JP2004120910A - インホイールモータの配線構造 - Google Patents

インホイールモータの配線構造 Download PDF

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Abstract

【課題】結線用ユニットを用いることなく各ステータコイルをハウジング内の所定箇所に電気的に集合させ、もって、製造コストを低減するとともに、車幅方向の縮小化を達成できるインホイールモータの配線構造を提供する。
【解決手段】ステータコイル32の各ボビン33にホルダ部43を設け、これらのホルダ部43の保持溝43u,43v,43wにより各ステータコイル32からの配線32u,32v,32wを支持しながら案内し、ハウジング2a内の一側に設置されたターミナル基板44に集合させる。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のホイール内に配置されて駆動輪を回転駆動するインホイールモータに係り、特に環状に配設されたステータコイルをハウジング内の所定箇所に電気的に集合させる配線構造に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
車両のホイール内に配置されて駆動輪を直接駆動するインホイールモータは、車体側の省スペース化、変速機や差動ギアの省略、更に独立懸架のときにはドライブシャフトの省略などの各種利点が得られることから、フォークリフト、ゴルフカートなどの比較的小型の車両を中心として広く実施されている。
【0003】
この種のインホイールモータでは、ハウジング内に多数のステータコイルをU,V,Wの順に環状に配設してステータを構成し、ステータの内周側にロータを回転可能に支持している。各ステータコイルはハウジング外のコントローラに電気的に接続され、センサにより検出されたロータの回転角度に基づいてコントローラにより各相のステータコイルが順次通電される。その結果、ステータコイルに発生した磁界によりロータに回転力が付与され、ロータの回転が減速機構を経て減速された後に駆動輪に伝達される。
【0004】
環状に配設された各ステータコイルをハウジング外のコントローラと接続するには、各ステータコイルをハウジング内の所定箇所に電気的に集合させる必要があり、このために結線用ユニットを用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。
当該特許文献1に記載された結線用ユニットは、全体としてロータを中心とした環状をなしてステータの側方に配設され、U,V,Wの各相に対応する3枚の導電部材を絶縁体を挟んで重ね合わせて構成されている。各導電部材の外周に形成された固定部には、対応する相の各ステータから引き出した配線がカシメ或いはハンダ付けにより接続される一方、各導電部材の一側に形成された端子片には、配線を介してハウジング外のコントローラが接続されている。よって、各ステータは導電部材を介して端子片の箇所に電気的に集合され、この端子片を経てコントローラから給電されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−233483号公報(段落番号0020−0024、図3,5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特許文献1に記載の結線用ユニットは多数枚の導電部材と絶縁体とを個別に製作する必要がある上に、製作後のこれらの部材を重ね合わせて結線用ユニットとして完成させる必要があり、その製造にはかなりのコストを要する。しかも、各ステータコイルから引き出した配線を導電部材の固定部に個別にカシメ或いはハンダ付けしているため、組付が非常に煩雑であり、ひいてはインホイールモータの製造コストを高騰させる要因となっていた。
【0007】
一方、この種のインホイールモータは、ホイール内への配置により外径が制限されることは勿論、サスペンション機構への影響(例えば、アーム長の短縮化など)を避けるために、車幅方向の寸法についても縮小化が要求されている。ところが、上記インホイールモータでは結線用ユニットをステータの側方に配設しているため、必然的に車幅方向の寸法が増加してしまい、この要求を満足できないという問題もある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、結線用ユニットを用いることなく各ステータコイルをハウジング内の所定箇所に電気的に集合させ、もって、製造コストを低減するとともに、車幅方向の縮小化を達成することができるインホイールモータの配線構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、ハウジング内に回転可能に支持されるとともに、車両の駆動輪に連結されたロータと、ロータの外周側に環状のステータコアを配設し、ステータコア上にステータコイルを巻回した多数のボビンを各相の順に列設して構成されたステータと、各ボビンに設けられ、各ステータコイルからの配線をそれぞれ支持してハウジング内の所定箇所に集合させるホルダ部と、ハウジング内の所定個所を経て各ステータコイルの配線と接続されて、ロータの回転角度に応じてステータコイルを各相毎に順次通電する制御手段とを備えたものである。
【0010】
従って、各ステータコイルからの配線は、各ボビンのホルダ部に支持されながらハウジング内の所定箇所に集合されて制御手段側の配線と接続され、ロータの回転角度に応じて制御手段により各相のステータコイルが順次通電されると、ステータコイルの励磁に伴って発生した磁界によりロータに回転力が付与されて、ロータとともに車両の駆動輪が回転駆動される。
【0011】
そして、このように、各ステータコイルからの配線をハウジング内の所定箇所に集合させる役割をボビンに設けたホルダ部が果たすため、特許文献1に記載された結線用ユニットが不要となる。ホルダ部はボビンの製造時に同時に簡単に成形可能なため、多数枚の導電部材と絶縁体とを個別に製作して重ね合わせる必要がある結線用ユニットに比較して安価に製造可能な上に、その組付け時には、各ステータコイルからの配線を端子などにより束ねて配線接続部に接続するだけのため、特許文献1のように配線をカシメ或いはハンダ付けする場合に比較して極めて容易に組付け可能である。
【0012】
加えて、ホルダ部を設けてもボビンの車幅方向の外寸はほとんど増加しないため、特許文献1の結線用ユニットをステータの側方に設置した場合に比較して、インホイールモータの車幅方向の寸法を増加させる虞がない。
請求項2の発明は、請求項1において、ホルダ部が、各ボビンの内周側と外周側とにそれぞれ設けられ、内周側のホルダ部と外周側のホルダ部とがステータコイルの配線を各相に分別して支持するものである。
【0013】
従って、ステータコイルからの配線は各相に分別された上で、ボビンの内周側と外周側のホルダ部によりそれぞれ案内される。ステータの内外周には元々ある程度のデッドスペースが形成されているため、そのデッドスペースを利用することで、ほとんどインホイールモータの外径を拡大することなく配線を案内することが可能となる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1において、ホルダ部が、少なくとも各ボビンの内周側に設けられるとともに、ボビンに、ホルダ部に支持された配線の内周側に位置するように弛み規制部が設けられたものである。
従って、ボビンに設けられた弛み規制部により配線の内周側への弛みが規制されるため、内周側で回転するロータへの配線の干渉が未然に防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化したインホイールモータの一実施形態を説明する。
本実施形態のインホイールモータは、電気自動車の左右の後輪にそれぞれ設けられており、運転者のアクセル操作に応じてコントローラにより駆動制御されて、各後輪を個別に回転駆動する。
【0016】
図1は本実施形態の左後輪に設けられたインホイールモータを後方から見た断面図であり、図において右方が車体側に、左方がタイヤ側に相当する。インホイールモータ1のハウジングはモータハウジング2aとギアハウジング2bとから構成され、両ハウジング2a,2bは左右より結合されて図示しないボルトにより固定されている。モータハウジング2aの右側面には車体側からのストラット3の下端およびロアアーム4の外端が連結され、これらのストラット3およびロアアーム4を介して車体に対してインホイールモータ1全体が支持されている。
【0017】
ハウジング2a,2b内にはロータ軸5およびスピンドル軸6が同軸上で左右方向(車幅方向)に延びるように配設されるとともに、これらの軸5,6に対する偏心位置にはカウンタ軸7が平行に配設されており、各軸5〜7はベアリング8により個別に回転可能に支持されている。なお、図示はしないがロータ軸5の左端は、スピンドル軸6の右端に設けられたベアリングにより支持されている。
【0018】
ロータ軸5にはロータギア9が、スピンドル軸6にはスピンドルギア10が一体形成されるとともに、カウンタ軸7にはロータギア9と噛合する第1カウンタギア11およびスピンドルギア10と噛合する第2カウンタギア12が一体形成されている。よって、ロータ軸5の回転は、ロータギア9と第1カウンタギア11との間、および第2カウンタギア12とスピンドルギア10との間で2段階に減速されてスピンドル軸6に伝達される。
【0019】
そして、これらの各ギア9〜12の潤滑や後述するステータコイル32の冷却などを目的として、ハウジング2a,2b内にはオイルが貯留され、オイルの油面は各ギア9〜12や後述するロータ25の回転抵抗の増加を抑制するために、ハウジング2a,2b内の1/3程度の高さに調整されている。
スピンドル軸6の左端はギアハウジング2bより右方に突出してホイールハブ15が固定され、ホイールハブ15には駆動輪のホイール16がナット17により装着され、このホイール16内にインホイールモータ1が位置している。ホイールハブ15は右方に開口する有底円筒状をなし、その開口部はギアハウジング2bに固定された円盤状のバックプレート18により閉鎖されている。ホイールハブ15内には油圧式のドラムブレーキ19が内蔵され、運転者によるブレーキ操作に伴って油圧配管20を経て車体側から作動油が供給されると、ドラムブレーキ19が作動して制動力が得られるようになっている。
【0020】
一方、上記ロータ軸5には円盤状をなすロータハブ23が圧入され、ロータハブ23の外周には永久磁石からなる多数のロータコア24が固定され、これらのロータ軸5、ロータハブ23、ロータコア24によりロータ25が構成されている。ロータハブ23にはボルト26によりセンサプレート27が固定され、センサプレート27の外周の等分6箇所には検出部27aが形成されている。ロータ25の回転に伴って、センサプレート27の検出部27aはギアハウジング2bの一側に固定された回転角度検出センサ28と順次相対向し、回転角度検出センサ28はロータ25の回転角度に同期した検出信号を後述するコントローラ53に出力する。
【0021】
図2はステータ31の詳細を示す部分拡大断面図、図3は同じくステータ31の詳細を示す図2のIII−III線断面図、図4はステータコア32、ボビン33、結束リング40の関係を示す図2のIV−IV線断面図であり、以下、これらの図に従ってステータ31部分の詳細を説明する。
上記ロータ25の外周には環状のステータ31が配設され、ステータ31の内周はロータコア24の外周に対して所定間隙を介して相対向している。ステータ31は、ステータコイル32を巻回した多数のボビン33を環状のステータコア34上に列設して構成されており、モータハウジング2aにロータ軸5を中心として形成された環状のステータ収容部35内に配設されている。
【0022】
特に図2,4に示すように、ステータコア34は内周側のインナコア36および外周側のアウタコア37からなり、それぞれ多数枚の電磁鋼板を左右方向に積層して製作されている。インナコア36には外周方向に突出する多数のコア部36aが等間隔をおいて列設され、各コア部36aの先端に上記アウタコア37が外嵌されている。インナコア36とアウタコア37との間において各コア部36aにはそれぞれ合成樹脂材料により射出成形されたボビン33が嵌合し、各ボビン33にはステータコイル32が巻回されている。
【0023】
図2,4に示すように、ロータ軸5を中心とした各ボビン33の外周面には、ステータコア34の右側面に沿ってボビン側リング溝38が形成され、それぞれのボビン側リング溝38は各ボビン33の外周を取り巻くように周方向に連続している。また、ボビン側リング溝38と相対向するように、ステータ収容部35の内周全体にはハウジング側リング溝39が形成されている。
【0024】
ボビン側リング溝38およびハウジング側リング溝39の内部には結束リング40が配設され、結束リング40は両リング溝38,39の周方向全体に延びる環状をなすとともに、その一側が切欠かれて切欠部40aが形成されている。結束リング40は縮径方向への弾性をもってボビン側リング溝38内に嵌め込まれるとともに、ハウジング側リング溝39の内壁に当接することで、拡開に伴ってボビン側リング溝38内から外周側に離脱することが規制されている。よって、この結束リング40により各ボビン33は内周側に付勢されて、インナコア36のコア部36aに対してガタツキを生じることなく強固に結束されている。
【0025】
上記ステータコア34のアウタコア37は図示しないボルトによりモータハウジング2aに固定されており、図2から明らかなように、結束リング40を介してインナコア36の左方への移動が規制されているため、結果としてステータ31全体がステータ収容部35内に固定されている。
図2,3に示すように、上記各ボビン33の外周側と内周側には、それぞれ左方に突出するホルダ部43が形成され、外周側のホルダ部43にはU相保持溝43uおよびV相保持溝43vが形成され、内周側のホルダ部43にはW相保持溝43wが形成されている。各ステータコイル32はU,V,Wの3相に分別されて交互に配列され、U相に相当するステータコイル32から引き出された配線32w(実体はステータコイル32の端部であるが、以下の説明ではステータコイル32の配線と呼称する)はU相保持溝43uに嵌め込まれて支持されながら、ハウジング2a,2bの一側に設けられたターミナル基盤44まで集合され、同様にV相のステータコイル32から引き出された配線32vはV相保持溝43vに、W相のステータコイル32から引き出された配線32wはW相保持溝43wにそれぞれ嵌め込まれて支持されながら、ターミナル基盤44まで集合されている。
【0026】
なお、ステータコイル32の取回し長さを短縮するために、ターミナル基板44から最も離間したボビン33を境界として、図3に示すように半周分のステータコイル32の配線32u,32v,32wは時計回りに案内され、図示はしないが残り半周分のステータコイル32の配線32u,32v,32wは反時計回りに案内されている。また、配線32u,32v,32wは自己の剛性により取回し形状を維持し、これにより各保持溝43u,43v,43wからの離脱が防止されている。
【0027】
ここで、図2から明らかなように、内周側および外周側のホルダ部43は、ボビン33から左方に僅かに突出するだけのため、ホルダ部43を設けない場合に比較してインホイールモータ1の左右寸法はほとんど増加していない。
また、ステータ31の左方において、ステータ25の内周側はロータ25などの部材との間に元々ある程度のデッドスペースが形成され、ステータ25の外周側はターミナル基板44などの部材との間に元々ある程度のデッドスペースが形成されており、そのデッドスペースを利用して各ボビン33のホルダ部43が設けられている。つまり、ステータ31の内外周のデッドスペースに合わせて、内周側に1相分、外周側に2相分のホルダ部43が設けられているため、ホルダ部43を設けない場合に比較してインホイールモータ1の外径もほとんど増加していない。
【0028】
各ボビン33には、内周側のホルダ部43の近傍に弛み規制部45が形成され、図2には示されていないが、弛み規制部45は内周側のホルダ部43と同様に左方に突出している。図3に示すようにW相のステータコイル32から引き出された配線32wは、この弛み規制部45の外周側を経てホルダ部43のW相保持溝43wに案内されている。よって、弛み規制部45により配線32wの内周側への弛みが規制され、内周側で回転するロータ25への配線32wの干渉が未然に防止されている。
【0029】
一方、上記ターミナル基板44は合成樹脂材料により射出成形され、ステータ31の外周側の一側で、モータハウジング2aとギアハウジング2bとの接合面に沿って配設されている。ターミナル基板44はビス44aによりモータハウジング2b側に固定され、図2に示すように、ターミナル基板44の両側面はモータハウジング2aおよびギアハウジング2bに形成された端子収容部46a,46b内にそれぞれ露出している。ターミナル基板44には各相に対応する3つのボルト孔47が表裏を貫通して形成され、各ボルト孔47には金属製の端子ボルト48がモータハウジング2b側から挿入されている。各端子ボルト48の先端はギアハウジング2b側に突出して、それぞれ金属製の端子ナット49が螺合している。
【0030】
上記各ステータコイル32からの配線32u,32v,32wは、ターミナル基板44の両側(図3の左右両側)でそれぞれ各相毎に束ねられて端子50に接続され、ギアハウジング2b側の端子収容部46b内において、各端子50は対応する端子ナット49とターミナル基板44との間に挟持されている。一方、各相の端子ボルト48とターミナル基板44との間にも端子51が挟持され、モータハウジング2a側の端子収容部46a内において、各端子51には各相のパワーケーブル52が接続されている。
【0031】
従って、ステータコイル32の配線32u,32v,32wとパワーケーブル52とは、端子ボルト48および端子ナット49によりターミナル基板44に固定されるとともに、これらの金属製の端子ボルト48および端子ナット49を介して相互に導通されている。
一方、図5はターミナル基板44のモータハウジング2a側を示す図2のV−V線断面図であり、この図に示すように、ターミナル基板44のモータハウジング2a側にはボルト回転規制部55が立設され、このボルト回転規制部55は六角状をなす各端子ボルト48の頭部の複数辺に当接して、端子ボルト48の回転を規制している。また、ボルト回転規制部55からはパワーケーブル52の各端子51に対応して端子回転規制部56が延設され、これらの端子回転規制部56により端子ボルト48を中心とする各端子51の回転が規制されている。また、図3に示すように、ターミナル基板44のギアハウジング2b側にはステータコイル32からの配線32u,32v,32wの各端子50に対応して端子回転規制部57が立設され、これらの端子回転規制部57により端子ボルト48を中心とする各端子50の回転が規制されている。
【0032】
図2に示すように、モータハウジング2aには端子収容部46a内とハウジング2a,2b外とを連通するように断面円形状のグロメット取付孔60が貫設され、グロメット取付孔60内にはエラストマ製のグロメット61が右方より弾性をもって挿入されている。図6はグロメット61を示す斜視図であり、この図に示すように、グロメット61は全体として略円柱状をなし、その先端(図2,6の左端)をグロメット取付孔60の内周に形成された段差部60aに当接させて軸方向(左右方向)に位置決めされている。モータハウジング2aの外壁面にはボルト62により固定プレート63が取付けられ、この固定プレート63はグロメット61の中間部に形成されたフランジ部61aに右方より当接して、グロメット取付孔60内からのグロメット61の離脱を防止している。
【0033】
なお、64は、グロメット61をグロメット取付孔60内に挿入する際に把持するための把持部である。
また、グロメット取付孔60内には2条の係合溝60bが全周に亘って形成され、これらの係合溝60bにはグロメット61の外周に全周に亘って形成された係合突条61bが弾性をもって係合し、これによりグロメット61の外周とグロメット取付孔60の内周との油密が保持されている。
【0034】
グロメット61には、モータハウジング2aの内外を貫通する3本のシール孔65が形成され、各シール孔65は上記パワーケーブル52と対応する断面円形状をなし、その内径はパワーケーブル52の外径と略一致している。各シール孔65内には上記ターミナル基板44からのパワーケーブル52が各相毎に挿通され、モータハウジング2a外に取り出されたパワーケーブル52の外端はコントローラ53(制御手段)に接続されている。
【0035】
各シール孔65内にはそれぞれ2条のシール突条65aが全周に亘って形成され、各シール突条65aはパワーケーブル52の外周に弾性をもって圧接し、これらのシール突条65aの箇所でハウジング2a,2bの内外が区画されて油密が保持されている。
なお、図3に示すように、ステータ31の一側には油温センサ66が配設され、油温センサ66からの配線67は、ターミナル基盤44の一側に形成された保持部68を利用して保持されながらグロメット61まで案内され、図示はしないが、グロメット61に形成されたシール孔69(上記シール孔65と同一構成でシール突条を備える)を経てハウジング2a,2b外のコントローラ53に接続されている。
【0036】
本実施形態のインホイールモータ1は以上のように構成されており、回転角度検出センサ28の検出信号に基づき、コントローラ53によりロータ25の回転角度に対応してステータ31のステータコイル32が順次通電されると、ステータコイル32の励磁に伴ってステータコア34に発生した磁界によりロータ25に回転力が付与される。ロータ25の回転は各ギア9〜12により減速されながらスピンドル軸6に伝達され、スピンドル軸6とともに駆動輪が回転駆動されて車両の走行が行われる。コントローラ53は運転者のアクセル操作量に基づいてステータコイル32に通電する電力を調整し、これによりアクセル操作に応じた走行を実現している。また、車両の減速時には、駆動輪から逆の伝達経路を辿ってロータ25が回転駆動され、ステータコイル32に発生した回生電力が図示しないバッテリに充電される。
【0037】
そして、上記のようにステータコイル32の配線32u,32v,32wは各相毎にボビン33に設けたホルダ部43に支持されながらターミナル基盤44に集合され、このターミナル基板44を介してコントローラ53側のパワーケーブル52と接続されている。ホルダ部43はボビン33の射出成形時に同時に簡単に成形可能なため、例えば多数枚の導電部材と絶縁体とからなる特許文献1に記載された結線用ユニットに比較して安価に製造できる上に、その組付け時には、各ステータコイル32からの配線32u,32v,32wをホルダ部43の保持溝43u,43v,43wに嵌め込むだけのため、特許文献1のように配線をカシメ或いはハンダ付けする場合に比較して極めて容易に組付けでき、ひいてはインホイールモータ1の製造コストを大幅に低減することができる。
【0038】
また、ホルダ部43はボビン33から左方に僅かに突出するだけのため、結線用ユニットをステータの側方に設置した特許文献1に比較して、インホイールモータ1の車幅方向の縮小化を達成できる。
さらに、ステータ31の内外周のデッドスペースを利用し、且つ、これらのデッドスペースに合わせてホルダ部43を内周側の1相分と外周側の2相分とに分別しているため、ほとんどインホイールモータ1の外径を拡大することなく各ステータコイル32からの配線32u,32v,32wを案内可能となる。その結果、上記した車幅方向の縮小化と相俟って、全体としてのインホイールモータ1の小型化を実現することができる。
【0039】
一方、ボビン33の内周側に取り回した配線32wについては、ボビン33に形成した弛み規制部45により内周側への弛みが規制されるため、内周側で回転するロータ25への配線32wの干渉が未然に防止され、断線などのトラブルを防止して信頼性を向上できるという利点もある。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、電気自動車の後輪に設けられたインホイールモータ1として具体化したが、これに限定されることはなく、例えば後輪に代えて前輪、あるいは全ての車輪にインホイールモータ1を設けてもよいし、走行駆動源としてモータとともにエンジンを備えたハイブリッド車両用のインホイールモータ1に具体化してもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、各ステータコイル32からの配線32u,32v,32wをホルダ部43により支持しながらターミナル基盤44に集合させたが、ターミナル基板44を利用することなく、そのままグロメット61を介してハウジング2a,2b外のコントローラ53と接続するようにしてもよい。この場合には、配線32u,32v,32wが集合するグロメット61の箇所がハウジング2a,2b内の所定箇所となる。
【0041】
さらに、上記実施形態では、ステータ25の内外周のデッドスペースに合わせてホルダ部43を内周側の1相分と外周側の2相分とに分別したが、ホルダ部43のレイアウトはインホイールモータ1の構造に応じて任意に変更可能であり、例えば内周側に2相分、外周側に1相分としたり、3相共に外周側若しくは内周側の何れかに設けるようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明のインホイールモータの配線構造によれば、ボビンに設けたホルダ部によりステータコイルからの配線を案内してハウジング内の所定箇所に集合させる構成としたため、多数枚の導電部材と絶縁体とからなる特許文献1の結線用ユニットと比較して製造コストを低減できるとともに、ステータの側方に設置位置が制約される結線用ユニットの廃止により、インホイールモータの車幅方向の縮小化を達成することができる。
【0043】
請求項2の発明のインホイールモータの配線構造によれば、請求項1に加えて、ステータの内外周のデッドスペースを利用して配線を案内するため、インホイールモータを一層小型化することができる。
請求項3の発明のインホイールモータの配線構造によれば、請求項1に加えて、ボビンの内周側の配線の弛みを弛み規制部により規制するため、配線がロータに干渉したときの断線などのトラブルを未然に防止し、その信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の左後輪に設けられたインホイールモータを後方から見た断面図である。
【図2】ステータの詳細を示す部分拡大断面図である。
【図3】同じくステータの詳細を示す図2のIII−III線断面図である。
【図4】ステータコア、ボビン、結束リングの関係を示す図2のIV−IV線断面図である。
【図5】ターミナル基板のモータハウジング側を示す図2のV−V線断面図である。
【図6】グロメットを示す斜視図である。
【符号の説明】
2a  モータハウジング
2b  ギアハウジング
25  ロータ
31  ステータ
32  ステータコイル
32u 配線
32v 配線
32w 配線
33  ボビン
34  ステータコア
43  ホルダ部
45  弛み規制部
53  コントローラ(制御手段)

Claims (3)

  1. ハウジング内に回転可能に支持されるとともに、車両の駆動輪に連結されたロータと、
    上記ロータの外周側に環状のステータコアを配設し、該ステータコア上にステータコイルを巻回した多数のボビンを各相の順に列設して構成されたステータと、
    上記各ボビンに設けられ、上記各ステータコイルからの配線をそれぞれ支持して上記ハウジング内の所定箇所に集合させるホルダ部と、
    上記ハウジング内の所定個所を経て上記各ステータコイルの配線と接続されて、上記ロータの回転角度に応じて上記ステータコイルを各相毎に順次通電する制御手段と
    を備えたことを特徴とするインホイールモータの配線構造。
  2. 上記ホルダ部は、上記各ボビンの内周側と外周側とにそれぞれ設けられ、該内周側のホルダ部と外周側のホルダ部とが上記ステータコイルの配線を各相に分別して支持することを特徴とする請求項1記載のインホイールモータの配線構造。
  3. 上記ホルダ部は、少なくとも上記各ボビンの内周側に設けられるとともに、該ボビンには、上記ホルダ部に支持された配線の内周側に位置するように弛み規制部が設けられたことを特徴とする請求項1記載のインホイールモータの配線構造。
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