JP2004123982A - 床用塗料硬化性組成物 - Google Patents

床用塗料硬化性組成物 Download PDF

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Toshiro Nanbu
南部 俊郎
Hitoshi Tamai
玉井 仁
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Abstract

【課題】アクリルシリコン塗料を床用塗料として使用する場合、湿分硬化である為、初期硬化性が低く、耐溶剤性、耐薬品性の発現が遅く、作業性上問題であった。又、床を改修する場合旧塗膜であるエポキシ塗料、ウレタン塗料に対する密着性が不十分であり、臭気による施工上の制約が課題であった。
【解決手段】主鎖が実質的ビニル系重合体からなり、分子内に加水分解性基に結合したケイ素基を少なくとも1つ有し、且つアミノ基を有する共重合体(A)成分と硬化触媒(B)成分、シランカップリング剤(C)成分及び弱溶剤(D)成分からなる床用塗料硬化性組成物いることにより上記課題が解決される。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンクリ−ト、木材、プラスチック系の床材及びそれらの上にエポキシ系、ウレタン系、アクリル系、シリコン系などの塗料を塗布した床への塗装に好適に使用し得る床用塗料硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリ−ト、木材等の床材の塗料としては、エポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系などの塗料が多く使用され、床に対して意匠性、耐溶剤性、耐薬品性、美観を付与している。しかし、近年、床用塗料を一部日光の当たる部位へ塗装する場合があり、耐候性向上の要求が出されるようになって来ている。その場合、上記塗料中では、ウレタン塗料が比較的耐溶剤性、耐薬品性のバランスがとれているが、耐候性についての問題があった。耐候性の優れた塗料しては、アクリルシリコン塗料、フッ素樹脂塗料があるが、後者は高価であり、コスト面での問題があった。又、樹脂固形分中の加水分解性シリル基が、SiO換算にて特定値を示す重合体、硬化剤または硬化触媒、顔料、溶剤を含有し、形成される塗膜の水蒸気透過度、および顔料容積濃度を特定範囲となるように調整した塗料組成物を被塗面に直接塗装する事で意匠性の向上や防塵性、ノンスリップ性、耐薬品性等の機能を付与することができ、工期短縮となる塗装方法として特許出願されているが、キシレン、トルエン系の溶剤を使用しており、臭気の点で問題があった(特許文献1)。一方、本発明者らは、この臭気を改善する為に、第3種有機溶剤を用いた出願を行っているが、密着改良成分として使用しているアミノシランとエポキシ樹脂の反応物が弱溶剤に溶解しないために、主剤と硬化剤共に弱溶剤化することができず問題であった(特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−256612号公報
【0004】
【特許文献1】特願P2002−103420公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような状況に鑑み鋭意検討した結果、耐候性、耐磨耗性、コンクリートなどの無機基材に対する密着性などのアクリルシリコン塗料の特徴を維持しつつ、弱溶剤化し、かつ、改修時に必要な無溶剤型エポキシ塗料、溶剤型エポキシ塗料、アクリルウレタン塗料、アクリルシリコ塗料、アクリル塗料などを用いた旧塗膜上に塗布する場合に、良好な密着性を付与することを目的としている。
【0006】
【発明が解決しようとする手段】
本願発明は、次の組成物及び塗装物に係るものである。
【0007】
主鎖が実質的ビニル系重合体からなり、分子内に一般式(1)
Figure 2004123982
(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10アリ−ル基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価を表す。R又はRが複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性ケイ素基を少なくとも1つ有し、且つアミノ基を有する共重合体(A)成分、硬化触媒(B)成分、アミノシランとエポキシシランの反応物あるいは混合物(C)成分および弱溶剤(D)成分からなる床用塗料硬化性組成物(請求項1)。
【0008】
共重合体(A)成分中にアミド基を有する化合物である請求項1記載の床用塗料硬化性組成物(請求項2)。
【0009】
硬化触媒(B)成分が、錫系化合物である請求項1〜2いずれか1項に記載の床用塗料硬化組成物(請求項3)。
【0010】
硬化触媒(B)成分が、酸系化合物とアミン化合物の混合物あるいはそれらの反応物である請求項1〜2いずれか1項に記載の床用塗料硬化組成物(請求項4)。
【0011】
(C)成分のアミノシランが両末端にアルコキシシリル基を含有するアミノシランである請求項1〜4いずれか1項に記載の床用塗料硬化性組成物(請求項5)。
【0012】
(C)成分のアミノシランが両末端にアルコキシシリル基を含有し、且つ、弱溶剤に溶解するアミノシランである請求項1〜5いずれか1項に記載の床用塗料硬化性組成物(請求項6)。
(C)成分がアミノシランとエポキシシランの反応物とイソシアナートシランの混合物である請求項1〜6いずれか1項に記載の床用塗料硬化性組成物(請求項7)。
【0013】
(A)成分に共重合可能なモノマーとして炭素数4以上の脂肪族の(メタ)アクリル酸アルキルを2重量部以上、90重量部以下を含有してなる請求項1〜7いずれか1項に記載の床用塗料硬化性組成物(請求項8)。
【0014】
ビニル系共重合体(A)成分100重量部に対して、
一般式(2):
(RO)4−b −Si−R   (2)
(式中、 Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、 Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(E)成分1〜100重量部配合されてなる請求項1〜8いずれか1項に記載の床用塗料硬化性組成物(請求項9)。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の床用塗料硬化性樹脂組成物には、湿分の存在下、室温で硬化性を有するベース樹脂として加水分解性基と結合したシリル基を有する共重合体(A)成分が含有される。
【0016】
共重合体(A)成分は、その主鎖が実質的にアクリル系単量体及びアミノ基含有単量体及び必要に応じてアミド基含有単量体、その他単量体を共重合した主鎖からなる(以下、主鎖が実質的にアクリル系共重合鎖からなるともいう)共重合体であると、得られる本発明の床用硬化性樹脂組成物から形成される塗膜の耐候性、耐薬品性などが優れたものとなるので好ましい。
【0017】
なお、共重合体(A)成分の主鎖が実質的にアクリル共重合鎖からなるとは、共重合体(A)成分の主鎖を構成する単位のうちの50重量%以上、さらには70重量%以上がアクリル系単量体単位から形成されていることが好ましい。
【0018】
また、共重合体(A)成分は、加水分解性基が結合した反応性シリル基が炭素原子に結合した形式で含有されているため、塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性などがすぐれたものとなる。共重合体(A)成分において、加水分解性基と結合したケイ素基の数は、共重合体(A)成分1分子あたり2個以上、好ましくは3個以上であることが、本発明の組成物から形成される塗膜の耐候性、耐溶剤性などの耐久性が優れるという点から好ましい。
【0019】
共重合体(A)成分は、たとえば特開昭54−36395号公報、特開昭57−55954号公報などに記載のヒドロシリル化法または反応性シリル基を含有する単量体を用いた溶液重合法によって製造することができるが、合成の容易さなどの点から反応性シリル基を含有する単量体を用い、ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造することがとくに好ましい。
【0020】
加水分解性ケイ素基の加水分解性基は、ハロゲン、アルコキシ基等が例示できるが、その中で、反応の制御の簡便さからアルコキシ基が有用である。
【0021】
共重合体(A)成分は、数平均分子量が1000以上、30000以下、3000以上、25000以下が好ましい。 更に発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性などの物性が優れるという点から5000以上、20000以下であることが好ましい。
【0022】
共重合体(A)成分は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0023】
共重合体(A)成分は、たとえば重合性2重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)、アミノ基含有単量体(b)、さらに場合によりアミド基含有単量体(c)、炭素数4以上の脂肪族の(メタ)アクリル酸系単量体(d)、その他のビニル単量体(e)を重合することによって製造することができる。
前記単量体(a)の具体例としては、たとえば
【0024】
【化1】
Figure 2004123982
【0025】
【化2】
Figure 2004123982
【0026】
【化3】
Figure 2004123982
【0027】
【化4】
Figure 2004123982
【0028】
【化5】
Figure 2004123982
【0029】
【化6】
Figure 2004123982
【0030】
【化7】
Figure 2004123982
で表される化合物や、炭素原子に結合した反応性シリル基をウレタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アクリレ−トなどがあげられる。これらの中では、共重合性および重合安定性、ならびに得られる組成物の硬化性および保存安定性が優れるという点から、前記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
【0031】
また、共重合体(A)成分の単量体組成中シリル基含有単量体(a)は、1〜60重量%が好ましい。本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性が優れる、強度が大きくなるという点から3重量%以上、60重量%以下、さらには5重量%以上、40重量%以下、とくには5重量%以上、30重量%以下であるのが好ましい。
【0032】
アミノ基含有単量体(b)として、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピペリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピロリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕モルホリンなどが挙げられる。 中でも3級アミノ基含有単量体が好ましく、さらには重合性、密着性付与点から、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0033】
単量体(b)の使用量の合計は、用いる単量体(a)の種類および使用量に応じて適宜調整すればよいが、通常(A)成分の単量体組成中0.1重量%以上、10重量%以下、さらには0.2重量%以上、5重量%以下、特には0.2重量%以上、3重量%以下が好ましい。
また、単量体(b)は、単独および2種類以上併用することができる。
【0034】
アミド基含有単量体(c)として、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド(メタ)アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。
【0035】
中でもN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドが好ましい。
【0036】
単量体(c)の使用量の合計は、用いる単量体(a)の種類および使用量に応じて適宜調整すればよいが、通常は(A)成分の単量体組成中0.1重量%以上、10重量%以下、さらには0.2重量%以上、5重量%以下、特には0.2重量%以上、3重量%以下が好ましい。
【0037】
また、単量体(c)は、単独および2種類以上併用することができる。
(d)成分の具体例としては、たとえばn−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレ−ト、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ノニル(メタ)アクリレ−ト、デカニル(メタ)アクリレ−ト、ウンデカニル(メタ)アクリレ−ト、ラウリルメチル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、ブレンマ−SLMA(メタ)アクリル酸のC12〜C18アルキルエステルの混合物;日本油脂(株)製)、メタクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。脂肪族系化合物を含む溶剤に対する溶解性を向上されるという点から、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ノニル(メタ)アクリレ−ト、デカニル(メタ)アクリレ−ト、ウンデカニル(メタ)アクリレ−ト、ラウリルメチル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、ブレンマ−SLMAが好ましい。特に、ラウリルメチル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、ブレンマ−SLMAがさらに好ましい。
【0038】
(d)成分の使用量としては、(A)成分の単量体組成中2〜90重量%が例示でき好ましい。重合時および希釈時の溶剤に対する溶解性よおび重合安定性の点から、5〜60重量%が好ましい。特に、10〜50重量%がさらに好ましい。
【0039】
その他のビニル単量体(e)としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシスチレン、HE−10、HE−20、HP−1、HP−20(いずれも日本触媒化学工業社製の末端水酸基含有アクリル酸エステルオリゴマー)、PlaccelシリーズのFM−1、FM−4、FA−1、FA−4(いずれもダイセル化学工業社製)、アロニクスM−5700、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−6などの化合物(以上、東亜合成化学工業社製)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0040】
また、本発明においては、得られる本発明の組成物から形成される塗膜の耐候性をさらに向上させる目的で、たとえば主鎖にウレタン結合やシロキサン結合により形成されたセグメントをビニル系共重合体の50重量%を超えない範囲で共重合体(A)成分の製造時に導入してもよい。
【0041】
これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。共重合体(A)成分にはカルボキシル基またはアミノ基などの基が含まれていてもよく、その場合には、硬化性、密着性が向上するが、重合体鎖に結合しているカルボキシル基やアミノ基の場合、活性が弱く、これらを硬化触媒のかわりに使用して硬化させようとしても良好な特性の硬化物が得られにくい。
【0042】
前記溶液重合法に用いられる溶剤としては弱溶剤が好ましい。 弱溶剤の使用量としては、全重合溶剤中30重量%以上、好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上が好ましい。
【0043】
弱溶剤とは労働安全衛生法の第3種有機溶剤および第3種有機溶剤に相当する溶剤が例示でき、好ましくは脂肪族炭化水素を含有するものが好ましい。具体的には、非水系で芳香族含有量が50重量%以下の溶剤が挙げられ、SWA#310(丸善石油(株)製)、HAWS(シェル化学(株)製)、Aソルベント(日本石油(株)製)、ペガソ−ルAN45(エクソン化学(株)製)、LAWS(シェル化学(株)製)、エクソンナフサNo.5、エクソンナフサNo.3(エクソン化学(株)製)、アイソパ−E、アイソパ−G(日本石油(株)製)、IPソルベント1620、IPソルベント2028(出光石油(株)製)、エクソ−ルD40、エクソ−ルD80(エクソン化学(株)製)などが挙げられる。
前記単量体((d)+(e))の使用量は、用いる単量体の種類および使用量に応じて適宜調整すればよいが、通常は(A)成分の単量体組成中9重量%以上、98重量%以下、更には15重量%以上、90重量%以下、特には46重量%以上、80重量%以下が好ましい。
【0044】
また、前記溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、(CHO)Si−S−S−Si(OCH,(CHO)Si−S−Si(OCHなどの連鎖移動剤を単独または2種以上併用することにより、得られる共重合体(A)成分の分子量を調整してもよい。とくに、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いた場合には、共重合体(A)成分の末端に反応性シリル基を導入することができるので好ましい。連鎖移動剤の使用量は、(A)成分の単量体組成100重量部あたり0.05重量部以上、10重量部以下、特には0.1重量部以上、10重量部以下であることが好ましい。
【0045】
硬化触媒(B)成分は、有機金属触媒系、酸系、酸/アミン系触媒が使用できる。有機金属触媒としては、有機錫化合物、有機チタン化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機鉄化合物等が挙げられる。硬化性と可使時間のバランスが良好である点から、有機錫化合物、酸または酸/アミン系触媒が好ましく、酸または酸/アミン系硬化触媒が特に好ましい。有機錫化合物の具体例としては、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジオクチル錫オキサイドとエチルシリケ−トの反応物、ジブチル錫オキサイドとエチルシリケ−トの反応物、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ビス(エチルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(ブチルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(ラウリルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(パルミトイルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(ステアリルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(オレイルマレ−ト)が挙げられる。これらは、共重合体(A)成分100重量部に対して0.1重量部以上、20重量部以下配合することが好ましく。更には0.2重量部以上、10部重量以下が好ましく、0.5重量部以上、5重量部以下が特に好ましい。
【0046】
これらの硬化触媒のうち、酸系及び酸・アミン系化合物が塗膜の硬化性、耐溶剤性の点で好ましい。硬化性とポットライフのバランスが取れる点から、有機カルボン酸に有機アミンを配合した系が特に好ましい。
【0047】
有機リン酸エステル系の具体例としては、リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジドデシルホスフェートなどのリン酸またはリン酸エステルがある。スルホン酸系では、ドデシルベンゼンスルホン酸が代表的である。
【0048】
有機カルボン酸系の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノ−ル酸、パルミチン酸が代表的である。
【0049】
中でも酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、好ましく、更にヘキサン酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸が好ましい。
【0050】
酸系化合物と有機アミン系化合物を併用する場合は、後述するシランカップリング剤を使用することで硬化状態の調整が可能である。但し、シランカップリング剤であるアミノシランに対する影響を考慮して、酸/アミン当量でアミンが過剰になるように配合することが望ましい。ここでいう有機アミン系化合物の具体例としては、トリエチルアミン、ドデシルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルドデシルアミン、モルホリン等がある。
【0051】
中でもドデシルアミン、ジメチルドデシルアミンが好ましく、更にジメチルドデシルアミンが好ましい。
【0052】
(C)成分としては、アミノシランとエポキシシランの反応物あるいは混合物であるが、アミノシランとエポキシシランの反応物が好ましい。アミノシランとエポキシシランは、モル比で1:0.3〜1:3の割合で用いるのが好ましい。アミノシランが多いと硬化性が良好となり、エポキシシランが多いと安定性が良好となる傾向があるので好ましい。
【0053】
前記、アミノシランの具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類を用いることができる。
【0054】
また、エポキシシランの具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0055】
これらアミノシランとエポキシシランの反応物の中でも弱溶剤に対する溶解性の点より、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンやγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンとエポキシシランの反応物あるいは混合物が例示できる。中でも、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンやγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシランとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応物あるいは混合物が更に好ましい。
【0056】
これら化合物により金属・無機基材に対する密着性が向上する。 前記(C)成分の使用量は、(A)の成分100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは、0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜20重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部が好ましい。
【0057】
(C)成分には上記する好ましい範囲でイソシアナートシランを併用することができる。これらイソシアナートシランにより密着性を更に向上することが可能である。
イソシアナートシランの具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルイソシアヌレート等のイソシアネート基含有シラン類等を挙げることができる。
【0058】
特に、金属・無機基材に対する密着性を向上できる点から、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが更に好ましい。
【0059】
本発明においては、本発明の組成物から形成される塗膜の耐汚染性を向上させるための成分として、次の一般式(2):
(RO)4−b−Si−R  (2)
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)(E)(以下、シリコン化合物等(E)ともいう)を使用することが出来る。シリコン化合物等(E)は該塗膜と被塗物との密着性を向上させるための成分としても使用することが出来る。シリコン化合物等(E)をアクリル系共重合体(A)と混合させたものは常温硬化性を有する組成物となり、該組成物を用いて形成される塗膜はすぐれた耐汚染性を有するが、該塗膜がすぐれた耐汚染性を有する理由はまだ定かには判明していない。おそらくアクリル系共重合体(A)とシリコン化合物等(E)との相対的硬化速度の違いと相溶性に起因し、表面硬度および親水性が向上することが影響しているものと考えられる。
【0060】
前記一般式(2)において、Rは炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはたとえばフェニル基などの炭素数6〜9のアリール基、好ましくはたとえばベンジル基などの炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。
【0061】
前記アルキル基の炭素数が10を超える場合には、シリコン化合物等(E)の反応性が低下するようになる。また、Rが前記アルキル基、アリール基、アラルキル基以外の場合にも反応性が低下するようになる。
【0062】
また、前記一般式(2)において、Rは炭素数1〜10、好ましくはRと同様の炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはRと同様の炭素数6〜9のアリール基、好ましくはRと同様の炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素である。
【0063】
前記一般式(2)において、(RO)4−bは4ーbが3以上になるように、すなわちbが0または1になるように選ばれるが、本発明の組成物から形成される塗膜の硬化性が向上するという点からは、bが0であるのが好ましい。
【0064】
一般式(2)中に存在する(RO)4−bの数が2個以上の場合、2個以上含まれるRは同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0065】
前記一般式(2)の具体例としては、たとえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケートなどのテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3ーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等のシランカップリング剤などが挙げられる。
【0066】
また、前記シリコン化合物等(E)の具体例としては、たとえば通常の方法で前記テトラアルキルシリケートやトリアルコキシシランに水を添加し、縮合させて得られるものがあげられ、たとえばMSi51、MSi53、ESi28、ESi40、HAS−1、HAS−10、EMS30/70やEMS40/60やEMS485等のEMSシリーズ、EPSiシリーズ(以上、コルコート(株)製)、MS51、MS56、MS51B15、MS56S、MS56SB5(以上、三菱化学(株)製)、シリケート40、シリケート45、シリケート48、FR―3、mih028、mih032(以上、多摩化学(株)製)などのテトラアルキルシリケートの部分加水分解分解縮合物や、たとえばAFP−1(信越化学工業(株)製)などのトリアルコキシシランの部分加水分解分解縮合物などが挙げられる。
【0067】
前記シリコン化合物等(E)のうちでは、ベース樹脂、特にアクリル系共重合体(A)との相溶性、えられる本発明の組成物の硬化性が良好で、該組成物を用いて形成される塗膜の硬度にすぐれるという点から、MSi51、MS51、MS56、MS51B15、MS56S、MS56SB5(テトラメトキシシランの部分加水分解分解縮合物)やESi40、シリケート40、シリケート45、シリケート48、ESi48(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)、FR−3、EMSシリーズ(テトラメトキシシランとテトラエトキシシランの共部分加水分解縮合物)などのテトラアルキルシリケートの部分加水分解分解縮合物を用いるのが好ましい。
【0068】
さらに、前記シリコン化合物等(E)のなかでは、縮合度の高いMS56やMS56S、シリケート45、シリケート48、ESi48、FR−3、EMSシリーズなどが初期から接触角を低下させるという点から好ましい。
(E)成分の使用量は(A)成分100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは5〜100重量部、さらに好ましくは5〜50重量部が好ましい。(E)成分が1重量部未満の場合には耐汚染性の効果が充分でなく、100重量部を超える場合には耐衝撃性が低下する。
本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物は、樹脂(A)成分+硬化触媒(B)成分+シランカップリング剤(C)成分+シリコン化合物等(E)を例えば撹拌機などを用いて均一な組成物となるように撹拌、混合することによって得ることができるが、樹脂(A)成分は、さらに脱水剤を配合することによって、組成物の保存安定性を長期間にわたって優れたものにすることができる。
【0069】
前記脱水剤の具体例としては、たとえばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物;または、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン;または、エチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルトリメトキシシランなどが挙げられる。この中では、脱水効果の点から、オルト酢酸メチルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0070】
前記脱水剤は、(A)成分100重量部に対して50重量部以下好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下で好ましく使用される。
また、樹脂(A)成分を重合する前の成分に加えてもよく、樹脂(A)成分の重合中に加えてもよく、また、得られた樹脂(A)成分とそのほかの成分との混合時に加えてもよく特に制限はない。
【0071】
また、本発明の床用塗料用硬化性樹脂組成物には、通常塗料に用いられるたとえば酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機顔料などの顔料;希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを適宜加えてもよい。
【0072】
本発明の床用塗料硬化性組成物は、たとえばローラー、吹き付け、刷毛、スプレ−などを用いた塗布などの通常の方法によって被塗物に塗布され、通常、常温でそのまま硬化せしめて塗膜と成す事が出来る。
【0073】
本発明の床用塗料硬化性組成物は、たとえば、セラミックス、セメント、窯業系成形物などからなる建築物などの床用の新設、改修用として好適に使用される。
【0074】
次に、本発明の床用塗料用硬化性樹脂組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
合成例−1
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロ−トを備えた反応器にペガソールAN45を40重量部仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10重量部、イソブチルメタクリレ−ト56.5重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート11重量部、スチレン20重量部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート1重量部、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート1重量部、N,N−ジメチルアクリルアミド0.5重量部、ペガソールAN45を10重量部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.9重量部からなる混合物を滴下ロ−トにより5時間かけて等速滴下した。滴下終了後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部およびペガソールAN45を10重量部を1時間かけて等速滴下した後、更に、110℃で2時間攪拌してから冷却し、樹脂溶液にペガソールAN45を加えて樹脂固形分濃度が50%の樹脂(A)−1を得た。
【0075】
得られた樹脂の数平均分子量をゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−(GPC)により測定した結果、15,000であった。
合成例−2
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロ−トを備えた反応器にペガソールAN45を40重量部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10重量部、イソブチルメタクリレ−ト59重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート11重量部、スチレン20重量部、ペガソールAN45を10重量部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.9重量部からなる混合物を滴下ロ−トにより5時間かけて等速滴下した。
【0076】
得られた樹脂の数平均分子量をゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−(GPC)により測定した結果、15,000であった。
合成例−3
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロ−トを備えた反応器にキシレンを40重量部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10重量部、メチルメタクリレ−ト58重量部、ブチルアクリレート31重量部、N−メチロールアクリルアミド1重量部、キシレン10重量部、トルエン3重量部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.9重量部からなる混合物を滴下ロ−トにより5時間かけて等速滴下した。滴下終了後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部およびキシレン10重量部を1時間かけて等速滴下した後、更に、110℃で2時間攪拌してから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹脂固形分濃度が50%の樹脂(A)−3を得た。
【0077】
得られた樹脂の数平均分子量をゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−(GPC)により測定した結果、15,000であった。
白エナメル塗料の調整
得られた共重合体(A−1〜A〜3)100重量部に、顔料として酸化チタン(CR−95、石原産業(株)製)66.7重量部を添加し、ガラスビ−ズを用いてペイントコンディショナ−で2時間分散させ、固形分濃度(酸化チタン及び樹脂固形分合計)60%、樹脂固形分濃度36%に調整した白エナメル(AT−1〜AT−3)を得た。
【0078】
得られた白エナメル(AT−1〜AT−3)に表1に示す各成分を白エナメルの樹脂固形分に対する重量部で配合し、さらに、AT−1〜AT−2については塗料用シンナー、AT−3についてはキシレンを添加して攪拌混合して塗料を得た。
評価用基材作製方法
スレ−ト板に床用塗料であるエポキシ塗料(ア−キフロア−EH エスケ−化研製)、ウレタン塗料(ア−キフロア−UT エスケ−化研製)を塗布量として、0.25〜0.3Kg/m塗装し、70℃で7日間硬化させたものを評価用基材として用い、前記、白エナメル塗料をエアースプレーで塗装し、23℃で1日間養生して塗膜を得た。
【0079】
得られた(イ)光沢、(ロ)鉛筆硬度、(ハ)密着性について評価し、その結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
Figure 2004123982
(イ)光沢
光沢計GM268(ミノルタ(株)製)にて測定した。
(ロ)鉛筆硬度
JISK5400に準拠して測定した。
(ハ)密着性
JISK5400に準拠して碁盤目試験(2mm間隔)にて評価した。
2次密着性評価:50℃×7日間、温水浸漬後の密着性を評価した。
【0081】
(評価結果)
10:切り傷1本ごとが、細くて両側が滑らかで、切り傷の交点と正方形の一目一目に剥がれがない。
8:切り傷の交点に僅かに剥がれがあって、一目一目にはがれがなく、欠損部の面積は全正方形面積の5%以内。
6:切り傷の両側と交点とに剥がれがあって欠損部の面積は全正方形面積の5〜15%。
4:切り傷による剥がれの幅が広く、欠損部の面積は全正方形面積の15〜35%。
2:切り傷による剥がれの幅は4点よりも広く欠損部の面積は全正方形面積の35〜65%
0:剥がれ面積は全正方形面積の65%以上。
また、(ニ)塗膜の濁り、(ホ)リフティング性については以下の方法で試験した。
(ニ)塗膜の濁り
前記、配合より酸化チタンを除き塗料化し、ガラス板にアプリケータで150μm(ウエット)塗布、23℃で1日養生し塗膜の濁りを評価した。
(ホ)リフティング性
スレ−ト板にアクリル塗料を塗装し、約50μmの塗膜を得た。さらに、前記白エナメル塗料(AT−1〜AR−3)を塗装後,室温にて1日、2日、3日養生後に再度、前記白エナメル塗料(AR−1〜AR−3)を塗装し、リフティングの有無を評価した。
○:異常なし
×:チヂミ、フクレが観察される
さらに、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び溶剤を用い、硬化剤の1パック化を行い、状態を調べた。結果を表2に示した。反応物Bが白濁を生じるのに対して、反応物Aは透明であることが確認できた。
【0082】
【発明の効果】
本発明は、特定の単量体を特定の割合で含有する組成物を重合して得られた樹脂を含む組成物を床用塗料として用いることにより、優れた光沢、硬度、密着性を有する組成物となる。

Claims (9)

  1. 主鎖が実質的ビニル系重合体からなり、分子内に一般式(1)
    Figure 2004123982
    (式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10アリ−ル基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価を表す。R又はRが複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性ケイ素基を少なくとも1つ有し、且つアミノ基を有する共重合体(A)成分、硬化触媒(B)成分、アミノシランとエポキシシランの反応物あるいは混合物(C)成分および弱溶剤(D)成分からなる床用塗料硬化性組成物。
  2. 共重合体(A)成分中にアミド基を有する化合物である請求項1記載の床用塗料硬化性組成物。
  3. 硬化触媒(B)成分が、錫系化合物である請求項1〜2いずれか1項に記載の床用塗料硬化組成物。
  4. 硬化触媒(B)成分が、酸系化合物とアミン化合物の混合物あるいはそれらの反応物である請求項1〜2いずれか1項に記載の床用塗料硬化組成物。
  5. (C)成分のアミノシランが両末端にアルコキシシリル基を含有するアミノシランである請求項1〜4いずれか1項に記載の床用塗料硬化性組成物。
  6. (C)成分のアミノシランが両末端にアルコキシシリル基を含有し、且つ、弱溶剤に溶解するアミノシランである請求項1〜5いずれか1項に記載の床用塗料硬化性組成物。
  7. (C)成分がアミノシランとエポキシシランの反応物とイソシアナートシランの混合物である請求項1〜6いずれか1項に記載の床用塗料硬化性組成物。
  8. (A)成分に共重合可能なモノマーとして炭素数4以上の脂肪族の(メタ)アクリル酸アルキルを2重量部以上、90重量部以下を含有してなる請求項1〜7いずれか1項に記載の床用塗料硬化性組成物。
  9. 前記、ビニル系共重合体(A)成分100重量部に対して、
    一般式(2):
    (RO)4−b −Si−R     (2)
    (式中、 Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、 Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(E)成分1〜100重量部配合されてなる請求項1〜8いずれか1項に記載の床用塗料硬化性組成物。
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