JP2004184075A - 伝熱プレート及びプレート式熱交換器 - Google Patents

Abstract

【課題】 積重ねプレートによって構成される伝熱プレートを提案すること。
【解決手段】 伝熱プレート（１）は、プレートの長手方向にそれぞれの整合軸線（４）に沿って全体的に向けられ、かつ実質的に直線状かつ斜めである連続部分を備える第１隣接第１波形部（３）を提供し、これらの波形部は長手方向軸線（４）に対して第１方向に、そして第２方向に連続して傾斜される。伝熱プレートは、第１波形部（３）が配置される１組の長手方向軸線（４）と交差する実質的に横断方向の第２波形部（５）の少なくとも１組の部分によって少なくとも１つの変形領域（８）も備える。第２波形部（５）の部分の整合軸線は、第１波形部（３）の長手方向軸線（４）と４５°〜９０°の範囲にある角度を作る。
【選択図】 図４

Description

本発明は、伝熱板すなわちプレート、及び本発明のプレートから構成されるプレート式熱交換器に関する。

例えば、石油化学工業又は石油精製で使用される熱交換器は周知である。これらの熱交換器はプレート式熱交換器の形態になされかつ低温流体が３００℃〜４００℃の程度の温度上昇を受けた状態で高温流体と低温流体の間との熱交換を極めて良い効率で行うようになっている。

そのような適用では、プレート式熱交換器は、非常に良い熱交換係数を示すという利点を有する。

一般に、そのような熱交換器は、１つ以上のプレートの束を備え、これらの束の各々は互いに平行に延在しかつこれらの束の間で２つの流体のための２つの全く個別の流路を画定する、積み重ねられたプレートによって構成される。

プレート式熱交換器束の個別のプレートの各々は、例えば、ステンレス鋼のような粒子の細かい金属板によって構成される。この金属板は、プレートの中央領域に特別な形状の波形部を有するように形成され、この中央領域を通じて熱が流体間に伝達される。

熱交換器束のプレート波形部は互いに隣接しかつ伝熱プレートの中央領域の全表面領域を覆うように配置される。波形部は、熱が交換される２つの流体間のための全体的な流れ方向を構成するプレートの長手方向に導き得る。

例として、流体は対向流として、すなわち、平行ではあるが熱交換器束の互いに積み重ねられたプレートの反対側部上で反対向きである方向に流れせしめ得る。

プレートの入口端部部分と出口端部部分の間でプレートの長手方向軸線に沿って向けられた各プレートの波形部は、それら自体、長手方向に互いに連続しかつ前記プレートの方向に対して斜めに延在する実質的な直線状部分を備える。連続かつ斜めの部分は、ジグザグ線を構成するように長手方向軸線の一側及び他側に連続して配置される。隣接波形部は、伝熱プレートの第１面に、及び反対側の第２面にも稜線を構成する。

互いに積み重ねられたプレート式熱交換器束のプレートは、第１及び第２の配置に交番に配置され、これらの積み重ねられたプレートはスタックすなわち積重ね内の２つの隣接するプレートに対して面と面が１８０度回転されている。したがって、奇数番目のプレートとして及び偶数番目のプレートとして交番であるプレートは、その重ねられた直線状部分が異なる配向を有する波形部を形成する。その結果、プレートは、実質的に点接触領域で接触するこれらのプレートの波形部を介して互いに載り合っている。

互いに束に積み重ねられたプレートは、全体的に矩形形状をしており、かつ束の側部側の漏密クロージャーを形成する接合手段によってこれらのプレートの長手方向端縁に沿って互いに連結される。スタックの頂部及び底部に配置されかつ側部接合手段に固定された平面シートは、プレート束の頂部及び底部部分を閉じる働きをする。

プレート式熱交換器の長手方向波形部の連続直線状部分は、互いに対して非常に広く開いた鈍角を作り、連続部分の各々は、長手方向軸線に対して僅かに傾斜していてこの長手方向軸線に対して斜めに配置される。

波形部の連続部分のこの配置は、熱交換器が作動中でありかつ高温で流体と接触することによる膨張の影響下にある間に、この熱交換器が自身の内部で延びる能力にかなり制限を与える。プレートは、波形部の連続部分間で少し傾くために長手方向に極めて堅固である。

したがって、熱交換器熱が受ける起因となる熱的又は機械的応力は、プレート式熱交換器のプレートの各々と、組立状態の全プレート束によって吸収される必要がある。

これは、粒子の細かい金属板であるプレートと、束及び熱交換器の構造に過度の応力を与えることに通じ得る。

したがって、本発明の目的は、積重ねプレートによって構成される伝熱プレートを提案することであって、各プレートは中央領域を有し、該領域内では該プレートが隣接する第１波形部を形成し、該波形部は該プレートの長手方向のそれぞれの軸線に全体的に沿って延在しかつ自身の長手方向軸線に対して斜めな、連続する実質的な直線状部分から構成される。各々のプレートは長手方向軸線の一側及び他側に連続して傾斜しており、前記プレートは熱交換器の起因となる熱的又は機械的なプレート変形を吸収可能にし、かくしてプレートが受けかつ熱交換器の構造が受ける応力を減じる。

この目的のために、本発明の伝熱プレートは、少なくとも１組の連続部分である第２波形部を更に備えている。この第２波形部は角度を成してあるいは整合して配置され、かつ、第１波形部がこれらに沿って配置される１組の長手方向軸線に交差する、全体的に長手方向に直角なすなわち横断方向の整合軸線に沿って延在する。第２波形部の実質的な直線状部分の横断方向軸線は、第１波形部の長手方向軸線と４５°〜９０°の範囲にあるそれぞれの角度を作る。

本発明の特定な実施形態では、
全体的に方向の第２波形部は、前記部分の両端部間に位置する第１波形部の直線状部分の領域で該第１波形部と交差し、
第２波形部は、第１波形部の連続部分間の連結領域の第１波形部と交差し、
第２波形部は不連続であり、伝熱プレートが第２波形部を備えていない領域によって分離される横断方向で連続する、異なる部分を備え、
伝熱プレートは少なくとも２つの変形領域を備え、各領域は少なくとも１組の第２波形部部分によって構成され、
変形領域の各々は、伝熱プレートの横断方向に延在する少なくとも２つの隣接第２波形部を備え、
伝熱プレートは、連続対を成す変形領域間に一定の間隔を具備した状態で、伝熱プレートの長手方向に連続して配置された複数の変形領域を備え、
伝熱プレートは、伝熱プレートの長さに沿った距離を変えることによって連続変形領域が長手方向に離隔配置されるように、伝熱プレートの長手方向に沿って分配された複数の変形領域を備えている。

本発明は、本発明の積重ねプレートによって構成されるプレート式熱交換器束も提供する。

熱交換器束のプレートの各々は、積重ねの２つの連続するプレートの長手方向の変形領域が一組のプレートから成るプレートの積重ねに重ならないように、定位置に配置された少なくとも２つの変形領域を有し得る。

本発明をよく理解するために、実施例により、そして本発明に従う伝熱プレートと本発明に従う積重ねプレートを備えるプレート式熱交換束に関する複数の実施形態に付随する図面を参照して説明する。

図１は、本発明に従って作られたプレート式熱交換器のプレート１の部分を示す。

プレート１は、例えば、ステンレス鋼のようなシートメタルから得られる。波形部を得るためにはこのシートメタルに成形操作が行われる。

図１では、矢印は、流体が、プレート１の長手軸線方向２に沿って、例えば、長手方向２に延在する伝熱プレートに部分を示す図１に視認し得る自身の頂面と接して、流れる方向を示す。

プレート１は、第１組の波形部３すなわちプレートの長手方向２に全体的に配置される長手方向波形部を備える。波形部３の各々は実質的に直線状でありかつプレート１の長手方向に延在する軸線４の方向に対して斜めに配置された連続部分を備える。

図１では、複数の長手方向軸線４を見ることができ、これらの軸線に沿って長手方向波形部３が整合される。図１から分かるように、全体的に長手方向にある第１波形部３の連続直線状部分は、長手方向軸線４に対して、好ましくは１０°〜３０°の範囲にある角度だけ傾けられる。波形部３の２つの連続部分は、連続部分がこれらの連続部分間に１２０°〜１６０°の程度の極めて広い角度を作った状態で、軸線４に対して第１方向及び第２方向に延在する。

その結果、そして上述したように、プレート１の、例えば、温度操作で上昇する熱交換器のプレートによる熱膨張の影響下で、長手方向に変形する能力が極めて制限される。これは、熱交換器のプレート１に、そしてプレート１を積み重ねることにより作った束に高レベルの応力を生じさせる。

本発明によれば、第２波形部５は、横断方向６に、すなわち、第１波形部の軸線４の長手方向２と４５°〜９０°の範囲とすることができる角度を作る横断軸線６と全体的に整合された態様で、延在する、熱交換器のプレート１の各々に作られる。図１に示すように、第２波形部５は、プレート１の長手方向軸線４に直角な軸線６に沿って向け得る。第２波形部５は、横断整合方向６と０°〜３０°の範囲にある角度を各々が作る連続直線状部分を備える。波形部５の２つの連続部分は横断整合方向６に対して第１方向及び第２方向に配向される。結果として、横断第２波形部の連続部分は互いの間に１２０°〜１６０°の範囲にある角度を作る。

横断方向波形部５は、横断軸線６の方向に沿って各々が整合される複数の横断変形領域８に配置し得る。

図１では、プレート１の長手方向２に距離Ｌだけ離隔配置される２つの変形領域８が示されている。

プレート１が長手方向に変形する要求により、プレートは、横断波形部５から構成される変形領域８の任意多数の変形領域を備え得る。

概して、本発明の伝熱プレートは、少なくとも１つの変形領域８を備えなければならない。この領域では、少なくとも１つの横断方向波形部５が作られ、もってプレートの反対両面に突出する***部分と、凹んだ溝部分とを構成する。プレート１の変形領域８は、各々がシートの面の１つに***部を形成しかつ他の面に溝部分を形成する、複数の隣接波形部５を備えることが好ましい。

隣接長手方向波形部３は、プレート１の面の各々にそれら自身が突出する***部分及び凹んだ溝部分を構成する。シートの面の１つの溝部分はシートの他の面の***部分を構成する。

第２波形部５によって構成される変形領域８は、伝熱プレート１の全幅を横切って長手方向の第１波形部３の１組の軸線４と交差する。

図１から分かるように、変形領域８の波形部５の連続部分の各々は、自身が、例えば、４５°又は９０°の近傍で交差する長手方向波形部３の部分と角度を成す。

図１では、第２波形部５の連続直線状部分が、図の左に向けられた第１波形部と９０°に近い角度を成し、図の右に向けられた第１波形部３の部分と４５°に近い角度を成すことが分かる。

概して、第２波形部の連続部分は、これらが交差する第１波形部の連続部分の各々と任意の角度を作り得る。前記角度は、例えば、３０°〜９０°の範囲にある。

横断方向の第２波形部５によって構成される変形領域８が、伝熱プレート１の全幅を横切って配置されるので、プレート１の長手方向における変形は、隣接波形部５の存在により曲げ易さの程度を示す変形領域８に吸収することができる。

図２Ａ、２Ｂ、２Ｃ及び２Ｄは、プレート式熱交換器のプレート１の隣接横断波形部５によって構成される変形領域８の４つの異なる実施形態を示す。これらの図に示されるように、領域８の各々は、例えば４つの隣接波形部のような、少なくとも１つの横断方向の波形部５を備える。

図２Ａには、各々が軸線４に対して角度が反対方向に付されて配置された隣接部分を接合する前記部分の両端間の長手方向波形部３の直線状部分のプレートにある長手方向波形部３に交差する横断波形部５、によって構成される変形領域８が見られる。

図２Ａ、２Ｂ、２Ｃ及び２Ｄでは、横断波形部５が、長手方向波形部の整合軸線４に直角な整合軸線６を具備して示される。より詳細には、横断第２波形部５の連続直線状部分がそれらに沿って整合される軸線は、第１波形部３の連続直線状部分の整合軸線に対して４５°〜９０°の範囲にある角度とし得る。

第２波形部５の直線状部分は、プレート１の第１波形部３の長手方向軸線４と（例えば、図２Ａでは６０°に近い）角度も作る。

図２Ｂは、互いに対して角度が付されて配置される第１波形部３に交差する連続部分間の接合領域にあるプレート１の第１波形部３と交差する隣接横断波形部５によって構成される変形領域８の変更実施態様を示す。変形領域８は、第１波形部３の直線状部分間の接合領域を貫通する横断軸線６に沿って整合される。これらの接合領域は横断方向に整合している。

図２Ａ及び図２Ｂに示す変形領域８に対して、これらの変形領域を構成する隣接横断波形部５は、プレート１の全幅に沿って連続している。

図２Ｃでは、短い不連続部９を呈する横断波形部５によって構成される変形領域８が見られる。横断方向におけるこれらの不連続部９の長さは、例えば、長手方向における波形部３の幅より短い。この不連続領域９では、プレート１は横断波形部を備えていない。

横断方向における不連続部９の短い長さのために、プレート１は、図２Ａ及び図２Ｂに示されるプレート１の曲げ易さに実質的に類似する曲げ易さを呈する。

更に、図２Ｃは、流体が熱交換器束に流入許可されるか又は該熱交換器束を去る、プレート１の端部領域１０を示す。

長手方向波形部によって画定されたチャネルに熱交換流体を選択的に向けるために、プレートの領域１０は、シートの一側の第１熱交換流体がチャネル間に分配されることを保証するように、及びシートの他側からの第２熱交換流体を収集するように、波形部から成る２つの交差した配列を備え得る。

何れの波形部も全く無いプレートの一部によって図１及び図２Ｃに示すうに、プレートの端部領域１０を作り得る。そのような状況下で、互いにプレートを積み重ねることによって熱交換器を構成する際には、束の入口及び出口領域は、熱交換器のプレートの滑らかな入口部分間に挿入された独立プレートによって流体を案内するように設けられる。

図２Ｃに示すように、変形領域８は、長手方向波形部３の両端部で伝熱プレート１の端部部分１０のすぐ近くに作り得る。

図２Ｄ及び図２Ｅに示すように、本発明のプレート２は端部領域１０を備え得る。この領域において、プレート１は横断波形部５を具備する変形領域８を供する。インサート１３はシート１の端部部分１０に貼付される。このインサートは、２つの連続するプレート間で熱交換器に設置される。インサート１３は、熱交換器の両端部の１つで流体を案内するように構成された配置で１組の波形部３を備え得るプレートの形態に作られる。インサート１３は、インサート１３がプレート１に配置される際に、横断波形部５が開口１４に受容されるように、変形領域８の形状及び寸法に適合された形状及び寸法の貫通開口１４を備える。かくして、シート１の端部部分１０は長手方向に変形して熱交換器に流体を案内することに寄与し得る。並置された横断波形部５を具備する変形領域８の代わりに、プレート１の端部部分１０に１つ以上の分離された横断波形部を形成することは可能である。これらの波形部はプレート１に貼付されたインサートの１つ以上の開口に受容される。端部領域の横断波形部は、角度を成して又は整合して配置された部分によって構成し得る。インサートの開口の形状は、横断波形部の形状と一致する。

図４は、プレートの横断方向６に沿って延在する単一の直線状波形部５によって各々が構成される、横断変形領域８を具備する本発明によるプレート１を示す。この場合、上述したような横断波形部５に沿って互いに対して角度を成して配置される連続部分は互いの間の平面角度（１８０°）を作る整合された部分と交換される。

図４に示すように、波形部５は、プレート１の、ジグザグな長手方向波形部３の角度が付された接合領域に配置し得る。

上に言及したように、熱交換器のプレート１の各々は、１つ又複数の変形領域８を備え、これらの領域が伝熱プレートに曲げ易さを与え、この曲げ易さが伝熱プレートが長手方向に変形することを可能にする。

図３Ａ及び図３Ｂに示すように、熱交換器のプレートが複数の変形領域８を備える場合、連続変形領域８は、互いに等しい距離（図３Ａの一定距離Ｌ）で離隔されて伝熱プレート１の軸線方向に、あるいは長手方向（図３Ｂに示すように、それぞれが等しくない距離Ａ、Ｂ及びＣ）に距離を変えて配置し得る。

一般に、変形領域８の横断整合方向６は、長手方向波形部３の軸線４の方向と、４５°〜９０度の範囲にある角度を作り得る。

それにも拘わらず、変形領域８に関する要求は、伝熱プレート１の全幅に亘って実際に延在することによって、横断方向波形部５によって構成される変形領域が長手方向波形部３の全てと実際に交差するということである。そして、変形領域の全体的な方向は長手方向に対して直角又は斜めでなければならない。

図５は、本発明が適用される、プレートを具備するプレート式熱交換器束の一部を示す分解組立図である。

伝熱プレート１ａ、１ｂ及び１ｃは、それらの稜線がジグザグ線に倣う長手方向波形部３を備える。前記稜線は、プレート１ａ、１ｂ及び１ｃの頂面における波形部の頂部に対応する。

波形部３は、互いに対して角度を成して配置されかつ伝熱プレートの長手方向軸線４に沿って向けられた連続直線状部分によって構成される。

中間プレート１ｂは“奇数番目”のプレートとして参照されかつ２つの“偶数番目”のプレート１ａ及び１ｃ間に介在されるように働き、偶数番目のプレート１ａ及び１ｃの配向に対する面に対して面が１８０°回転されている。波形部３の斜め部分及び図５に示す***線は、奇数番目のプレート１ｂと比べて偶数番目のプレート１ａ及び１ｃ上で異なる配向をしており、それ故、シート１ａ、１ｂ及び１ｃがほとんどが点接触領域である長手方向波形部の領域１１で重ねられる場合に、互いに接触するようになる。

図６は、波形部がシート１ａの領域と接触するシート１ｂの波形部の点接触領域を示す。

熱交換器の原理は、積重ねにある２つの連続するシート間の１つ置きの空間毎に（矢印２によって表される）第１流体を第１方向に全体的に長手方向に流れさせ、そして第１流体がシートを通じて、すなわちシート間の１つ置きの空間毎に流れないシート間の空間内で（矢印２´によって表せるように）第２流体を第１流体の流れに対して全体的な対向流として流れさせる。

このために、シートの入口及び出口領域では、特別な波形部又はインサートが流体を分配する働きをする。

矢印１２によって図６に示すように、流体（例えば、方向２´に全体的に流れる第２流体）は、長手方向波形部間の接触点１１間を通過することによって分配される。

横断方向波形部が伝熱プレートに作られる場合、これらの波形部は、熱交換器束を貫通する流体の流れにおけるヘッド損失の増加を何れもできるだけ多く制限するような態様で形作らなければならない。

図５では、プレート１ａ、１ｂ及び１ｃは、シートの全幅に亘って横断方向に延在しかつ長手方向に互いに離隔配置された変形領域８ａ、８ｂ、又は８ｃを具備する本発明の伝熱プレートである。熱交換器束のシートの各々はおそらくは複数の変形領域８ａ、８ｂ、８ｃを具備する。

横断方向波形部の部分が横断方向軸線６に対して０°以外に角度にある場合、奇数番目の中間のシート１ｂは、偶数番目のシート１ａ及び１ｃの変形領域８ａおよび８ｃに対して長手方向に偏倚されるのが好ましい。積重ねが構築される場合、偶数番目のシートの変形領域８ａ及び８ｃと、奇数番目のシートの変形領域は、積重ねのシートの長手方向で互いに対して偏倚される。偶数番目のシートの全ての変形領域は重ねられた位置にあり得る。そして同様に、奇数番目のシートの変形領域は重ねることができる。しかしながら、偶数番目又は奇数番目のシートの変形領域の全てが重なるとはかぎらない他の位置を考案することも可能である。

偶数番目のシートの変形領域の全てと、奇数番目のシートの変形領域の全てが重ねられる積重ねシートに対しては、生じる積重ねは、偶数番目のシートの変形領域と、奇数番目のシートの変形領域間の偏倚量ｄによって特徴づけられる。

横断方向波形部分がそれら自身と横断方向軸線６との間に零度の角度（又は平面角度）にある際には、奇数番目のシートの変形領域８ｂは、好ましくはヘッド損失を制限するために偶数番目のシートの変形領域に重ねられることが好ましい。

図２Ｃに示すように、変形領域において熱交換器を貫流する流体のヘッド損失を制限するために、第２波形部５を作る間に得られた間隙９を提供することは可能である。これらの間隙９は、不連続な態様で第２波形部５を作ることによって得られる。

かくして、本発明の伝熱プレートは、変形を、変形領域間のシートの主部分に出現する応力無しに、長手方向に、そしてシートの熱膨張による特別な変形で吸収可能にする。

変形領域による動作中の熱交換器のシートの熱又は機械的応力による変形の吸収は、本発明の積重ねシートによって構成される１つ又は複数の熱交換器束の応力を制限する働きをする。

シート変形が長手方向に吸収されるこの効果は、シートの長手方向波形部の全面積の５％〜１０％を表す横断方向波形部の全面積によって構成される変形領域を使用する際に、完全に満足の行く態様で得ることができる。

本発明は上述した実施形態に限定されない。

したがって、長手方向又は横断方向波形部は記載したもの以外の形状とし得る。横断方向波形部は、プレートの長手方向波形部の軸線に対して４５°〜９０°の範囲の何れかの角度を作る整合軸線に沿って延在し得る。そして、プレートの変形領域は少なくとも１つの横断方向波形部によって構成し得る。

シートの長さに沿った変形領域数は、伝熱プレートの全長と、各変形領域における横断方向波形部の数及び幅と、の関数として任意とし得るものでありかつ決定し得る。

長手方向における変形領域間の距離は、伝熱プレートの全長に亘って一定とし得るか、あるいはこれに反してこれらの距離は、異なるものとし得る。

あらゆる場合に、変形計算は、伝熱プレートの全長の関数として、そして熱交換器のプレートに接して流れる流体の温度の関数として、変形領域数及び前記領域間の距離に関する最適解を決定する働きをする。

本発明は、産業で使用される多種類のプレート式熱交換器に適用し得る。

本発明に従う伝熱プレートの第１及び第２波形部を示す平面図である。 本発明の第１実施形態を構成する伝熱プレートの部分的平面図である。 本発明の第２実施形態を構成する伝熱プレートの部分的平面図である。 本発明の第３実施形態を構成する伝熱プレートの部分的平面図である。 本発明の第４実施形態を構成する伝熱プレートの部分的平面図である。 端部領域で伝熱プレートを組み立てる段階を示す図２Ｄの線Ｅ−Ｅに関する断面図である。 伝熱プレートの長手方向に異なる相対位置を有する複数組の隣接する第２波形部を備える、本発明による伝熱プレートの平面図である。 伝熱プレートの長手方向に異なる相対位置を有する複数組の隣接する第２波形部を備える、本発明による伝熱プレートの平面図である。 直線状横断方向部分を具備する、本発明による伝熱プレートの平面図である。 横断方向変形領域の位置を示すプレート式熱交換器束のプレートの一部の分解斜視図である。 プレートの接触領域を通過する流体に追従する経路を示すプレート式熱交換器束のプレート斜視図である。

符号の説明

１、１ａ、１ｂ、１ｃ 伝熱プレート
２ 長手方向軸線
３ 第１波形部
４ 長手方向軸線、整合軸線
５ 第２波形部
６ 横断方向軸線
８ａ、８ｂ、８ｃ 変形領域
９ 間隙、不連続部
１０ 端部部分
１１ 接触点
１３ インサート

Claims (10)

1. 積重ねプレート（１、１ａ、１ｂ、１ｃ）によって構成される熱交換器用プレートであって、各プレートは前記プレートの長手方向のそれぞれの整合軸線（４）に実質的に沿って向けられた隣接する第１波形部（３）を提供する中央領域を備え、かつ実質的に直線状かつ斜めである連続部分を備え、前記連続部分が長手方向整合軸線に対して第１方向及び第２方向に連続して傾斜しているプレートにおいて、
   実質的に横断方向にあるそれぞれの整合軸線に沿って延在する第２波形部（５）から成る少なくとも１組の連続部分を備え、
   前記連続部分が角度を付されて配置されるか又は整合して配置され、かつ前記第１波形部（３）が配置される１組の長手方向軸線（４）に交差し、
   前記第２波形部（５）の実質的な直線状部分の前記横断方向軸線（６）が前記第１波形部（３）の長手方向軸線（４）と４５°から９０°の範囲にある角度を作ることを特徴とする熱交換器用プレート。
2. 全体的に横断方向の前記第２波形部が、前記部分の両端部間に位置する前記第１波形部（３）の直線状部分の領域で該第１波形部（３）と交差することを特徴とする、請求項１に記載の熱交換器用プレート。
3. 前記第２波形部（５）が前記第１波形部（３）の連続部分間の接合領域で該第１波形部（３）と交差することを特徴とする、請求項１に記載の熱交換器用プレート。
4. 前記第２波形部（５）が不連続であり、かつ前記伝熱プレート（１）が前記第２波形部（５）を具備しない領域（９）によって分離される前記横断方向に連続する、異なる部分を備えることを特徴とする、請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載の熱交換器用プレート。
5. 各々が少なくとも１組の第２波形部分（５）によって構成される少なくとも２つの変形領域（８、８´）を備えることを特徴とする、請求項１から請求項４までのいずれか１項に記載の熱交換器用プレート。
6. 変形領域（８、８´）の各々が前記伝熱プレート（１）の横断方向に延在する少なくとも２つの隣接する第２波形部（５）を備えることを特徴とする、請求項５に記載の熱交換器用プレート。
7. 前記伝熱プレート（１）が、連続する変形領域（８、８´）の対間に一定の間隔（Ｌ）を具備した、前記伝熱プレート（１）の長手方向に連続して配置された複数の変形領域（８、８´）を備えることを特徴とする、請求項５または請求項６に記載の熱交換器用プレート。
8. 連続する変形領域（８、８´）が、前記伝熱プレート（１）の長さに沿って距離（Ａ、Ｂ、Ｃ）を変えることにより長手方向に離隔配置されるように、前記伝熱プレート（１）の長手方向に沿って分配された複数の変形領域（８、８´）を備えることを特徴とする、請求項５または請求項６に記載の熱交換器用プレート。
9. 請求項１から請求項８までのいずれか１項による積重ねプレートによって構成される熱交換器束。
10. 前記積重ねの２つの連続するプレートの長手方向にある前記変形領域（８ａ、８ｂ、８ｃ）が１組のプレートから成るプレート（１ａ、１ｂ、１ｃ）の前記積重ねに重ならないように、前記熱交換器束のプレート（１、１ａ、１ｂ、１ｃ）の各々が定位置に配置された少なくとも２つの変形領域（８ａ、８ｂ、８ｃ）を備えることを特徴とする、請求項９に記載の熱交換器束。
    

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