JP2004193231A - 基板洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板表面に不要な有機物質や酸化膜が残存せず、清浄かつ安定した半導体表面を得ることが可能な基板洗浄方法を提供する。
【解決手段】基板表面に酸化物10及び有機汚染物質11が付着した半導体基板10を基板洗浄槽2内に設置し、槽内を二酸化炭素の臨界温度以上に保持して、洗浄剤循環用加熱・圧縮装置3で生成された洗浄剤8を供給し、基板表面を洗浄する。洗浄剤8としては、二酸化炭素超臨界流体と、アンモニアガスと、硫化水素ガスとを混合した混合物質を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】基板表面に酸化物10及び有機汚染物質11が付着した半導体基板10を基板洗浄槽2内に設置し、槽内を二酸化炭素の臨界温度以上に保持して、洗浄剤循環用加熱・圧縮装置3で生成された洗浄剤8を供給し、基板表面を洗浄する。洗浄剤8としては、二酸化炭素超臨界流体と、アンモニアガスと、硫化水素ガスとを混合した混合物質を用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば半導体装置の製造工程において、半導体基板表面に付着する使用済みレジストをはじめとする不要な有機物質を除去する基板洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体基板表面にパターン加工を施す際に使用されたレジストを、加工後、半導体基板表面から除去するには、二酸化炭素超臨界流体、もしくは二酸化炭素超臨界流体に低級アルコールや脂肪族炭化水素類を加えたものに一定時間浸漬していた(例えば、特許文献1参照。)。上記二酸化炭素超臨界流体は有機物に対する溶解度が高く、また、拡散性が高いため、微細加工された半導体デバイスの小さな空隙にも浸透して良好な洗浄力を発揮する。また、臨界点が比較的低く、取り扱いが容易であり、毒性がなく安価であるため、高分子化合物からなる使用済みレジストの除去には有効な洗浄剤であった。
【特許文献1】
特開平8−181050号公報(第3−5頁、図1−3)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような洗浄方法では、上記使用済みレジストをはじめとする基板表面の不要な有機物質を溶解して除去することは可能であるが、有機物質付着前に既に基板表面に形成していた自然酸化膜、あるいは有機物質付着により基板と有機物質間の化学反応により形成した酸化膜等は上記のような洗浄方法では除去できず、半導体基板表面には酸化膜が残存することとなる。また、この表面酸化膜が経時的に成長するため、安定な表面が得られないという問題があった。高性能で高信頼性の半導体装置を高歩留まりで製造するためには、上記表面酸化膜の除去、および基板表面の不活性化が必要となるが、従来は上記のような方法で有機物質を除去した後、さらに酸化膜のエッチング工程、および基板表面の不活性化工程を別途に施していた。このため製造工程が多くなり、コストがかかる問題があった。また、有機物質の洗浄工程、酸化膜のエッチング工程、および基板表面の不活性化工程を一度に行える洗浄剤は無かった。
【0004】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、基板表面に不要な有機物質や酸化膜が残存せず、清浄かつ安定した半導体基板表面が容易に得られる基板洗浄方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板洗浄方法は、超臨界流体と、上記超臨界流体の超臨界条件下で気体状態であると共に、酸化膜のエッチング作用および基板表面不活性化作用を有する物質とからなる洗浄剤を用いて、基板表面に付着する不要な有機物質を洗浄するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1を図を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係わる洗浄装置を示す概略構成図である。
洗浄装置1は、冷却、加熱機構を備えた基板洗浄槽2、洗浄剤循環用加熱・圧縮装置(洗浄剤生成槽)3、分離器(分離槽)4、及び汚染物質回収容器6を備え、これらを配管5a〜5dによって接続している。また、各配管5a〜5dには減圧弁7が設けられている。基板洗浄槽2の中には半導体基板9がセットされており、基板9の表面には、酸化膜10および有機汚染物質11が付着している。本実施の形態の半導体基板9としてはGaAs基板を用いたが、AlGaAs、InGaAs、GaP、InP、InAs、あるいはこれらを積層した基板でもよい。
【0007】
洗浄剤循環用加熱・圧縮装置3では洗浄剤8が生成される。洗浄剤8としては、有機物質の除去に有効な超臨界流体(ここでは二酸化炭素超臨界流体)に、酸化膜のエッチング作用と基板表面不活性化作用とを有する物質を添加したものを用いた。酸化膜のエッチング作用と基板表面不活性化作用とを有する添加物質としては、二酸化炭素の超臨界条件下で気体状態であることが必要であり、また、基板表面の配線等に対して腐食を起こさず、表面張力発生原因となる液状の水を発生せず、更に、添加することによって有機物質の再付着等の悪影響を及ぼさない物質であることが必要である。また、表面不活性化のための不活性化膜を新たな工程を施さなくても容易に除去できる物質であることが必要である。この条件を満たすものとして、本実施の形態では、アンモニアガスと硫化水素ガスとを混合した混合物質を添加した。
【0008】
上記洗浄剤循環用加熱・圧縮装置3において、二酸化炭素の臨界点(31.1℃,7.38MPa)以上、例えば、温度35〜90℃、圧力7.5〜30Mpaの加熱・圧縮条件とすることにより超臨界流体となる二酸化炭素超臨界流体が生成される。ここで超臨界流体とは、物質固有の臨界点以上に加熱、加圧された、気体でも液体でもない状態の流体を意味する。気体のように高拡散で、液体のように高い溶解性を併せ持ち、化学反応や溶解を迅速に行うことが可能である。
また、アンモニアガスと硫化水素ガスは、二酸化炭素に対し、それぞれ0.1〜20wt%添加するのが望ましい。
【0009】
生成された洗浄剤8は、基板洗浄槽2内に設置された基板9を洗浄する際に、配管5aを通って基板洗浄槽2に供給される。この際、基板洗浄槽2は加熱機構により、二酸化炭素の臨界温度以上に保持される。臨界点以上に加熱・加圧された状態の二酸化炭素超臨界流体は、有機物に対する溶解度が高く、低粘性、高拡散性を有するため、微細パターンの内部にも浸透し、基板表面の有機汚染物質11を極めて良好に除去する。また、洗浄剤8に含まれるアンモニアガスおよび硫化水素ガスは、二酸化炭素が超臨界流体として存在する温度−圧力条件において、アンモニアと硫化水素の気体状態として存在するため、アンモニアガスにより、有機汚染物質11が除去された基板表面の酸化膜10がエッチング・除去され、更に、硫化水素ガスにより、酸化膜除去後に新たに現れる清浄な基板表面に、薄く均一なイオウ層が形成される。基板表面にイオウ層が形成されることにより、基板表面は不活性化される。
【0010】
このようにして除去された有機汚染物質11および除去された酸化膜10(酸化物)は洗浄剤8と共に分離器4に導かれる。分離器4内は二酸化炭素の臨界点以下に冷却、減圧されている。但し、洗浄剤8は0℃以下になると、アンモニアガスと硫化水素ガスとが硫化水素アンモニウムとして結晶化するため、分離器4内は0℃を下回らない温度とする。洗浄剤8は二酸化炭素の臨界点以下で、かつ0℃を下回らない温度に冷却、減圧されることにより、二酸化炭素ガスとアンモニアガスと硫化水素ガスとの混合ガスとなるが、二酸化炭素ガスは二酸化炭素超臨界流体より、有機物に対する溶解度が著しく低いため、有機汚染物質11は液体もしくは固体状態となって、気体状態の洗浄剤8と分離され、配管5dを通って汚染物質回収容器6に導かれる。酸化物も同様に、冷却、減圧されることにより、溶解度が急激に低下し、液体もしくは固体状態となって、気体状態の洗浄剤8と分離され、配管5dを通って汚染物質回収容器6に導かれる。汚染物質回収容器6は、容器6と配管5dとを接続する接続部で洗浄装置1から取り外すことが可能であるため、汚染物質回収容器6に回収された有機汚染物質11および酸化物は適宜廃棄処理ができる。
【0011】
基板9の洗浄が終了した後、洗浄槽2を冷却機構により0℃以下に冷却し、槽内に微量残留したアンモニアガスおよび硫化水素ガスを硫化水素アンモニウムの結晶とした後、洗浄層2を大気開放し、基板9を取り出す。基板取り出し時の洗浄槽2の温度を0℃以下に設定することにより、アンモニアガスや硫化水素ガスの漏洩を防止することができる。
【0012】
分離器4において、有機汚染物質11および酸化物が除かれた洗浄剤8は、再び洗浄剤循環用加熱・圧縮装置3に導かれて、二酸化炭素の臨界点以上に加熱、圧縮される。これにより、洗浄剤8は、二酸化炭素超臨界流体と、アンモニアガスと、硫化水素ガスとからなる混合物質となり、基板の洗浄に繰り返し使用される。
【0013】
図2(a)は本実施の形態による洗浄方法を示す図であり、表面に酸化膜10とその上に有機汚染物質11が付着した基板9を洗浄した場合の基板の断面を示す。本発明による洗浄方法により洗浄した基板9の表面は、最表面の薄い均一なイオウ層12により不活性化され、大気放置1週間後でも、基板表面に酸化膜が認められない。
一方、図2(b)は従来の洗浄方法を示すものであり、従来の洗浄剤13により洗浄した基板は、洗浄直後も表面に酸化膜10が残存し、更に放置時間経過と共に、新たな酸化膜14が成長する。
【0014】
図3は、本実施の形態による洗浄方法により洗浄した基板表面および従来の洗浄方法により洗浄した基板表面を、X線光電子分光法およびオージェ電子分光法により分析し、表面有機物質の有無および表面酸化膜の有無を比較した結果を示すものである。比較例1は洗浄処理前のもの、比較例2は二酸化炭素超臨界流体のみで洗浄した直後のもの、比較例3は二酸化炭素超臨界流体のみで洗浄した後1週間後のものである。また、実施例1、2は本実施の形態による洗浄方法で洗浄したものであり、実施例1は、二酸化炭素超臨界流体と5wt%のアンモニアガスと5wt%の硫化水素ガスとからなる洗浄剤で洗浄した直後のもの、実施例2は上記洗浄剤で洗浄した後1週間後のものである。本実施の形態による洗浄方法により洗浄した基板表面は、洗浄直後のみならず、大気放置1週間後も、基板表面から酸化膜が検出されなかった。また、有機汚染物質は大気放置1週間後、極微量検出されるが、イオウ層の上に載った状態なので、次の工程で真空槽に入れるとイオウ層と共に飛んでしまい、除去される。
【0015】
なお、本発明による洗浄方法により洗浄した基板表面に形成した上記イオウ層12は、半導体製造の次の工程で、表面にパッシベーション膜や電極膜等の薄膜を形成するために10−3〜10−6Paの真空条件下に晒されるが、この際、上記真空状態で、基板表面から容易に昇華・除去されるため、半導体装置に対する悪影響がなく、有機汚染物質および酸化膜が完全に除去された、安定な表面が確保できる。これにより、基板と次の工程で形成した薄膜との密着性が良好となり、高性能で高信頼性の半導体装置を高歩留まりで製造することができる。
【0016】
また、本実施の形態においては、上記洗浄剤8により基板表面の洗浄を行う際に、基板洗浄槽2、洗浄剤循環用加熱・圧縮装置3、および分離器4を洗浄剤8が循環するように構成すると共に、上記各槽2、3、4の温度を制御しているので、有機汚染物質および酸化物を分離、除去した後、上記洗浄剤8を繰り返し再利用することができると共に、洗浄剤8に含まれるアンモニアガスや硫化水素ガスの漏洩も防止できる。したがって、環境への負荷も極めて小さい。
【0017】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、酸化膜10をエッチング・除去する添加物質としてアンモニアガスを、基板表面を不活性化する添加物質として硫化水素ガスを用いたが、酸化膜のエッチング作用と基板表面の不活性化作用との両方を有する添加物質として、硫化水素アンモニムを用いてもよい。この場合も、加熱により硫化水素アンモニムは容易に気化し、アンモニアガスと硫化水素ガスとに分解するため、実施の形態1と同様、上記アンモニアガスにより、有機汚染物質が除去された基板表面に存在する酸化膜がエッチング・除去され、更に上記硫化水素ガスにより、酸化膜除去後に新たに現れる清浄な基板表面に、薄く均一なイオウ層が形成され、表面が不活性化するので、実施の形態1と同様の効果がある。
【0018】
この他、、酸化膜のエッチング作用と基板表面の不活性化作用との両方を有する添加物質として硫化アンモニウムを用いても良い。
【0019】
なお、上記各実施の形態では基板表面に付着する有機汚染物質を除去するものを示したが、パターン加工後の不要レジストや、その他不要な有機物質を基板表面より除去する際に、上記各実施の形態と同様の洗浄を行えば同様の効果がある。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、超臨界流体と、上記超臨界流体の超臨界条件下で気体状態であると共に、酸化膜のエッチング作用および基板表面不活性化作用を有する物質とからなる洗浄剤を用いて、基板表面に付着する不要な有機物質を洗浄するので、有機物質を除去すると同時に、表面酸化膜の除去および基板表面の不活性化を達成することができ、高性能で信頼性の高い半導体装置を、容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係わる洗浄装置を示す概略構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による洗浄方法を従来方法と比較して示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による洗浄方法により洗浄した基板表面および従来の洗浄方法により洗浄した基板表面をX線光電子分光法およびオージェ電子分光法により分析し、表面有機物の有無および表面酸化膜の有無を比較した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 洗浄装置、2 基板洗浄槽、3 洗浄剤循環用加熱・圧縮装置、4 分離器、5a〜5d 配管、6 汚染物質回収容器、7 減圧弁、8,13 洗浄剤、9 基板、10,14 酸化膜、11 有機汚染物質、12 イオウ層。
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば半導体装置の製造工程において、半導体基板表面に付着する使用済みレジストをはじめとする不要な有機物質を除去する基板洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体基板表面にパターン加工を施す際に使用されたレジストを、加工後、半導体基板表面から除去するには、二酸化炭素超臨界流体、もしくは二酸化炭素超臨界流体に低級アルコールや脂肪族炭化水素類を加えたものに一定時間浸漬していた(例えば、特許文献1参照。)。上記二酸化炭素超臨界流体は有機物に対する溶解度が高く、また、拡散性が高いため、微細加工された半導体デバイスの小さな空隙にも浸透して良好な洗浄力を発揮する。また、臨界点が比較的低く、取り扱いが容易であり、毒性がなく安価であるため、高分子化合物からなる使用済みレジストの除去には有効な洗浄剤であった。
【特許文献1】
特開平8−181050号公報(第3−5頁、図1−3)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような洗浄方法では、上記使用済みレジストをはじめとする基板表面の不要な有機物質を溶解して除去することは可能であるが、有機物質付着前に既に基板表面に形成していた自然酸化膜、あるいは有機物質付着により基板と有機物質間の化学反応により形成した酸化膜等は上記のような洗浄方法では除去できず、半導体基板表面には酸化膜が残存することとなる。また、この表面酸化膜が経時的に成長するため、安定な表面が得られないという問題があった。高性能で高信頼性の半導体装置を高歩留まりで製造するためには、上記表面酸化膜の除去、および基板表面の不活性化が必要となるが、従来は上記のような方法で有機物質を除去した後、さらに酸化膜のエッチング工程、および基板表面の不活性化工程を別途に施していた。このため製造工程が多くなり、コストがかかる問題があった。また、有機物質の洗浄工程、酸化膜のエッチング工程、および基板表面の不活性化工程を一度に行える洗浄剤は無かった。
【0004】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、基板表面に不要な有機物質や酸化膜が残存せず、清浄かつ安定した半導体基板表面が容易に得られる基板洗浄方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板洗浄方法は、超臨界流体と、上記超臨界流体の超臨界条件下で気体状態であると共に、酸化膜のエッチング作用および基板表面不活性化作用を有する物質とからなる洗浄剤を用いて、基板表面に付着する不要な有機物質を洗浄するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1を図を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係わる洗浄装置を示す概略構成図である。
洗浄装置1は、冷却、加熱機構を備えた基板洗浄槽2、洗浄剤循環用加熱・圧縮装置(洗浄剤生成槽)3、分離器(分離槽)4、及び汚染物質回収容器6を備え、これらを配管5a〜5dによって接続している。また、各配管5a〜5dには減圧弁7が設けられている。基板洗浄槽2の中には半導体基板9がセットされており、基板9の表面には、酸化膜10および有機汚染物質11が付着している。本実施の形態の半導体基板9としてはGaAs基板を用いたが、AlGaAs、InGaAs、GaP、InP、InAs、あるいはこれらを積層した基板でもよい。
【0007】
洗浄剤循環用加熱・圧縮装置3では洗浄剤8が生成される。洗浄剤8としては、有機物質の除去に有効な超臨界流体(ここでは二酸化炭素超臨界流体)に、酸化膜のエッチング作用と基板表面不活性化作用とを有する物質を添加したものを用いた。酸化膜のエッチング作用と基板表面不活性化作用とを有する添加物質としては、二酸化炭素の超臨界条件下で気体状態であることが必要であり、また、基板表面の配線等に対して腐食を起こさず、表面張力発生原因となる液状の水を発生せず、更に、添加することによって有機物質の再付着等の悪影響を及ぼさない物質であることが必要である。また、表面不活性化のための不活性化膜を新たな工程を施さなくても容易に除去できる物質であることが必要である。この条件を満たすものとして、本実施の形態では、アンモニアガスと硫化水素ガスとを混合した混合物質を添加した。
【0008】
上記洗浄剤循環用加熱・圧縮装置3において、二酸化炭素の臨界点(31.1℃,7.38MPa)以上、例えば、温度35〜90℃、圧力7.5〜30Mpaの加熱・圧縮条件とすることにより超臨界流体となる二酸化炭素超臨界流体が生成される。ここで超臨界流体とは、物質固有の臨界点以上に加熱、加圧された、気体でも液体でもない状態の流体を意味する。気体のように高拡散で、液体のように高い溶解性を併せ持ち、化学反応や溶解を迅速に行うことが可能である。
また、アンモニアガスと硫化水素ガスは、二酸化炭素に対し、それぞれ0.1〜20wt%添加するのが望ましい。
【0009】
生成された洗浄剤8は、基板洗浄槽2内に設置された基板9を洗浄する際に、配管5aを通って基板洗浄槽2に供給される。この際、基板洗浄槽2は加熱機構により、二酸化炭素の臨界温度以上に保持される。臨界点以上に加熱・加圧された状態の二酸化炭素超臨界流体は、有機物に対する溶解度が高く、低粘性、高拡散性を有するため、微細パターンの内部にも浸透し、基板表面の有機汚染物質11を極めて良好に除去する。また、洗浄剤8に含まれるアンモニアガスおよび硫化水素ガスは、二酸化炭素が超臨界流体として存在する温度−圧力条件において、アンモニアと硫化水素の気体状態として存在するため、アンモニアガスにより、有機汚染物質11が除去された基板表面の酸化膜10がエッチング・除去され、更に、硫化水素ガスにより、酸化膜除去後に新たに現れる清浄な基板表面に、薄く均一なイオウ層が形成される。基板表面にイオウ層が形成されることにより、基板表面は不活性化される。
【0010】
このようにして除去された有機汚染物質11および除去された酸化膜10(酸化物)は洗浄剤8と共に分離器4に導かれる。分離器4内は二酸化炭素の臨界点以下に冷却、減圧されている。但し、洗浄剤8は0℃以下になると、アンモニアガスと硫化水素ガスとが硫化水素アンモニウムとして結晶化するため、分離器4内は0℃を下回らない温度とする。洗浄剤8は二酸化炭素の臨界点以下で、かつ0℃を下回らない温度に冷却、減圧されることにより、二酸化炭素ガスとアンモニアガスと硫化水素ガスとの混合ガスとなるが、二酸化炭素ガスは二酸化炭素超臨界流体より、有機物に対する溶解度が著しく低いため、有機汚染物質11は液体もしくは固体状態となって、気体状態の洗浄剤8と分離され、配管5dを通って汚染物質回収容器6に導かれる。酸化物も同様に、冷却、減圧されることにより、溶解度が急激に低下し、液体もしくは固体状態となって、気体状態の洗浄剤8と分離され、配管5dを通って汚染物質回収容器6に導かれる。汚染物質回収容器6は、容器6と配管5dとを接続する接続部で洗浄装置1から取り外すことが可能であるため、汚染物質回収容器6に回収された有機汚染物質11および酸化物は適宜廃棄処理ができる。
【0011】
基板9の洗浄が終了した後、洗浄槽2を冷却機構により0℃以下に冷却し、槽内に微量残留したアンモニアガスおよび硫化水素ガスを硫化水素アンモニウムの結晶とした後、洗浄層2を大気開放し、基板9を取り出す。基板取り出し時の洗浄槽2の温度を0℃以下に設定することにより、アンモニアガスや硫化水素ガスの漏洩を防止することができる。
【0012】
分離器4において、有機汚染物質11および酸化物が除かれた洗浄剤8は、再び洗浄剤循環用加熱・圧縮装置3に導かれて、二酸化炭素の臨界点以上に加熱、圧縮される。これにより、洗浄剤8は、二酸化炭素超臨界流体と、アンモニアガスと、硫化水素ガスとからなる混合物質となり、基板の洗浄に繰り返し使用される。
【0013】
図2(a)は本実施の形態による洗浄方法を示す図であり、表面に酸化膜10とその上に有機汚染物質11が付着した基板9を洗浄した場合の基板の断面を示す。本発明による洗浄方法により洗浄した基板9の表面は、最表面の薄い均一なイオウ層12により不活性化され、大気放置1週間後でも、基板表面に酸化膜が認められない。
一方、図2(b)は従来の洗浄方法を示すものであり、従来の洗浄剤13により洗浄した基板は、洗浄直後も表面に酸化膜10が残存し、更に放置時間経過と共に、新たな酸化膜14が成長する。
【0014】
図3は、本実施の形態による洗浄方法により洗浄した基板表面および従来の洗浄方法により洗浄した基板表面を、X線光電子分光法およびオージェ電子分光法により分析し、表面有機物質の有無および表面酸化膜の有無を比較した結果を示すものである。比較例1は洗浄処理前のもの、比較例2は二酸化炭素超臨界流体のみで洗浄した直後のもの、比較例3は二酸化炭素超臨界流体のみで洗浄した後1週間後のものである。また、実施例1、2は本実施の形態による洗浄方法で洗浄したものであり、実施例1は、二酸化炭素超臨界流体と5wt%のアンモニアガスと5wt%の硫化水素ガスとからなる洗浄剤で洗浄した直後のもの、実施例2は上記洗浄剤で洗浄した後1週間後のものである。本実施の形態による洗浄方法により洗浄した基板表面は、洗浄直後のみならず、大気放置1週間後も、基板表面から酸化膜が検出されなかった。また、有機汚染物質は大気放置1週間後、極微量検出されるが、イオウ層の上に載った状態なので、次の工程で真空槽に入れるとイオウ層と共に飛んでしまい、除去される。
【0015】
なお、本発明による洗浄方法により洗浄した基板表面に形成した上記イオウ層12は、半導体製造の次の工程で、表面にパッシベーション膜や電極膜等の薄膜を形成するために10−3〜10−6Paの真空条件下に晒されるが、この際、上記真空状態で、基板表面から容易に昇華・除去されるため、半導体装置に対する悪影響がなく、有機汚染物質および酸化膜が完全に除去された、安定な表面が確保できる。これにより、基板と次の工程で形成した薄膜との密着性が良好となり、高性能で高信頼性の半導体装置を高歩留まりで製造することができる。
【0016】
また、本実施の形態においては、上記洗浄剤8により基板表面の洗浄を行う際に、基板洗浄槽2、洗浄剤循環用加熱・圧縮装置3、および分離器4を洗浄剤8が循環するように構成すると共に、上記各槽2、3、4の温度を制御しているので、有機汚染物質および酸化物を分離、除去した後、上記洗浄剤8を繰り返し再利用することができると共に、洗浄剤8に含まれるアンモニアガスや硫化水素ガスの漏洩も防止できる。したがって、環境への負荷も極めて小さい。
【0017】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、酸化膜10をエッチング・除去する添加物質としてアンモニアガスを、基板表面を不活性化する添加物質として硫化水素ガスを用いたが、酸化膜のエッチング作用と基板表面の不活性化作用との両方を有する添加物質として、硫化水素アンモニムを用いてもよい。この場合も、加熱により硫化水素アンモニムは容易に気化し、アンモニアガスと硫化水素ガスとに分解するため、実施の形態1と同様、上記アンモニアガスにより、有機汚染物質が除去された基板表面に存在する酸化膜がエッチング・除去され、更に上記硫化水素ガスにより、酸化膜除去後に新たに現れる清浄な基板表面に、薄く均一なイオウ層が形成され、表面が不活性化するので、実施の形態1と同様の効果がある。
【0018】
この他、、酸化膜のエッチング作用と基板表面の不活性化作用との両方を有する添加物質として硫化アンモニウムを用いても良い。
【0019】
なお、上記各実施の形態では基板表面に付着する有機汚染物質を除去するものを示したが、パターン加工後の不要レジストや、その他不要な有機物質を基板表面より除去する際に、上記各実施の形態と同様の洗浄を行えば同様の効果がある。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、超臨界流体と、上記超臨界流体の超臨界条件下で気体状態であると共に、酸化膜のエッチング作用および基板表面不活性化作用を有する物質とからなる洗浄剤を用いて、基板表面に付着する不要な有機物質を洗浄するので、有機物質を除去すると同時に、表面酸化膜の除去および基板表面の不活性化を達成することができ、高性能で信頼性の高い半導体装置を、容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係わる洗浄装置を示す概略構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による洗浄方法を従来方法と比較して示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による洗浄方法により洗浄した基板表面および従来の洗浄方法により洗浄した基板表面をX線光電子分光法およびオージェ電子分光法により分析し、表面有機物の有無および表面酸化膜の有無を比較した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 洗浄装置、2 基板洗浄槽、3 洗浄剤循環用加熱・圧縮装置、4 分離器、5a〜5d 配管、6 汚染物質回収容器、7 減圧弁、8,13 洗浄剤、9 基板、10,14 酸化膜、11 有機汚染物質、12 イオウ層。
Claims (4)
- 超臨界流体と、上記超臨界流体の超臨界条件下で気体状態であると共に、酸化膜のエッチング作用および基板表面不活性化作用を有する物質とからなる洗浄剤を用いて、基板表面に付着する不要な有機物質を洗浄することを特徴とする基板洗浄方法。
- 洗浄剤は、二酸化炭素超臨界流体に、硫化水素アンモニム、硫化アンモニウム、またはアンモニアガス及び硫化水素ガスのいずれかを添加した物質であることを特徴とする請求項1記載の基板洗浄方法。
- 超臨界流体と、上記超臨界流体の超臨界条件下で気体状態であると共に、酸化膜のエッチング作用および基板表面不活性化作用を有する物質とからなる洗浄剤を生成する洗浄剤生成槽、半導体基板を上記洗浄剤を用いて洗浄する基板洗浄槽、並びに上記洗浄剤と洗浄により除去された有機物質および酸化物とを分離する分離槽を備えた洗浄装置を用い、上記各槽を上記洗浄剤が循環するように構成すると共に、上記各槽の温度を制御したことを特徴とする基板洗浄方法。
- 洗浄剤は、二酸化炭素超臨界流体に、硫化水素アンモニム、硫化アンモニウム、またはアンモニアガス及び硫化水素ガスのいずれかを添加した物質であり、上記分離槽の温度を、二酸化炭素の臨界点以下でかつ0℃より高い温度とし、上記基板洗浄槽の温度を、基板洗浄時には二酸化炭素の臨界温度以上とし、基板取り出し時には0℃以下としたことを特徴とする請求項3記載の基板洗浄方法。
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JP2002357423A JP2004193231A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 基板洗浄方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009500828A (ja) * | 2005-07-01 | 2009-01-08 | アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド | 浸漬リソグラフィにおいて超臨界流体を用いてウェーハを乾燥し、レンズを洗浄するための方法及びシステム |
WO2012017703A1 (ja) * | 2010-08-05 | 2012-02-09 | 三菱電機株式会社 | 光電変換装置の製造方法 |
CN114377429A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-04-22 | 陕西聚泰新材料科技有限公司 | 一种负载型废催化剂脱有机物和/或单质硫的工艺 |
-
2002
- 2002-12-10 JP JP2002357423A patent/JP2004193231A/ja active Pending
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