JP2004120909A - インホイールモータの配線構造 - Google Patents

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Toru Urano
浦野 徹
Keiichi Kanashige
金重 慶一
Hajime Kozuka
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Abstract

【課題】結線用ユニットを用いることなくステータコイルを各相毎に電気的に集約し、もって、製造コストを低減するとともに、車幅方向の縮小化を達成できるインホイールモータの配線構造を提供する。
【解決手段】ハウジング2aの一側にターミナル基板44を配設して、このターミナル基板44に端子ボルト48および端子ナット49によりステータコイル32からの配線32u,32v,32wを接続して各相毎に電気的に集約する。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のホイール内に配置されて駆動輪を回転駆動するインホイールモータに係り、特にステータコイルを各相毎に電気的に集約する配線構造に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
車両のホイール内に配置されて駆動輪を直接駆動するインホイールモータは、車体側の省スペース化、変速機や差動ギアの省略、更に独立懸架のときにはドライブシャフトの省略などの各種利点が得られることから、フォークリフト、ゴルフカートなどの比較的小型の車両を中心として広く実施されている。
【0003】
この種のインホイールモータでは、ハウジング内に多数のステータコイルをU,V,Wの順に環状に配設してステータを構成し、ステータの内周側にロータを回転可能に支持している。各ステータコイルはハウジング外のコントローラに電気的に接続され、センサにより検出されたロータの回転角度に基づいてコントローラによりステータコイルが各相毎に順次通電される。その結果、ステータコイルに発生した磁界によりロータに回転力が付与され、ロータの回転が減速機構を経て減速された後に駆動輪に伝達される。
【0004】
コントローラにより各相のステータコイルを通電制御するには、ステータコイルを各相毎に電気的に集約する必要があり、このために結線用ユニットを用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。
当該特許文献1に記載された結線用ユニットは、全体としてロータを中心とした環状をなしてステータの側方に配設され、U,V,Wの各相に対応する3枚の導電部材を絶縁体を挟んで重ね合わせて構成されている。各導電部材の外周に形成された固定部には、対応する相の各ステータから引き出した配線がカシメ或いはハンダ付けにより接続され、これらの導電部材を介してステータコイルが各相毎に電気的に集約されている。各導電部材の一側には配線を介してハウジング外のコントローラが接続され、コントローラから任意の相のステータコイルに給電されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−233483号公報(段落番号0020−0024、図3,5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特許文献1に記載の結線用ユニットは多数枚の導電部材と絶縁体とを個別に製作する必要がある上に、製作後のこれらの部材を重ね合わせて結線用ユニットとして完成させる必要があり、その製造にはかなりのコストを要する。しかも、各ステータコイルから引き出した配線を導電部材の固定部に個別にカシメ或いはハンダ付けしているため、組付が非常に煩雑であり、ひいてはインホイールモータの製造コストを高騰させる要因となっていた。
【0007】
一方、この種のインホイールモータは、ホイール内への配置により外径が制限されることは勿論、サスペンション機構への影響(例えば、アーム長の短縮化など)を避けるために、車幅方向の寸法についても縮小化が要求されている。ところが、上記インホイールモータでは結線用ユニットをステータの側方に配設しているため、必然的に車幅方向の寸法が増加してしまい、この要求を満足できないという問題もある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、結線用ユニットを用いることなくステータコイルを各相毎に電気的に集約し、もって、製造コストを低減するとともに、車幅方向の縮小化を達成することができるインホイールモータの配線構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、ハウジング内に回転可能に支持されるとともに、車両の駆動輪に連結されたロータと、ロータの外周側に多数のステータコイルを各相の順に環状に配設して構成されたステータと、ハウジング内においてステータの一側に配設されて、ステータコイルの各相に対応して配線接続部が設けられ、各配線接続部にステータコイルからの各相の配線がそれぞれ接続されたターミナル基板と、ステータコイルの配線と対応する各相の配線がターミナル基板の各配線接続部にそれぞれ接続され、ロータの回転角度に応じて各配線接続部を介してステータコイルを各相毎に順次通電する制御手段とを備えたものである。
【0010】
従って、ターミナル基板の各配線接続部には、ステータコイルからの各相の配線と制御手段からの各相の配線とが接続され、これによりステータコイル側と制御手段側とが各相毎に導通される。その結果、ロータの回転角度に応じて制御手段によりステータコイルが各相毎に順次通電され、ステータコイルの励磁に伴って発生した磁界によりロータに回転力が付与されて、ロータとともに車両の駆動輪が回転駆動される。
【0011】
そして、このように、ステータコイルからの配線を各相毎に電気的に集約する役割をターミナル基板が果たすため、特許文献1に記載された結線用ユニットが不要となる。ターミナル基板は各相毎の配線接続部を介して配線を接続するだけの簡単な構成のため、多数枚の導電部材と絶縁体とを個別に製作して重ね合わせる必要がある結線用ユニットに比較して安価に製造可能な上に、その組付け時には、各ステータコイルからの配線を端子などにより束ねて配線接続部に接続するだけのため、特許文献1のように配線をカシメ或いはハンダ付けする場合に比較して極めて容易に組付け可能である。
【0012】
加えて、ターミナル基板は環状のステータの一側に設置可能なため、特許文献1の結線用ユニットのようにステータの側方に設置位置が制約される場合のように、インホイールモータの車幅方向の寸法を増加させる虞がない。
請求項2の発明は、請求項1において、配線接続部が、ターミナル基板の表裏を貫通する導体製の端子ボルト、および端子ボルトに対してターミナル基板の反対面より螺合する導体製の端子ナットから構成され、ステータコイルからの配線と制御手段からの配線とのいずれか一方の端子をターミナル基板と端子ボルトとの間で挟持するとともに、ステータコイルからの配線と制御手段からの配線との他方の端子をターミナル基板と端子ナットとの間で挟持するものである。
【0013】
従って、ステータコイルからの配線と制御手段からの配線とは、端子ボルトおよび端子ナットによりターミナル基板に固定されるとともに、これらの端子ボルトおよび端子ナットが双方を電気的に導通させる役割を兼ねていることから、導通のための専用の部材を設ける必要がなくなる。
また、ターミナル基板はステータコイルからの配線と制御手段からの配線とが各相毎に集合して込み合うため、ある程度の面積を必要とするが、双方の配線をターミナル基板の表裏で個別に接続していることから、ターミナル基板の面積の縮小が可能となる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2において、ターミナル基板に、端子ボルトの頭部と係合するボルト回転規制部が形成されているものである。
従って、ターミナル基板のボルト回転規制部に端子ボルトの頭部を係合させて回転規制した状態で、反対面で端子ナットを螺合できるため、組付け作業が容易になる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項2において、ターミナル基板に、ステータコイルからの配線の端子と係合する端子回転規制部が形成されるとともに、制御手段からの配線の端子と係合する端子回転規制部が形成されているものである。
従って、ターミナル基板の端子規制部に、ステータコイルからの配線の端子と制御手段からの配線の端子とをそれぞれ係合させて回転規制できるため、これらの部材の回止めに注意を払うことなく端子ボルトに端子ナットを螺合でき、組付け作業が容易になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化したインホイールモータの一実施形態を説明する。
本実施形態のインホイールモータは、電気自動車の左右の後輪にそれぞれ設けられており、運転者のアクセル操作に応じてコントローラにより駆動制御されて、各後輪を個別に回転駆動する。
【0017】
図1は本実施形態の左後輪に設けられたインホイールモータを後方から見た断面図であり、図において右方が車体側に、左方がタイヤ側に相当する。インホイールモータ1のハウジングはモータハウジング2aとギアハウジング2bとから構成され、両ハウジング2a,2bは左右より結合されて図示しないボルトにより固定されている。モータハウジング2aの右側面には車体側からのストラット3の下端およびロアアーム4の外端が連結され、これらのストラット3およびロアアーム4を介して車体に対してインホイールモータ1全体が支持されている。
【0018】
ハウジング2a,2b内にはロータ軸5およびスピンドル軸6が同軸上で左右方向(車幅方向)に延びるように配設されるとともに、これらの軸5,6に対する偏心位置にはカウンタ軸7が平行に配設されており、各軸5〜7はベアリング8により個別に回転可能に支持されている。なお、図示はしないがロータ軸5の左端は、スピンドル軸6の右端に設けられたベアリングにより支持されている。
【0019】
ロータ軸5にはロータギア9が、スピンドル軸6にはスピンドルギア10が一体形成されるとともに、カウンタ軸7にはロータギア9と噛合する第1カウンタギア11およびスピンドルギア10と噛合する第2カウンタギア12が一体形成されている。よって、ロータ軸5の回転は、ロータギア9と第1カウンタギア11との間、および第2カウンタギア12とスピンドルギア10との間で2段階に減速されてスピンドル軸6に伝達される。
【0020】
そして、これらの各ギア9〜12の潤滑や後述するステータコイル32の冷却などを目的として、ハウジング2a,2b内にはオイルが貯留され、オイルの油面は各ギア9〜12や後述するロータ25の回転抵抗の増加を抑制するために、ハウジング2a,2b内の1/3程度の高さに調整されている。
スピンドル軸6の左端はギアハウジング2bより右方に突出してホイールハブ15が固定され、ホイールハブ15には駆動輪のホイール16がナット17により装着され、このホイール16内にインホイールモータ1が位置している。ホイールハブ15は右方に開口する有底円筒状をなし、その開口部はギアハウジング2bに固定された円盤状のバックプレート18により閉鎖されている。ホイールハブ15内には油圧式のドラムブレーキ19が内蔵され、運転者によるブレーキ操作に伴って油圧配管20を経て車体側から作動油が供給されると、ドラムブレーキ19が作動して制動力が得られるようになっている。
【0021】
一方、上記ロータ軸5には円盤状をなすロータハブ23が圧入され、ロータハブ23の外周には永久磁石からなる多数のロータコア24が固定され、これらのロータ軸5、ロータハブ23、ロータコア24によりロータ25が構成されている。ロータハブ23にはボルト26によりセンサプレート27が固定され、センサプレート27の外周の等分6箇所には検出部27aが形成されている。ロータ25の回転に伴って、センサプレート27の検出部27aはギアハウジング2bの一側に固定された回転角度検出センサ28と順次相対向し、回転角度検出センサ28はロータ25の回転角度に同期した検出信号を後述するコントローラ53に出力する。
【0022】
図2はステータ31の詳細を示す部分拡大断面図、図3は同じくステータ31の詳細を示す図2のIII−III線断面図、図4はステータコア32、ボビン33、結束リング40の関係を示す図2のIV−IV線断面図であり、以下、これらの図に従ってステータ31部分の詳細を説明する。
上記ロータ25の外周には環状のステータ31が配設され、ステータ31の内周はロータコア24の外周に対して所定間隙を介して相対向している。ステータ31は、ステータコイル32を巻回した多数のボビン33を環状のステータコア34上に列設して構成されており、モータハウジング2aにロータ軸5を中心として形成された環状のステータ収容部35内に配設されている。
【0023】
特に図2,4に示すように、ステータコア34は内周側のインナコア36および外周側のアウタコア37からなり、それぞれ多数枚の電磁鋼板を左右方向に積層して製作されている。インナコア36には外周方向に突出する多数のコア部36aが等間隔をおいて列設され、各コア部36aの先端に上記アウタコア37が外嵌されている。インナコア36とアウタコア37との間において各コア部36aにはそれぞれ合成樹脂材料により射出成形されたボビン33が嵌合し、各ボビン33にはステータコイル32が巻回されている。
【0024】
図2,4に示すように、ロータ軸5を中心とした各ボビン33の外周面には、ステータコア34の右側面に沿ってボビン側リング溝38が形成され、それぞれのボビン側リング溝38は各ボビン33の外周を取り巻くように周方向に連続している。また、ボビン側リング溝38と相対向するように、ステータ収容部35の内周全体にはハウジング側リング溝39が形成されている。
【0025】
ボビン側リング溝38およびハウジング側リング溝39の内部には結束リング40が配設され、結束リング40は両リング溝38,39の周方向全体に延びる環状をなすとともに、その一側が切欠かれて切欠部40aが形成されている。結束リング40は縮径方向への弾性をもってボビン側リング溝38内に嵌め込まれるとともに、ハウジング側リング溝39の内壁に当接することで、拡開に伴ってボビン側リング溝38内から外周側に離脱することが規制されている。よって、この結束リング40により各ボビン33は内周側に付勢されて、インナコア36のコア部36aに対してガタツキを生じることなく強固に結束されている。
【0026】
上記ステータコア34のアウタコア37は図示しないボルトによりモータハウジング2aに固定されており、図2から明らかなように、結束リング40を介してインナコア36の左方への移動が規制されているため、結果としてステータ31全体がステータ収容部35内に固定されている。
図2,3に示すように、上記各ボビン33の外周側と内周側には、それぞれ左方に突出するホルダ部43が形成され、外周側のホルダ部43にはU相保持溝43uおよびV相保持溝43vが形成され、内周側のホルダ部43にはW相保持溝43wが形成されている。各ステータコイル32はU,V,Wの3相に分別されて交互に配列され、U相に相当するステータコイル32から引き出された配線32w(実体はステータコイル32の端部であるが、以下の説明ではステータコイル32の配線と呼称する)はU相保持溝43uに嵌め込まれて支持されながら、ハウジング2a,2bの一側に設けられたターミナル基盤44まで集合され、同様にV相のステータコイル32から引き出された配線32vはV相保持溝43vに、W相のステータコイル32から引き出された配線32wはW相保持溝43wにそれぞれ嵌め込まれて支持されながら、ターミナル基盤44まで集合されている。
【0027】
なお、ステータコイル32の取回し長さを短縮するために、ターミナル基板44から最も離間したボビン33を境界として、図3に示すように半周分のステータコイル32の配線32u,32v,32wは時計回りに案内され、図示はしないが残り半周分のステータコイル32の配線32u,32v,32wは反時計回りに案内されている。また、配線32u,32v,32wは自己の剛性により取回し形状を維持し、これにより各保持溝43u,43v,43wからの離脱が防止されている。
【0028】
各ボビン33には、内周側のホルダ部43の近傍に弛み規制部45が形成され、図2には示されていないが、弛み規制部45は内周側のホルダ部43と同様に左方に突出している。図3に示すようにW相のステータコイル32から引き出された配線32wは、この弛み規制部45の外周側を経てホルダ部43のW相保持溝43wに案内されている。よって、弛み規制部45により配線32wの内周側への弛みが規制され、内周側で回転するロータ25への配線32wの干渉が未然に防止されている。
【0029】
一方、上記ターミナル基板44は合成樹脂材料により射出成形され、ステータ31の外周側の一側で、モータハウジング2aとギアハウジング2bとの接合面に沿って配設されている。ターミナル基板44はビス44aによりモータハウジング2b側に固定され、図2に示すように、ターミナル基板44の両側面はモータハウジング2aおよびギアハウジング2bに形成された端子収容部46a,46b内にそれぞれ露出している。ターミナル基板44には各相に対応する3つのボルト孔47が表裏を貫通して形成され、各ボルト孔47には金属製の端子ボルト48(配線接続部)がモータハウジング2b側から挿入されている。各端子ボルト48の先端はギアハウジング2b側に突出して、それぞれ金属製の端子ナット49(配線接続部)が螺合している。
【0030】
上記各ステータコイル32からの配線32u,32v,32wは、ターミナル基板44の両側(図3の左右両側)でそれぞれ各相毎に束ねられて端子50に接続され、ギアハウジング2b側の端子収容部46b内において、各端子50は対応する端子ナット49とターミナル基板44との間に挟持されている。一方、各相の端子ボルト48とターミナル基板44との間にも端子51が挟持され、モータハウジング2a側の端子収容部46a内において、各端子51には各相のパワーケーブル52(配線)が接続されている。
【0031】
従って、ステータコイル32の配線32u,32v,32wとパワーケーブル52とは、端子ボルト48および端子ナット49によりターミナル基板44に固定されるとともに、これらの金属製の端子ボルト48および端子ナット49を介して相互に導通されている。
一方、図5はターミナル基板44のモータハウジング2a側を示す図2のV−V線断面図であり、この図に示すように、ターミナル基板44のモータハウジング2a側にはボルト回転規制部55が立設され、このボルト回転規制部55は六角状をなす各端子ボルト48の頭部の複数辺に当接して、端子ボルト48の回転を規制している。また、ボルト回転規制部55からはパワーケーブル52の各端子51に対応して端子回転規制部56が延設され、これらの端子回転規制部56により端子ボルト48を中心とする各端子51の回転が規制されている。また、図3に示すように、ターミナル基板44のギアハウジング2b側にはステータコイル32からの配線32u,32v,32wの各端子50に対応して端子回転規制部57が立設され、これらの端子回転規制部57により端子ボルト48を中心とする各端子50の回転が規制されている。
【0032】
図2に示すように、モータハウジング2aには端子収容部46a内とハウジング2a,2b外とを連通するように断面円形状のグロメット取付孔60が貫設され、グロメット取付孔60内にはエラストマ製のグロメット61が右方より弾性をもって挿入されている。図6はグロメット61を示す斜視図であり、この図に示すように、グロメット61は全体として略円柱状をなし、その先端(図2,6の左端)をグロメット取付孔60の内周に形成された段差部60aに当接させて軸方向(左右方向)に位置決めされている。モータハウジング2aの外壁面にはボルト62により固定プレート63が取付けられ、この固定プレート63はグロメット61の中間部に形成されたフランジ部61aに右方より当接して、グロメット取付孔60内からのグロメット61の離脱を防止している。
【0033】
なお、64は、グロメット61をグロメット取付孔60内に挿入する際に把持するための把持部である。
また、グロメット取付孔60内には2条の係合溝60bが全周に亘って形成され、これらの係合溝60bにはグロメット61の外周に全周に亘って形成された係合突条61bが弾性をもって係合し、これによりグロメット61の外周とグロメット取付孔60の内周との油密が保持されている。
【0034】
グロメット61には、モータハウジング2aの内外を貫通する3本のシール孔65が形成され、各シール孔65は上記パワーケーブル52と対応する断面円形状をなし、その内径はパワーケーブル52の外径と略一致している。各シール孔65内には上記ターミナル基板44からのパワーケーブル52が各相毎に挿通され、モータハウジング2a外に取り出されたパワーケーブル52の外端はコントローラ53(制御手段)に接続されている。
【0035】
各シール孔65内にはそれぞれ2条のシール突条65aが全周に亘って形成され、各シール突条65aはパワーケーブル52の外周に弾性をもって圧接し、これらのシール突条65aの箇所でハウジング2a,2bの内外が区画されて油密が保持されている。
なお、図3に示すように、ステータ31の一側には油温センサ66が配設され、油温センサ66からの配線67は、ターミナル基盤44の一側に形成された保持部68を利用して保持されながらグロメット61まで案内され、図示はしないが、グロメット61に形成されたシール孔69(上記シール孔65と同一構成でシール突条を備える)を経てハウジング2a,2b外のコントローラ53に接続されている。
【0036】
本実施形態のインホイールモータ1は以上のように構成されており、回転角度検出センサ28の検出信号に基づき、コントローラ53によりロータ25の回転角度に対応してステータ31のステータコイル32が順次通電されると、ステータコイル32の励磁に伴ってステータコア34に発生した磁界によりロータ25に回転力が付与される。ロータ25の回転は各ギア9〜12により減速されながらスピンドル軸6に伝達され、スピンドル軸6とともに駆動輪が回転駆動されて車両の走行が行われる。コントローラ53は運転者のアクセル操作量に基づいてステータコイル32に通電する電力を調整し、これによりアクセル操作に応じた走行を実現している。また、車両の減速時には、駆動輪から逆の伝達経路を辿ってロータ25が回転駆動され、ステータコイル32に発生した回生電力が図示しないバッテリに充電される。
【0037】
そして、上記のようにステータコイル32の配線32u,32v,32wは各相毎に集約されてターミナル基板44に接続され、このターミナル基板44を介してコントローラ53側のパワーケーブル52と接続されている。ターミナル基板44は合成樹脂により一体成形可能なため、例えば多数枚の導電部材と絶縁体とからなる特許文献1に記載された結線用ユニットに比較して安価に製造できる上に、その組付け時には、各ステータコイル32の配線32u,32v,32wを端子50により束ねて端子ボルト48および端子ナット49で固定するだけのため、特許文献1のように配線をカシメ或いはハンダ付けする場合に比較して極めて容易に組付けでき、ひいてはインホイールモータ1の製造コストを大幅に低減することができる。
【0038】
また、図3に示すようにターミナル基板44は、周囲の部材とのレイアウトを考慮した上で環状のステータ31に沿った任意の位置に設置可能であり、特許文献1の結線用ユニットのようにステータの側方に設置位置が制約されることがないため、インホイールモータ1の車幅方向の縮小化を達成できる。
一方、ステータコイル32の配線32u,32v,32wとコントローラ53のパワーケーブル52とをターミナル基板44に固定する端子ボルト48および端子ナット49が、双方32u,32v,32w,52を電気的に導通させる役割を兼ねていることから、導通のための専用の部材を設ける必要がなく、部品点数の減少により製造コストを更に低減することができる。
【0039】
また、ターミナル基板44にはステータコイル32の配線32u,32v,32wとパワーケーブル52とが各相毎に集合して込み合うため、ある程度の面積を必要とするが、図2から明らかなように、これらの配線32u,32v,32wとパワーケーブル52とがターミナル基板44の表裏で個別に接続されているため、ターミナル基板44の面積を大幅に縮小でき、上記した車幅方向の縮小化と相俟ってインホイールモータ1を一層小型化することができる。
【0040】
一方、以上のように構成されたインホイールモータ1の組付時において、ターミナル基板44には、ボビン33からのステータコイル32の端子とパワーケーブル52の端子とが接続されるが、このときには、まず、パワーケーブル52の端子51を挟み込んだ状態で、ターミナル基板44のボルト孔47内に図2の右方より端子ボルト48を挿入し、次いで、ステータコイル32の端子50を挟み込んだ状態で、左方に突出した端子ボルト48に端子ナット49を螺合し、各相毎に同様の手順を繰り返した後、ビス44aによりターミナル基板44をモータハウジング2aに固定する。
【0041】
そして、この端子ナット49の螺合時において、ターミナル基板44の右側では、ボルト回転規制部55により端子ボルト48の回転が規制され、端子回転規制部56によりパワーケーブル52の端子51の回転が規制される一方、ターミナル基板44の左側では、端子回転規制部57によりステータコイル32の端子50の回転が規制されるため、作業者はこれらの部材の回止めに注意を払うことなく、極めて容易に組付け作業を実施でき、この要因も製造コストの低減に大きく貢献することになる。
【0042】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、電気自動車の後輪に設けられたインホイールモータ1として具体化したが、これに限定されることはなく、例えば後輪に代えて前輪、あるいは全ての車輪にインホイールモータ1を設けてもよいし、走行駆動源としてモータとともにエンジンを備えたハイブリッド車両用のインホイールモータ1に具体化してもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、各ステータコイル32からの配線32u,32v,32wを各ボビン33に形成したホルダ部43により支持しながらターミナル基盤44に案内したが、ホルダ部43を利用することなく、他の部材により配線32u,32v,32wを案内するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、ステータコイル32の配線32u,32v,32wとコントローラ53のパワーケーブル52とをターミナル基板44の表裏で個別に接続するとともに、固定用の端子ボルト48および端子ナット49を利用して電気的に導通させたが、必ずしもこのように構成する必要はなく、例えば、これらの配線32u,32v,32wの端子50とパワーケーブル52の端子51とをターミナル基板44の一側面に重ね合わせた状態でビスなどで固定してもよい。
【0044】
一方、上記実施形態では、ボルト回転規制部55、端子回転規制部56,57により端子ボルト48や端子50,51の回転を規制したが、これらの回転規制部55〜57を省略してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明のインホイールモータの配線構造によれば、多数枚の導電部材と絶縁体とからなる特許文献1の結線用ユニットと比較して簡単な構成のターミナル基板をハウジング内の一側に配設し、ターミナル基板の配線接続部にステータコイルからの配線を接続して各相毎に電気的に集約する構成としたため、ターミナル基板自体のコスト低減と組付作業の容易化と相俟って、インホイールモータ全体の製造コストを低減できるとともに、ステータの側方に設置位置が制約される結線用ユニットの廃止により、インホイールモータの車幅方向の縮小化を達成することができる。
【0046】
請求項2の発明のインホイールモータの配線構造によれば、請求項1に加えて、ステータコイルからの配線と制御手段からの配線とを固定する端子ボルトおよび端子ナットを利用して双方を電気的に導通させるため、導通のための専用の部材を設ける必要がなく、部品点数の減少により製造コストを更に低減でき、かつ、ターミナル基板の表裏でステータコイルからの配線と制御手段からの配線とを個別に接続するため、ターミナル基板の面積を縮小してインホイールモータを一層小型化することができる。
【0047】
請求項3の発明のインホイールモータの配線構造によれば、請求項2に加えて、ボルト回転規制部により端子ボルトを回転規制するため、端子ボルトの回止めに注意を払うことなく容易に組付け作業を実施することができる。
請求項4の発明のインホイールモータの配線構造によれば、請求項2に加えて、端子回転規制部によりステータコイルからの配線の端子と制御手段からの配線の端子を回転規制するため、これらの端子の回止めに注意を払うことなく容易に組付け作業を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の左後輪に設けられたインホイールモータを後方から見た断面図である。
【図2】ステータの詳細を示す部分拡大断面図である。
【図3】同じくステータの詳細を示す図2のIII−III線断面図である。
【図4】ステータコア、ボビン、結束リングの関係を示す図2のIV−IV線断面図である。
【図5】ターミナル基板のモータハウジング側を示す図2のV−V線断面図である。
【図6】グロメットを示す斜視図である。
【符号の説明】
2a    モータハウジング
2b    ギアハウジング
25    ロータ
31    ステータ
32    ステータコイル
32u   配線
32v   配線
32w   配線
44    ターミナル基板
48    端子ボルト(配線接続部)
49    端子ナット(配線接続部)
50,51 端子
52    パワーケーブル(配線)
53    コントローラ(制御手段)
55    ボルト回転規制部
56,57 端子回転規制部

Claims (4)

  1. ハウジング内に回転可能に支持されるとともに、車両の駆動輪に連結されたロータと、
    上記ロータの外周側に多数のステータコイルを各相の順に環状に配設して構成されたステータと、
    上記ハウジング内において上記ステータの一側に配設されて、上記ステータコイルの各相に対応して配線接続部が設けられ、各配線接続部に上記ステータコイルからの各相の配線がそれぞれ接続されたターミナル基板と、
    上記ステータコイルの配線と対応する各相の配線が上記ターミナル基板の各配線接続部にそれぞれ接続され、上記ロータの回転角度に応じて各配線接続部を介して上記ステータコイルを各相毎に順次通電する制御手段と
    を備えたことを特徴とするインホイールモータの配線構造。
  2. 上記配線接続部は、上記ターミナル基板の表裏を貫通する導体製の端子ボルト、および該端子ボルトに対して該ターミナル基板の反対面より螺合する導体製の端子ナットから構成され、上記ステータコイルからの配線と上記制御手段からの配線とのいずれか一方の端子を上記ターミナル基板と上記端子ボルトとの間で挟持するとともに、上記ステータコイルからの配線と上記制御手段からの配線との他方の端子を上記ターミナル基板と上記端子ナットとの間で挟持することを特徴とする請求項1記載のインホイールモータの配線構造。
  3. 上記ターミナル基板には、上記端子ボルトの頭部と係合するボルト回転規制部が形成されていることを特徴とする請求項2記載のインホイールモータの配線構造。
  4. 上記ターミナル基板には、上記ステータコイルからの配線の端子と係合する端子回転規制部が形成されるとともに、上記制御手段からの配線の端子と係合する端子回転規制部が形成されていることを特徴とする請求項2記載のインホイールモータの配線構造。
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