JP2004136826A - センタデファレンシャル装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】図1に示すようにセンタデファレンシャル3はトランスファクラッチ5に付与するクラッチ締結トルクにより前後輪へのトルク配分が可変設定される。又運転席にはコントロールスイッチ26が設けられており、運転者がコントロールスイッチ26を操作することでクラッチ締結トルクを自己の好みに設定することができる。運転者がコントロールスイッチ26を操作すると、その操作量に応じたボリューム入力値Voを算出し(S1)、又スロットル開度θthに基づいて最大スロットル感応トルクTQ1、最小スロットル感応トルクTQ2を設定し(S3,S4)、更にボリューム入力値Voに基づきボリューム補正ゲインGを設定する(S4)。そしてクラッチ締結トルクTをT←(TQ1−TQ2)・G+TQ2から算出する。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、前後輪へのトルク配分を、コントロールスイッチにより自己の好みに合わせて設定することのできるセンタデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
手動変速機を備えた4輪駆動車は、自動変速機を備えた4輪駆動車のような油圧源や油圧制御装置が装備されていないため、センタデファレンシャル装置は、ベベルギヤやプラネタリギヤを用いた機械式センタデファレンシャル装置が採用されている。
【0003】
この機械式センタデファレンシャル装置として、例えば特開平8−132914号公報には、運転者がセンタデファレンシャル装置のトランスファクラッチのクラッチ締結トルクを任意に設定することのできるコントロールスイッチを併設し、運転者が路面状態、走行条件等に応じてトランスファクラッチのクラッチ締結トルクをデフフリー状態からデフロック状態までの間で任意に設定することができる技術が開示されている。
【0004】
このセンタデファレンシャル装置は、トランスミッションからの駆動力が入力されるプラネタリギヤと、このプラネタリギヤに連設され、締結トルクを電磁コイルの電磁力により任意に設定できる多板クラッチからなるトランスファクラッチとを有している。
【0005】
すなわち運転者がコントロールスイッチを操作することで、その操作量に応じた励磁電流を電磁コイルに通電して所望の電磁力を発生させ、その電磁力によりトランスファクラッチに対する締結トルクを設定するもので、トランスファクラッチのクラッチ開放状態では、プラネタリギヤで設定される配分比に従い駆動力が前後輪へ配分され、又、クラッチ締結状態では、前後輪へ駆動力が等分に配分される。
【0006】
従って、低μ路走行時には、トランスファクラッチの締結トルクを強めることで、車輪のスリップを抑制することができ、又、カーブの連続する山間路走行時にはトランスファクラッチの締結トルクを弱めることで、タイトコーナブレーキング現象を回避して、良好な走行フィーリングを得ることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−132914号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した公報に開示されている技術では、トランスファクラッチの締結トルクをコントロールスイッチのマニュアル操作によって一義的に設定するようにしているため、走行条件が変化した場合には、その都度、コントロールスイッチを操作して最適な走行フィーリングを逐一設定する必要があり、操作が煩雑である。
【0009】
すなわち、センタデファレンシャル装置の前後輪へのトルク配分が、トランスファクラッチを開放した状態で、後輪駆動力配分比>前輪駆動力配分比に設定されている場合、例えば、低μ路走行において運転者が、アクセルペダルを踏込んだときトランスファクラッチの締結トルクを強め、前輪への駆動力配分比をやや高く設定して車輪のスリップを回避しようと考えた場合、或いは旋回走行時に、横加速度が大きいときは後輪への駆動力配分比を高めたほうが曲がりやすいと感じた場合であっても、アクセルペダルを踏込んだとき、或いは、横加速度が大きいと感じたとき、その都度、運転者がコントロールスイッチをマニュアル操作することは困難であるため、走行条件の一時的な変化に対しては、運転者の意思が充分に反映されず、センタデファレンシャル装置の本来有するポテンシャルを充分に引き出すことができない不具合がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、走行中のコントロールスイッチの操作が煩雑化せず、又運転条件の一時的な変化に対して運転者の意思を充分に反映させることのできるセンタデファレンシャル装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による第1のセンタデファレンシャル装置は、トランスミッションからの駆動力を前後輪に配分する配分比を設定するトランスファクラッチを備えるセンタデファレンシャルと、上記トランスファクラッチのクラッチ締結トルクを運転者の操作により可変設定するコントロールスイッチと、車両の運転状態に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値とを設定する運転状態感応トルク設定手段と、上記コントロールスイッチの出力値に基づいてトルク入力値を設定するトルク入力値設定手段と、上記トルク入力値に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値との間のゲインを設定するゲイン設定手段と、上記クラッチ締結トルクの上記最大値と上記最小値との差分に上記ゲインを乗算してトルクシフト量を算出し、該トルクシフト量を上記最小値に加算して上記クラッチ締結トルクを設定するクラッチ締結トルク設定手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
このような構成では、センタデファレンシャルに設けられているトランスファクラッチのクラッチ締結トルクは、車両の運転状態と、運転者が操作するコントロールスイッチの操作量とによって決定される。すなわち、車両の運転状態に基づきクラッチ締結トルクの最大値と最小値とを設定し、又、運転者が操作するコントロールスイッチの出力値に基づいて自己の好みに合ったクラッチ締結トルクを得るトルク入力値を設定する。そして、このトルク入力値に基づきクラッチ締結トルクの最大値と最小値との間のゲインを設定し、このゲインをクラッチ締結トルクの最大値と最小値との差分に乗算してトルクシフト量を算出し、このトルクシフト量を最小値に加算してクラッチ締結トルクを設定する。
【0013】
この場合、上記ゲインを、横加速度に基づいて設定した横加速度補正ゲイン最大値と横加速度補正ゲイン最小値との差分にコントロールスイッチの出力値に基づいて設定されるトルク入力値を乗算してトルクシフト量を算出し、このトルクシフト量を横加速度補正ゲイン最小値に加算して設定することで、トランスファクラッチのクラッチ締結トルクを横加速度に応じて補正制御することができる。
【0014】
又、上記ゲインを、車速に基づいて設定した車速補正ゲイン最大値と車速補正ゲイン最小値との差分にコントロールスイッチの出力値に基づいて設定されるトルク入力値を乗算してトルクシフト量を算出し、このトルクシフト量を車速補正ゲイン最小値に加算して設定することで、クラッチ締結トルクを車速に応じて補正制御することができる。
【0015】
更に、上記ゲインは、ヨーレートに基づいて設定したヨーレート補正ゲイン最大値とヨーレート補正ゲイン最小値との差分に上記コントロールスイッチの出力値に基づいて設定されるトルク入力値を乗算してトルクシフト量を算出し、このトルクシフト量をヨーレート補正ゲイン最小値に加算して設定することで、クラッチ締結トルクをヨーレートに応じて補正制御することができる。
【0016】
又、上記ゲインは、路面摩擦係数に基づいて設定した路面摩擦係数補正ゲイン最大値と路面摩擦係数補正ゲイン最小値との差分に上記コントロールスイッチの出力値に基づいて設定されるトルク入力値を乗算してトルクシフト量を算出し、このトルクシフト量を路面摩擦係数補正ゲイン最小値に加算して設定することで、クラッチ締結トルクを路面摩擦係数に応じて補正制御することができる。
【0017】
更に、上記ゲインは、前後輪の差回転に基づいて設定した前後輪差回転補正ゲイン最大値と前後輪差回転補正ゲイン最小値との差分にコントロールスイッチの出力値に基づいて設定されるトルク入力値を乗算してトルクシフト量を算出し、このトルクシフト量を上記前後輪差回転補正ゲイン最小値に加算して設定することで、前後輪の差回転が大きい状態、すなわちスリップが発生している場合には、トランスファクラッチのクラッチ締結トルクを大きく設定し、スリップの発生を抑制する方向へ補正制御させることができる。
【0018】
又、本発明による第2のセンタデファレンシャル装置は、トランスミッションからの駆動力を前後輪に配分する配分比を設定するトランスファクラッチを備えるセンタデファレンシャルと、上記トランスファクラッチのクラッチ締結トルクを運転者の操作により可変設定するコントロールスイッチと、車両の運転状態に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値とを設定する運転状態感応トルク設定手段と、上記コントロールスイッチの出力値に基づいてトルク入力値を設定するトルク入力値設定手段と、上記トルク入力値に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値との間のゲインを設定するゲイン設定手段と、上記クラッチ締結トルクの上記最大値と上記最小値に上記ゲインを乗算して算出した補正最小値との差分に横加速度検出手段で検出した横加速度に基づいて設定した横加速度補正値を乗算し、この値に上記補正最小値を加算して上記クラッチ締結トルクを設定するクラッチ締結トルク設定手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
このような構成では、センタデファレンシャルに設けられているトランスファクラッチのクラッチ締結トルクは、車両の運転状態と、運転者が操作するコントロールスイッチの操作量とによって決定される。すなわち、車両の運転状態に基づきクラッチ締結トルクの最大値と最小値とを設定し、又、運転者が操作するコントロールスイッチの出力値に基づいて自己の好みに合ったクラッチ締結トルクを得るトルク入力値を設定する。そして、このトルク入力値に基づきクラッチ締結トルクの最大値と最小値との間のゲインを設定し、次いで、クラッチ締結トルクの上記最大値と最小値にゲインを乗算して算出した補正最小値との差分に、横加速度に基づいて設定した横加速度補正値を乗算し、この値に補正最小値を加算してクラッチ締結トルクを設定する。
【0020】
更に、本発明による第3のセンタデファレンシャル装置は、トランスミッションからの駆動力を前後輪に配分する配分比を設定するトランスファクラッチを備えるセンタデファレンシャルと、上記トランスファクラッチのクラッチ締結トルクを運転者の操作により可変設定するコントロールスイッチと、車両の運転状態に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値とを設定する運転状態感応トルク設定手段と、上記コントロールスイッチの出力値に基づいてトルク入力値を設定するトルク入力値設定手段と、上記トルク入力値に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値との間のゲインを設定するゲイン設定手段と、上記クラッチ締結トルクの上記最大値に上記ゲインを乗算して算出した補正最大値と上記最小値との差分に横加速度検出手段で検出した横加速度に基づいて設定した横加速度補正値を乗算し、この値に上記最小値を加算して上記クラッチ締結トルクを設定するクラッチ締結トルク設定手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
このような構成では、センタデファレンシャルに設けられているトランスファクラッチのクラッチ締結トルクは、車両の運転状態と、運転者が操作するコントロールスイッチの操作量とによって決定される。すなわち、車両の運転状態に基づきクラッチ締結トルクの最大値と最小値とを設定し、又、運転者が操作するコントロールスイッチの出力値に基づいて自己の好みに合ったクラッチ締結トルクを得るトルク入力値を設定する。そして、このトルク入力値に基づきクラッチ締結トルクの最大値と最小値との間のゲインを設定し、次いで、クラッチ締結トルクの最大値にゲインを乗算して算出した補正最大値と最小値との差分に横加速度に基づいて設定した横加速度補正値を乗算し、この値に、最小値を加算してクラッチ締結トルクを設定する。
【0022】
又、本発明による第4のセンタデファレンシャル装置は、トランスミッションからの駆動力を前後輪に配分する配分比を設定するトランスファクラッチを備えるセンタデファレンシャルと、上記トランスファクラッチのクラッチ締結トルクを運転者の操作により可変設定するコントロールスイッチと、車両の運転状態に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値とを設定する運転状態感応トルク設定手段と、上記コントロールスイッチの出力値に基づいてトルク入力値を設定するトルク入力値設定手段と、上記トルク入力値に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値との間のゲインを設定するゲイン設定手段と、上記クラッチ締結トルクの上記最大値と上記最小値との差分に上記ゲイン及び横加速度検出手段で検出した横加速度に基づいて設定した横加速度補正値を乗算し、この値に上記最小値に上記ゲインを乗算して算出した補正最小値を加算して上記クラッチ締結トルクを設定するクラッチ締結トルク設定手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
このような構成では、センタデファレンシャルに設けられているトランスファクラッチのクラッチ締結トルクは、車両の運転状態と、運転者が操作するコントロールスイッチの操作量とによって決定される。すなわち、車両の運転状態に基づきクラッチ締結トルクの最大値と最小値とを設定し、又、運転者が操作するコントロールスイッチの出力値に基づいて自己の好みに合ったクラッチ締結トルクを得るトルク入力値を設定する。そして、このトルク入力値に基づきクラッチ締結トルクの最大値と最小値との間のゲインを設定し、クラッチ締結トルクの最大値と最小値との差分にゲイン及び横加速度に基づいて設定した横加速度補正値を乗算し、この値に、最小値にゲインを乗算して算出した補正最小値を加算してクラッチ締結トルクを設定する。
【0024】
この場合、好ましくは、1)上記クラッチ締結トルク設定手段では、上記トランスファクラッチ及びデファレンシャルを保護するためのトルク上限値とトルク下限値とを設定し上記クラッチ締結トルクを該トルク上限値と該トルク下限値との間で設定することを特徴とする。
2)上記車両の運転状態はスロットル開度に基づいて検出することを特徴とする。
3)上記車両の運転状態はエンジントルクに基づいて検出することを特徴とする。
4)上記車両の運転状態はトランスファ入力トルクに基づいて検出することを特徴とする。
5)上記車両の運転状態は前後輪の差回転に基づいて検出することを特徴とする。
6)上記車両の運転状態は路面摩擦係数に基づいて検出することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1〜図4に本発明の第1実施の形態を示す。図1には4輪駆動車の動力伝達系の概略構成図が示されている。
【0026】
同図の符号1はエンジンであり、このエンジン1の出力軸に連結されるトランスミッション2の後部に、センタデファレンシャル3が一体的に連設されている。
【0027】
センタデファレンシャル3は、トランスミッション2からの駆動力が入力されるプラネタリギヤ機構4と、このプラネタリギヤ機構4に連設され、後述するトランスファ制御ユニット(TCU)20により締結トルクが電子制御される多板クラッチからなるトランスファクラッチ5とを備え、エンジン1の駆動力がトランスミッション2で所定に変速された後、センタデファレンシャル3を介して前輪側と後輪側とに配分される。本実施の形態においては、トランスミッション2の出力側がプラネタリギヤ機構4のリングギヤに連結され、このリングギヤとサンギヤとに噛合するピニオンを回転自在に支持するキャリアがプロペラシャフト6を介してリヤデファレンシャル7に連結されている。
【0028】
又、プラネタリギヤ機構4のキャリアがトランスファクラッチ5のクラッチドラムに連結され、サンギヤがトランスファクラッチ5のクラッチハブに連結されると共にフロントドライブシャフト8を介してフロントデファレンシャル9に連結されている。
【0029】
トランスファクラッチ5は、クラッチドラムとクラッチハブとの間を接離自在に連設するクラッチプレートをキャリアを介して押圧する駆動機構として、電磁クラッチ及びトルク増幅用カムからなる電磁駆動機構を備え、この電磁駆動機構の励磁電流を制御することで締結トルクが制御される。
【0030】
そして、トランスミッション2からプラネタリギヤ機構4に入力される駆動力がキャリアからリヤデファレンシャル7を介して後左右輪11L,11Rに伝達されると共に、トランスファクラッチ5の締結トルクに応じたキャリアとサンギヤとの差動出力がフロントデファレンシャル9を介して前左右輪10L,10Rに伝達される。すなわち、トランスファクラッチ5が完全締結状態(デフロック状態)では、キャリアとサンギヤとが一体的に固定されて前輪側と後輪側とに均等にトルク配分されるデフロック状態となり、トランスファクラッチ5が解放状態(デフフリー状態)では、プラネタリギヤ機構4で設定される配分比に従い駆動力が配分される。尚、本実施の形態では、トランスファクラッチ5がデフフリー状態にあるときのプラネタリギヤ機構4で設定される配分比は、後輪駆動力配分比>前輪駆動力配分比の後輪偏重に設定される。
【0031】
トランスファクラッチ5の締結トルクは、マイクロコンピュータを中心として構成されるトランスファ制御ユニット(TCU)20により電子的に制御される。このトランスファ制御ユニット20には、エンジン運転状態や車両走行状態等、車両の運転状態を検出する各種センサ・スイッチ類からの各信号、他の制御ユニットにおける制御信号等が入力され、これらの信号に基づいて締結トルクの指示値を演算する。
【0032】
図1に示すように、TCU20に入力される信号としては、スロットル弁の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ21、ブレーキペダルの踏込みによりONするブレーキスイッチ22、ハンドブレーキレバーを引いたときにON動作するハンドブレーキスイッチ23、車両の横方向の加速度を検出する横加速度センサ24、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ25、トランスファクラッチ5に対する締結トルクのゲインをマニュアル操作により設定するコントロールスイッチ26、及び車速を検出する車速センサ(図示せず)等からの各信号、及び、ABS制御ユニット(ABS_ECU)30からのABS作動信号、エンジン制御ユニット(E/G_ECU)31からのエンジン回転数信号等が入力される。
【0033】
コントロールスイッチ26はセンタコンソール等、運転者の操作し易い位置に配設されており、図示しないダイヤルを回転させることで、その回転角度に応じた電流或いは電圧が出力される。
【0034】
又、符号27は各車輪10R,10L,11R,11Lと一体回転するシグナルロータであり、この各シグナルロータ27の外周に電磁ピックアップ等で構成された車輪速センサ28L,28R,29L,29Rが近接した状態で各々配設されている。TCU20では、車輪速センサ28L,28R,29L,29Rから、各シグナルロータ27の外周に形成されている歯が通過する際に出力されるパルス信号に基づき各車輪10L,10R,11L,11Rの車輪速を算出する。
【0035】
又、TCU20では、入力された各信号に基づき、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTを算出すると共に、このクラッチ締結トルクTに基づき、トランスファクラッチ5に締結トルクを発生させる電磁コイル(図示せず)に通電する励磁電流を設定する。
【0036】
TCU20で算出されるトランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTは、図2に示す締結トルク設定ルーチンに従って求められる。このルーチンは、先ず、ステップS1で、コントロールスイッチ26から出力される電圧値に基づき、運転者の意図するトルク入力値を電圧の出力割合で示すボリューム入力値Vo[%]を算出する。このボリューム入力値Voの最小値は0[%]、最大値は100[%]であり、この間でコントロールスイッチ26から出力される電圧値に比例した値が設定される。
【0037】
次いで、ステップS2へ進むと、スロットル開度センサ21で検出した車両の運転状態を示すパラメータの代表であるスロットル開度θth[%]に基づき、最大スロットル感応トルク設定テーブルを補間計算付で参照して、最大運転状態感応トルクとしての最大スロットル感応トルクTQ1を設定する。最大スロットル感応トルクTQ1は、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTの最大許容値を示すもので、図3に示すように、最大スロットル感応トルク設定テーブルには、スロットル開度θth[%]が大きくなるに従い大きな値の最大スロットル感応トルクTQ1が格納されている。
【0038】
その後、ステップS3へ進み、スロットル開度θth[%]に基づき、最小スロットル感応トルク設定テーブルを補間計算付で参照して、最小運転状態感応トルクとしての最小スロットル感応トルクTQ2を設定する。最小スロットル感応トルクTQ2は、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTの最小許容値を示すもので、図3に示すように、最小スロットル感応トルク設定テーブルには、スロットル開度θth[%]が大きくなるに従い大きな値の最小スロットル感応トルクTQ2が格納されている。
【0039】
図3にハッチングで示すように、最大スロットル感応トルクTQ1と最小スロットル感応トルクTQ2とは、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTの設定可能領域を示すもので、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTは最大スロットル感応トルクTQ1と最小スロットル感応トルクTQ2とで囲まれた領域内で設定される。
【0040】
そして、ステップS4へ進むと、ボリューム入力値Vo[%]に基づき、図4に示すボリューム補正ゲイン設定テーブルを補間計算付で参照して、ボリューム補正ゲインGを設定する。尚、同図に示すように、ボリューム入力値Vo[%]とボリューム補正ゲインGとはほぼ比例関係にあるため、傾き(及び必要な場合は、切片)を与えることで、ボリューム入力値Vo[%]に基づきボリューム補正ゲインGを計算により算出することも可能である。
【0041】
その後、ステップS5へ進むと、最大スロットル感応トルクTQ1と最小スロットル感応トルクTQ2との差分にボリューム補正ゲインGを乗算してトルクシフト量を算出し、このトルクシフト量を最小スロットル感応トルクTQ2に加算して、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTを算出する。
T←(TQ1−TQ2)・G+TQ2…(1)
【0042】
次いで、ステップS6へ進み、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTとトルク上限値Tmaxとを比較する。このトルク上限値Tmaxは、トランスファクラッチ5の締結トルクTが強すぎるために、トランスファクラッチ5にて前後輪の差回転を無理に押える状態を回避し、トランスファクラッチ5、フロントデファレンシャル9及びリヤデファレンシャル7に無理なトルクが印加されるのを防止し、デファレンシャルを保護するためのトルクリミッタであり、予め実験などから求めて設定されている。
【0043】
そして、T>Tmaxのときは、ステップS7へ分岐し、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTをトルク上限値Tmaxで設定して(T←Tmax)、ルーチンを抜ける。又、T≦Tmaxのときは、そのままステップS8へ進む。
【0044】
ステップS8では、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTとトルク下限値Tminとを比較する。このトルク下限値Tminは、トランスファクラッチ5の締結トルクが弱く、予め設定した前後輪の差回転以上の差回転が生じた場合、トランスファクラッチ5に設定以上の差回転が生じてしまうので、それを押えるために設定されたもので、予め実験などから求められている。
【0045】
そして、T<Tminのときは、ステップS9へ分岐し、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTをトルク下限値Tminで設定して(T←Tmin)、ルーチンを抜ける。又、T≧Tminのときは、そのままルーチンを抜ける。
【0046】
TCU20では、上述した締結トルク設定ルーチンで設定したトランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTに基づき、電磁コイル(図示せず)に通電する励磁電流を設定し、この設定した励磁電流を電磁コイル(図示せず)に出力することで、トランスファクラッチ5にクラッチ締結トルクTを発生させる。
【0047】
このように、本実施の形態では、スロットル開度θthに基づいてトランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTの最大スロットル感応トルクTQ1と最小スロットル感応トルクTQ2とを求め、コントロールスイッチ26の操作により設定したボリューム入力値Voにて、最大スロットル感応トルクTQ1と最小スロットル感応トルクTQ2との間のトルクシフト量を求めるようにしたので、コントロールスイッチ26の操作により設定したボリューム入力値Voにてトランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTが一義的に設定される従来のものに比し、運転者の意思をセンタデファレンシャル3に対し、より幅広く反映させることができる。
【0048】
その結果、例えば、センタデファレンシャル3のプラネタリギヤ機構4で設定される前後輪配分比が後輪偏重に設定されている場合、低μ路走行において運転者が、アクセルペダルを踏込んだときトランスファクラッチ5の締結トルクを強め、前輪への駆動力配分比をやや高く設定して車輪のスリップを回避しようと考えた場合、コントロールスイッチ26を操作しボリューム補正ゲインGを増加させて、クラッチ締結トルクTを強めに設定する。
【0049】
その後は、そのボリューム補正ゲインGに応じてクラッチ締結トルクTが自動的に変化するため、運転者の意思がセンタデファレンシャル3に充分に反映され、運転領域が変化した場合であってもコントロールスイッチ26を逐一操作する必要が無く、良好な操作性、及び走行フィーリングを得ることができる。
【0050】
又、図5、図6に本発明の第2実施の形態を示す。上述した第1実施の形態では、ボリューム補正ゲインGを運転者の操作したコントロールスイッチ26の操作量に基づいて設定し、その値で最大スロットル感応トルクTQ1と最小スロットル感応トルクTQ2との間のボリューム補正ゲインGを設定するようにしたが、本実施の形態では、クラッチ締結トルクTのトルクシフト量を設定するゲインを更に横加速度センサ24で検出した横加速度Gyに基づいて設定するようにしたものである。
【0051】
従って、本実施の形態では、上述した第1実施の形態の効果に加え、旋回走行時におけるクラッチ締結トルクTが横加速度Gyに応じて可変設定されるので、運転者はコントロールスイッチ26を操作して、一度、旋回走行時におけるクラッチ締結トルクTを自己の好みに合わせて設定した後は、クラッチ締結トルクTが自動的に変化するため、コントロールスイッチ26の煩わしい操作が不要となり、運転者の意思がセンタデファレンシャル3に充分に反映され、良好な操作性が得られるばかりでなく、旋回走行時においては良好な運転フィーリングを得ることができる。
【0052】
以下、TCU20で処理される締結トルク設定ルーチンについて、図5に示すフローチャートに従って説明する。
【0053】
ステップS11〜S13は、第1実施の形態のステップS1〜S3に対応しており、ステップS11でコントロールスイッチ26からの出力される電圧値に基づき、ボリューム入力値Vo[%]を算出し、続くステップS12,S13で、スロットル開度θth[%]に基づき、最大スロットル感応トルクTQ1と、最小スロットル感応トルクTQ2とを設定する。
【0054】
次いで、ステップS14へ進み、横加速度センサ24で検出した横加速度Gyに基づき、横加速度補正ゲイン最小値設定テーブルを補間計算付で参照して、横加速度補正ゲイン最小値Gminを設定する。横加速度補正ゲイン最小値Gminは、横加速度Gyに対する補正ゲインの最小値を示すもので、図6に示すように、横加速度補正ゲイン最小値設定テーブルには、横加速度Gyが増加するに従い、次第に減少する横加速度補正ゲイン最小値Gminが格納されている。
【0055】
その後、ステップS15で、横加速度センサ24で検出した横加速度Gyに基づき、横加速度補正ゲイン最大値設定テーブルを補間計算付で参照して、横加速度補正ゲイン最大値Gmaxを設定する。横加速度補正ゲイン最大値Gmaxは、横加速度Gyに対する補正ゲインの最大値を示すもので、図6に示すように、横加速度補正ゲイン最大値設定テーブルには、横加速度Gyが増加するに従い、次第に減少する横加速度補正ゲイン最大値Gmaxが格納されている。
【0056】
そして、ステップS16へ進み、横加速度補正ゲイン最大値Gmaxと横加速度補正ゲイン最小値Gminとの差分にボリューム入力値Voを乗算して、横加速度Gyに対応したトルクシフト量を算出し、このトルクシフト量を横加速度補正ゲイン最小値Gminに加算して、横加速度補正ゲインGLRを算出する。 GLR←(Gmax−Gmin)・Vo+Gmin
【0057】
尚、横加速度補正ゲインGLRは、例えばコントロールスイッチ26にて設定するボリューム入力値Voが0[%]の場合、横加速度補正ゲイン最小値Gminに設定されるため、旋回走行時の横加速度Gyが増大するに従い、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTは、次第に弱くなる方向へ設定される。従って、センタデファレンシャル3のプラネタリギヤ機構4で設定される配分比が後輪偏重に設定されている場合、横加速度Gyが増加するに従い、後輪への駆動配分が徐々に大きくなる。
【0058】
その後、ステップS17へ進むと、最大スロットル感応トルクTQ1と最小スロットル感応トルクTQ2との差分に、横加速度補正ゲインGLRを乗算してトルクシフト量を算出し、このトルクシフト量を最小スロットル感応トルクTQ2に加算して、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTを算出する。
T←(TQ1−TQ2)・GLR+TQ2…(2)
【0059】
次いで、ステップS18〜S21において、上述した第1実施の形態のステップS6〜S9と同様の処理を実行して、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTを確定した後、ルーチンを抜ける。
【0060】
そして、上述した締結トルク設定ルーチンで設定したトランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTに基づき、電磁コイル(図示せず)に通電する励磁電流を設定し、この設定した励磁電流を電磁コイル(図示せず)に出力することで、トランスファクラッチ5にクラッチ締結トルクTを発生させる。
【0061】
このように、本実施の形態では、運転者がコントロールスイッチ26を操作してトランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTを設定するに際し、スロットル開度θthに加えて、横加速度Gyを加味したトルクシフト量が設定されるので、旋回走行時に設定されるトランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTでは物足りないと感じた場合には、運転者かコントロールスイッチ26を微調整することで、所望のクラッチ締結トルクTによる前後輪へのトルク配分を得ることができる。従って、運転者の意思をセンタデファレンシャル3に対して、より一層幅広く反映させることができる。
【0062】
又、図7、図8に本発明の第3実施の形態を示す。上述した第2実施の形態では、最大スロットル感応トルクTQ1と最小スロットル感応トルクTQ2との差分に、横加速度補正ゲインGLRを乗算することでトルクシフト量を算出したが、本実施の形態では、更に、横加速度Gyに基づいて横加速度補正値Kyを算出し、この横加速度補正値Kyに基づいてトルクシフト量を補正するようにしたものである。
【0063】
以下、TCU20で処理される締結トルク設定ルーチンについて、図7に示すフローチャートに従って説明する。
【0064】
ステップS21〜S23は、第2実施の形態のステップS11〜S13に対応しており、続く、ステップS24で、横加速度Gy[m/s2]に基づき横加速度補正値Kyを設定する。一般的には、旋回走行時において横加速度Gyが大きい場合、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTを弱め、前後輪の差回転を許容する方向へ制御した方が旋回操作が容易になるため、横加速度補正値Kyは、横加速度Gyが増加するに従い減少する値に設定される。
【0065】
図8に示すように、本実施の形態では、横加速度補正値Kyと横加速度Gyとがマイナス傾きの比例関係にあり、横加速度Gyに基づき横加速度補正値Kyを演算或いはテーブル検索により設定する。尚、この場合、Gy=0のときKy=1.0に設定される。
【0066】
次いで、ステップS25へ進み、第1実施の形態のステップS4と同様の処理を行い、ボリューム補正ゲインGを算出し、続く、ステップS26で、最大スロットル感応トルクTQ1と最小スロットル感応トルクTQ2とボリューム補正ゲインGと横加速度補正値Kyとに基づき、(3)式からトランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTを算出する。
T←(TQ1−TQ2・G)・Ky+TQ2・G…(3)
【0067】
すなわち、本実施の形態では、最小スロットル感応トルクTQ2をボリューム補正ゲインGにてトルクシフトさせ、そのトルクシフトさせた値を最大スロットル感応トルクTQ1から減算させ、その値を横加速度補正値Kyで補正させたものであり、(3)式は、
T←(TQ1・G−TQ2)・Ky+TQ2…(3’)
或いは、
T←(TQ1・G−TQ2・G)・Ky+TQ2・G…(3’’)
であっても良い。
【0068】
その後、ステップS27〜S30において、上述した第2実施の形態のステップS18〜S21と同様の処理を実行して、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTを確定した後、ルーチンを抜ける。
【0069】
このように、本実施の形態では、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTを、横加速度補正値Kyにより横加速度Gyに応じて補正するようにしたので、運転者の意思をセンタデファレンシャル3に対して、より高精度に反映させることができる。
【0070】
尚、本発明は上述した各実施の形態に限るものではなく、例えば、図3に示す最大スロットル感応トルクTQ1、及び最小スロットル感応トルクTQ2を、スロットル開度θthに代えて、エンジントルク、或いはセンタデファレンシャル3の入力側に連設するトランスファ入力軸(図示せず)に作用するトランスファ入力トルク、或いは前後輪の差回転、或いは路面摩擦係数(路面μ)に基づいて設定するようにしても良い。スロットル感応トルクTQ1,TQ2をエンジントルク或いはトランスファ入力トルクに基づいて設定することで、スロットル開度θthに基づいて設定する場合に比し、駆動力の変化に応じたより高精度な制御を行なうことができる。この場合、エンジントルクは、例えば、車速とエンジン回転数とギヤ位置とに基づいて算出する。更に、トランスファ入力トルクは、エンジントルクとギヤ位置とに基づいて算出する。前後輪の差回転は、各車輪速センサ28L,28R,29L,29Rで検出した各車輪速に基づき、前左右輪10L,10Rの平均車輪速と後左右輪11L,11Rの平均車輪速との差から算出し、差回転が大きい場合はスリップ量が大きいと判断し、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTを増加させる方向へ設定する。
【0071】
更に、図6に示す横加速度補正ゲイン最大値Gmaxと横加速度補正ゲイン最小値Gminとを、横加速度Gyに代えて、車速、或いはヨーレート、或いは前後輪の差回転、或いは路面μに基づいて設定するようにしても良い。
【0072】
ところで、ABS制御、TCS(Traction Control System)制御、VDC(Vehicle Dynamics Control)制御等の駆動系制御においてブレーキ制御が作動しているとき、或いは運転者がブレーキペダルを踏込んだ際に、トランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTが一定の指示トルクに固定される制御が行なわれる場合、この指示トルクを、ボリューム入力値Voに基づいて設定したボリューム補正ゲインG(図4参照)で補正するようにしても良い(指示トルク←指示トルク・G)。
【0073】
又、図9に示すように、ABS制御、TCS制御、VDC制御等の駆動系制御においてブレーキ制御が作動しているとき、或いは、運転者がブレーキペダルを踏込んだときのトランスファクラッチ5のクラッチ締結トルクTがスロットル開度θth[%]に比例した値に設定される場合、この最大スロットル感応トルクTQ1をスロットル全開時に設定されるクラッチ締結トルクTとし、最小スロットル感応トルクTQ2をスロットル全閉時に設定されるクラッチ締結トルクTとし、この両スロットル感応トルクTQ1,TQ2と、図4に示すボリューム補正ゲインGとで、クラッチ締結トルクTを(4)式から算出するようにしても良い。
T←(TQ1−TQ2)・G+TQ2…(4)
【0074】
この場合、クラッチ締結トルクTをスロットル開度θthに代えて、エンジントルク或いはトランスファ入力トルクに基づいて設定するようにしても良い。
【0075】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、走行中のコントロールスイッチの操作が煩雑化せず、又運転条件の一時的な変化に対して運転者の意思を充分に反映させることができて、良好な操作性、及び走行フィーリングを得ることができる等、優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態による4輪駆動車の動力伝達系の概略構成図
【図2】同、締結トルク設定ルーチンを示すフローチャート
【図3】同、スロットル感応トルク設定テーブルに格納されている最大スロットル感応トルクと最小スロットル感応トルクの特性を示す説明図
【図4】同、ボリューム補正ゲイン設定テーブルに格納されているボリューム補正値の特性を示す説明図
【図5】第2実施の形態による締結トルク設定ルーチンを示すフローチャート
【図6】同、横加速度補正ゲイン最大値設定テーブルと横加速度補正ゲイン最小値設定テーブルとに格納されている横加速度補正ゲイン最大値と横加速度補正ゲイン最小値の特性を示す説明図
【図7】第3実施の形態による締結トルク設定ルーチンを示すフローチャート
【図8】同、横加速度に基づいて設定される横加速度補正値の特性を示す説明図
【図9】同、他の態様によるスロットル開度に基づいて設定されるブレーキ作動時トランスフア締結トルクの特性を示す説明図
【符号の説明】
1 エンジン
2 トランスミッション
3 センタデファレンシャル
4 プラネタリギヤ機構
5 トランスファクラッチ
7 リヤデファレンシャル
9 フロントデファレンシャル
26 コントロールスイッチ
G ボリューム補正ゲイン
Gmax 横加速度補正ゲイン最大値
Gmin 横加速度補正ゲイン最小値
Gy 横加速度
Ky 横加速度補正値
T クラッチ締結トルク
Tmax トルク上限値
Tmin トルク下限値
TQ1 最大スロットル感応トルク
TQ2 最小スロットル感応トルク
Vo ボリューム入力値(トルク入力値)
θth スロットル開度
Claims (15)
- トランスミッションからの駆動力を前後輪に配分する配分比を設定するトランスファクラッチを備えるセンタデファレンシャルと、
上記トランスファクラッチのクラッチ締結トルクを運転者の操作により可変設定するコントロールスイッチと、
車両の運転状態に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値とを設定する運転状態感応トルク設定手段と、
上記コントロールスイッチの出力値に基づいてトルク入力値を設定するトルク入力値設定手段と、
上記トルク入力値に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値との間のゲインを設定するゲイン設定手段と、
上記クラッチ締結トルクの上記最大値と上記最小値との差分に上記ゲインを乗算してトルクシフト量を算出し、該トルクシフト量を上記最小値に加算して上記クラッチ締結トルクを設定するクラッチ締結トルク設定手段と、
を備えることを特徴とするセンタデファレンシャル装置。 - 上記ゲインは、横加速度に基づいて設定した横加速度補正ゲイン最大値と横加速度補正ゲイン最小値との差分に上記コントロールスイッチの出力値に基づいて設定される上記トルク入力値を乗算してトルクシフト量を算出し、該トルクシフト量を上記横加速度補正ゲイン最小値に加算して設定することを特徴とする請求項1記載のセンタデファレンシャル装置。
- 上記ゲインは、車速に基づいて設定した車速補正ゲイン最大値と車速補正ゲイン最小値との差分に上記コントロールスイッチの出力値に基づいて設定される上記トルク入力値を乗算してトルクシフト量を算出し、該トルクシフト量を上記車速補正ゲイン最小値に加算して設定することを特徴とする請求項1記載のセンタデファレンシャル装置。
- 上記ゲインは、ヨーレートに基づいて設定したヨーレート補正ゲイン最大値とヨーレート補正ゲイン最小値との差分に上記コントロールスイッチの出力値に基づいて設定される上記トルク入力値を乗算してトルクシフト量を算出し、該トルクシフト量を上記ヨーレート補正ゲイン最小値に加算して設定することを特徴とする請求項1記載のセンタデファレンシャル装置。
- 上記ゲインは、路面摩擦係数に基づいて設定した路面摩擦係数補正ゲイン最大値と路面摩擦係数補正ゲイン最小値との差分に上記コントロールスイッチの出力値に基づいて設定される上記トルク入力値を乗算してトルクシフト量を算出し、該トルクシフト量を上記路面摩擦係数補正ゲイン最小値に加算して設定することを特徴とする請求項1記載のセンタデファレンシャル装置。
- 上記ゲインは、前後輪の差回転に基づいて設定した前後輪差回転補正ゲイン最大値と前後輪差回転補正ゲイン最小値との差分に上記コントロールスイッチの出力値に基づいて設定される上記トルク入力値を乗算してトルクシフト量を算出し、該トルクシフト量を上記前後輪差回転補正ゲイン最小値に加算して設定することを特徴とする請求項1記載のセンタデファレンシャル装置。
- トランスミッションからの駆動力を前後輪に配分する配分比を設定するトランスファクラッチを備えるセンタデファレンシャルと、
上記トランスファクラッチのクラッチ締結トルクを運転者の操作により可変設定するコントロールスイッチと、
車両の運転状態に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値とを設定する運転状態感応トルク設定手段と、
上記コントロールスイッチの出力値に基づいてトルク入力値を設定するトルク入力値設定手段と、
上記トルク入力値に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値との間のゲインを設定するゲイン設定手段と、
上記クラッチ締結トルクの上記最大値と上記最小値に上記ゲインを乗算して算出した補正最小値との差分に横加速度検出手段で検出した横加速度に基づいて設定した横加速度補正値を乗算し、この値に上記補正最小値を加算して上記クラッチ締結トルクを設定するクラッチ締結トルク設定手段と、
を備えることを特徴とするセンタデファレンシャル装置。 - トランスミッションからの駆動力を前後輪に配分する配分比を設定するトランスファクラッチを備えるセンタデファレンシャルと、
上記トランスファクラッチのクラッチ締結トルクを運転者の操作により可変設定するコントロールスイッチと、
車両の運転状態に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値とを設定する運転状態感応トルク設定手段と、
上記コントロールスイッチの出力値に基づいてトルク入力値を設定するトルク入力値設定手段と、
上記トルク入力値に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値との間のゲインを設定するゲイン設定手段と、
上記クラッチ締結トルクの上記最大値に上記ゲインを乗算して算出した補正最大値と上記最小値との差分に横加速度検出手段で検出した横加速度に基づいて設定した横加速度補正値を乗算し、この値に上記最小値を加算して上記クラッチ締結トルクを設定するクラッチ締結トルク設定手段と、
を備えることを特徴とするセンタデファレンシャル装置。 - トランスミッションからの駆動力を前後輪に配分する配分比を設定するトランスファクラッチを備えるセンタデファレンシャルと、
上記トランスファクラッチのクラッチ締結トルクを運転者の操作により可変設定するコントロールスイッチと、
車両の運転状態に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値とを設定する運転状態感応トルク設定手段と、
上記コントロールスイッチの出力値に基づいてトルク入力値を設定するトルク入力値設定手段と、
上記トルク入力値に基づき上記クラッチ締結トルクの最大値と最小値との間のゲインを設定するゲイン設定手段と、
上記クラッチ締結トルクの上記最大値と上記最小値との差分に上記ゲイン及び横加速度検出手段で検出した横加速度に基づいて設定した横加速度補正値を乗算し、この値に上記最小値に上記ゲインを乗算して算出した補正最小値を加算して上記クラッチ締結トルクを設定するクラッチ締結トルク設定手段と、
を備えることを特徴とするセンタデファレンシャル装置。 - 上記クラッチ締結トルク設定手段では、上記トランスファクラッチ及びデファレンシャルを保護するためのトルク上限値とトルク下限値とを設定し上記クラッチ締結トルクを該トルク上限値と該トルク下限値との間で設定することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のセンタデファレンシャル装置。
- 上記車両の運転状態はスロットル開度に基づいて検出することを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のセンタデファレンシャル装置。
- 上記車両の運転状態はエンジントルクに基づいて検出することを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のセンタデファレンシャル装置。
- 上記車両の運転状態はトランスファ入力トルクに基づいて検出することを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のセンタデファレンシャル装置。
- 上記車両の運転状態は前後輪の差回転に基づいて検出することを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のセンタデファレンシャル装置。
- 上記車両の運転状態は路面摩擦係数に基づいて検出することを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のセンタデファレンシャル装置。
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