JP2004180361A - リニアモータ及びリニアモータ製造方法及びステージ装置並びに露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却媒体の流路を形成する部材の精度に関わらず、表面温度の分布を均一にする。
【解決手段】コイル体63と、コイル体63を内部に収容する収容部材65とを備える。収容部材65とコイル体63との間に配置され、収容部材65内部におけるコイル体63の巻回軸と平行な方向のコイル体63の位置を調整する調整部材73を有する。
【選択図】 図5
【解決手段】コイル体63と、コイル体63を内部に収容する収容部材65とを備える。収容部材65とコイル体63との間に配置され、収容部材65内部におけるコイル体63の巻回軸と平行な方向のコイル体63の位置を調整する調整部材73を有する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアモータ及びリニアモータ製造方法及びステージ装置並びに露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体デバイスの製造工程の1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレチクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用いられている。例えば、半導体デバイス用の露光装置としては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
【0003】
この縮小投影露光装置としては、レチクルのパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパを改良したもので、レチクルとウエハとを一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記のレチクルやウエハは、レチクルステージやウエハステージ等のステージに保持され、レーザ干渉計によって計測されたステージの位置情報に従って所定方向に駆動されるが、これらステージに対する駆動用アクチュエータとしては、非接触で駆動されるため、摩擦が生じず、位置制御性に優れている等の利点からリニアモータが多く用いられている。
【0005】
図9は、従来技術によるリニアモータの構成例を示すものであり、図9(a)はリニアモータの断面図、図9(b)は図9(a)のA部の拡大図である。
この図に示すリニアモータは、発磁体として一対の磁石61、61が間隔をあけて対向配置された固定子62と、コイルを合成樹脂で固めて平板状のコイル体に整形したモールドコイル63を有する可動子64とを主体として構成されたムービングコイル型のリニアモータ(トリムモータ)である。可動子64においては、モールドコイル63の周囲はキャン65で囲まれ、モールドコイル63とキャン65との間には温度調整用の冷却媒体を図9の紙面と直交する方向に流動させるための流路66が形成されている。モールドコイル63及びキャン65は基端部において互いに当接した状態で基盤67に締結固定されている。モールドコイル63においては、両面から互いに所定間隔で突設される複数の突起部Mが設けられており、突起部Mがキャン65に当接・支持することで、流路66の流路幅が少なくとも突起部Mの高さHmと等しくなるように確保されている。
【0006】
このリニアモータは、モールドコイル63(のコイル)に通電することにより、磁石61から生じる磁束密度との間で電磁力が発生することで駆動状態となり、固定子62に対して可動子64を相対移動させたり、可動子64を介して伝達された力を相殺するように可動子64に推力を付与することが可能になる。
【0007】
ところで、リニアモータを駆動させる際には、モールドコイル63に通電させることによりモールドコイル63は発熱するが、発生した熱は流路66に冷却媒体を流動させることで吸収される構成になっている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−166043号公報
【特許文献2】
特開平11−278850号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
モールドコイル63の発熱は一様であり、熱は流路66を流れる冷却媒体に伝達され、冷却媒体は熱を吸収する。ところが、モールドコイル63及びキャン65は、製造上の都合により平面度、垂直度等の公差を高精度に得られないことから、流路66を等間隔に維持できず、流路66を流れる冷却媒体の流速を均一にできない。例えば、図9(b)に示すように、キャン65内において、モールドコイル63がキャン65の下面65bに偏って配置された場合には、モールドコイル63の上方及び下方の流路66a、66bの流路幅Sa、Sbは、Sa>Sbとなり、流路66aよりも流路66bを流れる冷却媒体の流速が小さくなる。従って、モールドコイル63の発熱は、流路66bを流れる冷却媒体によって吸収されにくくなり、キャン65の上面65a及び下面65bにおいて温度差が生じるという問題があった。
【0010】
また、上面65aと下面65bとの温度差だけでなく、キャン65表面において流路幅が狭い部分においては、局所的に温度上昇し、温度分布が不均一になるという問題があった。このような不均一な温度分布は、キャン65の平均温度上昇を招くことになり、半導体露光装置等の装置内に上記リニアモータが使用された場合、レーザ干渉計に対して揺らぎ等を起こすため、正確な計測が実施できないという問題が生じる。
【0011】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、冷却媒体の流路を形成する部材の精度に関わらず、表面温度の分布を均一にできるリニアモータ及びリニアモータ製造方法及びステージ装置並びに露光装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1から図7に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のリニアモータは、コイル体(63)と、コイル体(63)を内部に収容する収容部材(65)とを備えたリニアモータにおいて、収容部材(65)とコイル体(63)との間に配置され、収容部材(65)内部におけるコイル体(63)の巻回軸と平行な方向のコイル体(63)の位置を調整する調整部材(73)を有することを特徴とする。従って、本発明のリニアモータでは、コイル体(63)と、収容部材(65)との形成状態に応じて、コイル体(63)の位置を調整する調整部材(73)を有しているので、コイル体(63)と収容部材(65)との間に流れる冷却媒体の流速が調整され、所定の流速で流動できる。そのため、コイル体(63)から発生した熱は、収容部材(65)に均一に伝達し、収容部材(65)の表面温度の分布を均一にできる。
【0013】
また、本発明のリニアモータにおいて、収容部材(65)は、互いに対向する2つの平面を有し、コイル体(63)はその巻回軸と垂直な面を有する平板状であってその2平面の間にその2平面と対向するように収容され、調整部材(73)は、前記収容部材の2つの平面と対向する前記コイル体のそれぞれの面に設けられるものとすることができる。従って、コイル体の両面に冷媒の流路を設けることができ、コイル体両面における収容部材との間隔を調整部材によって調整することができる。
【0014】
また、コイル体(63)はコイル(70)と該コイルを固めて成型するモールド体(71)とからなるものとし、調整部材(73)の前記巻回軸と平行な方向の厚さ(Ca、Cb)は、モールド体(71)内部における前記巻回軸と平行な方向のコイル(70)の位置に基づいて決定することができる。従って、モールド体内部でコイル体が一方向に偏っている場合でも適切にコイル体の位置を調整することができる。
【0015】
また、コイル体(63)は、モールド体(71)の一部においてコイル(70)表面を露出させるモールド体に形成された凹部(hf、hg)を有するものとすることができる。従って、凹部の深さを計測することによりモールド体内部におけるコイル体の位置を正確に計測することができる。
【0016】
また、調整部材(73)の前記巻回軸と平行な方向の厚さ(Ca、Cb)は、収容部材(65)の温度分布に基づいて決定することができ、あるいはリニアモータの発生する推力分布に基づいて決定することもできる。従って、収容部材の現実の温度分布を均一にすることができ、あるいはリニアモータの推力を均一にすることができる。
【0017】
また、調整部材(73)はコイル体(63)と一体に成型されたものとすることができる。従って、調整部材を別部材とする場合に比べて簡単な構成とすることができる。
【0018】
また、本発明のリニアモータは、収容部材(73)とコイル体(63)との間の空間にコイル冷却用媒体を供給する供給口(76)を有するものとすることができる。従って、供給口から供給されたコイル冷却用媒体によってコイル体を冷却することができる。
【0019】
また、本発明のリニアモータ製造方法は、コイル体(63)と、コイル体(63)を内部に収容する収容部材(65)とを備えたリニアモータ製造方法において、収容部材(65)の内部空間におけるコイル体(63)の巻回軸と平行な方向のコイル体(63)の位置を調整することを特徴とする。従って、本発明のリニアモータ製造方法では、コイル体(63)と、収容部材(65)との形成状態に応じて、調整部材(73)の高さを調整し、コイル体(63)の位置が決まるので、コイル体(63)と収容部材(65)との間に流れる冷却媒体が所定の流速で流動できる。そのため、コイル体(63)から発生した熱は、収容部材(65)に均一に伝達し、収容部材(65)の表面温度の分布を均一にできる。
【0020】
また、本発明のリニアモータ製造方法において、コイル体(63)の位置の調整は、収容部材(65)の温度分布に基づいて行うことができ、あるいはリニアモータの発生する推力分布に基づいて行うこともできる。これにより収容部材の温度分布を均一にし、あるいはリニアモータの発生する推力を均一にすることができる。
【0021】
また、平板状のコイル体(63)を、互いに対向する2つの平面を有する収容部材(65)の2つの平面の間に、その2平面と対向するように収容するリニアモータの製造方法において、そのコイル体の位置の調整は、その収容部材の2つの平面間の間隔と、そのコイル体の巻回軸と平行な方向の厚さとに基づいて行うものとすることができる。これによりコイル体が収容部材の内部で偏って配置されることなく、収容部材とコイル体との間隔を所定の距離に保ったリニアモータを製造することができる。
【0022】
また、コイル体(63)は、コイル(70)と該コイルを固めて成型するモールド体(71)とからなり、コイル体の位置の調整は、収容部材の2平面間の間隔と、前記巻回軸と平行な方向におけるコイル体の厚さと、前記巻回軸と平行な方向におけるモールド体内部でのコイルの位置とに基づいて行うものとすることができる。これによりモールド体内部でコイル体が一方向に偏っている場合でも適切にコイル体の位置を調整することができる。
【0023】
また、本発明のステージ装置は、平面内を移動可能なステージ(5)と、ステージ(5)を駆動する駆動手段(34)とからなるステージ装置(7)において、駆動手段(34)は、請求項1から請求項7のうちいずれか一つに記載されたリニアモータであることを特徴とする。従って、本発明のステージ装置では、ステージ(5)の駆動に伴って駆動手段(34)が発熱しても、駆動手段(34)の表面温度を均一にできる。
【0024】
また、本発明の露光装置は、マスクステージ(2)に保持されたマスク(R)のパターンを基板ステージ(5)に保持された基板(W)に露光する露光装置(1)において、マスクステージ(2)と基板ステージ(5)とのうち少なくともいずれか一方のステージとして、請求項12に記載されたステージ装置(7)が用いられることを特徴とするものである。従って、本発明の露光装置では、マスクステージ(2)や基板ステージ(5)の駆動に伴って駆動手段(34)が発熱しても、駆動手段(34)の表面温度を均一にできる。そのため、不均一な温度分布に起因する過度の温度上昇を抑制することができ、干渉計に対する揺らぎ等を防止して正確な計測を実施できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のリニアモータおよびステージ装置並びに露光装置の第1の実施形態を、図1ないし図6を参照して説明する。ここでは、例えば露光装置として、レチクルとウエハとを同期移動しつつ、レチクルに形成された半導体デバイスの回路パターンをウエハ上に転写する、スキャニング・ステッパを使用する場合の例を用いて説明する。また、この露光装置においては、本発明のステージ装置をウエハステージに適用し、また本発明のリニアモータをウエハステージのステップ移動時の反力を床に伝達する際に用いられるボイスコイルモータに適用するものとする。なお、これらの図において、従来例として示した図9と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を簡略化する。
【0026】
図1に示す露光装置1は、光源(不図示)からの露光用照明光によりレチクル(マスク)R上の矩形状(あるいは円弧状)の照明領域を均一な照度で照明する照明光学系IUと、レチクルRを保持して移動するレチクルステージ(マスクステージ)2および該レチクルステージ2を支持するレチクル定盤3を含むステージ装置4と、レチクルRから射出される照明光をウエハ(基板、感光基板)W上に投影する投影光学系PLと、ウエハWを保持して移動するウエハステージ(基板ステージ)5および該ウエハステージ5を保持するウエハ定盤6を含むステージ装置7と、上記ステージ装置4および投影光学系PLを支持するリアクションフレーム8とから概略構成されている。なお、ここで投影光学系PLの光軸方向をZ方向とし、このZ方向と直交する方向でレチクルRとウエハWの同期移動方向をY方向とし、非同期移動方向をX方向とする。また、それぞれの軸周りの回転方向をθZ、θY、θXとする。
【0027】
照明光学系IUは、リアクションフレーム8の上面に固定された支持コラム9によって支持される。なお、露光用照明光としては、例えば超高圧水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、i線)およびKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)およびF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV)などが用いられる。
【0028】
リアクションフレーム8は、床面に水平に載置されたベースプレート10上に設置されており、その上部側および下部側には、内側に向けて突出する段部8aおよび8bがそれぞれ形成されている。
【0029】
ステージ装置4の中、レチクル定盤3は、各コーナーにおいてリアクションフレーム8の段部8aに防振ユニット11を介してほぼ水平に支持されており(なお、紙面奥側の防振ユニットについては図示せず)、その中央部にはレチクルRに形成されたパターン像が通過する開口3aが形成されている。なお、レチクル定盤3の材料として金属やセラミックスを用いることができる。防振ユニット11は、内圧が調整可能なエアマウント12とボイスコイルモータ13とが段部8a上に直列に配置された構成になっている。これら防振ユニット11によって、ベースプレート10およびリアクションフレーム8を介してレチクル定盤3に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている(Gは重力加速度)。
【0030】
レチクル定盤3上には、レチクルステージ2が該レチクル定盤3に沿って2次元的に移動可能に支持されている。レチクルステージ2の底面には、複数のエアベアリング(エアパッド)14が固定されており、これらのエアベアリング14によってレチクルステージ2がレチクル定盤3上に数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上支持されている。また、レチクルステージ2の中央部には、レチクル定盤3の開口3aと連通し、レチクルRのパターン像が通過する開口2aが形成されている。
【0031】
レチクルステージ2について詳述すると、図2に示すように、レチクルステージ2は、レチクル定盤3上を一対のYリニアモータ15、15によってY軸方向に所定ストロークで駆動されるレチクル粗動ステージ16と、このレチクル粗動ステージ16上を一対のXボイスコイルモータ17Xと一対のYボイスコイルモータ17YとによってX、Y、θZ方向に微小駆動されるレチクル微動ステージ18とを備えた構成になっている(なお、図1では、これらを1つのステージとして図示している)。
【0032】
各Yリニアモータ15は、レチクル定盤3上に非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エアパッド)19によって浮上支持されY軸方向に延びる固定子20と、この固定子20に対応して設けられ、連結部材22を介してレチクル粗動ステージ16に固定された可動子21とから構成されている。このため、運動量保存の法則により、レチクル粗動ステージ16の+Y方向の移動に応じて、固定子20は−Y方向に移動する。この固定子20の移動によりレチクル粗動ステージ16の移動に伴う反力を相殺するとともに、重心位置の変化を防ぐことができる。
【0033】
なお、固定子20は、レチクル定盤3上に代えて、リアクションフレーム8に設けてもよい。固定子20をリアクションフレーム8に設ける場合には、エアベアリング19を省略し、固定子20をリアクションフレーム8に固定して、レチクル粗動ステージ16の移動により固定子20に作用する反力をリアクションフレーム8を介して床に逃がしてもよい。
【0034】
レチクル粗動ステージ16は、レチクル定盤3の中央部に形成された上部突出部3bの上面に固定されY軸方向に延びる一対のYガイド51、51によってY軸方向に案内されるようになっている。また、レチクル粗動ステージ16は、これらYガイド51、51に対して不図示のエアベアリングによって非接触で支持されている。
【0035】
レチクル微動ステージ18には、不図示のバキュームチャックを介してレチクルRが吸着保持されるようになっている。レチクル微動ステージ18の−Y方向の端部には、コーナキューブからなる一対のY移動鏡52a、52bが固定され、また、レチクル微動ステージ18の+X方向の端部には、Y軸方向に延びる平面ミラーからなるX移動鏡53が固定されている。そして、これら移動鏡52a、52b、53に対して測長ビームを照射する3つのレーザ干渉計(いずれも不図示)が各移動鏡との距離を計測することにより、レチクルステージ2のX、Y、θZ(Z軸回りの回転)方向の位置が高精度に計測される。なお、レチクル微動ステージ18の材質として金属やコージェライトまたはSiCからなるセラミックスを用いることができる。
【0036】
図1に戻り、投影光学系PLとして、ここでは物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や蛍石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)からなる1/4(または1/5)縮小倍率の屈折光学系が使用されている。このため、レチクルRに照明光が照射されると、レチクルR上の回路パターンのうち、照明光で照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その回路パターンの部分倒立像が投影光学系PLの像面側の円形視野の中央にスリット状に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW上の複数のショット領域のうち、1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
【0037】
投影光学系PLの鏡筒部の外周には、該鏡筒部に一体化されたフランジ23が設けられている。そして、投影光学系PLは、リアクションフレーム8の段部8bに防振ユニット24を介してほぼ水平に支持された鋳物等で構成された鏡筒定盤25に、光軸方向をZ方向として上方から挿入されるとともに、フランジ23が係合している。なお、鏡筒定盤25として、高剛性・低熱膨張のセラミックス材を用いてもよい。
【0038】
フランジ23の素材としては、低熱膨張の材質、例えばインバー(Inver;ニッケル36%、マンガン0.25%、および微量の炭素と他の元素を含む鉄からなる低膨張の合金)が用いられている。このフランジ23は、投影光学系PLを鏡筒定盤25に対して点と面とV溝とを介して3点で支持する、いわゆるキネマティック支持マウントを構成している。このようなキネマティック支持構造を採用すると、投影光学系PLの鏡筒定盤25に対する組み付けが容易で、しかも組み付け後の鏡筒定盤25および投影光学系PLの振動、温度変化等に起因する応力を最も効果的に軽減できるという利点がある。
【0039】
防振ユニット24は、鏡筒定盤25の各コーナーに配置され(なお、紙面奥側の防振ユニットについては図示せず)、内圧が調整可能なエアマウント26とボイスコイルモータ27とが段部8b上に直列に配置された構成になっている。これら防振ユニット24によって、ベースプレート10およびリアクションフレーム8を介して鏡筒定盤25(ひいては投影光学系PL)に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている。
【0040】
ステージ装置7は、図1から明らかなように、ステージ装置4と投影光学系PLとから分離してベースプレート10上に設けられている。ステージ装置7は、ウエハステージ5、このウエハステージ5をXY平面に沿った2次元方向に移動可能に支持するウエハ定盤6、ウエハステージ5と一体的に設けられウエハWを吸着保持する試料台ST、これらウエハステージ5および試料台STを相対移動自在に支持するXガイドバーXGを主体に構成されている。ウエハステージ5の底面には、非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エアパッド)28が固定されており、これらのエアベアリング28によってウエハステージ5がウエハ定盤6上に、例えば数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上支持されている。
【0041】
ウエハ定盤6は、ベースプレート10の上方に、防振ユニット29を介してほぼ水平に支持されている。防振ユニット29は、ウエハ定盤6の各コーナーに配置され(なお、紙面奥側の防振ユニットについては図示せず)、内圧が調整可能なエアマウント30とウエハ定盤6に対して推力を付与するボイスコイルモータ31とがベースプレート10上に並列に配置された構成になっている。これら防振ユニット29によって、ベースプレート10を介してウエハ定盤6に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている。
【0042】
図3に示すように、XガイドバーXGは、X方向に沿った長尺形状を呈しており、その長さ方向両端には電機子ユニットからなる可動子36,36がそれぞれ設けられている。これらの可動子36,36に対応する磁石ユニットを有する固定子37,37は、ベースプレート10に突設された支持部32、32に設けられている(図1参照、なお図1では可動子36および固定子37を簡略して図示している)。そして、これら可動子36および固定子37によってムービングコイル型のリニアモータ33、33が構成されており、可動子36が固定子37との間の電磁気的相互作用により駆動されることで、XガイドバーXGはY方向に移動するとともに、リニアモータ33、33の駆動を調整することでθZ方向に回転移動する。すなわち、このリニアモータ33によってXガイドバーXGとほぼ一体的にウエハステージ5(および試料台ST、以下単にウエハステージ5と称する)がY方向およびθZ方向に駆動されるようになっている。なお、ウエハステージ5は、Y方向の移動にはガイド部材を有さないガイドレスステージとなっているが、ウエハステージ5のX方向の移動に関しても適宜ガイドレスステージとすることができる。
【0043】
ウエハステージ5は、XガイドバーXGとの間にZ方向に所定量のギャップを維持する磁石およびアクチュエータからなる磁気ガイドを介して、XガイドバーXGにX方向に相対移動自在に非接触で支持・保持されている。また、ウエハステージ5は、XガイドバーXGに埋設された固定子35aを有するXリニアモータ35による電磁気的相互作用によりX方向に駆動される。なお、Xリニアモータの可動子は図示していないが、ウエハステージ5に取り付けられている。
【0044】
ウエハステージ5の上面には、ウエハホルダ41を介してウエハWが真空吸着等によって固定される(図1参照、図3では図示略)。また、ウエハステージ5のX方向の位置は、投影光学系PLの鏡筒下端に固定された参照鏡42を基準として、ウエハステージ5の一部に固定された移動鏡43の位置変化を計測するレーザ干渉計44によって所定の分解能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイムに計測される。なお、上記参照鏡42、移動鏡43、レーザ干渉計44とほぼ直交するように配置された不図示の参照鏡、レーザ干渉計および移動鏡によってウエハステージ5のY方向の位置が計測される。なお、これらレーザ干渉計の中、少なくとも一方は、測長軸を2軸以上有する多軸干渉計であり、これらレーザ干渉計の計測値に基づいてウエハステージ5(ひいてはウエハW)のXY位置のみならず、θ回転量あるいはこれらに加え、レベリング量をも求めることができるようになっている。
【0045】
また、図4に示すように、XガイドバーXGの−X方向側には、ボイスコイルモータで構成されたXトリムモータ(リニアモータ)34の可動子(一方の部材)34aが取り付けられている。Xトリムモータ34は、Xリニアモータ35の固定子としてのXガイドバーXGとリアクションフレーム8との間に介装されており、間隔をあけて配置された一対の磁石61、61を有する固定子34bはリアクションフレーム8に設けられている。このため、ウエハステージ5をX方向に駆動する際の反力は、Xトリムモータ34によりリアクションフレーム8に伝達され、さらにリアクションフレーム8を介してベースプレート10に伝達される。なお、実際にはXトリムモータ34は、リニアモータ33を挟んだZ方向両側に配置されているが、図1、図3では便宜上+Z側のXトリムモータ34のみ図示している。
【0046】
可動子34aは、XガイドバーXGにZ方向に沿って取り付けられる基盤67と、図5(a)に示すように、基端部63aを基盤67に締結固定され当該基盤67からXY平面に沿って−X方向に突設されたモールドコイル(コイル体)63と、モールドコイル63の周囲を囲みモールドコイル63との間に冷却媒体を流動させるための流路66を形成するキャン(収容部材)65と、モールドコイル63の位置を調整すると共に、モールドコイル63を所定の位置に配置するスペーサ(調整部材)73から概略構成されている。
【0047】
キャン65は、両端部においてパッキン等のシール部材68を介して取付ネジ等の締結部材69(図4参照)により基盤67に締結固定されている。モールドコイル63は、図6に示す平面視0字状のコイル70と、コイル70を固めて成型するエポキシ樹脂等の合成樹脂で構成されるモールド体71とから構成されており、基端部63aにおいて冷却媒体の漏洩を防ぐシール部材72、72を介在させてキャン65と当接状態で締結されている。
なお、図6に示す通り本実施の形態においては、モールドコイル63(コイル70)の巻回軸は、Z軸と平行になっている。
【0048】
モールドコイル63表面には、コイル70の中心部及び外周部に対して、片面当り8個、両面合計16個のスペーサ73が設けられている(ただし、図6においては片面に8個設けられたスペーサ73が代表的に示されている)。当該スペーサ73は、直径約1mmの円錐状で形成され、図5(a)のB部を拡大した図5(b)に示すように、モールドコイル63のZ方向(モールドコイル63の巻回軸と平行な方向)の位置がキャン65の中心位置となるように調整する。
【0049】
モールドコイル63の位置の調整方法は、次の手順によって行われる。
スペーサ73が配置される部分において、キャン65の外寸法Houtを実測し、外寸法Houtからキャン65の板厚tcを差し引いた値、即ち、Hout−2tcによってキャン65の内寸法Hinを算出する。内寸法Hinからモールドコイル63の外寸法tmを差し引いて2で割った値、即ち、(Hin−tm)/2によってスペーサ73の高さCa、Cb(Ca=Cb)が算出される。高さCa、Cbに基づいて、スペーサ73を作成し、モールドコイル63の表面に設け、モールドコイル63をキャン65内部に配置し、モールドコイル63のZ方向の位置が上述のように設定される。
【0050】
スペーサ73の作成においては、板厚が異なるブロックを用意し、例えば、0.5mm厚、0.1mm厚、0.05mm厚、等の種種の板厚のブロックを用意し、これらを積み重ねてスペーサの73の高さが設定される。例えば、0.75mmのスペーサが必要な場合には、0.5mmのブロックを1個と、0.1mmのブロックを2個と、0.05mmのブロックを1個と、を積み重ねて形成する。従って、所望の高さのスペーサが容易に形成される。
【0051】
また、可動子34aには、冷却媒体を供給・排出するための配管75(図4参照;この図では供給側のみ図示)がY方向両端側に接続されている。そして、配管75を介して供給・排出される冷却媒体の流入口76及び流出口77は、いずれも流路66に臨ませて形成されている。また、流入口76及び流出口77を通じて供給、排出される冷却媒体は、不図示の温調機により温度及び流量を調整されて、可動子34aに供給される。なお、冷却媒体としては、HFE(ハイドロ・フルオロ・エーテル)やフロリナートを用いることが可能だが、本実施の形態では地球温暖化係数が低く、オゾン破壊係数がゼロであるため、地球環境保護の観点からHFEを用いている。
【0052】
図1に戻り、投影光学系PLのフランジ23には、異なる3カ所に3つのレーザ干渉計45が、ウエハ定盤6とのZ方向の相対位置を検出するための検出装置として固定されている(ただし、図1においてはこれらのレーザ干渉計のうち1つが代表的に示されている)。各レーザ干渉計45に対向する鏡筒定盤25の部分には、開口25aがそれぞれ形成されており、これらの開口25aを介して各レーザ干渉計45からZ方向のレーザビーム(測長ビーム)がウエハ定盤6に向けて照射される。ウエハ定盤6の上面の各測長ビームの対向位置には、反射面がそれぞれ形成されている。このため、上記3つのレーザ干渉計45によってウエハ定盤6の異なる3点のZ位置がフランジ23を基準としてそれぞれ計測される(図1においては、測長ビームがウエハステージ5の手前を通過する状態を示している)。なお、ウエハステージ5の上面に反射面を形成して、この反射面上の異なる3点のZ方向位置を投影光学系PLまたはフランジ23を基準として計測する干渉計を設けてもよい。
【0053】
次に、上記のように構成された露光装置の中、まずステージ装置7の動作について説明する。
リニアモータ33、35の駆動によりウエハステージ5が移動した際には、レーザ干渉計44等の計測値に基づいて、ウエハステージ5の移動に伴う重心の変化による影響をキャンセルするカウンターフォースを防振ユニット29に対してフィードフォワードで与え、この力を発生するようにエアマウント30およびボイスコイルモータ31を駆動する。また、ウエハステージ5とウエハ定盤6との摩擦が零でない等の理由で、ウエハ定盤6の6自由度方向の微少な振動が残留した場合にも、上記残留振動を除去すべく、エアマウント30およびボイスコイルモータ31をフィードバック制御する。
【0054】
そして、ウエハステージ5のX方向の移動に伴う反力は、Xトリムモータ34を介してリアクションフレーム8に伝達される。このとき、Xトリムモータ34では、上記反力に相当する推力を出力するために可動子34aのコイル70に通電されることでコイル70を介してモールドコイル63が発熱する。モールドコイル63で生じた熱は、流入口76から流入して流路66(66a、66b)を流動する冷却媒体によって吸収(吸熱)され、冷却媒体が流出口77から流出することで排熱されるが、その一部は冷却媒体を介してキャン65に伝熱される。
【0055】
ここで、スペーサ73によってモールドコイル63のZ方向の位置がキャン65の中心位置に設定されており、流路66a、66bの流路幅は等しく、冷却媒体はキャン65内を均一な流速で流動する。従って、冷却媒体は、モールドコイル63で発生した熱を一様に吸熱し、キャン65の表面温度分布を均一にできる。
【0056】
続いて、露光装置1における露光動作について説明する。
ここでは、予め、ウエハW上のショット領域を適正露光量(目標露光量)で走査露光するための各種の露光条件が設定されているものとする。そして、いずれも不図示のレチクル顕微鏡およびオフアクシス・アライメントセンサ等を用いたレチクルアライメント、ベースライン計測等の準備作業が行われ、その後アライメントセンサを用いたウエハWのファインアライメント(EGA;エンハンスト・グローバル・アライメント等)が終了し、ウエハW上の複数のショット領域の配列座標が求められる。
【0057】
このようにして、ウエハWの露光のための準備動作が完了すると、アライメント結果に基づいてレーザ干渉計44の計測値をモニタしつつ、リニアモータ33、35を制御してウエハWの第1ショットの露光のための走査開始位置にウエハステージ5を移動する。そして、リニアモータ15、33を介してレチクルステージ2とウエハステージ5とのY方向の走査を開始し、両ステージ2、5がそれぞれの目標走査速度に達すると、照明光学系IUからの露光用照明光により、レチクルR上の所定の矩形状の照明領域が均一な照度で照明される。この照明領域に対してレチクルRがY方向に走査されるのに同期して、この照明領域と投影光学系PLに関して共役な露光領域に対してウエハWを走査する。
【0058】
そして、レチクルRのパターン領域を透過した照明光が投影光学系PLにより1/5倍あるいは1/4倍に縮小され、レジストが塗布されたウエハW上に照射される。そして、ウエハW上の露光領域には、レチクルRのパターンが逐次転写され、1回の走査でレチクルR上のパターン領域の全面がウエハW上のショット領域に転写される。この走査露光時には、レチクルステージ2のY方向の移動速度と、ウエハステージ5のY方向の移動速度とが投影光学系PLの投影倍率(1/5倍あるいは1/4倍)に応じた速度比に維持されるように、リニアモータ15、33を介してレチクルステージ2およびウエハステージ5が同期制御される。
【0059】
レチクルステージ2の走査方向の加減速時の反力は、固定子20の移動により吸収され、ステージ装置4における重心の位置がY方向において実質的に固定される。また、レチクルステージ2と固定子20とレチクル定盤3との3者間の摩擦が零でなかったり、レチクルステージ2と固定子20との移動方向が僅かに異なる等の理由で、レチクル定盤3の6自由度方向の微少な振動が残留した場合には、上記残留振動を除去すべく、エアマウント12およびボイスコイルモータ13をフィードバック制御する。また、鏡筒定盤25においては、レチクルステージ2、ウエハステージ5の移動による微振動が発生しても、6自由度方向の振動を求め、エアマウント26およびボイスコイルモータ27をフィードバック制御することによりこの微振動をキャンセルして、鏡筒定盤25を定常的に安定した位置に維持することができる。
【0060】
以上のように、本実施の形態では、スペーサ73によってモールドコイル63のZ方向の位置がキャン65の中心位置となるように調整され、流路66a、66bの流路幅は等しく設定され、冷却媒体がキャン65内を均一な流速で流動し、キャン65の表面温度分布を容易に均一化できる。その結果、温度分布の不均一に起因するキャン65の平均温度上昇を抑制することができ、温度上昇により空気揺らぎが生じて干渉計の計測精度が低下することを防止できる。
【0061】
なお、本実施の形態では、モールドコイル63のZ方向の位置がキャン65の中心位置となるようにスペーサ73の高さが設定されているが、スペーサ73に代わってモールドコイル63に予め突起部を形成し、当該突起部が好適な高さとなるように適宜削り、モールドコイル63の位置を調整してもよい。また、スペーサ73は片面当り8個設けているが、数に限定することなく、好適な数で設けてよい。
【0062】
図7は、本発明の第2の実施形態を示す図である。
この図において、図1から図6に示す第1の実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第1の実施形態では、スペーサ73によってモールドコイル63のZ方向の位置がキャン65の中心位置となるように調整されているが、第2の実施形態では、モールドコイル63内部においてコイル70が偏っている場合に、流路66a、66bの流路幅のバランスを調整している。
【0063】
即ち、図7に示すように、モールドコイル63においては、その内部でコイル70が流路66b側に偏って配置され、予め凹部hf、hgが設けられており、凹部hf、hgを用いて、モールドコイル63の表面63f及び裏面63gからコイル70までのそれぞれの深さdf、dgが測定される。
【0064】
モールドコイル63の表面63f及び裏面63gには、高さ調整が可能なスペーサ74a、74bが設けられており、凹部hf、hgの深さdf、dgの実測値に基づいて、モールドコイル63のZ方向の位置が所定に位置に調整される。また、スペーサ74a、74bは、凹部hf、hgに嵌入固定され、冷却媒体のコイル70内への侵入が防止され、電気的絶縁性が確保されている。
ここで、例えばコイル70がモールドコイル63の内部で下方に偏っている場合には、深さdf、dgはdf>dgであることから、スペーサ74a、74bは、高さCa<Cbとなるように調整されている。
【0065】
上記の構成において、コイル70から一様に発生した熱は、モールド体71を伝達し、モールドコイル63の表面63f及び裏面63gの表面温度が上昇する。深さdf、dgは、df>dgであることから、表面63fよりも表面63gの表面温度が高くなる。ここで、高さCa、Cbのスペーサ74a、74bによって、モールドコイル63のZ方向の位置が調整されていることから、流路66aより流路66bの冷却媒体の流速が大きくなる。表面63fは流路66aを流れる冷却媒体によって冷却され、表面63gは流路66bを流れる冷却媒体によって冷却される。従って、流路66a、66bの流路幅のバランスを調整することが可能になり、キャン65の表面温度分布を均一にできる。
【0066】
なお、上記第2の実施形態では、スペーサ74a、74bが凹部hf、hgに嵌入固定されているが、スペーサ74a、74bと凹部hf、hgとの間に絶縁テープを設けてもよい。この場合、冷却媒体とコイル70との間の電気的絶縁性を向上させることができる。
また、上記実施の形態ではモールドコイル63及びキャン65の外形寸法、あるいはモールドコイル63内のコイル70の位置からスペーサ73の厚さを決定し、流路66a、66bの流路幅を所定の値に設定することによりキャン65の表面温度分布の均一化を図ったが、これとは逆に、キャン65の表面温度分布を測定し、該温度分布に基づいてスペーサ73の厚さを決定してもよい。具体的には、モールドコイル63に通電した時のキャン65の表面温度を複数の温度センサで2次元的に計測して温度分布を求め、高温部分の近傍にあるスペーサ73の厚さを増し、低温部分の近傍にあるスペーサ73の厚さを減ずることによりキャン65の表面温度分布を均一に調整することができる。
また、スペーサ73の厚さは、リニアモータの発生する推力分布を計測し、これに基づいて決定してもよい。具体的には、リニアモータが発生する推力を該リニアモータのストローク内で逐次計測し、推力が変化する部分近傍のスペーサ73の厚さを増加または減少させればよい。
【0067】
また、上記実施の形態では、ウエハステージ5の移動に伴う反力を伝達するためのXトリムモータ34に本発明のリニアモータを適用する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばウエハステージ5を走査方向に駆動するためのリニアモータ33にも適用可能である。さらに、本発明のリニアモータ及びステージ装置をウエハステージ側に適用したが、レチクルステージ2に対しても適用可能である。また、本発明のリニアモータは、上記実施の形態で採用したムービングコイル型に限られず、ムービングマグネット型にも適用可能である。そして、上記実施の形態では、本発明のステージ装置を露光装置におけるウエハステージに適用した構成としたが、露光装置以外にも転写マスクの描画装置、マスクパターンの位置座標測定装置等の精密測定機器にも適用可能である。
【0068】
なお、本実施の形態の基板としては、半導体デバイス用の半導体ウエハWのみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0069】
露光装置1としては、レチクルRとウエハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)にも適用することができる。
【0070】
露光装置1の種類としては、ウエハWに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクルなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0071】
また、露光用照明光の光源として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.7nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線を用いる場合は、レチクルRを用いる構成としてもよいし、レチクルRを用いずに直接ウエハ上にパターンを形成する構成としてもよい。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高周波などを用いてもよい。
【0072】
投影光学系PLの倍率は、縮小系のみならず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系PLを用いることなく、レチクルRとウエハWとを密接させてレチクルRのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用可能である。
【0073】
ウエハステージ5やレチクルステージ2にリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージ2、5は、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0074】
各ステージ2、5の駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージ2、5を駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージ2、5に接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージ2、5の移動面側(ベース)に設ければよい。
【0075】
以上のように、本願実施形態の露光装置1は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0076】
半導体デバイスは、図8に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、シリコン材料からウエハを製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置1によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明ではコイル体と収容部材の精度に関わらず、収容部材の表面温度分布を容易に均一化できるとともに、揺らぎによる計測精度の低下を防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の概略構成図である。
【図2】同露光装置を構成するレチクルステージの外観斜視図である。
【図3】同露光装置を構成するウエハ側ステージ装置の外観斜視図である。
【図4】ウエハステージを構成するXトリムモータの概略構成図である。
【図5】Xトリムモータを構成する可動子の断面斜視図である。
【図6】同可動子の平面図である。
【図7】第2の実施形態の可動子の部分断面図である。
【図8】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【図9】従来技術によるリニアモータの一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
R レチクル(マスク)
W ウエハ(基板)
1 露光装置
2 レチクルステージ(マスクステージ)
5 ウエハステージ(基板ステージ、ステージ)
7 ステージ装置
34 Xトリムモータ(リニアモータ、駆動手段)
34a 可動子(一方の部材)
63 モールドコイル(コイル体)
65 キャン(収容部材)
66 流路
70 コイル
71 モールド体
73 スペーサ
74a、74b スペーサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアモータ及びリニアモータ製造方法及びステージ装置並びに露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体デバイスの製造工程の1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレチクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用いられている。例えば、半導体デバイス用の露光装置としては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
【0003】
この縮小投影露光装置としては、レチクルのパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパを改良したもので、レチクルとウエハとを一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記のレチクルやウエハは、レチクルステージやウエハステージ等のステージに保持され、レーザ干渉計によって計測されたステージの位置情報に従って所定方向に駆動されるが、これらステージに対する駆動用アクチュエータとしては、非接触で駆動されるため、摩擦が生じず、位置制御性に優れている等の利点からリニアモータが多く用いられている。
【0005】
図9は、従来技術によるリニアモータの構成例を示すものであり、図9(a)はリニアモータの断面図、図9(b)は図9(a)のA部の拡大図である。
この図に示すリニアモータは、発磁体として一対の磁石61、61が間隔をあけて対向配置された固定子62と、コイルを合成樹脂で固めて平板状のコイル体に整形したモールドコイル63を有する可動子64とを主体として構成されたムービングコイル型のリニアモータ(トリムモータ)である。可動子64においては、モールドコイル63の周囲はキャン65で囲まれ、モールドコイル63とキャン65との間には温度調整用の冷却媒体を図9の紙面と直交する方向に流動させるための流路66が形成されている。モールドコイル63及びキャン65は基端部において互いに当接した状態で基盤67に締結固定されている。モールドコイル63においては、両面から互いに所定間隔で突設される複数の突起部Mが設けられており、突起部Mがキャン65に当接・支持することで、流路66の流路幅が少なくとも突起部Mの高さHmと等しくなるように確保されている。
【0006】
このリニアモータは、モールドコイル63(のコイル)に通電することにより、磁石61から生じる磁束密度との間で電磁力が発生することで駆動状態となり、固定子62に対して可動子64を相対移動させたり、可動子64を介して伝達された力を相殺するように可動子64に推力を付与することが可能になる。
【0007】
ところで、リニアモータを駆動させる際には、モールドコイル63に通電させることによりモールドコイル63は発熱するが、発生した熱は流路66に冷却媒体を流動させることで吸収される構成になっている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−166043号公報
【特許文献2】
特開平11−278850号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
モールドコイル63の発熱は一様であり、熱は流路66を流れる冷却媒体に伝達され、冷却媒体は熱を吸収する。ところが、モールドコイル63及びキャン65は、製造上の都合により平面度、垂直度等の公差を高精度に得られないことから、流路66を等間隔に維持できず、流路66を流れる冷却媒体の流速を均一にできない。例えば、図9(b)に示すように、キャン65内において、モールドコイル63がキャン65の下面65bに偏って配置された場合には、モールドコイル63の上方及び下方の流路66a、66bの流路幅Sa、Sbは、Sa>Sbとなり、流路66aよりも流路66bを流れる冷却媒体の流速が小さくなる。従って、モールドコイル63の発熱は、流路66bを流れる冷却媒体によって吸収されにくくなり、キャン65の上面65a及び下面65bにおいて温度差が生じるという問題があった。
【0010】
また、上面65aと下面65bとの温度差だけでなく、キャン65表面において流路幅が狭い部分においては、局所的に温度上昇し、温度分布が不均一になるという問題があった。このような不均一な温度分布は、キャン65の平均温度上昇を招くことになり、半導体露光装置等の装置内に上記リニアモータが使用された場合、レーザ干渉計に対して揺らぎ等を起こすため、正確な計測が実施できないという問題が生じる。
【0011】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、冷却媒体の流路を形成する部材の精度に関わらず、表面温度の分布を均一にできるリニアモータ及びリニアモータ製造方法及びステージ装置並びに露光装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1から図7に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のリニアモータは、コイル体(63)と、コイル体(63)を内部に収容する収容部材(65)とを備えたリニアモータにおいて、収容部材(65)とコイル体(63)との間に配置され、収容部材(65)内部におけるコイル体(63)の巻回軸と平行な方向のコイル体(63)の位置を調整する調整部材(73)を有することを特徴とする。従って、本発明のリニアモータでは、コイル体(63)と、収容部材(65)との形成状態に応じて、コイル体(63)の位置を調整する調整部材(73)を有しているので、コイル体(63)と収容部材(65)との間に流れる冷却媒体の流速が調整され、所定の流速で流動できる。そのため、コイル体(63)から発生した熱は、収容部材(65)に均一に伝達し、収容部材(65)の表面温度の分布を均一にできる。
【0013】
また、本発明のリニアモータにおいて、収容部材(65)は、互いに対向する2つの平面を有し、コイル体(63)はその巻回軸と垂直な面を有する平板状であってその2平面の間にその2平面と対向するように収容され、調整部材(73)は、前記収容部材の2つの平面と対向する前記コイル体のそれぞれの面に設けられるものとすることができる。従って、コイル体の両面に冷媒の流路を設けることができ、コイル体両面における収容部材との間隔を調整部材によって調整することができる。
【0014】
また、コイル体(63)はコイル(70)と該コイルを固めて成型するモールド体(71)とからなるものとし、調整部材(73)の前記巻回軸と平行な方向の厚さ(Ca、Cb)は、モールド体(71)内部における前記巻回軸と平行な方向のコイル(70)の位置に基づいて決定することができる。従って、モールド体内部でコイル体が一方向に偏っている場合でも適切にコイル体の位置を調整することができる。
【0015】
また、コイル体(63)は、モールド体(71)の一部においてコイル(70)表面を露出させるモールド体に形成された凹部(hf、hg)を有するものとすることができる。従って、凹部の深さを計測することによりモールド体内部におけるコイル体の位置を正確に計測することができる。
【0016】
また、調整部材(73)の前記巻回軸と平行な方向の厚さ(Ca、Cb)は、収容部材(65)の温度分布に基づいて決定することができ、あるいはリニアモータの発生する推力分布に基づいて決定することもできる。従って、収容部材の現実の温度分布を均一にすることができ、あるいはリニアモータの推力を均一にすることができる。
【0017】
また、調整部材(73)はコイル体(63)と一体に成型されたものとすることができる。従って、調整部材を別部材とする場合に比べて簡単な構成とすることができる。
【0018】
また、本発明のリニアモータは、収容部材(73)とコイル体(63)との間の空間にコイル冷却用媒体を供給する供給口(76)を有するものとすることができる。従って、供給口から供給されたコイル冷却用媒体によってコイル体を冷却することができる。
【0019】
また、本発明のリニアモータ製造方法は、コイル体(63)と、コイル体(63)を内部に収容する収容部材(65)とを備えたリニアモータ製造方法において、収容部材(65)の内部空間におけるコイル体(63)の巻回軸と平行な方向のコイル体(63)の位置を調整することを特徴とする。従って、本発明のリニアモータ製造方法では、コイル体(63)と、収容部材(65)との形成状態に応じて、調整部材(73)の高さを調整し、コイル体(63)の位置が決まるので、コイル体(63)と収容部材(65)との間に流れる冷却媒体が所定の流速で流動できる。そのため、コイル体(63)から発生した熱は、収容部材(65)に均一に伝達し、収容部材(65)の表面温度の分布を均一にできる。
【0020】
また、本発明のリニアモータ製造方法において、コイル体(63)の位置の調整は、収容部材(65)の温度分布に基づいて行うことができ、あるいはリニアモータの発生する推力分布に基づいて行うこともできる。これにより収容部材の温度分布を均一にし、あるいはリニアモータの発生する推力を均一にすることができる。
【0021】
また、平板状のコイル体(63)を、互いに対向する2つの平面を有する収容部材(65)の2つの平面の間に、その2平面と対向するように収容するリニアモータの製造方法において、そのコイル体の位置の調整は、その収容部材の2つの平面間の間隔と、そのコイル体の巻回軸と平行な方向の厚さとに基づいて行うものとすることができる。これによりコイル体が収容部材の内部で偏って配置されることなく、収容部材とコイル体との間隔を所定の距離に保ったリニアモータを製造することができる。
【0022】
また、コイル体(63)は、コイル(70)と該コイルを固めて成型するモールド体(71)とからなり、コイル体の位置の調整は、収容部材の2平面間の間隔と、前記巻回軸と平行な方向におけるコイル体の厚さと、前記巻回軸と平行な方向におけるモールド体内部でのコイルの位置とに基づいて行うものとすることができる。これによりモールド体内部でコイル体が一方向に偏っている場合でも適切にコイル体の位置を調整することができる。
【0023】
また、本発明のステージ装置は、平面内を移動可能なステージ(5)と、ステージ(5)を駆動する駆動手段(34)とからなるステージ装置(7)において、駆動手段(34)は、請求項1から請求項7のうちいずれか一つに記載されたリニアモータであることを特徴とする。従って、本発明のステージ装置では、ステージ(5)の駆動に伴って駆動手段(34)が発熱しても、駆動手段(34)の表面温度を均一にできる。
【0024】
また、本発明の露光装置は、マスクステージ(2)に保持されたマスク(R)のパターンを基板ステージ(5)に保持された基板(W)に露光する露光装置(1)において、マスクステージ(2)と基板ステージ(5)とのうち少なくともいずれか一方のステージとして、請求項12に記載されたステージ装置(7)が用いられることを特徴とするものである。従って、本発明の露光装置では、マスクステージ(2)や基板ステージ(5)の駆動に伴って駆動手段(34)が発熱しても、駆動手段(34)の表面温度を均一にできる。そのため、不均一な温度分布に起因する過度の温度上昇を抑制することができ、干渉計に対する揺らぎ等を防止して正確な計測を実施できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のリニアモータおよびステージ装置並びに露光装置の第1の実施形態を、図1ないし図6を参照して説明する。ここでは、例えば露光装置として、レチクルとウエハとを同期移動しつつ、レチクルに形成された半導体デバイスの回路パターンをウエハ上に転写する、スキャニング・ステッパを使用する場合の例を用いて説明する。また、この露光装置においては、本発明のステージ装置をウエハステージに適用し、また本発明のリニアモータをウエハステージのステップ移動時の反力を床に伝達する際に用いられるボイスコイルモータに適用するものとする。なお、これらの図において、従来例として示した図9と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を簡略化する。
【0026】
図1に示す露光装置1は、光源(不図示)からの露光用照明光によりレチクル(マスク)R上の矩形状(あるいは円弧状)の照明領域を均一な照度で照明する照明光学系IUと、レチクルRを保持して移動するレチクルステージ(マスクステージ)2および該レチクルステージ2を支持するレチクル定盤3を含むステージ装置4と、レチクルRから射出される照明光をウエハ(基板、感光基板)W上に投影する投影光学系PLと、ウエハWを保持して移動するウエハステージ(基板ステージ)5および該ウエハステージ5を保持するウエハ定盤6を含むステージ装置7と、上記ステージ装置4および投影光学系PLを支持するリアクションフレーム8とから概略構成されている。なお、ここで投影光学系PLの光軸方向をZ方向とし、このZ方向と直交する方向でレチクルRとウエハWの同期移動方向をY方向とし、非同期移動方向をX方向とする。また、それぞれの軸周りの回転方向をθZ、θY、θXとする。
【0027】
照明光学系IUは、リアクションフレーム8の上面に固定された支持コラム9によって支持される。なお、露光用照明光としては、例えば超高圧水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、i線)およびKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)およびF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV)などが用いられる。
【0028】
リアクションフレーム8は、床面に水平に載置されたベースプレート10上に設置されており、その上部側および下部側には、内側に向けて突出する段部8aおよび8bがそれぞれ形成されている。
【0029】
ステージ装置4の中、レチクル定盤3は、各コーナーにおいてリアクションフレーム8の段部8aに防振ユニット11を介してほぼ水平に支持されており(なお、紙面奥側の防振ユニットについては図示せず)、その中央部にはレチクルRに形成されたパターン像が通過する開口3aが形成されている。なお、レチクル定盤3の材料として金属やセラミックスを用いることができる。防振ユニット11は、内圧が調整可能なエアマウント12とボイスコイルモータ13とが段部8a上に直列に配置された構成になっている。これら防振ユニット11によって、ベースプレート10およびリアクションフレーム8を介してレチクル定盤3に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている(Gは重力加速度)。
【0030】
レチクル定盤3上には、レチクルステージ2が該レチクル定盤3に沿って2次元的に移動可能に支持されている。レチクルステージ2の底面には、複数のエアベアリング(エアパッド)14が固定されており、これらのエアベアリング14によってレチクルステージ2がレチクル定盤3上に数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上支持されている。また、レチクルステージ2の中央部には、レチクル定盤3の開口3aと連通し、レチクルRのパターン像が通過する開口2aが形成されている。
【0031】
レチクルステージ2について詳述すると、図2に示すように、レチクルステージ2は、レチクル定盤3上を一対のYリニアモータ15、15によってY軸方向に所定ストロークで駆動されるレチクル粗動ステージ16と、このレチクル粗動ステージ16上を一対のXボイスコイルモータ17Xと一対のYボイスコイルモータ17YとによってX、Y、θZ方向に微小駆動されるレチクル微動ステージ18とを備えた構成になっている(なお、図1では、これらを1つのステージとして図示している)。
【0032】
各Yリニアモータ15は、レチクル定盤3上に非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エアパッド)19によって浮上支持されY軸方向に延びる固定子20と、この固定子20に対応して設けられ、連結部材22を介してレチクル粗動ステージ16に固定された可動子21とから構成されている。このため、運動量保存の法則により、レチクル粗動ステージ16の+Y方向の移動に応じて、固定子20は−Y方向に移動する。この固定子20の移動によりレチクル粗動ステージ16の移動に伴う反力を相殺するとともに、重心位置の変化を防ぐことができる。
【0033】
なお、固定子20は、レチクル定盤3上に代えて、リアクションフレーム8に設けてもよい。固定子20をリアクションフレーム8に設ける場合には、エアベアリング19を省略し、固定子20をリアクションフレーム8に固定して、レチクル粗動ステージ16の移動により固定子20に作用する反力をリアクションフレーム8を介して床に逃がしてもよい。
【0034】
レチクル粗動ステージ16は、レチクル定盤3の中央部に形成された上部突出部3bの上面に固定されY軸方向に延びる一対のYガイド51、51によってY軸方向に案内されるようになっている。また、レチクル粗動ステージ16は、これらYガイド51、51に対して不図示のエアベアリングによって非接触で支持されている。
【0035】
レチクル微動ステージ18には、不図示のバキュームチャックを介してレチクルRが吸着保持されるようになっている。レチクル微動ステージ18の−Y方向の端部には、コーナキューブからなる一対のY移動鏡52a、52bが固定され、また、レチクル微動ステージ18の+X方向の端部には、Y軸方向に延びる平面ミラーからなるX移動鏡53が固定されている。そして、これら移動鏡52a、52b、53に対して測長ビームを照射する3つのレーザ干渉計(いずれも不図示)が各移動鏡との距離を計測することにより、レチクルステージ2のX、Y、θZ(Z軸回りの回転)方向の位置が高精度に計測される。なお、レチクル微動ステージ18の材質として金属やコージェライトまたはSiCからなるセラミックスを用いることができる。
【0036】
図1に戻り、投影光学系PLとして、ここでは物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や蛍石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)からなる1/4(または1/5)縮小倍率の屈折光学系が使用されている。このため、レチクルRに照明光が照射されると、レチクルR上の回路パターンのうち、照明光で照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その回路パターンの部分倒立像が投影光学系PLの像面側の円形視野の中央にスリット状に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW上の複数のショット領域のうち、1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
【0037】
投影光学系PLの鏡筒部の外周には、該鏡筒部に一体化されたフランジ23が設けられている。そして、投影光学系PLは、リアクションフレーム8の段部8bに防振ユニット24を介してほぼ水平に支持された鋳物等で構成された鏡筒定盤25に、光軸方向をZ方向として上方から挿入されるとともに、フランジ23が係合している。なお、鏡筒定盤25として、高剛性・低熱膨張のセラミックス材を用いてもよい。
【0038】
フランジ23の素材としては、低熱膨張の材質、例えばインバー(Inver;ニッケル36%、マンガン0.25%、および微量の炭素と他の元素を含む鉄からなる低膨張の合金)が用いられている。このフランジ23は、投影光学系PLを鏡筒定盤25に対して点と面とV溝とを介して3点で支持する、いわゆるキネマティック支持マウントを構成している。このようなキネマティック支持構造を採用すると、投影光学系PLの鏡筒定盤25に対する組み付けが容易で、しかも組み付け後の鏡筒定盤25および投影光学系PLの振動、温度変化等に起因する応力を最も効果的に軽減できるという利点がある。
【0039】
防振ユニット24は、鏡筒定盤25の各コーナーに配置され(なお、紙面奥側の防振ユニットについては図示せず)、内圧が調整可能なエアマウント26とボイスコイルモータ27とが段部8b上に直列に配置された構成になっている。これら防振ユニット24によって、ベースプレート10およびリアクションフレーム8を介して鏡筒定盤25(ひいては投影光学系PL)に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている。
【0040】
ステージ装置7は、図1から明らかなように、ステージ装置4と投影光学系PLとから分離してベースプレート10上に設けられている。ステージ装置7は、ウエハステージ5、このウエハステージ5をXY平面に沿った2次元方向に移動可能に支持するウエハ定盤6、ウエハステージ5と一体的に設けられウエハWを吸着保持する試料台ST、これらウエハステージ5および試料台STを相対移動自在に支持するXガイドバーXGを主体に構成されている。ウエハステージ5の底面には、非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エアパッド)28が固定されており、これらのエアベアリング28によってウエハステージ5がウエハ定盤6上に、例えば数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上支持されている。
【0041】
ウエハ定盤6は、ベースプレート10の上方に、防振ユニット29を介してほぼ水平に支持されている。防振ユニット29は、ウエハ定盤6の各コーナーに配置され(なお、紙面奥側の防振ユニットについては図示せず)、内圧が調整可能なエアマウント30とウエハ定盤6に対して推力を付与するボイスコイルモータ31とがベースプレート10上に並列に配置された構成になっている。これら防振ユニット29によって、ベースプレート10を介してウエハ定盤6に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている。
【0042】
図3に示すように、XガイドバーXGは、X方向に沿った長尺形状を呈しており、その長さ方向両端には電機子ユニットからなる可動子36,36がそれぞれ設けられている。これらの可動子36,36に対応する磁石ユニットを有する固定子37,37は、ベースプレート10に突設された支持部32、32に設けられている(図1参照、なお図1では可動子36および固定子37を簡略して図示している)。そして、これら可動子36および固定子37によってムービングコイル型のリニアモータ33、33が構成されており、可動子36が固定子37との間の電磁気的相互作用により駆動されることで、XガイドバーXGはY方向に移動するとともに、リニアモータ33、33の駆動を調整することでθZ方向に回転移動する。すなわち、このリニアモータ33によってXガイドバーXGとほぼ一体的にウエハステージ5(および試料台ST、以下単にウエハステージ5と称する)がY方向およびθZ方向に駆動されるようになっている。なお、ウエハステージ5は、Y方向の移動にはガイド部材を有さないガイドレスステージとなっているが、ウエハステージ5のX方向の移動に関しても適宜ガイドレスステージとすることができる。
【0043】
ウエハステージ5は、XガイドバーXGとの間にZ方向に所定量のギャップを維持する磁石およびアクチュエータからなる磁気ガイドを介して、XガイドバーXGにX方向に相対移動自在に非接触で支持・保持されている。また、ウエハステージ5は、XガイドバーXGに埋設された固定子35aを有するXリニアモータ35による電磁気的相互作用によりX方向に駆動される。なお、Xリニアモータの可動子は図示していないが、ウエハステージ5に取り付けられている。
【0044】
ウエハステージ5の上面には、ウエハホルダ41を介してウエハWが真空吸着等によって固定される(図1参照、図3では図示略)。また、ウエハステージ5のX方向の位置は、投影光学系PLの鏡筒下端に固定された参照鏡42を基準として、ウエハステージ5の一部に固定された移動鏡43の位置変化を計測するレーザ干渉計44によって所定の分解能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイムに計測される。なお、上記参照鏡42、移動鏡43、レーザ干渉計44とほぼ直交するように配置された不図示の参照鏡、レーザ干渉計および移動鏡によってウエハステージ5のY方向の位置が計測される。なお、これらレーザ干渉計の中、少なくとも一方は、測長軸を2軸以上有する多軸干渉計であり、これらレーザ干渉計の計測値に基づいてウエハステージ5(ひいてはウエハW)のXY位置のみならず、θ回転量あるいはこれらに加え、レベリング量をも求めることができるようになっている。
【0045】
また、図4に示すように、XガイドバーXGの−X方向側には、ボイスコイルモータで構成されたXトリムモータ(リニアモータ)34の可動子(一方の部材)34aが取り付けられている。Xトリムモータ34は、Xリニアモータ35の固定子としてのXガイドバーXGとリアクションフレーム8との間に介装されており、間隔をあけて配置された一対の磁石61、61を有する固定子34bはリアクションフレーム8に設けられている。このため、ウエハステージ5をX方向に駆動する際の反力は、Xトリムモータ34によりリアクションフレーム8に伝達され、さらにリアクションフレーム8を介してベースプレート10に伝達される。なお、実際にはXトリムモータ34は、リニアモータ33を挟んだZ方向両側に配置されているが、図1、図3では便宜上+Z側のXトリムモータ34のみ図示している。
【0046】
可動子34aは、XガイドバーXGにZ方向に沿って取り付けられる基盤67と、図5(a)に示すように、基端部63aを基盤67に締結固定され当該基盤67からXY平面に沿って−X方向に突設されたモールドコイル(コイル体)63と、モールドコイル63の周囲を囲みモールドコイル63との間に冷却媒体を流動させるための流路66を形成するキャン(収容部材)65と、モールドコイル63の位置を調整すると共に、モールドコイル63を所定の位置に配置するスペーサ(調整部材)73から概略構成されている。
【0047】
キャン65は、両端部においてパッキン等のシール部材68を介して取付ネジ等の締結部材69(図4参照)により基盤67に締結固定されている。モールドコイル63は、図6に示す平面視0字状のコイル70と、コイル70を固めて成型するエポキシ樹脂等の合成樹脂で構成されるモールド体71とから構成されており、基端部63aにおいて冷却媒体の漏洩を防ぐシール部材72、72を介在させてキャン65と当接状態で締結されている。
なお、図6に示す通り本実施の形態においては、モールドコイル63(コイル70)の巻回軸は、Z軸と平行になっている。
【0048】
モールドコイル63表面には、コイル70の中心部及び外周部に対して、片面当り8個、両面合計16個のスペーサ73が設けられている(ただし、図6においては片面に8個設けられたスペーサ73が代表的に示されている)。当該スペーサ73は、直径約1mmの円錐状で形成され、図5(a)のB部を拡大した図5(b)に示すように、モールドコイル63のZ方向(モールドコイル63の巻回軸と平行な方向)の位置がキャン65の中心位置となるように調整する。
【0049】
モールドコイル63の位置の調整方法は、次の手順によって行われる。
スペーサ73が配置される部分において、キャン65の外寸法Houtを実測し、外寸法Houtからキャン65の板厚tcを差し引いた値、即ち、Hout−2tcによってキャン65の内寸法Hinを算出する。内寸法Hinからモールドコイル63の外寸法tmを差し引いて2で割った値、即ち、(Hin−tm)/2によってスペーサ73の高さCa、Cb(Ca=Cb)が算出される。高さCa、Cbに基づいて、スペーサ73を作成し、モールドコイル63の表面に設け、モールドコイル63をキャン65内部に配置し、モールドコイル63のZ方向の位置が上述のように設定される。
【0050】
スペーサ73の作成においては、板厚が異なるブロックを用意し、例えば、0.5mm厚、0.1mm厚、0.05mm厚、等の種種の板厚のブロックを用意し、これらを積み重ねてスペーサの73の高さが設定される。例えば、0.75mmのスペーサが必要な場合には、0.5mmのブロックを1個と、0.1mmのブロックを2個と、0.05mmのブロックを1個と、を積み重ねて形成する。従って、所望の高さのスペーサが容易に形成される。
【0051】
また、可動子34aには、冷却媒体を供給・排出するための配管75(図4参照;この図では供給側のみ図示)がY方向両端側に接続されている。そして、配管75を介して供給・排出される冷却媒体の流入口76及び流出口77は、いずれも流路66に臨ませて形成されている。また、流入口76及び流出口77を通じて供給、排出される冷却媒体は、不図示の温調機により温度及び流量を調整されて、可動子34aに供給される。なお、冷却媒体としては、HFE(ハイドロ・フルオロ・エーテル)やフロリナートを用いることが可能だが、本実施の形態では地球温暖化係数が低く、オゾン破壊係数がゼロであるため、地球環境保護の観点からHFEを用いている。
【0052】
図1に戻り、投影光学系PLのフランジ23には、異なる3カ所に3つのレーザ干渉計45が、ウエハ定盤6とのZ方向の相対位置を検出するための検出装置として固定されている(ただし、図1においてはこれらのレーザ干渉計のうち1つが代表的に示されている)。各レーザ干渉計45に対向する鏡筒定盤25の部分には、開口25aがそれぞれ形成されており、これらの開口25aを介して各レーザ干渉計45からZ方向のレーザビーム(測長ビーム)がウエハ定盤6に向けて照射される。ウエハ定盤6の上面の各測長ビームの対向位置には、反射面がそれぞれ形成されている。このため、上記3つのレーザ干渉計45によってウエハ定盤6の異なる3点のZ位置がフランジ23を基準としてそれぞれ計測される(図1においては、測長ビームがウエハステージ5の手前を通過する状態を示している)。なお、ウエハステージ5の上面に反射面を形成して、この反射面上の異なる3点のZ方向位置を投影光学系PLまたはフランジ23を基準として計測する干渉計を設けてもよい。
【0053】
次に、上記のように構成された露光装置の中、まずステージ装置7の動作について説明する。
リニアモータ33、35の駆動によりウエハステージ5が移動した際には、レーザ干渉計44等の計測値に基づいて、ウエハステージ5の移動に伴う重心の変化による影響をキャンセルするカウンターフォースを防振ユニット29に対してフィードフォワードで与え、この力を発生するようにエアマウント30およびボイスコイルモータ31を駆動する。また、ウエハステージ5とウエハ定盤6との摩擦が零でない等の理由で、ウエハ定盤6の6自由度方向の微少な振動が残留した場合にも、上記残留振動を除去すべく、エアマウント30およびボイスコイルモータ31をフィードバック制御する。
【0054】
そして、ウエハステージ5のX方向の移動に伴う反力は、Xトリムモータ34を介してリアクションフレーム8に伝達される。このとき、Xトリムモータ34では、上記反力に相当する推力を出力するために可動子34aのコイル70に通電されることでコイル70を介してモールドコイル63が発熱する。モールドコイル63で生じた熱は、流入口76から流入して流路66(66a、66b)を流動する冷却媒体によって吸収(吸熱)され、冷却媒体が流出口77から流出することで排熱されるが、その一部は冷却媒体を介してキャン65に伝熱される。
【0055】
ここで、スペーサ73によってモールドコイル63のZ方向の位置がキャン65の中心位置に設定されており、流路66a、66bの流路幅は等しく、冷却媒体はキャン65内を均一な流速で流動する。従って、冷却媒体は、モールドコイル63で発生した熱を一様に吸熱し、キャン65の表面温度分布を均一にできる。
【0056】
続いて、露光装置1における露光動作について説明する。
ここでは、予め、ウエハW上のショット領域を適正露光量(目標露光量)で走査露光するための各種の露光条件が設定されているものとする。そして、いずれも不図示のレチクル顕微鏡およびオフアクシス・アライメントセンサ等を用いたレチクルアライメント、ベースライン計測等の準備作業が行われ、その後アライメントセンサを用いたウエハWのファインアライメント(EGA;エンハンスト・グローバル・アライメント等)が終了し、ウエハW上の複数のショット領域の配列座標が求められる。
【0057】
このようにして、ウエハWの露光のための準備動作が完了すると、アライメント結果に基づいてレーザ干渉計44の計測値をモニタしつつ、リニアモータ33、35を制御してウエハWの第1ショットの露光のための走査開始位置にウエハステージ5を移動する。そして、リニアモータ15、33を介してレチクルステージ2とウエハステージ5とのY方向の走査を開始し、両ステージ2、5がそれぞれの目標走査速度に達すると、照明光学系IUからの露光用照明光により、レチクルR上の所定の矩形状の照明領域が均一な照度で照明される。この照明領域に対してレチクルRがY方向に走査されるのに同期して、この照明領域と投影光学系PLに関して共役な露光領域に対してウエハWを走査する。
【0058】
そして、レチクルRのパターン領域を透過した照明光が投影光学系PLにより1/5倍あるいは1/4倍に縮小され、レジストが塗布されたウエハW上に照射される。そして、ウエハW上の露光領域には、レチクルRのパターンが逐次転写され、1回の走査でレチクルR上のパターン領域の全面がウエハW上のショット領域に転写される。この走査露光時には、レチクルステージ2のY方向の移動速度と、ウエハステージ5のY方向の移動速度とが投影光学系PLの投影倍率(1/5倍あるいは1/4倍)に応じた速度比に維持されるように、リニアモータ15、33を介してレチクルステージ2およびウエハステージ5が同期制御される。
【0059】
レチクルステージ2の走査方向の加減速時の反力は、固定子20の移動により吸収され、ステージ装置4における重心の位置がY方向において実質的に固定される。また、レチクルステージ2と固定子20とレチクル定盤3との3者間の摩擦が零でなかったり、レチクルステージ2と固定子20との移動方向が僅かに異なる等の理由で、レチクル定盤3の6自由度方向の微少な振動が残留した場合には、上記残留振動を除去すべく、エアマウント12およびボイスコイルモータ13をフィードバック制御する。また、鏡筒定盤25においては、レチクルステージ2、ウエハステージ5の移動による微振動が発生しても、6自由度方向の振動を求め、エアマウント26およびボイスコイルモータ27をフィードバック制御することによりこの微振動をキャンセルして、鏡筒定盤25を定常的に安定した位置に維持することができる。
【0060】
以上のように、本実施の形態では、スペーサ73によってモールドコイル63のZ方向の位置がキャン65の中心位置となるように調整され、流路66a、66bの流路幅は等しく設定され、冷却媒体がキャン65内を均一な流速で流動し、キャン65の表面温度分布を容易に均一化できる。その結果、温度分布の不均一に起因するキャン65の平均温度上昇を抑制することができ、温度上昇により空気揺らぎが生じて干渉計の計測精度が低下することを防止できる。
【0061】
なお、本実施の形態では、モールドコイル63のZ方向の位置がキャン65の中心位置となるようにスペーサ73の高さが設定されているが、スペーサ73に代わってモールドコイル63に予め突起部を形成し、当該突起部が好適な高さとなるように適宜削り、モールドコイル63の位置を調整してもよい。また、スペーサ73は片面当り8個設けているが、数に限定することなく、好適な数で設けてよい。
【0062】
図7は、本発明の第2の実施形態を示す図である。
この図において、図1から図6に示す第1の実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第1の実施形態では、スペーサ73によってモールドコイル63のZ方向の位置がキャン65の中心位置となるように調整されているが、第2の実施形態では、モールドコイル63内部においてコイル70が偏っている場合に、流路66a、66bの流路幅のバランスを調整している。
【0063】
即ち、図7に示すように、モールドコイル63においては、その内部でコイル70が流路66b側に偏って配置され、予め凹部hf、hgが設けられており、凹部hf、hgを用いて、モールドコイル63の表面63f及び裏面63gからコイル70までのそれぞれの深さdf、dgが測定される。
【0064】
モールドコイル63の表面63f及び裏面63gには、高さ調整が可能なスペーサ74a、74bが設けられており、凹部hf、hgの深さdf、dgの実測値に基づいて、モールドコイル63のZ方向の位置が所定に位置に調整される。また、スペーサ74a、74bは、凹部hf、hgに嵌入固定され、冷却媒体のコイル70内への侵入が防止され、電気的絶縁性が確保されている。
ここで、例えばコイル70がモールドコイル63の内部で下方に偏っている場合には、深さdf、dgはdf>dgであることから、スペーサ74a、74bは、高さCa<Cbとなるように調整されている。
【0065】
上記の構成において、コイル70から一様に発生した熱は、モールド体71を伝達し、モールドコイル63の表面63f及び裏面63gの表面温度が上昇する。深さdf、dgは、df>dgであることから、表面63fよりも表面63gの表面温度が高くなる。ここで、高さCa、Cbのスペーサ74a、74bによって、モールドコイル63のZ方向の位置が調整されていることから、流路66aより流路66bの冷却媒体の流速が大きくなる。表面63fは流路66aを流れる冷却媒体によって冷却され、表面63gは流路66bを流れる冷却媒体によって冷却される。従って、流路66a、66bの流路幅のバランスを調整することが可能になり、キャン65の表面温度分布を均一にできる。
【0066】
なお、上記第2の実施形態では、スペーサ74a、74bが凹部hf、hgに嵌入固定されているが、スペーサ74a、74bと凹部hf、hgとの間に絶縁テープを設けてもよい。この場合、冷却媒体とコイル70との間の電気的絶縁性を向上させることができる。
また、上記実施の形態ではモールドコイル63及びキャン65の外形寸法、あるいはモールドコイル63内のコイル70の位置からスペーサ73の厚さを決定し、流路66a、66bの流路幅を所定の値に設定することによりキャン65の表面温度分布の均一化を図ったが、これとは逆に、キャン65の表面温度分布を測定し、該温度分布に基づいてスペーサ73の厚さを決定してもよい。具体的には、モールドコイル63に通電した時のキャン65の表面温度を複数の温度センサで2次元的に計測して温度分布を求め、高温部分の近傍にあるスペーサ73の厚さを増し、低温部分の近傍にあるスペーサ73の厚さを減ずることによりキャン65の表面温度分布を均一に調整することができる。
また、スペーサ73の厚さは、リニアモータの発生する推力分布を計測し、これに基づいて決定してもよい。具体的には、リニアモータが発生する推力を該リニアモータのストローク内で逐次計測し、推力が変化する部分近傍のスペーサ73の厚さを増加または減少させればよい。
【0067】
また、上記実施の形態では、ウエハステージ5の移動に伴う反力を伝達するためのXトリムモータ34に本発明のリニアモータを適用する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばウエハステージ5を走査方向に駆動するためのリニアモータ33にも適用可能である。さらに、本発明のリニアモータ及びステージ装置をウエハステージ側に適用したが、レチクルステージ2に対しても適用可能である。また、本発明のリニアモータは、上記実施の形態で採用したムービングコイル型に限られず、ムービングマグネット型にも適用可能である。そして、上記実施の形態では、本発明のステージ装置を露光装置におけるウエハステージに適用した構成としたが、露光装置以外にも転写マスクの描画装置、マスクパターンの位置座標測定装置等の精密測定機器にも適用可能である。
【0068】
なお、本実施の形態の基板としては、半導体デバイス用の半導体ウエハWのみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0069】
露光装置1としては、レチクルRとウエハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)にも適用することができる。
【0070】
露光装置1の種類としては、ウエハWに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクルなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0071】
また、露光用照明光の光源として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.7nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線を用いる場合は、レチクルRを用いる構成としてもよいし、レチクルRを用いずに直接ウエハ上にパターンを形成する構成としてもよい。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高周波などを用いてもよい。
【0072】
投影光学系PLの倍率は、縮小系のみならず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系PLを用いることなく、レチクルRとウエハWとを密接させてレチクルRのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用可能である。
【0073】
ウエハステージ5やレチクルステージ2にリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージ2、5は、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0074】
各ステージ2、5の駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージ2、5を駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージ2、5に接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージ2、5の移動面側(ベース)に設ければよい。
【0075】
以上のように、本願実施形態の露光装置1は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0076】
半導体デバイスは、図8に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、シリコン材料からウエハを製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置1によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明ではコイル体と収容部材の精度に関わらず、収容部材の表面温度分布を容易に均一化できるとともに、揺らぎによる計測精度の低下を防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の概略構成図である。
【図2】同露光装置を構成するレチクルステージの外観斜視図である。
【図3】同露光装置を構成するウエハ側ステージ装置の外観斜視図である。
【図4】ウエハステージを構成するXトリムモータの概略構成図である。
【図5】Xトリムモータを構成する可動子の断面斜視図である。
【図6】同可動子の平面図である。
【図7】第2の実施形態の可動子の部分断面図である。
【図8】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【図9】従来技術によるリニアモータの一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
R レチクル(マスク)
W ウエハ(基板)
1 露光装置
2 レチクルステージ(マスクステージ)
5 ウエハステージ(基板ステージ、ステージ)
7 ステージ装置
34 Xトリムモータ(リニアモータ、駆動手段)
34a 可動子(一方の部材)
63 モールドコイル(コイル体)
65 キャン(収容部材)
66 流路
70 コイル
71 モールド体
73 スペーサ
74a、74b スペーサ
Claims (15)
- コイル体と、前記コイル体を内部に収容する収容部材とを備えたリニアモータにおいて、
前記収容部材と前記コイル体との間に配置され、前記収容部材内部における前記コイル体の巻回軸と平行な方向の前記コイル体の位置を調整する調整部材を有することを特徴とするリニアモータ。 - 前記収容部材は、互いに対向する2つの平面を有し、
前記コイル体は前記巻回軸と垂直な面を有する平板状であって前記2平面の間に前記2平面と対向するように収容され、
前記調整部材は、前記収容部材の2つの平面と対向する前記コイル体のそれぞれの面に設けられることを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。 - 前記コイル体はコイルと該コイルを固めて成型するモールド体とからなり、
前記調整部材の前記巻回軸と平行な方向の厚さは、前記モールド体内部における前記巻回軸と平行な方向の前記コイルの位置に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載のリニアモータ。 - 前記コイル体は、前記モールド体の一部において前記コイル表面を露出させる前記モールド体に形成された凹部を有することを特徴とする請求項3に記載のリニアモータ。
- 前記調整部材の前記巻回軸と平行な方向の厚さは、前記収容部材の温度分布に基づいて決定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリニアモータ。
- 前記調整部材の前記巻回軸と平行な方向の厚さは、前記リニアモータの発生する推力分布に基づいて決定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリニアモータ。
- 前記調整部材は前記コイル体と一体に成型されていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれかに記載のリニアモータ。
- 前記収容部材と前記コイル体との間の空間にコイル冷却用媒体を供給する供給口を有することを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれかに記載のリニアモータ。
- コイル体と、前記コイル体を内部に収容する収容部材とを備えたリニアモータ製造方法において、
前記収容部材の内部空間における前記コイル体の巻回軸と平行な方向の前記コイル体の位置を調整することを特徴とするリニアモータ製造方法。 - 前記位置の調整は、前記収容部材の温度分布に基づいて行なわれることを特徴とする請求項9に記載のリニアモータ製造方法。
- 前記位置の調整は、前記リニアモータの発生する推力分布に基づいて行われることを特徴とする請求項9に記載のリニアモータ製造方法。
- 平板状の前記コイル体を、互いに対向する2つの平面を有する前記収容部材の前記2つの平面の間に、前記2平面と対向するように収容するリニアモータの製造方法において、
前記コイル体の位置の調整は、前記収容部材の前記2つの平面間の間隔と、前記コイル体の前記巻回軸と平行な方向の厚さとに基づいて行なわれることを特徴とする請求項9に記載のリニアモータ製造方法。 - 前記コイル体は、コイルと該コイルを固めて成型するモールド体とからなり、
前記位置の調整は、前記収容部材の前記2平面間の間隔と、前記巻回軸と平行な方向における前記コイル体の厚さと、前記巻回軸と平行な方向における前記モールド体内部での前記コイルの位置とに基づいて行なわれることを特徴とする請求項12に記載のリニアモータ製造方法。 - 平面内を移動可能なステージと、前記ステージを駆動する駆動手段とからなるステージ装置において、
前記駆動手段は、請求項1から請求項8のうちいずれか一つに記載されたリニアモータであることを特徴とするステージ装置。 - マスクステージに保持されたマスクのパターンを基板ステージに保持された基板に露光する露光装置において、
前記マスクステージと前記基板ステージとのうち少なくともいずれか一方のステージとして、請求項14に記載されたステージ装置が用いられることを特徴とする露光装置。
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