JP2004169206A - 制菌性ポリエステル繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な風合いを有し、アルカリ減量・摩擦高耐久性制菌性ポリエステル繊維を提供する。
【解決手段】エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリエチレンテレフタレートであるポリエステル成分(A)と金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を含有するブチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリブチレンテレフタレートである制菌性ポリエステル成分(B)とが、複合比率(A/B)95/5〜10/90でブレンドされており、かつ金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を繊維内重量比率で0.5〜5.0重量%含有して、残留伸度が30〜200%であることを特徴とする制菌性ポリエステル繊維によって達成することが出来る。
【選択図】なし
【解決手段】エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリエチレンテレフタレートであるポリエステル成分(A)と金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を含有するブチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリブチレンテレフタレートである制菌性ポリエステル成分(B)とが、複合比率(A/B)95/5〜10/90でブレンドされており、かつ金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を繊維内重量比率で0.5〜5.0重量%含有して、残留伸度が30〜200%であることを特徴とする制菌性ポリエステル繊維によって達成することが出来る。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルカリ減量や糸加工時の摩擦等における金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子の脱落を抑制し、かつポリエチレンテレフタレートの質感に加え、ポリブチレンテレフタレート特有の濃染色性、ソフト感を兼ね備えた新規な風合いを有する制菌性ポリエステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維は耐熱性、耐薬品性などの特性に優れているため、衣料、産業用資材、寝装具などの用途に広く展開されている。これらの合成繊維の高比重化や風合い向上、消臭等の機能性を高めるために無機粒子を含有させる技術は多数開示されている。例えば、特開昭64−40614号公報には縮合リン酸ジルコニウムを消臭剤として含有したポリエステル繊維について技術が開示されている。近年、更に制菌性を付与した快適性繊維に対する要望が高まってきている。
【0003】
一般に、繊維に制菌性を付与する方法として芳香族ハロゲン化合物、有機シリコン系第4級アンモニウム塩、有機窒素化合物などの繊維に付着させる方法が採用されているが、これらの化合物は洗濯等により脱落し易いため、耐久性に問題があった。そこで、制菌剤または抗菌剤として銀化合物を付着した基材を光照射することにより金属塩を析出させる方法(特開昭50−6717号公報)、金、銀、銅などの金属およびその酸化物粒子を繊維表面に固着させる方法(特開昭54−82500号公報)が提案されている。しかしながら、これら粒子は高価であるだけでなく、粒子が脱落したり、粒子自体が着色しているため製品に好ましくない着色をもたらしたり、比重が大きいため樹脂に配合しようとすると粒子が沈降するので成形性が悪いなどの問題があった。
【0004】
前記した着色等の問題を解消するため、リン酸塩系の抗菌性粒子について開示されいる(特許文献1参照)。しかしながら、これらの制菌および抗菌性粒子を配合して溶融紡糸してもアルカリ減量や糸加工等おける制菌性能の摩擦耐久性の改善には至っておらず、制菌および抗菌性粒子が脱落し、性能が著しく低下、あるいは性能がなくなるという問題があり、展開用途を限定せざるを得なかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−51816号公報(p.3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題を解決し、アルカリ減量や糸加工時の摩擦等における金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子の脱落を抑制することで展開用途を拡大し、かつポリエチレンテレフタレート特有の質感に加え、ポリブチレンテレフタレート特有の濃染色性、ソフト感を兼ね備えた新規な風合いを有する制菌性ポリエステル繊維に関するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリエチレンテレフタレートであるポリエステル成分(A)と金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を含有するブチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリブチレンテレフタレートである制菌性ポリエステル成分(B)とが、複合比率(A/B)95/5〜10/90でブレンドされており、かつ金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を繊維内重量比率で0.5〜5.0重量%含有して、残留伸度が30〜200%であることを特徴とする制菌性ポリエステル繊維によって、本発明の目的を達成できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明の制菌性ポリエステル繊維は、エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリエチレンテレフタレートであるポリエステル成分(A)と金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を含有するブチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリブチレンテレフタレートである制菌性ポリエステル成分(B)が複合比率が95/5〜10/90で溶融ブレンドされていることが重要である。
【0010】
制菌性ポリエステル繊維中に制菌性ポリエステル成分(B)が5%以上複合されていることによって、制菌性ポリエステル繊維中の金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子の分散状態が良好となり、安定した制菌性が得られる。また同時に制菌性ポリエステル成分(B)のポリブチレンテレフタレートの特徴が発現し、濃染色性の原糸を得ることが出来る。
【0011】
一方、ポリエステル成分(A)が10%以上複合されていることで、アルカリ減量した際に、ポリエステル成分(A)よりアルカリ浸食が進行するため、制菌性ポリエステル成分(B)のアルカリ減量を抑制出来、制菌性ポリエステル成分(B)中の金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子の脱落を抑制することが出来る。
【0012】
また本発明の制菌性ポリエステル繊維は金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子が繊維内重量比率で0.5〜5.0重量%含有することが重要である。金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子の含有量が0.5%以上であることで安定した制菌性能が得られ、一方、5.0重量%以下とすることで安定した製糸が行える。より好ましくは1.0〜3.0重量%である。
【0013】
また本発明の金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子は、濾過層交換周期や糸切れ等の工程安定面で2次粒径の平均値で0.5μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.3μm以下である。
【0014】
本発明の金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子における金属イオンとしては、銀、銅、亜鉛、金および白金が挙げられるが、制菌性能およびコスト面から銀イオンが好適である。また、その金属イオンの粒子内の含有量は制菌性能の安定面から0.1重量%以上であることが好ましく、原糸の着色性を抑えるためには20重量%未満であることが好ましい。
【0015】
また、リン酸塩系制菌粒子としては、Ca3(PO4)2、Ca10(PO4)6(OH)2、Ca2P2O7等のリン酸カルシウム系粒子、HZr2(PO4)3、LiZr2(PO4)3、HXLi1−XZr2(PO4)3(0<X<1)、Zr(HPO4)2、NaZr2P3O12等のリン酸ジルコニウム系粒子が挙げられる。勿論、これらの粒子は幾分結晶水を含んでいても良い。リン酸塩系制菌粒子としてはリン酸ジルコニウム系粒子を用いると制菌性が最も高く、本発明の効果を最も良く発現出来るので好ましい。
【0016】
粒子へ金属イオンを含有させることは従来公知の方法で行うことができるが、簡便な方法であるイオン交換法、共沈法が好適である。
【0017】
本発明の制菌性ポリエステル繊維の残留伸度が30〜200%であることが必要がある。残留伸度が200%以下であることで延伸や延伸仮撚り工程における金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子周辺の制菌性ポリエステルの結晶性を促進でき、アルカリ減量処理の際、制菌性ポリエステル繊維の浸食・減量状態が均一となるため、金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子の保持力を向上することが出来る。また糸加工時等においても摩擦耐久性が向上するため、制菌粒子の保持力が向上する。一方、製糸安定性を考慮すると制菌性ポリエステル繊維の残留伸度は30%以上である必要がある。より好ましくは40〜180%である。本発明において残留伸度は紡糸温度と紡糸速度によって制御することが出来、紡速2000〜5000m/minで紡糸することが好ましい。
【0018】
本発明の制菌性ポリエステル繊維の断面形状は特に限定されるものではなく、丸断面以外に異型断面化しても良い。異型断面化することにより、3葉断面化による光沢感や4葉以上の多葉断面化による吸水性や速乾性能、中空断面化によるハリコシ感や保温性、軽量感などの機能性を付与させることが出来る。また、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じてイソフタル酸、2,2−ビス{4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン等の共重合成分や、ヒンダートフェノール系化合物等の酸化防止剤、その他無機粒子を併有しても良い。
【0019】
エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリエチレンテレフタレートであるポリエステル成分(A)と金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を5〜50重量%含有するブチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリブチレンテレフタレートである制菌性ポリエステル成分(B)を各々溶融計量した後に溶融ブレンドすることが好ましい。
【0020】
制菌性ポリエステル成分(B)中の金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子が50重量%未満であることで金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子とポリエステル成分によるポリエステル成分(B)の混練・作製工程で2次凝集を抑制することが出来る。一方、制菌性ポリエステル成分(B)中の金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子が5重量%以上であることで混練時の加工コストが安価となり、原糸を安価に提供することが出来る。なお、本原糸の製造方法はポリエステル成分(A)と金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子を含有する制菌性ポリエステル成分(B)を各々溶融計量した後に、溶融ブレンドすることが好ましく、金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子を繊維中に均一分散させることが出来、制菌性能や、その他原糸物性等の品質バラツキを抑制することが出来る。
【0021】
本発明の溶融ブレンドとは公知技術を活用でき、エクストルーダーやパック内にスタティックミキサーを設置してブレンドする方法等が挙げられる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における評価方法は次の通りである。
【0023】
1.製糸性
168時間連続紡糸を行い、製糸性を次の判定方法に従った。
○○:糸切れ率が3.0%未満
○:糸切れ率が3.0%以上6.0%未満
△:糸切れ率が6.0%以上10.0%未満
×:糸切れ率が10.0%以上
−:評価不可
2.制菌性能
殺菌活性値(−)を繊維製品新機能評価協議会の定める統一試験法(JIS L1902−1998)に則り、黄色ブドウ球菌の菌転写法による生息菌数を下記式(1)を用いて評価し、平均値による制菌性能および性能バラツキの評価を行った。
【0024】
(1)制菌性能
10回測定し、平均値で評価した。
殺菌活性値(−)=logA/B・・・・・(1)
但し、Aは粒子無含有ポリエステル繊維上における植え付け直後の生息菌数(個/cm2)、Bは本実施例の制菌性ポリエステル繊維上における18時間培養後の生息菌数(個/cm2)
○○:殺菌活性値が−1.0未満
○:殺菌活性値が−1.0以上0.0未満
×:殺菌活性値が0.0以上
(2)性能バラツキ
評価は前述(1)項と同一試験において9サンプル中1サンプルでも0.0以上であった場合は不合格とした。
○:合格
×:不合格
3.製品風合い
ハンター法による着衣快適性、色調、染色斑を主体に表面品位の均一性の総合評価を熟練者5名にて4段階判定法で評価した。
○○:優
○:良
△:可
×:不可
4.極限粘度
25℃オルソクロロフェノール中で測定した値である。以降、IVと記す。
【0025】
実施例1
紡糸温度260℃の条件下、ポリエステル成分(A)としてポリエチレンテレフタレート(PET)100モル%からなるIV=0.65のポリエチレンテレフタレートと制菌性ポリエステル成分(B)として銀担持リン酸ジルコニウム粒子“ノバロン”(東亜合成(株)製、平均粒径0.5μm、銀含有量3.5重量%)を10重量%含有したポリブチレンテレフタレート(PBT)90モル%からなるIV=1.40のポリブチレンテレフタレートを複合比率がポリエステル成分(A)/制菌性ポリエステル成分(B)=90/10となるよう各々溶融計量し、総吐出量37g/分の溶融ポリマーをスタティックミキサーにてパック内で溶融ブレンドした後に36ホールの口金ノズル(φ0.28mm)より吐出させて紡速3000m/分で紡糸し、150dtex−36フィラメント、残留伸度160%の半延伸糸を得た。得られた半延伸糸を延伸温度85℃、熱セット温度130℃、倍率1.8倍で延伸熱セットし、84dtex−36フィラメントの延伸糸を得た。得られた延伸糸にそれぞれ1500T/Mの撚りを施し、経糸と緯糸に用い、生機密度54×57本/inの平織物を得、次いで精練を行った後にアルカリ濃度2g/lの条件下、80℃、20分のアルカリ減量処理を施し、浴比が分散染料/染色液=1/20の条件下、130℃×60分の染色を実施した。また同時にポリエステル成分(B)に粒子無含有ポリエステルを使用して評価用ブランクのポリエステル繊維の布帛も同様にして得た。制菌性ポリエステル繊維中に銀担持リン酸ジルコニウム粒子を1.0重量%含有する織物(水準1)は銀担持リン酸ジルコニウム粒子が制菌性ポリエステル繊維内で均等かつ適当に分散しており、本発明の目的とする制菌性能および製品風合いを有し、均一性が非常に優れたものであった。
【0026】
水準2は水準1の条件を基本として、制菌性ポリエステル成分(B)のマスターポリマー成分をポリエチレンテレフタレートに変更した実験である。
【0027】
水準2は製糸性が非常に良好であったものの特徴のある風合いが得られず、また繊維表面に露出していた制菌粒子がアルカリ減量処理により脱落し、安定した制菌性能が得られなかった。評価結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例2
水準1の製糸条件を基本として、制菌性ポリエステル成分(B)中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量およびポリエステル成分(A)と制菌性ポリエステル成分(B)の複合比率を変更し、水準3から水準5を得た。
【0030】
水準3及び水準4は制菌性ポリエステル成分(B)中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量をそれぞれ5重量%、50重量%に変更した実験であるが、製糸および高次加工工程の安定性に優れ、本発明を満足する制菌性能を有していた。
【0031】
水準5は制菌性ポリエステル成分(B)の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量を60重量%とした実験であるが、銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量が多すぎるため、製糸工程において吐出糸条の曳糸性が不安定であるため、若干糸切れが発生したが、優れた制菌性能を有するものであった。評価結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
実施例3
水準6から水準9は水準1の製糸条件を基本として、ポリエステル成分(A)と制菌性ポリエステル成分(B)の複合比率および制菌ポリエステル成分(B)中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量を変更した実験である。
【0034】
水準6から水準8はポリエステル成分(A)と制菌性ポリエステル成分(B)の複合比率をそれぞれ95/5、50/50、10/90とした実験であり、安定した制菌性能および製糸性であった。
【0035】
水準9はポリエステル成分(A)と制菌性ポリエステル成分(B)の複合比率を5/95とした実験であるが、制菌ポリエステル成分(B)のアルカリ減量が大きく進行し、制菌性ポリエステル繊維中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の脱落が観察され、制菌性能を満足しなかった。評価結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
実施例4
水準10から水準13は水準1の製糸条件を基本としてそれぞれポリエステル成分(A)と制菌性ポリエステル成分(B)の複合比率と制菌性ポリエステル成分(B)中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量を変更することで制菌性ポリエステル繊維中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量を変更した実験である。
【0038】
水準10および水準11は制菌性ポリエステル繊維中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量をそれぞれ3.0重量%、5.0重量%に変更した実験であるが、ともに優れた制菌性能および製品風合いを有していた。
【0039】
水準12は制菌性ポリエステル繊維中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子を6.0重量%含有するものであるが、吐出糸条の曳糸性に乏しく、糸切れが多発した。 水準13は制菌性ポリエステル繊維中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子を0.3重量%含有するものであるが、製糸性は非常に良好であったものの、銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量が低すぎたため、制菌性能は基準値を大きく下回っていた。評価結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
実施例5
水準1の条件をベースに紡糸速度を変更することでそれぞれ残留伸度を変更し、水準14から水準17を得た。
【0042】
水準14および水準15は残留伸度をそれぞれ30%、200%とした実験であるが、優れた製品風合いと新規質感および制菌性能を有していた。
【0043】
水準16は残留伸度を20%とした実験であるが、糸切れが多発し、得られた最終製品の表面品位は若干乏しいものであった。
【0044】
水準17は残留伸度を220%とした実験であるが、製糸性は非常に優れていたものの、アルカリ減量により銀担持リン酸ジルコニウム粒子が脱落し、満足する制菌性能が得られなかった。
【0045】
【表5】
【0046】
【発明の効果】
本発明は制菌性ポリエステル繊維においてアルカリ減量や糸加工時の摩擦等における金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子の脱落を抑制し、従来展開が困難であった高耐久性必須用途への展開を可能とし、かつポリエチレンテレフタレート特有の質感に加え、ポリブチレンテレフタレート特有の濃染色性、ソフト感を兼ね備えた新規な風合いを有す制菌性ポリエステル繊維を得ることが出来る。
【発明の属する技術分野】
本発明はアルカリ減量や糸加工時の摩擦等における金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子の脱落を抑制し、かつポリエチレンテレフタレートの質感に加え、ポリブチレンテレフタレート特有の濃染色性、ソフト感を兼ね備えた新規な風合いを有する制菌性ポリエステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維は耐熱性、耐薬品性などの特性に優れているため、衣料、産業用資材、寝装具などの用途に広く展開されている。これらの合成繊維の高比重化や風合い向上、消臭等の機能性を高めるために無機粒子を含有させる技術は多数開示されている。例えば、特開昭64−40614号公報には縮合リン酸ジルコニウムを消臭剤として含有したポリエステル繊維について技術が開示されている。近年、更に制菌性を付与した快適性繊維に対する要望が高まってきている。
【0003】
一般に、繊維に制菌性を付与する方法として芳香族ハロゲン化合物、有機シリコン系第4級アンモニウム塩、有機窒素化合物などの繊維に付着させる方法が採用されているが、これらの化合物は洗濯等により脱落し易いため、耐久性に問題があった。そこで、制菌剤または抗菌剤として銀化合物を付着した基材を光照射することにより金属塩を析出させる方法(特開昭50−6717号公報)、金、銀、銅などの金属およびその酸化物粒子を繊維表面に固着させる方法(特開昭54−82500号公報)が提案されている。しかしながら、これら粒子は高価であるだけでなく、粒子が脱落したり、粒子自体が着色しているため製品に好ましくない着色をもたらしたり、比重が大きいため樹脂に配合しようとすると粒子が沈降するので成形性が悪いなどの問題があった。
【0004】
前記した着色等の問題を解消するため、リン酸塩系の抗菌性粒子について開示されいる(特許文献1参照)。しかしながら、これらの制菌および抗菌性粒子を配合して溶融紡糸してもアルカリ減量や糸加工等おける制菌性能の摩擦耐久性の改善には至っておらず、制菌および抗菌性粒子が脱落し、性能が著しく低下、あるいは性能がなくなるという問題があり、展開用途を限定せざるを得なかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−51816号公報(p.3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題を解決し、アルカリ減量や糸加工時の摩擦等における金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子の脱落を抑制することで展開用途を拡大し、かつポリエチレンテレフタレート特有の質感に加え、ポリブチレンテレフタレート特有の濃染色性、ソフト感を兼ね備えた新規な風合いを有する制菌性ポリエステル繊維に関するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリエチレンテレフタレートであるポリエステル成分(A)と金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を含有するブチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリブチレンテレフタレートである制菌性ポリエステル成分(B)とが、複合比率(A/B)95/5〜10/90でブレンドされており、かつ金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を繊維内重量比率で0.5〜5.0重量%含有して、残留伸度が30〜200%であることを特徴とする制菌性ポリエステル繊維によって、本発明の目的を達成できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明の制菌性ポリエステル繊維は、エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリエチレンテレフタレートであるポリエステル成分(A)と金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を含有するブチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリブチレンテレフタレートである制菌性ポリエステル成分(B)が複合比率が95/5〜10/90で溶融ブレンドされていることが重要である。
【0010】
制菌性ポリエステル繊維中に制菌性ポリエステル成分(B)が5%以上複合されていることによって、制菌性ポリエステル繊維中の金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子の分散状態が良好となり、安定した制菌性が得られる。また同時に制菌性ポリエステル成分(B)のポリブチレンテレフタレートの特徴が発現し、濃染色性の原糸を得ることが出来る。
【0011】
一方、ポリエステル成分(A)が10%以上複合されていることで、アルカリ減量した際に、ポリエステル成分(A)よりアルカリ浸食が進行するため、制菌性ポリエステル成分(B)のアルカリ減量を抑制出来、制菌性ポリエステル成分(B)中の金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子の脱落を抑制することが出来る。
【0012】
また本発明の制菌性ポリエステル繊維は金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子が繊維内重量比率で0.5〜5.0重量%含有することが重要である。金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子の含有量が0.5%以上であることで安定した制菌性能が得られ、一方、5.0重量%以下とすることで安定した製糸が行える。より好ましくは1.0〜3.0重量%である。
【0013】
また本発明の金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子は、濾過層交換周期や糸切れ等の工程安定面で2次粒径の平均値で0.5μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.3μm以下である。
【0014】
本発明の金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子における金属イオンとしては、銀、銅、亜鉛、金および白金が挙げられるが、制菌性能およびコスト面から銀イオンが好適である。また、その金属イオンの粒子内の含有量は制菌性能の安定面から0.1重量%以上であることが好ましく、原糸の着色性を抑えるためには20重量%未満であることが好ましい。
【0015】
また、リン酸塩系制菌粒子としては、Ca3(PO4)2、Ca10(PO4)6(OH)2、Ca2P2O7等のリン酸カルシウム系粒子、HZr2(PO4)3、LiZr2(PO4)3、HXLi1−XZr2(PO4)3(0<X<1)、Zr(HPO4)2、NaZr2P3O12等のリン酸ジルコニウム系粒子が挙げられる。勿論、これらの粒子は幾分結晶水を含んでいても良い。リン酸塩系制菌粒子としてはリン酸ジルコニウム系粒子を用いると制菌性が最も高く、本発明の効果を最も良く発現出来るので好ましい。
【0016】
粒子へ金属イオンを含有させることは従来公知の方法で行うことができるが、簡便な方法であるイオン交換法、共沈法が好適である。
【0017】
本発明の制菌性ポリエステル繊維の残留伸度が30〜200%であることが必要がある。残留伸度が200%以下であることで延伸や延伸仮撚り工程における金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子周辺の制菌性ポリエステルの結晶性を促進でき、アルカリ減量処理の際、制菌性ポリエステル繊維の浸食・減量状態が均一となるため、金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子の保持力を向上することが出来る。また糸加工時等においても摩擦耐久性が向上するため、制菌粒子の保持力が向上する。一方、製糸安定性を考慮すると制菌性ポリエステル繊維の残留伸度は30%以上である必要がある。より好ましくは40〜180%である。本発明において残留伸度は紡糸温度と紡糸速度によって制御することが出来、紡速2000〜5000m/minで紡糸することが好ましい。
【0018】
本発明の制菌性ポリエステル繊維の断面形状は特に限定されるものではなく、丸断面以外に異型断面化しても良い。異型断面化することにより、3葉断面化による光沢感や4葉以上の多葉断面化による吸水性や速乾性能、中空断面化によるハリコシ感や保温性、軽量感などの機能性を付与させることが出来る。また、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じてイソフタル酸、2,2−ビス{4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン等の共重合成分や、ヒンダートフェノール系化合物等の酸化防止剤、その他無機粒子を併有しても良い。
【0019】
エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリエチレンテレフタレートであるポリエステル成分(A)と金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を5〜50重量%含有するブチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリブチレンテレフタレートである制菌性ポリエステル成分(B)を各々溶融計量した後に溶融ブレンドすることが好ましい。
【0020】
制菌性ポリエステル成分(B)中の金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子が50重量%未満であることで金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子とポリエステル成分によるポリエステル成分(B)の混練・作製工程で2次凝集を抑制することが出来る。一方、制菌性ポリエステル成分(B)中の金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子が5重量%以上であることで混練時の加工コストが安価となり、原糸を安価に提供することが出来る。なお、本原糸の製造方法はポリエステル成分(A)と金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子を含有する制菌性ポリエステル成分(B)を各々溶融計量した後に、溶融ブレンドすることが好ましく、金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子を繊維中に均一分散させることが出来、制菌性能や、その他原糸物性等の品質バラツキを抑制することが出来る。
【0021】
本発明の溶融ブレンドとは公知技術を活用でき、エクストルーダーやパック内にスタティックミキサーを設置してブレンドする方法等が挙げられる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における評価方法は次の通りである。
【0023】
1.製糸性
168時間連続紡糸を行い、製糸性を次の判定方法に従った。
○○:糸切れ率が3.0%未満
○:糸切れ率が3.0%以上6.0%未満
△:糸切れ率が6.0%以上10.0%未満
×:糸切れ率が10.0%以上
−:評価不可
2.制菌性能
殺菌活性値(−)を繊維製品新機能評価協議会の定める統一試験法(JIS L1902−1998)に則り、黄色ブドウ球菌の菌転写法による生息菌数を下記式(1)を用いて評価し、平均値による制菌性能および性能バラツキの評価を行った。
【0024】
(1)制菌性能
10回測定し、平均値で評価した。
殺菌活性値(−)=logA/B・・・・・(1)
但し、Aは粒子無含有ポリエステル繊維上における植え付け直後の生息菌数(個/cm2)、Bは本実施例の制菌性ポリエステル繊維上における18時間培養後の生息菌数(個/cm2)
○○:殺菌活性値が−1.0未満
○:殺菌活性値が−1.0以上0.0未満
×:殺菌活性値が0.0以上
(2)性能バラツキ
評価は前述(1)項と同一試験において9サンプル中1サンプルでも0.0以上であった場合は不合格とした。
○:合格
×:不合格
3.製品風合い
ハンター法による着衣快適性、色調、染色斑を主体に表面品位の均一性の総合評価を熟練者5名にて4段階判定法で評価した。
○○:優
○:良
△:可
×:不可
4.極限粘度
25℃オルソクロロフェノール中で測定した値である。以降、IVと記す。
【0025】
実施例1
紡糸温度260℃の条件下、ポリエステル成分(A)としてポリエチレンテレフタレート(PET)100モル%からなるIV=0.65のポリエチレンテレフタレートと制菌性ポリエステル成分(B)として銀担持リン酸ジルコニウム粒子“ノバロン”(東亜合成(株)製、平均粒径0.5μm、銀含有量3.5重量%)を10重量%含有したポリブチレンテレフタレート(PBT)90モル%からなるIV=1.40のポリブチレンテレフタレートを複合比率がポリエステル成分(A)/制菌性ポリエステル成分(B)=90/10となるよう各々溶融計量し、総吐出量37g/分の溶融ポリマーをスタティックミキサーにてパック内で溶融ブレンドした後に36ホールの口金ノズル(φ0.28mm)より吐出させて紡速3000m/分で紡糸し、150dtex−36フィラメント、残留伸度160%の半延伸糸を得た。得られた半延伸糸を延伸温度85℃、熱セット温度130℃、倍率1.8倍で延伸熱セットし、84dtex−36フィラメントの延伸糸を得た。得られた延伸糸にそれぞれ1500T/Mの撚りを施し、経糸と緯糸に用い、生機密度54×57本/inの平織物を得、次いで精練を行った後にアルカリ濃度2g/lの条件下、80℃、20分のアルカリ減量処理を施し、浴比が分散染料/染色液=1/20の条件下、130℃×60分の染色を実施した。また同時にポリエステル成分(B)に粒子無含有ポリエステルを使用して評価用ブランクのポリエステル繊維の布帛も同様にして得た。制菌性ポリエステル繊維中に銀担持リン酸ジルコニウム粒子を1.0重量%含有する織物(水準1)は銀担持リン酸ジルコニウム粒子が制菌性ポリエステル繊維内で均等かつ適当に分散しており、本発明の目的とする制菌性能および製品風合いを有し、均一性が非常に優れたものであった。
【0026】
水準2は水準1の条件を基本として、制菌性ポリエステル成分(B)のマスターポリマー成分をポリエチレンテレフタレートに変更した実験である。
【0027】
水準2は製糸性が非常に良好であったものの特徴のある風合いが得られず、また繊維表面に露出していた制菌粒子がアルカリ減量処理により脱落し、安定した制菌性能が得られなかった。評価結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例2
水準1の製糸条件を基本として、制菌性ポリエステル成分(B)中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量およびポリエステル成分(A)と制菌性ポリエステル成分(B)の複合比率を変更し、水準3から水準5を得た。
【0030】
水準3及び水準4は制菌性ポリエステル成分(B)中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量をそれぞれ5重量%、50重量%に変更した実験であるが、製糸および高次加工工程の安定性に優れ、本発明を満足する制菌性能を有していた。
【0031】
水準5は制菌性ポリエステル成分(B)の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量を60重量%とした実験であるが、銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量が多すぎるため、製糸工程において吐出糸条の曳糸性が不安定であるため、若干糸切れが発生したが、優れた制菌性能を有するものであった。評価結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
実施例3
水準6から水準9は水準1の製糸条件を基本として、ポリエステル成分(A)と制菌性ポリエステル成分(B)の複合比率および制菌ポリエステル成分(B)中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量を変更した実験である。
【0034】
水準6から水準8はポリエステル成分(A)と制菌性ポリエステル成分(B)の複合比率をそれぞれ95/5、50/50、10/90とした実験であり、安定した制菌性能および製糸性であった。
【0035】
水準9はポリエステル成分(A)と制菌性ポリエステル成分(B)の複合比率を5/95とした実験であるが、制菌ポリエステル成分(B)のアルカリ減量が大きく進行し、制菌性ポリエステル繊維中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の脱落が観察され、制菌性能を満足しなかった。評価結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
実施例4
水準10から水準13は水準1の製糸条件を基本としてそれぞれポリエステル成分(A)と制菌性ポリエステル成分(B)の複合比率と制菌性ポリエステル成分(B)中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量を変更することで制菌性ポリエステル繊維中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量を変更した実験である。
【0038】
水準10および水準11は制菌性ポリエステル繊維中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量をそれぞれ3.0重量%、5.0重量%に変更した実験であるが、ともに優れた制菌性能および製品風合いを有していた。
【0039】
水準12は制菌性ポリエステル繊維中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子を6.0重量%含有するものであるが、吐出糸条の曳糸性に乏しく、糸切れが多発した。 水準13は制菌性ポリエステル繊維中の銀担持リン酸ジルコニウム粒子を0.3重量%含有するものであるが、製糸性は非常に良好であったものの、銀担持リン酸ジルコニウム粒子の含有量が低すぎたため、制菌性能は基準値を大きく下回っていた。評価結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
実施例5
水準1の条件をベースに紡糸速度を変更することでそれぞれ残留伸度を変更し、水準14から水準17を得た。
【0042】
水準14および水準15は残留伸度をそれぞれ30%、200%とした実験であるが、優れた製品風合いと新規質感および制菌性能を有していた。
【0043】
水準16は残留伸度を20%とした実験であるが、糸切れが多発し、得られた最終製品の表面品位は若干乏しいものであった。
【0044】
水準17は残留伸度を220%とした実験であるが、製糸性は非常に優れていたものの、アルカリ減量により銀担持リン酸ジルコニウム粒子が脱落し、満足する制菌性能が得られなかった。
【0045】
【表5】
【0046】
【発明の効果】
本発明は制菌性ポリエステル繊維においてアルカリ減量や糸加工時の摩擦等における金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子の脱落を抑制し、従来展開が困難であった高耐久性必須用途への展開を可能とし、かつポリエチレンテレフタレート特有の質感に加え、ポリブチレンテレフタレート特有の濃染色性、ソフト感を兼ね備えた新規な風合いを有す制菌性ポリエステル繊維を得ることが出来る。
Claims (2)
- エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリエチレンテレフタレートであるポリエステル成分(A)と金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を含有するブチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリブチレンテレフタレートである制菌性ポリエステル成分(B)とが、複合比率(A/B)95/5〜10/90でブレンドされており、かつ金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を繊維内重量比率で0.5〜5.0重量%含有して、残留伸度が30〜200%であることを特徴とする制菌性ポリエステル繊維。
- エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリエチレンテレフタレートであるポリエステル成分(A)と金属イオンを保持したリン酸塩系制菌粒子を5〜50重量%含有するブチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリブチレンテレフタレートである制菌性ポリエステル成分(B)を各々溶融計量した後に、金属イオンを含有するリン酸塩系制菌粒子の繊維内重量比率が0.5〜5.0重量%となるように溶融ブレンドし、紡速2000〜5000m/minで紡糸することを特徴とする制菌性ポリエステル繊維の製造方法。
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CN105239192A (zh) * | 2015-10-14 | 2016-01-13 | 罗莱家纺股份有限公司 | 一种制备银离子抗菌纤维的方法 |
CN108842217A (zh) * | 2018-06-11 | 2018-11-20 | 佛山市南海区佳妍内衣有限公司 | 一种具有磁性、远红外、抗菌功能的复合纤维 |
CN111728837A (zh) * | 2020-07-22 | 2020-10-02 | 万贤能 | 一种能揉动腹胸和甩蝴蝶袖运动按摩带及其制备方法 |
-
2002
- 2002-11-19 JP JP2002334739A patent/JP2004169206A/ja active Pending
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