JP2004168851A - 樹脂組成物及び農業用フイルム - Google Patents

樹脂組成物及び農業用フイルム Download PDF

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Tadashi Kimura
正 木村
Yoshiyuki Katayama
義之 片山
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Abstract

【課題】低温防曇性、防曇持続性に優れ、結露した水滴のボタ落ちがなく、また防曇剤のブリードによる白化やべたつきがない農業用フイルムを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂に、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル(A)5〜30重量%とソルビタン(又はソルビトール)の脂肪酸エステル(b1)及びアルキルジエタノールアミンモノ脂肪酸エステル(b2)から選ばれる脂肪酸エステル(B)70〜95重量%とからなる割合の防曇剤混合成分を配合してなる樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる農業用フイルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業用フイルム用途に好適な防曇性に優れた樹脂組成物、及び該樹脂組成物の層を含む単層又は多層の農業用フイルムに関する。さらに詳細には、農業用フイルムとして使用した場合に、冬季、寒冷地においても使用可能な低温防曇性と防曇持続性が共に優れ、結露した水滴を膜状に広げフイルム面に沿って流下させることができ、かつ防曇剤のブリードに基づく白化やべたつきのない樹脂組成物及びその農業用フイルム用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
農業用ハウスやトンネルハウスなどを使用する温室栽培において、保温や風防などのために透明な熱可塑性樹脂製農業用フイルムが被覆材として使用されている。このような被覆材としてポリ塩化ビニルフイルムが最も多く使用されてきたが、可塑剤のブリードアウトによる経時的な透明性の低下や焼却処理時の腐食性ガス発生などの問題から、その一部がポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂に代替されるようになってきた。この代替に際し、ポリ塩化ビニル製の農業用フイルム同等の性能を付与するために、とくに保温性の付与や防曇処方開発などに多くの努力が重ねられてきた。
【0003】
このような農業用フイルムにおいては、結露した水滴のボタ落ち現象は花芽の腐れや病気の原因となり、防曇剤のブリードに基づく白化は光線反射を生じてハウス内作物に到達する光量減少によって光合成に影響し、フイルムのべたつきは展張作業性に劣ることから、これら諸欠点を有しない優れた特性を有することが要求される。しかるに防曇剤配合型の農業用フイルムにおける特性付与技術の現状は、低温防曇性に優れるものはブリード白化が著しい、ボタ落ちの少ないものは持続性の面で劣る、ブリード白化が少ないものはべたつきが激しい、など相反する点が多く、各要求特性の中間を選択する等の妥協策をとらざるを得なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者等は、特別の塗布設備が必要な防曇剤塗布型の農業用フイルムではなく、製法が容易な防曇剤配合型の農業用フイルムにおいて、上記のような特性要件を全て満足するような配合処方を開発すべく検討を行った。その結果、特定の2種の防曇剤を特定割合で配合した樹脂組成物を農業用フイルムとして使用することにより、所望の防曇性能を発揮することを見出すに至った。
【0005】
したがって本発明の目的は、改善された防曇性能を有する樹脂組成物及び該樹脂組成物を使用した農業用フイルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂に、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル(A)5〜30重量%とソルビタン(又はソルビトール)の脂肪酸エステル(b1)及びアルキルジエタノールアミンモノ脂肪酸エステル(b2)から選ばれる脂肪酸エステル(B)70〜95重量%とからなる割合の防曇剤混合成分を配合してなる樹脂組成物及び該樹脂組成物を使用した農業用フイルムに関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される熱可塑性樹脂の好適例は、オレフィンの単独重合体、オレフィン同士の共重合体、オレフィンと極性モノマーの共重合体などであり、とりわけ好適なものは、エチレンの単独重合体、エチレンと炭素数3以上のαーオレフィンとの共重合体、エチレンと極性モノマーの共重合体などのエチレン(共)重合体である。より具体的には高・中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレンとして知られているエチレンとα−オレフィンの共重合体、エチレンと酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸又はその塩、(メタ)アクリル酸エステルなどの極性モノマーとの共重合体などを挙げることができる。
【0008】
上記高圧法低密度ポリエチレン及び直鎖低密度ポリエチレンにおいては、透明性、フイルム強度、加工性などを考慮すると、密度が900〜935kg/m、好ましくは910〜930kg/m、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜20g/10分、好ましくは0.5〜5.0g/10分のものを使用するのが望ましい。ここに直鎖低密度ポリエチレンにおいてエチレンと共重合させるαーオレフィンとしては、透明性やフイルム強度などを考慮すると炭素数4〜10のもの、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンなどから選ばれるものが好ましい。直鎖低密度ポリエチレンにおいてはまた、いかなる触媒系を使用して製造されたものであってもよく、例えば高活性チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物触媒成分からなる触媒を代表例とするマルチサイト触媒やメタロセン触媒成分とアルミノオキサン触媒成分からなる触媒を代表例とするシングルサイト触媒を用いて製造されたものなどを使用することができる。
【0009】
エチレン・極性モノマー共重合体としては、透明性、柔軟性、フイルム強度、防曇剤との親和性、加工性などを考慮すると酢酸ビニル含量が1〜33重量%、好ましくは3〜20重量%、190℃、2160g荷重のMFRが0.1〜20g/10分、好ましくは0.5〜5.0g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体を使用するのが最も好ましい。
【0010】
エチレン・極性モノマー共重合体の他の好ましい例として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル含量が3〜33重量%、好ましくは5〜20重量%、190℃、2160g荷重のMFRが0.1〜20g/10分、好ましくは0.5〜5.0g/10分のエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体を挙げることができる。
【0011】
本発明の樹脂組成物における熱可塑性樹脂の他の例としては、ポリ塩化ビニルやポリエステルなどを挙げることができる。
【0012】
本発明の樹脂組成物においては、防曇剤としてジグリセリンモノ脂肪酸エステル(A)5〜30重量%、好ましくは5〜25重量%とソルビタン(又はソルビトール)の脂肪酸エステル(b1)及びアルキルジエタノールアミンモノ脂肪酸エステル(b2)から選ばれる脂肪酸エステル(B)70〜95重量%、好ましくは75〜95重量%とからなる割合の混合成分が使用される。このような防曇剤を所定割合で混合使用することにより、農業用フイルムとして使用した場合に所望の性能を発揮することができる。
【0013】
本発明で使用されるジグリセリンモノ脂肪酸エステル(A)としては、ジグリセリンと炭素数8〜22、とくに炭素数12〜18の不飽和脂肪酸のモノエステルを使用するのが好ましい。より具体的にはジグリセリンとオレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、リノール酸等のモノエステルを例示することができるが、これらの中ではジグリセリンモノオレイン酸エステルを使用するのが最も好ましい。
【0014】
本発明においては防曇剤としてジグリセリンモノ脂肪酸エステル(A)とともに、ソルビタン(又はソルビトール)の脂肪酸エステル(b1)及び/又はアルキルジエタノールアミンモノ脂肪酸エステル(b2)が使用される。ソルビタン(又はソルビトール)の脂肪酸エステル(b1)としては、ソルビタン及び/又はソルビトールの炭素数8〜22、好ましくは12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸のエステルを使用することが好ましい。飽和脂肪酸としては例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などを例示することができ、また不飽和脂肪酸としては、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル(A)において説明した上記例示のものを挙げることができる。これらの中ではとくにソルビタンモノステアレートが好適である。ソルビタンエステルは、トールタイプ、バイドタイプ、タンタイプの異性体の混合体であって、通常トールタイプの含有率は10〜15重量%であるが、とりわけソルビトール含有量を20〜60重量%、とくに30〜50重量%に高めたソルビタンエステルを使用するのが好ましい。
【0015】
上記アルキルジエタノールアミンモノ脂肪酸エステル(b2)における、アルキルジエタノールアミン部のアルキル基(アルケニル基を含む意で用いられる)としては、炭素数が8〜22程度のもの、とくに12〜18程度のものが好ましい。具体的には、N−ラウリルジエタノールアミン、N−ミリスチルジエタノールアミン、N−パルミチルジエタノールアミン、N−ステアリルジエタノールアミン、N−オレイルジエタノールアミン、あるいはこれらの混合物などを例示することができる。またアルキルジエタノールアミンモノ脂肪酸エステルにおける脂肪酸成分としては炭素数が8〜22程度、好ましくは12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸であって、ソルビタン(又はソルビトール)の脂肪酸エステル(b1)において例示したものと同様のものを例示することができる。これらの中ではとくにモノステアリン酸エステルが好ましい。アルキルジエタノールアミンモノ脂肪酸エステル(b2)としてより具体的には、N−ラウリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル、N−ミリスチルジエタノールアミンモノオレイン酸エステル、N−パルミリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル、N−ステアリルジエタノールアミン、N−モノパルミチン酸エステル、N−ステアリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル、N−オレイルジエタノールアミンモノパルミチン酸エステル、N−オレイルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル、あるいはこれらの混合物などを例示することができる。
【0016】
本発明の樹脂組成物においては、樹脂組成物中、上記防曇剤混合成分として、0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%となるような割合で配合するのが効果的である。
【0017】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じ各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば保温剤、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、防霧剤、融着防止剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散向上剤、他の防曇剤、防黴剤、防藻剤などを例示することができる。これら添加剤の配合は、本発明の樹脂組成物を農業用フイルム用途に使用する場合においてとくに有用である。
【0018】
上記任意配合成分である保温剤としては、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛、珪素などの原子を少なくとも1種含む無機酸素含有化合物が好ましく、例えば一般式
(1−x)Al(OH)x/n・mH
(但し、式中、Mはマグネシウムのようなアルカリ土類金属又は亜鉛を示し、Xはn価のアニオンである。また0<x<0.5、 0≦n≦2、 0≦mである)で示されるハイドロタルサイト化合物を挙げることができる。
【0019】
上記式中Xとしては、たとえばCl、Br、I、NO 、ClO 、SO 2−、CO 2−、SiO 2−、Si 2−、HPO 2−、HBO 2−、PO 3−、Fe(CN) 3−、Fe(CN) 4−、CHCOO、C(OH)COO、(OCOCOO)2−、(OCOCCOO)2−などを例示することができる。
【0020】
保温剤の他の例として、シリカや式AlLi(OH)12CO・mHOで示されるようなリチウム・アルミニウム複合金属化合物などを例示することができる。あるいはLi、Na、Kなどのアルカリ金属及びMgから選ばれる2種以上の金属とアルミノ珪酸根とからなる複合化合物などを挙げることができる。より具体的には、珪酸リチウム・水酸化アルミニウム・珪酸マグネシウム複合化合物(例えばLiSiOとして15〜20重量%、Al(OH)として57〜67重量%、SiOとして11〜26重量%、MgOとして0.5〜2.5重量%の複合化合物)、炭酸リチウム・硫酸リチウム・炭酸マグネシウム・水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム複合化合物、ナトリウム・カリウムアルミノ珪酸塩などを例示することができる。
【0021】
このような保温剤は、高級脂肪酸、高級脂肪酸塩、高級アルコール、高級脂肪酸アミド、チタンカップリング剤、シランカップリング剤などで表面処理されたものであってもよい。保温剤の好適な配合量は、樹脂組成物中0.1〜20重量%、とくに0.2〜10重量%の範囲である。
【0022】
本発明の樹脂組成物に配合することができる酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4−sec−ブチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、トコフェロール、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオ)−1,3,5−トリアジンなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤を好適例として挙げることができる。酸化防止剤の好適な配合量は、樹脂組成物中、0.01〜5重量%、とくに0.1〜3重量%の範囲である。
【0023】
本発明の樹脂組成物に配合可能な光安定剤としては、例えば4−アセトキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(o−クロロベンゾイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェノキシアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ニコチノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(2−フロイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(β−ナフトイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−2,4−ジオキソ−3−nオクチル−スピロ[4,5]デカン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサヒドロテレフタレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−アセトキシプロパン−1,2,3−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリアジン−2,4,6−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)ホスファイト、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3−トリカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロパン−1,1,2,3−テトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート、(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−4−スピロ−2’−(6’,6’−ジメチルピペリジン)−4’−スピロ−5’’−ヒンダントインなどのヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。
【0024】
ヒンダードアミン系光安定剤の例としてはまた、下記式で示されるような高分子型ヒンダードアミンを挙げることができる。
【0025】
【化1】
Figure 2004168851
【0026】
【化2】
Figure 2004168851
【0027】
【化3】
Figure 2004168851
【0028】
【化4】
Figure 2004168851
【0029】
【化5】
Figure 2004168851
【0030】
【化6】
Figure 2004168851
【0031】
【化7】
Figure 2004168851
【0032】
【化8】
Figure 2004168851
【0033】
光安定剤としては、NOR型ヒンダードアミン系光安定剤、好ましくは下記一般式(1)
【化9】
Figure 2004168851
で示される基(式中、Rは置換又は非置換の炭化水素基又はアシル基)を少なくとも1個以上有する化合物を使用すると、耐酸性、耐農薬性に優れた農業用フイルムが得られるので好ましい。。式(1)におけるRは、置換又は非置換のアルキル基又はアシル基であり、例えばアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、フェニルアルキル基、アルキル基置換フェニル基、水酸基置換アルキル基、アシル基、アルコキシ置換アルキル基、チオアルコキシ基置換アルキル基などである。
【0034】
より具体的には、下記(a)〜(e)で表される化合物を代表例として挙げることができる。
【0035】
(a)下記一般式(2)
【化10】
Figure 2004168851
(式中、Rは式(1)のものと同じ(以下同じ)、Rは、n=1のときは、水素、1個又は2個以上の酸素原子で中断されていてもよいアルキル基、シアノアルキル基、ベンジル基、アシル基などであり、n=2のときはアルキレン基、キシリレン基、ジアシル基などであり、n=3のときはトリアシル基、n=4のときはテトラアシル基などである)
【0036】
(b)下記一般式(3)
【化11】
Figure 2004168851
(式中、Rは、水素、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロアルキル基、アルアルキル基、アシル基又は式(1)の基などであり、Rは、n=1のときは、水素、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロアルキル基、アルアルキル基、アシル基などであり、あるいはRと環を形成してジアシル基を示し、n=2のときは、アルキレン基、アリーレン基、キシリレン基、1−オキソアルキレン基、ジアシル基などである。
【0037】
(c)下記一般式(4)
【化12】
Figure 2004168851
(式中、Rは、アルキル基、アリール基、ベンジル基、アルコキシアルキル基などであり、Rは、n=1のときは、水素、アルキル基、アルケニル基、アルアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アリール基、カルボン酸エステル基置換アルキル基などであり、n=2のときはアルキレン基、アリーレン基、ヒドロキシ置換アルキレン基、酸素で遮断されているアルキレン基などである。)
【0038】
(d)下記一般式(5)
【化13】
Figure 2004168851
(式中、R、Rはそれぞれ水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、ハロゲン置換アルキル基等であり、また両者が結合してシクロアルカン環を形成していてもよい)
【0039】
(e)下記一般式(6)
【化14】
Figure 2004168851
(式中、R、Rはそれぞれ水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、ハロゲン置換アルキル基等であり、また両者が結合してシクロアルカン環を形成していてもよい。R10は、n=1のときは、水素、アルキル基、アルケニル基、アルアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アリール基、カルボン酸エステル基置換アルキル基などであり、n=2のときはアルキレン基、アリーレン基、ヒドロキシ置換アルキレン基、酸素で遮断されているアルキレン基などである。)
【0040】
(f)下記一般式(7)
【化15】
Figure 2004168851
(式中、nは1又は2であり、R11は下記式(8)
【化16】
Figure 2004168851
又は下記式(9)
【化17】
Figure 2004168851
【0041】
(式中、Rは式(1)のものと同じで、好ましくはアルキル基又はシクロアルキル基であり、R14は、−O−又は−NR15−を表し、Aはアルキレン基又は−C−O−を表し、mは0又は1であり、R15は、水素、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はシクロアルキル基を表す。またR12は、R11として例示したものであるか、−NR1617、−OR18、−NHCH18又は−N(CHOR18)である。R16及びR17は、アルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、ヒドロキシアルキル基又は式(1)の基を表し、あるいは両者が結合してアルキレン基、−C−O−C−又は−C−NR18−C−を表す。R18はアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基又はヒドロキシアルキル基である。
【0042】
16はまた、式(10)
【化18】
Figure 2004168851
(式中、R19はアルキル基)で示される基でもよい。
13は、n=1のときは、R11又はR12として例示したものであり、n=2のときは、−R14−B−R14−(Bは、アルキレン基又は1個又は2個のNR16で中断されているアルキレン基)を表す。)
【0043】
(g)繰り返し構造単位が、式(1)のN−置換−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン基を含有しているオリゴマー又はポリマー化合物、好ましくはこれら基を有するポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリアミン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミノトリアジン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミドなどである。
【0044】
これらの中でとくに好ましいのは、(a)、(f)又は(g)で示される化合物である。
【0045】
より具体的には、(a)で示される化合物としてとくに好適なものは、式(2)において、n=1で、Rが炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数5〜12のシクロアルキル基であり、Rが炭素数1〜24の脂肪族アシル基である化合物、n=2で、Rが炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数5〜12のシクロアルキル基であり、Rが炭素数2〜16の脂肪族ジアシル基の化合物である。
【0046】
(f)で示される化合物においてとくに好適なものは、式(7)において、n=1で、R11、R12、R13が共に式(8)で示されるものであって、式(8)におけるm=0、R14が−NR15−で示されるものであり、式(8)のRが炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数5〜12のシクロアルキル基であり、R15が、水素、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数5〜8のシクロアルキル基である化合物である。
【0047】
さらに(g)で示される化合物の好適例として、一般式(11)
【0048】
【化19】
Figure 2004168851
【0049】
一般式(12)
【化20】
Figure 2004168851
(式中、R20はアルキル基)
【0050】
一般式(13)
【化21】
Figure 2004168851
(式中、R21はエチレン重合単位又はスチレン重合単位)などを挙げることができる。
【0051】
より具体的には、
(1)1−シクロヘキシルオキシ−4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(2)コハク酸ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(3)アジピン酸ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(4)セバシン酸ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(5)1−ベンゾイルオキシ−4−(N−n−ブチル−N−ベンゾイルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(6)1,4−ジ−(4−ヒドロキシー3,5−ジ−t−ブチルベンゾイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(7)n−ブチル−(1−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート
(8)α、α’−(ジ−1−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシ)−p−キシレン
(9)1−エトキシ−4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(10)1,4−ジベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(11)1−(α−メチルベンジルオキシ)−4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(12)セバシン酸ビス(1−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(13)フタル酸ビス(1−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(14)セバシン酸ビス(1−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
【0052】
(15)セバシン酸ビス(1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(16)コハク酸ビス(1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(17)(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート
(18)イソフタル酸ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(19)フタル酸ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(20)セバシン酸ビス(1−ヘプチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(21)テレフタル酸ビス(1−(α−メチルベンジルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(22)イソフタル酸ビス(1−(α−メチルベンジルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(23)セバシン酸ビス(1−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(24)セバシン酸ビス(1−クミルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(25)セバシン酸ビス(1−オクタデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
【0053】
(26)セバシン酸ビス[1−(ビシクロ−[4,4,0]−デシル−1−オキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]
(27)セバシン酸ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(28)コハク酸ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(29)2,2−ジメチルマロン酸ビス(1−n−ブチルカルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(30)2,4,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジカルバミン酸ビス(4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イル)
(31)フタル酸ビス(1−n−ブチルカルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(32)イソフタル酸ビス(1−n−ブチルカルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(33)(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)n−ブチルマロン酸ビス(1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(34)(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)n−ブチルマロン酸ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)
(35)3,15−ジ−α−メチルベンジルオキシ−2,2,4,4,14,14,16,16−オクタメチルー7,11,18,21−テトラオキサ−3,15−ジアザトリスピロ[5,2,2,5,2,2]ヘンエイコサン
(36)3,15−ジ−ジシクロヘキシルオキシ−2,2,4,4,14,14,16,16−オクタメチルー7,11,18,21−テトラオキサ−3,15−ジアザトリスピロ[5,2,2,5,2,2]ヘンエイコサン
(37)ポリ−[6−{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−イミノ}−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][2−(1−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−イミノ)−ヘキサメチレン−[4−(1−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−イミノ]
(38)ポリ−[6−{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−イミノ}−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][2−(1−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−イミノ)−ヘキサメチレン−[4−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−イミノ]などを代表例として例示することができる。
【0054】
本発明の樹脂組成物において添加剤として使用可能な紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−nドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンのようなベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2−n−オクタデシルオキシ−3、5−ジメチルフェニル)−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5,6−ジクロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−5−ブトキシカルボニルベンゾトリアゾール、2−(2−アセトキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2Hベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノールなどのトリアジン系紫外線吸収剤などを挙げることができる。
【0055】
上記した光安定剤及び/又は紫外線吸収剤は、樹脂組成物中、一般には0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%、一層好ましくは0.1〜1重量%の割合で配合するのがよい。
【0056】
本発明の樹脂組成物において、とくに農業用フイルム用途において配合することが好ましい防霧剤としては、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル基を有するフッ素系界面活性剤を好適例として挙げることができる。これらは陰イオン型、陽イオン型、両性型、非イオン型のいずれのものであってもよい。防霧剤の好適な配合量は、樹脂組成物中、0.01〜1重量%、とくに0.2〜0.5重量%の割合である。
【0057】
また任意に配合することが可能な他の防曇剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンエーテル、高級アルコール硫酸エステルアルカリ金属塩、アルキルアリールスルホネート、四級アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0058】
上記のような本発明の樹脂組成物は、農業用フイルム用途にとくに好適である。本発明の樹脂組成物を農業用フイルムとして使用する場合には、本発明の樹脂組成物からなる単層フイルムあるいは多層フイルムとして、又は本発明の樹脂組成物層を少なくとも1層有する多層フイルムとして使用される。とくに本発明の樹脂組成物層を少なくとも1層有する多層フイルムとして使用する場合には、少なくともハウスの内側となる層(内層)を本発明の樹脂組成物で形成することにより優れた効果を発揮することができる。勿論この場合において、多層フイルムの他の層を本発明の樹脂組成物で構成してもよいし、また他の樹脂組成物層で構成してもよい。。このような多層フイルムにおいて本発明の樹脂組成物層を2層以上設ける場合は、勿論各層が同一組成である必要はなく、熱可塑性樹脂の種類、あるいは添加剤の種類や配合量を異にすることができる。また多層フイルムにおいて他の樹脂組成物層を設ける場合には、当該層を構成する熱可塑性樹脂や添加剤は、既に述べたような種類のものから選択し、またその配合量も既に述べたような範囲に設定することが望ましい。
【0059】
このような農業用フイルムの厚みは使用個所や目的とする耐用年数によっても異なるが、50〜300μm程度の厚みが一般的である。また本発明の樹脂組成物層を少なくとも1層有する多層フイルムにおいては、防曇持続性を考慮すると内層を形成する層の厚みを30〜200μm程度にするのが望ましい。
【0060】
上記農業用フイルムは、基材となる熱可塑性樹脂に上記割合の防曇剤混合成分と、その他の添加剤を所定量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサー、押出機など公知の混合機を用いて樹脂組成物を製造し、これをインフレーション加工、カレンダー加工、Tダイ加工などによりフイルム化することによって製造することができる。添加剤の配合に当たっては、勿論マスターバッチを使用することができる。多層フイルムの場合は、共押出によるのが最も効率がよいが、勿論、押出コーティングやウェットラミネーション、ドライラミネーションなどにより積層することも可能である。
【0061】
また本発明の樹脂組成物は、食品包装等に用いられるラップフイルムとして使用することができる。この場合、ラップフイルムの厚みは、1〜50μm程度が好ましい。
【0062】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、実施例等に用いた添加剤及び実施例等で得られた農業用フイルムの物性評価方法は以下の通りである。
【0063】
[添加剤の種類]
(1)耐光安定剤:[ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]](商品名:キマソーブ944、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
(2)紫外線吸収剤:2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン(商品名:セイカライザーE、大阪精化工業社製)
(3)保温剤:ハイドロタルサイト(商品名:DHT−4A、協和化学社製)
(4)融着防止剤:N,N’−メチレンビスステアロアミド(商品名:ビスアマイド、日本化成社製)
【0064】
[物性評価方法]
(1)低温時の防曇性
25℃の水を容器容量の2/3まで入れた保温容器(直径15cm、高さ17cm)の上部を試料フイルムで密封し、−10℃の冷風循環式低温室に静置し、20時間後室温に戻し4時間静置した。このサイクルを7回繰返した。
完全に透明で曇りの発生のない場合を5とし、結露した水滴によってフイルムが完全に曇った場合を1とし、5段階で評価した。
【0065】
(2)防曇持続性
30℃に保った恒温水槽上に、水平面から5°の傾きをもって試料フイルムを展張し、試料フイルム内面に対する水の凝縮状況を時間の経過とともに観察し、低温時の防曇性と同様に5段階で評価した。
【0066】
(3)ボタ落ち性
(1)及び(2)の評価を行う過程において、試料フイルムの表面に結露した水滴のボタ落ちの状況を観察した。ボタ落ちがない場合を5とし、頻繁にボタ落ちが発生する場合を1として、5段階で評価した。
【0067】
(4)ブリード白化性
試料フイルムを成形した後、社内の倉庫に8月から10月までの3ヶ月間放置した後、試料フイルムのブリード白化を目視観察した。ブリード白化が全くない場合を5とし、透明性のない場合を1として、5段階で評価した。
【0068】
(5)べたつき性
(4)と同様の方法を用いて、手で触ってべたつき性が全くない場合を5とし、著しいべたつきがある場合を1として、5段階で評価した。
【0069】
[実施例1]
3層インフレダイスを装備した多層インフレーションフイルム成形装置を使用し、ダイスの外層には外層用押出機を通じて、LDPE(高圧法低密度ポリエチレン、密度921kg/m、MFR3.3g/10分)を99.32重量%、耐光安定剤を0.1重量%、紫外線吸収剤を0.08重量%及び保温剤を0.5重量%の割合で予め混練して得たペレットを溶融ゾーン170℃の条件で供給した。
【0070】
中間層には中間層用押出機を通じて、EVA−1(エチレン・酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有量14.5重量%、MFR1.3g/10分)を96.15重量%、耐光安定剤を0.2重量%、紫外線吸収剤を0.05重量%、保温剤を1.5重量%及び防曇剤A(ジグリセリンモノオレートとN−ステアリル置換ジエタノールアミンモノステアリン酸エステルの15/85(重量比)の混合物)を2.0重量%の割合で予め混練して得たペレットを溶融ゾーン170℃の条件で供給した。
【0071】
内層には内層用押出機を通じて、EVA−2(エチレン・酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有量9.0重量%、MFR1.6g/10分)を95.65重量%、耐光安定剤を0.2重量%、紫外線吸収剤を0.05重量%、融着防止剤を0.1重量%、保温剤を2.0重量%及び防曇剤A(ジグリセリンモノオレートとN−ステアリル置換ジエタノールアミンモノステアリン酸エステルの15/85(重量比)の混合物)を2.0重量%の割合で予め混練して得たペレットを溶融ゾーン170℃の条件で供給した。
【0072】
各層に供給した樹脂組成物は、180℃に予熱された前記ダイスの内部で貼合し、各層の厚みが外層20μm、中間層20μm、内層60μmで構成される3層積層構造の透明なフイルムを得た。その評価結果を表1に示す。
【0073】
[実施例2]
実施例1において、中間層に用いる防曇剤と内層に用いる防曇剤の種類を防曇剤B(ジグリセリンモノオレートとソルビタンモノステアリン酸エステルの2/8(重量比)の混合物)に変えた以外は、実施例1と同様にして3層積層構造のフイルムを得、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0074】
[実施例3]
実施例1において、内層に用いる用いる樹脂の種類をEVA−3(エチレン・酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有量5.0重量%、MFR1.0g/10分)に変えた以外は実施例1と同様にして3層積層構造のフイルムを得、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0075】
表1に示す通り、実施例1〜3で得られた多層フイルムは低温時の防曇性、防曇持続性、ボタ落ち性、耐ブリード白化、耐べたつき性に優れていた。
【0076】
[比較例1]
実施例1において、中間層に用いる防曇剤と内層に用いる防曇剤の種類を防曇剤C(ジグリセリンとソルビタンの縮合物のステアリン酸エステル20重量部、ソルビタンモノステアレート2モルエチレンオキサイド付加物20重量部及びソルビタンのモノステアリン酸エステル60重量部の混合物)に変えた以外は実施例1と同様にして3層積層フイルムを作成し、その評価を行った。結果を表1に示す。
【0077】
[比較例2]
実施例1において、中間層に用いる防曇剤と内層に用いる防曇剤の種類を防曇剤D(ラウリルジエタノールアミドとトリグリセリンモノステアリン酸エステルの15/85(重量比)の混合物)に変えた以外は実施例1と同様にして3層積層フイルムを作成し、その評価を行った。結果を表1に示す。
【0078】
【表1】
Figure 2004168851
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、農業用フイルム用途に供した場合に、低温防曇性、防曇持続性に優れ、結露した水滴のボタ落ちがなく、また防曇剤のブリードによる白化やべたつきがない農業用フイルムを形成することが可能な樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる単層又は多層の農業用フイルム、又は該樹脂組成物からなる層を含む多層フイルムを提供することができる。

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂に、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル(A)5〜30重量%とソルビタン(又はソルビトール)の脂肪酸エステル(b1)及びアルキルジエタノールアミンモノ脂肪酸エステル(b2)から選ばれる脂肪酸エステル(B)70〜95重量%とからなる割合の防曇剤混合成分を配合してなる樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ジグリセリンモノ脂肪酸エステル(A)の脂肪酸成分が炭素数8〜22の不飽和脂肪酸である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. ジグリセリンモノ脂肪酸エステル(A)がジグリセリンモノオレイン酸エステルである請求項3記載の樹脂組成物。
  5. ソルビタン(又はソルビトール)の脂肪酸エステル(b1)及びアルキルジエタノールアミンモノ脂肪酸エステル(b2)の脂肪酸成分が炭素数8〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸である請求項1〜4記載の樹脂組成物。
  6. アルキルジエタノールアミンモノ脂肪酸エステル(b2)がN−ステアリルジエタノールアミンのモノステアリン酸エステルである請求項5記載の樹脂組成物。
  7. 農業用フイルム用に使用される請求項1〜6記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜6記載の樹脂組成物からなる農業用フイルム。
  9. 請求項1〜6記載の樹脂組成物からなる層を含む単層又は多層の農業用フイルム。
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