JP2004123112A - キャリアテープ用カバーテープ - Google Patents

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早川 智
Masanao Takashima
高島 正直
Ryuichi Saga
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Abstract

【課題】電子部品搬送用キャリアテープに対してヒートシール接着法で使用するカバーテープに関して、十分な透明性と、キャリアテープと内封電子部品との接触およびキャリアテープからカバーテープの剥離時などに発生する静電気を除去できる帯電防止能とを持ちながら、キャリアテープの材質やその表面性が変動しても一定の接着性とヒートシール性を確保できるカバーテープの提供。
【解決手段】二軸延伸樹脂フィルム層上に少なくとも中間層と第一ヒートシーラント層および導電性金属酸化物を含有する第二ヒートシーラント層を順次積層したカバーテープにおいて、前記第二ヒートシーラント層を特定の形状、すなわち、ベタ状ではなく開口部を有する形状とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品搬送用キャリアテープに対してヒートシール接着法で使用するカバーテープに関し、特には、透明性と帯電防止能を有しながら、キャリアテープに対する汎用性を高めたカバーテープに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子に代表される表面実装用チップ型電子部品の封入、保管、搬送用のプラスティック製パッケージとして、それぞれの部品形状に合わせたエンボス部を設けて収納部としたキャリアテープと、そのキャリアテープにヒートシールして収納部品の脱落防止や保護をする蓋材としてのカバーテープとで構成した一対の包装材料からなるパッケージが使用されている。このパッケージでは、部品を取出して基板に取り付ける実装時に、カバーテープをキャリアテープから機械的に剥離する。
【0003】
使用されるキャリアテープの材質としては、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。また、同じ材質のキャリアテープでも製造方法によってその表面性は異なり、例えば光沢タイプや非光沢(マット)タイプ等が挙げられる。
【0004】
従来、カバーテープのヒートシール性は、キャリアテープとヒートシールされる側の最外層面のヒートシール特性に左右される。そのため、カバーテープとヒートシールされるキャリアテープ表面の材質や表面状態が変化すれば、当然ヒートシール性に影響を与えることになる。そのため、従来のカバーテープでは、材質や表面性の異なるキャリアテープに幅広く使用可能なヒートシール性を有したカバーテープを得ることが困難であった。
【0005】
カバーテープには、キャリアテープとの間の重要な機能として、搬送時には収納部品が脱落などしないように確実にシールできる一方、実装時には部品が飛び出したりしないようにスムースに剥離できるイージーピール性を保有することが求められる。また、収納物である電子部品が容易に識別できるように透明性が高いこと、さらには、搬送中における電子部品との接触やカバーテープ剥離時に発生する静電気による電子部品の劣化や破壊の危険性を回避するための、帯電防止性能などが求められている。
【0006】
従来、静電気対策の一環として、キャリアテープに用いられる材質へのカーボンブラックの練り込み、或いはコーティングが行われており、その効果も満足されるものが得られている。
【0007】
一方、カバーテープにおけるヒートシール部の静電対策としては、ヒートシーラント層に帯電防止剤や導電材料を混入させる方法(例えば、特許文献1参照)、ヒートシーラント層上に導電材料を分散させた帯電防止層を設ける方法(例えば、特許文献2参照)、さらには基材上に、導電性微粉末または界面活性剤を分散させたヒートシーラント層を角状又は丸状パターンに単層で形成し、剥離後にはヒートシールされたヒートシーラント層部分をキャリアテープ側に残すようにする方法(例えば、特許文献3参照)などが知られている。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−8339号公報(第3、4頁)
【特許文献2】
特開平7−251860号公報(第3頁)
【特許文献3】
登録実用新案第2511761号公報(第3頁、第3図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
キャリアテープの蓋材としてヒートシールされたカバーテープには、電子部品を収納したキャリアテープの輸送中や保管中に剥離して電子部品の脱落が生じることのないように所定の接着強度が要求される。しかし、キャリアテープ面とカバーテープ・ヒートシーラント面とで接着または剥離する従来型のカバーテープでは、材質や表面性の異なるキャリアテープに対して、ヒートシール性のコントロールが困難になるという問題があった。
ここで、本願におけるヒートシール性とは、JIS1990−C0806に準拠した、キャリアテープにヒートシールしたカバーテープの剥離力(後述した「ヒートシール性の測定条件」における引き剥がし力;適性範囲=0.1〜0.7N)を指すものとする。
【0010】
このため、ヒートシール性をコントロールし易くするために、カバーテープ内部で剥離する方法が提案されている。すなわち、キャリアテープとカバーテープ・ヒートシーラントとの界面以外での剥離であって、ヒートシーラント層の材質破壊等による剥離である。この方法は、キャリアテープとヒートシールしたカバーテープ・ヒートシーラント層との接着力が、基材とヒートシーラント層との接着力(剥離操作においては、剥離力と呼ぶ)よりも強いことが必要となる。しかしながら、キャリアテープの材質やその表面性が異なった場合にはその接着力が大きく変動し、キャリアテープとヒートシールしたカバーテープ・ヒートシーラント層との界面剥離の方が起き易くなることが頻発し、一様に、カバーテープ内で剥離させるということを困難にするという問題があった。
【0011】
ヒートシール層側に帯電防止能を付与する手段としては、大別して、次の3種類が有るが、それぞれに問題点を有している。
第一は、ヒートシーラント層中に導電材料を混入する方法であるが、この方法では、導電材料によっては透明性を損なったり、ヒートシール性を阻害し易い。また、透明性を得やすくするために膜厚を薄くする必要があるが、その場合、適正なヒートシール性を維持することが困難になるという難点が生じる。
第二は、ヒートシーラント層表面に導電材料を分散させた帯電防止層を全面一様に設ける方法であるが、前記同様に、導電材料によっては透明性を損なったり、ヒートシール性を阻害させる要因となり易く、ヒートシール性のコントロールを困難にする。
第三は、界面活性剤系の帯電防止剤を塗布または混入させる方法であるが、この方法では、ヒートシール性を阻害すると共にその効果が永久的ではない。塗布ではなく混入させる方法とすることで効果持続時間は伸びるが、他方では、ブリードを生じさせ易く、ヒートシール性を不安定にする。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、十分な透明性と、キャリアテープとそれに内封された電子部品との接触により発生する静電気或いはキャリアテープからカバーテープを剥離する際に発生する静電気を除去できる帯電防止能を持ちながら、キャリアテープの材質やその表面性が変動しても一定の接着性とヒートシール性を確保できるカバーテープの提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、プラスチック製キャリアテープにヒートシールして使用するプラスチック製カバーテープにおいて、前記カバーテープにおける第二ヒートシーラント層の形状を特定の状態に形成することにより、上記課題の達成が可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、二軸延伸樹脂フィルム層上に少なくとも中間層と第一ヒートシーラント層および導電性金属酸化物を含有する第二ヒートシーラント層を順次積層した、電子部品搬送用キャリアテープにヒートシールして蓋材として使用するカバーテープにおいて、前記第二ヒートシーラント層が、ベタ状ではなく開口部を有する形状であるカバーテープである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を、図面を参照にして説明する。
図1および図2は、本発明のカバーテープを第2ヒートシーラント層側から見た際の平面図であり、第二ヒートシーラント層が開口部を有する形状であることを示す模式図である。図1は開口部が円形状の例であり、図2は長手(剥離)方向に対してジグザグに連なる矩形状の例である。
図3は、本発明のカバーテープの積層構成例を示す縦断面模式図である。その積層構造は、二軸延伸樹脂フィルム層1、接着剤層5、中間層2、第一ヒートシーラント層3、第二ヒートシーラント層4を順次積層した層構成であり、接着剤層5は必要に応じて設けるものである。
【0015】
上記第二ヒートシーラント層には開口部が有り、好ましくは、多数の開口部を有する。そのため、ヒートシール時には第一ヒートシーラント層の接着成分が第二ヒートシーラント層の開口部分に侵入し、第二ヒートシーラントの接着成分と共にキャリアテープ被着面へ接着する。また剥離時には、一定のヒートシール性を発現させる。このように、本発明では、積層させた第一ヒートシーラント層と第二ヒートシーラント層とのヒートシール性の組み合わせを利用しているために、従来のカバーテープでは達成し難くかった、キャリアテープの材質やその表面性が異なるような場合にあっても、安定した接着性とヒートシール性を有するカバーテープとすることができる。
これに対して、従来のカバーテープにおいては、ヒートシール性の制御は基材全面に設けられた単層のヒートシーラント層で行っていたために、前記接着とヒートシール性は、それぞれ、不安定とならざるを得なかった。
【0016】
第二ヒートシーラント層に形成する多数の開口部の形体には、特に限定はなく、定形であっても不定形であってもかまわない。また、開口部の形成間隔および個々の大きさ等についても特に限定はない。
【0017】
本発明のカバーテープは、電子部品を収納したキャリアテープの蓋材としてヒートシール接着法で使用され、電子部品を封入・保管・搬送し、該電子部品を取り出す際にキャリアテープより剥離する。封入された電子部品は、取り出されるまでに幾度となくカバーテープ内面、すなわちヒートシーラント層面に接触するので、帯電防止能のないカバーテープにおいては帯電することとなる。これに対して本発明のカバーテープでは、図4に示したように、導電性金属酸化物を含有することで帯電防止能を有する第二ヒートシーラント層のみに接触するようにしたため、静電気は蓄積されることがなく、電子部品の劣化や破壊が生じる危険性を回避することが可能となる。
【0018】
上述したことから判るように、本発明のカバーテープでは、材質や表面性の異なるキャリアテープに対しても安定した接着性とヒートシール性を得ることができると共に、その制御も極めて容易である。そのため、カバーテープの剥離方式に関しても特に制限を設けることがなく、キャリアテープ表面とカバーテープ・ヒートシーラント層との界面剥離や、カバーテープ材料破壊剥離のいずれの方法を採っても良いこととなる。
【0019】
本発明のカバーテープの二軸延伸樹脂フィルム層1に用いる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂等を挙げることができ、なかでも、耐熱性に優れ、かつ透明で剛性の高いポリエチレンテレフタレートが好ましい。二軸延伸樹脂フィルム層1の厚さは5〜50μm、好ましくは7〜20μmであり、厚さが5μm未満では剛性が不足し、フィルムとしての強度が保てず、一方、50μmを超えると、剛性が強過ぎて柔軟性に欠け、ヒートシール時にシール不良を起こし易くなる。
【0020】
中間層2は、次の目的や材料により設けるものである。すなわち、設ける目的としては、第一ヒートシーラント層3を剛性の高い二軸延伸樹脂フィルム層1にラミネートする際のラミネート強度を向上させたり、ヒートシールする際のクッション性を高めたり、さらには、カバーテープ内部剥離方式の際における材料破壊部分を担わせるためである。そして材料としては、例えばポリエチレンやポリプロピレンである。さらに、この中間層2の層構成は、少なくともポリエチレンまたはポリプロピレンからなる単層、或いはそれらの何れか一方を含む2種類以上の樹脂からなる積層体であって、その厚さは5〜40μm、好ましくは10〜30μmである。前記ラミネートの際には、必要に応じてイソシアネート系あるいはイミン系等の接着剤層5を設けることができ、その厚さは10μm以下、好ましくは5μm以下である。また、前記二軸延伸樹脂フィルム層1に対しては、パッケージ外面側となる側には塵等の付着防止と層間接着性改善のために、公知慣用の帯電防止処理やコロナ放電処理を付与する事ができ、中間層2をラミネートする側には、コロナ放電処理等の易接着化処理を付与する事ができる。
【0021】
本発明のカバーテープにおける第一ヒートシーラント層3及び第二ヒートシーラント層4に用いる樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系、アクリル系、ポリウレタン系から選ばれる1種または2種以上の混合物からなる材料を挙げることができる。
【0022】
第一ヒートシーラント層3の形成は、エアドクター法、ブレードコート法、ナイフコート法、ロッドコート法、ダイレクトロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、スライドコート法等のコート法により塗布形成することができるほか、溶融共押出法によってポリエチレン、ポリプロピレン等の中間層2と共に一体成型で得ることもでき、コスト的な面から、後者の溶融共押出法が好ましい。また、第一ヒートシーラント層3の厚みは、1μm〜40μmが好ましく、3μm〜30μmが特に好ましい。厚みが1μm未満の場合はキャリアテープに対する熱シール強度が不足し、厚みが40μmを超える場合は、カバーテープの必要熱量が大きくなり、熱シール速度が遅速となる。
【0023】
第二ヒートシーラント層4の形成は、公知の塗工方法で塗布形成できるが、特にはグラビアコート法が好適である。該第二ヒートシーラント層4の開口部以外の厚みは、0.1μm〜15μmが好ましく、0.1μm〜5μmが特に好ましい。厚みが0.1μm未満の場合は、第一ヒートシーラント層3との組み合わせで得られるキャリアテープに対するヒートシール性の制御が困難となると共に十分な帯電防止効果を発揮し難くなり、逆に厚みが15μmを超える場合は、第一ヒートシーラント層3のヒートシール性を阻害し易くなると共に適度な接着強度が得られ難くなり、透明性低下を招くことやコスト的な面から不利である。
【0024】
第二ヒートシーラント層4の開口部形成方法は、特に限定されるものではない。例えば、第一ヒートシーラント層上に第二ヒートシーラント用塗料を塗布し、塗布した塗膜が完全乾燥する前に、その乾燥前のWet塗布厚よりもやや大きめで、ほぼ均一な高さを多数有したマット調のエンボスロール表面と未乾燥塗布面を接触させた後に完全硬化させる事で、微細な開口部を多数形成させる事ができる。或いは、第二ヒートシーラント用塗料中に微細な気泡を含有させた状態で第一ヒートシーラント層上に塗布することで、乾燥後の塗膜表面に多数の微細な開口部を設ける事もできる。また、全面を略ストライプ状に形成させたグラビア版を作製し、そのグラビア版の彫刻セルサイズと第二ヒートシーラント層用塗料における粘度適性等を調整する事によって、ジグザグに連なる矩形状の多数の開口部を設ける事ができる。この際の略ストライプピッチ間隔は0.01mm〜0.5mmが好ましく、0.01mm〜0.2mmが特に好ましい。ここで、略ストライプ状とは、見かけ上はストライプ状であるが、実際はそのストライプエッジが直線状でないものを言い、また、ジグザグに連なる矩形状とは、彫刻セルを例えば千鳥状に配設する事によって形成可能で、隣接するストライプ間が不規則かつ部分的に繋がった状態をいう。
【0025】
第二ヒートシーラント層4の開口部の大きさは、少なくともヒートシール時に第一ヒートシーラント層3の接着成分が侵入可能で、ヒートシール性を発現させる大きさとする。また、開口部の大きさとしては、剥離強度がバラツクことによって起きるジャンピング(カバーテープの剥離時に、内容物である電子部品等が飛び出てしまったり位置が大きくずれる現象)の発生がない範囲である必要があり、開口部の大きさは、約0.04mm以下が好ましく、約0.01mm以下が特に好ましい。そしてそれらは、同じ大きさで揃ったものであっても、分布を持った大きさのものであっても構わない。
【0026】
また、第二ヒートシーラント層4の開口部の形成数と形成間隔には特に制限はなく、ヒートシール時に第一ヒートシーラント層3の接着成分が侵入して、十分なヒートシール性を発現させる事のできる数と間隔であればよい。
【0027】
第二ヒートシーラント層4に用いる樹脂は、第一ヒートシーラント層3に対する密着性が良好で、キャリアテープ基材に対して熱シールできる透明な樹脂である必要がある。第一ヒートシーラント層3に用いる樹脂との組み合わせに関しては、同一でも別の組成でも良い。
【0028】
第二ヒートシーラント層に均一分散する導電性金属酸化物は、バインダー樹脂100質量部に対し25〜500質量部、好ましくは50〜350質量部の範囲で混合する事により、所望の透明性を確保しながら、十分な静電気除去効果を保持することが可能である。導電性金属酸化物の大きさは、粒状であれば平均粒径0.01〜0.1μmが好ましく、針状であれば長軸方向粒径が0.1〜2.0μm、短軸方向粒径が0.01μm〜0.02μm、長軸/短軸の粒径比が20〜30である事が好ましい。その粒径が上記範囲より小さい場合は、金属酸化物粒子同士の接触が困難となって静電気除去効果が発揮し難くなり、上記範囲より大きい場合は、透明性が得られにくくなるので好ましくない。金属酸化物粒子の種類としては、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウム等が挙げられ、それらは単独または2種類以上の混合物として使用される。これらの導電性金属酸化物は湿度依存性が少なく、剥離時における安定した帯電防止性能を付与することができる。
【0029】
導電性金属酸化物を分散した第二ヒートシーラント層の表面抵抗率は、23℃、50%RH下において、10 〜1012Ω/□の範囲である。この表面抵抗率とすることにより、封入された電子部品との接触およびキャリアテープからの剥離時に発生する静電気に対して十分な除去効果を得ることができる。表面抵抗率が10Ω/□未満であると、外部からカバーテープを介して電子部品に電気が通電する可能性があるために、一方、1012Ω/□を超えると絶縁性が増大して静電気除去効果が極端に減少するために、好ましくない。なお、第二ヒートシーラント層用塗料には、本発明の効果を妨げない範囲内で必要に応じ、分散安定剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を使用することができる。
【0030】
本発明のカバーテープの透明性は、カメラ等を用いる電子部品包装体用の自動検査システムなどに対応できるように、全光線透過率による値では80%以上、ヘイズ値による値では30%以下である。これらの値を満たさない場合には、実使用上で、支障をきたす可能性が高い。
【0031】
【実施例】
次に、具体的な実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、これらによって限定されるものではない。尚、以下「部」は質量部を表わす。<実施例1>
以下の▲1▼と▲2▼を▲3▼により接着して、第一ヒートシーラント層を有する中間体コールドラミネートフィルム▲4▼を作製した。
▲1▼.膜厚12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
▲2▼.膜厚20μmのポリエチレンフィルム(中間層)と膜厚10μmのエチレンー酢酸ビニル共重合体フィルム(第一ヒートシーラント層)との共押出フィルム
▲3▼.乾燥後膜厚2.5μmとなるイソシアネート系接着剤
上記▲4▼の第一ヒートシーラント層上に、下記組成からなるヒートシーラント層用塗料−1を使用して、グラビアコート法にて、Wet膜厚が約3.0μmになるように塗布した後、表面に多数の凹凸を有するエンボスロール表面(平均表面粗さ:約5.0μm)と接触させ、その後完全に硬化させた。このようにして、ヒートシーラント層の膜厚が約1.0μmであって、多数の微細な開口部を有した第二ヒートシーラント層を形成し、図1に示すカバーテープサンプルを得た。
<ヒートシーラント層用塗料−1の組成>
酸化錫微粒子              5 部
アンチモンドープ酸化錫微粒子     25 部
アクリル系樹脂            25 部
(商品名:パラロイドB−60、ローム・アンド・ハース社製)
トルエン               40 部
メチルエチルケトン          40 部
【0032】
<実施例2>
以下の▲5▼と▲6▼のポリプロピレン側を▲7▼を介して接着し、第一ヒートシーラント層を有する中間体コールドラミネートフィルム▲8▼を作製した。
▲5▼.膜厚16μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
▲6▼.膜厚20μmのポリプロピレンと膜厚10μmのポリエチレンフィルム(中間層)と膜厚5μmのエチレンー酢酸ビニル共重合体フィルム(第一ヒートシーラント層)とをこの順に積層させた共押出フィルム
▲7▼.乾燥後膜厚2.0μmとなるイソシアネート系接着剤
上記▲8▼の第一ヒートシーラント層上に、下記組成からなるヒートシーラント層用塗料−2を使用して、グラビアコート法にて、略ストライプ状のパターン、ストライプ部の乾燥膜厚が約0.5μmになるように塗布して、ストライプピッチ間にジグザグに連なる矩形状の微細な開口部を有した第二ヒートシーラント層を形成し、図2に示すカバーテープサンプルを得た。尚、略ストライプの平均ピッチ間隔は、約0.1mmとした。
<ヒートシーラント層用塗料−2の組成>
錫ドープ酸化インジウム微粒子     30 部
アクリル系樹脂            25 部
(商品名:ダイヤナールLR−168、三菱レイヨン社製)
トルエン               60 部
メチルエチルケトン          60 部
【0033】
<比較例1>
実施例1において、第二ヒートシーラント層を、第一ヒートシーラント層上に全面(ベタ)形成した以外は実施例1と同様にして、カバーテープサンプルを得た。
【0034】
<比較例2>
実施例2において、第二ヒートシーラント層を、第一ヒートシーラント層上に全面(ベタ)形成した以外は実施例2と同様にして、カバーテープサンプルを得た。
【0035】
<比較例3>
実施例2のヒートシーラント層用塗料−2を用いて、膜厚24μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、バーコート法にて膜厚3μmとなるように全面塗工することにより、中間層が無く、ヒートシーラント層としては第一層を形成せず、導電性金属酸化物を含有した第二層のみを全面塗工で形成したカバーテープサンプルを得た。
【0036】
上記実施例1〜2および比較例1〜3の層構成および特性評価結果を、下記の表1に示した。
≪特性評価方法≫
作製した実施例・比較例の各サンプルについて、以下の評価方法により、全光線透過率、ヘイズ値、ヒートシーラント層表面抵抗率およびヒートシール性を測定・評価した。
【0037】
<全光線透過率とヘイズ値の測定>
(株)島津製作所製「分光光度計UV−3100」を用いて測定した。
【0038】
<表面抵抗率の測定>
23℃、50%RH下、三菱油化(株)製「ハイレスタ」を用いて測定した。
【0039】
<ヒートシール性の評価方法>
作製したカバーテープを21.5mm幅にスリット後、24mm幅で市販の4種類のプラスティック製キャリアテープ(導電性カーボン微粒子を含有するポリスチレン製キャリアテープで表面性がそれぞれ異なるもの2種類:基材Aと基材B、塩化ビニル製キャリアテープ1種類:基材C、およびポリエチレンテレフタレート製キャリアテープ1種類:基材D)に、下記条件でヒートシールした後、ヒートシール性を測定し、評価した。
1)ヒートシール条件:23℃、50%RH下、(株)パルメック製エンボスキャリア半自動テーピング機を用いて、シール温度120℃〜170℃、シールコテ幅0.5mm、圧力0.4MPa、シール時間0.4秒の2度打ちでヒートシールを行った。
2)ヒートシール性の測定条件:(株)パルメック製エンボスキャリアテープ剥離強度テスターを用いて、剥離速度=300mm/minで測定した。
3)ヒートシール性の良否:上記ヒートシール条件のもとで、シール温度を120〜170℃でシールした時に0.1〜0.7Nのヒートシール性(剥離力)が得られ、且つ、各シール温度に対して、剥離力のバラツキ(最大値から最小値を引いた値)が、剥離力(平均値)の50%以下であるサンプルを○、何れかを一つだけを満足するサンプルを△、何れも満足できないサンプルを×とした。
【0040】
【表1】
Figure 2004123112
【0041】
上記表1の結果から、実施例1および実施例2のサンプルにおいては、透明性(全光線透過量とヘイズ値)・帯電防止能(表面抵抗率)・ヒートシール性(剥離力)は、いずれも、所望の特性に有ることが判る。すなわち、透明性は、全光線透過量で85〜87%、ヘイズ値で12〜20%であり、表面抵抗率は、いずれも、10〜10Ω/□で帯電防止能の確保は十分であり、さらに、ヒートシール性は、ヒートシール性:良(○)であった。以上より、実施例1および実施2は、本願の目的を達成する優れたカバーテープであることが判る。
これに対して、比較例1〜3のサンプルにおいては、全光線透過量、ヘイズ値および表面抵抗率は所望の特性に有ったが、ヒートシール性は、いずれかのキャリアテープで特性が劣る結果であって、キャリアテープに対する汎用性に劣るものであった。
これらのことより、第二ヒートシーラント層を第一ヒートシーラント層上に全面形成したり、または基材に直接に全面形成した場合では達成不可能なヒートシール性の制御が、第二ヒートシーラント層を開口部を有する形状で第一ヒートシーラント層上に形成してやることにより達成可能となることが判る。
【0042】
以上により、本発明に係るカバーテープは、優れた透明性、ヒートシーラント層の優れた帯電防止性能、および容易にコントロール可能なヒートシール性を持つものと判断できる。特に、ヒートシール性に関しては、一般的には接着し難いポリスチレン製のキャリアテープに対してもシール条件に依らず十分な接着性を得ることができ、従来はコントロールし難くかった材質や表面性の異なるキャリアテープに対するヒートシール性が、第一ヒートシーラント層とその上に多数の開口部を設けた第二ヒートシーラント層との組み合わせによって、容易にコントロールが可能となった。
【0043】
【発明の効果】
本発明のカバーテープは、導電性金属酸化物を含有する第二ヒートシーラント層を多数の開口部を設けた形状で形成したものであるため、従来の、単層設計のヒートシーラント層を持ったカバーテープに比較して、十分な透明性と帯電防止能を保持しながら、ヒートシール性の制御が容易である。これにより、各種キャリアテープに対して汎用性の高いカバーテープの供給が可能になるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカバーテープを第二ヒートシーラント層側から見た平面図であり、開口部が円形状の例を示す模式図である。
【図2】本発明のカバーテープを第二ヒートシーラント層側から見た平面図であり、長手(剥離)方向に対して、開口部がジグザグに連なる矩形状の例を示す模式図である。
【図3】本発明のカバーテープ層構成の縦断面構造を示す模式図である。
【図4】本発明のカバーテープを使用したパッケージにおける、電子部品を封入した状態を示す、パッケージ縦断面図の模式図である。
【符号の説明】
1:二軸延伸樹脂フィルム層
2:中間層
3:第一ヒートシーラント層
4:第二ヒートシーラント層
5:接着剤層
6:キャリアテープ
7:開口部

Claims (4)

  1. 二軸延伸樹脂フィルム層上に少なくとも中間層と第一ヒートシーラント層および導電性金属酸化物を含有する第二ヒートシーラント層を順次積層した、電子部品搬送用キャリアテープにヒートシールして蓋材として使用するカバーテープにおいて、前記第二ヒートシーラント層が、ベタ状ではなく開口部を有する形状であることを特徴とするカバーテープ。
  2. 第二ヒートシーラント層の表面抵抗率が、10〜1012Ω/□である請求項1記載のカバーテープ。
  3. 第一および第二ヒートシーラント層の膜厚が、それぞれ、1〜40μmおよび0.1〜15μmであって、かつカバーテープの透明性が全光線透過率による値では80%以上であると共にヘイズ値による値では30%以下である請求項1又は請求項2に記載のカバーテープ。
  4. キャリアテープに蓋材としてのカバーテープをヒートシールした電子部品搬送用包装体において、前記カバーテープが、請求項1〜3のいずれかに記載のカバーテープであることを特徴とする電子部品搬送用包装体。
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