JP2004174932A - 凹版シリンダ作製方法及びグラビア凹版印刷方法並びにその印刷物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】凹版画線「凹部のこと。」(5)を形成する領域内に特定個数のセルが一部重なり合うように構成されたセル集合体(7)を複数配列し、前記複数のセル集合体(7)は、一つのセルの径と同等或いはそれ以下の間隔で前記複数のセル集合体(7)同士が接しない程度に一定の間隔を有して、前記凹版画線(5)を形成する領域内に前記複数のセル集合体(7)を配列し、前記凹版画線の輪郭部(8a、8b)に、単発のレーザ照射によって複数のセル(8A、8B)を形成し、前記凹版画線の輪郭部(8a、8b)を形成し、前記凹版画線(5)を形成することを特徴とする凹版シリンダ作製方法。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ彫刻法を用いた凹版シリンダの作製方法、レーザ彫刻法によって作製したグラビアシリンダ及び凹版シリンダを用いて印刷されるグラビア凹版印刷方法並びにその印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
グラビア印刷物に凹版印刷を重ね刷りする印刷物は、一般に他の印刷物と比較して階調表現が豊富で力強い印刷物が得られるので、格調の高い切手、写真画像を含んだ高品質の写真集、偽造防止効果を有する貴重印刷物等に適用されている。
【0003】
グラビア印刷物に凹版印刷を重ね刷りする印刷物は、グラビア印刷ユニットによって下地にグラビアで印刷する絵柄を印刷し、凹版印刷ユニットで、グラビア印刷した絵柄の強調部、シャドウ部を印刷している。よって、このような印刷物を作製するためにはグラビアシリンダと凹版シリンダが必要となる。
【0004】
グラビア印刷は、細かい凹状の窪み形状であるセル内に詰められたインキの量によって濃淡を表現する。製版方式によって、コンベンショナルグラビア、網グラビア、及び電子彫刻グラビアの三つに大別される。
【0005】
コンベンショナルグラビアは感光性を与えたカーボンチッシュに透明な交差線の白線スクリーンを焼き付け、次に連続階調透明ポジを焼き付け、このカーボンチッシュを版材(銅)に転写、温湯で現像してカーボンレジストを作り、塩化第二鉄の水溶液を作用させると、基画像の濃淡に比例したレジスト層の厚さに応じて腐食液が浸透して銅を腐食し、スクリーン目に仕切られた深浅の微細なセルができるので階調豊富な高品質の印刷ができる。
【0006】
網グラビアは基画像の濃淡に応じた網ポジを用いてセルを作るもので、版材に塗布した感光層に焼き付ける直接法(セルの深さがほぼ一定)と、カーボンチッシュを用いる間接法(セルの面積と深さが変化)とがある。間接法はコンベンショナル法と直接法の中間に位置する。
【0007】
電子彫刻グラビアは、透明ポジ又はネガを光点走査し、その電気信号により彫刻針(機械彫刻法)かレーザ(レーザ彫刻法)を用いて彫刻する方法で、前者を用いる方法は三次元形状が逆ピラミット状で断面形状がひし形のセルを彫刻し、各セルごとに断面面積と彫刻深度が異なる。これらの方法は中間感光材を必要とせず、迅速に安定したセルができる。特に、レーザ彫刻法は、腐食法で形成されるセル形状と類似しているため、階調再現性に優れ、インキを***するように印刷でき、また、セル形成過程で化学処理を伴わないため、調子再現性が均一で安定しているので機械彫刻法と腐食法の両方の長所を併せ持っている。このようなことから、グラビア印刷は電子彫刻グラビアが主流となってきている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−44363号公報(第1頁)
【0009】
一方、凹版印刷は、彫刻を施した凹版版面に凹版インキを塗布し、凹部形成領域に凹版インキが詰め込まれ、凹版版面の表面のインキを拭き取り凹部のインキのみを残し、紙の上から圧力を加えることによって紙が圧力で版面の凹部に少し押し込まれ、凹部のインキが紙の表面に盛り上がった状態で印刷される。このようにインキが盛り上がった状態で紙に印刷されることによって、芸術性が求められる印刷物や偽造防止が求められる印刷物に利用されている。
【0010】
凹版印刷画線を得るため凹部形成領域の作製法として、エンボスプレートの表面につけられた線条の形状の凹部を有するエンボスプレートで、特に鋼板凹版印刷版面の作製方法において、表面に複数の線で限定された少なくとも一部の領域が定められ、その領域の縁が所望の輪郭を定め、輪郭の内側に位置する工具軌道が所望の軌道及び彫版工具の食い込み深さを決定する所望深さから決定され、彫版工具が部分領域の材料が所望の輪郭の内側で既定の所望深さに除去されるように軌道に沿って制御されることを特徴とするエンボスプレートの作製方法が開示されている(特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献2】
特表2000−512231号公報(第2頁、第5図)
【0012】
しかしながら、上記記載の特表2000−512231号公報はプレート状の版面に形成するものであった。
【0013】
グラビア凹版印刷方式における凹版印刷ユニット上のシリンダは、転写法又は腐食法により凹版シリンダとなる凹部が形成される。
【0014】
転写法は、凹版印刷画線を得るための凹版シリンダを作製する方法である。つまり、凹版印刷画線に対応する平版の彫刻領域を凹状に彫刻し、その平版を熱処理(焼入れ)で硬化させて、それを鋼製シリンダに押圧して凹状に彫刻した部分を凸状に転写する。その後、その鋼製シリンダを焼入れ硬化させ、比較的柔らかい銅製シリンダにその鋼製シリンダを押圧し、凸状部分を凹状に転写して凹版シリンダを作製する方法である。本方法で得られた銅製の凹版シリンダは、印刷機の凹版印刷ユニットにそのままの状態で取り付けられ、シリンダ取り付け用の間隙がないことから、印圧が抜けることなく、安定した用紙張力で印刷できる。
【0015】
一方、腐食法は、ギャップレスシリンダの表面に凹版印刷画線を得るための凹部を形成する方法であり、この方法で作製したギャップレスシリンダを印刷機に直に取り付け凹版印刷するものである。この腐食法による製版方法として、例えば、電子製版機器などを用いて凹版印刷画線を得るための凹部を形成した後、フィルム出力機を用いて凹版印刷画線に対応する図柄を付加したポジフィルムを出力し、台紙を備えたカーボンチッシュの表面に密着した後、焼付機などで焼き付けると、光を透過したカーボンチッシュ部は硬化し、光を透過しないカーボンチッシュ部は硬化しない。次に、図柄が焼き付けられたカーボンチッシュの表面に白線スクリーンを密着して、焼付機の光によりスクリーン焼付を行う。これにより、未硬化領域のカーボンチッシュ部の一部にスクリーン形状の硬化部が形成できる。更に、カーボンチッシュに予め焼き付けられたスクリーン形状の硬化部の浮きを防止するため、絵柄とスクリーンが焼き付けられたカーボンチッシュに直接焼付機の光を照射し、該カーボンチッシュの未露光部分をすべて硬化させる。前記の方法で作製されたカーボンチッシュを反転し、例えば、銅製のギャップレスシリンダ表面に転写、温湯現像し、カーボンチッシュの台紙を剥離する。そして、このシリンダを腐食することで作製された凹版印刷画線を得るための凹部は、その凹部内に凸部を形成でき、この凸部は凹版印刷においてインキ止めの効果を得られる。
【0016】
よって、グラビア凹版印刷におけるグラビア印刷ユニットのシリンダはレーザ彫刻で作製され、凹版印刷ユニットのシリンダは転写法又は腐食法によって作製されている。
【0017】
しかしながら、転写法は、平版に彫刻した鋼板の焼入れと転写後の鋼製シリンダの焼入れによる2度の熱処理、及び転写が高圧下で行われることにより画線が伸縮する上に、転写の繰り返しで画線深度が浅くなるため画線再現性が悪く、更には高圧転写による転写元の平版の耐久性が低くなるという欠点がある。また、腐食法は、腐食ムラによる画線再現性にムラが発生する恐れがある。
【0018】
更に、グラビア印刷ユニットのシリンダはレーザ彫刻法で作製され、凹版印刷ユニットのシリンダは転写法又は腐食法によって作製されているため、印刷時において、シリンダ作製方式の違いによる刷り合わせ見当精度が悪いという問題がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、本発明は前述した問題点を解決することを目的としたもので、レーザ彫刻法によって、円柱形状又は半球形状の凹状の窪み形状であるセルで構成される凹版画線を形成する領域に、特定個数のセルの集合体及び複数の単独セルにより凹版シリンダに形成できることを見出した。また、レーザ彫刻法を用いてグラビアシリンダ及び凹版シリンダを作製することによって、刷り合わせの見当精度に問題がなく、図柄の再現性に優れ、ムラのない均一な図柄が形成できることで、グラビアの階調画像と凹版の図柄が一体化した多色刷グラビア凹版印刷物を得ることを見出した。本発明は、上記記載の凹版シリンダ作製方法及びグラビア凹版印刷方法並びにその印刷物を提案するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーザ照射によってシリンダに円柱形状又は半球形状の凹状の窪み形状であるセルで構成される凹版画線を形成する方法において、前記凹版画線を形成する領域内に特定個数のセルが一部重なり合うように構成されたセル集合体を複数配列し、前記複数のセル集合体は、一つのセルの径と同等或いはそれ以下の間隔で前記複数のセル集合体同士が接しない程度に一定の間隔を有して、前記凹版画線を形成する領域内に前記複数のセル集合体を配列し、前記凹版画線の輪郭部に、単発のレーザ照射によって複数のセルを形成し、前記複数のセルはそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように形成し、かつ、前記複数のセルと前記凹版画線の輪郭に近接する前記複数のセル集合体はそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように形成し、前記凹版画線の輪郭部を形成し、前記凹版画線を形成することを特徴とする凹版シリンダ作製方法である。
【0021】
また、本発明は、グラビア印刷及び凹版印刷を用いて、基材上に多色刷印刷がなされるグラビア凹版印刷方法において、前記多色刷印刷がなされる少なくとも1版のグラビアシリンダは、単発のレーザ照射によってシリンダに複数の円柱形状又は半球形状の凹状の窪み形状であるセルを形成し、グラビアシリンダを作製し、少なくとも1版の凹版シリンダは、凹版画線を形成する領域内にレーザ照射によって特定個数の円柱形状又は半球形状の凹状の窪み形状であるセルが一部重なり合うように構成されたセル集合体を複数配列し、前記複数のセル集合体は、一つのセルの径と同等或いはそれ以下の間隔で前記複数のセル集合体同士が接しない程度に一定の間隔を有して、前記凹部を形成する領域内に前記複数のセル集合体を配列し、前記凹版画線の輪郭部に、単発のレーザ照射によって複数のセルを形成し、前記複数のセルはそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように形成し、かつ、前記複数のセルと前記凹版画線の輪郭に近接する前記複数のセル集合体はそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように形成し、前記凹版画線の輪郭部を形成し、前記凹版画線を形成する凹版シリンダを作製し、前記少なくとも1版のグラビアシリンダによって基材に印刷した後、前記少なくとも1版の凹版シリンダによって、前記基材に重ね刷りすることを特徴とするグラビア凹版印刷方法である。
【0022】
また、本発明は、前記多色刷印刷がなされる少なくとも1版のグラビアシリンダは、基画像を色分解し作製され、前記少なくとも1版の凹版シリンダは、線画模様を形成し作製されることを特徴とするグラビア凹版印刷方法である。
【0023】
また、本発明は、グラビア印刷及び凹版印刷を用いて、基材上に多色刷印刷がなされるグラビア凹版印刷物において、前記多色刷印刷がなされる少なくとも1版のグラビアシリンダは、単発のレーザ照射によって複数の円柱形状又は半球形状の凹状の窪み形状であるセルを形成されており、少なくとも1版の凹版シリンダは、凹版画線を形成する領域内にレーザ照射によって特定個数の円柱形状又は半球形状の凹状の窪み形状であるセルが一部重なり合うように構成されたセル集合体を複数配列されており、前記複数のセル集合体は、一つのセルの径と同等或いはそれ以下の間隔で前記複数のセル集合体同士が接しない程度に一定の間隔を有して、前記凹部を形成する領域内に前記複数のセル集合体を配列されており、前記凹版画線の輪郭部に、単発のレーザ照射によって複数のセルを形成され、前記複数のセルはそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように形成し、かつ、前記複数のセルと前記凹版画線の輪郭に近接する前記複数のセル集合体はそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように形成され、前記凹版画線の輪郭部が形成されており、前記少なくとも1版のグラビアシリンダによって基材に印刷した後、前記少なくとも1版の凹版シリンダによって、前記基材に重ね刷りすることを特徴とするグラビア凹版印刷物である。
【0024】
また、本発明は、前記多色刷印刷がなされる少なくとも1版のグラビアシリンダは、基画像を色分解し形成され、前記少なくとも1版の凹版シリンダは、線画模様が形成されていることを特徴とするグラビア凹版印刷物である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る凹版シリンダ作製方法及びグラビア凹版印刷方法並びにその印刷物について図面を用いて説明する。また、本発明に係る凹版シリンダ作製方法及びグラビア凹版印刷方法並びにその印刷物は、本実施の形態に限定されるものではなく、本発明に係る特許請求の範囲に記載した技術事項の範囲内であれば、各種の態様を採用することができる。本発明に記載してあるシリンダに凹版画線を設けとは、凹版画線を印刷することではなく、凹部を形成することである。
【0026】
図1は基画像(1)を示す。図1に示した基画像(1)から4色に特色分解した階調画像を基に、レーザ彫刻法によりグラビアシリンダを作製する。グラビアシリンダの作製方法は、アルミニウムシリンダに硬質銅めっきを施し、その後硬質銅めっきシリンダに亜鉛めっきを施し、レーザ彫刻機(Laserstar:MDC社製)のYAGレーザのレーザ照射で複数のセルを彫刻する。彫刻セル形状としては、図2に示す円柱形状(2A)(コンベンショナル)、又は半球形状(3A)(ハーフオートティピカル)とする。階調画像については特に限定するものではないが、彫刻深度を約30μm程度にするのが好ましい。作製した4色のグラビアシリンダの図柄(4A、4B、4C、4D)については、図3に示す。
【0027】
次に、図1に示した基画像(1)から画像強調部である画像輪郭部分及びシャドウ部濃度が100パーセントに近い画像要素のみを抽出し、レーザ彫刻法により凹版シリンダを作製する。なお、画像強調部の抽出方法は、基画像となる図柄及び画像強調部を抽出する作業者の感覚によって印刷物の仕上がり状態が変わってくる。図4に示すように凹版画線「凹部のこと。」(5)は、レーザ照射によって形成される7つのセルが六角形状のセル集合体[マスタースクリーン(7)]を構成し、それを基本単位として、六角形状のマスタースクリーン(7)のそれぞれの短辺同士が一定の間隔を保ちながら規則的に配列する。なお、マスタースクリーン間の間隔は一つのセルの径と同じ幅か、又はそれより狭くマスタースクリーン同士が接しないように配列する。
【0028】
次に、凹版画線の輪郭部(8a)に単発のレーザ照射で複数のセル(8A)を形成し、その複数のセルはそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように配列することで、凹版印刷画線の境界部のギザギザ感を無くし、見た目の仕上がりを滑らかにする。また、複数のセル(8A)は、マスタースクリーン(7)とそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように配列する。なお、マスタースクリーンを構成するセル形状及び単発のレーザ照射で形成されるセル形状は円柱状のコンベンショナル(2A)又は半球状のハーフオートティピカル(3A)のいずれの形状でもよく、六角形状の7つのセルを基本単位としたマスタースクリーン(7)の他に9つのセルが正方形状を構成するマスタースクリーンを基本単位として作製してもよい。
【0029】
次に、凹版画線の輪郭部(8b)を、単発のレーザ照射による複数のセル(8B)で埋めるように形成し、その複数のセルはそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように配列し、また、複数のセル(8B)は、マスタースクリーン(7)とそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように配列する。マスタースクリーン(7)と8Bのセルで囲まれる部分はセルを形成しない非彫刻領域(8C)とする。該非彫刻領域(8C)は凹版印刷におけるインキ止めの効果をもたらす。なお、画線構成及び画線長については特に限定されるものではないが、該凹版画線(5)のセルの彫刻深度は、約60μm程度が好ましい。そして、彫刻後のシリンダを厚さ約10μmのクロムめっきで彫刻表面をコーティングする。なお、作製した凹版シリンダの凹版画像(9)については、図5に示す。
【0030】
図柄4A、4B、4C、4Dをそれぞれ個別のシリンダに彫刻して作製した4色のグラビアシリンダと、図柄Lを彫刻して作製した凹版シリンダをそれぞれ図6に示すグラビア凹版輪転印刷機(10)の第1グラビア印刷ユニット(11)に図柄4Aが彫刻されたシリンダ、第2グラビア印刷ユニット(12)に図柄4Bが彫刻されたシリンダ、第3グラビア印刷ユニット(13)に図柄4Cが彫刻されたシリンダ、及び第4グラビア印刷ユニット(14)に図柄4Dが彫刻されたシリンダを、凹版印刷ユニット(15)には図柄Lが彫刻されたシリンダを取り付ける。
【0031】
次に、グラビア凹版輪転印刷機(10)の第1グラビアユニット、第2グラビアユニット、第3グラビアユニット、第4グラビアユニット、及び5番目の凹版ユニットの順番に巻取紙を通し、第1〜4グラビア印刷ユニットに取り付けた4本のグラビアシリンダの図柄4A、4B、4C、4D各々の階調画像と凹版印刷ユニットに取り付けた凹版シリンダの図柄Lの画線が用紙の規定位置に印刷されるように調整し、第1〜第4グラビア印刷ユニットでグラビア印刷した後、凹版印刷ユニットで凹版を重ね刷し、図7に示すグラビア凹版印刷物(16)を得る。
【0032】
グラビアシリンダ及び凹版シリンダに形成される画像は特に限定されるものではなく、図柄、絵柄、文字、記号、数字を形成することができが、グラビアシリンダでは、基画像を色分解した図柄、絵柄、文字、記号、数字を形成し、凹版シリンダでは、基画像の強調部、輪郭部、シャドウ部等の画像強調部の図柄、絵柄、文字、記号、数字を形成することが好ましい。
【0033】
本発明のグラビア凹版印刷物に用いる基材は、紙、プラスチック等、特に限定されるものではない。
【0034】
グラビア印刷ユニット及び凹版印刷ユニットで用いるインキは特に限定されるものではないが、凹版印刷ユニットで印刷される凹版インキは、電子線硬化型、紫外線硬化型、酸化重合型、紫外線硬化型と酸化重合型の併用型等のインキが好ましい。
【0035】
上記記載では、グラビア印刷ユニットを第1ユニットから第4ユニットで基画像を特色分解したグラビアシリンダを用いているが、基画像をプロセス分解したグラビアシリンダを用いても良い。
【0036】
【発明の効果】
以上のことから、レーザ彫刻法によって、凹版画線を形成するための特定個数のセルの集合体及び複数の単独セルを短時間で容易に凹版シリンダに形成できる。レーザ彫刻法を用いてグラビアシリンダ及び凹版シリンダを作製することによって、刷り合わせの見当精度に問題がなく、画像再現性に優れ、ムラのない均一な図柄が形成できることで、グラビアの階調画像と凹版の図柄が一体化した多色刷グラビア凹版印刷物を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基画像の一例を示す図である。
【図2】本発明のレーザ照射で形成したセル形状を斜め上方から観察したもの、及びその断面模式図である。
【図3】本発明の基画像を特色分解して形成したグラビアシリンダに形成する画像の一例である。
【図4】本発明の凹版シリンダに形成する凹版画線「凹部のこと。」図柄の一部分の拡大図を示す図である。
【図5】本発明の基画像の強調部を抽出して形成した凹版シリンダの図柄の一例である。
【図6】本発明のグラビア凹版輪転印刷機の外観図を示す図である。
【図7】本発明の印刷物の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 基画像
2A、2B 円柱形状のセル(コンベンショナルセル)
3A、3B 半球形状のセル(ハーフオートティピカルセル)
4A、4B、4C、4D、L 図柄
5 凹版画線
7 7つのセルが六角形状に構成されたマスタースクリーン
8a 凹版画線の輪郭部
8b 凹版画線の輪郭部
8A、8B 単発のレーザ照射によるセル
8C マスタースクリーンと8Bのセルで囲われた非彫刻領域
9 凹版シリンダの凹版画像
10 グラビア凹版輪転印刷機
11 第1グラビア印刷ユニット
12 第2グラビア印刷ユニット
13 第3グラビア印刷ユニット
14 第4グラビア印刷ユニット
15 凹版印刷ユニット
16 グラビア凹版印刷物
Claims (5)
- レーザ照射によってシリンダに円柱形状又は半球形状の凹状の窪み形状であるセルで構成される凹版画線を形成する方法において、
前記凹版画線を形成する領域内に特定個数のセルが一部重なり合うように構成されたセル集合体を複数配列し、
前記複数のセル集合体は、一つのセルの径と同等或いはそれ以下の間隔で前記複数のセル集合体同士が接しない程度に一定の間隔を有して、前記凹版画線を形成する領域内に前記複数のセル集合体を配列し、
前記凹版画線の輪郭部に、単発のレーザ照射によって複数のセルを形成し、前記複数のセルはそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように形成し、かつ、前記複数のセルと前記凹版画線の輪郭に近接する前記複数のセル集合体はそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように形成し、前記凹版画線の輪郭部を形成し、
前記凹版画線を形成することを特徴とする凹版シリンダ作製方法。 - グラビア印刷及び凹版印刷を用いて、基材上に多色刷印刷がなされるグラビア凹版印刷方法において、
前記多色刷印刷がなされる少なくとも1版のグラビアシリンダは、単発のレーザ照射によってシリンダに複数の円柱形状又は半球形状の凹状の窪み形状であるセルを形成し、グラビアシリンダを作製し、
少なくとも1版の凹版シリンダは、凹版画線を形成する領域内にレーザ照射によって特定個数の円柱形状又は半球形状の凹状の窪み形状であるセルが一部重なり合うように構成されたセル集合体を複数配列し、
前記複数のセル集合体は、一つのセルの径と同等或いはそれ以下の間隔で前記複数のセル集合体同士が接しない程度に一定の間隔を有して、前記凹部を形成する領域内に前記複数のセル集合体を配列し、
前記凹版画線の輪郭部に、単発のレーザ照射によって複数のセルを形成し、前記複数のセルはそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように形成し、かつ、前記複数のセルと前記凹版画線の輪郭に近接する前記複数のセル集合体はそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように形成し、前記凹版画線の輪郭部を形成し、前記凹版画線を形成する凹版シリンダを作製し、
前記少なくとも1版のグラビアシリンダによって基材に印刷した後、前記少なくとも1版の凹版シリンダによって、前記基材に重ね刷りすることを特徴とするグラビア凹版印刷方法。 - 前記多色刷印刷がなされる少なくとも1版のグラビアシリンダは、基画像を色分解し作製され、前記少なくとも1版の凹版シリンダは、線画模様を形成し作製されることを特徴とする請求項2記載のグラビア凹版印刷方法。
- グラビア印刷及び凹版印刷を用いて、基材上に多色刷印刷がなされるグラビア凹版印刷物において、
前記多色刷印刷がなされる少なくとも1版のグラビアシリンダは、単発のレーザ照射によって複数の円柱形状又は半球形状の凹状の窪み形状であるセルを形成されており、
少なくとも1版の凹版シリンダは、凹版画線を形成する領域内にレーザ照射によって特定個数の円柱形状又は半球形状の凹状の窪み形状であるセルが一部重なり合うように構成されたセル集合体を複数配列されており、
前記複数のセル集合体は、一つのセルの径と同等或いはそれ以下の間隔で前記複数のセル集合体同士が接しない程度に一定の間隔を有して、前記凹部を形成する領域内に前記複数のセル集合体を配列されており、
前記凹版画線の輪郭部に、単発のレーザ照射によって複数のセルを形成され、前記複数のセルはそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように形成し、かつ、前記複数のセルと前記凹版画線の輪郭に近接する前記複数のセル集合体はそれぞれが接するか、又は一部重なり合うように形成され、前記凹版画線の輪郭部が形成されており、
前記少なくとも1版のグラビアシリンダによって基材に印刷した後、前記少なくとも1版の凹版シリンダによって、前記基材に重ね刷りすることを特徴とするグラビア凹版印刷物。 - 前記多色刷印刷がなされる少なくとも1版のグラビアシリンダは、基画像を色分解し形成され、前記少なくとも1版の凹版シリンダは、線画模様が形成されていることを特徴とする請求項4記載のグラビア凹版印刷物。
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