JPH0242070B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は板状若しくはリール状の紙の通貨、特
に、紙幣の印刷のための銅板機械に関する。

この機械は、一般的にいつて、一つのシリンダ
を備え、シリンダ上に少なくとも刻印した板を有
し、その板は主の図案要素に対応する凹版部と、
いわゆるセキユリテイのための地紋（以下簡明の
ため単に地紋と称する）要素に対応する、より浅
くてかつより微細な他の凹版部とを持つ。印刷機
は、更に、インプレツシヨンシリンダシリンダ及
び少なくとも一個のインクローラを有し、そのイ
ンク付けローラはインク付けユニツトによつてイ
ンク付けされかつ前記プレートシリンダに直接に
作用することによつて主図案要素に対応する凹版
部にインク付けが行われる。印刷機は、更に、プ
レートシリンダを拭うための装置並びに好ましく
は予備拭い装置及び地紋に対応する凹版部を幾つ
か（最低限２つ）の色でインク付けする他のイン
ク付け装置を持つ。

従来技術 あらゆる種類の紙幣の偽造に対するセキユリテ
イを保証するため、紙の通貨の生産するための銅
板技術の独占的な使用が図られた。即ち、銅板法
によつて製造することで紙幣に地紋を付すことが
できるが、地紋によつて紙幣の偽造の困難性が増
すからである。

本出願人は又仏国特許第1595894号で、主図案
に対応する深い凹版部をインク付けするための一
つ若しくは複数のインク付け装置と、地紋に対応
する微細な若しくは浅い凹版部をインク付けする
ための２つ若しくはそれ以上のインク付け装置よ
り成る多色刷り銅板印刷機を既に提案している。

しかしながら、この特定の装置の場合、地紋の
凹版部のインク付け装置は回転しつつ印刷板と表
面接触するステロ板を有する。またステロ板はキ
ヤリヤロールに調整可能に取りつけられ、見当合
わせが正確に設定できると共に、見当合わせの修
正もできるようになつている。しかしながら、こ
の機械は理論的には１回通しの銅板法による紙幣
の印刷を完全に行うことを可能とするが、ステロ
版の使用のために構造が極度に複雑化する。その
ため、適正な見当合せを行うのに長い時間を必要
とし、時間の無駄となり、手動にのみよつて行う
ことのできる操作が多く必要であり、紙幣中の欠
陥が発生し易くなる。

銅板法では印刷板は異なつた深さ（200から
250μにも達する。）にエツチングされ、セレクタ
インク付けローラは印刷板の表面に比較的大きな
力を加え、その結果、深さが変化する全ての凹版
部がインキによつて適当に充填され、同一色で希
望の色調の印刷を行うことができ、これにより銅
板法のユニークな仕上がり状態を得ることができ
る。そのため、印刷板に対して圧接されるインク
付けローラは、ローラから銅板にインクの伝達を
行うため、比較的軟らかい（約60度のシヨアー硬
度）かつ弾性のある物質、例えばゴム、プラスチ
ツク等でライニングする必要がある。その上この
インクローラは、所定の色のインクの表面若しく
はエツチングされる板の極めて限定された領域に
のみ伝達することができるものでなければならな
い。それ故に、その色で印刷されるべき領域の輪
郭に応じて切込まれた表面を持つローラが使用さ
れいる。その表面領域がインクを受けとるための
レリーフ領域となる。しかしながら、このインク
ローラの表面ライニングは比較的軟らかい物質で
作られ、一方、最も深い凹版部にまでインクを適
正に充填するためには銅板に対して比較的大きな
力を加えなければならないことを考えると、レリ
ーフ領域に相当する表面領域の微細程度に制限が
出てくる。レリーフ領域の微細度合に下限がある
ことは主図案に関しては一般的にいつて問題はな
い。それは、主図案が表す色領域は比較的深いか
らである。ところが、地紋を印刷するために弾性
インクローラの使用した場合に制限が出てくる。
即ち、ローラ上の極めて微細な凹版部領域はロー
ラ上に加わる力の程度として歪みを受け易く、印
刷物の最終的な品質が損なわれことになるからで
ある。地紋はそれが地紋としての価値を発揮する
ためには、極めて微細な線及び点をもつて構成せ
ねばならず、極めて微細な凹版部のインクローラ
によつて地紋を得ることが今日まで不可能であつ
たのはこの理由による。

この欠点を解消するため、出願人は仏国特許第
1259111号を提案しており、この特許では印刷す
べき色の数に等しい複数のインク付けユニツトを
持つたプレート担持シリンダが設けられ、各イン
ク付けユニツトは弾性材料の平面状表面のインク
付けローラを有し、そのローラはセレクタシリン
ダと協働し、これは所定の色に印刷とるべきそれ
に相当するレリーフ領域を持つ。

しかし、上述仏国特許に開示されたシステムは
紙幣の主図案を構成するプレート部に形成される
深い凹版部のインク付けは可能ではない。深いエ
ツチングの主図案と細くエツチングした多色刷り
の地紋を持つ紙幣を一回通しで印刷するのは困難
であつた。更に、種々のインク付けローラは作動
が複雑で、完全な見当合せは極めて困難であつ
た。

発明の要約 本発明の第１の目的は上記欠点を解消すること
のできる改良した印刷機を提供することにあり、
これは銅板法のみによつて、かつ一回通しだけで
働き、２色のエツチング地紋を持ち、かつ２色の
図案の見当が相互に合つているのみでなく、深く
エツチングされた主図案とも見当が合つている紙
幣の印刷をすることを可能とすることである。

この目的の達成のため、本発明の印刷機では、
地紋の要素に対応する凹版部にインク付けするた
めのインク付け装置は彫刻プレートと協働する円
滑な弾性表面を持つコレクタシリンダより成り、
このコレクタシリンダはプレートシリンダの回転
方向において、セレクタインク付けローラの前方
に有り、その周囲に異なつた色のための少なくと
も２つのカラーセレクタシリンダを有し、該カラ
ーセレクタシリンダは地紋の色付け領域に対応す
るレリーフ領域を形成しており、インク付け装置
は夫々のカラーセレクタシリンダに接続されてい
ることを特徴とする。

この機械の第１の特徴によれば硬い金属のセレ
クタシリンダ上で得られた異なつた色の領域の凹
版部間の見当を合わせることができ、この凹版部
は化学的エツチング若しくはレーザ作用で得ら
れ、かつシリンダは印刷プレートと完全に見当が
合つている。さらに、硬い材料がセレクタシリン
ダの表面の製造のため使用されていることから、
地紋要素の細かさの設定に限界がない。かくし
て、銅板法によつて紙幣の完壁な印刷が可能とな
り、これは主画面のみならず地紋についても同じ
である。地紋が微細なことによつて、偽造するの
が著しく困難な紙幣若しくは他の有価証巻類とし
ての印刷物をこの機械によつて得ることができ
る。

本発明の機械によれば、異なつた色の見当合わ
せが不要であることから紙幣を高速多量生産でき
る。即ち、セレクタローラ及び印刷板を適当に準
備し組み立てる限りはこれらは自動的に見当を合
わせることができるからである。その上、コレク
タシリンダにより完全に見当の合つた極くわずか
な色の重なりを得ることができる。

好適実施例の説明 図に示した機械はプレート担持シリンダ１を有
し、このシリンダ１はインプレツシヨンシリンダ
２と公知態様で協働する。種々のシリンダ及びロ
ーラの回転方向は図で矢印をもつて示す。プレー
ト担持シリンダ１はその外面に複数のエツチング
したプレート（版：図示せず）を有し、プレート
の表面に、可変寸法の比較的深い凹版部より成る
印刷すべき紙の主図案と、主図案を形成する凹版
部より浅い、極めて微細な線若しくは点を形成す
る極度に細い凹版部よりなる地紋との双方が彫刻
されている。

シリンダの回転方向において、プレート担持シ
リンダ１の外周の廻りに地紋像の色領域をこの地
紋を表す凹版部に伝達するための表面が円滑なコ
レクタシリンダ３が位置する。このコレクタシリ
ンダ３の作動態様及び他の特徴は後で説明され
る。コレクタシリンダ３に続いて、シリンダ１の
回転方向において、通常のセレクタインクローラ
４が配され、そのセレクタインクローラ４は弾性
表面を有し、かつ一つの色のインク付け装置９を
有し、主図案に相当する深い凹版部にインク付け
することができる。このインクローラ４は幾つか
のレリーフ領域に分割され、そのレリーフ領域は
印刷すべき表面の輪郭と正確に対応した輪郭を持
つ。通常のインクローラ４の次に予備拭い装置
５、それから拭い装置６があり、これらは双方と
も良く知られた型のものであり、表面を清掃する
と共にインクを凹版部に充填する役割をする。

前に説明した通り、コレクタシリンダ３は円滑
な表面を有し、かつゴム（若しくは他の弾性材
料）製のライニングを形成する。異なつた色の２
つの領域のため少なくとも２つの異なつた色がこ
のコレクタシリンダ３の表面に伝達され、コレク
タシリンダ３は異なつた色の多くのセレクタシリ
ンダ７と協働する。ここに説明した実施例では、
コレクタシリンダ３は、硬い表面、例えば硬化ゴ
ム、プラスチツク等又は金属でライニングした表
面を持つ３つのセレクタシリンダ７と協働する。
各セレクタシリンダ７は複数の部分に分割され、
その部分は対応した色で印刷すべき表面の輪郭と
正確に対応する輪郭を持つレリーフ領域を構成す
る。これらのレリーフ領域は如何なる公知手段、
例えば化学エツチング、レーザカツテング、及び
その他の適当な手段によつて得ることができる。
セレクタシリンダの表面は、要求されるデザイン
の微細度合に関する制限は受けないように、充分
固くなつている。そのため、極めて微細な線のみ
ならず点といつた今日まで達成できなかつた地紋
を得ることすら可能である。図では、これらレリ
ーフ領域の厚み及び高さはもちろん誇張して図示
してある。

各セレクタシリンダ７は、公知態様でインク付
け装置８と関連づけられる。インク付け装置は適
当な色インクピツクアツプ型分配ローラより成
る。

図に示した実施例では、セレクタインクローラ
の直径の比、セレクタシリンダ７、コレクタシリ
ンダ３、プレート担持シリンダ１の直径の比は
１：２：３であり、この場合、プレート担持シリ
ンダ１の表面上に規則正しい間隔で配された３つ
のプレートが設けられる。

地紋に対応する極めて微細な凹版部は極めて浅
いことから、コレクタシリンダ３によつてその凹
版部に対して加わる力は、主図案の相当する深い
力凹版部に対して通常のインクローラ４によつて
加えられる力より小さくなる。それ故、コレクタ
シリンダ３の表面が適度に弾力があり、円滑表面
の歪が生ぜず、その結果、図案は完全に見当が合
つた状態で伝達される。同様に、セレクタシリン
ダ７とコレクタシリンダ３との間で要される圧力
は単純接触程度で得ることができる極めて小さい
圧力であり、その結果、セレクタシリンダの表面
に形成される微細凹版部に歪が発生することを防
止できる。

区分けしたセレクタシリンダと印刷プレートと
の間で完全な芯出し（見当合わせ）を得るため、
次のような工程を付加することができる。まず、
未区分のセレクタシリンダが機械上に取付られ、
インク付けされ次いで拭われ、次に、その像がコ
レクタシリンダ３によりセレクタシリンダ７に伝
達され、そのめたプレートの像はこの未区分のシ
リンダ上に残留される。それから、セレクタシリ
ンダ７が機械から取り外され、このプレート像は
適当な公知の手段によつて表面を彫刻に利用され
る。凹版部を光機械工学的エツチングによつて得
るものとするのであれば、前記像と写真的取り付
けのための基準として使用することができる。も
し、凹版部がレーザを使用して得られるものであ
れば、プレート像はレーザ機械の調整用の基準と
して使用できる。その結果、切削加工をプレート
と見当が合つた正確な図案に倣つて行うことがで
きる。もちろん、他の色を表す他のセレクタシリ
ンダについても同一の操作を繰り返すことにな
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例である銅板機の概略図。 １…プレート担持シリンダ、２…インプレツシ
ヨンシリンダ、３…コレクタシリンダ、４…セレ
クタインクローラ、５…予備拭い装置、６…拭い
装置、７…セレクタシリンダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シート若しくはウエブ状の紙の通貨、特に紙
   幣の印刷のための直接プレート印刷機若しくは銅
   板印刷機であつて、主デザイン要素に対応する凹
   版部と、これより浅い、セキユリテイのための地
   紋要素に対応する微細な凹版部とを有する少なく
   とも一つの彫刻版を有したプレートシリンダと、
   インプレツシヨンシリンダと、主デザインに相当
   する凹版部にインク付けするため前記プレートシ
   リンダに直接に協働する主インク付け装置と、少
   なくとも一つのセレクタインク付けローラと、プ
   レート拭い装置と、予備拭い装置と、前記地紋に
   対応する凹版部に少なくとも２つの異なつた色で
   インク付けするための副インク付け装置とより成
   り、前記地紋要素に対応する凹版部にインク付け
   するための前記副インク付け装置は彫刻プレート
   と協働する円滑な弾性表面を持つコレクタシリン
   ダより成り、該コレクタシリンダはプレートシリ
   ンダの回転方向において、セレクタインク付けロ
   ーラの前方にあり、かつ該コレクタシリンダはそ
   の周囲に異なつた色のための少なくとも２つのカ
   ラーセレクタシリンダを有し、該カラーセレクタ
   シリンダは地紋の色領域に対応したレリーフ領域
   を形成しており、前記副インク付け装置は夫々の
   カラーセレクタシリンダに接続されている印刷
   機。