JP2004128015A - 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】すぐれたアステロイド曲線と、高い抵抗変化率および保磁力の低減、磁気特性の安定化を図ることができるようにする。
【解決手段】少なくとも1対の強磁性層5、7が中間層6を介して対向するように積層されて成り、この積層面に対して交叉する方向の通電によって磁気抵抗変化を得る構成による磁気抵抗効果素子であり、少なくとも情報記録層を構成する強磁性層の一方が、CoFeB系合金、あるいはCoFeNiB系合金より成るアモルファス構造を有し、磁気抵抗効果素子の平面形状が、一方向に長軸を有し、この長軸方向に沿う両側縁が、直線もしくは外側に膨出する彎曲形状とされ、長軸方向の両端縁が、外側に膨出する彎曲ないしは屈曲形状とされたパターン形状とされ、更に、そのパターン形状の、短軸長:長軸長によるアスペクト比が、1:1.2から1:3.5の範囲に選定することによって、安定して、特性のばらつきが小さい、すぐれたアステロイド曲線が得られるようにするものである。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば磁気センサあるいは磁気メモリ素子として構成することのできる磁気抵抗効果素子、特にこの磁気抵抗効果素子を構成する積層膜の膜面に対して交叉する方向に通電がなされて磁気抵抗変化を得る磁気磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】
情報通信機器、特に携帯端末などの個人用小型機器の飛躍的な普及に伴い、これを構成するメモリやロジックなどの素子には、高集積化、高速化、低電力化など、一層の高性能化が要請されている。特に不揮発性メモリの高密度・大容量化は、可動部分の存在により本質的に小型化が不可能なハードディスクや光ディスクを置き換える技術として、ますます重要になってきている。
【0003】
不揮発性メモリとしては、半導体を用いたフラッシュメモリや、強誘電体を用いたFRAM(Ferro electric Random Access Memory ;強誘電体メモリ)等が挙げられる。
しかしながら、フラッシュメモリは、書き込み速度がマイクロ秒オーダーであるという欠点がある。一方、FRAMにおいては、書き換え可能回数が少ないという問題が指摘されている。
【0004】
これらの欠点がない不揮発性メモリとして注目されているのが、MRAM(Magnetic Random Access Memory )と呼ばれる磁気メモリ装置である(非特許文献1参照。)。
【0005】
このMRAMは、構造が単純であるため高集積化が容易であり、また磁気モーメントの回転による記憶がなされることから、書換え可能回数がきわめて大きいという特徴がある。また、このMRAMは、アクセス時間をかなり高速化することができると予想されていて、既に、ナノ秒台での動作が可能であることの確認がなされている。
【0006】
このMRAMのメモリ素子を構成する磁気抵抗効果素子として、トンネル磁気抵抗効果(Tunnel Magnetoresistance:TMR)素子がある。このTMR素子の基本的構造は、強磁性層/トンネルバリア層/強磁性層の積層構造による。
このTMR素子にあっては、そのトンネルバリア層を介して配置された対の強磁性層間に一定の電流を通電した状態で、外部磁場を印加することによって、両強磁性層の磁化の相対角度に応じて磁気抵抗効果が現れる。すなわち、このとき、両強磁性層の互いの磁化の向きが反平行の場合は抵抗値が最大となり、平行の場合は抵抗値が最小となる。したがって、このTMR素子は、外部磁場により上述した反平行と平行の状態を作り出すことによって、抵抗値変化として、情報の記録を行うことができ、メモリ素子として機能させることができる。
【0007】
特にスピンバルブ型のTMR素子においては、対の強磁性層の一方の強磁性層は、これに反強磁性層を隣接配置して、この反強磁性層との反強磁性結合によって磁化の向きを一定の向きに固定させることによって固定磁化層とするものである。
そして、他方の強磁性層を、外部磁場等によって容易に磁化反転する磁化自由層とし、この磁化自由層をもって磁気メモリ装置においては、情報記録層とするものである。
【0008】
このスピンバルブ型のTMR素子における抵抗値の変化率は、その対の強磁性層のそれぞれのスピン分極率をP1 ,P2 とすると、下記の式(1)で表される。
2P1 P2 /(1−P1 P2 )        (1)
つまり、両強磁性層のスピン分極率P1 ,P2 が大きい程、抵抗変化率が大きくなる。この抵抗変化率と強磁性層の材料との関係については、すでに、Fe、Co、Ni等のFe族の強磁性元素や、それらのこれら金属の合金についての報告がなされている。
【0009】
ところで、MRAMの基本的構成は、複数のビット書き込み線(いわゆるビット線)と、これら複数のビット線に直交する複数のワード書き込み線(いわゆるワード線)とを設け、これらビット線とワード線との立体的交叉部に磁気メモリ素子としてのTMR素子が配置された構成による。このMRAMでの記録は、図11に示すアステロイド特性を利用したTMR素子に対する選択書き込みによる(例えば、特許文献1参照。)
【0010】
すなわち、ビット線およびワード線に選択的に所要の通電がなされて、これによって発生する互いに直交する方向の誘導磁界の合成による反転外部磁界を、選択されたTMR素子に印加して、その磁化自由層すなわち情報記録層の磁化の向きを上述した磁化固定層の磁化の向きと平行もしくは反平行として、例えば“0”,“1”の記録を行う。
【0011】
このMRAMのビット線およびワード線に使用される導電材は、通常の半導体装置における配線材料のCuや、Al等の導体薄膜が用いられる。このような通常の配線材料を用い、かつ線幅0.25μmのビット線およびワード線によって例えば反転磁界Hcが20〔Oe〕である磁気メモリ素子に対して、書き込みを行うには、約2mAの電流が必要となる。ビット線およびワード線の厚さが、線幅と同じ0.25μmである場合、このときの電流密度は、エレクトロマイグレーションによる断線限界値に近い3.2×106 A/cm2 である。
【0012】
したがって、配線の信頼性を維持するためには、書き込み電流の低減が不可欠である。
また、書き込み電流による発熱の問題や、消費電力の低減の観点からも、書き込み電流を低減させる必要がある。
MRAMにおける書き込み電流の低減化を図るには、TMR素子の保磁力(反転磁界)を低めることが必要となる。
【0013】
図11は、MRAMにおけるメモリ素子を構成するTMR素子の情報記録層の反転磁界特性を示す、いわゆるアステロイド曲線である。この図11で示すアステロイド曲線は、いわば理想的なアステロイド曲線を示す。すなわち、この場合のアステロイド曲線は、その縦横比が1、すなわち等しく、その曲線形状が弓形をなす特性を示す。
このアステロイド曲線は、縦軸が磁化困難軸方向、横軸が磁化容易軸方向であり、MRAMにおいては、それぞれ選択されたワード線への通電によって発生させる磁化困難軸方向の磁界Hyと、ビット線への通電によって発生させる磁化容易軸方向の磁界(補助磁界)Hxとを、これら選択されたワード線とビット線との交叉部に位置するTMR素子に印加することによって、TMR素子における前述した一方の強磁性層による情報記録層に磁化反転を生じさせる反転磁界特性を示すものである。この磁化反転が、スピンの回転で起こると想定すると、この反転磁界特性は、直交するワード線とビット線とによる合成電流磁界により、アステロイド曲線Hx2/3 +Hy2/3 =Hk2/3 (Hkは異方性磁界である。)に対応して変化する曲線となる。すなわちHx2/3 +Hy2/3 <Hk2/3 で反転が生ずることがなく、Hx2/3 +Hy2/3 >Hk2/3 で磁化の反転が生じる。
【0014】
上述したように、理想的すなわち良好なアステロイド曲線はその縦横比が等しいことであるが、この縦横比が大きくずれると、書き込みに必要な反転磁界と補助磁界の値が大きく異なることになって、ワード線とビット線への通電電流がアンバランスとなる。
【0015】
また、アステロイド曲線は、弓形をなし、その曲率半径が小さいほど望ましい。これは、弓形であるほど、補助磁界に関する反転磁界の変化率、すなわち例えば補助磁界が、印加されない状態から、所要の磁界Hsub が与えられた状態への、保磁力すなわち反転磁界への変化率が大きく、補助磁界方向の感度が高いことによる。
【0016】
すなわち、図11で示すように、所要の補助磁界Hsub が印加された場合、破線曲線As1 (図11において、第1象限についてのみ示す)で示すように、その曲率が緩やかで、直線に近づく曲線となるにつれ、一定の補助磁界Hsub に対し、その反転磁界Hcは、Hc1 へと減少するものの、曲率の急峻なすなわち曲率半径が小さい実線曲線As0 による場合に比し、補助磁界Hsub が与えられたときの反転磁界Hc0 に比し、その変化率は小さい。すなわち、アステロイド曲線が直線的になるにつれ、補助磁界に対する感度が低くなり、同じ反転磁界の変化を得るための補助磁界を大きくする必要が生じ、MRAMにおける書き込み電流の増大、したがって、消費電力が増加する。
【0017】
また、アステロイド曲線As0 およびAs1 と、それぞれ磁界HxおよびHyの最大領域を示す破線aとによって囲まれる、それぞれの書き込み可能な領域いわゆるウィンドウの面積を対比することによって明らかなように、アステロイド曲線が直線的になるにつれ、その書き込み可能な領域が狭くなる。
更に、各メモリ素子すなわちTMR素子において、そのアステロイド特性に、ばらつきが存在すれば、そのアステロイド曲線は、図11に示すような、一本の曲線とはならず、多数の曲線の集合となり、実質的に曲線の幅が広がることから、上述したウィンドウの面積は、より狭くなり選択書き込みが困難になって来る。したがって、書き込みエラーが増大する。
【0018】
ところで、MRAMにおいて、記録密度の向上、高集積化を図るためにTMR素子の微細化が必要となるが、TMR素子を微細化すれば、磁化反転が生じにくくなることら、反転磁界がHcが上昇する。したがって、MRAMの微細化すなわち高集積化と、書き込み電流の低減化とは現状において相容れないという問題がある。
【0019】
また、MRAMにおいて、各メモリ素子となるTMR素子の磁気特性が素子毎にばらついたり、同一素子についての繰り返し使用で、磁気特性にばらつきが生じると、図11で説明したように、アステロイド特性を使用した選択書き込みが困難になり、書き込みエラーが大きくなるという問題がある。
【0020】
したがって、TMR素子においては、理想的なアステロイド曲線を描かせることが求められる。
このような理想的アステロイド曲線を描かせるためには、TMR測定を行った際の、R−H(抵抗−磁場)曲線においてバルクハウゼンノイズ等のノイズが回避されること、角形性にすぐれていること、反転磁界Hcが安定しており、かつ、ばらつきが小さいことが必要となる。
【0021】
一方、TMR素子の情報読み出しに関しては、上述したトンネルバリア層を介して配置された情報記録層と磁化固定層との磁気モーメントが反平行で抵抗値が高い状態の、例えば“1”、その逆に、互いの磁気モーメントが平行で抵抗値が低い状態の、例えば“0”を、例えば一定バイアス電圧での差電圧の検出により行う。
したがって、素子間の抵抗のばらつきが同じである場合には、TMR比が高いほど、高速で集積度が高く、エラーレートの低いメモリ装置が実現できる。
【0022】
また、TMR素子には抵抗変化率のバイアス電圧依存性が存在し、バイアス電圧が上昇するにつれて、TMR比が減少していくことが知られている。
そして、差電流または差電圧で読み出しを行う場合に、多くの場合、抵抗変化率が、バイアス電圧依存性により半減する電圧Vhalfで読み出し信号の最大値をとることが知られているので、バイアス電圧依存性が小さいほど読み出しエラーの低減において有効である。
【0023】
【非特許文献1】
Wang et al.,IEEE Trans. Magn. 33(1997),4498
【特許文献1】
特開平10−116490号公報。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、MRAMに用いられるTMR素子には、上述の書き込み特性要件と、読み出し特性要件とを同時に満足することが必要である。
しかしながら、TMR素子の強磁性層の材料を選択する場合に、式(1)のP1 およびP2 で示されるスピン分極率が大きくなるような合金組成をCo、Fe、Niの強磁性遷移金属元素のみを成分とする材料から選択すると、一般的にTMR素子の反転磁界Hcが増大する傾向にある。
【0025】
例えばCo75Fe25(原子%)合金等を情報記録層に用いた場合は、スピン分極率が大きく40%以上の高いTMR比を確保できるが、反転磁界Hcも高くなる。
これに対して、軟磁性材料として知られているパーマロイと呼称されるNi80Fe20(原子%)合金等を用いた場合には、反転磁界Hcの低減は可能ではあるものの、上述のCo75Fe25(原子%)合金と比較してスピン分極率が小さくなることから、TMR比が33%程度まで低下してしまう。
また、Co90Fe10(原子%)は、約37%のTMR比が得られるとともに、反転磁界Hcを上述のCo75Fe25(原子%)合金とNi80Fe20(原子%)合金との中間程度に抑えられるが、R−H曲線の角形比が劣り、書き込みを可能とするアステロイド特性が得られない。また、素子毎の情報記録層の反転磁界が安定しないという問題も発生する。
【0026】
本発明は、特定材料による強磁性層と、そのパターン形状の選定によって上述した書き込み特性と、読み出し特性とを同時に向上することができる磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置を提供するものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁気センサとして、あるいはMRAMのメモリ素子として用いられる磁気抵抗効果素子であり、少なくとも1対の強磁性層が中間層を介して対向するように積層されて成り、この積層面に対して交叉、具体的にはほぼ直交する方向の通電によって磁気抵抗変化を得る構成によるものである。
そして、本発明においては、少なくとも情報記録層を構成する強磁性層の一方が、CoFeB系合金、あるいはCoFeNiB系合金を含有するアモルファス構造を有する合金層とする。
更に、本発明においては、同時に、その情報記録層の平面形状が、一方向に長軸を有し、この長軸方向に沿う両側縁が、直線もしくは外側に膨出する形状とされ、長軸方向の両端縁が、外側に膨出するパターン形状とする。
そして、このパターン形状の、短軸長:長軸長によるアスペクト比を、1:1.2から1:3.5の範囲とするものである。
【0028】
また、本発明による磁気メモリ装置は、互いに立体的に交叉するを有し、これらワード線とビット線との立体的交叉部間にメモリ素子を構成する磁気抵抗素子が配置された構成を有する。
そして、その磁気抵抗効果素子は、上述した本発明による磁気抵抗効果素子によって構成し、選択されたワード線およびビット線への通電によって、その交叉部に位置する磁気抵抗効果素子によるメモリ素子に、所要の磁界を印加して、情報記録層の磁化の向きによる記録を行う。
【0029】
本発明は、上述したように、磁気抵抗効果素子において、その情報記録層が、CoFeB系合金、あるいはCoFeNiB系合金を含有するアモルファス構造を有する合金層とすること、またその平面形状を、一方向に長軸を有し、長軸方向に沿う両側縁が直線もしくは外側に膨出する形状とされ、長軸方向の両端縁が、外側に膨出する形状とされたパターン形状とすること、更に、その短軸長:長軸長によるアスペクト比が、1:1.2から1:3.5の範囲にある形状とすることによって、これらが相俟って、良好なアステロイド曲線が調整可能であり、安定してばらつきが小さい、優れたアステロイド特性を得ることができることを見出したものである。
【0030】
すなわち、情報記録層を構成する強磁性層を、アモルファス層とすることによって、素子サイズ、すなわち短軸寸法を小さくすることに伴う反転磁界Hcが大きくなり過ぎることを回避できる。また、このアモルファスの中でも、CoFeB合金や、CoFeNiB合金および合金元素が添加された合金は、大きなTMR比を示し、磁気異方性が大きいにも拘わらず、補助磁界方向の感度、すなわちアステロイド曲線の曲率を急峻とすることができる。
同時に、情報記録層の平面形状を、一方向に長軸を有する形状とするのみならず、その長軸と短軸の比(長軸/短軸)を、1.2以上、3.5以下とすることによって所要の形状異方性を有し、かつ磁化反転が阻害されることが回避されて、良好なアステロイド曲線を得ることができるものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
〔磁気抵抗効果素子〕
本発明による磁気抵抗効果素子の一実施形態は、磁気メモリ装置のメモリ素子としての磁気抵抗効果素子であるが、この実施形態に限られるものではない。
本発明による磁気抵抗効果素子は、少なくとも1対の強磁性層、具体的には、磁化自由層となる情報記録層と磁化固定層とが、中間層を介して対向された積層構造部を有し、その積層面に垂直、すなわち厚さ方向に電流を流すことによって磁気抵抗変化を得る、いわゆるCPP(Current Perpendicular to Plane)構成による。
【0032】
対の強磁性層の少なくとも情報記録層(磁化自由層)を構成する強磁性層は、強磁性遷移金属元素の少なくともFeおよびCoと共にBを含有する、FeCoB系あるいはFeCoNiB系の例えばスパッタ膜によるアモルファス層によって構成される。
中間層は、TMR素子においては、トンネルバリア層によって構成される。
【0033】
また、少なくともその情報記録層の平面形状、例えば磁気抵抗効果素子の平面形状は、一方向に長軸を有し、この長軸方向に沿う両側縁が、直線もしくは外側に膨出する彎曲形状とされ、長軸方向の両端縁が、外側に膨出する彎曲ないしは屈曲形状とされたパターン形状とされる。更に、これらパターン形状は、長軸方向および短軸方向の各中心軸に対してそれぞれ対称形状に選定される。
そして、このパターン形状において、短軸長:長軸長によるアスペクト比が、1:1.2から1:3.5の範囲に選定される。
対の強磁性層は、それぞれ単層構造とすることもできるが、多層構造とすることもできる。例えば磁化固定層を構成する強磁性層を、積層フェリ構造とすることができる。
【0034】
図1は、この磁気抵抗効果素子、例えばスピンバルブ型のTMR素子1の一例の概略断面図を示す。
この例では、基板2例えばSi基板上に、下地層3が形成され、この下地層3を介して反強磁性層4が形成され、この上に、中間層6を介して対の磁化固定層を構成する強磁性層5および情報記録層を構成する強磁性層7が積層形成された積層構造とされる。
この例では、反強磁性層4上に、磁化固定層を構成する強磁性層5が形成され、この上に、トンネルバリア層を構成する中間層6が形成され、更にこの上に、情報記録層を構成する磁化自由層となる強磁性層7が形成されて、この積層構造によって強磁性トンネル接合構造部(以下MTJという)9が構成される。そして、このMTJ9上に保護層8いわゆるトップコート層が被着形成される。
【0035】
下地層3は、例えば非磁性導電層のTa膜によって構成される。
反強磁性層4は、一方の強磁性層5による磁化固定層と反強磁性的に結合することにより、外部から印加される信号磁界、例えばメモリ装置における書き込み磁界によっても磁化が反転することなく、常に、磁化固定層を構成する強磁性層5の磁化の向きを一定の向きに設定するものである。
この反強磁性層4は、Fe、Ni、Pt、Ir、Rh等を含むMn合金、Co酸化物、Ni酸化物等によって構成することができるものであり、この反強磁性層4は、例えばPtMnによって構成する。
【0036】
中間層6のトンネルバリア層は、金属膜例えばAlのスパッタ膜あるいは蒸着膜を酸化した酸化膜、あるいは窒化した窒化膜によって形成することができる。そのほか、このトンネルバリア層6は、有機金属と、酸素、オゾン、窒素、ハロゲン、ハロゲン化ガス等を用いたCVD(Chemical Vapor Deposition) 法による成膜によって構成することもできる。
【0037】
そして、本発明においては、中間層6を介して積層される両強磁性層5,7、特に少なくとも情報記録層を構成する強磁性層7を、FeCoBあるいはFeCoNiBを含有する例えばスパッタ膜による強磁性アモルファス層によって構成する。
【0038】
更に、本発明においては、少なくともこの情報記録層すなわち強磁性層7の平面パターン、例えば磁気抵抗効果素子1の積層部の平面パターンを、1軸方向に長軸を有する形状で、長軸方向に沿う両側縁が、外側に膨出する形状、あるいは直線形状を有し、その長軸方向の両端が、外側に膨出するパターン形状とする。このようなパターン形状は、図2および図3の各A1 〜A6 図にパターン形状の例を模式的に示したように、長軸および短軸の中心軸に対して対象性を有する形状とされる。そして、例えば、図2A1 の菱形形状のように、長軸方向に沿う両側縁およびその両端縁が外側に屈曲ないしは屈曲に近似する彎曲形状に膨出するパターン形状とすることができる。あるいは、両側縁が外側に彎曲膨出する形状の、例えば図2A2 、図3A4 のレモン形状、楕円、ないしは長円、あるいは図示しないが紡錘状等のパターン形状とする。または、両外側が直線的なカプセル形状(図3A5 )、長方形状(図3A6)等に形成することができる。
しかしながら、本発明は、この図2および図3の各A1 〜A6 に示した例に限定されるものではない。
そして、本発明においては、パターン形状の選定のみならず、その短軸と長軸の比を1:1.2〜1:3.5の範囲に選定する。
【0039】
本発明構成においては、上述したように、少なくともその情報記録層を構成する強磁性層7、例えば両強磁性層5および7を、Bを含むFeCoBあるいはFeCoNiBによる材料によることによってアモルファス構造とするものであるが、この構成とすることによって、結晶質のみで強磁性層を構成する場合に比し、前記(1)式の分極率を高めることによる保磁力が高まるという不都合が回避された。
【0040】
すなわち、アモルファス構造を有する強磁性材料を含有することによってスピン分極率の向上すなわちTMR比の向上と、保磁力すなわち反転磁界の低減すなわち書き込み電流の低減化を実現できた。
そして、強磁性層における磁気的困難軸と容易軸で示される磁気異方性の制御がなされ、R(抵抗)−H(磁界)曲線の角形性にすぐれ、情報記録層の反転磁界の安定化が図られた。
【0041】
同時に、本発明においては、上述したように、情報記録層の平面パターンないしは磁気抵抗効果素子の平面パターン形状およびそのアスペクト比を制御したことによって、良好な弓形曲線によるアステロイド曲線を得ることができ、書き込み可能な反転磁界および補助磁界の許容範囲を大とすることができた。
すなわち、本発明構成による磁気抵抗効果素子は、上述したように、大きなTMR比を示し、磁気異方性が大きいにも拘わらず、補助磁界方向の感度が良好となる。
【0042】
アモルファス強磁性層を構成するCoFeおよびCoFeNiの組成比は、一般にソフトな磁気特性を示す範囲が望ましく、通常のCoFe情報記録層や、CoFeNi情報記録層に用いられる組成によることができる。そして、これに添加されるBは、アモルファス層を形成し得るために10原子%以上が必要で、逆に磁性を維持するためには、35原子%以下であることが必要である。
【0043】
また、情報記録層を構成する強磁性層7は、膜厚1nm〜10nmとすることが、良好な磁気特性を確保する上で望ましい。これは、強磁性層7の膜厚が、1nm未満である場合は、磁化自由層としての磁気特性が大幅に損なわれ、また、10nmを超えると保磁力が大きくなり過ぎ、例えば磁気メモリ装置のメモリ素子として用いる場合、実用上不適当となるおそれがあることに因る。
【0044】
強磁性層7は、上述したFeCoBあるいはFeCoNiBによる単層構造とするに限られるものではなく、例えばこの組成の強磁性層と、これに比し磁化量の小さいNiFe層との積層構造とすることができ、この場合は、これら層の総厚が10nmを超える構成とすることもできる。
【0045】
また、FeCoBあるいはFeCoNiBによって磁化固定層5を構成する場合、その膜厚は、0.5nm〜6nmに選定することが望ましい。
これは、磁化固定層5の膜厚が、0.5未満である場合には、磁化固定層としての磁気特性が損なわれ、また6nmを超えると反強磁性層との交換結合磁界が充分に得られなくなることに因る。
【0046】
尚、強磁性層が含有するFeCoB、FeCoNiBの合金組成には、好ましい範囲が存在するものである。これらFeCoB、FeCoNiBによる強磁性層については、本出願人による特許願2002−106926号ですでに提案しているところである。また、この強磁性層は、磁場中アニールにより磁気異方性を完全に与える処理を行う。
【0047】
次に、この強磁性層に含有するFe、Co、Bの合金組成について説明する。このFe、Co、Bの合金組成は、不可避な不純物元素を除いて、組成式FeX Coy z (組成式中、x、y、zは、原子%を表す)から構成され、5≦x≦45、35≦y≦85、10≦z≦30であることが好ましい。このとき、x+y+z=100である。これら組成の特定について以下説明する。
【0048】
まず、Bの添加量について説明する。このBの添加量が10原子%未満であると、ベースとなるFe−Co合金の磁気特性が大きく反映され、緩やかな改善 効果が認められるのみである。したがって、10原子%以上のBを含有することにより、Fe、Co等を同じ比率で含む合金と比較して、TMR比が顕著に増大すると共に、抵抗−磁場曲線(R−H曲線)の角形性が改善される。また、TMR比のバイアス依存性も改善され、更に、情報記録層の磁化状態が安定しているため、保磁力のばらつきが小さく、R−H曲線上に見られるノイズも大幅に低減する。
【0049】
また、Bの添加量は、30原子%以下であることが好ましい。これは、Bの添加量が30原子%を超えると、例えば情報記録層としての強磁性的な特性および磁化固定層としての固定磁界が損なわれてくる。その結果、TMR比の低下、R−H曲線の角形性の劣化および保磁力の減少を来すおそれが生じる。したがって、Bを添加することによる効果を確実に得るためには、Fe−Co合金の組成によって若干変化するが、少なくとも一方の強磁性層の、情報記録層を構成する強磁性層7は、10原子%以上、30原子%以下のBが含有する組成とすることが望ましい。
【0050】
次に、ベースとなるFe−Co合金について説明する。
Bを含めた合金組成で少なくとも35原子%のCoが必要である。Bが添加された場合の効果を促進し、しかも強磁性的な性質を保持するためである。その上で、Feが添加されると、Co−Feベース合金での変化と同様に、TMR比の向上および保磁力の増大効果が認められる。しかし、Feの含有量が、45原子%を超えると実際の素子寸法では、保磁力が過剰に増大し、TMR素子として不適当となる。また、Feの含有量が5原子%未満であると、強磁性層のスピン分極率が小さくなり、磁気抵抗効果素子として動作するに十分なTMR比が得られなくなるおそれがある。したがって、Feの含有量は、5原子%以上、45原子%以下とすることが好ましい。
【0051】
また、強磁性層としては、上述したように、Fe、Co、BのほかにNiを含有する組成とすることができる。このNiを含有する場合でも、保磁力の増大を抑えつつ良好なTMR比を維持し、R−H曲線の角形性の改善効果を得ることができる。この場合、Ni含有量の好ましい範囲が存在する。すなわちNiは、35原子%以下であることが好ましい。これは、Niの含有量が、35原子%を超えると保磁力が小さくなり過ぎて、TMR素子の動作の制御が困難となるおそれがあることに因る。すなわち、FeCoNiBの強磁性層においては、不可避な不純物元素を除いて、組成式FeaCobNicBd(組成式中、a〜dは原子%を表す)から構成され、5≦a≦45、35≦b≦85、0<c≦35、10≦d≦30であるとが好ましい。そして、このとき、a+b+c+d=100である。
【0052】
次に、情報記録層ないしは磁気抵抗効果素子の平面形状とアステロイド曲線 との関係を、図2および図3を参照して説明する。
前述したように、図2および図3において、各A1 〜A6 は、それぞれの情報記録層を構成する強磁性層7ないしは磁気抵抗効果素子1の平面パターン形状を模式的に示したもので、各B1 〜B6 は、A1 〜A6 のパターン形状による場合に得られるアステロイド曲線の傾向を模式的に示したものである。
これら図2および図3で示すように、強磁性層7ないしは磁気抵抗効果素子1の平面パターン形状の選定によってアステロイド曲線の形状を制御することができるものである。
【0053】
すなわち、本発明においては、情報記録層の材料構成のみならず、その形状、すなわちアスペクト比も、所要のアステロイド曲線を得る上で、重要なパラメータであることを見出しことに基いてなされた発明であり、そのアスペクト比(短軸長:長軸長)は、前述したように、1:1.2〜1:3.5の範囲とする。これは、このアスペクト比が、1:1.2未満である場合、補助磁界方向の感度は、充分得られるものの、情報記録層お磁気的な形状異方性が小さくなり、磁化が不安定となり、反転磁界が著しく不安定となることが見出され、また、アスペクト比が、1:3.5を超えると反転磁界の増大傾向が著しくなることが見出された。
【0054】
そして、情報記録層の磁気異方性は、素子形状によっても制御され、楕円形状が最もバランスに優れた形状であることが判明した。図2および図3で示されるように、例えば図3のA6 で示す長方形状に近い形状の場合、アステロイド曲線は図3のB6 に示すように、横長形状となり、その縦横比が大きく異なってくる。
これに対し、図2のA1 で示す菱形形状の場合、アステロイド曲線は図2B1 で示すように、異方性が強くなり、アステロイド曲線が直線的になる傾向を示し、このように直線的になる場合は、前述したように、補助磁界方向の感度が鈍ってくる。
これらのことから、情報記録層の平面パターンは、楕円形状もしくは長円形状とすることが望ましく、図2および図3のA2 〜A5 で示すように、長軸方向に沿う両側縁が、直線もしくは外側に膨出する彎曲形状とされ、長軸方向の両端縁が、外側に凸の彎曲ないしは屈曲形状とされたパターン形状が望ましい。
そして、そのアスペクト比は、上述したように、1:1.2〜1:3.5の範囲に選定する。
【0055】
上述した条件を満たすことにより、補助磁界方向の感度を制御することができ、小さな補助磁界の領域で、アステロイド曲線の接線の勾配、すなわち曲率半径を小さく、弓形形状となり、アステロイド曲線の形状を、理想的アステロイド曲線に近づけるように調整できることを、見出したのである。
そして、その結果、前述した書き込み可能領域を大きくすることができ、書き込みエラーの発生を著しく低減することができたのである。
【0056】
尚、図1で示した例では、磁化固定層5を単層構造とした場合であるが、図4にその一例の概略断面図を示すように、磁化固定層5を、例えば強磁性積層フェリ構造とすることができる。
この例では、反強磁性層4上に、この反強磁性層4と反強磁性結合する第1の磁化固定層5aが成膜され、この上に非磁性導電層5cを介して第2の磁化固定層5bが積層されている。
非磁性導電層5cは、例えばRu、Cu、Cr、Au、Ag等の金属膜によって構成することができる。
尚、図4において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0057】
また、上述した例では、中間層6が、トンネルバリア層であってTMR素子構成とした場合であるが、中間層6が、非磁性導電層によって構成され、膜厚方向に通電がなされるいわゆるCPP(Current Perpedicular to Plane) 構成のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子いわゆるGMRとすることもできる。
【0058】
次に、本発明による磁気メモリ装置の実施形態について説明するが、本発明による磁気メモリ装置は、この実施形態例に限定されるものではない。
【0059】
〔磁気メモリ装置〕
本発明による磁気メモリ装置は、そのメモリセルを構成するメモリ素子が、上述した本発明の各構成による磁気抵抗効果素子、例えばTMR素子によって構成される。
この磁気メモリ装置は、例えば図5に、その一例の要部の概略構成の斜視図を示し、図6に、その1つのメモリセル11の概略断面図を示すように、クロスポイント型のMRAMアレイ構造とすることができる。
【0060】
すなわち、このMRAMにおいては、並置配列された複数のワード線WLと、これらワード線WLとそれぞれ立体的に交叉するように並置配列された複数のビット線BLとを有し、これらワード線WLとビット線BLとの間の立体的交叉部に、それぞれメモリセル11として、本発明による磁気抵抗効果素子、例えばTMR素子1が配置される。
図5においては、磁気メモリ装置における3×3のメモリセル11がマトリクス状に配置された部分を示している。
【0061】
各メモリセル11は、図6に示すように、例えばシリコン基板より成る半導体基板2上すなわち半導体ウエハ上に、スイッチング用のトランジスタ13が形成される。
このトランジスタ13は、例えばMOSトランジスタ(絶縁ゲート電界効果型トランジスタ)より成る。この場合、半導体基板2上にゲート絶縁層14が形成され、この上にゲート電極15が被着された絶縁ゲート部が構成される。
また、半導体基板2に、絶縁ゲート部を挟んでその両側にソース領域16とドレイン領域17とが形成される。この構成において、ゲート電極15は、読み出し用のワード線WL1 を構成している。
【0062】
このトランジスタ13が形成された半導体基板2上には、ゲート電極15を覆って第1の層間絶縁層31が形成され、この第1の層間絶縁層31の、各ソース領域16およびドレイン領域17上に、層間絶縁層31を貫通してコンタクトホール18が穿設され、各コンタクトホール18に、導電性プラグ19が充填される。
そして、第1の層間絶縁層31上に、ソース領域16に対する配線層20が、ソース領域16にコンタクトされた導電性プラグ19上に跨がって被着形成される。
【0063】
更に、配線層20を覆って第1の層間絶縁層31上に第2の層間絶縁層32が形成される。
この第2の層間絶縁層32には、ドレイン領域17にコンタクトされた導電性プラグ19上に、コンタクトホール18が貫通穿設され、これに導電性プラグ19が充填される。
【0064】
第2の層間絶縁層32上には、例えば読み出し用ワード線WL1 の延長方向に延長して図5のワード線WLに相当する書き込み用ワード線WL2 が形成される。
また、この書き込み用ワード線WL2 を覆って、第2の層間絶縁層32上に、例えば酸化シリコンより成る第3の層間絶縁層33が形成される。この第3の層間絶縁層33においても、ドレイン領域17にコンタクトされた導電性プラグ19上に、コンタクトホール18が貫通穿設され、これに導電性プラグ19が充填される。
【0065】
そして、この第3の層間絶縁層33を貫通する導電プラグ19にコンタクトして、第3の層間絶縁層33上に、図1あるいは図4で示した導電性の例えばTaより成る下地層3を形成し、この下地層3上に、磁気抵抗効果素子例えばTMR素子1を形成する。
【0066】
更に、この下地層3とこの上のTMR素子1を覆って第4の層間絶縁層34が形成され、この上に、書き込み用ワード線WL上を横切って、ビット線BLを形成する。
【0067】
ビット線BL上には、図示しないが、表面絶縁層が必要に応じて形成される。上述した第1〜第4の各層間絶縁層や表面絶縁層等は、例えばプラズマCVDによって形成することができる。
【0068】
磁気抵抗効果素子のTMR素子1の構造および製造方法は、前述したように、図4あるいは図5の構造を、本発明製造方法で説明した構成材料および成膜方法によって、反強磁性層4、単層あるいは積層フェリ構造による磁化固定層5、中間層6をスパッタリングによって形成し、中間層6に対する酸化処理もしくは窒化処理を行い、続いて、磁化自由層7、保護層8のスパッタリングを行うことによって形成することができる。
【0069】
したがって、この場合においても、磁化固定層の強磁性層5、および磁化自由層すなわち情報記録層の強磁性層7は、FeCoBあるいはFeCoNiBのアモルファス層として形成される。
これら、メモリセル11は、共通の半導体基板2すなわち半導体ウエハ上に、図4で示すように、マトリックス状に配列される。
【0070】
この半導体基板2を、磁場中熱処理して、反強磁性層4の規則化すなわち反強磁性層4を所定の向きに磁化し、これによってこの反強磁性層4上に接して形成されこれと反強磁性結合された強磁性層による磁化固定層5の磁化を一方向に固定することができる。
【0071】
この構成による磁気メモリ装置は、ビット線BLと書き込みワード線WL(WL1 )とに所要の電流を通電することによって、選択された交叉部のメモリセル11の磁気抵抗効果素子例えばTMR素子1の磁化自由層に、両ビット線BLと書き込みワード線WLによる発生磁界の合成による所要の書き込み磁界を印加して、前述したように、磁化自由層の磁化を反転させて、情報の記録を行う。
【0072】
そして、この記録情報の読み出しは、選択された読み出しを行うメモリセルに関わるトランジスタ13のゲート電極15すなわち読み出しワード線WL1 に所要のオン電圧を印加してトランジスタ13をオン状態とし、ビット線BLとトランジスタ13のソース領域16の配線層20との間に、読み出し電流を通電することによってその読み出しを行う。
【0073】
上述した本発明によるMRAMは、そのメモリ素子としての磁気抵抗効果素子が、強磁性トンネル接合を構成する強磁性層の少なくとも一方の情報記録層を構成する強磁性層を、上述した特定の元素を含有し、またその平面形状とアスペクト比の選定がなされていることによって、そのメモリ素子のTMR素子がTMR出力に極めて優れ、メモリ動作の安定性が飛躍的に向上するものである。
また、本発明のMRAMは、TMR比のバイアス電圧依存性が改善されていることによって、読み出し時に低抵抗状態と高抵抗状態との判別が容易となり、エラーレートが低下する。
更に、図7で示すように、R−H曲線上に見られるノイズも大幅に低減することから、アステロイド特性が向上する。したがって、書き込みエラーの低減も図られる。
【0074】
図7中曲線61および62は、それぞれ情報記録層をCo72Fe8 20〔原子%〕によるTMR素子と、情報記録層をCo90Fe10〔原子%〕によるTMR素子とを作製し、これらについて外部磁場の変化に対するTMR比〔%〕を求めた結果を示した。TMR比〔%〕は、外部磁場による抵抗が最大となった値をRmax とし、最小となった値をRmin とするときの{(Rmax −Rmin )/Rmin }×100〔%〕である。
【0075】
これら曲線61および62を比較して明らかなように、情報記録層がFe、Co、Bを含有するTMR素子は、Fe、Coのみを含有するTMR素子に比してTMR比を高く維持しつつ、保磁力が低減し、更にTMR比−磁場ループの角形性が向上していることが分かり、また、バルクハウゼンノイズの改善もはかられている。
【0076】
尚、本発明による磁気抵抗効果素子は、上述したMRAMのメモリ素子とする場合に限られるものではなく、例えば磁気ヘッドおよびこの磁気ヘッドを搭載したハードディスクドライブ、集積回路チップ、さらには、パーソナルコンピュータ、携帯端末、携帯電話をはじめとする各種電子機器、電気機器等に適用することが可能である。
【0077】
そのほか、本発明構成において、種々の変形変更を行うことができる。例えば図1および図4で示した例では、反強磁性層が下層側に配置されたいわゆるボトム形構成とした場合であるが、これとは逆に反強磁性層が上層側に配置されるいわゆるトップ形構成とすることもできる。
【0078】
次に、本発明による磁気抵抗効果素子もしくはMRAMにおけるメモリ素子の実施例および比較例を説明する。
〔実施例および比較例〕
この場合、各例に対応する特性評価用素子(以下TEG(Test Element Group)という)を作製して、これによって本発明実施例および比較例の特性評価を行った。
【0079】
この場合、図6において説明したように、MRAMにおいては、メモリ素子としての磁気抵抗効果素子(TMR素子)1以外に、スイッチング用のトランジスタ13が形成されるものであるが、このTEGにおいては、半導体基板2すなわち半導体ウエハに対する上述したスイッチング用トランジスタ13の形成を省略した。
【0080】
このTEGは、図8に概略平面図を示し、図9に、図8のA−A線の概略断面図を示すように、表面に厚さ2μmの熱酸化膜による絶縁層12が形成された、厚さ0.6mmの半導体基板(半導体ウエハ)2を用意した。
この半導体基板2上に、ワード線を構成する金属膜の形成、およびフォトリソグラフィによるパターンエッチングを行って、一方向に延長するワード線WLを形成した。
このとき、ワード線WLの形成部以外のエッチング部においては、半導体基板2の表面の酸化膜すなわち絶縁層12が深さ5nmまでエッチングされた。
【0081】
ワード線WL上の一部に、TMR素子1を作製した。このTMR素子1の形成は、先ず、半導体基板2側から、それぞれ全面的に、順次、厚さ3nmのTa層と厚さ100nmのCu層とによる下地層3、厚さ20nmのPtMn層による反強磁性層4、厚さ3nmのCoFe層と厚さ0.8nmのRu層による非磁性導電層と厚さ2.5nmのCoFe層とのフェリ磁性層による磁化固定層5、厚さ1nmのAlを酸化処理した中間層6、厚さ5nmのFeCoB層による磁化自由層7、厚さ5nmのTa層より成る保護層8を形成した。
【0082】
このようにして、形成した積層膜の一部によってTMR素子1を構成するものであり、このために積層膜のTMR素子1の形成部上に、フォトレジスト層によるマスク層(図示せず)をフォトリソグラフィによって形成する。
このマスク層を、エッチングマスクとして、上述の積層膜に対するエッチング例えばドライエッチングを行って、上述した積層膜によるTMR素子1を形成する。
更に、フォトレジスト層によるマスク層上から、TMR素子1の周囲を覆って厚さ100nm程度に、Al2 3 をスパッタし、その後、マスク層の除去を行って、TMR素子1上の絶縁層の除去、すなわちリフトオフを行ってTMR1の表面を露出する。
【0083】
この露出したTMR素子1上にコンタクトして全面的に金属膜の形成を成膜し、この金属膜をフォトリソグラフィによってパターンエッチングしてビット線BLを形成する。
このビット線BLと上述したワード線WLとは、それぞれCu層によって形成し、相互に交叉する方向に延長するパターンに形成する。
【0084】
磁化自由層すなわち情報記録層を構成する強磁性層7のFeCoBの組成は、Fe8 Co7220〔原子%〕とした。
また、磁化固定層を構成する強磁性層5のCoFeの組成は、Co75Fe25〔原子%〕とした。
中間層6のトンネルバリア層は、先ずAl膜をDCスパッタ法により厚さ1nmに堆積し、その後に、酸素とアルゴンの流量比は、1:1とし、チャンバーのガス圧を0.1mTorrとし、ICP(Inductive Coupled Plasma: 誘導結合型プラズマ)により金属Al膜をプラズマ酸化することによって形成した。
この酸化時間は、ICPプラズマ出力に依存するが、この例では30秒の酸化処理を行った。
この中間層6以外の成膜は、DCマグネトロンスパッタ法を用いて成膜した。TMR素子1は、短軸0.5μm、長軸1.0μmの楕円形パターンに形成した。
【0085】
ワード線WLおよびビット線BLは、それぞれ金属膜を形成し、これをフォトリソグラフィを用いたArプラズマエッチングによってパターン化して形成するした。
ワード線WLおよびビット線BLの両端には、図8に示すように、それぞれ端子パッドを23および24を延長形成した。
このTEGは、共通の基板2上に、多数個配列形成した。
【0086】
この構成によるTEGにおいて、ワード線およびビット線に流せる電流は、それぞれ最大20mAであり、TMR積層膜および素子形成条件により磁化反転電流は20mA以下に制御されている。
【0087】
このようにして作製したTEGを上述した磁場中熱処理装置よって、磁場中熱処理した。この熱処理は、PtMnによる反強磁性層4の規則化熱処理であり、これによって強磁性トンネル接合MTJを構成した。
この磁場中熱処理は、熱処理温度270℃、磁場強度10kOe、熱処理時間(具体的には加熱保持時間)は、2時間とした。
【0088】
このようにして作製されたTEGにおいて、その磁気抵抗効果素子の情報記録層の材料、膜厚、アスペクト比、素子形状を変化させたTEG(サンプル1〜20)を作製した。
そして、これらTEGに対して、電流源から電流を供給し、ワード線電流およびビット線電流を段階的に変化させて、各素子のアステロイド曲線を求めた。この場合、同一チップ、すなわち同一基板2内にある10,000個の素子のアステロイド曲線を重ね、書き込み可能範囲を求めた。
この10,000個の素子に対するアステロイド曲線を重ねたとき、書き込みエラーをゼロにするためには、反転磁界方向および補助磁界方向の両方向に関して直径を3mAとする領域が100%の確率で得られることである。
【0089】
作製したTEGのサンプル1〜20のうち、サンプル1〜6は、その情報記録層の形状を、図3A4 で示す楕円形状とし、そのアスペクト比を2.5とした場合であり、これらサンプル1〜6の強磁性層7を構成する材料と膜厚を、表1に列記する。
【0090】
【表1】
Figure 2004128015
【0091】
そして、サンプル1〜20のうちの、サンプル7〜14は、その情報記録層の形状を楕円形状としてその膜構成を表1で示したサンプル2と同様の構成とした。そして、そのアスペクト比を、表2で列記する値に選定した。
【0092】
【表2】
Figure 2004128015
【0093】
更に、サンプル15〜20は、その情報記録層の膜構成を、表2で示した構成とし、アスペクト比を2.5とした。そして、その情報記録層の形状を、それぞれ表3で列記する形状とした。
【0094】
【表3】
Figure 2004128015
【0095】
上述した各サンプルについて、アステロイド曲線を求めた。これらアステロイド曲線において、ばらつきの幅を(ΔHc/Hc)×100〔%〕として求めた。図10において、そのばらつきを、アステロイド曲線Aの外側および内側に破線As1 およびAs2 の広がりをもって、そのばらつきの示す。
10,000個の素子に対するアステロイド曲線を重ねたとき、そのばらつきを考慮しつつ、エラーをゼロにするためには、その書き込み可能領域aにおける反転磁界方向および補助磁界方向の両方に対して許容する破線図示の円の領域が直径φ3mA以上得られることが必要であり、このためには、(ΔHc/Hc)×100〔%〕が、10%未満であることが必要条件である。
【0096】
各サンプルについての(ΔHc/Hc)×100〔%〕の値、アステロイド曲線の、縦横比、曲率を、表4に列記した。
その縦横比については、ワード線およびビット線からの磁場発生効率を考慮すると、縦横比は、2.5以下である必要がある。
また、アステロイド曲線の曲率は、S1 /S0 の値として求めた。すなわち、例えば図10の第1象限で示す曲線As1 と、その両端を結ぶ破線直線cとで囲まれる面積をS1 とし、同様の破線直線cとアステロイド曲線の中心を通る縦軸および横軸の破線dとで囲まれる三角形の面積をS0 とし、その比をアステロイド曲線の曲率とした。
【0097】
反転磁界方向および補助磁界方向の両方に直径を3mAとする領域を得るには、S1 /S0 の値が大きいほうが望ましいが、その境界は、(ΔHc/Hc)×100〔%〕が、10%未満のとき、0.2以上である。
【0098】
【表4】
Figure 2004128015
【0099】
表4から明らかなように、10,000個のメモリ素子のアステロイド曲線に対して、反転磁界方向および補助磁界方向の両方向に直径3mAとする領域が得られることが分かる。
すなわち、表4の備考欄に、本発明実施例と記したサンプル1〜3、サンプル8〜13、サンプル17〜19によれば、動作範囲が確保されたMRAMが構成される。
【0100】
上述したように、本発明によれば、少なくとも情報記録層としての強磁性層を、Bを含有するFeCoBあるいはFeCoNiBによって構成したアモルファス膜による構成とし、更に、情報記録層の平面形状を特定し、かつそのアスペクト比の特定によって、R−H特性において、角形比にすぐれ、保磁力すなわち反転磁界の増加を抑制しつつ、スピン分極率の向上、したがって、高いTMR比が得られ、またバルクハウゼンノイズの低減が図られ、弓形特性を有する優れた特性のアステロイド曲線を、安定して得ることができる。
【0101】
【発明の効果】
本発明による磁気抵抗効果素子およびこれをメモリ素子とする磁気メモリ素子は、上述したように、R−H特性において、角形比にすぐれ、保磁力すなわち反転磁界の増加を抑制しつつ、スピン分極率の向上、したがって、高いTMR比が得られ、またバルクハウゼンノイズの低減が図られ、弓形特性を有する優れた特性のアステロイド曲線を、安定して得ることができた、書き込み可能領域を確保できたことから、書き込みエラーの改善が図られた、安定した書き込み特性を得ることができる。また、同時に高いTMR比が得られること、バイアス依存性の低減が図られることから、記録情報の読み出しにおいても、エラーの改善が図られ、安定した読み出しを行うことができる優れた読み出し特性を有する例えば磁気メモリ装置を構成することができる。
【0102】
このように、安定して、書き込みおよび読み取り特性に優れた磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置を構成とすることができることから、その工業的利益および実用上の利益は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気抵抗効果素子の一例の概略断面図である。
【図2】A1 〜A3 は、本発明の磁気抵抗効果素子の情報記録層の模式的平面パターン図、B1 〜B3 は、これら平面パターンに対応する模式的アステロイド曲線図である。
【図3】A4 〜A6 は、本発明の磁気抵抗効果素子の情報記録層の模式的平面パターン図、B4 〜B6 は、これら平面パターンに対応する模式的アステロイド曲線図である。
【図4】本発明による磁気抵抗効果素子の他の例の概略断面図である。
【図5】本発明による磁気メモリ装置の一例の概略構成の斜視図である。
【図6】本発明による磁気メモリ装置の一例のメモリセルの概略断面図である。
【図7】本発明および従来のTMR素子の外部磁場に対するTMR測定曲線を示す図である。
【図8】本発明の実施例および比較例の説明に供する特性評価素子の概略平面図である。
【図9】特性評価素子の概略断面図である。
【図10】特性評価の説明に供するアステロイド曲線図である。
【図11】理想的アステロイド曲線の説明図である。
【符号の説明】
1・・・磁気抵抗効果素子(TMR素子)、2・・・基板、3・・・下地層、4・・・反強磁性層、5・・・強磁性層(磁化固定層)、5a・・・第1の磁化固定層、5b・・・第2の磁化固定層、5c・・・非磁性導電層、6・・・中間層(トンネルバリア層)、7・・・強磁性層(情報記録層)、8・・・保護層、9・・・強磁性トンネル接合、11・・・メモリセル、12・・・絶縁層、13・・・トランジスタ、14・・・ゲート絶縁層、15・・・ゲート電極、16・・・ソース領域、17・・・ドレイン領域、18・・・コンタクトホール、19・・・導電性プラグ、20・・・配線層、23,24・・・端子パッド、30・・・絶縁層、31〜34・・・第1〜第4の層間絶縁層

Claims (6)

  1. 少なくとも1対の強磁性層が中間層を介して対向するように積層されて成り、該積層面に対して交叉する方向の通電によって磁気抵抗変化を得る構成による磁気抵抗効果素子であって、
    少なくとも情報記録層を構成する上記強磁性層の一方が、
    CoFeB系合金、あるいはCoFeNiB系合金を含有するアモルファス構造を有し、
    上記情報記録層の平面形状が、一方向に長軸を有し、該長軸方向に沿う両側縁が、直線もしくは外側に膨出する形状とされ、長軸方向の両端縁が、外側に膨出する形状とされたパターン形状とされ、
    該パターン形状の、短軸長:長軸長によるアスペクト比が、1:1.2から1:3.5の範囲にあることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 上記情報記録の平面形状が、長軸方向および短軸方向の各中心軸に対してそれぞれ対称形状とされたことを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 上記情報記録の平面形状の、長軸方向に沿う方向の両側縁形状が外側に彎曲膨出する、楕円ないしは長円形状であることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 互いに立体的に交叉するワード線とビット線とを有し、
    これらワード線とビット線との立体的交叉部間に、メモリ素子を構成する磁気抵抗素子が配置されて成り、
    該磁気抵抗素子は、少なくとも1対の強磁性層が中間層を介して対向するように積層されて成り、該積層面に対して交叉する方向の通電によって磁気抵抗変化を得る構成による磁気抵抗効果素子であって、
    少なくとも情報記録層を構成する上記強磁性層の一方が、
    CoFeB系合金、あるいはCoFeNiB系合金を含有するアモルファス構造を有し、
    上記情報記録層の平面形状が、一方向に長軸を有し、該長軸方向に沿う両側縁が、直線もしくは外側に膨出する形状とされ、長軸方向の両端縁が、外側に膨出する形状とされたパターン形状とされ、
    該パターン形状の、短軸長:長軸長によるアスペクト比が、1:1.2から1:3.5の範囲にあることを特徴とする磁気メモリ装置。
  5. 上記情報記録の平面形状が、長軸方向および短軸方向の各中心軸に対してそれぞれ対称形状とされたことを特徴とする請求項4に記載の磁気メモリ装置。
  6. 上記情報記録の平面形状の、長軸方向に沿う方向の両側縁形状が外側に彎曲膨出する、楕円ないしは長円形状であることを特徴とする請求項4に記載の磁気メモリ装置。
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