80重量%の範囲で適切に調整することにより、
基材表面への光触媒含有塗料の光触媒含有塗料のコーテ
ィングが容易になる。
【0020】また、請求項7に記載の脱臭装置は、請求
項1〜請求項6のいずれかに記載の脱臭装置において、
板状あるいは鎖状の結晶構造を有する無機化合物からな
る粒界補強剤の粉末を光触媒含有塗料に混合したことを
特徴とする。
【0021】また、請求項8に記載の脱臭装置は、請求
項7に記載の脱臭装置において、前記粒界補強剤は平均
粒径50μm以下の含水珪酸アルミニウムカリウム、天
然含水珪酸マグネシウムの単体からなり、しかもこれら
の複合体を用いることもできることを特徴とするもので
ある。
【0022】これらの構成によると、光触媒層中の光触
媒粒子間の粒界強度が増すため、光触媒層の被膜強度が
向上する。
【0023】また、請求項9に記載の脱臭装置は、請求
項1〜8のいずれかに記載の脱臭装置において、固体塩
基物質を光触媒含有塗料に混合したことを特徴とするも
のである。
【0024】この構成によると、光触媒層に固体酸物質
が含まれる場合、添加した固体塩基物質により固体酸物
質が擬似的に中和されるため、光触媒の活性の低下を抑
えることができる。
【0025】また、請求項10に記載の脱臭装置は、請
求項9に記載の脱臭装置において、前記固体塩基物質は
酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カリウム、水酸
化ナトリウムの単体からなり、しかもこれらの複合体を
用いることもできることを特徴とするものである。
【0026】この構成によると、固体塩基物質として適
切な材料を選択することにより、光触媒層に含まれる固
体酸物質の擬似的な中和を完全に近い形で行える。
【0027】また、請求項11に記載の脱臭装置は、請
求項9に記載の脱臭装置において、前記固体塩基として
炭酸カルシウムを用い、その混合量を前記光触媒含有塗
料の1.0重量%以下としたことを特徴とするものであ
る。
【0028】この構成によると、安価な炭酸カルシウム
を少量添加するだけで、光触媒層に含まれる固体酸物質
の擬似的な中和を完全に近い形で行える。
【0029】また、請求項12に記載の脱臭装置は、請
求項1〜請求項11のいずれかに記載の脱臭装置におい
て、異種金属担持光触媒に対して約1.0〜70重量%
の吸着剤を光触媒含有塗料に混合したことを特徴とする
ものである。
【0030】この構成によると、吸着剤による臭気成分
の吸着作用が光触媒層に付与されるため、吸着剤に吸着
された臭気成分も光触媒の活性で分解脱臭される。
【0031】また、請求項13に記載の脱臭装置は、請
求項12に記載の脱臭装置において、前記吸着剤はT
i,W,Mo,Si,In,Cd,Ga,Cr,Pb,
Snのいずれか、又はこれらの化合物、又はこれらの合
金、又はこれらの酸化物の単体からなる光触媒粉末であ
り、しかもこれらの複合体からなる光触媒粉末を用いる
こともできることを特徴とするものである。また、前記
吸着剤はシリカゲル、シリカライト、活性炭、ゼオライ
ト又はその一部を金属イオンで置換したM交換ゼオライ
ト(M=Cu,Ag,Fe,Co,Pt,Ni,Pd,
Au,Sb)の単体からなり、しかもこれらの複合体を
用いることもできることを特徴とするものである。
【0032】この構成によると、吸着剤として適切な材
料を選択することにより、光触媒で直接分解するのに時
間を要する臭気成分も、吸着剤に一旦吸着させておき、
後から光触媒の活性で分解することで効率よく脱臭され
る。
【0033】また、請求項14に記載の脱臭装置は、請
求項13に記載の脱臭装置において、前記光触媒粉末は
粒径50nm以下、比表面積50m2/g以上であるこ
とを特徴とするものである。
【0034】この構成によると、光触媒粉末がもつ臭気
成分に対する吸着力をさらに向上させることができる。
【0035】また、請求項15に記載の脱臭装置による
と、請求項1〜請求項14のいずれかに記載の脱臭装置
において、光触媒含有塗料に約10重量%以下の分散剤
や界面活性剤を混合したことを特徴とするものである。
【0036】この構成によると、光触媒含有塗料を調製
する際、異種金属担持光触媒の均一分散化や安定化を図
れるため、光触媒層全体にわたって脱臭性能がほぼ等し
くなり、品質のバラツキが減少する。
【0037】また、請求項16に記載の脱臭装置による
と、請求項1〜請求項15のいずれかに記載の脱臭装置
において、調湿手段は湿度センサーと、該湿度センサー
が検知した雰囲気中の湿度に基づき加湿する加湿器と、
水分を吸放湿することにより雰囲気を適度な湿度に調節
する吸放湿材とからなり、前記調湿手段により雰囲気中
の湿度が常時約50〜70%に維持されることを特徴と
するものである。
【0038】この構成によると、調湿手段により雰囲気
中の湿度が常時50〜70%に維持されるため、光触媒
による臭気の分解速度が顕著に上昇する。
【0039】また、請求項17に記載の脱臭装置による
と、請求項16に記載の脱臭装置において、前記吸放湿
材は平均細孔径が約60オングストロームの多孔質材料
の粉末を主成分とし、雰囲気中の湿度が約50〜70%
より高い状態へ移行したとき水分を吸収し、逆に低い状
態へ移行したときは水分を放出することを特徴とするも
のである。
【0040】この構成によると、光触媒が良好な臭気の
分解活性を示す湿度環境を安価な材料を用いて低コスト
で作り出すことができる。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。本発明で使用する光触媒は、光照
射により臭気成分の分解活性を有する材料であればよ
い。通常、粒径100nm以下の微粒子で、Ti,W,
Mo,Si,In,Cd,Ga,Cr,Pb,Snのい
ずれか、あるいはこれらの化合物、あるいはこれらの合
金、あるいはこれらの酸化物が好ましく、さらにこれら
の複合体を用いてもよい。このうち、製造コストや安全
性の面から考えると、酸化チタン(TiO2)が最も実
用的であり、分解性能的にも好適な材料である。また、
このTiO2の結晶構造としてはアナターゼ型が適して
いるが、ルチル型のものを用いてもよい。
【0042】次に、図1に示すように、これらの光触媒
2の微粒子をコアとし、その表面に粒径10nm以下の
超微粒子であるCu,Ag,Fe,Co,Pt,Ni,
Pd,Auからなる異種金属3の少なくとも1種以上を
光析出法、混合法、含浸法、化学析出法、同時沈着法等
により固定化し、粉末状の異種金属担持光触媒1を得
る。尚、このようにして得た異種金属担持光触媒はその
用途により異なるが、一般的に気相中では異種金属を担
持する光触媒微粒子の粒径は小さすぎず約10〜100
nmが好ましい。
【0043】この理由はまだ明確にされていないが、コ
アとなる光触媒が相対的に小さく、その表面に担持され
る異種金属が比較的大きい場合、異種金属がコア材料の
表面を隙間なく完全に覆う格好となるため、光照射によ
り光触媒内に生じたh+は表面の異種金属粒子に移動経
路を阻まれ、すぐにe-と再結合して基底状態に戻るた
めであると考えられる。よって、異種金属担持光触媒で
はe-とh+の移動経路が充分に確保されるように、光触
媒および異種金属の粒径を適切に選択する必要がある。
【0044】上記のようにして得られた異種金属担持光
触媒1を、図2に示すようにシリコーン樹脂やフッ素樹
脂等の有機系あるいはコロイダルシリカや酸化チタン等
を主成分とする無機系のバインダー5と調合して光触媒
含有塗料(バインダーの固形分に対し異種金属担持触媒
の粉末を約20〜80重量%混合)を調製し、ガラス、
金属、セラミックス、プラスチックス等からなる繊維
状、板状、棒状、管状の成型品等の基材4の表面にスプ
レーコーティング、ディップコーティング、ロールコー
ティング、スピンコーティング、刷毛塗り等により前記
光触媒含有塗料を塗布後、400℃以下の比較的低温で
焼成・乾燥(必要に応じて予備乾燥工程をこの前に入れ
てもよい)し、光触媒層6を膜形成させる。
【0045】ここで、基材が金属である場合は、基材と
の密着性がよいバインダーを選択し、場合によっては添
加剤をバインダーと混合し、これをプライマー層として
基材表面に塗布する。その後、このプライマー層の上に
前記光触媒含有塗料を上記方法にて塗膜化する。これに
より、光触媒層が直接基材に触れないため、電子捕捉等
の金属基材の影響を無視することができる。
【0046】さらに、基材がプラスチックス材料である
場合は、例えばコルコート社製のシリカバインダーのよ
うな常温〜70℃にて乾燥可能なバインダーをプライマ
ー層として基材表面に塗布し、充分に乾燥させた後、そ
の上に前記光触媒含有塗料を塗装して膜形成させる。こ
れにより、光触媒層が直接基材に触れないため、光触媒
の活性による基材の分解を防止できる。
【0047】ところで、上記のように有機系バインダー
あるいは無機系バインダーを用いて光触媒含有塗料を調
製する際、バインダー中に含まれる固体酸物質の影響に
より光触媒の活性が損なわれる場合がある。そこで、こ
の固体酸物質を疑似的に中和するために、酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウム、酸化カリウム、水酸化ナトリウム
等の固体塩基粉末を光触媒含有塗料に適量混合する。
【0048】また、光触媒含有塗料を調製する際、無機
系バインダーを用いた場合、この塗料を基材表面に製膜
した光触媒層の粒界強度(即ち、光触媒粒子同士の結合
強度)が弱くなり、被膜強度の低下が問題となるため、
板状あるいは鎖状の結晶構造を有する含水珪酸アルミニ
ウムカリウム、天然含水珪酸マグネシウムの単体あるい
はこれらの複合体からなる粒界補強剤を前記光触媒含有
塗料に無機系バインダーに対して約50重量%以下で適
量混合することにより塗料の粒界強度の向上を図る。ま
た、この粒界補強剤を混合した光触媒含有塗料を基板上
に製膜した光触媒層は多孔質となり、臭気成分を含んだ
空気が光触媒層中の光触媒に触れやすくなる。
【0049】しかし、このような粒界補強剤と異種金属
担持光触媒粉末とをバインダーと共に混合して製膜した
光触媒層では、粒界補強剤が固体酸物質として作用し、
この影響により光触媒活性が損なわれる可能性がある。
そこで、上記と同様に、これら固体酸物質を疑似的に中
和させるために、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸
化カリウム、水酸化ナトリウム等の固体塩基粉末も同時
に適量混合して光触媒含有塗料とする。
【0050】ところで、前記光触媒含有塗料を製膜した
光触媒層のみでは有害ガスの吸着力が低いため、空間に
存在する各種臭気成分のうち光触媒層中の光触媒と接触
したものしか分解できない。そこで、各種臭気成分に対
する吸着特性を有する光触媒を選択して単独で用いる
か、シリカゲル、シリカライト、活性炭、ゼオライトか
らなる多孔質材料の単体あるいはこれらの複合体を吸着
剤として光触媒含有塗料に混合とする。これにより、光
触媒と接触した臭気ガスは勿論、吸着性をもつ光触媒層
に吸着された臭気成分も光触媒により効率よく分解する
ことができる。
【0051】しかし、吸着剤にて臭気ガスを吸着させて
光触媒の作用により脱臭する場合、吸着剤の細孔内に吸
着された臭気ガス、とりわけ細孔の奥深くに吸着された
臭気ガスを吸着剤近傍の光触媒にて分解するには、吸着
剤の表面近くまで臭気ガスが細孔内を移動してこないと
分解できないため、雰囲気中の臭気成分を完全に分解す
るのにかなり長い時間を要する。そこで、各種臭気成分
に対して適度な吸着特性を有する光触媒を選択して光触
媒兼吸着剤として利用することにより、臭気ガスの分解
効率の向上を図れるとともに、吸着されたガスは直ちに
分解されるので、光触媒層の再生効率も向上させること
ができる。ここで、吸着特性を有する光触媒は、粒径5
0nm以下、比表面積50m2/g以上の微粒子であ
り、Ti,W,Mo,Si,In,Cd,Ga,Cr,
Pb,Snのいずれか、またはこれらの化合物、または
これらの合金、またはこれらの酸化物が好ましく、これ
らの複合体を用いることもできる。
【0052】このような材料をそのまま光触媒兼吸着剤
として用いてもよいが、複合臭気雰囲気下では分解を不
得手とする臭気成分が材料表面の活性なサイトに吸着す
ることにより、場合によっては該成分が吸着していなけ
れば分解できたはずの成分までが分解できなくなり、光
触媒本来の分解活性が損なわれる恐れがある。そこで、
吸着特性の低い異種金属担持光触媒粉末を光触媒材料と
して用いることにより、複合臭気雰囲気下でも吸着対象
となる臭気ガスに対する選択性が上がり、光触媒層にさ
らに高い脱臭能力をもたせることができる。
【0053】また、臭気成分の吸着性能を考慮すると、
光触媒と複合化する前記吸着剤は疎水性ゼオライト(S
i/Al≧50)が適している。ここで、ゼオライトと
しては、その水素あるいはナトリウムの一部をCu,A
g,Fe,Co,Pt,Ni,Pd,Auで置換したM
交換ゼオライト(M=Cu,Ag,Fe,Co,Pt,
Ni,Pd,Au)を用いるとさらに吸着性が増し、ひ
いては光触媒層の脱臭効率の向上を図れる。
【0054】しかし、M交換ゼオライトを光触媒と混合
すると、M交換ゼオライト中のCu,Ag,Fe,C
o,Pt,Ni,Pd,Auの電子捕捉作用により、上
述した固体酸物質と同様に光触媒の還元力を阻害する傾
向がみられるため、それを抑制する目的で酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウム、酸化カリウム、水酸化ナトリウム
等の固体塩基粉末を同時に適量混合して光触媒含有塗料
を調整する。尚、吸着材料の混合量は使用する吸着材料
の種類や特性により異なるが、総じて異種金属担持光触
媒に対して約1.0〜70重量%の範囲が適当である。
また、固体塩基粉末の混合量は、使用するバインダー等
の混合物質や固体塩基の種類よって異なり、光触媒含有
塗料中の固体酸物質の量等を考慮して適量を混合する。
さらに、光触媒含有塗料を調合する際、光触媒の安定化
や分散性の均一化を図るために分散剤や界面活性剤を適
量混合してもよい。
【0055】以上のようにして調製した光触媒含有塗料
を基材表面に製膜するのであるが、この基材の材質、形
状、構造は製膜可能なものであれば特に限定されず、製
膜方法も膜を形成しうる方法なら上記以外の方法でもよ
い。また、バインダーはSi02を主成分とし、不純物
の少ないバインダーを選択することにより、光触媒の活
性を低下させることなく塗膜を形成することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0056】
【実施例】(1)脱臭試験 異種金属を固定化した光触媒において、異種金属の触媒
活性に及ぼす純粋な影響を調べるため、製膜していない
粉末状の異種金属担持光触媒を用いてタバコの煙等に含
まれる典型的な臭気ガスであるアセトアルデヒドの分解
実験を以下のようにして行った。まず、恒温恒湿槽内に
容積27Lの蓋付きのアクリル製容器を設置し、このア
クリル製容器内に循環ファンおよびブラックライト(波
長300〜450nm)を配設した。
【0057】次いで、ブラックライト直下に石原産業
(株)製の粒径7nmのアナターゼ型TiO2粉末およ
び大研化学工業(株)製の粒径70nmのルチル型Ti
2の表面に上記方法により粒径1.5nmのPtを担
持した光触媒粉末をそれぞれ50gづつシャーレに入れ
て設置し、恒温恒湿槽により所望の湿度(40%、60
%、80%)に制御した後、アクリル製容器を密閉し、
アセトアルデヒドガスを注射器により約100ppm注
入した。注入後そのまま30分放置した時点でのアセト
アルデヒドの濃度を初期値とし、ブラックライトを照射
してアセトアルデヒド濃度の経時変化を測定した。測定
は、北川式検知管を用いて行った。
【0058】試験結果を図3に示す。尚、この図におい
て凡例中のパーセンテージは雰囲気の相対湿度を示して
いる。これから明らかなように、TiO2粉末のみで
は、雰囲気の湿度の影響をほとんど受けず、どの湿度で
もほぼ一定の比較的遅い分解速度でアセトアルデヒドが
分解され、ブラックライトを40分照射してもアセトア
ルデヒド濃度の減少は約1/10にとどまった。それに
対し、Ptを担持したTiO2粉末では、アセトアルデ
ヒドの分解速度が雰囲気湿度に依存し、約60%で最も
高い分解速度を示すが、雰囲気湿度が約60%より高す
ぎても低すぎても分解速度が低下することが分かった。
【0059】この原因については、まだ明確にされてい
ないが、TiO2粉末のみを光触媒に用いた場合、光の
照射による光触媒の励起で生じたh+が雰囲気中の水分
(H2O)と反応し、OHラジカル(・OH)が生成さ
れ、この・OHによりアセトアルデヒドが分解される。
しかし、使用したTiO2や量や形態等の条件を等しく
しているため、励起により生じたh+の生成量は常に一
定であると考えられる。従って、雰囲気中のH20の量
が増えても、上記反応による・OHの生成量は変化しな
いため、アセトアルデヒドの分解速度は雰囲気の湿度に
依存しない結果となったと思われる。
【0060】それに対し、Ptを担持したTiO2粉末
を光触媒に用いた場合は、上記反応に加え、光の照射に
よる光触媒の励起で生じたe-がPtにより捕捉され、
この捕捉されたe-が雰囲気中の酸素(O2)と反応して
スーパーオキシドラジカル(O2 -)を生成し、さらにこ
のO2 -が雰囲気中の水分(H20)と反応して過酸化水
素(H22)を経て・OHとなる。ここで、O2 -の寿命
は・OHのそれより長い。そのため、アセトアルデヒド
の分解に寄与する・OHの生成量が、適度な高湿度雰囲
気(約60%)ではTiO2のみを光触媒に用いた場合
に比べて多くなり、アセトアルデヒドの分解速度が速く
なったと考えられる。しかし、湿度が高すぎる(約80
%)と、Pt粒子表面の活性なサイトにH2Oが過剰に
吸着することにより、上記O2 -の生成反応が阻害される
ため、アセトアルデヒドの分解速度が減少したものと思
われる。
【0061】(2)光触媒層の製作例 以上の結果より、異臭金属担持光触媒を適正環境下で使
用すると、より優れた脱臭効果が得られることが期待さ
れる。しかしながら、異種金属担持光触媒を粉末状で使
用するには用途が限定されるのを免れ得ない。そこで、
本実施例では光触媒層を製作する場合の一例を説明す
る。まず、日産化学工業(株)製のスノーテックスO
(主成分;コロイダルシリカ20.5%含有)100g
中に、大研化学工業(株)製の粒径70nmのルチル型
TiO2の表面に上記方法により粒径1.5nmのPt
を担持した光触媒粉末20.5gを混合し、次いで脇田
砿業(株)製の#5500マイカ粉末(化学名;含水珪
酸アルミニウムカリウム、主成分;SiO2約44.3
重量%、Al23約41.9重量%)5.125gを混
合し、さらに炭酸カルシウム粉末0.05125gを混
合して光触媒含有塗料を調製する。
【0062】次いで、クロメート表面処理を施したアル
ミ板を基材とし、スノーテックスOとイソプロピルアル
コール(IPA)を1:1で混合した塗料をスプレーコ
ーティングし、200℃で1時間焼成してプライマー層
を形成する。このようにしてプライマー層を形成させた
アルミ基板の表面のプライマー層の上に、前記触媒含有
塗料をスプレーコーティングし、再び200℃で1時間
焼成して光触媒層を形成する。また、基材がプラスチッ
クスの場合は、スノーテックスOの替わりにコルコート
社製のシリカバインダー等のようなプラスチックスによ
く馴染み、常温〜70℃にて乾燥可能なバインダーを使
用して同様の方法で光触媒層を形成する。尚、メッシュ
状、ハニカム状等の通気性を有する基材表面に上記手法
を用いて光触媒層を形成させることにより、この基材を
脱臭装置等の空気浄化フィルタとして使用することがで
きる。
【0063】(3)吸放湿材の作成例 上述したように異種金属担持光触媒によるアセトアルデ
ヒドの分解速度は、雰囲気の湿度に依存するので、雰囲
気が適度な湿度に保たれるように調節する調湿手段を併
用することにより、光触媒の脱臭能力を極限まで高める
ことができる。そこで、周囲の相対湿度に応じて水分を
吸収したり、放出したりできる吸放湿材を用いることに
より、光触媒が優れた触媒活性を発揮できる最適な湿度
環境を容易に作り出すことできる。以下、その吸放湿材
を作成する一例を説明する。平均細孔径が約60オング
ストロームのシリカゲル等の粉末材料をアクリル樹脂等
のバインダーと混合し、ガラス、金属、セラミックス、
プラスチックス等からなる繊維製品、板状、線状、管状
の成型品等の基材表面にスプレーコーティング、ロール
コーティング、スピンコーティング、刷毛塗り等により
製膜する。もしくは、球状、中空状等の粒径の大きな粉
末を選択し、不織布等の通気性を有する材料にて包み込
み、それを用途に応じて加工してもよい。
【0064】(4)光触媒層を空気浄化手段に応用した
脱臭装置 本実施形態において好適に用いられる脱臭装置の構成を
図面を参照して説明する。図4は、本発明に係る光触媒
層を空気浄化手段に応用した脱臭装置の一例の概略的な
側面断面図である。図4に示すように、この脱臭装置は
本体7内に、該本体7が設置される空間内の空気を循環
させるファン8と、該ファン8を挟んで本体前面および
上面にそれぞれ設けられた吸気口9および排気口10
と、各種モードを選択する操作パネル(図示せず)から
の信号に基づいて脱臭装置の運転を制御する制御部11
とを備えている。このような構成をもつ脱臭装置を駆動
すると、ファン8が回転して吸気口9から空気が吸い込
まれ、装置内部の空気流路を通過して排気口10から排
出される。従って、この装置を連続的に運転することに
より空間内の空気を繰り返し循環させることができる。
【0065】また、前記ファン8と吸気口9との間には
集塵手段12が配設されている。さらに、前記ファン8
と排気口10との間には、前記ファン8に近い順に光照
射手段13、空気浄化手段14(光触媒層を形成した基
材)が設けられている。ここで、前記集塵手段12は電
気集塵装置等の電気的手段、HEPAフィルター、活性
炭フィルター等の単体あるいはそれらの複合体からなる
ものである。そして、前記光照射手段13は空気浄化手
段14に対して垂直かつ均等に光照射されるように配設
され、冷陰極管、ブラックライト、白色灯等でもよい
が、強い紫外線を発生するものの方が光触媒作用を利用
する上で適している。
【0066】また、前記空気浄化手段14としては、メ
ッシュ状、ハニカム状等の通気性を有する基材表面に上
述した手法により光触媒層を形成させたものを好適に用
いることができる。尚、15は本体7の底部に配設され
た加湿手段であり、前記空気浄化手段14の直下に配設
した湿度センサー16の検知結果に基づいて駆動制御さ
れ、必要に応じてファン8の上流側に水分を送り込んで
本体7内の空気流路および本体7が設置された空間を加
湿する。加湿方法としては、例えば加熱式、蒸気式、気
化式、超音波式、噴霧式等があるが、これらに限定され
ない。さらに、17は吸放湿材であり、前記空気浄化手
段14を挟んで上流側および下流側の両方もしくは片方
に配設する。
【0067】次に、以上のような構成をもつ脱臭装置の
使用形態について説明する。雰囲気中に臭気成分を含む
空間に脱臭装置を設置して運転すると、空間内の空気が
吸気口9から吸い込まれ、集塵手段12を通過する際に
塵埃が該集塵手段12に捕捉されて除去される。そし
て、前記集塵手段12を通過した空気は、ファン8を経
由してさらに下流の空気浄化手段14と接触しながら通
過して排気口10から外部へ排出される。
【0068】このとき、空気浄化手段14は光照射手段
13による光の照射を常時受けており、空気はこの空気
浄化手段14を通過する際に、光触媒の作用で臭気成分
の一部が分解されるともに、光触媒層中の吸着剤に臭気
成分の一部が吸着される。この吸着された臭気ガスは経
時的に吸着剤から脱着し、光触媒と接触することにより
続いて分解される。また、前記加湿手段15および吸放
湿材17によって空気浄化手段14近傍が適度な湿度に
なるように常時制御され、これにより光触媒の活性が充
分に発揮されるので、臭気の分解速度を上昇させること
ができるとともに、光触媒の再生時間を短縮することが
できる。
【0069】また、図5は図4とは異なる実施形態であ
る脱臭装置の一例の側面断面図であり、上流側から集塵
手段12、光照射手段13、空気浄化手段14、ファン
8が配設され、この順に空気が通過して排気されるよう
に構成されている。また、本体1の底部に加湿手段15
を、空気浄化手段14の後方に湿度センサー16をそれ
ぞれ配設する。さらに、前記空気浄化手段14を挟んで
上流側および下流側の両方もしくは片方に吸放湿材17
を配設する。この脱臭装置の動作および臭気ガスの分解
方法等は上記実施形態と同様である。
【0070】尚、本発明は上記実施形態に限定されない
のは勿論であって、空間に設置して空間内の空気を循環
させる他の装置、例えば空気調和機や除湿機等に空気浄
化手段を配設して空間内の空気浄化機能をこれらの機器
に付加するようにしてももよい。
【0071】
【発明の効果】粒径0.1〜10nmの超微粒子Pt等
の異種金属を担持した粒径5〜100nmのTiO2
からなる光触媒に光を照射して雰囲気中に含まれる臭気
成分の分解を行わせると、異種金属を担持させていない
光触媒のみで臭気を分解させる場合に比べて格段に分解
速度が上がり、光触媒の再生効率が向上し、しかもこの
異種金属担持光触媒の触媒活性は雰囲気の湿度に依存す
ることを見いだした。
【0072】そこで、この異種金属担持光触媒を表面に
製膜して光触媒層を形成させた基材を、空間に設置して
該空間内の空気を循環させる脱臭装置の内部の空気流路
に配設し、最適な湿度環境を作り出す調湿手段と組み合
わせて用いることにより、光触媒が良好な触媒活性を発
揮して効率よく空間内の空気を浄化できる。さらに、一
般的に風邪等の予防として室内の湿度を60%前後に維
持するのが良いとされているが、本発明に係る脱臭装置
を運転する場合の湿度環境は約50〜70%に制御され
るので、健康維持の面においても効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る異種金属担持光触媒の模式的
な拡大断面図である。
【図2】 同上異種金属担持光触媒を含む光触媒層を
基材表面に製膜した状態を示す模式的な拡大断面図であ
る。
【図3】 本発明に係る異種金属担持光触媒によるア
セトアルデヒドの分解試験を様々な湿度雰囲気下で行っ
た結果を光触媒のみの場合と比較して示すグラフであ
る。
【図4】 本発明に係る脱臭装置の一例の概略的な側
面断面図である。
【図5】 本発明に係る脱臭装置の他の例の概略的な
側面断面図である。
【符号の説明】
1 異種金属担持光触媒 2 光触媒 3 異種金属 4 基材 5 バインダー 6 光触媒層 7 本体 8 ファン 9 吸気口 10 排気口 11 制御部 12 集塵手段 13 光照射手段 14 空気浄化手段 15 加湿手段 16 湿度センサー 17 吸放湿材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/26 101 B01J 20/02 A 4G066 B01J 20/02 B 4G069 23/42 A 23/42 35/02 J 35/02 F24F 6/00 301 F24F 6/00 301 B01D 53/36 ZABJ Fターム(参考) 3L055 AA07 DA05 4C080 AA07 BB02 CC01 HH05 JJ06 KK08 LL03 LL20 MM02 MM07 QQ11 4D012 CA09 CA10 CB01 CE01 CF05 CG01 CG03 CH05 4D048 AA19 AA22 AB03 AB05 BA02X BA03X BA06X BA06Y BA07X BA07Y BA17Y BA25Y BA26Y BA27Y BA30X BA30Y BA31Y BA34Y BA35Y BA36Y BA37Y BA38Y CA06 CD01 CD10 EA01 4D052 AA08 CE00 GA01 GA03 GA04 GB03 GB12 GB14 HA01 HA39 HB05 4G066 AA02B AA05B AA15B AA18B AA19B AA21B AA22B AA23B AA25B AA27B AA28B AA61B CA02 DA03 FA37 4G069 AA03 AA08 BA01A BA01B BA02A BA02B BA04A BA04B BA48A BB04A BB04B BC17A BC18A BC19A BC19B BC21A BC22A BC31A BC32A BC33A BC36A BC50A BC50B BC58A BC59A BC60A BC66A BC67A BC68A BC72A BC75A BC75B CA01 CA10 CA17 DA05 FA06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間に設置して空間内の空気を循環させ
    るとともに空気中に含まれる臭気を除去する脱臭装置に
    おいて、 異種金属を担持した光触媒とバインダーとを混合した光
    触媒含有塗料を基材表面にコーティングすることにより
    光触媒層を形成させた空気浄化手段と、該空気浄化手段
    に向けて光を照射する励起光源と、前記空気浄化手段の
    周辺の雰囲気が適度な湿度になるように調節する調湿手
    段とを設けたことを特徴とする脱臭装置。
  2. 【請求項2】 前記光触媒は粒径100nm以下の微粒
    子であることを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。
  3. 【請求項3】 前記光触媒はTi,W,Mo,Si,I
    n,Cd,Ga,Cr,Pb,Snのいずれか、又はこ
    れらの化合物、又はこれらの合金、又はこれらの酸化物
    の単体あるいは複合体からなることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の脱臭装置。
  4. 【請求項4】 異種金属はCu,Ag,Fe,Co,P
    t,Ni,Pd,Auの単体又はその酸化物の少なくと
    も1種以上からなることを特徴とする請求項1〜請求項
    3のいずれかに記載の脱臭装置。
  5. 【請求項5】 光触媒は粒径5〜100nmのアナター
    ゼ型あるいはルチル型の酸化チタンの微粒子からなり、
    一方、光触媒に担持する異種金属は10nm以下の微粒
    子であるであることを特徴とする請求項1〜請求項4の
    いずれかに記載の脱臭装置。
  6. 【請求項6】 光触媒含有塗料中のバインダーの含有量
    が20〜80重量%であることを特徴とする請求項1〜
    請求項5のいずれかに記載の脱臭装置。
  7. 【請求項7】 板状又は鎖状の結晶構造を有する無機化
    合物からなる粒界補強剤の粉末を光触媒含有塗料に混合
    したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに
    記載の脱臭装置。
  8. 【請求項8】 前記粒界補強剤は平均粒径50μm以下
    の含水珪酸アルミニウムカリウム、天然含水珪酸マグネ
    シウムの単体又は複合体からなることを特徴とする請求
    項7に記載の脱臭装置。
  9. 【請求項9】 固体塩基物質を光触媒含有塗料に混合し
    たことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記
    載の脱臭装置。
  10. 【請求項10】 前記固体塩基物質は酸化カルシウム、
    炭酸カルシウム、酸化カリウム、水酸化ナトリウムの単
    体あるいは複合体からなることを特徴とする請求項9に
    記載の脱臭装置。
  11. 【請求項11】 前記固体塩基として炭酸カルシウムを
    用い、その混合量を前記光触媒含有塗料の1.0重量%
    以下としたことを特徴とする請求項9に記載の脱臭装
    置。
  12. 【請求項12】 異種金属担持光触媒に対して約1.0
    〜70重量%の吸着剤を光触媒含有塗料に混合したこと
    を特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の
    脱臭装置。
  13. 【請求項13】 前記吸着剤はTi,W,Mo,Si,
    In,Cd,Ga,Cr,Pb,Snのいずれか、又は
    これらの化合物、又はこれらの合金、又はこれらの酸化
    物の単体あるいは複合体からなる光触媒粉末あるいは、
    シリカゲル、シリカライト、活性炭、ゼオライトまたは
    その一部を金属イオンで置換したM交換ゼオライト(M
    =Cu,Ag,Fe,Co,Pt,Ni,Pd,Au,
    Sb)の単体あるいは複合体からなることを特徴とする
    請求項12に記載の脱臭装置。
  14. 【請求項14】 前記光触媒粉末は粒径50nm以下、
    比表面積50m2/g以上であることを特徴とする請求
    項13に記載の脱臭装置。
  15. 【請求項15】 光触媒含有塗料に約10重量%以下の
    分散剤や界面活性剤を混合したことを特徴とする請求項
    1〜請求項14のいずれかに記載の脱臭装置。
  16. 【請求項16】 調湿手段は湿度センサーと、該湿度セ
    ンサーが検知した雰囲気中の湿度に基づき加湿する加湿
    器と、水分を吸放湿することにより雰囲気を適度な湿度
    に調節する吸放湿材とからなり、前記調湿手段により雰
    囲気中の湿度が常時約50〜70%に維持されることを
    特徴とする請求項1〜請求項15のいずれかに記載の脱
    臭装置。
  17. 【請求項17】 前記吸放湿材は平均細孔径が約60オ
    ングストロームの多孔質材料の粉末を主成分とし、雰囲
    気中の湿度が約50〜70%より高い状態へ移行したと
    き水分を吸収し、逆に低い状態へ移行したときは水分を
    放出することを特徴とする請求項16に記載の脱臭装
    置。
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