JP2004190931A - ろう付用材料、それを用いたろう付品およびその製造方法、ならびにろう付用熱交換チューブ、それを用いた熱交換器およびその製造方法、ならびに車両 - Google Patents

ろう付用材料、それを用いたろう付品およびその製造方法、ならびにろう付用熱交換チューブ、それを用いた熱交換器およびその製造方法、ならびに車両 Download PDF

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博之 川畑
Masahiro Omori
将弘 大森
Yoshitaka Nagano
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Abstract

【課題】ろう材箔の付与作業を簡略化するとともに、フラックスの均一供給が可能nなろう付用熱交換チューブ、このろう付用熱交換チューブを用いた熱交換器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ろう付用熱交換チューブSは、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブ3の外周面に、アルミニウム合金からなるテープ状のろう材箔11がスパイラル状に巻き付けられることによって該ろう材箔11が付与されてなる。そして、前記ろう付用熱交換チューブSとフィン4とを組み付けてろう付接合することにより熱交換器を製造する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ろう付用材料、このろう付用材料を用いたろう付品およびその製造方法、さらには、例えば自動車用、家庭用、業務用のエアコンにおける凝縮器、蒸発器の他、ラジエータ等として使用されるアルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換器に用いられる熱交換チューブ、この熱交換チューブを用いた熱交換器、および熱交換器の製造方法、ならびに熱交換器を搭載した車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用のラジエーター、クーラーのコンデンサまたはエバポレータとして用いられる熱交換器として、アルミニウム製の偏平型の熱交換チューブとコルゲートフィンとが交互に積層配置された状態でろう付け一体化された熱交換器コア部を有するものが周知である。
【0003】
このような熱交換器の製造において、熱交換チューブまたはフィン、あるいは両者が芯材のろう材層をクラッドしたブレージング材で構成されることがある。また近年では、ろう材の使用量の低減による熱交換器の軽量化やコストダウンを目的として、ブレージング材を用いず、ベア材から熱交換器を製造する方法が考案されている。例えば、粉末ろう材を構成部材に塗布するろう付法や、チューブの表面にろう材箔とともにZnを溶射してろう材層を形成し、このチューブとフィンとをろう付する方法や、ろう材組成の溶湯を水冷ロールの表面に溶射してろう材の薄板を形成し、このろう材薄板をチューブに貼り付けてフィンをろう付する方法がある(例えば特許文献1〜3)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3212927号公報(請求項6、段落番号0019、0020)
【0005】
【特許文献2】
特開平2−299775号公報(請求項1)
【0006】
【特許文献3】
特開平1−202393号公報(請求項2、第4頁右上欄第4行から最終行)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した熱交換器の製造において、良好なろう付を達成するために熱交換チューブのろう材層はチューブ表面に均一形成されていることが望ましい。この点では、ろう材の付与方法として粉末ろう材の塗布よりもろう材薄板、換言すればろう材箔を貼り付ける方法が優れている。
【0008】
しかしながら、薄いろう材箔のハンドリングは手数がかかるため、工程数の多い付与方法、あるいは複雑な動作を必要とする付与方法は好ましくない。また、チューブの表面にフラックスが十分に供給されることも必要である。
【0009】
上述した熱交換器の製造方法のうち、ろう材箔を用いる特許文献2およ特許文献3はいずれもろう材箔の付与に手数がかかるものである。しかも、特許文献2では、ろう材箔をチューブ表面に付与する点に関し、ろう材箔の上からZn溶射するだけではろう材箔とチューブを量産レベルで安定して接合することは困難である。一方、特許文献3は単なる置きろうであるから、チューブとフィンとの組立や搬送の際にろう材箔が破損や脱落するおそれがある。また図面に参照されるように、偏平チューブのフラット部に略同形のろう材箔を置いてチューブとフィンとの接合部にフラックスを塗布した場合、フラックスがチューブとろう材箔との界面に侵入したとしてもフラット部の幅方向で不均一になり易く、ひいては良好なろう付けが達成されないことがある。
【0010】
このような欠点は、熱交換器だけでなく他のろう付品のろう付接合においても同様に生じるものである。
【0011】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、ろう材箔の付与作業を簡略化でき、かつフラックスの均一供給が可能なろう付用材料、このろう付用材料を用いたろう付品およびその製造方法を提供し、さらには、ろう付用熱交換チューブ、このろう付用熱交換チューブを用いた熱交換器、および熱交換器の製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、発明者は鋭意研究し、この発明を完成し得たものである。
【0013】
即ち、
(1) アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の外周面に、アルミニウム合金からなるテープ状のろう材箔がスパイラル状に配置されていることを特徴とするろう付用材料。
【0014】
(2) 前記ろう材箔は、10mm以下の隙間を介して配置されている前項1に記載のろう付用材料。
【0015】
(3) 前記ろう材箔は、Si:4〜15質量%を含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成されている前項1または2のいずれか1項に記載のろう付用材料。
【0016】
(4) 前記ろう材箔は、さらにZn:10質量%以下を含有するアルミニウム合金で構成されている請求項3に記載のろう付用材料。
【0017】
(5) 前記ろう材箔の箔厚は5〜100μmである前項1〜4のいずれか1項に記載のろう付用材料。
【0018】
(6) 前記ろう材箔の幅は3〜30mmである前項1〜5のいずれか1項に記載のろう付用材料。
【0019】
(7) 前記ろう材箔は、その両端部において超音波接合、レーザー接合、接着剤のいずれかによって基材に接合されている前項1〜6のいずれか1項に記載のろう付用材料。
【0020】
(8) 前項1〜7のいずれか1項に記載のろう付用材料と他の接合部材とが、前記ろう付用材料のろう材箔を介してろう付されてなることを特徴とするろう付品。
【0021】
(9) アルミニウム合金からなるテープ状のろう材箔を、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の表面にスパイラル状に配置させることによりろう付用材料を準備する工程と、
前記ろう付用材料と他の接合部材とを組み合わせて加熱することにより、前記ろう材箔を介して前記ろう付用材料と他の接合部材をろう付接合する工程と、
を含むことを特徴とするろう付品の製造方法。
【0022】
(10) 前記ろう材箔を10mm以下の隙間をもって配置させる前項9に記載のろう付品の製造方法。
【0023】
(11) 前記ろう材箔を、Si:4〜15質量%含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成する前項9または10に記載のろう付品の製造方法。
【0024】
(12) 前記ろう材箔を、さらにZn:10質量%以下を含有するアルミニウム合金で構成する前項11に記載のろう付品の製造方法。
【0025】
(13) 前記ろう材箔の箔厚は5〜100μmである前項9〜12のいずれか1項に記載のろう付品の製造方法。
【0026】
(14) 前記ろう材箔の幅は3〜30mmである前項9〜13のいずれか1項に記載のろう付品の製造方法。
【0027】
(15) 前記ろう材箔の両端部において、超音波接合、レーザー接合、接着剤のいずれかによって該ろう材箔を基材に接合する前項9〜14のいずれか1項に記載のろう付品の製造方法。
【0028】
(16) 前記ろう付接合する工程は、常圧下で行う前項9〜15のいずれか1項に記載のろう付品の製造方法。
【0029】
(17) 前記ろう付接合する工程は、ろう付用材料の外部からフラックスを供給して行う前項9〜16のいずれか1項に記載のろう付品の製造方法。
【0030】
(18) アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブの外周面に、アルミニウム合金からなるテープ状のろう材箔がスパイラル状に配置されていることを特徴とするろう付用熱交換チューブ。
【0031】
(19) 前記ろう材箔は、10mm以下の隙間を介して配置されている前項18に記載のろう付用熱交換チューブ。
【0032】
(20) 前記ろう材箔は、Si:4〜15質量%を含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成されている請求項18または19のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
【0033】
(21) 前記ろう材箔は、さらにZn:10質量%以下を含有するアルミニウム合金で構成されている前項20に記載のろう付用熱交換チューブ。
【0034】
(22) 前記ろう材箔の箔厚は5〜100μmである前項18〜21のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
【0035】
(23) 前記ろう材箔の幅は3〜30mmである前項18〜22のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
【0036】
(24) 前記ろう材箔は、その両端部において超音波接合、レーザー接合、接着剤のいずれかによって熱交換チューブに接合されている前項18〜23のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
【0037】
(25) 前項18〜24のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブとフィンとが、前記ろう付用熱交換チューブのろう材箔を介してろう付されてなることを特徴とする熱交換器。
【0038】
(26) アルミニウム合金からなるテープ状のろう材箔を、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブの外周面にスパイラル状に配置させることによりろう付用熱交換チューブを準備する工程と、
前記ろう付用熱交換チューブとフィンとを組み合わせて加熱することにより、前記ろう材箔を介して前記ろう付用熱交換チューブとフィンをろう付接合する工程と、
を含むことを特徴とする熱交換器の製造方法。
【0039】
(27) 前記ろう材箔を10mm以下の隙間をもって配置させる前項26に記載の熱交換器の製造方法。
【0040】
(28) 前記ろう材箔を、Si:4〜15質量%含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成する前項26または27に記載の熱交換器の製造方法。
【0041】
(29) 前記ろう材箔を、さらにZn:10質量%以下を含有するアルミニウム合金で構成する前項28に記載の熱交換器の製造方法。
【0042】
(30) 前記ろう材箔の箔厚は5〜100μmである前項26〜29のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
【0043】
(31) 前記ろう材箔の幅は3〜30mmである前項26〜30のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
【0044】
(32) 前記ろう材箔の両端部において、超音波接合、レーザー接合、接着剤のいずれかによって該ろう材箔を熱交換チューブに接合する前項26〜31のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
【0045】
(33) 前記ろう付接合する工程は、常圧下で行う前項26〜32のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
【0046】
(34) 前記ろう付接合する工程は、ろう付用熱交換チューブの外部からフラックスを供給して行う前項26〜33のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
【0047】
(35) 圧縮器、凝縮器および蒸発器を有する冷凍サイクルを備えており、前記凝縮器が前項25に記載の熱交換器からなることを特徴とする車両。
【0048】
(36) 圧縮器、凝縮器および蒸発器を有する冷凍サイクルを備えており、前記蒸発器が前項25に記載の熱交換器からなることを特徴とする車両。
【0049】
この発明のろう付用材料の一例としては、自動車用、家庭用、業務用のエアコンにおける凝縮器、蒸発器の他、ラジエータ等として使用されるアルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換器に用いられ、フィンとろう付される熱交換チューブを挙げることができる。以下の説明においては、「ろう付用材料またはろう付用熱交換チューブ」「基材または熱交換チューブ」「ろう付品または熱交換器」は、「ろう付用材料等」「基材等」「ろう付品等」と省略し、主としてろう付用材料がろう付用熱交換チューブであり、ろう付品が熱交換器である場合を例にとって説明するが、ろう付用材料、ろう付品の種類はこれに限定されるものではない。
【0050】
この発明のろう付用材料等において、基材等の外周面にテープ状のろう材箔がスパイラル状に配置されることによって、接合に必要なろう材箔が付与されいる。そして、このろう付用材料等を用いてろう付品等を製造することが可能となる。
【0051】
前記ろう付用材料等について、図1および図2に示す熱交換器の構成材料である熱交換チューブ(3)を例に挙げて図面を参照しつつ説明する。
【0052】
前記熱交換器では、熱交換チューブ(3)の厚さ方向の両面にフィン(4)がろう付され、熱交換チューブ(3)として図3に示す本発明のろう付用熱交換チューブ(S)が用いられている。
【0053】
ろう付用熱交換チューブ(S)において、熱交換チューブ(3)の外周面にテープ状のろう材箔(11)がスパイラル状に配置されることによってチューブ表面にろう材箔(11)が付与されている。
【0054】
このようにろう材箔(11)を熱交換チューブ(3)の外周面にスパイラル状に配置させる方法としては、ろう材箔(11)を熱交換チューブ(3)の外周面にスパイラル状に巻き付ける方法が例示される。同図では、この巻き付け方法によってろう材箔(11)が配置されている。なお、この発明では、ろう材箔(11)をスパイラル状に配置させる方法は、この巻き付け方法に限定されるものではない。
【0055】
このろう付用熱交換チューブ(S)は、例えば、熱交換チューブの(3)の長さ方向の一端部にテープ状のろう材箔(11)を斜めに配置してろう材箔(11)を固定しておき、熱交換チューブ(3)を回転させてろう材箔(11)を他端方向に巻き進め、ろう材箔(11)が他端部に達したら残余部分を切断することによって製作されている。このとき、熱交換チューブ(11)とろう材箔(11)との間に過剰な隙間を生じさせないように、ろう材箔(11)に若干の引張力を加えながら巻回することが好ましい。過剰な隙間があると、搬送やフィン(4)との組み付けの際にろう材箔(11)が破損しやすく、ろう材箔(11)の脱落の原因ともなるからである。
【0056】
ろう材箔(11)の巻き付けの始端部と終端部(即ちろう材箔(11)の両端部)においては、ろう材箔(11)が外れないようにチューブ(3)の外周面に接合しておくことが好ましく、ろう材箔(11)の接合によって搬送時やフィン(4)との組み付け作業時にろう材箔(11)の破損や脱落を防ぎ、これらの作業性を高めるとともに、ろう材不足によるろう付不良を回避することができる。始端部の接合は上述した巻回作業のためのろう材箔(11)の固定と兼ねることができ、図3において、(16)は巻回作業のための固定を兼ねた接合位置を示している。接合方法は、超音波接合、レーザー接合、接着剤による接合を推奨できる。超音波接合は、高周波振動を与えて原子を振動させ接合界面の酸化膜を破壊して接合するものであるから、基材等への荷重負担が小さく、熱交換チューブのような中空材に対しても変形させることなく接合することができる。また、接合ツールの汚れが少ないため、清浄化、ツール交換といったメンテナンス処理も少なくて済む。一方、レーザー接合は、YAG等のレーザーを照射して発熱させて溶融溶接するものであるが、加熱は局部的であるから基材等を変形させることなく接合することができる。これらの接合方法は、いずれも短時間でろう材箔を接合することができ、狭い範囲の接合に適している。また、接着剤を用いる方法では、ホットメルト系、アクリル系、メタクリル系、EVA系、ゴム系の樹脂等各種接着剤を使用することができる。部分的な接合であるから、接着剤の使用量はごく僅かであり、分解ガスによるろう付加熱炉の汚染や分解ガスの処理作業といったもごく僅かにすぎない。
【0057】
なお、ろう材箔(11)の接合はろう付加熱までの仮止めであり、搬送や組み付け時に破損や脱落を防止できれば良く、巻回の始端部と終端部とを接合すれば良い。但し、複雑形状の基材や寸法の大きい基材でろう材箔の付与状態が不安定な場合は、中間部で適宜接合しても良い。また、巻回の始端部および終端部では、例えば接合したろう材箔の残余部分を切断する等の方法で適宜端末処理する。端末処理方法は何ら限定されない。
【0058】
図3に示すように、ろう材箔(11)をスパイラル状に巻き付ける際には、次に周回されるろう材箔とは若干の隙間(15)を設けることが好ましい。ろう材箔(11)(11)間に隙間があると、外部から供給したフラックスが毛管現象によって熱交換チューブ(3)とろう材箔(11)との界面に入りやすく、フラックスが均一に供給され、ひいては良好なろう付接合が達成される。また、この隙間(15)は熱交換チューブ(3)の外周面全域にスパイラル状に形成されるから、長さが長く、かつ熱交換チューブ(3)の任意の断面において必ず存在する。このため、フラックスの侵入可能箇所が広く、かつ均一供給が可能である。また、フラックスの事前塗布を行わずとも熱交換チューブ(3)とろう材箔(11)の界面にフラックスを確実に供給することができる。前記隙間(15)はわずかでもあればフラックスの侵入が促進され、隙間(15)の幅(d)の最小値に制限はない。一方、10mmを越えるとろう材が不足したり不均一となるおそれがある。よって、隙間(15)の幅(d)は10mm以下好ましく、巻回作業の容易性を考慮して、特に好ましい隙間(15)の幅(d)は1〜7mm、更に好ましくは2〜5mmである。
【0059】
なお、本発明は、周回するろう材箔間に隙間(15)がないもの(突き合わせ)や、ろう材箔が重なったものを排除するものではない。これらにおいても毛管現象によってフラックスの侵入は可能である。しかし、前記隙間(15)を設けることによってフラックスを確実かつ均一に侵入させることができる。また、本発明は、外部から供給したフラックスを熱交換チューブ(3)とろう材箔(11)との界面に供給し得るものであるが、フラックスを塗布した熱交換チューブ(3)にろう材箔(11)を巻いたろう付用熱交換チューブを排除するものではない。
【0060】
ここで、本発明以外のろう材箔の付与方法について言及する。図4に示すろう付用熱交換チューブ(S’)は、熱交換チューブ(3)の全周に対応する幅を有するろう材箔(12)を用い、熱交換チューブ(3)の全外周面をその長さ方向に沿って巻くように覆い、ろう材箔(12)の両端を平坦部上で突き合わせ、突き合わせ線(13)においてチューブ(3)に接合されて製作されたものである。この付与方法は、熱交換チューブ(3)の全外周面をろう材箔(12)が覆い、一見均一なろう材層であるように見える。しかし、熱交換チューブ(3)とろう材箔(12)との間に過剰な隙間ができないように覆うには、ろう材箔(12)の長さ(チューブの長さ)の全域で均等に引張力を加える必要があり、本発明のテープ状のろう材箔(11)に引張力を加えるよりもはるかに面倒であり、作業に時間を要する。また、熱交換チューブ(3)の全長で接合しなければならないから、巻回の始端部と終端部のみの接合で済む本発明よりも接合面積が大きくなる。また、スパイラル巻きよりもフラックスの侵入箇所がはるかに狭くなるため、フラックスを均一供給する上でも難点がある。従って、本発明のスパイラル巻きは、ろう材箔(11)を短時間で簡単にかつ隙間なく巻回することができ、かつ外部から供給したフラックスを熱交換チューブ(3)とろう材箔(11)との界面に均一供給できる点で優れている。
【0061】
この発明において、前記基材等はアルミニウムまたはアルミニウム合金のうちから任意の組成のもので構成する。また、ろう材箔は箔に成形できるものであれば良く、基材等またはろう付の相手材の材質、あるいはろう付品の用途により適宜選定する。例えば、Al−Si系合金を用いることができ、あるいはさらにSiに加えてZnを含有するAl−Si−Zn系合金からなるろう材箔を用いることができる。特にAl−Si−Zn系合金を用いる場合は、ろう付後の基材等の表面にZn拡散層が形成され、犠牲腐食層による防食効果を付与しうる防食設計となる。防食設計にはZn犠牲腐食が効果的であって、特に熱交換チューブにおいて有意義に発揮され、耐食性に優れたチューブとなし得、ひいては耐食性に優れた熱交換器となし得る。
【0062】
なお、本発明においてろう材とは基材および接合の相手材よりも低融点金属を意味し、熱溶融によって基材と相手材を接合し得るものである。従って、例え「はんだ」と称される低融点金属も本発明のろう材に含まれる。
【0063】
本発明に用いるアルミニウム合金ろう材として、Si:4〜15質量%を含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金、あるいはさらに、Zn:10質量%以下を含有するアルミニウム合金を推奨できる。
【0064】
前記アルミニウム合金において、Siは融点を下げてろう材として機能させるものであるが、4質量%未満の含有量では融点を下げる効果に乏しく、15質量%を超えると箔への成形が困難となるとともに、Zn含有合金においてはZnの均一拡散が困難となる。好ましいSi含有量は6〜13質量%であり、さらに好ましいSiの含有量は7〜10質量%である。
【0065】
Znは、上述したように、ろう付時の加熱により例えば熱交換器における熱交チューブの表面に拡散して犠牲防食のためのZn拡散層を形成し、ろう付後の耐食性を向上させる役割を果たす。犠牲防食を目的とした場合、Znが1質量%未満ではZnの絶対量が不足して十分な防食効果が得られず、10質量%を超えるとZnの拡散集中が生じやすくなり、接合相手材例えば熱交換チューブと接合されるフィンの剥がれの原因ともなり、Znの均一拡散が困難となる。好ましいZnの含有量は1.5〜6質量%である。なお、Znを含有しないろう材箔を付与したろう付用材料等およびろう付品等も本発明の対象であり、ろう材箔による耐食性向上を目的としない場合はZnを含有しないろう材箔を用いることができる。
【0066】
Alはろう材箔の母材として含有されるものである。
【0067】
なお、アルミニウムまたはアルミニウム合金製熱交換チューブの材質は特に限定されることはなく、各種のアルミニウムまたはアルミニウム合金等を用いればよいが、主としてJIS A1000系合金が用いられることが多い。
【0068】
前記ろう材箔は、常法による箔の製造方法と同じ方法によって製造しうるが、その箔厚を5〜100μmとするのが望ましい。箔厚が5μm未満では、ろう材の組成にもよるが、ろう材量が少なすぎて十分なろう付を行うことができないおそれがある。一方、100μmを超えると、ろう付用材料等ひいてはろう付品等の重量が増すとともに、コスト面でも不利である。好ましい箔厚は10〜70μm、特に好ましくは15〜40μmである。また、ろう材箔の幅(W)は任意であるが、スパイラル状に巻回する際の取り扱い易さ、作業性という点で3〜30mmが好ましく、更に5〜20mmが好ましい。
【0069】
次に、ろう付品の一例としての図1および図2に示すパラレルフロータイプの熱交換器の製造方法について説明する。
【0070】
図2において、(1)(2)はヘッダー、(3)はアルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換チューブ、(4)はコルゲート状フィン、(5)は熱交換媒体の導入口、(6)は熱交換媒体の導出口、(8)および(9)はサイドプレート、(10)は熱交換器コア部である。
【0071】
まず、図2に示すように、熱交換チューブ(3)の外周面にろう材箔(11)が付与されたろう付用熱交換チューブ(S)を複数本準備した後、これらの熱交換チューブ(3)の両端部を、ヘッダー(1)(2)の長さ方向に形成されたチューブ挿入孔に挿入し、次いでコルゲート状フィン(4)を各熱交換チューブ(3)(3)間に組み付けて熱交換器コア部(10)を有する熱交換器組立体を製作する。
【0072】
次いで、必要に応じてフラックスを供給したのち加熱する。この加熱により、熱交換チューブ(3)の表面のろう材箔(11)が溶融して、熱交換チューブ(3)とコルゲート状フィン(4)とが良好にろう付接合される。また、適量のZnを含有するろう材箔(11)の場合は、このろう付と同時にZnが熱交換チューブ(3)の表層部に均一に拡散してZn拡散層が形成され、このZn拡散層により熱交換チューブ(3)自体の耐食性が向上し、ひいては熱交換器全体の耐食性が向上する。
【0073】
しかも、従来のように、フィン(4)としてろう材をクラッドしたブレージングシートを用いなくても良く、ろう材をクラッドしないベア材を用いることができるから、ろう付品の重量減、コストダウンの効果が得られる。
【0074】
ろう付条件は常法に従えば良いが、常圧下のろう付を推奨できる。真空ろう付ではろう材箔中のZnが蒸発するため、十分にZn犠牲腐食層が形成されず、優れた耐食性が得られない。
【0075】
また、外部からフラックスを供給した場合には、熱交換チューブ(3)とろう材箔(11)との界面にフラックスが均一に供給されて良好なろう付が達成される。前記フラックスは、ろう材箔、基材等、ろう付接合の相手材に応じて任意のものを用いることができる。例えば、上述したアルミニウム製の熱交換チューブであれば、フッ化物系フラックスを推奨できる。
【0076】
また、この発明に係る熱交換器は、圧縮器、凝縮器および蒸発器を有する冷凍サイクルを備えた車両(例えば自動車や鉄道車両)に、凝縮器または/および蒸発器として特に好適に搭載される。
【0077】
【実施例】
熱交換チューブにろう材箔を付与した種々のろう付用熱交換チューブを製作するとともに、このろう付用熱交換チューブとフィンとをコア組みしてろう付し、ろう付品について評価した。
【0078】
以下の実施例、比較例において用いた熱交換チューブおよびフィンは、図2に示した偏平形状の多孔管(3)およびコルゲート状フィン(4)である。前記熱交換チューブ(3)は、JIS A1100合金からなり、高さ3mm×幅20mm×長さ250mmである。また、フィン(4)はJIS A1100合金からなる。
I.ろう材箔の付与方法によるろう付性の評価
Si:8質量%、Zn:3質量%、残部Alおよび不純物からなり、箔厚:20μmのろう材箔を用い、ろう材箔の付与方法によるろう付性を評価した。
〈実施例〉
図3に示すように、ろう材箔(11)を幅(W):1〜50mmのテープ状に成形した。これらのろう材箔(11)の一端側を熱交換チューブ(3)に対して斜めに配置し、外周面上の所定接合位置(16)において後述の超音波接合、レーザー接合、接着剤のいずれかの方法によって接合した。ろう材箔(11)に引張力を加えながら熱交換チューブ(3)を回転させ、ろう材箔(11)間に表1に示す幅(d)の隙間(15)を設けるようにして他端方向に巻き進め、他端部に達しところで始端部と同様にろう材箔(11)を熱交換チューブ(3)の外周面に接合し、ろう材箔(11)の残余部分を切断し(図示省略)、これをろう付用熱交換チューブ(S)とした。製作したろう付用熱交換チューブ(S)を肉眼で観察したところ、ろう材箔(11)が熱交換チューブ(3)に隙間なく付与され、ろう材箔(11)の破損もなかった。
(接合方法)
超音波接合:40kHzの周波数で幅3mmの円盤状のローラー型のツールを用い、直径1mmの丸点で接合した。
【0079】
レーザー接合:50W型のパルス式のYAGレーザを用い、接合時間0.5msで照射し、直径1mmの丸点で接合した。
【0080】
接着剤:ホットメルト系接着剤を塗布して直径1mmの丸点で接合した。
〈比較例〉
ろう材箔(12)を熱交換チューブ(3)の外周面に対応する寸法の長方形に切断した。そして図4に示すように、ろう材箔(12)を熱交換チューブ(3)の外周面に巻き、ろう材箔(12)の幅方向の両端を平坦部の中央部で突き合わせ、突き合わせ線(13)において、表1に示す方法で接合し、これをろう付用熱交換チューブ(S’)とした。
【0081】
如上の方法で製作したろう付用熱交換チューブ(S)(S’)をフィン(4)とともにコア組みした後に、KAlF系フラックスをスプレー塗布により5〜10g/mの割合で供給し、常圧、不活性雰囲気下で600℃×5分間の加熱を行った。
【0082】
そして、ろう付品についてろう材箔の付与作業性およびろう付性を下記の基準で評価した。
【0083】
ろう材箔の付与作業性ついては、作業の簡単なものから手間のかかかるものを順に◎、○、×の3段階で評価した。
【0084】
ろう付性は、ろう付品においてフィンの接合率が90%以上のものを◎、90%未満80%以上のものを○、80%未満のものを×とした。
【0085】
さらに、総合評価として、付与作業性とろう付性の両方をが極めて良いものを◎、良いものを○、一方でも悪いものを×とした。
【0086】
これらの結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
Figure 2004190931
【0088】
表1の結果より、テープ状のろう材箔をスパイラル状に巻き付けたろう付用熱交換チューブ(S)は、フラックスがチューブ(3)とろう材箔(11)の界面に均一供給されて良好なろう付を達成できることを確認した。しかも、ろう材箔付与作業も簡単であった。特に、No.1〜11はNo.12、13よりも巻回時にろう材箔の切れやしわの発生がなく、さらに材箔付与作業性が優れていた。また、No.1〜11は大きい隙間(d)をもって巻回したNo.14よりもろう付性が優れていた。
II.ろう材箔組成によるろう付性および耐食性の評価
表2に示す組成、箔厚、幅(W):10mmに成形されたNo.17〜38のテープ状のろう材箔を用意した。なお、これらのろう材箔組成において、SiおよびZnを除く残部はAlおよび不純物である。
【0089】
そして、上述のI.と同様に、熱交換チューブ(3)の外周面にテープ状のろう材箔(11)を、幅(d):3mmの隙間(15)を形成しながらスパイラル状に巻き付け、ろう材箔(11)の巻回の始端部および終端部を熱交換チューブ(3)に超音波接合してろう付用熱交換チューブ(S)を製作した。なお、比較例No.36はSi量が過剰であったため、箔に成形することができず、ろう付用熱交換チューブ(S)を製作することができなかった。
【0090】
如上の方法で製作したろう付用熱交換チューブ(S)をフィン(4)とともにコア組みした後にKAlF系フラックスをスプレー塗布により5〜10g/mの割合で供給し、常圧、不活性雰囲気下で600℃×5分間の加熱を行った。
【0091】
そして、ろう付品についてろう付性、耐食性について下記の基準でを評価した。
【0092】
ろう付性は、ろう付品においてフィンの接合率が80%以上のものを○、80%未満のものを×とした。
【0093】
さらに、耐食性試験として、CASS試験1000時間を行った。そして、ろう付品のフィン剥がれ率が30%以上のものを×とし、30%未満のものを○とした。
【0094】
さらに、総合評価として、ろう付性と耐食性の両方が良いものを○、一方でも悪いものを×とした。
【0095】
なお、本試験はチューブとフィンとをろう付接合する熱交換器製造において、ろう付性およびZn添加による耐食性向上効果を試験するものであって、Znを含有しないNo.24がNo.17〜34(No.24を除く)よりも耐食性が不十分であるにしても、ろう材箔付与作業性およびフラックスの均一供給によるろう付性を確保した本発明品であることに変わりはない。また、Si含有量が4〜15質量%を外れ、あるいはZn含有量が10%を越え、あるいは箔厚が5〜100μmを外れるNo.35〜38についても、ろう材箔の付与作業性を確保した本発明品であるが、No.17〜34との関係において便宜上比較例として挙示したものである。
【0096】
これらの結果を表2に示す。
【0097】
【表2】
Figure 2004190931
【0098】
表2の結果より、実施例組成のろう材箔を用いることによって良好なろう付が達成され、さらにZnを含有するろう材箔を用いることによって優れた耐食性が得られることを確認した。
【0099】
さらに、本発明の熱交換器を自動車や鉄道車両等の車両に、ラジエーター、凝縮器又は蒸発器として搭載することにより、効果的な熱交換性能を発揮した。
【0100】
【発明の効果】
第1の発明によれば、スパイラル状に配置させるという簡単な作業でろう材箔が付与され、ろう付の相手材との組み付け後でも基材とろう材箔との間にフラックスを均一に供給できるから、良好で安定したろう付性が発揮するろう付用材料となし得る。
【0101】
第2の発明によれば、特にフラックスの均一供給がなされ、かつ適正量のろう材が付与されたろう付用材料となし得る。
【0102】
第3の発明によれば、特に良好なろう付性を発揮しうる。
【0103】
第4の発明によれば、ろう付用材料の表面にZnが拡散する結果、耐食性にも優れたものとなし得る。
【0104】
第5の発明によれば、特にろう材箔の配置作業が容易であり、かつ適正量のろう材が付与されたろう付用材料となし得る。
【0105】
第6の発明によれば、特にろう材箔の配置作業が容易である。
【0106】
第7の発明によれば、基材に付与されたろう材箔の保持安定性が優れている。
【0107】
第8の発明によれば、ろう付用材料と他の接合部材とが良好に接合されたろう付品となし得る。
【0108】
第9の発明によれば、ろう付用材料と他の接合部材とが良好に接合されたろう付品を製造することができる。
【0109】
第10の発明によれば、特にフラックスを均一供給し、かつ適正量のろう材を付与されたろう付用材料を製造でき、ひいては良好に接合されたろう付品を製造することができる。
【0110】
第11の発明によれば、特に良好にろう付接合されたろう付品を製造することができる。
【0111】
第12の発明によれば、特に良好にろう付接合され、かつ耐食性に優れたろう付品を製造することができる。
【0112】
第13の発明によれば、容易にろう材箔の配置作業を行え、かつ適正量のろう材を付与することができ、ひいては簡単な工程で良好にろう付接合されたろう付品を製造することができる。
【0113】
第14の発明によれば、容易にろう材箔の配置作業を行え、簡単な工程で良好にろう付接合されたろう付品を製造することができる。
【0114】
第15の発明によれば、基材に付与されたろう材箔の保持安定性が良く、他の接合部材との組み付け作業性に優れている。また、ろう材箔の破損や脱落を防いでろう材不足によるろう付不良を回避することができる。
【0115】
第16の発明によれば、良好なろう付接合を行え、特にZn含有ろう材箔を用いる場合にはZn犠牲腐食層を良好に形成できる。
【0116】
第17の発明によれば、基材とろう材箔の界面にフラックスを均一に供給でき、良好なろう付接合を行える。
【0117】
第18の発明によれば、スパイラル状に配置させるという簡単な作業でろう材箔が付与され、フィンとの組み付け後でも熱交換チューブとろう材箔との間にフラックスを均一に供給できるから、良好で安定したろう付性が発揮するろう付用熱交換チューブとなし得る。
【0118】
第19の発明によれば、特にフラックスの均一供給がなされ、かつ適正量のろう材が付与されたろう付用熱交換チューブとなし得る。
【0119】
第20の発明によれば、特に良好なろう付性を発揮しうる。
【0120】
第21の発明によれば、ろう付用熱交換チューブの表面にZnが拡散する結果、耐食性にも優れたものとなし得る。
【0121】
第22の発明によれば、特にろう材箔の配置作業が容易であり、かつ適正量のろう材が付与されたろう付用熱交換チューブとなし得る。
【0122】
第23の発明によれば、特にろう材箔の配置作業が容易である。
【0123】
第24の発明によれば、熱交換チューブに付与されたろう材箔の保持安定性が優れている。
【0124】
第25の発明によれば、ろう付用熱交換チューブとフィンとが良好に接合された熱交換器となし得る。
【0125】
第26の発明によれば、ろう付用熱交換チューブとフィンとが良好に接合された熱交換器を製造することができる。
【0126】
第27の発明によれば、特にフラックスを均一供給し、かつ適正量のろう材を付与されたろう付用熱交換チューブを製造でき、ひいては良好に接合された熱交換器を製造することができる。
【0127】
第28の発明によれば、特に良好にろう付接合された熱交換器を製造することができる。
【0128】
第29の発明によれば、特に良好にろう付接合され、かつ耐食性に優れた熱交換器を製造することができる。
【0129】
第30の発明によれば、容易にろう材箔の配置作業を行え、かつ適正量のろう材を付与することができ、ひいては簡単な工程で良好にろう付接合された熱交換器を製造することができる。
【0130】
第31の発明によれば、容易にろう材箔の配置作業を行え、簡単な工程で良好にろう付接合された熱交換器を製造することができる。
【0131】
第32の発明によれば、熱交換チューブに付与されたろう材箔の保持安定性が良く、フィンとの組み付け作業性に優れている。また、ろう材箔の破損や脱落を防いでろう材不足によるろう付不良を回避することができる。
【0132】
第33の発明によれば、良好なろう付接合を行え、特にZn含有ろう材箔を用いる場合にはZn犠牲腐食層を良好に形成できる。
【0133】
第34の発明によれば、熱交換チューブとろう材箔の界面にフラックスを均一に供給でき、良好なろう付接合を行える。
【0134】
第35の発明によれば、優れた熱交換特性を有する凝縮器を搭載した車両を提供できる。
【0135】
第36の発明によれは、優れた熱交換特性を有する蒸発器を搭載した車両を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る熱交換器の正面図である。
【図2】同じく熱交換器のコア部の要部を示す斜視図である。
【図3】この発明の一実施形態に係るろう付用熱交換チューブにおいてろう材箔の付与方法を示す斜視図である。
【図4】比較例のろう付用熱交換チューブにおいてろう材箔の付与方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
S…ろう付用熱交換チューブ(ろう付用材料)
3…熱交換チューブ(基材)
4…フィン
10…コア部
11…テープ状のろう材箔
15…隙間
16…接合位置
W…ろう材箔の幅
d…隙間の幅

Claims (36)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の外周面に、アルミニウム合金からなるテープ状のろう材箔がスパイラル状に配置されていることを特徴とするろう付用材料。
  2. 前記ろう材箔は、10mm以下の隙間を介して配置されている請求項1に記載のろう付用材料。
  3. 前記ろう材箔は、Si:4〜15質量%を含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成されている請求項1または2のいずれか1項に記載のろう付用材料。
  4. 前記ろう材箔は、さらにZn:10質量%以下を含有するアルミニウム合金で構成されている請求項3に記載のろう付用材料。
  5. 前記ろう材箔の箔厚は5〜100μmである請求項1〜4のいずれか1項に記載のろう付用材料。
  6. 前記ろう材箔の幅は3〜30mmである請求項1〜5のいずれか1項に記載のろう付用材料。
  7. 前記ろう材箔は、その両端部において超音波接合、レーザー接合、接着剤のいずれかによって基材に接合されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のろう付用材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のろう付用材料と他の接合部材とが、前記ろう付用材料のろう材箔を介してろう付されてなることを特徴とするろう付品。
  9. アルミニウム合金からなるテープ状のろう材箔を、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の表面にスパイラル状に配置させることによりろう付用材料を準備する工程と、
    前記ろう付用材料と他の接合部材とを組み合わせて加熱することにより、前記ろう材箔を介して前記ろう付用材料と他の接合部材をろう付接合する工程と、
    を含むことを特徴とするろう付品の製造方法。
  10. 前記ろう材箔を10mm以下の隙間をもって配置させる請求項9に記載のろう付品の製造方法。
  11. 前記ろう材箔を、Si:4〜15質量%含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成する請求項9または10に記載のろう付品の製造方法。
  12. 前記ろう材箔を、さらにZn:10質量%以下を含有するアルミニウム合金で構成する請求項11に記載のろう付品の製造方法。
  13. 前記ろう材箔の箔厚は5〜100μmである請求項9〜12のいずれか1項に記載のろう付品の製造方法。
  14. 前記ろう材箔の幅は3〜30mmである請求項9〜13のいずれか1項に記載のろう付品の製造方法。
  15. 前記ろう材箔の両端部において、超音波接合、レーザー接合、接着剤のいずれかによって該ろう材箔を基材に接合する請求項9〜14のいずれか1項に記載のろう付品の製造方法。
  16. 前記ろう付接合する工程は、常圧下で行う請求項9〜15のいずれか1項に記載のろう付品の製造方法。
  17. 前記ろう付接合する工程は、ろう付用材料の外部からフラックスを供給して行う請求項9〜16のいずれか1項に記載のろう付品の製造方法。
  18. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブの外周面に、アルミニウム合金からなるテープ状のろう材箔がスパイラル状に配置されていることを特徴とするろう付用熱交換チューブ。
  19. 前記ろう材箔は、10mm以下の隙間を介して配置されている請求項18に記載のろう付用熱交換チューブ。
  20. 前記ろう材箔は、Si:4〜15質量%を含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成されている請求項18または19のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
  21. 前記ろう材箔は、さらにZn:10質量%以下を含有するアルミニウム合金で構成されている請求項20に記載のろう付用熱交換チューブ。
  22. 前記ろう材箔の箔厚は5〜100μmである請求項18〜21のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
  23. 前記ろう材箔の幅は3〜30mmである請求項18〜22のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
  24. 前記ろう材箔は、その両端部において超音波接合、レーザー接合、接着剤のいずれかによって熱交換チューブに接合されている請求項18〜23のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
  25. 請求項18〜24のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブとフィンとが、前記ろう付用熱交換チューブのろう材箔を介してろう付されてなることを特徴とする熱交換器。
  26. アルミニウム合金からなるテープ状のろう材箔を、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブの外周面にスパイラル状に配置させることによりろう付用熱交換チューブを準備する工程と、
    前記ろう付用熱交換チューブとフィンとを組み合わせて加熱することにより、前記ろう材箔を介して前記ろう付用熱交換チューブとフィンをろう付接合する工程と、
    を含むことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  27. 前記ろう材箔を10mm以下の隙間をもって配置させる請求項26に記載の熱交換器の製造方法。
  28. 前記ろう材箔を、Si:4〜15質量%含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成する請求項26または27に記載の熱交換器の製造方法。
  29. 前記ろう材箔を、さらにZn:10質量%以下を含有するアルミニウム合金で構成する請求項28に記載の熱交換器の製造方法。
  30. 前記ろう材箔の箔厚は5〜100μmである請求項26〜29のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
  31. 前記ろう材箔の幅は3〜30mmである請求項26〜30のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
  32. 前記ろう材箔の両端部において、超音波接合、レーザー接合、接着剤のいずれかによって該ろう材箔を熱交換チューブに接合する請求項26〜31のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
  33. 前記ろう付接合する工程は、常圧下で行う請求項26〜32のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
  34. 前記ろう付接合する工程は、ろう付用熱交換チューブの外部からフラックスを供給して行う請求項26〜33のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
  35. 圧縮器、凝縮器および蒸発器を有する冷凍サイクルを備えており、前記凝縮器が請求項25に記載の熱交換器からなることを特徴とする車両。
  36. 圧縮器、凝縮器および蒸発器を有する冷凍サイクルを備えており、前記蒸発器が請求項25に記載の熱交換器からなることを特徴とする車両。
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