JP2004134668A - 素子基板およびこれを用いた表示装置 - Google Patents

素子基板およびこれを用いた表示装置 Download PDF

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Yoshinori Higami
樋上 佳則
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Abstract

【課題】薄膜トランジスタ(TFT)の膜厚を薄くした場合でも、良好なコンタクト抵抗を得ることができる素子基板の提供。
【解決手段】素子基板は、絶縁基板1と、絶縁基板1上に形成されたTFTと、TFT上に形成された絶縁膜5,7と、絶縁膜5,7に設けられたコンタクトホール8aを介してTFTと電気的に接続された導電層9aとを有する。コンタクトホール8aは、深さが互いに異なる領域A,Bと領域Cとを有する。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ(以下、「TFT」とも称する。)を有する素子基板およびこれを用いた表示装置に関する。本発明の表示装置は、液晶表示装置、有機または無機EL(エレクトロルミネッセント)表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置、真空蛍光表示(VFD)装置、電子ペーパーなどの各種表示装置に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
アクティブマトリックス型液晶表示装置は、画素表示を行う表示単位となる複数の画素がマトリックス状に配置されたアクティブマトリックス基板と、アクティブマトリックス基板に対向して配置された対向基板と、これらに挟まれた液晶層とを有する。液晶プロジェクション用途に使用されるアクティブマトリックス型液晶表示装置では、各画素に強力な光を入射させて、各スイッチング素子のオン・オフにより画素を透過する光を画像情報に応じて制御し、透過した光をレンズなどの光学素子を介してスクリーン上などに拡大投射している。その際、TFTなどのスイッチング素子の活性層をポリシリコンにより形成すると、光源からの直接入射光だけでなく、レンズなどの光学系からの反射光によっても、活性層に光励起が発生する。光励起により光リーク電流が発生すると、横筋やフリッカなどの表示上の問題が生じる。
【0003】
一般に、光リーク電流の低減対策として、TFTの上下方向に遮光膜を設けることが提案されてきた(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−66587号公報
【0005】
特許文献1に記載の液晶表示装置では、下部遮光膜とデータ線とが略等しい幅で形成されている。これにより、光学系からの反射光がTFTへ入射するのを抑制することができる。図6は、特許文献1に開示された画素構造の断面図である。図6を参照しながら、より具体的に説明する。データ線9の幅が下部遮光膜2よりも大きい場合、データ線9での反射により反射光16Bの入射確率が高くなる。逆に、データ線9の幅が下部遮光膜2よりも小さい場合、ブラックマトリクス11での反射により反射光16Aの入射確率が高くなる。下部遮光膜2とデータ線9とを略等しい幅で形成することにより、ブラックマトリクス11に入射した反射光16Aは、データ線9に阻まれてTFT4へ到達することがなくなり、光リーク電流を低減することができる。
【0006】
しかし、データ線9での反射により反射光16Bは、データ線9と下部遮光膜2の間に侵入し、反射を繰り返すことでTFT4に入射するので、光リーク電流の低減が不十分である。
【0007】
光リーク電流を低減するためには、上述のような光の入射量を低減することが必要である一方、光が入射した場合でも、リーク電流の総量を低減することが必要である。リーク電流の総量を低減する方法として、TFTの体積を低減する方法が挙げられる。
【0008】
TFTの体積を低減する方法として、トランジスタの薄膜化を行う方法が考えられる。このとき問題となるのが、TFTと上層の配線や電極とを接続するコンタクトホールを開口する際に生じるTFTの膜減りである。TFTの膜減りが生じると、コンタクト抵抗が上昇して、表示品位が低下するおそれがある。
【0009】
コンタクトホール開口の際に用いられるドライエッチング法において、層間絶縁膜に用いられるSiO2 系膜に対する下地シリコン系膜の選択比を向上させるための取り組みが頻繁に行われてきた。一般に酸化膜エッチングに使用されるCF4 、CHF3 などのフロロカーボン系ガスを使用した場合、プラズマ中に生成されるCFx (x=0〜3)の内、xの数値の大きいCF3 はシリコン系膜に対するエッチングレートが高く、逆にxの数値の小さいCFは、シリコン系膜に対するエッチングレートが低下し、酸化膜に対する選択比が向上する。シリコン系膜に対して高い選択比を有するドライエッチング装置は、例えば特許文献2に開示されている。
【0010】
【特許文献2】
特開平7−22393号公報
【0011】
特許文献2には、反応容器内に0℃以下の温度に冷却された低温部を設けることが開示されている。これにより、低温部に対して付着係数の高いCF3 が低温部に付着し、もともと付着係数の高いCFx (x=0〜2)の濃度が相対的に上昇する。CFx (x=0〜2)は、シリコン系膜の穴の底では付着量が減少するので、主にCFx (x=0〜2)からなり、エッチングを抑制する重合膜が、径の小さい穴の底では形成されない。したがって、シリコン系膜の穴のエッチング速度は低下せず、シリコン系膜に対する選択比が高くなる。
【0012】
しかしながら、特許文献2に開示された方法では、特別なドライエッチング装置やエッチングガスが必要となるので、適用が容易ではない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、TFTの膜厚を薄くした場合でも、良好なコンタクト抵抗を得ることができる素子基板の提供を目的とする。また、光リーク電流が抑制され、明るく高コントラストを有する表示装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の素子基板は、絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタと電気的に接続された導電層とを有する素子基板であって、前記コンタクトホールは、深さが互いに異なる領域を有する。
【0015】
前記薄膜トランジスタは、前記絶縁基板上に形成された半導体層と、前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを有しており、前記半導体層の少なくとも一部は、段差状に形成された段差領域を有しており、前記コンタクトホールは、前記段差領域を含む領域に形成されていても良い。
【0016】
前記絶縁基板と前記半導体層との間に遮光層が介在し、前記段差領域は、前記遮光層のパターンエッジ近傍に形成されていても良い。
【0017】
前記薄膜トランジスタは、前記絶縁基板上に形成された半導体層と、前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを有しており、前記半導体層の少なくとも一部は、前記絶縁基板に傾斜状に形成された傾斜領域を有しており、前記コンタクトホールは、前記傾斜領域を含む領域に形成されていても良い。
【0018】
前記導電層は、信号配線または画素電極であっても良い。
【0019】
本発明の表示装置は、本発明の素子基板と、前記素子基板に対向配置された対向電極と、前記素子基板および対向電極の間に介在する表示媒体層とを有する。「表示媒体層」とは、互いに対向する電極間の電位差により光透過率が変調される層、または互いに対向する電極間を流れる電流により自発光する層である。表示媒体層は、例えば液晶層、無機または有機EL層、発光ガス層、電気泳動層、エレクトロクロミック層などである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明による実施形態を説明する。なお、以下の実施形態では、液晶表示装置を例にして説明するが、本発明の表示装置は、有機または無機EL(エレクトロルミネッセント)表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置、真空蛍光表示(VFD)装置、電子ペーパーなどの各種表示装置に適用することができる。なお、液晶表示装置は、透過型、反射型、反射透過両用型のいずれの液晶表示装置にも適用することができる。
【0021】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の素子基板を部分的に示す模式的な平面図である。図2は、各製造工程における、図1中のA−B線断面図である。
【0022】
本実施形態の素子基板は、マトリックス状に配置された複数のTFTを有する素子基板であり、アクティブマトリクス基板である。本実施形態の素子基板は、絶縁基板1と、絶縁基板1上に形成された下部遮光層2と、下部遮光層2を覆う下部絶縁膜3と、下部絶縁膜3上に形成された多結晶シリコン層4とを有する。多結晶シリコン層4の下方に下部遮光層2が形成されることによって、下部遮光層2のパターンエッジ14の近傍における多結晶シリコン層4が段差状に形成されている。
【0023】
絶縁基板1上には、多結晶シリコン層4を覆うゲート絶縁膜5が形成され、ゲート絶縁膜5上には、行方向に延びる複数の走査配線6aと、走査配線6aに対して略平行に延びる複数の補助容量線6bとが形成されている。また、走査配線6aおよび補助容量線6bを覆う第一層間絶縁膜7が形成され、第一層間絶縁膜7上には、列方向に延びる複数の信号配線9aと引出電極(ドレイン電極)9bとが形成されている。
【0024】
信号配線9aおよび引出電極9bは、第一層間絶縁膜7に設けられたコンタクトホール8a,8bを介して、多結晶シリコン層4とそれぞれ電気的に接続されている。なお、コンタクトホール8a,8bの形成領域におけるゲート絶縁膜5も除去されている。
【0025】
コンタクトホール8a,8bは、段差状に形成された多結晶シリコン層4の領域(段差領域)を含む領域に形成されている。なお、コンタクトホール8a,8bの形成領域は、段差領域の全部を含む場合だけでなく、段差領域の一部を含んでいても良い。
【0026】
多結晶シリコン層4は、信号配線9aに接続されたソース領域と、引出電極9bに接続されたドレイン領域と、ゲート電極により開閉が制御されるチャネル領域と、チャネル領域とソース領域との間およびチャネル領域とドレイン領域との間にそれぞれ介在するLDD(Lightly Doped Drain )領域とを有する。多結晶シリコン層4、ゲート絶縁膜5およびゲート電極からTFTが構成される。なお、ソース領域、ドレイン領域、チャネル領域およびLDD領域における多結晶シリコン層4を、以下「活性層」ともいう。
【0027】
基板上には、信号配線9aおよび引出電極9bを覆う第二層間絶縁膜10が形成されている。第二層間絶縁膜10上には、列方向における各画素電極間の隙間を遮光する上部遮光層11と、上部遮光層11を覆う第三層間絶縁膜12とが形成されている。第三層間絶縁膜12上には、マトリックス状に複数の画素電極13が形成されている。画素電極13は、第二層間絶縁膜10および第三層間絶縁膜12に設けられたコンタクトホール8cを介して、引出電極9bと電気的に接続されている。これにより、信号配線9aからの画像信号は、TFTのゲート電極により制御されて、画素電極13に入力される。
【0028】
次に、図2を参照しながら、本実施形態の素子基板の製造工程を説明する。図2(a)に示すように、絶縁基板1に、P(リン)がドーピングされた多結晶Si膜(50nm) およびWSi (タングステンシリコン)膜(100nm)を順次成膜した後、これらの膜をパターニングして下部遮光層2を形成する。
【0029】
図2(b)に示すように、CVD(Chemical Vapor Deposition )法により、基板全面にSiO2 膜からなる下部絶縁膜3を、例えば400 nm成膜する。CVD法により、基板全面に多結晶Si膜(30nm)を形成する。下部遮光層2のパターンエッジ14近傍における多結晶Si膜は、下部遮光層2の膜厚分だけ段差状に形成された段差領域を有している。多結晶Si膜をフォト/エッチングによりパターニングを行って、多結晶Si層4を形成する。のちにコンタクトホール8a,8bを形成する領域は、下部遮光層2のパターンエッジ14により生じた段差領域を含むように配置する。この後、しきい値電圧制御のために、不純物イオン注入を行っても良い。
【0030】
図2(c)に示すように、活性層の上にゲート絶縁膜5を形成する。ゲート絶縁膜5は、CVDによる堆積、酸化、あるいはその両方等により形成する。続いて、ゲート絶縁膜5上にゲート電極、走査配線6aおよび補助容量線6bを形成する。イオン注入により、薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域に、レジストをマスクとして不純物を注入する。例えば、リンを3×1015cm−2ほど注入する。
【0031】
図2(d)に示すように、全面に絶縁膜を堆積し、第一層間絶縁膜7を形成する。第一層間絶縁膜7は、BPSG(Boron doped Phosphosilicate Glass )のリフロー法を用いて、表面の平坦化を行う。第一層間絶縁膜7を平坦化する方法として、SOG(Spin−On Glass )法やCMP(Chemical Mechanical Polishing )法を用いても良い。下部遮光層2により形成された段差領域は、平坦化処理を行うことによって、TFT上の第一層間絶縁膜7の膜厚が小さい領域Aと、概ね下部遮光層2の膜厚分だけ多結晶Si膜4の膜厚が他の領域における多結晶Si膜4の膜厚よりも大きい領域Bと、領域Aよりも第一層間絶縁膜7の膜厚が大きい領域Cとに分類される。
【0032】
ソース領域およびドレイン領域上の第一層間絶縁膜7に電極取り出し用のコンタクトホール8a,8bをそれぞれ開口する。これにより、コンタクトホール8a,8b内には、深さが互いに異なる領域A,Bと領域Cとが形成される。
【0033】
第一層間絶縁膜7の膜厚を600nmと設定する。このときの膜厚バラツキを±10%と仮定する。またコンタクトホール8a,8bを開口するためのドライエッチングにおけるエッチングレートのバラツキを±10%と仮定する。この場合、コンタクトホールを確実に開口するためには、最大値の膜厚を有する領域の第一層間絶縁膜7を最低値のエッチングレートにてエッチングする場合を想定して、エッチング量を決定する必要がある。具体的には、膜厚が設定値よりも10%厚い部分を設定値よりも10%低いエッチングレートにてエッチングする場合を想定して、エッチング量を設定値よりも20%増加させる。
【0034】
このエッチング量にて、第一層間絶縁膜7の薄い領域に、コンタクトホール8a,8bを開口した場合、下地である薄膜トランジスタに生じるオーバーエッチの最大量は、最低値の膜厚を有する領域の第一層間絶縁膜7を最大値のエッチングレートにてエッチングする場合である。具体的には、設定値よりも20%増加させたオーバーエッチ量の倍のオーバーエッチが生じるので、第一層間絶縁膜7の設定膜厚600nmの40%、すなわち240nmの層間絶縁膜のオーバーエッチが生じることになる。第一層間絶縁膜7と下地の多結晶Si層4とのエッチング選択比を20とした場合、12nmの多結晶Si層4の膜減りが発生する。多結晶Si層4の膜厚が、元々30nmの場合、膜減り後のSi残膜は18nm程度となる。この程度の膜厚では、十分低いコンタクト抵抗を得ることができない。
【0035】
本実施形態では、標準的な膜厚領域Aでは、上述と同様の膜減りが生じる。しかし、領域Bでは、段差部に多結晶Si膜が形成されているので、多結晶Si膜の膜厚が設定の30nmに対して、十分に厚く形成されている。具体的には、下部遮光層2の膜厚(約150nm) 分だけ多結晶Si膜が厚く形成されている。したがって、領域Bでは、コンタクト抵抗の上昇が生じない。
【0036】
また、標準的な膜厚より厚い領域Cでは、下部遮光層2により生じた段差分だけ第一層間絶縁膜7が厚く形成されている。具体的には、下部遮光層2の膜厚が150nmであるので、領域Cでは領域Aよりも第一層間絶縁膜7の膜厚が150nm厚く形成されている。標準的な膜厚領域Aでは、第一層間絶縁膜7の膜厚換算で240nm相当のオーバーエッチが生じる。しかし、領域Cでは、240nm−150nm=90nmのオーバーエッチが生じることになる。第一層間絶縁膜7と下地の多結晶Si層4とのエッチング選択比を20とした場合、多結晶Siの膜減りは4.5nm程度になる。したがって、多結晶Si層4のオーバーエッチによるコンタクト抵抗の上昇を抑えることができる。なお、標準的な膜厚領域Aにおける第一層間絶縁膜の膜厚が、設定膜厚よりも厚く形成される場合には、標準的な膜厚領域Aにおいても、オーバーエッチによるコンタクト抵抗の上昇を抑えることができる。
【0037】
図3は、コンタクトホール開口後における多結晶Si残膜の膜厚とコンタクト抵抗との関係を示すグラフである。図3中の横の目盛りは、多結晶Si膜の初期膜厚、すなわちコンタクトホール開口前における多結晶Si膜の膜厚を示している。図3中の縦の目盛りは、コンタクトホールの底部におけるコンタクトホール径が設定径(2.0μm)になるように開口した後、コンタクトホール内にアルミニウム膜を成膜したときのコンタクト抵抗を示している。
【0038】
図3に示すように、従来法を用いた場合、残膜の減少とともにコンタクト抵抗は急激に上昇する。本発明によれば、同一コンタクトホール内で第一層間絶縁膜7の膜厚が異なっているので、十分な残膜がある場合には、設定通りのコンタクトホール径に開口しても、露出する多結晶Si層4の面積が従来法の場合よりも小さい。したがって、コンタクト抵抗は、従来法の場合よりも高くなる。しかし、多結晶Si層4を薄膜化し、コンタクトホール開口後の残膜が低下した場合でも、コンタクト抵抗の上昇は抑制され、十分低いコンタクト抵抗を得ることが可能になる。
【0039】
コンタクトホール8a,8bを開口した後、図2(e)に示すように、Al等の金属材料からなる信号配線9aおよび引出電極9bを形成する。基板全面に窒化膜および酸化膜を堆積させて、パッシベーション膜(第二層間絶縁膜)10を形成し、水素化処理を行う。Tiなどの金属材料からなる上部遮光層11を形成し、さらに上部遮光層11を覆う第三層間絶縁膜12を形成する。
【0040】
パッシベーション膜10および第三層間絶縁膜12にコンタクトホール8cを形成した後、ITO等の透明導電膜により画素電極13を形成する。これにより、画素電極13は、コンタクトホール8cを介して、引出電極9bと電気的に接続される。
【0041】
以降、公知の方法により、画素電極13が形成された面に配向膜を塗布した後、ラビング処理を行う。さらに必要な工程を経て、アクティブマトリックス基板が製造される。
【0042】
上記工程を経て製造されたアクティブマトリックス基板は、対向基板と適当な間隔をあけて貼り合わせられる。両基板間に液晶材料を注入して液晶層を形成し、さらに液晶層を封止する工程、両基板の外側に偏光板を貼り合わせる工程など必要な工程をさらに行うことによって、所望のアクティブマトリックス型の液晶表示装置が製造される。
【0043】
本実施形態では、下部遮光層2により多結晶Si層4が段差状に形成されているが、絶縁基板1や下部絶縁膜3を予め段差状に形成することにより、その上に形成される多結晶Si層4を段差状に形成しても良い。
【0044】
また本実施形態では、薄膜トランジスタと画素電極13とを引出電極9bを介して接続しているが、引出電極9bよりもさらに上層にある画素電極13と薄膜トランジスタとを直接接続しても良い。この場合、層間絶縁膜7,10,12の総膜厚がさらに厚くなるので、膜厚バラツキなども増加する。しかし、本発明によれば、オーバーエッチによるコンタクト抵抗の上昇を抑えることができるので、層間絶縁膜の膜厚が厚くなるほど、本発明の効果がさらに顕著になる。
【0045】
(実施形態2)
図4は、実施形態2の素子基板を部分的に示す模式的な平面図である。図5は、各製造工程における、図4中のC−D線断面図である。図4および図5においては、実施形態1の素子基板と実質的に同じ機能を有する構成要素を共通の参照符号で示し、その説明を省略する。
【0046】
本実施形態の素子基板は、下部遮光層2がない点、多結晶Si層4の少なくとも一部が絶縁基板1に傾斜状に形成された傾斜領域15を有している点で、実施形態1の素子基板と異なる。
【0047】
コンタクトホール8a,8bは、傾斜状に形成された多結晶シリコン層4の領域(傾斜領域15)を含む領域に形成されている。なお、コンタクトホール8a,8bの形成領域は、傾斜領域15の全部を含む場合だけでなく、傾斜領域15の一部を含んでいても良い。
【0048】
次に、図5を参照しながら、本実施形態の素子基板の製造工程を説明する。後にコンタクトホール8a,8bを形成する領域が傾斜領域15を含むように、絶縁基板1上にレジストを塗布し、パターニングを行う。図5(a)に示すように、HF等を用いたウエットエッチングによって、等方性エッチングを行い、絶縁基板1に傾斜領域15を形成する。傾斜の深さは、例えば150nm程度とする。
【0049】
図5(b) に示すように、CVD法により、基板全面に多結晶Si膜(30nm)を形成した後、多結晶Si膜をフォト/エッチングによりパターニングを行って、多結晶Si層4を形成する。のちにコンタクトホール8a,8bを形成する領域は、予め形成した傾斜領域14を含むように配置する。この後、しきい値電圧制御のために、不純物イオン注入を行っても良い。
【0050】
図5(c) に示すように、活性層の上にゲート絶縁膜5を形成する。ゲート絶縁膜5は、CVDによる堆積、酸化、あるいはその両方等により形成する。続いて、ゲート絶縁膜5上にゲート電極、走査配線6aおよび補助容量線6bを形成する。イオン注入により、薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域に、レジストをマスクとして不純物を注入する。例えば、リンを3×1015cm−2ほど注入する。
【0051】
図5(d)に示すように、全面に絶縁膜を堆積し、第一層間絶縁膜7を形成する。第一層間絶縁膜7は、BPSGのリフロー法を用いて、表面の平坦化を行う。傾斜領域15は、平坦化処理を行うことによって、TFT上の第一層間絶縁膜7の平均膜厚が小さい領域Dと、平均膜厚が大きい領域Eとに分類される。すなわち、コンタクトホール8a,8bの形成領域内において異なる膜厚の層間絶縁膜を形成することができる。
【0052】
ソース領域およびドレイン領域上の第一層間絶縁膜7に電極取り出し用のコンタクトホール8a,8bを開口する。これにより、コンタクトホール8a,8b内には、深さが互いに異なる領域Dと領域Eとが形成される。
【0053】
第一層間絶縁膜7の膜厚を600nmと設定する。領域Eでは、標準の膜厚に形成された領域Dの平均膜厚より厚く形成されている。実施形態1と同様にして、ドライエッチングを行った場合、領域Dの絶縁膜7に過剰なオーバーエッチが生じて、下地の多結晶Si層4の膜減りが大きくなる。しかし、領域Eでは、層間絶縁膜7が厚く形成されているので、コンタクトホール内で、オーバーエッチが低減された領域が形成される。これにより、多結晶Si層4のオーバーエッチによるコンタクト抵抗の上昇を抑えることができる。なお、標準の膜厚に形成された領域Dにおける第一層間絶縁膜の膜厚が、設定膜厚よりも厚く形成される場合には、領域Dにおいても、オーバーエッチによるコンタクト抵抗の上昇を抑えることができる。
【0054】
以降、実施形態1と同様にして、図5(e)に示すように、信号配線9a、引出電極9b、第二層間絶縁膜10、上部遮光膜11、第三層間絶縁膜12および画素電極13を形成する。さらに、配向膜の塗布、ラビング処理等を行って、アクティブマトリックス基板が製造される。上記工程を経て製造されたアクティブマトリックス基板を用いて、アクティブマトリックス型の液晶表示装置を製造することができる。
【0055】
本発明の素子基板によれば、特許文献2等に開示された特別なドライエッチング装置やエッチングガスを用いない場合でも、言い換えればエッチングの高選択比が得られないために、薄膜トランジスタの膜減りが生じた場合でも、コンタクト抵抗の上昇を抑えることができる。すなわち、本発明の素子基板によれば、TFTのコンタクト抵抗の上昇を抑えつつ、TFTの体積を低減することができる。本発明の素子基板を有する表示装置によれば、光リーク電流の発生が抑えられ、横筋やフリッカなどが低減されるので、明るく高コントラストな表示が得られる。したがって、本発明の表示装置は、液晶プロジェクション用途に使用されるアクティブマトリックス型液晶表示装置(液晶バルブ)として好適である。
【0056】
【発明の効果】
本発明の素子基板によれば、薄膜トランジスタの膜厚を薄くした場合でも、良好なコンタクト抵抗を得ることができる。本発明の素子基板を有する表示装置、例えばアクティブマトリックス型液晶表示装置によれば、光リーク電流の発生が抑制されるので、明るく高コントラストな表示が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の素子基板を部分的に示す模式的な平面図である。
【図2】各製造工程における、図1中のA−B線断面図である。
【図3】コンタクトホール開口後における多結晶Si残膜の膜厚とコンタクト抵抗との関係を示すグラフである。
【図4】実施形態2の素子基板を部分的に示す模式的な平面図である。
【図5】各製造工程における、図4中のC−D線断面図である。
【図6】特許文献1に開示された画素構造の断面図である。
【符号の説明】
1:絶縁基板
2:下部遮光層
3:下部絶縁膜
4:多結晶シリコン層
5:ゲート絶縁膜
6a:走査配線
6b:補助容量線
7 第一層間絶縁膜
8a,8b,8c:コンタクトホール
9a:信号配線
9b:引出電極
10:第二層間絶縁膜
11:上部遮光膜
12:第三層間絶縁膜
13:画素電極
14:下部遮光層のパターンエッジ(段差領域)
15:傾斜領域
16A,16B:反射光

Claims (7)

  1. 絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタと電気的に接続された導電層とを有する素子基板であって、
    前記コンタクトホールは、深さが互いに異なる領域を有する、素子基板。
  2. 前記薄膜トランジスタは、前記絶縁基板上に形成された半導体層と、前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを有しており、前記半導体層の少なくとも一部は、段差状に形成された段差領域を有しており、前記コンタクトホールは、前記段差領域を含む領域に形成されている、請求項1に記載の素子基板。
  3. 前記絶縁基板と前記半導体層との間に遮光層が介在し、前記段差領域は、前記遮光層のパターンエッジ近傍に形成されている、請求項2に記載の素子基板。
  4. 前記薄膜トランジスタは、前記絶縁基板上に形成された半導体層と、前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを有しており、前記半導体層の少なくとも一部は、前記絶縁基板に傾斜状に形成された傾斜領域を有しており、前記コンタクトホールは、前記傾斜領域を含む領域に形成されている、請求項1に記載の素子基板。
  5. 前記導電層は、信号配線または画素電極である、請求項1から4のいずれか1項に記載の素子基板。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の素子基板と、前記素子基板に対向配置された対向電極と、前記素子基板および対向電極の間に介在する表示媒体層とを有する表示装置。
  7. 前記表示媒体層は、液晶層である、請求項6に記載の表示装置。
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