JP2004147468A - 駆動回路が内蔵された軸方向空隙型ブラシレス振動モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヨークブラケット1は軸支承部1aから一体に半径方向に延ばされたディテントトルク発生部と、このディテントトルク発生部の先端を閉じる保持部と、これらに囲まれた空所1eと、保持部から外方に導出された給電端子載置部1dが備えられ、ステータベース3に配された単相の空心電機子コイルと、駆動回路部材Dがあり、軸支承部と前記非磁性部分が一体化された樹脂4が備えられ、ロータヨークに軸方向空隙型マグネット8と、軸方向に出ないようにマグネットの外周に配された円弧状偏心ウエイト9が配され、軸保持部に補強リブを形成し、カバー部材10が前記ステータの保持部にレーザ溶接され、軸2の先端がカバー部材の凹所にはめ込まれた。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、移動体通信装置の無音報知手段に用いて好適なもので、ホールセンサと駆動回路部材が内蔵された軸方向空隙型ブラシレス振動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータは、ブラシ、コミュテータに代わる駆動回路が必須要件であるが、上記従来の構造は、いずれも駆動回路が内蔵されておらず、外付けのため引き出し端子も4端子以上が必要となって通常の2端子型直流モータのように取り扱うことができない問題があった。
しかも、通常のブラシレスモータでは、ステータは複数個の電機子コイルを均等に全周に配置しており、駆動回路部品もICを始め他の電子部品が必要なため、とても内蔵できるものではなかった。
扁平な軸方向空隙型ブラシレス振動モータとして本出願人は、先にコアレススロットレス型で駆動回路部材を内蔵させないものを提案している。(実用新案文献1、特許文献2参照)
駆動回路付きのブラシレス振動モータとしては、コアード型で、複数個の等分に配置した突極に電機子コイルを巻回してなるコアード型で駆動回路部材をステータの側方に配置した非円形なものが知られている。(特許文献3参照)
しかしながら、このようなものは、側方向のサイズが大となってしまい、セット側の印刷配線板にSMD方式では実装効率が悪く、またコアード型のため、厚みが大とならざるを得ず実用性がない。
そこで、本出願人は、先にコアード、スロットレスコアレス型を含んだもので複数個の電機子コイルの一部を削除して空所を設け、この空所に駆動回路部材を配置したものを提案している。(特許文献4参照)
【0003】
特許文献1 実開平4−137463号公報
特許文献2 特開2002−143767号公報
特許文献3 特開2000−245103号公報
特許文献4 特開2002−142227号公報(図8〜図11)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、上記特許文献4に開示された特開2002−142227号公報の図8〜図11の軸方向空隙型ブラシレス振動モータをさらに改良して薄型で簡単な構成でマグネットの停止位置を安定させるディテントトルク発生用別の部材を無くすなど部材点数を少なくし、駆動回路部品を内蔵できるようにして通常の直流モータと同様な取り扱いができるようにし、各部材を薄くしながらも強度も十分なようにして極めて薄い小型ブラシレス振動モータを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するには、請求項1に示すように、ロータヨークに複数個の磁極を有する軸方向空隙型マグネットを配する共に、このマグネットの外周にアンバランス手段を設けてなる偏心ロータと、この偏心ロータを支える軸と、この軸を支えるヨークブラケットと、このヨークブラケットに添設されたステータベースと、このステータベースに配された空心電機子コイルと、この空心電機子コイルとそれぞれ平面視重畳しないように前記ステータベースに配された駆動回路装置と、これらを覆うカバー部材とを備え、前記ヨークブラケットは前記マグネットの磁界を受ける磁性部分と非磁性部分とがあり、一部が半径方向外周に延在されて保持部が形成され、この保持部に前記カバーの開口部が組み付けられたもので達成できる。
具体的には、請求項2に示すように、前記空心電機子コイルは2個の単相に結線され、前記駆動回路装置は1個のホールセンサと同センサの出力を受ける駆動回路部材からなり、ロータヨークは厚みが0.15以下の磁性体で複数個の補強リブがある軸保持部を介して前記軸に支えられ、さらに、ヨークブラケットの一部と前記ステータベースの一部が前記カバー部材より側方に突き出されて給電端子部を構成しており、前記ロータヨークに配した軸方向空隙型マグネットは前記ヨークブラケットの磁性部分でディテントトルクを生じさせるように構成し、前記カバーとヨークブラケットの組み付ける手段がレーザ溶接によりなり、前記偏心ウエイトは平面視弧状に形成され、前記軸方向空隙型マグネットの外周でロータヨークに3カ所のレーザ溶接で組み付けられたものにするのがよい。
また、固定軸方式として請求項3、4に示すように、前記ヨークブラケットは厚みが0.2mm以下で中心に前記軸の基端が固定され、少なくとも前記非磁性部分に樹脂が一体化され、前記偏心ロータはロータヨークに軸受が配され、この軸受を介して前記軸に回転自在に装着され、前記軸の先端がカバー部材の中心の凹部にはめ込まれているものか、さらに、前記軸は少なくとも先端がカバー部材に溶着されているのがよい。
そして、回転軸方式として請求項5、6に示すように、前記軸は先端が前記ロータヨークに溶着され、この軸を回転自在に支える軸受部がステータベースの中心に配され、前記軸の基端がステータベース側にピボット支承され、前記ピボット支承する手段がマイクロボールベアリングで軸の先端を受けるようにしたものにしてもよい。
【0006】
請求項1に示す発明では、簡単に駆動回路部材が内蔵できることになり、給電端子も正負の2端子にすることができ、ヨークブラケットの磁性部分を利用することによってマグネットを所定の位置に停動させるディテントトルクを発生させるに当たって別の部材が不要になるので、薄型化できる。
請求項2に示す型発明では、偏心ロータを薄型にしても強度が確保でき、ヨークブラケットの磁性部分を利用してマグネットを所定の位置に停動させるディテントトルクを生じることができ、偏心ウエイトは弧状にしたので、薄型ながらも重心の移動が大となって回転時に大きな遠心力が発生し、カバーとヨークブラケットはレーザ溶接したので、変形が起きにくく、ヨークブラケットを利用して給電端子の保護ができる。
請求項3、4に示す発明では、軸は径方向に衝撃があっても、カバーで受け止められるので、細手のものが採用でき、ヨークブラケット、ロータヨークとも薄いのでモータとして極めて薄型にできる。
請求項5、6に示す発明では、軸の基端をピボット支承するので、摺動ロスが軽減できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の第1の実施の形態を示すもので、軸固定型の軸方向空隙型コアレススロットレス方式ブラシレス振動モータの横方向切断平面図である。
図2は図1のA−A切断縦断面図である。
図3は図1の一部材の平面図である。
図4は図1の別の部材の平面図である。
図5はこの発明の第2の実施の形態を示すもので、軸回転型の軸方向空隙型コアレススロットレス方式ブラシレス振動モータの縦断面図である。
【0008】
以下、この発明の構成を図示する各実施の形態に基づいて説明する。
図1、図2に示すものは軸固定型の軸方向空隙型コアレススロットレス方式ブラシレス振動モータブラシレス振動モータで、すなわち、ヨークブラケット1は鉄板より弱い磁性を有するステンレス板で厚みが0.15mmないし0.2mmの薄型で構成され、中央にバーリング状に突き立てた軸支承部1aと、図3に示すような半径方向に約120度開角で延設された3カ所の後述の軸方向界磁型マグネットの磁界を受ける磁性部分としてディテントトルク発生部1b及びさらに半径方向に延在されたものでリング状の補強を兼ねた保持部1cからなり、この保持部の一部がさらに半径方向に突き出されて給電端子載置部1dとなっている。このヨークブラケット1は、後述の軸方向界磁型マグネットの磁極を特定の位置に停止しておくために前記の磁性部分としてディテントトルク発生部1bの間は非磁性の空間1eを構成している。
このように構成したヨークブラケット1の上面には、前記軸支承部1aに0.5mmの細手の軸2が基端で圧入されると共に、この周囲にフレキシブル印刷配線板あるいはガラスクロスエポキシ基板からなるステータベース3が載置され、さらに、前記ヨークブラケット1が骨幹となるように液晶、ポリフエニレンサルファイドなどのリフロー半田に耐えられる耐熱性樹脂4で一体化される。この耐熱性樹脂は前記非磁性空間1eにも充填され、ヨークブラケット1を補強すると共に、前記非磁性空間1eを塞いでいる。前記ステータベース3には、2個の空心電機子コイル5A、5Bが対向して載置され、単相となるようにシリーズに結線される。
これらの空心電機子コイル5A、5B間には、1個のホールセンサHとIC化された駆動回路部材Dからなる駆動回路装置が配置される。
ここで、ディテントトルク発生部1bと単相の空心電機子コイルの位置関係は、空心電機子コイルの有効導体部が後記のマグネットの磁極に合わせて設定され、コギングトルク発生部1bの形状はマグネットの磁力によって停止させておくに当たって最小の停動トルクが得られるように設定されるのがよい。
したがって、これらのステータ部材は、平面視重畳してないことになり、薄型に構成できる。
ここでは、前記耐熱性樹脂4の一部をガイド4a、4bとして立ち上げ、このガイド4a、4bを利用して前記空心電機子コイル5A、5Bを載置したものを示したが、他の部材と含めて一体成形してもよい。
一方、前記軸に回転自在に装着される偏心ロータRは、中央に設けたバーリング状の軸受保持部6aに焼結含油軸受7が圧入された0,1mm程度の薄いロータヨーク6と、この下面接着した軸方向空隙型マグネット8と、このマグネット8の外周で図4にも示すように前記ロータヨーク6に3点でレーザスポット溶接された弧状ウエイト9からなる。
ここで、前記ロータヨーク6には、落下などの衝撃時に変形を防ぐために厚み方向のデッドスペースを利用して補強リブ6bが軸保持部6aから放射状に形成されている。図中、6cは前記マグネット8を位置決めすると共に接着時の補強用として垂下させた舌片である。前記マグネット8は6極着磁されていてその駆動原理は公知であるので、その説明は省略する。
このように構成した偏心ロータRは、ブレーキ損失を軽減させるために少なくとも2枚に積層したスラストワッシャS1を介して前記軸2に回転自在に装着される。その後、薄い非磁性ステンレス材からなる浅いキャップ状のカバー部材10が被せられ、前記軸の先端が前記カバー部材10の中央に形成されたバーリング孔10aにスラストワッシャS2を介してはめ込まれる。ここで、このバーリング孔は軸径よりさらに細くなっており、軸2の先端が突き出ないようになっていてこの先端部分は変形予防のために前記カバー部材10にレーザ溶接されると共に、カバー部材10の開口部は前記ヨークブラケット1の保持部1cにレーザスポット溶接で組み付けられる。
したがって、このように溶接によって組み立てられるので、薄手の部材を使用しても強度が十分得られることになる。
このように、ステータベース3上に設けた巻線電機子コイル5A、5B、ホールセンサHおよび駆動回路部材Dなどからなるステータ側部材をカバー部材10の内部に格納することによってモータ外部へは給電端子載置部1dから一対の電源端子を導出するだけでよいので、ブラシレスモータでありながら通常のモータと同様に取り扱うことができる。
【0009】
次に図5において、第2の実施の形態である軸回転型の構成を説明する。
以下、上記の実施の形態と同一の部材または同一機能を有する略同一部材については同一符号を付してその説明を省略する場合がある。
すなわち、ヨークブラケット11には中央に少し大径の軸支承部11aがバーリング状に上方に突き出され、ここに前記と同様な焼結含油軸受7が格納される。ヨークブラケット11のその他の部位は前記第1の実施の形態と同様なためその説明は省略する。
一方、偏心ロータR1は、今度はロータヨーク66の中心に0.6mmの軸22の先端が直接圧入され、さらにロータヨーク66にレーザスポット溶接されている。この軸66の他端は、0.3mm程度のボールベアリングBを介してヨークブラケット11に一体化した耐熱性樹脂の受け部にピボット支承されるようになっている。
ここで前記ボールベアリングBの替わりに軸に基端を丸く形成してもよい。
偏心ロータR1は、ヨークブラケット側吸引されるので、スラストワッシャは不要となる。当然ながらカバー部材100はめくら型でよいことになる。
【0010】
【発明の効果】
この発明は、上記のように構成したので、簡単な構成で部材点数を少なくし、駆動回路装置をモータ内部に内蔵できるようにして通常の直流モータと同様な取り扱いができるようにし、各部材を薄くしながらも強度も十分なようにして極めて薄いブラシレス振動モータを提供できる。
すなわち、請求項1に示す発明では、簡単に駆動回路部材が内蔵できることになり、給電端子も正負の2端子にすることができ、ヨークブラケットの磁性部分を利用することによってマグネットを所定の位置に停動させるディテントトルクを発生させるに当たって別の部材が不要になるので、薄型化できる。
請求項2に示す発明では、偏心ロータを薄型にしても強度が確保でき、偏心ウエイトは弧状にしたので、薄型ながらも重心の移動が大となって回転時に大きな遠心力が発生し、カバーとヨークブラケットはレーザ溶接したので、変形が起きにくく、ヨークブラケットを利用して給電端子の保護ができる。
請求項3、4に示す発明では、軸は径方向に衝撃があっても、カバーで受け止められるので、細手のものが採用でき、ヨークブラケット、ロータヨークとも薄いのでモータとして極めて薄型にできる。
請求項5、6に示す発明では、軸の基端をピボット支承するので、摺動ロスが軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示すもので、軸固定型の軸方向空隙型コアレススロットレス方式ブラシレス振動モータの横方向切断平面図である。
【図2】図1のA−A切断縦断面図である。
【図3】図1の一部材の平面図である。
【図4】図1の別の部材の平面図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態を示すもので、軸回転型の軸方向空隙型コアレススロットレス方式ブラシレス振動モータの縦断面図である。
【符号の説明】
1、11 ヨークブラケット
2 軸
3 ステータベース
4 耐熱性樹脂
5A、5B 空心電機子コイル
6、66 ロータヨーク
R、R1 偏心ロータ
H ホールセンサ
D 駆動回路部材
7 焼結含油軸受
8 軸方向空隙型マグネット
9 弧状の偏心ウエイト
10 カバー部材
Claims (6)
- ロータヨークに複数個の磁極を有する軸方向空隙型マグネットを配する共に、このマグネットの外周にアンバランス手段を設けてなる偏心ロータと、この偏心ロータを支える軸と、この軸を支えるヨークブラケットと、このヨークブラケットに添設されたステータベースと、このステータベースに配された空心電機子コイルと、この空心電機子コイルとそれぞれ平面視重畳しないように前記ステータベースに配された駆動回路装置と、これらを覆うカバー部材とを備え、前記ヨークブラケットは前記マグネットの磁界を受ける磁性部分と非磁性部分とがあり、一部が半径方向外周に延在されて保持部が形成され、この保持部に前記カバーの開口部が組み付けられたことを特徴とする駆動回路が内蔵された軸方向空隙型ブラシレス振動モータ。
- 前記空心電機子コイルは2個の単相に結線され、前記駆動回路装置は1個のホールセンサと同センサの出力を受ける駆動回路部材からなり、ロータヨークは厚みが0.15以下の磁性体で複数個の補強リブがある軸保持部を介して前記軸に支えられ、さらに、ヨークブラケットの一部と前記ステータベースの一部が前記カバー部材より側方に突き出されて給電端子部を構成しており、前記ロータヨークに配した軸方向空隙型マグネットは前記ヨークブラケットの磁性部分でディテントトルクを生じさせるように構成し、前記カバーとヨークブラケットの組み付ける手段がレーザ溶接によりなり、前記偏心ウエイトは平面視弧状に形成され、前記軸方向空隙型マグネットの外周でロータヨークに3カ所のレーザ溶接で組み付けられた請求項1に記載の駆動回路が内蔵された軸方向空隙型ブラシレス振動モータ。
- 前記ヨークブラケットは厚みが0.2mm以下で中心に前記軸の基端が固定され、少なくとも前記非磁性部分に樹脂が一体化され、前記偏心ロータはロータヨークに軸受が配され、この軸受を介して前記軸に回転自在に装着され、前記軸の先端がカバー部材の中心の凹部にはめ込まれている請求項1または2に記載の駆動回路が内蔵された軸方向空隙型ブラシレス振動モータ。
- 前記軸は先端がカバー部材に溶着されている請求項3に記載の駆動回路部材が内蔵された軸方向空隙型ブラシレス振動モータ。
- 前記軸は先端が前記ロータヨークに溶着され、この軸を回転自在に支える軸受部がステータベースの中心に配され、前記軸の基端がステータベース側にピボット支承されている請求項1または2に記載の駆動回路が内蔵された軸方向空隙型ブラシレス振動モータ。
- 前記ピボット支承する手段がマイクロボールベアリングで軸の先端を受けるようにした請求項5に記載のホールセンサと駆動回路が内蔵された軸方向空隙型ブラシレス振動モータ。
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A521 | Written amendment |
Effective date: 20040310 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040305 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
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